JP2016094034A - 座席回転装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 車両2に取り付け可能なロアプレート10の上にミドルプレート20は設けられる。そのミドルプレート20に対して平行に回転可能に設けられたアッパープレート30に、座席3を取り付け可能である。可動手段40は、ロアプレート10に対しミドルプレート20を遠ざけるとき、ミドルプレート20を上方向、且つ、車幅方向内側へ移動することが可能である。また、可動手段40は、ロアプレート10に対しミドルプレート20を近づけるとき、ミドルプレート20を下方向、且つ、車幅方向外側へ移動することが可能である。これにより、座席回転装置1は、座席3を車室内の障害物に干渉させることなく、回転させることができる。
【選択図】 図2
Description
特許文献1に記載の装置は、車両のフロアに設けられたガイドレールに対しベース板が車両前後方向に往復移動可能に設けられ、そのベース板に対し連結板が回転可能に設けられている。その連結板の上にフレームを介して座席が取り付けられている。これにより、特許文献1に記載の装置は、座席を車両前後方向へ移動可能とすると共に、座席を水平に回転可能としている。
そのため、それらの車両に特許文献1の装置を設置して運転席または助手席を回転する場合、フロアパネルの座席設置面から車室内に突出する種々の突起部と座席とが干渉し、さらに、ドア及びドアピラーと座席とが干渉することになる。したがって、特許文献1の装置では、運転席または助手席を回転させることができない。
(一実施形態)
本発明の一実施形態を図1から図18に示す。本実施形態の座席回転装置1は、例えばワンボックス車等の車両2の座席3の下に設けられ、運転席または助手席を進行方向前向きの位置から後向きの位置へ約180°回転させるものである。
図1及び図2に示すように、座席回転装置1は、ロアプレート10、ミドルプレート20、アッパープレート30及び可動手段40等を備えている。ロアプレート10は車両2に設けられたスライドレール4等に固定されている。ロアプレート10に可動手段40を介してミドルプレート20が接続されている。ミドルプレート20に対し、アッパープレート30は水平に回転可能である。アッパープレート30には座席3が固定されている。
図2の一点鎖線A,Bに示したように、アッパープレート30がロアプレート10から離れる際、アッパープレート30は、フロアパネル5から突出した突起部6を回避して、上方向に移動すると共に車幅方向内側へ円弧状に移動する。また、座席3は、図2の破線Cに示した位置から実線Dに示した位置へ移動することにより、ドア及びドアピラー8から離れた場所に位置する。
図2に示す状態から、ミドルプレート20に対しアッパープレート30を水平に約180°回転することで、ドア及びドアピラー8に座席3を干渉させることなく、座席3を後方へ向けることが可能である。
図3に示すように、ロアプレート10は、板状に形成され、レール取付部11、及び、そのレール取付部11から車両2の床方向に凹む下底部12を一体に有する。
さらに、レール取付部11には、第1付勢手段としての圧縮ばね15が取り付けられている。この圧縮ばね15は、ロアプレート10とミドルプレート20とが近づいた状態のとき、ロアプレート10とミドルプレート20とを垂直に引き離す方向に付勢する。
座席取付部31は、座席3を取り付けるためのボルト孔33を有する。また、座席取付部31には、上述した4個の上側位置決め部材34が設けられる。ロアプレート10とミドルプレート20とが近づいたとき、座席取付部31の下面に圧縮ばね15が当接する。
フランジ部材37は、筒部371、及びその筒部371の下端に固定された円盤部372を有する。フランジ部材37の筒部371の上端は、上底部32の有する円孔38に溶接などにより固定される。アッパープレート30とミドルプレート20との間には、摩擦力を低減するために第1摩擦プレート35が設けられる。ミドルプレート20と円盤部372との間には、摩擦力を低減するために第2摩擦プレート36が設けられる。第1摩擦プレート35と第2摩擦プレート36は、例えばフッ素樹脂などから形成される。
上底部32には、案内板22の径外側の位置に凸状の回転ストッパ39が設けられている。図9の矢印Kに示すように、アッパープレート30がミドルプレート20に対して回転する際、回転ストッパ39は案内板22の外縁に沿って移動する。回転ストッパ39は、座席3が車両進行方向前向きに位置するとき、図9のE点において、ミドルプレート20の当接部23に当接する。また、回転ストッパ39は、座席3が車両進行方向後向きに位置するとき、図9のF点において、ミドルプレート20の当接部24に当接する。これにより、アッパープレート30の回転角度範囲が設定される。
第1可動手段41と第2可動手段42はいずれも、支持部材43、下側軸部材44、及び、上側軸部材45を有する。
支持部材43は、板状に形成された平板部431、及びその平板部431の車両前後方向にそれぞれ設けられた補強部432を有する。
ロアプレート10とミドルプレート20とが近づいた状態のとき、平板部431は、ロアプレート10及びミドルプレート20に対しほぼ平行に配置される。
補強部432は、平板部431に対しほぼ垂直に設けられる。ロアプレート10とミドルプレート20とが近づいた状態のとき、補強部432は、ロアプレート10とミドルプレート20との間で車幅方向に延びる。
上側軸部材45は、下側軸部材44よりも車幅方向外側に設けられる。上側軸部材45は、支持部材43の他端に設けられた穴と、ミドルプレート20に設けられた軸受部18の穴とに挿通し、支持部材43の他端とミドルプレート20とを回転可能に接続する。
一方、ロアプレート10に対しミドルプレート20を近づけるとき、支持部材43は、下側軸部材44を回転軸として、ミドルプレート20側の端部が車幅方向外側に円弧状に移動する。したがって、可動手段40は、ロアプレート10に対しミドルプレート20を下方向に移動すると共に、車幅方向外側へ移動することが可能である。
図8に示すように、アッパープレート30とロアプレート10とが離れた状態のとき、第1可動手段41と第2可動手段42はそれぞれ、ミドルプレート20を車幅方向に異なる位置で支持する。そのため、アッパープレート30が車幅方向にふらつくことが防がれる。
ロックレバー62は、ガイド部材61の内側を軸方向に往復移動可能である。
第1嵌合部材63は、座席3が車両進行方向前向きの位置にあるとき、ロックレバー62の先端部65に嵌合可能な位置に設けられている。一方、図10に示した状態からアッパープレート30が180°回転して座席3が車両進行方向後向きの位置にあるとき、第2嵌合部材64は、ロックレバー62の先端部65に嵌合可能な位置に設けられている。ロックレバー62が第1嵌合部材63または第2嵌合部材64に嵌合すると、ロアプレート10とアッパープレート30とは、上下の移動、車幅方向への移動、及び、水平回転が同時に規制される。
座席回転装置1を使用して運転席を回転する動作を図11から図18に示す。この動作は、車両2を安全な場所に停止させ、パーキングブレーキをかけた状態で行われる。
まず、第2固定手段66(図3参照)とロックレバー62を動作させる。即ち、第2固定手段66を回転させ、ロアプレート10及びアッパープレート30と、第2固定手段66との嵌合を解除する。また、図11に示すように、ロックレバー62を座席3の後方へ引き、ロックレバー62の先端部65を第1嵌合部材63から引き出す。このとき、ロアプレート10に設けられた圧縮ばね15は、アッパープレート30とロアプレート10を切り離すサポートをする。
次に、図12の矢印Gに示すように、座席3の背もたれを前方へ傾斜させる。これは、座席3の重心を座席回転装置1のアッパープレート30の回転中心Oに近づけるためである。
座席3の移動範囲は、ストッパベルト55により制限されているので、車両2の突起部6とアッパープレート30との接触が防がれる。
続いて、図17の矢印Jに示すように、座席3を下方向、且つ、車幅方向外側に移動する。このとき、引張りばね50の付勢力により、座席3はゆっくりと下方向、且つ、車幅方向外側に移動する。また、座席3は、圧縮ばね15の上面とアッパープレート30の下面とが当接した位置で停止する。
これにより、運転者は、進行方向後向きに回転した運転席に座り、後部座席に座る者と対座等を行うことができる。
(1)本実施形態では、可動手段40は、ロアプレート10に対しミドルプレート20を遠ざけるとき、ミドルプレート20を上方向に移動すると共に車幅方向内側へ移動することが可能である。また、可動手段40は、ロアプレート10に対しミドルプレート20を近づけるとき、ミドルプレート20を下方向に移動すると共に車幅方向外側へ移動することが可能である。
これにより、座席回転装置1は、アッパープレート30に取り付けた座席3を上方かつ車幅方向内側へ移動するとき、車両2のフロアパネル5から車室内に突出した突起部6と座席3が干渉することを回避し、且つ、ドア及びドアピラー8と座席3が干渉することを回避可能である。この状態で、ミドルプレート20に対しアッパープレート30を回転すれば、座席3はアッパープレート30と共に車室内で回転する。座席3を回転させた後、座席3を下方向かつ車幅方向外側へ移動することで、使用者は座席3に座ることが可能である。したがって、座席回転装置1は、車室内の障害物に干渉させることなく、座席3を車室内で回転させることができる。
これにより、可動手段40は、ロアプレート10とミドルプレート20とを遠ざけるとき、ロアプレート10に対しミドルプレート20を上方向、且つ、車幅方向内側へ円弧状に移動することが可能である。また、可動手段40は、ロアプレート10とミドルプレート20とを近づけるとき、ロアプレート10に対しミドルプレート20を下方向、且つ、車幅方向外側へ円弧状に移動することが可能である。
これにより、ロアプレート10に対しミドルプレート20を上昇させた際、座席3が車幅方向にふらつくことを防ぐことが可能である。
これにより、第1固定手段60と第2固定手段66は、座席3の上下の移動、車幅方向への移動、及び、水平回転を同時に規制することが可能である。
この圧縮ばね15は、アッパープレート30とロアプレート10を切り離すためのサポートするものである。
これにより、使用者は、軽い力により、座席3を上方向且つ車幅方向内側へ移動させることができる。また、ロアプレート10とアッパープレート30とが離れた状態で、且つ、可動手段40が傾斜した状態であっても、引張りばね50は、アッパープレート30が下降することを防ぐことができる。
これにより、座席3の回転を所定の位置で止めることが可能になる。そのため、その回転が規制された位置にあるアッパープレート30を、第1固定手段60または第2固定手段66を使用して容易に固定することが可能である。
これにより、座席3を上方向、且つ、車幅方向内側へ移動したとき、車両2の突起部6等にアッパープレート30が接触することを防ぐことができる。また、ストッパベルト55と引張りばね50の相互作用により、座席3は所定の位置で保持される。
これにより、座席回転装置1を軽量化することが可能である。また、座席3が振動した場合でも、支持部材43とロアプレート10とが干渉して音が出ることを防ぐことができる。さらに、ロアプレート10の穴16の内側に支持部材43を格納すれば、座席回転装置1の体高を低くすることが可能である。
(1)上述した実施形態では、ワンボックス車に設置される座席回転装置1について説明した。他の実施形態では、座席回転装置1は、ワンボックス車に限らず、乗用車、トラックまたはバスなど、種々の車両に設置することが可能である。
この場合、座席回転装置1は、車室内に突出するエンジン7の突起部6に限らず、コンソールボックス、ブレーキレバー、シフトレバー又はプロペラシャフト等による種々の突起部を回避して、座席を回転することが可能である。
このように、本発明は、上記実施形態に限定されるものでなく、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨の範囲内で、種々の形態で実施することが可能である。
10・・・ロアプレート
20・・・ミドルプレート
30・・・アッパープレート
40・・・可動手段
さらに、レール取付部11には、圧縮ばね15が取り付けられている。この圧縮ばね15は、ロアプレート10とミドルプレート20とが近づいた状態のとき、ロアプレート10とミドルプレート20とを垂直に引き離す方向に付勢する。
Claims (9)
- 車両(2)に取り付け可能なロアプレート(10)と、
前記ロアプレートの上に設けられたミドルプレート(20)と、
前記ミドルプレートに対して平行に回転可能に設けられ、座席(3)を取り付け可能なアッパープレート(30)と、
前記ロアプレートに対し前記ミドルプレートを遠ざけるとき前記ミドルプレートを上方向に移動すると共に車幅方向内側へ移動することが可能であり、前記ロアプレートに対し前記ミドルプレートを近づけるとき前記ミドルプレートを下方向に移動すると共に車幅方向外側へ移動することが可能な可動手段(40)と、を備えることを特徴とする座席回転装置(1)。 - 前記可動手段は、
前記ロアプレートと前記ミドルプレートとが近づいた状態のとき、前記ロアプレートと前記ミドルプレートとの間で車幅方向に延びる支持部材(43)と、
前記支持部材の一端と前記ロアプレートとを回転可能に接続する下側軸部材(44)と、
前記下側軸部材よりも車幅方向外側に設けられ、前記支持部材の他端と前記ミドルプレートとを回転可能に接続する上側軸部材(45)と、を有することを特徴とする請求項1に記載の座席回転装置。 - 前記可動手段は、第1可動手段(41)と第2可動手段(42)とから構成され、
前記第1可動手段と前記第2可動手段とは、車幅方向にずらして配設されることを特徴とする請求項1または2に記載の座席回転装置。 - 前記ロアプレートと前記アッパープレートとを固定可能な固定手段を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の座席回転装置。
- 前記ロアプレートまたは前記アッパープレートのいずれか一方に固定され、前記ロアプレートと前記ミドルプレートとが近づいた状態のとき、前記ロアプレートと前記ミドルプレートとを垂直に引き離す方向に付勢する第1付勢手段(15)を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の座席回転装置。
- 一端が前記ロアプレートに接続され、他端が前記ミドルプレートに接続され、前記ロアプレートと前記ミドルプレートとが近づいたとき前記支持部材よりも長く伸びた状態となり、前記ロアプレートに対し前記ミドルプレートを車幅方向内側に引き寄せる方向に付勢する第2付勢手段(50)を備えることを特徴とする請求項2に記載の座席回転装置。
- 前記アッパープレートから下方へ突出し、前記ミドルプレートに設けられた当接部(23,24)に当接することにより、前記ミドルプレートの回転範囲を規制する凸状の回転ストッパ(39)を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の座席回転装置。
- 前記ミドルプレートの車幅方向内側への移動範囲を規制するストッパベルト(55)を備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の座席回転装置。
- 前記ロアプレートは、前記支持部材に対応する箇所に穴(16)を有することを特徴とする請求項2に記載の座席回転装置。
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