JP2016093105A - 太刀魚用テンヤ - Google Patents

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【課題】餌に喰いついた太刀魚に対する太刀魚用テンヤの針掛かりが効果的に起こるようにし、これにより釣り逃がしを減らして釣果を高められるようにすることを課題としている。【解決手段】太刀魚用テンヤに、先端部を錘2に固定した、内部に釣り針3の胴3aがスライド自在に挿入される直線のガイドパイプ5と、餌を取り付ける止め針7と、テンヤが水平に吊り下がる荷重バランス点において錘2に接続される弾性体の吊り紐9と、釣り針に連結される引き紐11と、釣り針3の回転を阻止する回り止め部を具備させ、吊り紐9と引き紐11を道糸への連結具10に接続し、釣り針3を胴3aがガイドパイプ5から最大に抜け出す方向にスライドさせた状態でテンヤが吊り紐9によって吊下げられ、その状態から吊り紐9が引き伸ばされたときに、釣り針3が引き紐11によって錘2側に引き動かされるようにした。【選択図】図1

Description

この発明は、魚の針掛かりを良くする工夫を施した太刀魚用のテンヤに関する。
太刀魚の船釣りでは、錘と釣り針を一体化した太刀魚用テンヤが使用されている。一般的な太刀魚用テンヤは、図5に示すように、錘2を先端に設け、その錘2の後方に釣り針3の胴(軸)3aを延び出させ、胴の後端に、腰曲げ部3bと、先曲げ部3cと、返し3dを有する針先部3eを設けている。
また、先端の錘2に環8を取り付けており、その環8に、インターロックスナップ(図示せず)などを介してハリス(これも図示せず)を接続する構造になっている。
釣り針3の胴3aには、餌の鰯などが取り付けられる。胴3aの上部には止め針7が設けられており、その止め針7を餌の魚に突き刺し、針金14(細いステンレス線や銅線など)で巻き縛るなどしてその餌を胴3aに固定する(図2参照)。
そして、餌をつけ終えた太刀魚用テンヤ21を船上から海中に投入し、目的の水深(タナ)まで沈める。目的の水深に到達した太刀魚用テンヤ21は水平姿勢に吊り下がる。そのために、餌の魚は泳いでいるように見え、生き餌を好む太刀魚が食いつく確率が高まる。
なお、錘2は、図5のような魚頭形状のものが多用されているが、魚頭形状でない太刀魚用テンヤも勿論存在する(例えば、下記特許文献1参照)。
特開2012−165732号公報
太刀魚用テンヤは、目的の水深位置において水平姿勢を保つ。そのテンヤに取り付けられた餌に対して、太刀魚は多くの場合、上向き姿勢になって下から喰いつく。
釣り人はその喰いつきによる釣竿の穂先の動きや釣竿を持った手に伝わる感触から魚が喰いついた状況(いわゆる当たり)を感知し、釣竿をシャクリ上げて(いわゆる合わせを行って)太刀魚に針を掛ける。
市販の一般的な太刀魚用テンヤは、釣竿のシャクリ上げにより先端側が持ち上げられて餌が太刀魚に喰いつかれている部位を支点にして回転し、返しのついた針先が太刀魚の頭部に外側から突き刺さる。テンヤを用いた太刀魚釣りでは、このように、針先が魚の口中に刺さるのではなく頭部に外側から突き刺さって魚が針掛かりする。
その針掛かりは、上述したように、釣竿をシャクリ上げたときに太刀魚が餌に喰いついている部位を支点にして回転することによって起こるが、太刀魚による餌のくわえ方によってはその回転が確実になされない状況が起こる。
例えば、餌のくわえ方が強くて合わせを行ったときに太刀魚がテンヤの回転方向に同時に首を振るような状況が起こると、太刀魚に対するテンヤの相対回転が不十分になり、針先の太刀魚への突き刺さりが不十分になる。
このために、釣り逃がす事態が発生し、釣果が期待するほどあがらないことがあった。
この発明は、餌に喰いついた太刀魚に対する太刀魚用テンヤの針掛かりが効果的に起こるようにし、これにより釣り逃がしを減らして釣果を高められるようにすることを課題としている。
上記の課題を解決するため、この発明においては、錘を先端に配し、その錘に、当該錘の後方に延び出す直線の胴を有する釣り針を取り付けた太刀魚用テンヤを下記の如く構成した。
即ち、先端部を前記錘に固定した、内部に前記釣り針の胴がスライド自在に挿入される直線のガイドパイプと、そのガイドパイプの上部外周に固定された餌取り付け用の止め針と、テンヤが水平に吊り下がる荷重バランス点において前記錘に接続される伸縮可能な弾性体の吊り紐と、前記釣り針に直接又は間接的につながれる引き紐と、前記釣り針の回転を阻止する回り止め部を具備し、
前記吊り紐と前記引き紐が道糸への連結具に接続され、前記釣り針を前記胴が前記ガイドパイプから最大に抜け出す方向にスライドさせた状態でテンヤが前記吊り紐によって吊下げられ、その状態から前記吊り紐が引き伸ばされたときに、前記釣り針が前記引き紐によって前記錘側に引き動かされるようにした。
なお、この発明では、ワイヤー、テグス、ゴム紐なども紐と考える。
この発明の太刀魚用テンヤは、前記ガイドパイプと釣り針を錘の下側に配置したものが好ましい。
また、前記回り止め部は、前記釣り針の胴と平行配置にして後端を釣り針に固定する補助軸と、前記ガイドパイプに平行に固定する補助パイプを含ませ、前記補助軸の前側を前記補助パイプにスライド自在に挿入して構成されたものが好ましい。
さらに、前記弾性体の吊り紐は、釣り用として提供されている熱可塑性ポリウレタンなどで形成されたゴム紐(クッションゴムと称されている製品)が好ましい。
かかるテンヤの錘は、砲弾型、魚頭形状など任意の形状を採用できる。また、その錘の表面にアピール性を高める蓄光塗料の塗膜を設けることもできる。
この発明のテンヤは、餌に対する太刀魚の喰いつき(当たり)を感知して釣竿をシャクリあげると、テンヤに太刀魚の重みが加わることから弾性体の吊り紐が引き伸ばされ、これにより、引き紐が引っ張られてその引き紐により釣り針が錘側に引き動かされる。
そのために、釣り針の引き動かしによる太刀魚への突き刺さりが先行して起こる。また、針先が太刀魚に刺さると、従来の太刀魚用テンヤと同様に、太刀魚が喰いつた位置を支点にしてテンヤが回転し、その回転により突き刺さりがさらに進行して針掛かりが万全なものになる。これにより、釣り逃がしが減って釣果が上がる。
なお、前記ガイドパイプと釣り針を錘の下側に配置したものは、餌の鰯などが錘の後方に配置される。テンヤは、潮流を受けると自然に錘が流れの上流、餌が下流に位置する姿勢になるため、餌が錘の後方にあるものは潮流を受ける面積が減少する。これにより、テンヤが潮流に押し流され難くなる。これに加え、前記錘にガイド孔を設け、前記引き紐をそのガイド孔に通して安定して誘導することもできる。
また、前記回り止め部を、前記補助軸とその補助軸をスライド自在に挿入する補助パイプを設けて構成したものは、補助軸、補助パイプともに安価で入手しやすい材料を使用でき、ガイドパイプを含めた釣り針の胴の小型化を図り易い。
このほか、前記弾性体の吊り紐として釣り用のクッションゴムも用いたものは、吊り紐が太くならず、潮流の影響をより受け難いものになる。
この発明の太刀魚用テンヤの一例を示す側面図である。 図1の太刀魚用テンヤに餌を取り付けた状態を示す側面図である。 この発明の太刀魚用テンヤの他の例を示す側面図である。 図1のテンヤの釣り針が太刀魚に刺さった状態を示す側面図である。 太刀魚用テンヤの従来品の一例を示す側面図である。
以下、この発明の太刀魚用テンヤの実施の形態を添付図面の図1〜図4に基づいて説明する。
図1の太刀魚用テンヤ1は、砲弾型の錘2を先端に配し、その錘2に釣り針3を取り付けている。
釣り針3は、直線状をなす胴3aの後端に腰曲げ部3b、先曲げ部3c、及び返し3dのついた針先部3eを設けた周知の形状の針である。この釣り針3は、既知のテンヤと違って、錘2に対して固定されていない。
また、この釣り針3には、胴3aの下部に補助軸4が胴3aと平行にして取り付けられている。その補助軸4は、後端が釣り針3の腰曲げ部3bに固定されており、先端に後述する引き紐11が連結されている。
錘2の下部には、先端を錘2に固定してその固定部から錘の後方に直線的に延び出させたガイドパイプ5が設けられている。また、そのガイドパイプ5の下部には補助パイプ6が平行配置にして取り付けられており、さらに、このガイドパイプ5の上側外周に餌を取り付けるための止め針7が固定して設けられている。
錘2は、ステンレスなどからなる金属パイプ2aと鉛2bを複合化したものであって、
ガイドパイプ5や補助パイプ6の錘2への接合は、接合強度を考えて金属パイプ2aに対してなされている。
釣り針3の胴3aは、ガイドパイプ5にスライド自在に挿入されている。また、その胴3aの下部に設けた補助軸4は、前側が補助パイプ6にスライド自在に挿入されている。
図示したように、ガイドパイプ5と補助パイプ6を平行配置にして設け、それ等のパイプに、平行配置の釣り針の胴3aと補助軸4をスライド自在に挿入することで回り止め部が構成され、その回り止め部により釣り針3の回転が阻止されてテンヤの針先が常に餌に喰いついた太刀魚を狙える位置に保持される。
錘2の上部には、環8が取り付けられており、その環8に伸縮可能な弾性体の吊り紐9がインターロックスナップなどを用いて着脱自在に連結されている。環8は、テンヤが水平に吊り下がる位置(荷重バランス点)に設けられている。
例示の太刀魚用テンヤ1に採用した吊り紐9は、熱可塑性ポリウレタンで形成された市販のクッションゴムである。この吊り紐9の上端には、道糸を連結する連結具10(図のそれはスイベル)が接続されている。
また、補助パイプ6に挿入された補助軸4の先端には、引き紐11が連結されている。図示の引き紐11は、ワイヤー11aとテグス11bをインターロックスナップなどでつなぎ合わせたものであり、ワイヤーからなる部分が錘2に設けられたガイド孔12に通され、テグスからなる部分の上端が吊り紐9の上端に連結されている。
吊り紐9は、規定の長さ以上の伸び代を残した状態でテンヤを吊下げ位置に保持できる引っ張り強度を有するものが設けられている。その吊り紐9でテンヤを吊下げた状況下において、引き紐11は弛みを生じる長さを有している。
その引き紐11は、吊り紐9によってテンヤを吊下げ、なおかつ、釣り針3の胴3aをガイドパイプ5から最大に引き出した状態においても若干の弛みを生じるものが設けられている。
図1の13は、釣り針3のガイドパイプ5からの抜き出し量を規制するシモリである。このシモリ13は、ワイヤー11aの外周に遊嵌されている。このシモリ13がワイヤー11aの先端に形成したアイ11cと錘2との間に介在されてアイ11cのガイド孔12への入り込みを阻止する構造になっており、これにより、釣り針3のガイドパイプ5からの脱出が阻止される。
図1の17は、吊り紐9と引き紐11をゆるく通したスリーブである。このスリーブ17は、必要に応じて設けるものであって、引き紐11を吊り紐9に添わせる働きをする。
止め針7は、釣り針3の胴3aと並行させて錘2の後方に延び出させた横針7aと、胴3aの上部から上向きに突出する縦針7bからなるものを示した。縦針7bは1本に限定されない。
図示の止め針7は、図2に示すように、横針7aを餌19の口から腹部に向けて刺し、縦針7bを餌の下腹部から背に向けて突き刺す。餌19は、鰯が多用されているが、鰯以外の魚やゴム製の疑似餌などを用いることも可能である。
餌19を止め針7に刺したら、始端が横針7aやガイドパイプ5などに固定された針金14をガイドパイプ5に沿わせた餌19に巻きつけ、その餌19を針金14で縛ってガイドパイプ5と補助パイプ6に固定する。
なお、餌19を縛った針金14は、補助パイプ6の後方下部に図1に示すような係留部15を設け、その係留部15に終端を巻きつけて固定すると好ましい。
餌19は、複数本の縦針を設け、その複数本の縦針を突き刺して針金でくくりつける方法でも固定することができる。従って、横針7aは好ましい要素に過ぎない。
ガイドパイプ5の後端付近で針金14の巻きつけの方向をターンさせ、巻き始点側に戻されたその針金14の終端を始端が固定された付近において補助パイプ6や錘2に固定することもできるが、補助パイプ6の後方下部に係留部15があれば、針金14の終端を始端側に戻す手間を省くことができる。
以上の如く構成された太刀魚用テンヤ1は、連結具10に釣竿のリールから繰り出された道糸18を連結して使用する。そのテンヤの釣り針3をガイドパイプ5から許容上限まで抜き出し、止め針7を利用して図2に示すように釣り針3の胴3aの上部に餌19を取り付ける。そしてこれを海中に投入する。
その太刀魚用テンヤ1は、吊り紐9に吊下げられて目標点まで沈められ、ほぼ水平姿勢を保って目的の水深(タナ)位置に保持される。
その太刀魚用テンヤ1に取り付けた餌19に図4のように太刀魚Cfが喰いつき、釣り人が当たりを感じると合わせ(釣竿のシャクリあげ)がなされる。その合わせが行われると、吊り紐9が引き伸ばされて引き紐11がガイド孔12に誘導されながら引っ張られる。
そのために、補助軸4及びそれと一体の釣り針の胴3aが引き動かされて補助パイプ6とガイドパイプ5内でパイプの先端側(図4の鎖線位置)に向けてスライドする。このとき、釣り針3の動きは餌19に喰いついた太刀魚Cfには伝わらない。このために、太刀魚Cfに対してスライドした釣り針3の針先が突き刺さる。
その後の引き続いた釣竿のシャクリ上げにより太刀魚Cfが喰いつた位置を支点にしてテンヤ1が回転し、その回転により針先の突き刺さりがさらに進行して針掛かりが万全なものになる。
なお、例示の太刀魚用テンヤ1は、引き紐11が釣り針3に補助軸4を介して間接的につながれているが、ガイドパイプ5の先端を開放させてその引き紐11を釣り針3の胴3aの先端に直接つなぐことも可能である。
また、釣り針3が錘2の下側に配置されていると、既述の理由により、潮流を受ける面積が減少してテンヤが潮流に押し流され難くなるが、図3に示すように、釣り針3の胴3a、ガイドパイプ5及び補助パイプ6は、錘2の上部に設けることも可能である。
この態様は、引き紐11の誘導を補助パイプ6のみに依存する必要があるので、補助パイプ6は先端を緩やかに上向きに屈曲させておくのがよい。
図3の太刀魚用テンヤは、環8が止め針7の横針7aに固定され錘2に対する吊り紐9の接続が横針7a経由で間接的になされているが、横針7aの錘2に対する固定位置を錘2の後方にずらして環8を補助パイプ6に固定することも可能である。
また、釣り針3の回転を阻止する回り止め部は、釣り針の胴と平行な補助軸4とその補助軸をスライド自在に挿入する補助パイプ6を設けて構成したものが有利であるが、ガイドパイプ5を角パイプ、釣り針の胴3aを角軸にして両者を非円形嵌合させる構造のものも考えられる。
また、吊り紐9は釣り用のクッションゴムも用いたものが細くて潮流の影響を受け難くてこのましいが、ステンレスなどの耐食性材料からなるコイルスプリングなどでも引き紐に弛みを生じさせてテンヤを吊り下げることが可能である。
このほか、錘2は、ガイドパイプの接合に支障が無ければ魚頭形状に成形したものであってもよい。また、その錘の表面には、蓄光塗料の塗膜を設けることができる。
1,21 太刀魚用テンヤ
2 錘
2a 金属パイプ
2b 鉛
3 釣り針
3a 胴
3b 腰曲げ部
3c 先曲げ部
3d 返し
3e 針先部
4 補助軸
5 ガイドパイプ
6 補助パイプ
7 止め針
7a 横針
7b 縦針
8 環
9 吊り紐
10 連結具
11 引き紐
11a ワイヤー
11b テグス
11c アイ
12 ガイド孔
13 シモリ
14 針金
15 係留部
17 スリーブ
18 道糸
19 餌
Cf 太刀魚

Claims (3)

  1. 錘(2)を先端に配し、その錘に、当該錘の後方に延び出す直線の胴(3a)を有する釣り針(3)を取り付けた太刀魚用テンヤであって、
    先端部を前記錘(2)に固定してその錘の後方に直線的に延び出させた、内部に前記釣り針の胴(3a)がスライド自在に挿入されるガイドパイプ(5)と、そのガイドパイプの外周に固定された餌取り付け用の止め針(7)と、テンヤが水平に吊り下がる荷重バランス点において前記錘(2)に接続される伸縮可能な弾性体の吊り紐(9)と、前記釣り針(3)に直接又は間接的につながれる引き紐(11)と、前記釣り針(3)の回転を阻止する回り止め部を具備し、
    前記吊り紐(9)と前記引き紐(11)が道糸への連結具(10)に接続され、前記釣り針(3)を前記胴(3a)が前記ガイドパイプ(5)から最大に抜け出す方向にスライドさせた状態でテンヤが前記吊り紐(9)によって吊下げられ、その状態から前記吊り紐(9)が引き伸ばされたときに、前記釣り針(3)が前記引き紐(11)によって前記錘(2)側に引き動かされるようにした太刀魚用テンヤ。
  2. 前記釣り針(3)とガイドパイプ(5)を前記錘(2)の下側に配置した請求項1に記載の太刀魚用テンヤ。
  3. 前記回り止め部を、前記釣り針の胴(3a)と平行配置にして後端を釣り針に固定する補助軸(4)と、前記ガイドパイプ(5)に平行に固定する補助パイプ(6)を含ませ、前記補助軸(4)の前側を前記補助パイプ(6)にスライド自在に挿入して構成した請求項1又は2に記載の太刀魚用テンヤ。
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