JP2016093169A - 熟柿ピューレとその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】収穫した原料渋柿をヘタが乾燥しない状態に冷蔵保存し、その後、果肉温度を常温に上昇管理し、次に、原料柿を密閉容器に封入して後、密閉容器内にエチレンガスを注入して原料柿をエチレン処理し、エチレン処理した原料柿を密閉容器から取り出して、浅床トレイに並べて原料柿の上面をフタ部材で覆いヘタが乾燥しないようにして、通気状態で加工熟柿に生成し、該加工熟柿を熟柿ピューレに生成し、該熟柿ピューレを冷凍保存したものである。これにより、熟柿ピューレは鮮やかな赤色のものができて味も良く、冷凍した熟柿ピューレは解凍して加熱しても渋戻りがしないもので、各種食品に応用できる利点がある。
【選択図】図1
Description
第三に、密閉容器内にエチレンガスを50〜200ppm注入して原料柿をエチレン処理し、中果皮と内果皮の混合割合を7:3に調整して熟柿ピューレを生成したものであり、本来柿が保有する中果皮と内果皮の割合7:3を混合割合にするので、中果皮と内果皮の混合調整が容易にできる利点があり、かつ、該熟柿ピューレは解凍して加熱しても渋戻りがしないものである。
図1に、収穫果実(原料渋柿)の貯蔵から熟柿生産までの概要を示す。符号1は、柿の木になっている渋柿を10月中旬〜11月末までに収穫した原料柿であり、該原料柿1を収穫後から迅速にして柿のヘタ2が乾燥しないうちに冷蔵庫(図示せず)に保管する。柿は冷蔵庫でプラスチックフィルム袋などの収納容器3を用いて密封した状態にし、あるいはトレイに開放された状態に収納したままの状態にして、温度が0℃〜5℃の環境下で1〜4週間程度で望ましくは5〜7日程度の約1週間保管する。この冷蔵保管により原料柿1の成熟過程をほぼ休止状態にし、各原料柿1を20℃以上(20℃〜25℃)の常温に戻した後斉一に熟させるようにする。
本発明者の実験によると、図3に説明するように、エチレン濃度20および100ppmの48時間処理では処理開始後6日に果実を斉一に熟柿にできたが、100ppmの24時間処理では斉一性に欠けることが明らかとなった。したがって収穫時期や低温期間,収穫から貯蔵までの日数の異なる果実を用いることを考慮したとき、より高いエチレン濃度のほうが適用範囲が広いと考え、本発明では100ppm48時間処理をエチレンの標準処理方法とした。
原料柿1を5日間おくと、色鮮やかに赤く熟してくる。柿の色を鮮やかにしながら柿の渋戻りを防止するためには室温を20℃以上に調整しておく必要がある。これにより、色も鮮やかな赤色に良くなり、味も良くなる。従来のドライアイスは、渋抜きだけだったので、色は黄褐色で見栄えが悪いし、固形化されたままで熟柿にならないものであった。
原料柿1をエチレン処理により熟柿にすることにより果皮の赤味が増加し、カラーチャート値にして3程度の改善がみられたことは、果皮が黄褐色系統で赤味が不足しがちな原料柿の西条柿にとって好ましい結果といえる。従来、熟柿を食品利用する際の問題点は、柿が完熟したことがわかりにくいこと。その分かりにくさからくる一定量の確保が難しい点にあると言われている面もあったが、本発明によると人工的に熟柿ができることと色で完熟度合いが判断できて大量に熟柿が生成できる利点がある。
図5に示すように、可溶性タンニン含量は,処理開始後3日すなわち軟化開始日の直前から急激に減少し、6日には極めて少なくなった。官能検査による渋味も、タンニン含量よりやや遅れて減少を始めたが,6日には完全に脱渋していることを確認できた。
熟柿ピューレ調製方法は、ヘタを切除した加工熟柿を縦半分にカットし,カットした果肉を種子を取り除いた中果皮と内果皮に分離する。中果皮および種子を取り除いた内果皮は,それぞれ一定量を分散機(ホモジナイザー、ミキサー若しくはブレンダー)を用いて高速回転でミキシングし、柿繊維を崩すべく粉砕・圧潰してピューレ8とした。
加工熟柿からは中果皮と内果皮を分離してそれぞれのピューレをつくることができ、さらに、これら2種類のピューレを適当な割合で混合することにより、加熱しても渋味が出ない(渋戻りしない)熟柿ピューレをつくることができる。
一般的に、熟柿を原料にしてつくったピューレは、理由は定かではないが、他の柿ピューレに比べてもともと幾分渋戻りしにくいと言われている。熟柿からは、容易に内果皮を分離することができ、この内果皮からつくったピューレは渋戻りしない。したがって、中果皮と内果皮の混合割合を調製(無調整では、中果皮:内果皮≒7:3、これを8:2とか、5:5とか、8:2など適宜の混合割合に調整する)することによって渋戻りしにくいピューレをつくることができる。
一般的に、熟柿としても品質優秀と評価されている。西条熟柿の肉質は緻密で多汁であり、とろけるような中果皮やゼリーのような食感の内果皮は、在来のさわし柿ではみられない特徴がある。この西条熟柿を原材料としてつくったピューレは、たいへん滑らかな食感をもつため、特に食感を重要視する加工食品の原材料として有用である。
また、未利用果実を用いて調製した熟柿ピューレの渋戻りについて調査したところ,正常な果実から調製した熟柿ピューレと同様,80℃30℃分の加熱でも渋味は認められなかった。
2 ヘタ
3 収納容器
4 浅床トレイ
5 密封容器
6 コンテナー
7 フタ部材(新聞紙など)
8 熟柿ピューレ
Claims (5)
- 収穫した原料渋柿をヘタが乾燥しない状態にして温度を0℃〜5℃で1〜4週間程度冷蔵保存し、その後、温度20℃以上の環境下に約6〜8時間おいて、果実温度を18℃以上に上昇管理し、次に、果肉を18℃以上にした原料柿を密閉容器に封入して、密閉容器内にエチレンガスを注入し、温度20℃以上の環境下に48時間以上おいて原料柿をエチレン処理し、エチレン処理した原料柿を密閉容器から取り出して、トレイに一段並びに収納して、エチレン処理した原料柿の上面をフタ部材で覆いヘタが乾燥しないようにして、通気状態で20℃で4日間以上おいて加工熟柿に生成し、該加工熟柿をヘタを除去した後、縦割りに分割して、種子を取り除いた内果皮と中果皮に分離し、中果皮と内果皮を適宜割合に混合して、ミキシングして熟柿ピューレを生成し、該熟柿ピューレを冷凍保存したことを特徴とする熟柿ピューレ。
- 中果皮と内果皮の混合割合を8:2〜2:8に調整して熟柿ピューレを生成した請求項1に記載の熟柿ピューレ。
- 中果皮と内果皮の混合割合を7:3に調整して熟柿ピューレを生成した請求項1に記載の熟柿ピューレ。
- 収穫した原料渋柿をヘタが乾燥しない状態にして温度を0℃〜5℃で1週間〜4週間程度冷蔵保存する原料柿冷蔵保存工程と、その後、温度20℃以上の環境下に約6〜8時間おいて、果実温度を18℃以上に上昇管理する原料柿を常温に上げる工程と、次に、果実温度を18℃以上にした原料柿を密閉容器に封入して後、密閉容器内にエチレンガスを注入し、温度20℃以上の環境下に48時間以上おいて原料柿をエチレン処理する工程と、エチレン処理した原料柿を密閉容器から取り出して、トレイに一段並びに収納して、エチレン処理した原料柿の上面をフタ部材で覆いヘタが乾燥しないようにして、通気状態で20℃以上で4日間以上おいて加工熟柿に生成する加工熟柿にする工程と、該加工熟柿をヘタを除去した後、縦割りに分割して、種子を取り除いた内果皮と中果皮に分離し、中果皮と内果皮を適宜割合に混合して、ミキシングして熟柿ピューレを生成する工程と、該熟柿ピューレを冷凍保存する冷凍保存工程からなることを特徴とする熟柿ピューレの製造方法。
- 密閉容器内にエチレンガスを50〜200ppm注入して原料柿をエチレン処理し、中果皮と内果皮の混合割合を8:2〜2:8のいずれかの割合に調整して熟柿ピューレを生成する熟柿ピューレの製造方法。
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- 2014-11-15 JP JP2014245375A patent/JP2016093169A/ja active Pending
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