JP2016093830A - 無残渣型継手形成用Agナノペースト - Google Patents

無残渣型継手形成用Agナノペースト Download PDF

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Abstract

【課題】ボイド発生が抑制でき、保存安定性が良好で、残渣発生のない無残渣型の接合を可能とする継手形成用のAgナノペーストを提供する。
【解決手段】エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテルおよびα−テルピネオールから選んだ少なくとも1種の溶媒中に平均粒径1〜1000μmのAgナノ粒子を分散させたAgナノペーストであって、前記溶媒が30〜70体積%、残部がAgナノ粒子であるペースト。残渣の原因となるロジンやチキソ剤などの添加剤などを含有しないにもかかわらず、Agナノ粒子の分散性に優れている。
【選択図】図1

Description

本発明は、Agナノ粒子だけを溶媒中に分散させた無残渣型継手形成用Agナノペーストに関する。
近年、小型情報機器の発達により、搭載される半導体素子の急速な小型化や高密度化が進行している。半導体素子の小型化や高密度化は、配線の高密度化や半導体素子の電極の微細化をもたらす。半導体素子の高密度化に対応するため、近年ではフリップチップ実装法の採用が増大し、基板と半導体素子との間隔が10μm程度以下にまで狭くなっている。
周知のように、ソルダペーストは、はんだ粉末を少量のフラックスと混合してペースト状にしたものである。一般的なフラックスは、ロジンにチキソ剤、活性剤等の添加剤を配合したロジン系フラックスである。
印刷法で半導体素子を基板に接合する場合、ソルダペーストを印刷した基板に半導体素子やチップ部品を搭載してからリフロー炉で加熱する。この時に溶媒の蒸発に伴ってソルダペースト又はフラックスが基板上の電極の周辺に付着することがある。これらは、残渣として基板と半導体素子との間に残るので、その後の洗浄により基板から除去する。
しかし、近年の高密度化により基板と半導体素子との間隔が10μm以下にまで狭くなると、リフロー炉での加熱後に基板の洗浄を行う際に、表面張力により洗浄液が基板と半導体素子との間に流れ込まず、残渣を除去することができない。除去されずに基板と半導体素子との間に残った残渣は、半導体装置の使用時に吸湿して配線間の絶縁抵抗を下げ、腐食生成物が発生して回路を断線させるといった問題を起こすことがある。したがって、高密度化が進行する中で残渣の生成を抑制することが強く望まれている。
残渣抑制に関して、特許文献1には、リフローはんだ付け用の無残渣ソルダペーストが開示されている。このソルダペーストは、粉末はんだとペースト状フラックスとを混合したものである。粉末はんだは、例えば粒径が5〜15μmのはんだ合金である。
特許文献1のフラックスは、いずれもリフロー温度で蒸発する、常温で固体の固体溶媒と、常温で高粘性流体の高粘性溶媒と、常温で液体の液体溶媒とを含んでいる。特許文献1のフラックスはさらに、リフロー温度で上記溶媒とともに蒸発するチキソ剤や活性化剤などの添加剤を含んでいてもよく、実施例では全例において活性化剤とチキソ剤を含有している。
ところで、平均粒径を1〜1000nm程度まで小さくした金属粒子からなる、いわゆるナノ粒子については、その製造方法がこれまでに数多く提案されている。同時に、金属ナノ粒子の応用に関しても、電子技術分野では、例えば銀(Ag)ナノ粒子の分散組成物を用いて導電性回路を形成する方法が提案されている。特許文献2参照。
特開2004−025305号公報 特開2013−37773号公報
このようなソルダペーストにおける従来技術の問題点の一つは、ボイドの生成が不可避であることである。この点、ボイドの生成はソルダペーストの組成に由来するものであって、はんだ付け時の気化ガスの抜けを良好にすることで大きく改善できる。そのためには、予備加熱の段階で気化成分を除くことができればよく、そのためには、ソルダペーストの成分はより単純化することがよく、溶剤だけを使用するということが考えられる。溶媒は焼結の段階で消失してしまうので、ボイドの発生を抑制できるばかりでなく、リフロー加熱時にはんだ付けに際しての残渣も生じない。
しかし、溶媒だけを使用しても印刷性に優れたペーストは作製できない。
この点に関し、特許文献1に開示されたソルダペーストは、チキソ剤や活性化剤が配合されている。特に、半導体素子と基板との間隔が狭くなると、ソルダペーストの流動特性や機能を高めるために添加されたチキソ剤や活性化剤といった添加剤は、たとえ溶媒とともに蒸発するものであっても、狭い空間を通過する際に半導体素子や基板に付着して残渣となる傾向があるばかりでなく、ボイドの生成をもたらすことが判明した。
一方、引用文献2は、ナノ粒子を用いているが、チキソ剤や活性化剤も含有しており、導電性配線を形成するとしているが、接合継ぎ手を形成することについては何ら教えていない。
ここに、本発明者が、ナノ粒子を用いたソルダペーストを着想し、それについて検討したところ、特にAgナノ粒子のように溶融温度の高い金属のナノ粒子の場合、そのようなソルダペーストは、焼結時に、ペースト自体の体積変動が大きく、さらにリフロー時の熱歪による接合部位の熱歪による位置変動もあり、これに焼結時にAgナノ粒子は流動性を示さず、気化ガスの内包、つまりボイドの生成による位置変動が加わり、継手部内に空隙が生じあたかもクラックのようになって接続不良となることが判明した。したがって、Agナノ粒子を含むソルダペーストを使用する場合、加圧下で接合を行うことによって、上述のような欠点を可及的少とすることが考えられるが、作業の複雑さは避けられず、実用的とは言えない。
すでに述べたように、近年の半導体素子の小型化が進行する中、配線の高密度化により配線間隔が狭くなっているため、微量でも残渣が残ると、その残渣により配線間の絶縁抵抗の低下や腐食の問題を引き起こしてしまうばかりでなく、ボイドの生成によって接合強度の低下をもたらすことがある。
このような状況下にあって、そのため、現在では、ソルダペーストの使用に基づくボイドの生成を抑制するとともに、半導体素子の小型化や配線の高密度化による残渣の発生を極力抑えることができるような接合材料が求められる。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、ナノ粒子を含むソルダペーストであっても、ボイドの生成を極力抑制するとともに、残渣が発生しない無残渣型の接合を可能とする、Agナノ粒子を分散させたペースト(Agナノペースト)と、それを用いた半導体素子接合用継手及びその形成方法を提供することにある。
より具体的には、本発明の課題は、Agナノ粒子を含有するソルダペーストを用いることで、無加圧接合を行っても基板の熱歪などをなくした、接合用継ぎ手を形成する方法とそれに用いるソルダペーストを提供することである。
本発明者は、Agナノ粒子の分散体が印刷性に優れ、低温焼結が可能で、焼結体の導電特性に優れていることに着目し、これを利用してボイドの生成を極力抑制することで高いせん断強度を備え、無残渣の接合用継手を形成できるのではないかと考えた。
本発明者は、Agナノ粒子と溶媒のみからなる印刷性に優れたペーストの実現を目指すとともに、このようなペーストを半導体素子接合用途に使用するために、Cu電極面あるいはNiめっき電極面に接合が可能かどうかについて検討を重ねた結果、次のような知見を得た。
(1)Agナノ粒子を有機溶媒に分散することで、Agナノ粒子と溶剤だけでペーストを組成することで、上述のような課題が達成されることを知った。
印刷性と保存安定性に優れ、しかも、微細印刷も可能で、かつ焼結時間の大幅な短縮が可能なAgナノペーストが得られる。
(2)基材上に塗布したAgナノペーストを適切な条件で予備加熱して溶媒の大半を揮散させてからAgナノ粒子を焼結することにより、残渣が見られず、ボイド生成が低減し、接合強度の高い継手接合が可能となる。
(3)接合すべき基材表面に、Agと固溶体を形成する金属をめっきして金属表面層を形成し、この金属表面層上でAgナノ粒子を焼結させると、焼結時間を短縮することができる。
(4)こうして形成された継手接合部では、いわゆる無残渣はんだ付けと称される程度にまで残渣が著しく低減する。
Agナノ粒子は粒子径が小さく表面積が大きいため、そのペースト化においては粒子表面の性質が支配的となる。そのため、Agナノ粒子だけを分散溶媒に分散させるだけで流動特性の良好なペーストとなり、残渣の原因となりうるチキソ剤や他の添加剤を含有させなくても、印刷性や保存安定性に優れたペーストが得られる。
Agナノ粒子のように粒径が1000nm以下(すなわち、サブミクロン)の微粒子は凝集しやすいことが知られている。しかし、本発明によれば、そのような被覆を行わずに製造過程で生じた表面状態を持つ市販のAgナノ粒子をそのまま用いて、分散溶媒の低極性溶媒中に該粒子を分散させることにより、Agナノ粒子の凝集を抑制することができる。こうして、チキソ剤のような他の添加成分を含有させずに従来のソルダペーストと同様な流動特性を示し、同様に接合継手の形成に使用できる導電性ペーストが得られる。
本発明は、具体的には、平均粒径1〜1000nmのAgナノ粒子と分散溶媒とだけからなるAgナノペーストであって、好ましくは前記分散溶媒は低極性溶媒であり、前記分散溶媒がペースト全体積の30〜70体積%を占め、ペーストの残部がAgナノ粒子であることを特徴とする、継手形成用Agナノペーストである。
「継手」とは、例えば、基材と半導体素子とを接合するものであり、バンプを介して接合する場合を含む意味である。
本発明のAgナノペーストは無残渣型という特長を有する。ここで、「無残渣型」とは、残渣が全く発生しないか、または残渣が極わずかに発生することがあっても、基板を洗浄する必要がない程度の残渣しか発生しない、という意味である。具体的には、残渣が発生する場合であっても、その量はペーストの全質量の0.1質量%以下である。
本発明において、平均粒径とは、例えばレーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径を意味する。
「低極性」溶媒とは、25℃での比誘電率が20以下の極性溶媒を意味する。上記比誘電率は好ましくは3〜20の範囲内である。好ましくはこの低極性分散溶媒は、気化温度が200℃以上で前記Agナノ粒子の焼結温度未満であるものである。ここで、「焼結温度」とは、Agナノ粒子を焼結させるための加熱温度のことであり、後述する「リフロー温度」と同じである。
好ましい低極性溶媒は、芳香族又は脂環式の環とアルコール性ヒドロキシル基とを有する環状ヒドロキシ化合物である。このような分散溶媒の例としては、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、及びα−テルピネオールが挙げられる。
前記分散溶媒は、常温で液体であってリフロー温度で蒸発する少なくとも1種の液体溶媒を分散溶媒の全体積に対して80〜98体積%含有する。常温で固体であってリフロー温度で昇華する少なくとも1種の固体溶媒を分散溶媒の全体積に対して3〜15体積%、好ましくは5〜15体積%含有することが好ましい。ここで「リフロー温度」とは、継手形成時にAgナノ粒子を焼結させるための加熱温度を意味する。
本発明によれば、基材の表面に形成された金属表面層と電子部品の電極とを接合する継手であって、前記Agナノペーストの焼結により形成された、Agナノ粒子の焼結体から構成される接合組織を備えることを特徴とする継手も提供される。すなわち、本発明に係る継手は、前記Agナノペーストの焼結により形成される。
前記継手の1態様において、前記基材はCuであり、前記金属表面層はAu、Pd、PtおよびAgからなる群から選択される少なくとも1種である。
前記継手の別の態様において、前記基材はNiであり、前記基材と前記金属表面層との間には中間層であるCu層が形成されており、前記Cu層上に形成された前記金属表面層はAu、Pd、PtおよびAgからなる群から選択される少なくとも1種である。
本発明はまた、金属表面層を有する基材と電子部品の電極とを接合する継手の形成方法であって、前記金属表面層上に前記継手形成用Agナノペーストを供給すること、前記電子部品を前記Agナノペーストが供給された前記基材上に搭載すること、搭載後に前記金属表面層上に供給された前記Agナノペーストを80〜100℃で10分以上保持する予備加熱を行うこと、並びに予備加熱後にAgナノ粒子を焼結させるリフロー加熱を行うことを特徴とする継手の形成方法。
本発明によれば、Agナノ粒子と分散溶媒のみを使用し、分散安定剤などの添加剤を必要とせずに印刷性および保存安定性に優れたAgナノペーストを得ることができる。本発明に係るAgナノペーストを用いて半導体素子などの電子部品を基板に接合することにより、例えば10μm以下というように、基板と部品間の空間が非常に狭くてもリフロー加熱中に溶媒は実質的に完全に揮散するので、無加圧下でも、ボイドの発生を可及的少とし、無残渣で接合用継手を形成することができる。それにより、残渣除去のための有機溶剤による洗浄工程を省略することができ、簡便な工程で導電性と接合強度に優れた接合用継手が形成される。
図1(a)はフレーク状のAgナノ粒子のSEM写真であり、図1(b)は粒子状のAgナノ粒子のSEM写真である。 フレーク状Agナノ粒子を含有するAgナノペーストの60、85℃、100℃および110℃でのTG(保持時間と重量変化との関係)を示すグラフである。 図3(a)〜(c)は、フレーク状のAgナノ粒子を含有するAgナノペーストが印刷された基材表面のX線写真であり、図3(a)は基材表面を加熱する前の室温でのX線写真であり、図3(b)は基材表面を60℃で20分保持して加熱した後のX線写真であり、図3(c)は基材表面が250℃に達した時のX線写真である。 図4(a)〜(d)は、フレーク状のAgナノ粒子を含有するAgナノペーストが印刷された基材表面のX線写真であり、図4(a)は基材表面を加熱する前の室温でのX線写真であり、図4(b)は基材表面を80℃で1分保持して予備加熱した後のX線写真であり、図4(c)は基材表面を本発明で規定する条件である80℃で10分保持して予備加熱した後のX線写真であり、図4(d)は基材表面が250℃に達した時のX線写真である。 図5(a)〜(d)は、フレーク状のAgナノ粒子を含有するAgナノペーストが印刷された基材表面のX線写真であり、図5(a)は基材表面を加熱する前の室温でのX線写真であり、図5(b)は基材表面を100℃で8分保持して予備加熱した後のX線写真であり、図5(c)は基材表面を本発明で規定する条件である100℃で15分保持して予備加熱した後のX線写真であり、図5(d)は基材表面が250℃に達した時のX線写真である。 図6(a)〜(d)は、フレーク状のAgナノ粒子を含有するAgナノペーストが印刷された基材表面のX線写真であり、図6(a)は基材表面を加熱する前の室温でのX線写真であり、図6(b)は基材表面を120℃で2分30秒保持して予備加熱した後のX線写真であり、図6(c)は基材表面を本発明の範囲外の条件である120℃で15分保持して予備加熱した後のX線写真であり、図6(d)は基材表面が250℃に達した時のX線写真である。 図7(a)〜(d)は、フレーク状のAgナノ粒子を含有するAgナノペーストが印刷された基材表面のX線写真であり、図7(a)は基材表面を加熱する前の室温でのX線写真であり、図7(b)は基材表面を150℃で2分10秒保持して予備加熱した後のX線写真であり、図7(c)は基材表面を本発明の範囲外の条件である150℃で10分保持して予備加熱した後のX線写真であり、図7(d)は基材表面が250℃に達した時のX線写真である。 分散溶媒の含有量とボイド面積との関係を、加熱時間に対して示すグラフである。 Cu基材、50nmのAu金属表面層、および球状Agナノ粒子を含有するAgナノペーストを用いて形成した継手の接合界面近傍の断面SEM写真である。 Au金属表面層を有する基材を用いて形成した継手の接合界面からの距離と構成元素の含有量との関係を示す図である。
本発明の例示として本発明を実施するための形態を以下に詳述する。本発明に係る無残渣型の継手形成用Agナノペースト、継手、および継手の形成方法を順に説明する。
1.継手形成用Agナノペースト
本発明に係る無残渣型の継手形成用Agナノペースト(以下、単に、「ペースト」と称することがある)は、Agナノ粒子、および該Agナノ粒子の分散溶媒だけからなり、電極の接合時などの継手形成材料として適用される。本発明に係るペーストは、継手形成時に残渣が発生しないため、半導体素子と基板との隙間が狭い場合であっても、従来とは異なり、基板を洗浄する必要がない。したがって、洗浄工程不要で、配線間の絶縁抵抗の低下や腐食の問題が発生しない。
本発明において、Agナノ粒子の表面が別工程により有機被膜で被覆されていなくてもAgナノ粒子が低極性溶媒に分散する理由は明確ではないが、以下のように推察される。
粒子径が1000nm(=1μm)より大きいミクロンオーダーの粒子は、一般に静電反発作用とファンデルワールス(van der Waals)引力を考慮したポテンシャル障壁が正の値を示し、粒子間で静電反発作用が勝るために溶媒中で分散する。これに対し、粒子径が1000nm以下のサブミクロン(以下では、「ナノオーダー」という)のナノ粒子では、このポテンシャル障壁が負の値を示し、ファンデルワールス引力が勝るため、凝集を起こす。
しかし、ナノオーダーのAg粒子は表面積が大きく、官能基の吸着性が極めて高い。本発明では、分散溶媒として低極性の溶媒を選択することにより、溶媒がAgナノ粒子に吸着され、粒子表面は溶媒の疎水性の基で覆われるようになる。その結果、吸着された溶媒により粒子間の距離が長くなるため、ファンデルワールス引力が弱まる。また、粒子表面が分散溶媒の疎水性基で覆われることにより、Agナノ粒子が溶媒に分散しやすくなる。したがって、本発明によれば、Agナノ粒子がその製造過程で分散性を高めるために有機化合物で被覆されていなくても、低極性溶媒を選択することで、Agナノ粒子が溶媒中に分散可能となる。
吸着された低極性溶媒はリフロー加熱時に容易に気化し、空間が狭くても基板や電子部品に付着することがない。一方、相対的に気化しにくく、溶媒の蒸発時に付着しやすい添加剤が存在しない。そのため、本発明のAgナノペーストはリフロー後の残渣の発生量がきわめて少なく、無残渣型となる。
・Agナノ粒子
本発明で使用するAgナノ粒子は、平均粒径が1〜1000nm(すなわち、ナノオーダー)のAg粒子である。Agがナノオーダーの微粒子になると、220〜350℃程度の温度で焼結させることが可能となる。Agナノ粒子が焼結してバルク状態になると、融点は900℃を超える(Agの融点は約962℃)。したがって、Agナノ粒子を用いて形成された継手は、半導体素子の耐熱性を考慮すると、半導体素子と実装基板との接合時の温度では溶融しないため、例えば半導体素子の内部接合用の継手や放熱板との継手として適用される。
前述したように、本発明で使用するAgナノ粒子は、分散溶媒である低極性溶媒中において表面が疎水性基で覆われるため、低極性溶媒中に良好に分散する。Agナノ粒子を有機被膜で被覆すると、残渣の発生につながるので、有機被膜による被覆を行わないことが好ましい。
Agナノ粒子の形状は、球状、フレーク状など、ペーストに必要な流動特性に応じて適宜選択することができる。ペーストの流動特性を高める場合には表面積が大きいフレーク状のAgナノ粒子を用いることが好ましく、ペーストの粘性を下げる場合には表面積が小さい球状のAgナノ粒子を用いる方が好ましい。本発明において、流動特性とはチキソ性(粘性)をいい、JIS Z3284−6に従って粘度とチキソ比により評価することができる。
Agナノ粒子の平均粒径は、Agナノ粒子の形状が球状である場合には、好ましくは50〜100nm以下である。この場合、焼結温度は、好ましくは220〜300℃である。このような粒径の球状Agナノ粒子を用いて形成した継手は、電極への充填密度が安定性し、粒子間の空隙が微細化し、粒度分布が狭くなることにより、継手の接合強度が高まる。Agナノ粒子の粒径の下限値は、Agナノ粒子の製造限界を考慮すると、好ましくは30nmである。Agナノ粒子の粒度分布を狭くするため(空隙を微細化するため)、Agナノ粒子の粒径の下限値はより好ましくは50nmである。
本発明で使用するAgナノ粒子がフレーク状である場合には、Agナノ粒子の粒径は、長辺は500nm以上でもよいが、厚みはできるだけ薄いほうがよく、50nm以下であり、30nm以下であることが望ましい。最大辺の長さは1000nm以下であることが好ましい。フレーク状のAgナノ粒子は、表面積が大きいため、球状のAgナノ粒子と比較して浮力が大きい。このため、フレーク状のAgナノ粒子は、ペースト中での沈降が抑制され、ペーストのチキソ性(粘性)や保存安定性を高めることができる。
フレーク状のAgナノ粒子をペーストに用いる場合には、球状のAgナノ粒子と混合して、球状のAgナノ粒子がフレーク状のAgナノ粒子の長辺に並ぶようにすることが好ましい。フレーク状のAgナノ粒子は、前述のようにチキソ性(粘性)を高めるため、ペーストを適度なチキソ性(粘性)に調整することが可能となる。しかし、フレーク状のAgナノ粒子は、サイズが大きいため、焼結温度が球状のAgナノ粒子より高くなる。したがって、焼結温度を下げるためには、基材とフレーク状のAgナノ粒子との間、およびフレーク状のAgナノ粒子間に球状のAgナノ粒子が配列するように、フレーク状のAgナノ粒子に球状のAgナノ粒子を混合することが好ましい。
・分散溶媒
本発明でAgナノ粒子を分散させてペースト化するための分散溶媒としては、好ましくは低極性の有機溶媒を使用する。低極性溶媒の使用により、前述したように、Agナノ粒子の凝集を抑制することができる。低極性溶媒とは、例えば、25℃での比誘電率が20以下の極性溶媒を意味する。好ましい低極性溶媒は25℃での比誘電率が3以上、20以下のものである。
本発明で使用する好ましい低極性溶媒は、気化温度が200℃以上で、かつAgナノ粒子の焼結温度未満のものであることが好ましい。気化温度が200℃以上であると、保管温度がこのような高温に達することがないため、保管中に分散溶媒が直ちに揮発してペーストのチキソ性(粘性)が急激に増加することがない。気化温度がAgナノ粒子の焼結温度未満であると、焼結時に分散溶媒がAgナノ粒子に残存しないため、ボイドの発生を抑制することができる。
本発明において、気化温度とは蒸発温度および昇華温度を含むものであり、分散溶媒が液体溶媒である場合には蒸発温度であり、分散溶媒が固体溶媒である場合には昇華温度をいう。Agナノ粒子の焼結温度は、前述の通り、バルクAgの融点よりずっと低い。
使用する低極性溶媒は、芳香族又は脂環式の環とアルコール性ヒドロキシル基とを有する環状ヒドロキシ化合物であることが好ましい。
本発明で分散溶媒として使用する好ましい低極性溶媒としては、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、およびα−テルピネオールを挙げることができ、これらから選んだ少なくとも一種を使用することができる。
本発明の好適態様によると、分散溶媒として使用する低極性溶媒は、常温で液体であってリフロー温度で蒸発する少なくとも1種の液体溶媒を分散溶媒の全体積に対して80〜97体積%含有し、かつ常温で固体であってリフロー温度で昇華する少なくとも1種の固体溶媒を分散溶媒の全体積に対して3〜20体積%含有することが好ましい。固体溶媒と液体溶媒とをこの含有量で混合した分散溶媒を用いたペーストは、ロジンやチキソ剤を含有する従来のペーストと同等以上のチキソ性(粘性)を示すことができる。液体溶媒と固体溶媒との混合割合(液体溶媒/固体溶媒の体積比)は好ましくは8/92〜15/85である。この混合割合比は、Agナノ粒子の粒径や、被塗布面の面積、塗布の際に用いるメタルマスクの孔径など、印刷性や保存安定性を考慮して適宜調整することができる。
好ましい液体溶媒としては、エチレングリコールモノフェニルエーテル(融点:11〜13℃、沸点:247℃)およびエチレングリコールモノベンジルエーテル(融点:−75℃、沸点:256℃)を例示することができ、いずれか1種又は2種を使用できる。
固体溶媒としては、α−テルピネオール(融点:31〜34℃、沸点:213〜218℃)、2,2−ジメチル−1−プロパノール(融点52℃、沸点113℃)、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(融点123℃、沸点208℃)よりなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましく、より好ましくはα−テルピネオールである。上述したように、α−テルピネオールは単独で分散溶媒として使用できるが、それ以外の固体溶媒は液体溶媒と併用して使用することが好ましい。
本発明で用いる分散溶媒には、チキソ性を調整するため、上述した固体溶媒や液体溶媒の他に、高粘性溶媒を用いてもよい。本発明において、高粘性溶媒とは、30℃での粘度が10000cps以上である溶媒である。分散溶媒が高粘性溶媒を含有する場合の含有量は、分散溶媒の全体積に対して5〜20体積%の範囲内とすることが好ましい。高粘性溶媒としては、例えば、イソボニルシクロヘキサノール(化学名:4-[1,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル]シクロヘキサノール、沸点318℃)を挙げることができる。
本発明のAgナノペーストにおいて、分散溶媒の含有量はペースト全体積に対して30〜70体積%の範囲内である。すなわち、(Agナノ粒子の体積)/(分散溶媒の体積)の比率は30/70〜70/30である。この範囲であれば、Agナノ粒子が分散溶媒中に均一に分散され、また、適度なチキソ性(粘性)を示すので、ペーストの作業性(印刷性)が良好となる。Agナノ粒子がフレーク状粒子である場合や、球状微粒子とフレーク状粒子との混合粒子である場合には、前述の範囲内において、分散溶媒の体積割合をAgナノ粒子の体積より若干多め(例、52体積%以上)にすると、より均一に粒子が分散されるので好ましい。一方、Agナノ粒子が球状粒子のみからなる場合には、分散溶媒の体積割合が50%以下でも良好な分散性が確保される。
2.継手
本発明に係る継手は、必要により金属表面層が形成された基材と、電子部品の電極とを、前述のAgナノペーストにより接合して形成したものであり、接合部の組織、つまり接合組織はAgナノ粒子の焼結体からなる。前述したように、焼結体になると継手の融点は900℃を超える。この継手は、本発明に係るAgナノペーストで接合されているため、リフロー加熱時に残渣が発生しない。したがって、優れた接続信頼性を有する。これに加えて、基材および金属表面層の材質を適宜選択することにより、高い接合強度が得られる。
本発明で継手の形成に使用する基材は、その上に搭載する電子部品の電極に対応したパターンの導電性層であってもよい。基材の例として、シリコンなどの基板上に形成された電極などの導電性層や放熱板が例示される。基材の材質は好ましくはCuまたはNiである。
本発明において、金属表面層とは、Agナノペーストが供給される前に予め基材の表面に形成される層であり、基材とAgナノ粒子のAgとの親和性を改善するために形成された金属膜をいう。金属表面層の材質は、基材の元素、金属表面層の元素およびAgナノペーストのAgとで固溶体層を形成しやすいような材質のものとすることが好ましい。当然のことではあるが、元素の融点が低ければ焼結温度は低くなるため、融点が低い材質を選択することにより、電子部品への熱的負荷を低減することができる。また、固溶度の高い元素を選択することにより、無加圧でも容易に継手を形成することができる。
金属表面層の膜厚は10〜80nmであることが好ましい。金属表面層の膜厚がこの範囲であると、基材を構成する元素、金属表面層を構成する元素およびAgとで固溶体層を形成しやすく、接合強度が高まる。
金属表面層の好ましい材質は、基材の材質に応じて状態図などから導き出される。例えば、基材がCuである場合、Au、Pd、PtおよびAgからなる群から選択される少なくとも一種の金属表面層を形成することが好ましい。Au、PdおよびPtは、基材のCuおよびAgナノ粒子のAgとの固溶度が高いため、CuおよびAgと固溶体を形成しやすい。Agは、Agナノ粒子と自己拡散によりCuと固溶体を形成すると考えられる。
基材がNiである場合、予め中間層としてCu層が形成されている基材上に、Au、Pd、PtおよびAgからなる群から選択される少なくとも一種の金属表面層を形成することが好ましい。NiとCuとは全率固溶であるため、予め形成されたCu層と基材のNiとは固溶体層を形成すると考えられる。したがって、中間層形成後の基材は、Ni、およびNiとCuとの固溶体層で構成されることになると考えられる。そして、Agナノ粒子の焼結により、基材を構成するNiおよびCuと、金属表面層の元素と、Agナノ粒子のAgとで、1層の固溶体層を形成することになると考えられる。なお、Cu層が100nm以上の膜厚であり、NiがCu層の全域に拡散しないような場合には、NiとCuとの固溶体層上に、さらにCu層が形成された構成となる。つまり、基材は、Ni、固溶体層、Cu層の順で積層されたような構成となる。基材がこのような構成である場合、NiおよびCuを含有する固溶体層の他に、Agナノ粒子の焼結により、Cu層、金属表面層の元素およびAgナノ粒子のAgを含有する固溶体層も形成されることになると考えられる。中間層であるCu層の膜厚は、50〜500nmであることが好ましい。
各部材を構成する元素の融点が低いほど低温反応接合性が高まる。このため、金属表面層としてAuを選択することにより、低温反応接合性を高めることができる。したがって、基材がCuである場合、金属表面層の材質はAuであることが特に好ましい。
金属表面層は、例えば、蒸着、スパッタリングなどの常法により形成することができる。市販の基材が既に上述した金属表面層を有していることも多く、その場合はその金属表面層の上に本発明に係るAgナノペーストを直接供給すればよい。
本発明に係るペーストを用いて形成された継手は、残渣が発生しないため、従来のペーストのように配線間の絶縁抵抗の低下や腐食を抑制することができ、優れた接続信頼性を有する。これは、本発明に係るペーストが、ロジンやチキソ剤などを含有しないにもかかわらず、これらを含有する従来のペーストと同程度の流動特性を示すために実現されたものである。
3.継手の形成方法
本発明に係る継手の形成方法は、金属表面層が形成された基材と電子部品の電極とを接合する継手の形成方法であって、金属表面層上に前記継手形成用Agナノペーストを供給すること、電子部品を前記Agナノペーストが供給された前記基材上に搭載すること、電子部品搭載後に金属表面層上に供給された前記Agナノペーストを80〜100℃で10分以上保持する予備加熱を行うこと、並びに予備加熱後にAgナノ粒子を焼結させるリフロー加熱を行うことを特徴とする方法である。この方法について工程順に説明する。
まず、基材の金属表面層上に、Agナノ粒子と分散溶媒とから構成される本発明に係るAgナノペーストを供給する。ペーストの供給方法は、筆塗り、スピン塗布、ディップ塗布、スクリーン印刷、ロールコータ等の一般的な方法で行うことができる。ペーストに用いた溶媒がα−テルピネオールのように室温で固体の溶媒である場合には、ペーストを溶媒が液体になる温度まで加温して供給を実施すればよい。
ペーストの供給量(膜厚)は、好ましくは焼結後の膜厚が後述する10〜80nmの範囲に入るような量である。この膜厚は、分散溶媒のチキソ性(粘性)やAgナノ粒子の粒径や形状により調整することができ、ペーストの焼結実験により焼結後の減肉量を調べておくことにより必要なペーストの膜厚を決定できる。例えば、焼結後の膜厚が供給されたペースト膜厚の1/2になるようなペーストの場合、焼結後の膜厚を50nmとするにはペーストの膜厚は100nmとなる。
次に、電子部品をペーストが供給された基材上に搭載する。電子部品の搭載方法は、従来のように、例えば、エアーで電子部品を吸着して基材上に搭載する方法でよい。このような動作を行う搭載装置は、基材上のペーストの位置を認識し、自動的に電子部品を所定位置に搭載することができる。搭載する電子部品は特に限定されるものではなく、例えば半導体素子、チップ抵抗部品等が挙げられる。
電子部品を搭載後、金属表面層上に供給されたペーストに、80〜100℃で10分以上保持する予備加熱を施す。予備加熱は、ペーストに含有される分散溶媒を、Agナノ粒子が焼結する前に可能な限り揮発させるために行う。焼結時に分散溶媒が残存していると、焼結時の加熱により分散溶媒が揮発してボイドが発生する。したがって、予備加熱は継手の接合強度を高めるために必須である。
予備加熱は大気中または不活性ガス中で行うことが好ましい。製造工程の手間を省くため、焼結の雰囲気と同じ雰囲気で予備加熱を行うことが特に好ましい。しかし、予備加熱を大気中で行い、焼結を不活性ガス中で行ってもよく、逆に予備加熱を不活性ガス中で行い、焼結を大気中で行ってもよい。不活性ガスとしては、N、Ar、Heなどが挙げられる。
予備加熱温度は80〜100℃である。予備加熱温度は、基材に熱電対を付設して測定した温度である。この温度範囲であると、分散溶媒が揮発するため、焼結時のボイドの発生を抑制することができる。予備加熱温度が80℃未満であると、分散溶媒が残存し、焼結時にボイドの発生の原因となる。一方、100℃を超えると、分散溶媒の揮発量が多くなり、分散溶媒の含有量が低減するためにペーストの流動性が失われ、揮発ガスが雰囲気中に排出される経路が閉ざされる。このため、残存した揮発ガスがAgナノ粒子のマトリックス中にボイドを形成することになる。つまり、予備加熱温度が80℃未満では、予備加熱終了まではボイドが全く形成されないが、この温度が100℃を超えて焼結温度に近づくと、予備加熱温度に達する前もしくは予備加熱温度に達した時点でボイドが多数発生することになる。予備加熱温度は好ましくは80〜90℃であり、特に好ましくは80〜85℃である。
予備加熱温度での保持時間は10分以上を必要とする。この時間は、前述の予備加熱温度に達してからの時間である。予備加熱温度で10分以上保持することにより、Agナノペーストの分散溶媒が十分に揮発し、焼結時のボイドの発生を抑制することができる。10分未満では分散溶媒が残存するためにボイドの発生が避けられない。保持時間の上限値は特に限定されないが、生産時間および電子部品への熱的負荷を考慮すると、30分であることが好ましい。予備加熱温度での保持時間は、好ましくは10〜20分であり、特に好ましくは10〜15分である。
予備加熱温度に達するまでの昇温速度は10〜60℃/分であることが好ましい。この範囲であると、分散溶媒の急激な揮発を抑制してボイドの発生を防ぐことができる。
予備加熱には、分散溶媒の含有量、昇温過程、分散溶媒の種類などにより、揮発ガスが雰囲気中に排出されるための最適な条件が存在する。この条件は、前述の範囲内で適宜調整して見出されるものである。
予備加熱後、最後にAgナノ粒子を焼結させるリフロー加熱を行う。これによりAgナノ粒子が焼結してバルクAg層が形成される。この際、Agナノ粒子のAg、金属表面層の元素、および基材の元素の3者が相互拡散により継手の接合界面で固溶体層を形成すると考えられる。このため、本発明の継手の形成方法によれば、無加圧でもボイドの発生がなく、強固な接合強度を有する継手を形成することができる。これは、前述のような、基材と金属表面層との組合せを選択することにより形成されるものである。その結果、無加圧でも高い接合強度が得られる。つまり、本発明の継手の形成方法では、熱間プレスを行うのではなく、大気圧下で焼結するだけでよい。
焼結条件は、焼結雰囲気が大気または不活性ガスであり、焼結温度が220〜300℃であり、前記焼結温度での保持時間が3〜60分であることが好ましい。本発明では、焼結雰囲気は特に限定されることがなく、好ましくは大気または不活性ガスである。不活性ガスとしては、予備加熱と同じ種類のガスが挙げられる。ただし、イソボルニルシクロヘキサノールのような300℃では揮散しない高粘性溶媒を使用した場合には、これが揮散するように、例えば、焼結温度350℃まで高めてもよい。
本発明では、焼結温度が低温で、かつ焼結時間が短時間でも焼結が可能である。前述のように互いに固溶度が高く、低温焼結が可能な元素を各部材の構成元素に選択することができ、また、Agナノ粒子が球状粒子であれば、さらに低温でかつ短時間で焼結することができる。したがって、電子部品への熱的損傷が従来よりも大幅に抑制される。なお、Agナノ粒子の形状がフレーク状である場合や、Agナノ粒子がフレーク状粒子と球状粒子との混合形状である場合には、球状粒子より平均粒径が大きくなるため、焼結温度を前述の範囲内においてやや高め(例、240℃以上)とすることが好ましく、焼結時間を前述の範囲内においてやや長めとすることが好ましい。
本発明に係る継手の形成方法によれば、本発明に係るペーストを用いるため、残渣が発生せず、したがって、基板の洗浄工程を必要としない。また、予備加熱時および焼結時にボイドの発生を抑制することができるため、継手の接合強度が高まる。さらに、Agナノ粒子の焼結により、金属表面層は、基材を構成する元素と、金属表面層の元素と、Agナノ粒子のAgとが固溶した固溶体層になると考えられる。この固溶体層は、従来技術のように、金属表面層とAgナノ粒子のAgとの固溶体層ではなく、基材を構成する元素と、金属表面層を構成する元素と、Agナノ粒子のAgとが固溶した固溶体層である。このため、本発明では、従来技術とは異なり、基材とAgナノ粒子とが固溶体層を介して強固に接合するため、焼結時に無加圧でも高い接合強度を示す継手を形成することができる。本発明では、予備加熱および焼結を電子部品が破損しない程度の加圧下で行ったとしても、高い接合強度を示す継手を形成することができる。
本発明に係るAgナノ粒子は、低α線材料を用いて製造することにより、α線量を低減することができる。これをメモリ周辺の接合に用いると、ソフトエラーを抑制することができる。
各実施例に示すAgナノペーストを調製し、その保存性、Agナノ粒子を含有するペーストを塗布した後に発生しうる残渣の有無、予備加熱の条件とボイドとの関係、分散溶媒の含有量とボイドとの関係、分散溶媒の種類とボイドとの関係、金属表面層の種類と継手のシェア強度との関係、金属表面層の膜厚とシェア強度との関係を調査し、継手の接合界面組織も観察した。
本例で使用したフレーク状Agナノ粒子は、トクセン工業株式会社製、型番:n300であった。このフレーク状ナノ粒子は、厚みが50nm程度、平面方向の寸法は最大で1000nm程度の大きさであることが確認された。
球状のAgナノ粒子は、DOWA工業株式会社製、型番T2K−01amp125である。この球状ナノ粒子の平均粒径は100nm程度であることが確認された。平均粒径は、日本電子製JSM 7000FによりAgナノ粒子を撮影し、その最大外接円の直径の平均値である。
図1(a)は、実施例で使用した上記フレーク状Agナノ粒子のSEM写真であり、図1(b)は上記の球状Agナノ粒子(図には粒状と標記)のSEM写真である。
[実施例1]
本例では、Agナノ粒子としてフレーク状Agナノ粒子を、分散溶媒として固体溶媒であるα−テルピネオールを用い、下記組成のペーストを調製した。
・フレーク状Agナノ粒子:90質量%(45体積%)
・分散溶媒:α−テルピネオール:10質量%(55体積%)
まず、フレーク状粒子を用いた実施例1のAgナノペーストのTG(熱重量分析)と保持温度との関係を調査した。
図2は、実施例1のAgナノペーストの60℃、85℃、100℃および110℃での保持時間と重量変化との関係を示すTG曲線である。図2に示すように、85℃、100℃および110℃では、10分以上の保持時間で分散溶媒の大半が揮発し、20分ではほぼすべての分散溶媒が揮発することがわかった。一方、60℃では、40分以上保持することにより、ようやく分散溶媒の揮発が進行することがわかった。したがって、60℃の加熱では分散溶媒が残存し、残存した分散溶媒が焼結温度で揮発して多数のボイドが発生するものと考えられる。
予備試験として、上述のようにして作製された実施例1のAgナノペーストを、基板上の30個の電極パターンにスクリーン印刷法で印刷した後、窒素雰囲気中、100℃で30分間保持する予備加熱を行い、その後、ピーク温度が250℃の加熱リフロー炉によりAgナノ粒子を焼結させた。こうして得られたAgナノ粒子の焼結体からなるバンプ(継手)を形成した後の基板を光学顕微鏡により観察した。
本発明に係るペーストを用いた実施例1の基板には残渣が一切みられなかった。
[実施例2]
実施例1で使用したのと同じAgナノペーストを、基材の12mm×12mmのSi/Ni/Auチップに、10mm×10mmの寸法で100μmの膜厚に印刷した。その後、Agナノペーストが印刷された基材上に10mm×10mmのSi/Ni/Auチップを搭載し、条件を変更して基材の予備加熱を行った後、250℃に加熱し、予備加熱条件とボイド発生との関係を調査した。
具体的には、マース東研社製、型番:TUX−3200の透過型X線検査装置(加熱装置を付設)を用いて、Agナノペーストが印刷された基材を、大気中、室温から60℃/分の昇温速度で60℃、80℃、100℃、120℃または150℃まで昇温し、各温度で所定時間保持した後、60℃/分の昇温速度で250℃まで昇温し、室温から250℃まで連続して、搭載したチップとAgナノペーストまたはその焼結体との接合界面をX線により撮影した。図3〜7に示した写真は、接合界面に変化が見られた条件でのX線写真を抽出したものである。倍率はいずれも190倍である。
図3(a)〜(c)は、フレーク状のAgナノ粒子を含有するAgナノペーストが印刷された基材表面のX線写真であり、図3(a)は基材表面を加熱する前の室温でのX線写真であり、図3(b)は基材表面を60℃で20分保持した後のX線写真であり、図3(c)は基材表面が250℃に達した時のX線写真である。
図4(a)〜(d)は、フレーク状のAgナノ粒子を含有するAgナノペーストが印刷された基材表面のX線写真であり、図4(a)は基材表面を加熱する前の室温でのX線写真であり、図4(b)は基材表面を80℃で1分保持して予備加熱した後のX線写真であり、図4(c)は基材表面を80℃で10分保持して予備加熱した後のX線写真であり、図4(d)は基材表面が250℃に達した時のX線写真である。
図5(a)〜(d)は、フレーク状のAgナノ粒子を含有するAgナノペーストが印刷された基材表面のX線写真であり、図5(a)は基材表面を加熱する前の室温でのX線写真であり、図5(b)は基材表面を100℃で8分保持して予備加熱した後のX線写真であり、図5(c)は基材表面を100℃で15分保持して予備加熱した後のX線写真であり、図6(d)は基材表面が250℃に達した時のX線写真である。
図6(a)〜(d)は、フレーク状のAgナノ粒子を含有するAgナノペーストが印刷された基材表面のX線写真であり、図6(a)は基材表面を加熱する前の室温でのX線写真であり、図6(b)は基材表面を120℃で2分30秒保持して予備加熱した後のX線写真であり、図6(c)は基材表面を120℃で15分保持して予備加熱した後のX線写真であり、図6(d)は基材表面が250℃に達した時のX線写真である。
図7(a)〜(d)は、フレーク状のAgナノ粒子を含有するAgナノペーストが印刷された基材表面のX線写真であり、図7(a)は基材表面を加熱する前の室温でのX線写真であり、図7(b)は基材表面を150℃で2分10秒保持して予備加熱した後のX線写真であり、図7(c)は基材表面を150℃で10分保持して予備加熱した後のX線写真であり、図7(d)は基材表面が250℃に達した時のX線写真である。
図3(a)および図3(b)によれば、予備加熱温度が60℃の場合、20分保持しても接合界面に変化がなく、図3(c)によれば、250℃に昇温すると、残存する分散溶媒が急激に揮発して多数のボイドが形成されることがわかった。
図6(a)および図6(b)によれば、予備加熱温度が120℃の場合、予備加熱温度に到達した時点でボイドが接合界面の全面に形成されることがわかった。
図7(a)および図7(b)によれば、150℃でも120℃と同様の傾向を示すことが明らかになった。図6(c)および図7(c)によれば、120℃や150℃で10分以上保持することによりボイドが成長することも明らかになった。
また、図6(d)および図7(d)によれば、250℃まで昇温してもボイドの発生状況に変化が見られなかった。
以上より、予備加熱温度が120℃および150℃では、予備加熱温度が高すぎるために分散溶媒が急激に揮発するものと考えられる。これらの結果は、図2に示すグラフから想定される結果を反映している。
一方、図4および6によれば、予備加熱温度が80℃および100℃では、室温から250℃までボイドの明らかな成長はみられなかった。この場合、継手の接合強度は高い値を示すものと考えられる。
図2のグラフおよび図3〜7のX線写真によれば、予備加熱温度が80〜100℃で保持時間が10分以上の場合、ボイドの発生をより効果的に抑制することができると考えられる。
[実施例3]
本例では、実施例1で用いたのと同じAgナノペーストを使用したが、分散溶媒であるα−テルピネオール含有量を7質量%、9質量%、11質量%、13質量%(各々42体積%、52体積%、60体積%、65体積%)と変化させた。
このようにして用意したAgナノペーストを、基材の12mm×12mmmのSi/Ni/Auチップに、10mm×10mmの寸法で100μmの膜厚に印刷した。その後、基材に印刷したAgナノペースト上に10mm×10mmのSi/Ni/Auチップを搭載し、大気中にて室温から100℃まで10℃/分の昇温速度で昇温させ、100℃で保持したときの、ボイド面積率と保持時間との関係を調査した。ボイド面積率は、実施例2と同じX線検査装置により撮影された接合界面の写真からボイドの面積を実測して求め、全体の面積である100mmに対するボイドの面積の割合により求めた。
図8は、分散溶媒の含有量とボイド面積との関係を示すグラフである。図中「ter」とは溶媒α−テルピネオールの略号であり、「ter」の前の数値は溶媒の質量%を表す。図8によれば、分散溶媒が7質量%および9質量%のAgナノペーストを用いると、保持時間によらずボイド面積が変化しなかった。一方、分散溶媒が11質量%および13質量%のAgナノペーストを用いると、保持時間が10分までに急激にボイド面積が増加することがわかった。したがって、図8によれば、Agナノペーストの分散溶媒の含有量が9質量%以下の場合に、ボイドの発生を抑制することができることがわかった。
なお、実施例2で示したように、分散溶媒の含有量が10質量%(約55体積%)でもボイド発生が抑制された。また、予備加熱雰囲気および焼結雰囲気をNに変更しても、大気中と同程度の結果を示すことを確認した。
[実施例4]
本例では、Agナノペーストの分散溶媒として、固体溶媒であるα−テルピネオールの代わりに、液体溶媒であるエチレングリコールモノフェニルエーテルまたはエチレングリコールモノベンジルエーテルを用いて、実施例1と同様にAgナノペーストを作製した。
別に、固体溶媒であるα−テルピネオール2,2−ジメチル−1−プロパノールと液体溶媒であるエチレングリコールモノフェニルエーテルとを5:95の割合で混合した分散溶媒を用いて、実施例1と同様にAgナノペーストを作製した。
いずれの例でも、分散溶媒の量は、ペーストの全質量に対し10質量%、体積%では約55体積%である。いずれの例でもAgナノ粒子の分散は良好であり、印刷性および保存安定性が良好なAgナノペーストが得られた。
実施例2、3と同様にして、これらのAgナノペーストを基材に印刷し、印刷されたAgナノペースト上にチップを搭載した。その後、基材を大気中、10℃/分の昇温速度で室温から80℃まで昇温させ、80℃で30分間保持した。そして、80℃で保持している間に上記X線検査装置でボイド率を調査した。その結果、いずれの分散溶媒でもボイド率はほとんど変化しないことを確認した。
[実施例5]
実施例1と同様にしてAgナノペーストを調製したが、本例ではAgナノ粒子として球状のAgナノ粒子を用いた。
基材(20mm×15mm×10mm厚)であるCu電極、およびこの基材に搭載するチップ抵抗部品(3×3×1.0mm厚)のCu電極に、それぞれ同じ種類の金属表面層を蒸着により形成した。具体的には、HClを5%含有するIPA(イソプロピルアルコール)溶液で基材のCu電極を酸洗し、KOH水溶液で中和した後に水洗し、IPAで洗浄し、高圧エアーで乾燥した。基材を次いで日本電子社製の蒸着装置(型番:BS−Z071111TVC)にセットし、150℃で1時間乾燥して吸着水を抑制した後、真空度3レベルでそれぞれの金属種を蒸着させ、金属表面層を形成した。Cu基材に形成した金属表面層はCu、Au、PdおよびPtであり、その膜厚はいずれも100nmであった。チップ抵抗部品の電極にも同様に金属表面層を形成した。
金属表面層の蒸着後、基材のCu電極上に、90gのAgナノ粒子を10gのα−テルピネオール中に分散させたAgナノペーストを、厚みが0.12mmとなるように、3mm×3mmの寸法で3mm間隔に4箇所印刷した。印刷したAgナノペースト上にそれぞれ上記チップ抵抗部品を搭載した後、大気中またはNガス中で、室温から100℃まで60℃/分の昇温速度で昇温し、100℃で10分保持することにより予備加熱を行った。その後、予備加熱と同じ雰囲気中で、100℃から焼結温度まで60℃/分の昇温速度で昇温し、その温度に5〜60分保持することにより焼結を行って、継手を形成した。焼結温度は250〜350℃の範囲内であった。形成された継手のシェア強度を以下の要領で測定した。
レスカ社製継手強度試験機(型番STR−1000)を用い、せん断速度6mm/分、シェア位置100μmでチップ抵抗部品を剥がし取り、そのときのシェア強度(N:ニュートン)を測定した。
本発明によれば、焼結温度が250〜300℃の範囲内では、実用上問題ない程度のシェア強度(20N以上)が得られた。これは、基材のCuと、金属表面層の各元素と、Agナノ粒子のAgとにより固溶体層が形成されたことによると考えられる。基材がCuである場合には、金属表面層の元素がAu、PtまたはPdである場合に比較的高いシェア強度を示すことを確認した。また、焼結温度が350℃ではいずれもシェア強度が低下することもわかった。
金属表面層がAuで、焼結温度が300℃である場合の測定結果(シェア強度)は、金属表面層の膜厚が50nmである継手の場合に、20N以上と、シェア強度が高い値を示した。焼結時に界面で固溶体層の形成が起こりやすく、熱ひずみや熱収縮、ボイドなどの影響が大きくなる前にCuAu固溶体−Agナノ粒子の接合が行われたためであると考えられる。
CuAu固溶体が形成する根拠は、Cu基材に膜厚が50nmの金属表面層を形成し、大気中200℃に加熱した場合に、金属表面層を形成した部分の色調の変化を確認したことである。この色調の変化は基材のCu中にAuがすべてドープされたことを示すものである、このドープによりCuAu固溶体が形成されたものと推察される。
[実施例6]
本例では実施例3を繰り返した。ただし、使用したAgナノペーストは、前述した球状Agナノ粒子を分散溶媒であるα−テルピネオール(含有量:10質量%、55体積%)に分散させたものであった。
このAgナノペーストを、基材である12mm×12mmのSi/Ni/Auチップに、10mm×10mmの寸法で100μmの膜厚に印刷した。印刷したAgナノペースト上に、10mmx10mmのSi/Ni/Auチップを搭載し、大気中で予備加熱を行い、雰囲気とボイド面積率との関係を調査した。予備加熱は、室温から60℃/分の昇温速度で80℃まで昇温し、80℃で10分間保持することにより行った。その後、大気中、80℃から250℃まで60℃/分の昇温速度で昇温し、250℃で20分保持して焼結を行った。
このようにして得られた継手の接合界面組織を観察した。
図9は、Cuの基材、50nmのAuの金属表面層および粒子状のAgナノ粒子を用いて形成した継手の接合界面近傍の断面SEM写真である。図9中の数値は、定量分析の分析箇所の番号を示す。
表1には、図9に示す分析箇所の番号毎の分析結果を示す。
図10は、Auの金属表面層を有する基材を用いて形成した継手の接合界面からの距離と構成元素の含有量との関係を示す図である。図10の横軸は、図10での界面を0としたときの、界面からの距離を表す。
表1中のCおよびOは、予備加熱および焼結を大気中で行ったことにより混入したものである。表1に示すように、Au表面層がAu35Cu50の固溶体相とAgナノ粒子相との接合により、AuとCuとAgとの固溶体層になると考えられる。また、図10に示すように、Ag線とCu線が交差した部分が継手の接合界面であることがわかった。そして、この交差した部分を中心に、基材のCuがAgナノ粒子のAg側に、Agナノ粒子のAgが基材Cu側に、それぞれ300nm程度拡散していることがわかった。
図9、図10および表1の結果から、互いに固溶度が高く拡散し易い元素の組合せで継手が形成されると、無加圧であってもシェア強度が十分に高い継手が形成されることが明らかになった。

Claims (8)

  1. 平均粒径1〜1000nmのAgナノ粒子と分散溶媒とだけからなるAgナノペーストであって、前記分散溶媒がペースト全体積の30〜70体積%を占め、ペーストの残部がAgナノ粒子であることを特徴とする、継手形成用Agナノペースト。
  2. 前記分散溶媒が、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテルおよびα−テルピネオールからなる群から選択される少なくとも一種である、請求項1に記載のAgナノペースト。
  3. 前記分散溶媒が、常温で液体であって、前記Agナノ粒子の焼結温度で蒸発する少なくとも1種の液体溶媒を前記分散溶媒の全体積に対して80〜97体積%含有し、常温で固体であって、前記Agナノ粒子の焼結温度で昇華する少なくとも1種の固体溶媒を前記分散溶媒の全体積に対して3〜15体積%含有する、請求項1または2に記載のAgナノペースト。
  4. 基材の表面に形成された金属表面層と電子部品の電極とを接合する継手であって、請求項1〜3のいずれか1項に記載のAgナノペーストの焼結により形成された接合組織を有することを特徴とする継手。
  5. 前記基材がCuであって、前記金属表面層がAu、Pd、PtおよびAgからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項4に記載の継手。
  6. 前記基材がNiであって、前記基材と前記金属表面層との間には中間層であるCu層が形成されており、前記Cu層上に形成された前記金属表面層がAu、Pd、PtおよびAgからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項4に記載の継手。
  7. 金属表面層を有する基材と電子部品の電極とを接合する継手の形成方法であって、前記金属表面層上に請求項1〜3のいずれか1項に記載の無残渣型接合用Agナノペーストを供給すること、前記電子部品を前記Agナノペーストが供給された前記基材上に搭載すること、搭載後に前記金属表面層上に供給された前記Agナノペーストを80〜100℃で10分以上保持する予備加熱を行うこと、および予備加熱後にAgナノ粒子を焼結させるリフロー加熱を行うことを特徴とする継手の形成方法。
  8. 前記リフロー加熱を無加圧下で300℃以下の温度で行う、請求項7に記載の方法。
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