JP3198721U - 太刀魚仕掛け用具 - Google Patents

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【課題】 釣餌とする魚の取り付けや釣針の交換を容易にし、道糸への接続をも簡単に行えるようにした太刀魚仕掛け用具を提供すること等を可能にした太刀魚仕掛け用具を提供する。【解決手段】 太刀魚仕掛け用具1は、1本の金属線材が2箇所でヘアピン状に折り返されることにより、基幹部2と、基幹部2に対して略平行に添う2つの添接部3とが形成されたものである。釣糸やその連結具または釣針における環状の連結部分が、各添接部3の先端から一部を上記基幹部2との間に挿入されることにより、上記2箇所の折り返し部分31の各内側に掛け止められ得るように形成されている。【選択図】 図1

Description

本考案は、太刀魚等の魚を釣るために使用する太刀魚仕掛け用具に関するものである。
太刀魚は歯が鋭く、成長すると魚類等を貪食する習性があることから、従来、釣餌とする魚を仕掛け針に取り付けることによって釣りが行われている。
下記の特許文献1にも、太刀魚等の釣りに適した釣り用仕掛けが記載されている。その仕掛けは、直線状のシャフト部に針先部やバーブ(棘部)を形成して釣餌を取り付けられるようにしたエサ保持部材を、そのアイレット(環状部分)にハリスを通すことによって釣針等に連結したものである。釣餌とする魚をエサ保持部材に取り付けるとともに、その魚に釣針を掛け止めておくことにより、釣餌に食い付いた太刀魚等を釣り上げることが可能になる。
特開平10−215741号公報
特許文献1に記載されたものを含めて従来の釣り用仕掛けには、つぎの点で改良の余地があった。すなわち、
イ) 釣餌とする魚を取り付ける際、エサ保持部材をその魚に刺し通すとともに、釣針を別途その魚の腹などに刺し入れて掛け止める必要があり、仕掛けの使用準備が簡単ではない。
ロ) 釣針とエサ保持部材とが一体的に連結されるため、釣針(およびハリス)のみを交換することが容易でない。仕掛けを道糸に連結したり取り外したりすることを容易にするための工夫も、十分に施されているとはいえない。
ハ) 釣餌とする魚は、金属製のエサ保持部材に突き刺された状態で水中に入れられるが、エサ保持部材のアイレット等が外側に露出することから、太刀魚等に警戒されやすいという不都合がある。
ニ) 釣餌とする魚は、エサ保持部材を口から刺し通されて保持されるため、エサ保持部材や自身の重量によって縦向きになり、通常の泳動姿勢とかけ離れた状態になる結果、太刀魚等の食い付きが悪くなる。
請求項に係る考案は、以上のような課題を解決することを目的とする。すなわち、釣餌とする魚の取り付けや釣針の交換を簡単にし、道糸への接続をも容易に行えるようにした太刀魚仕掛け用具を提供すること、さらには、金属等でできたエサ保持部材ではなく通常のハリスのみを胴体に通した状態で釣餌の魚を保持することを可能にし、または魚を水平姿勢に保つことができる仕掛け用具を提供するものである。
考案による太刀魚仕掛け用具は、
・ 1本の金属線材が2箇所でヘアピン状に180°折り返されることにより、基幹部(略直線状の主要部分)と、基幹部に対して略平行に添う2つの添接部(基幹部の各端部から反対側の端部寄りに延びた付属部分)とが形成されていて、
・ 釣糸やその連結具(サルカン、ヨリモドシ等)または釣針における環状の連結部分が、各添接部の先端から一部(環状の連結部分の一部)を上記基幹部との間に挿入されることにより、折り返された上記2箇所の各内側に掛け止められ得る
ように形成されていることを特徴とする。図1・図6に示す仕掛け用具1はそのような考案の一例で、全長3〜5cm程度の基幹部に対し両端の2箇所に折り返し部分が形成され、それらより各内向きに添接部が延びている。
この仕掛け用具は、基幹部とそれに添う2つの添接部とで形成されていて全体としてほぼ直線状のものであるため、釣餌とする魚の腹部等に容易に刺し入れ、貫通させることができる。
また、金属製であって弾性・可撓性のある線材で形成されているため、添接部の先端部分に基幹部から離れる向きに力を加えると添接部と基幹部の間に隙間が広がり、力を除くと添接部は再び基幹部に添う。これにより、釣糸やその連結具または釣針における環状の連結部分は、その環状の一部を添接部の先端に掛けたうえスライドさせることにより、折り返された上記2箇所の各内側に簡単に掛け止めることができる。
2箇所の折り返し部分のうち一方に上記のようにして事前に釣針を掛け止めておけば、釣餌とする魚に上記仕掛け用具を刺し通したとき、その魚の腹部等に釣針をも同時に掛け止めることができ、釣餌の取り付けを簡単に行える。
また釣針(またはハリスを介した釣針)は、仕掛け用具の折り返し部分の内側に上記の要領で簡単に掛け止めることができ、逆に仕掛け用具から簡単に取り外すこともできる。そのため、この仕掛け用具に対しては、釣針(またはハリス付きの釣針)を容易に交換することができる。
考案の太刀魚仕掛け用具は、とくに、
・ 上記2つの添接部が上記基幹部の同じ側(つまり一直線上に並ぶ位置)に添うように設けられていて、各添接部の先端同士が基幹部の中ほどで間隔をおいて対向しており、
・ 基幹部の中ほどに、上記先端に接しないよう添接部から離れた側へ膨らんだ屈曲部分が形成されている
のが好ましい。図1・図6に示す仕掛け用具1はそのようにした例でもある。
上のような構成であれば、各添接部の先端が基幹部から離れているため、釣糸やその連結具、釣針等における環状の連結部分を各添接部の先端に掛けたうえ挿入することがきわめて容易である。したがって、釣場等における仕掛けの準備作業をスムーズに短時間で行なうことが可能になる。
考案の太刀魚仕掛け用具は、さらに、
・ 折り返された上記2箇所のうち一方に、環状の連結部分を有するハリスを介して釣針が接続されている
ようにするのが好ましい。
そのようにした仕掛け用具によると、その状態でただちに釣餌を釣針付近に取り付けることができる。すなわち、その仕掛け用具を、ハリスが接続されていない側の折り返し部分を先にして釣餌の腹部等に刺し通したうえその向きに釣餌の腹部等から引き出せば、接続されたハリスが釣餌を貫通し、釣針が腹部等に刺さった状態になる。つまり、下記に示す方法を容易に実現し、すぐに使用できるわけである。
考案の太刀魚仕掛け用具は、上記のようにハリスを介し釣針が接続された状態で、
・ 釣餌とする魚に対し、折り返された上記2箇所のうち上記ハリスが接続されていない側を先に向けて刺し通すことにより、上記ハリスを上記魚に貫通させるとともに上記釣針を上記魚に接触させる、との方法で使用されるのがよい。
そのようにして使用すると、釣餌とする魚を、仕掛け用具ではなくハリスを腹部等に刺し通した状態で保持することができる(図5の例を参照)。釣餌付近に金属製の仕掛け用具が存在しないわけであるから、太刀魚等に警戒されがたく、したがって釣果を向上させやすくなる。仕掛け用具やハリスを魚の腹部等から上記の向きに引き出すと、その腹部等に同時に釣針を掛け止めることができて仕掛けの準備を完了できる、という手返しの良さもある。
釣針の魚を上記のようにして仕掛け用具に取り付けた後は、2箇所の折り返し部分のうちハリスが接続されていない側に道糸を接続するだけで、その仕掛けを釣場において使用することが可能である。一方の折り返し部分に道糸を接続するのも、道糸の端部に環状部分があり、または連結具が設けられておれば、前記のように容易に行うことができる。
上記の仕掛け用具については、釣餌とする魚に対しその腹部から背部へ向けて刺し通すことにより使用され、上記釣針が二股以上に先端の分かれたのものであるなら、とくに好ましい。
釣針として二股以上のものを接続した仕掛け用具を上記のように釣餌の魚に刺し通し、その釣針を魚の腹部に接触させるなら、釣餌とするその魚は釣針により支えられて、生きて泳いでいるかのように水中で水平な姿勢に保たれやすい。そのため、釣餌が太刀魚の興味を引きやすくなり、釣果の向上に結び付くこととなる。
なお、太刀魚は釣餌の魚の腹部近傍に食い付く習性があるので、腹部に釣針を接触させておくのが好ましい。
考案の仕掛け用具は、全体としてほぼ直線状のものであるため、釣餌とする魚の腹部等に容易に刺し通すことができる。2箇所の折り返し部分に対し、釣糸やその連結具または釣針における環状の連結部分を掛け止めることも容易である。折り返し部分の一方に釣針を取り付けたうえでこの仕掛け用具を釣餌の魚に刺し通すと、同時にその魚の腹部等に釣針を掛け止められることになる。そのため、この仕掛け用具によれば、太刀魚等を釣るための仕掛けの準備を簡単に行うことが可能である。釣針(またはハリス付きの釣針)のみの交換も容易に行うことができる。
また、考案の仕掛け用具によると、釣餌とする魚を、ハリスのみを腹部等に刺し通した状態で保持するようにできるので、太刀魚等の警戒を減じて釣果を向上させることができる。釣針として二股以上のものを使用して釣餌の魚を水平な姿勢に保たれやすくすると、釣果を一層向上させることが可能になる。
考案の実施形態の一例を示す太刀魚仕掛け用具(ハリス止め)の正面図である。 考案の太刀魚仕掛け用具に、ハリス(釣針付き)や道糸等を接続した状態を示す正面図である。 考案の太刀魚仕掛け用具の使用方法を示した説明図であり、仕掛け用具の先端を釣餌の腹部に突き刺す状態を示したものである。 考案の太刀魚仕掛け用具の使用方法を示した説明図であり、仕掛け用具を釣餌の腹部から背部に貫通するよう刺し通した状態を示したものである。 考案の太刀魚仕掛け用具の使用方法を示した説明図であり、仕掛け用具を釣餌の腹部から背部を貫通して刺し通した後、道糸を接続した状態を示したものである。 考案の他の実施形態を示す太刀魚仕掛け用具の平面図である。
以下、考案の太刀魚仕掛け用具について、図面に基づき説明をする。
図1に示すように、太刀魚仕掛け用具(ハリス止め)1は、弾性・可撓性を有する1本の線材を素材とし、基幹部2と基幹部2の両端より続く添接部3とによって形成されている。上記線材の材質としてはステンレス鋼等が用いられ、必要に応じてメッキや塗装が施されている。基幹部2は略直線状であり、中央部分にL字形の屈曲部分21が形成されている。基幹部2の両端である2箇所には、ヘアピン状に180°折り返された折り返し部分31が形成され、そこから、基幹部2に対し平行に添って基幹部2の中央付近に至る2つの添接部3が延びている。
上記2つの添接部3は、上記基幹部2の周囲のうち同じ側に添うよう形成されていて、各添接部3の先端32同士が基幹部2の中ほどで間隔をおいて対向している。基幹部2の中ほどにある上記L字形の屈曲部分21は、上記先端32に接しないよう添接部3から離れた側へ膨らんだ形に形成されている。これにより、添接部3の各先端32は、対向する他方の添接部3の先端32とも基幹部2とも離れて、屈曲部分21の内側の空間33内に突出した状態に位置している。そのため、道糸等の釣糸やその連結具または釣針における環状の連結部分は、この空間33を利用して添接部3の先端32に掛けたうえ、折り返し部分31の内側スペース34までスライドさせることにより、仕掛け用具1に容易に連結することができる。なお、両端にある折り返し部分31およびその内側スペース34がそれぞれ同一形状であって仕掛け用具1は上下に対称であるため、釣糸やその連結具、釣針等をいずれの側の折り返し部分31に連結してもよい。
図1の太刀魚仕掛け用具1は、図2のような接続状態で使用される。すなわち、仕掛け用具1の基端側(図面の下側)の折り返し部分31に、釣針43を接続したハリス45の環状部を連結するとともに、先端側(図面の上側)の折り返し部分31に道糸への連結具(サルカン)42を連結する。両端の折り返し部分31の内側にはスペース34が形成されているので、各折り返し部分31に連結したハリス45や連結具42は、姿勢が拘束されない遊動可能な状態で仕掛け用具1に取り付けられる。釣針43としては、図示のような二股のもの、またはそれ以上の数の針先を有するものを使用するのが好ましい。
図3〜図5は、太刀魚仕掛け用具1や釣針43等を、釣餌とする魚50(たとえばキビナゴやアジ等)に取り付けるための手順を示したものである。
まず図3のように、仕掛け用具1の基端側(図示下側)の折り返し部分31に、釣針43を接続したハリス45の環状部を取り付ける。次に、仕掛け用具1の先端側(図示上側)の折り返し部分31を上記魚50の腹部51に突き刺す。
突き刺した仕掛け用具1は、図4のように、向きを変えずに魚50の腹部51から背部52にかけて略垂直に突き通して背部52より引き抜く。仕掛け用具1をさらに引き出すことにより、ハリス45を魚50の胴体内に貫通させ、釣針43を魚50の腹部52まで移動させる。
仕掛け用具1とハリス45とを魚50の背部52の側にさらに引き出して、図5のように釣針43の針先が魚50の腹部51に刺さるまでになると、仕掛け用具1と釣針43の準備は完了する。引き出した仕掛け用具1の先端側の折り返し部分31に、何らかの連結具42を介して道糸41を連結すれば、釣りを始めることができる。
図6には、考案の太刀魚仕掛け用具1aに関する他の実施形態を示す。この例では、基幹部2の中央部分に円弧状の屈曲部分22が形成されている(図1の仕掛け用具1と同様の部分には同じ符号を付して詳細な説明を省略する)。
考案の仕掛け用具における屈曲部分は、添接部3の先端32と基幹部2との間に空間33を形成できるものであればよいので、このように円弧状にも形成することができ、また他の形(多角形状等)にすることも可能である。
本考案は、太刀魚の釣りに適した仕掛けに関するものであるが、太刀魚のみに限るものではなく、釣餌として魚を用いる釣り用の仕掛け用具として広く用いることができる。
1・1a 太刀魚仕掛け用具
2 基幹部
3 添接部
21・22 屈曲部分
31 折り返し部分
32 先端
33 空間
41 道糸
42 連結具
43 釣針
44 連結部分
45 ハリス
50 釣餌とする魚

Claims (6)

  1. 1本の金属線材が2箇所でヘアピン状に180°折り返されることにより、基幹部と、基幹部に対して略平行に添う2つの添接部とが形成されていて、
    釣糸やその連結具または釣針における環状の連結部分が、各添接部の先端から一部を上記基幹部との間に挿入されることにより、折り返された上記2箇所の各内側に掛け止められ得ることを特徴とする太刀魚仕掛け用具。
  2. 上記2つの添接部が上記基幹部の同じ側に添うように形成されていて、各添接部の先端同士が基幹部の中ほどで間隔をおいて対向しており、
    基幹部の中ほどに、上記先端に接しないよう添接部から離れた側へ膨らんだ屈曲部分が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の太刀魚仕掛け用具。
  3. 折り返された上記2箇所のうち一方に、環状の連結部分を有するハリスを介して釣針が接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載の太刀魚仕掛け用具。
  4. 釣餌とする魚に対し、折り返された上記2箇所のうち上記ハリスが接続されていない側を先に向けて刺し通すことにより、上記ハリスを上記魚に貫通させるとともに上記釣針を上記魚に接触させる、との方法で使用されることを特徴とする請求項3に記載の太刀魚仕掛け用具。
  5. 釣餌とする魚に対し、その腹部から背部へ向けて刺し通すことにより使用され、上記釣針が二股以上のものであることを特徴とする請求項4に記載の太刀魚仕掛け用具。
  6. 釣餌とする魚にハリスを貫通させるため、釣針付きのハリスが連結された状態で当該魚に刺し通される太刀魚仕掛け用具であって、
    1本の金属線材が2箇所で、内側にスペースを有するようヘアピン状に180°折り返されることにより、基幹部と、基幹部に対して略平行に添う2つの添接部とが形成されていて、
    上記2つの添接部が上記基幹部の同じ側に添うように形成されていて、各添接部の先端同士が基幹部の中ほどで間隔をおいて一直線状に対向しており、基幹部の中ほどに、上記先端に接しないよう添接部から離れた側へ膨らんだ屈曲部分が形成されていること、
    釣糸やその連結具または釣針における環状の連結部分が、各添接部の先端から一部を上記基幹部との間に挿入されることにより、折り返された上記2箇所の各内側の上記スペース内に遊動可能な状態で掛け止められ得ること、
    および、折り返された上記2箇所のうち一方に、釣針付きの上記ハリスの一端にある環状の連結部分が取り外し可能に掛け止められていること
    を特徴とする太刀魚仕掛け用具。
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