JP2016089310A - 敏感肌に好適な肌着 - Google Patents

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Abstract

【課題】少なくとも身頃部および袖部を備えた肌着であって、アトピー性皮膚炎に代表される敏感肌に好適な肌着を提供する。【解決手段】アンダーシャツ10は、身頃部11および袖部12を備え、身頃部11は胴部を覆う筒状編地で構成され、前身頃11Fと後身頃11Bとが肩部接合部112において袖部12と身頃部11とがアームホール接合部110においてそれぞれ接着剤により貼り合わせられ、袖部12は1枚の伸縮性編地で構成され袖部接合部114において接着剤により貼り合わせられ、袖部接合部114が筒状の袖部12において筒状の断面における上半分側に存在する。【選択図】図3

Description

本発明は、アレルギー体質肌(代表的には皮膚の炎症(湿疹など)を伴う過敏症の一種であるアトピー性皮膚炎)を含む敏感肌の人が着用した場合であっても、肌に不快感を与えず症状の悪化が起こりにくく安全に使用することができる肌着に関し、特に、物理的刺激が少なく快適性に優れた、敏感肌に好適な肌着に関する。
一般的に肌が弱い等の敏感肌の顕著な例として、アトピー性皮膚炎が挙げられる。近年、このアトピー性皮膚炎患者の増加が顕著であり社会現象となってきている。このようなアトピー性皮膚炎の発症機序には明らかにされていない部分が多く、治療方法はいまだ確立されていない。
アトピー性皮膚炎のような疾患がある場合、皮膚は非常に敏感な状態であるため、肌に直接に長時間接触する肌着の安全性は極めて重要となる。特に、アトピー性皮膚炎における掻痒は著しく、掻けば症状が悪化し、さらに掻痒が増大するという悪循環を招くことから、アトピー性皮膚炎患者が着用する肌着としては皮膚への負担の少ないもの(肌に対する摩擦が少ないもの)が必要とされる。
一般的には、アトピー性皮膚炎患者は綿製の肌着を着用するのが主流であるが、綿製の肌着は、長時間の着用によっては肌着における縫い合わせ線が肌との間で発生する摩擦により皮膚を刺激して痒みの増大や患部の拡大等の症状悪化を招く傾向が見られた。特に、乳幼児は皮膚が敏感であることから、この傾向が顕著であった。
このような問題に対して、特開2005−089876号公報(特許文献1)は、アトピー性皮膚炎患者にもやさしい肌接触着を開示する。この肌接触着は、前身頃部材、後身頃部材、袖部材を有する肌接触着であって、前身頃部材と後身頃部材との縫い合わせ線が肌接触着の脇線とずれるように後身頃部材の幅方向の長さと前身頃部材の幅方向の長さとは異なっており、前身頃部材と後身頃部材との縫い合わせ線において各部材の端部がいずれも露出しないように内部に折り返されて袋縫いされており、さらに、前身頃部材と後身頃部材との縫い合わせ線と、袖部の縫い合わせ線とが、前身頃部材および後身頃部材のアームホール線上で交差しないように、袖部縫い合わせ部は肌接触着の袖下線とずれて縫製されており、袖部の縫い合わせ線において各部材の端部がいずれも露出しないように内部に折り返されて袋縫いされていることを特徴とする。
この肌接触着によると、オーバロック処理が不要となり、肌への刺激を防止することができるとともに、前身頃部材と後身頃部材との縫い合わせ線が肌接触着の脇線とずれているので、摩擦の多い被着者の脇線における肌の刺激を減少することができる。さらに、前身頃部材と後身頃部材との縫い合わせ線が肌接触着の脇線とずれており、かつ、前身頃部材と後身頃部材との縫い合わせ線と、袖部の縫い合わせ線とが、前身頃部材および後身頃部材のアームホール線上で交差しないように、袖部縫い合わせ部は肌接触着の袖下線とずれていることにより、合わせしろの重なりによる肌への刺激を防止することができる。その結果、肌への刺激をできる限り押さえた肌接触着を提供することができる。
特開2005−089876号公報
しかしながら、特許文献1に開示された肌接触着は、以下の2点で、アトピー性皮膚炎に代表される敏感肌に好適であるとは言えない。
・第1の問題点:特許文献1に開示された肌接触着では、前身頃部材と後身頃部材との縫い合わせ線が肌接触着の脇線とずれており、その縫い合わせ線が袋縫いされているために、摩擦の多い被着者の脇線における肌の刺激を減少することができるとしても、前身頃部材と後身頃部材との縫い合わせ線が存在する以上、その縫い合わせ線による肌の刺激を
なくすることができないことにより、この肌接触着は敏感肌に好適であるとは言えない。
・第2の問題点:前身頃部材と後身頃部材との縫い合わせ線と、袖部の縫い合わせ線とが、前身頃部材および後身頃部材のアームホール線上で交差しないように、袖部縫い合わせ部は肌接触着の袖下線とずれているために、合わせしろの重なりによる肌への刺激を防止することができるとしても、本願出願人による鋭意研究の結果として明らかになった、発汗時に摩擦が大きくなる前腕および/または上腕の屈部(伸部の反対側)に、袖部の縫い合わせ線が存在する以上、発汗時に摩擦が大きくなった部位をその縫い合わせ線が刺激することにより、この肌接触着は敏感肌に好適であるとは言えない。
本発明は、上述した問題点に鑑みて開発されたもので、その目的とするところは、少なくとも身頃部および袖部を備えた肌着であって、アトピー性皮膚炎に代表される敏感肌に好適な肌着を提供することにある。なお、本発明は、アトピー性皮膚炎に限定した好適な肌着ではなく、アトピー性皮膚炎を含む(疾病ではない)敏感肌に好適な肌着である。
上記目的を達成するため、本発明の肌着は以下の技術的手段を講じている。
すなわち、本発明の肌着は、少なくとも身頃部および袖部を備え、敏感肌に好適な肌着であって、前記身頃部は前身頃と後身頃とが1枚の伸縮性編地であって胴部を覆う筒状編地で構成され、前記前身頃と前記後身頃とが肩部において接着剤により貼り合わせられ、前記袖部と前記身頃部とがアームホールにおいて接着剤により貼り合わせられ、前記袖部は1枚の伸縮性編地で構成され、前記1枚の伸縮性編地が肘を含む腕部を覆う筒状になるように袖部接合部において接着剤により貼り合わせられ、筒状の袖部において前記袖部接合部が前記筒状の断面における上半分側に存在することを特徴とする。
好ましくは、着用時における前記筒状の断面形状を略円形とした場合において、前記身頃部の脇線を前記袖部に投影した脇対応線を前記略円形の最下点とし前記略円形の中心を基準として、前記袖部の全長に亘って前記袖部接合部が前記前身頃側へ60°以内および前記後身頃側へ60°以内に存在するように構成することができる。
さらに好ましくは、前記前身頃と前記後身頃とが貼り合わせられて形成された肩部接合部と、前記袖部接合部とが身頃前後方向にずれているように構成することができる。
さらに好ましくは、前記肩部接合部よりも前記袖部接合部が身頃後方向にずれるように構成することができる。
本発明によれば、少なくとも身頃部および袖部を備えた肌着であって、アトピー性皮膚炎に代表される敏感肌に好適な肌着を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る肌着の一例であるアンダーシャツの正面図である。 図1のアンダーシャツの背面図である。 図1および図2の拡大図である。 着用状態を示す上面図である。 図4の矢示X方向から見た着用状態を示す斜視図である。 (A)は図1のアンダーシャツの斜視図であって、(B)は従来のアンダーシャツの斜視図である。 (A)は図1のアンダーシャツの袖部の型紙を示す平面図であって、(B)は従来のアンダーシャツの袖部の型紙を示す平面図である。 (A)は図7(A)の拡大図であって、(B)は着用時における袖部の断面形状を示す図である。 (A)は図1のアンダーシャツの斜視図および着用時における袖部の断面形状を示す図であって、(B)は本発明の変形例に係るアンダーシャツの斜視図および着用時における袖部の断面形状を示す図である。
以下、本発明の実施の形態に係る肌着の一例であるアンダーシャツ10について図面を
参照して説明する。このアンダーシャツ10は、アトピー性皮膚炎に代表される敏感肌に好適な肌着であって、通常、アウターの衣服(たとえば薄手のニット)の下に着用するアンダーシャツであって、敏感肌に好適なアンダーシャツである。このアンダーシャツ10は、左右の袖部12(右袖部12Rおよび左袖部12L)が少なくとも肘を含む腕部を覆う筒状で形成されている。本発明に係る肌着は、このように少なくとも肘を含む腕部を覆う筒状の袖部を備える肌着である。すなわち、本発明に係る肌着は、少なくとも袖部を備え(ランニングシャツ、タンプトップ、キャミソール等の袖のない肌着を除き)、さらにその袖部は肘を含む腕を覆う(半袖シャツを除き、7分袖、9分袖等の肘より先を覆う袖を備えた長袖シャツを含む)肌着である。
[全体構成]
図1に本実施の形態に係るアンダーシャツ10の正面図を、図2にアンダーシャツ10の背面図を、図3の紙面左側に図1の拡大図を、図3の紙面右側に図2の拡大図を、図4にアンダーシャツ10の着用状態を示す上面図を、図5に図4の矢示X方向から見たアンダーシャツ10の着用状態を示す斜視図を、それぞれ示す。
これらの図に示すように、このアンダーシャツ10は、少なくとも身頃部11および袖部12を備え、敏感肌に好適な肌着であって、身頃部11は前身頃11Fと後身頃11Bとが1枚の伸縮性編地であって胴部を覆う筒状編地で構成され、前身頃11Fと後身頃11Bとが肩部接合部112において接着剤により貼り合わせられ、袖部12と身頃部11とがアームホール接合部110において接着剤により貼り合わせられ、左右の袖部12(右袖部12Rおよび左袖部12L)は1枚の伸縮性編地で構成され、この1枚の伸縮性編地が肘を含む腕部を覆う筒状になるように袖部接合部114において接着剤により貼り合わせられている。そして、特徴的であるのは、筒状の袖部12において袖部接合部114が筒状の断面における上半分側に存在することである。このような特徴的な構成の詳細については後述する。
このアンダーシャツ10は、縫製による縫着部を一切備えず、別々に編成された各部位(身頃部11および袖部12)は、フィルム状またはリキッド状の接着剤(たとえばこのような状態のポリウレタンなどの熱可塑性樹脂)を介在させることによる接着または接合による貼り合わせ構造により接着されている。
身頃部11の上側であって着用者の首部に対応する部分には、開口部としてU字形状に剔られた衿部が形成されている。より詳しくは、前身頃11Fの上側であって着用者の首部に対応する部分には、開口部として深いU字形状に剔られた前衿部が、後身頃11Bの上側であって着用者の首部に対応する部分には、開口部として浅いU字形状に剔られた後衿部が、それぞれ形成されている。身頃部11の下側であって着用者のウエスト部に対応する部分には、開口部として身頃下端部が形成され、袖部12の端部であって着用者の手首部に対応する部分には、開口部として手先を出すための袖口部が形成されている。これらの開口部における生地端は、周縁を切りっぱなし仕様とされた生地(周縁処理が不要な伸縮性編地)で構成されている。以下にこの生地について説明する。
これらの身頃部11および袖部12は、伸縮性編地の周縁を切りっぱなし仕様(状態)のままで使用するために、熱融着性繊維(たとえば、ポリウレタン繊維等の比較的に低融点の熱融着性繊維が好ましい)とこの繊維よりも高融点の他の繊維(例えば、綿、ポリエステル、ナイロン、ポリエチレン、キュプラ等の熱融着性繊維よりも高融点の繊維が好ましい)とを含み、予め、熱融着性繊維の融点以上で他の繊維の融点以下の温度で熱セットされて解れ止め処理されるのが好ましい。このように、解れないように周囲が周縁処理(パイピング処理)されていないために、アンダーシャツ10の周縁が肌に直接触れても、大きな摩擦が発生しないので、敏感肌における痒みの増大や患部の拡大等の症状悪化を抑制することができる。
さらに、このアンダーシャツ10の生地が切りっぱなし仕様のままで使用される場合について、以下に具体的に説明する。この生地には、綿やレーヨンなどの保水性の高い糸とポリウレタン(熱融着性繊維)により編成された緯編地などが使用可能である。
より好ましくは、このアンダーシャツ10の生地は、熱融着性または熱溶着性ポリウレ
タンのベア繊維糸と他の糸(綿とレーヨンとの混紡糸、綿の紡績糸、または、レーヨンの紡績糸)とをプレーティング編みにより、ポリウレタンのベア繊維糸が肌側に露出しないように編成して、編成後、熱セットによりポリウレタンのベア繊維糸を溶着させてフリーカットに適合した緯編地を採用することができる。
ここで、このアンダーシャツ10に採用される生地の組成は、汗を吸着しやすく吸放湿特性に優れるレーヨンを0%〜97%(好ましくは30%〜70%、特に好ましくは45%〜55%)、天然素材で洗濯耐久性に優れる綿を0%〜97%(好ましくは30%〜70%、特に好ましくは35%〜45%)、ポリウレタンを3%〜20%(特に好ましくは5%〜10%)であること(ただし3つの合計は100%を超えない)が好ましく、レーヨンを50%程度、綿を41%程度、ポリウレタンを9%程度であることがさらに特に好ましい。
このような組成の緯編の生地を用いることにより、アンダーシャツ10の周縁を切りっぱなし状態のままで使用することができるので、周縁処理がなくても周縁が解れることがなく、また、嵩張らず、ソフトで柔軟性に富み、周縁が切りっぱなし状態であってパイピング処理されていないために肌に直接触れても大きな摩擦が発生せず敏感肌における痒みの増大や患部の拡大等の症状悪化を抑制することができ、着心地が良く快適性に優れたものとなる。
なお、このアンダーシャツ10の生地の伸縮方向の詳細、および、接着剤を用いた貼り合わせ構造の詳細については、一例として、本願と同じ出願人による特許出願に係る特開2014−196587号公報に開示されたアンダーシャツの構成を採用することができる。ここで、特開2014−196587号公報には貼り合わせ構造をジグザグ状、カーブ状、ドット状等にすることにより生地の伸縮性が阻害されないことが開示されている。このような貼り合わせ構造により生地の伸縮性が阻害されないと、肘の屈伸時(腕の曲げ伸ばし時)において、その肘の屈伸の動きに合わせて生地が容易に伸縮できて肌と生地とが離隔することなく肌の動きに生地が追従するので肌と生地との間に大きな摩擦(たとえば袖が捲り上がるなど)が発生しないため、敏感肌に対してより好ましいことが本願出願人による鋭意研究の結果として明らかになった。
生地の伸縮性を阻害することなく充分な接着強度を得るためには、袖部接合部114における2枚の重なった部分の面積に対する接着剤の塗布面積の比率は、40%〜80%であることが好ましく、50%〜70%であることが特に好ましい。また、袖部接合部114の好ましい幅は2mm〜15mmであり、4mm〜10mmが特に好ましい。
さらに、このアンダーシャツ10の生地については、アトピー性皮膚炎患者が化学物質を含む合成洗剤を用いて洗濯を行った繊維製品を着用した場合に繊維製品に残留した化学物質に敏感に反応して症状悪化を抑制するために、一例として、本願と同じ出願人による特許出願に係る特開2007−254910号公報に開示された残留洗剤低減繊維製品の構成、本願と同じ出願人による特許出願に係る特許第4861700号公報に開示された無洗剤洗濯機能の付与方法、または、本願と同じ出願人による特許出願に係る特許第3385399号公報に開示されたセルロース系繊維の着用黄変抑制機能の付与方法を採用することができる。ここで、特許第3385399号公報にはセルロース系繊維の着用黄変抑制機能の付与方法における好適なセルロース系繊維のカルボキシメチル化度として0.1モル%〜10モル%が開示されている。本実施の形態に係るアンダーシャツ10に採用される生地の組成(レーヨン、綿、ポリウレタン)に対するカルボキシメチル化度としては、この範囲内(0.1モル%〜10モル%)であることが好ましいことに加えて、特に好適には0.5モル%〜5モル%、さらに特に好適には1モル%〜3モル%であることが本願出願人による鋭意研究の結果として明らかになった。
このように構成されたアンダーシャツ10は、縫製部分がないので縫い目が肌に当たり擦れることもなく(特に、袖部開口部および首部開口部にテープがないので袖首テープが肌に当たり擦れることがなく)、表面摩擦が低減するので肌に滑らかで柔かく快適性に優れており、耐久柔軟性に優れているので洗濯しても柔らかい風合いが持続し、洗剤除去性もよく化学的に低刺激で、吸放湿性に優れるので蒸れにくく、汗を吸いやすいので良好な
汗処理を実現することができる。このような特徴に加えて、このアンダーシャツ10は以下に示す特徴的な構成をさらに備える。
[特徴的な構成]
以下、本実施の形態に係るアンダーシャツ10のさらに特徴的な構成について、図6〜図9を参照して説明する。ここで、図6(A)はこのアンダーシャツ10の斜視図であって、図6(B)は比較のための従来のアンダーシャツ20の斜視図であって、図7(A)はアンダーシャツ10の袖部12の型紙を示す平面図であって、図7(B)はアンダーシャツ20の袖部22の型紙を示す平面図であって、図8(A)は図7(A)の拡大図であって、図8(B)は着用時における袖部12の断面形状を示す図である。
これらの図に示すように、このアンダーシャツ10のさらに特徴的な構成とは、筒状の袖部12において袖部接合部114が筒状の断面における上半分側に存在することである。まず、以下において、このような構成とする理由について説明する。なお、「筒状の袖部12において袖部接合部114が筒状の断面における上半分側に存在する」とは、「図6(A)に示すようにこのアンダーシャツ10を着用して肘を伸ばした腕を身体の側方であって斜め下方とした場合に袖部接合部114が筒状の断面における上半分側に存在する」ことを意味するものである。
敏感肌にアンダーシャツ10が直接触れても大きな摩擦(これに起因する大きな刺激)が発生しない場合には(たとえば上述のように無縫製とした場合には)敏感肌における痒みの増大や患部の拡大等の症状悪化を抑制することができる。このような敏感肌とアンダーシャツとの摩擦について、本願出願人は腕(肘を境にして肩に近い方の上腕および手に近い方の前腕)の屈側および伸側における汗腺密度の違いと摩擦の大小との関係に着目して鋭意研究を進めた。
まず、上腕および前腕の汗腺密度は伸側よりも屈側の方が少ないにもかかわらず、上腕および前腕の発汗量については伸側と屈側との間に大きな差異がない。このため、ひとつの汗腺から出される汗(水滴)の大きさが伸側よりも屈側の方が大きくなる(分泌量が多くなる)。水滴の大きさが大きくなると蒸発しにくくなり、分泌量が多くなるほどミネラルの再吸収が追いつかないで塩分濃度が高い汗が分泌されることになる。このために、発汗時の上腕および前腕においては、伸側よりも屈側がべとべとした感じになり、摩擦抵抗が大きくなると考えられる。そして、図6(B)および図7(B)に示す従来のアンダーシャツ20のように筒状の袖部22において袖部接合部214が筒状の断面における上半分側(伸側)に存在しないで下側(屈側)に存在すると、発汗時に摩擦が大きくなる前腕および/または上腕の屈部(伸部の反対側)に、袖部22の袖部接合部214が存在するために発汗時に摩擦が大きくなった部位をその袖部接合部214が刺激することにより、肌における痒みの増大や患部の拡大等の症状悪化を抑制することができない。
それに対して、アンダーシャツ10は、図6(A)および図7(A)に示すように、筒状の袖部12において袖部接合部114が筒状の断面における上半分側に存在する。さらに詳しくは、図8(B)に示すように、着用時において袖部22における筒状の断面形状を略円形とした場合において、身頃部の脇線11Sを袖部12に投影した脇対応線12Sを略円形の最下点とし略円形の中心を基準として、袖部12の全長に亘って袖部接合部114が上半分側(前身頃側へ90°以内および後身頃側へ90°以内)に存在し、好ましくは前身頃側へ60°以内および後身頃側へ60°以内に存在する。そして、上述した理由に基づいて、袖部12の全長に亘って袖部接合部114が前身頃側へ45°以内および後身頃側へ45°以内に存在することがさらに特に好ましい。すなわち、人間の肘において伸側より汗腺密度が低いにもかかわらず同等の発汗量であるために発汗時に摩擦抵抗が増大する屈側に袖部接合部114が確実に存在しないためには、袖部12の全長に亘って袖部接合部114が前身頃側へ45°以内および後身頃側へ45°以内に存在することがさらに特に好ましい。なお、身頃部の脇線11Sについては、身頃部11は前身頃11Fと後身頃11Bとが筒状で一体となっているので接合線(縫着線)としての脇線は存在しないために、身頃部11においてアームホールの最下点から鉛直下方へ伸ばした直線を脇線11Sとしている。
このようなアンダーシャツ10の袖部12および比較例としての従来のアンダーシャツ20の袖部22について、型紙の差異を図7(A)および図7(B)を参照して説明する。
従来のアンダーシャツ20の袖部22の型紙は図7(B)に示す形状を備え、このような型紙に合わせて裁断された生地が腕を包むように筒状に縫製され、図6(B)に示すようにアームホールで縫合される。これらの図に示すように、袖山曲線の最高部である袖山点と袖口線とを結ぶ袖山線22Sが筒状の袖部22において筒状の断面における上側に存在し、袖部接合部214が筒状の断面における下側(屈側)に存在することになる。
一方、本実施の形態に係るアンダーシャツ10の袖部12の型紙は図7(A)に示す形状を備え、このような型紙に合わせて裁断された生地が腕を包むように筒状に接着され、図6(A)に示すようにアームホールで接合される。これらの図および図8(A)に示すように、袖谷曲線12C(従来の型紙における袖山曲線に対応、対応元は以下同じ)の最低部である袖谷点12D(袖山点に対応)と袖口線12Eとを結ぶ袖谷線(袖山線に対応し脇対応線12Sに合致)が筒状の袖部12において筒状の断面における下側に存在し、袖部接合部114が筒状の断面における上半分側(上半分側とは袖部12の全長に亘って袖部接合部114が前身頃側へ90°以内および後身頃側へ90°以内であって、特に好ましくは袖部12の全長に亘って袖部接合部114が前身頃側へ60°以内および後身頃側へ60°以内)に存在する(袖部接合部114が少なくとも筒状の下側(屈側)に存在しない)ことになる。なお、図8(A)において、袖部接合部114は前袖上線(前袖下線に対応)12Fと後袖上線(後袖下線に対応)12Bとが接着されることにより形成されており、図8(B)において紙面左側がアンダーシャツ10の前側(腹側)であって、袖部接合部114は背中側へ回り込んでいるものの(肩部接合部110よりも袖部接合部114が身頃後方向(後身頃10B側)にずれているものの)後身頃側へ60°以内を満足している。
なお、このアンダーシャツ10においては、前身頃10Fと後身頃10Bとが貼り合わせられて形成された肩部接合部110と、袖部接合部114とが身頃前後方向にずれている。さらに、肩部接合部110よりも袖部接合部114が身頃後方向(後身頃10B側)にずれている。
このように、アンダーシャツ10の筒状の袖部12において袖部接合部114が筒状の断面における上半分側に存在する特徴については、袖部接合部114が直線であっても曲線であっても、備える。このことについて図9を参照して説明する。
図9(A)はアンダーシャツ10の斜視図および着用時における袖部の断面形状を示す図であって、図9(B)は本発明の変形例に係るアンダーシャツ10の斜視図および着用時における袖部の断面形状を示す図である。
図9(A)に示すアンダーシャツ10は上述したように袖部接合部114が直線の構成を備え、袖部12の全長に亘って、図9(A)のA1断面、A2断面およびA3断面に示すように、袖部接合部114が前身頃側へ90°以内および後身頃側へ90°以内(特に好ましくは前身頃側へ60°以内および後身頃側へ60°以内)に存在する。
図9(B)に示すアンダーシャツ10は袖部接合部114が曲線の構成を備えるものの、袖部12の全長に亘って、図9(B)のB1断面、B2断面およびB3断面に示すように、袖部接合部114が前身頃側へ90°以内および後身頃側へ90°以内(特に好ましくは前身頃側へ60°以内および後身頃側へ60°以内)に存在する。
このように袖部接合部114が直線であっても曲線であっても、アンダーシャツ10の筒状の袖部12において袖部接合部114が筒状の断面における上半分側に存在する特徴を備える。
本実施の形態に係るアンダーシャツ10は、筒状の袖部12において袖部接合部114が筒状の断面における上半分側に存在するので、発汗時に摩擦が大きくなる前腕および/または上腕の屈部(伸部の反対側)に、袖部12の袖部接合部114が存在しないために発汗時に摩擦が大きくなった部位をその袖部接合部114が刺激することがなくなり、肌における痒みの増大や患部の拡大等の症状悪化を抑制することができる。
以上のようにして、本実施の形態に係るアンダーシャツは、周縁処理が不要な伸縮性編地から構成され、少なくとも身頃部および袖部を備え、前身頃と後身頃とが肩部において接着剤により貼り合わせられ、袖部と身頃部とがアームホールにおいて接着剤により貼り合わせられ、縫製されていない。このように縫製部がなく表面摩擦が低減するので肌に滑らかで柔かく快適性に優れ、肌に直接触れても大きな摩擦が発生せず敏感肌における痒みの増大や患部の拡大等の症状悪化を抑制することができ、着心地が良く快適性に優れたものとなる。さらに、本実施の形態に係るアンダーシャツの筒状の袖部において袖部接合部が筒状の断面における上半分側に存在するので、発汗時に摩擦が大きくなった前腕および/または上腕の屈部をその袖部接合部が刺激することがなくなり、肌における痒みの増大や患部の拡大等の症状悪化を抑制することができる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。たとえば、以下のような変更である。
本発明に係る肌着を構成する生地として、上述したように残留洗剤低減繊維製品を適用する点に加えて(または代えて)、薬剤(特にアトピー性皮膚炎に対する塗り薬であるワセリン)の残留量が少ない生地、および/または、高吸水性の生地を適用する変更が考えられる。
より詳しくは、この生地は、塗り薬(ワセリン)を塗布した模擬皮膚に生地を付着させてその生地を洗濯することを10回繰り返した後に、以下の特性を備える生地である。
薬剤残留量については、10回洗濯後であっても、従来製品(綿100%)が25%程度は薬剤が残留するのに対して17%程度しか薬剤が残留しない、少なくとも2〜4割向上する生地である。
吸水性(バイレック法)については、洗濯試験前と10回洗濯後とを比較して、従来製品(綿100%)55mmから25mmまで55%程度は低下するのに対して、93mmから90mmまで4%〜5%程度しか低下しない生地である。
このように変更された本発明に係る肌着は、薬剤の残留が少なく(10回洗濯後であっても従来製品(綿100%)の約2/3しか残留しない)、新品時から吸水性が高く(バイレック法で93mm程度)、かつ、残留薬剤が蓄積しにくいので吸水性が下がらず(10回洗濯後であってもバイレック法で4%〜5%程度しか低下しない)、塗り薬を継続的に使用しても汗を良く吸い続けることができる点で、アトピー性皮膚炎に代表される敏感肌に好適である。
本発明は、少なくとも身頃部および袖部を備えた肌着に好適であって、アトピー性皮膚炎に代表される敏感肌に特に好適である。
10 アンダーシャツ
11 身頃部
11B 後身頃
11F 前身頃
11S 脇線
12 袖部
12C 袖谷曲線
12D 袖谷点
12E 袖口線
12L 左袖部
12R 右袖部
12S 脇対応線
110 アームホール接合部
112 肩部接合部
114 袖部接合部

Claims (4)

  1. 少なくとも身頃部および袖部を備え、敏感肌に好適な肌着であって、
    前記身頃部は前身頃と後身頃とが1枚の伸縮性編地であって胴部を覆う筒状編地で構成され、
    前記前身頃と前記後身頃とが肩部において接着剤により貼り合わせられ、
    前記袖部と前記身頃部とがアームホールにおいて接着剤により貼り合わせられ、
    前記袖部は1枚の伸縮性編地で構成され、前記1枚の伸縮性編地が肘を含む腕部を覆う筒状になるように袖部接合部において接着剤により貼り合わせられ、筒状の袖部において前記袖部接合部が前記筒状の断面における上半分側に存在することを特徴とする肌着。
  2. 着用時における前記筒状の断面形状を略円形とした場合において、前記身頃部の脇線を前記袖部に投影した脇対応線を前記略円形の最下点とし前記略円形の中心を基準として、前記袖部の全長に亘って前記袖部接合部が前記前身頃側へ60°以内および前記後身頃側へ60°以内に存在することを特徴とする、請求項1に記載の肌着。
  3. 前記前身頃と前記後身頃とが貼り合わせられて形成された肩部接合部と、前記袖部接合部とが身頃前後方向にずれていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の肌着。
  4. 前記肩部接合部よりも前記袖部接合部が身頃後方向にずれていることを特徴とする、請求項3に記載の肌着。
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