JP2016089219A - タングステンの回収方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 タングステンを含む回収物の不純物量を抑えることができる、タングステンの回収方法を提供することを課題としている。
【解決手段】 タングステン成分及びケイ酸成分を含む混合物とフッ酸含有液とを接触させることによりケイ酸成分を溶出させる溶出工程と、溶出工程にて不溶のタングステン含有物からタングステンを回収する回収工程とを備える、タングステンの回収方法を提供する。
【選択図】 なし
【解決手段】 タングステン成分及びケイ酸成分を含む混合物とフッ酸含有液とを接触させることによりケイ酸成分を溶出させる溶出工程と、溶出工程にて不溶のタングステン含有物からタングステンを回収する回収工程とを備える、タングステンの回収方法を提供する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、タングステンの回収方法に関する。
従来、タングステンの回収方法としては、例えば、タングステン成分及びケイ酸成分を含む混合物と、水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ溶液とを混合する工程と、該工程によって溶出されずに残った固形状のタングステン含有物に後処理を施すことによってタングステンを回収する工程とを備えたものが知られている(特許文献1)。
特許文献1に記載されたタングステンの回収方法では、上記の混合物とアルカリ溶液とを混合することにより、ケイ酸成分が溶出する一方で、タングステン成分が溶出されないことから、固形状のタングステン含有物を得ることができる。さらに、タングステン含有物を酸化処理し、タングステン含有物中の酸化物とアルカリ溶液とを接触させることによって、タングステン酸塩の状態でタングステンを回収することができる。
しかしながら、特許文献1に記載されたタングステンの回収方法では、上記の混合物に含まれるケイ酸成分がアルカリ溶液と接触することによって、ケイ酸由来のゲル状の膠着物が生じる。膠着物が生じることにより、タングステン含有物にも膠着物が混入することとなり、タングステンを含む回収物に不純物としての膠着物を比較的多量に含むこととなる。従って、特許文献1に記載されたタングステンの回収方法では、回収物に比較的多くの不純物が含まれるという問題がある。
本発明は、上記の問題点等に鑑み、タングステンを含む回収物の不純物量を抑えることができる、タングステンの回収方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく、本発明に係るタングステンの回収方法は、タングステン成分及びケイ酸成分を含む混合物とフッ酸含有液とを接触させることによりケイ酸成分を溶出させる溶出工程と、溶出工程にて不溶のタングステン含有物からタングステンを回収する回収工程とを備える。
上記構成からなるタングステンの回収方法によれば、タングステン成分がフッ酸によって溶出されにくい一方で、ケイ酸成分がフッ酸によって溶出される。従って、フッ酸によって溶出されないタングステン含有物中のケイ酸成分の量を抑えることができる。これにより、タングステンを含む回収物の不純物量を抑えることができる。
本発明のタングステンの回収方法においては、前記フッ酸含有液は、エッチング又は洗浄のために使用された後のフッ酸廃液であることが好ましい。
斯かる構成により、廃棄されるフッ酸廃液を有効に利用することができる。
斯かる構成により、廃棄されるフッ酸廃液を有効に利用することができる。
本発明のタングステンの回収方法は、カルシウムと溶出工程後に残ったフッ酸との反応によってフッ化カルシウム含有物を調製するフッ化カルシウム調製工程をさらに備えることが好ましい。
斯かる構成により、比較的安全なフッ化カルシウムを調製する分、人体に対して有害なフッ酸を減少させることができる。
斯かる構成により、比較的安全なフッ化カルシウムを調製する分、人体に対して有害なフッ酸を減少させることができる。
本発明のタングステンの回収方法は、上記のフッ化カルシウム調製工程によって得られたフッ化カルシウム含有物を鉄鋼製造のために用いることが好ましい。
斯かる構成により、フッ化カルシウム含有物を廃棄処分しなくとも有効に利用することができる。
斯かる構成により、フッ化カルシウム含有物を廃棄処分しなくとも有効に利用することができる。
上述の通り、本発明のタングステンの回収方法は、タングステンを含む回収物の不純物量を抑えることができるという効果を奏する。
以下、本発明に係るタングステンの回収方法の一実施形態について説明する。なお、本実施形態のタングステンの回収方法は、フッ素(F)を含むフッ素化合物の状態を変えて各状態のフッ素化合物を様々な目的で利用する、フッ素化合物の利用方法でもある。
本実施形態のタングステンの回収方法は、タングステン成分及びケイ酸成分を含む混合物とフッ酸含有液とを接触させることによりケイ酸成分を溶出させる溶出工程と、溶出工程にて不溶のタングステン含有物からタングステンを回収する回収工程とを備える。
さらに、本実施形態のタングステンの回収方法は、カルシウムと上記溶出工程後に残ったフッ酸との反応によってフッ化カルシウム含有物を調製するフッ化カルシウム調製工程を備える。
さらに、本実施形態のタングステンの回収方法は、カルシウムと上記溶出工程後に残ったフッ酸との反応によってフッ化カルシウム含有物を調製するフッ化カルシウム調製工程を備える。
詳しくは、本実施形態のタングステンの回収方法は、
タングステン成分及びケイ酸成分を含む混合物に粉砕処理を施す粉砕工程と、
粉砕処理を施した混合物とフッ酸含有液とを接触させることによりケイ酸成分を溶出させ、フッ酸に不溶のタングステン含有物と、フッ酸を含みケイ酸成分が溶出されてなる可溶分とを得る上記溶出工程と、
溶出工程によって生じた上記タングステン含有物と上記可溶分とを分離する分離工程と、
分離工程によって分離されたタングステン含有物に後処理を施すことによってタングステン含有物からタングステンを回収する回収工程と、
分離工程によって得られたフッ酸を含む可溶分とカルシウムとからフッ化カルシウム含有物を調製する上記フッ化カルシウム調製工程と、
フッ化カルシウム調製工程によって得られたフッ化カルシウム含有物を鉄鋼製造のために用いる鉄鋼製造工程と、を備える。
タングステン成分及びケイ酸成分を含む混合物に粉砕処理を施す粉砕工程と、
粉砕処理を施した混合物とフッ酸含有液とを接触させることによりケイ酸成分を溶出させ、フッ酸に不溶のタングステン含有物と、フッ酸を含みケイ酸成分が溶出されてなる可溶分とを得る上記溶出工程と、
溶出工程によって生じた上記タングステン含有物と上記可溶分とを分離する分離工程と、
分離工程によって分離されたタングステン含有物に後処理を施すことによってタングステン含有物からタングステンを回収する回収工程と、
分離工程によって得られたフッ酸を含む可溶分とカルシウムとからフッ化カルシウム含有物を調製する上記フッ化カルシウム調製工程と、
フッ化カルシウム調製工程によって得られたフッ化カルシウム含有物を鉄鋼製造のために用いる鉄鋼製造工程と、を備える。
前記粉砕工程では、混合物に含まれるケイ酸成分を、後の溶出工程にて、フッ酸によってより確実に溶出させるために、混合物に対して粉砕処理を施す。
前記粉砕処理においては、一般的な粉砕処理方法によって混合物を粉砕する。粉砕処理を施した後の混合物は、例えば、粒径1mm以下の粒子状となる。
前記混合物は、タングステン成分とケイ酸成分とを少なくとも含み、さらに他の成分を含み得る。他の成分としては、例えば、コバルト等が挙げられる。
前記混合物は、通常、タングステン成分をタングステン元素換算で、25〜70質量%含む。また、前記混合物は、通常、ケイ酸成分をケイ素元素換算で、3〜33質量%含む。
前記混合物において、タングステン成分とケイ酸成分との質量比は、通常、タングステン成分:ケイ酸成分= 0.25:1 〜 4:1 である。
前記タングステン成分は、タングステン(W)を含むものである。前記タングステン成分は、例えば、炭化タングステン(タングステンカーバイド)、又は、酸化タングステンの状態でタングステンを含む。なお、前記タングステン成分は、通常、タングステン(W)を75〜96質量%含む。
前記タングステン成分は、溶出工程におけるフッ酸によってより溶出されにくいという点で、炭化タングステンであることが好ましい。
前記ケイ酸成分は、ケイ素−酸素結合を有する無機化合物を含むものである。ケイ素−酸素結合を有する無機化合物としては、例えば、二酸化ケイ素、ケイ酸塩などが挙げられる。前記ケイ酸成分は、二酸化ケイ素を主成分として含有する珪藻土などを含み得る。なお、前記ケイ酸成分は、通常、ケイ素(Si)を2〜50質量%含む。
前記粉砕処理を施す前の混合物は、例えば、被切削物をドリルで切削加工したときに生じた切削くずである。切削加工するときには、例えば、炭化タングステンの粒子をコバルトのバインダーで結合させたドリル刃を回転させつつ被切削物に当接させ、潤滑用の切削油、及び、切削油を吸着させるための珪藻土を当接部分に供給しながら被切削物を加工する。このような切削加工によって切削くずが生じる。従って、切削くずは、炭化タングステン、及び、珪藻土の主成分である二酸化ケイ素などを含む。
前記溶出工程では、例えば、粉砕処理を施した混合物とフッ酸含有液とを混合することにより、上記混合物とフッ酸含有液とを接触させる。溶出工程では、上記混合物とフッ酸含有液とを接触させることにより、フッ酸に不溶な固形状のタングステン含有物と、フッ酸を含みケイ酸成分が溶出されてなる可溶分とを得る。
前記フッ酸含有液は、フッ化水素(HF)を含む水溶液である。前記フッ酸含有液は、通常、フッ化水素を0.5〜30質量%含む。前記フッ酸含有液のpHは、通常、0〜3である。
前記フッ酸含有液は、半導体の製造、液晶ディスプレイの製造、又は、太陽電池の製造等にて、エッチング又は洗浄のために使用された後のフッ酸廃液であることが好ましい。
半導体の製造では、例えばエッチング又はウエハの洗浄のために、フッ酸を含む洗浄液が使用される。斯かる洗浄液は、使用された後であってもフッ酸を含む。斯かる洗浄液は、使用後にフッ酸廃液となる。
液晶ディスプレイの製造では、例えば基板を洗浄するために、フッ酸を含む洗浄液が使用される。斯かる洗浄液は、使用された後であってもフッ酸を含む。斯かる洗浄液は、使用後にフッ酸廃液となる。
太陽電池の製造では、例えばエッチング又はウエハの洗浄のために、フッ酸を含む洗浄液が使用される。斯かる洗浄液は、使用された後であってもフッ酸を含む。斯かる洗浄液は、使用後にフッ酸廃液となる。
液晶ディスプレイの製造では、例えば基板を洗浄するために、フッ酸を含む洗浄液が使用される。斯かる洗浄液は、使用された後であってもフッ酸を含む。斯かる洗浄液は、使用後にフッ酸廃液となる。
太陽電池の製造では、例えばエッチング又はウエハの洗浄のために、フッ酸を含む洗浄液が使用される。斯かる洗浄液は、使用された後であってもフッ酸を含む。斯かる洗浄液は、使用後にフッ酸廃液となる。
前記溶出工程では、フッ酸含有液のフッ酸によって、ケイ酸成分を溶出させる。例えば、ケイ酸成分に含まれる二酸化ケイ素(SiO2)は、下記の反応式に示すようにフッ酸と反応することによって、ヘキサフルオロケイ酸となって溶出する。
SiO2 + 6HF(aq) → H2SiF6 + 2H2O
一方、前記溶出工程では、タングステン成分は、フッ酸によって溶出されにくい。
SiO2 + 6HF(aq) → H2SiF6 + 2H2O
一方、前記溶出工程では、タングステン成分は、フッ酸によって溶出されにくい。
前記溶出工程では、上記のケイ酸成分と反応するフッ酸よりも、フッ酸含有液に含まれるフッ酸の方が多くなるように、上記混合物と上記フッ酸含有液とを混合する。即ち、溶出工程では、混合物に含まれるケイ酸成分とフッ酸含有液に含まれるフッ酸とが反応した後にフッ酸が残るように、上記混合物と上記フッ酸含有液とを混合する。
前記溶出工程では、例えば、混合物に対するフッ酸含有液の質量比が10以上となるように、混合物とフッ酸含有液とを混合する。
前記溶出工程では、混合物に含まれるケイ酸成分とフッ酸含有液に含まれるフッ酸との質量比が所定の範囲となるように、混合物とフッ酸含有液とを混合する。
前記溶出工程では、混合物に含まれるケイ酸成分とフッ酸含有液に含まれるフッ酸との質量比が所定の範囲となるように、混合物とフッ酸含有液とを混合する。
前記溶出工程では、40℃以上にて混合物とフッ酸含有液とを混合することが好ましい。40℃以上にて混合することにより、フッ酸の反応性を高めることができ、より少ないフッ酸によってケイ酸成分を溶出させることができる。
前記溶出工程では、80℃以下にて混合物とフッ酸含有液とを混合することが好ましい。80℃以下にて混合することにより、フッ酸の過剰な反応性を抑えることができ、より安全に溶出工程を行うことができる。
前記溶出工程では、80℃以下にて混合物とフッ酸含有液とを混合することが好ましい。80℃以下にて混合することにより、フッ酸の過剰な反応性を抑えることができ、より安全に溶出工程を行うことができる。
前記溶出工程では、例えば、混合物とフッ酸含有液との接触時間が、30分間〜2時間である。即ち、混合物とフッ酸含有液との混合を、例えば30分間〜2時間続ける。
前記溶出工程では、例えば、pHが0〜5となるように混合物とフッ酸含有液とを混合する。
前記分離工程では、上記タングステン含有物と、フッ酸を含みケイ酸成分が溶出されてなる上記可溶分とを、一般的な方法によって分離する。例えば、前記分離工程では、一般的な固液分離法を採用することにより、タングステン含有物と可溶分とを分離する。なお、分離工程によって可溶分と分離されるタングステン含有物の量は、溶出工程によって混合物からケイ酸成分が溶出している分、通常、上記の混合物の量よりも少ない。
前記回収工程では、分離工程によって分離されて得られたタングステン含有物に対して様々な後処理を施し、タングステンを含む回収物を得て、タングステンを回収する。
前記回収工程では、例えば、タングステン含有物に、酸素ガス存在下における高温酸化処理を施すことで酸化タングステンを生じさせる。さらに、酸化タングステンをアルカリ溶液(例えば水酸化ナトリウム水溶液)と接触させることでタングステン酸塩(例えばタングステン酸ナトリウム)を生じさせることができる。
前記回収工程では、例えば、タングステン含有物に、酸化剤(例えば過マンガン酸カリウム)による化学的酸化処理を施すことでタングステン酸塩(例えばタングステン酸カリウム)を生じさせる。
このようにして、例えばタングステン酸塩の状態でタングステンを回収する。
前記回収工程では、例えば、タングステン含有物に、酸化剤(例えば過マンガン酸カリウム)による化学的酸化処理を施すことでタングステン酸塩(例えばタングステン酸カリウム)を生じさせる。
このようにして、例えばタングステン酸塩の状態でタングステンを回収する。
さらに、前記回収工程では、例えば、タングステン酸塩に対して還元処理などを施すことによって金属タングステンを得ることができる。さらに、金属タングステンに炭化処理を施すことによって、炭化タングステンを得ることができる。
前記フッ化カルシウム調製工程では、例えば、分離工程によって得られた可溶分とカルシウムとを接触させることによって、フッ化カルシウムを生じさせる。
前記可溶分は、ケイ酸成分がフッ酸によって溶出された溶出物と、フッ酸と、水とを少なくとも含む。可溶分は、例えば、ヘキサフルオロケイ酸などの溶出物と、溶出工程の反応で消費されなかったフッ酸と、水とを含む。
前記フッ化カルシウム調製工程では、上記可溶分とカルシウムとを接触させることにより、上記可溶分とカルシウムとからフッ化カルシウム含有物を調製する。
前記フッ化カルシウム調製工程では、例えば、上記可溶分と水酸化カルシウムとを混合することにより、フッ化カルシウム(CaF2)を含むフッ化カルシウム含有物を生じさせる。
なお、前記フッ化カルシウム調製工程では、例えば、上記溶出物と水酸化カルシウムとを混合すると、例えばヘキサフルオロケイ酸などの溶出物とカルシウムとが反応し得ることから、ケイ素とカルシウムとを含む化合物も生じ得る。斯かる化合物は、上記のフッ化カルシウム含有物に含まれ得る。
前記フッ化カルシウム調製工程で生じる上記フッ化カルシウム含有物は、通常、フッ化カルシウムを40〜70質量%含む。
前記フッ化カルシウム調製工程では、好ましくは、上記可溶分に含まれるフッ酸の全てがカルシウム(Ca)と反応できるように、上記可溶分と水酸化カルシウムとを混合する。即ち、上記可溶分に含まれるフッ酸2モルに対して、カルシウム(Ca)が1モル以上となるように、上記溶出物と水酸化カルシウムとを混合することが好ましい。
前記鉄鋼製造工程では、上記フッ化カルシウム含有物が、鉄鋼製造において用いられる融剤(フラックス)として採用される。融剤(フラックス)としては、従来、例えばホタル石、石灰が知られている。
前記鉄鋼製造工程では、銑鉄を溶融させる温度にて、銑鉄と、溶融温度を下げるための融剤(フラックス)とを混合し、鋼とスラグとを得る。銑鉄と融剤(フラックス)とを混合することにより、溶融物の流動性を高めることができ、得られる鋼とスラグとをより容易に分離することができる。
前記鉄鋼製造工程では、例えば、高炉から排出された銑鉄と、上記フッ化カルシウム含有物と、石灰とを入れた転炉に酸素を吹き込むことで、銑鉄中の不純物(炭素、燐)および銑鉄に残存したスラグ(主成分:CaO−SiO2−Al2O3)を浮上分離させ、鋼を取り出す。
上記フッ化カルシウム含有物は、フッ化カルシウム以外の不純物を含むが、鉄鋼の製造における融剤(フラックス)として好適に使用される。
前記鉄鋼製造工程では、通常、フッ化カルシウム含有物のフッ化カルシウムが、溶鋼(銑鉄)に対して0.3〜1質量%の割合となるように、フッ化カルシウム含有物と溶鋼(銑鉄)とを混合して溶融させる。
以上のように、上記実施形態のタングステンの回収方法は、タングステン成分及びケイ酸成分を含む混合物とフッ酸含有液とを接触させることによりケイ酸成分を溶出させる溶出工程と、溶出工程にて不溶のタングステン含有物からタングステンを回収する回収工程とを備える。溶出工程では、タングステン成分がフッ酸によって溶出されにくい一方で、ケイ酸成分がフッ酸によって溶出される。従って、フッ酸によって溶出されなかったタングステン含有物中のケイ酸成分の量を抑えることができる。これにより、タングステンを含む回収物の不純物量を抑えることができる。
上記実施形態のタングステンの回収方法によれば、タングステンを含む回収物の不純物量を抑えることができることから、タングステンの回収効率を十分なものにでき、回収物中のタングステン化合物を効率良く得ることができる。得られたタングステン化合物は、該化合物が炭化タングステンであれば、例えば、上述したドリル刃の材料として再び用いられる。このように、前記回収方法によれば、タングステンを効率良く再利用することができる。
なお、タングステンは、いわゆる希少金属の1種であり、電気機器や高性能材料にとって重要である割に、採掘量が少ないことから、廃棄物中に含まれるタングステンを再び有効に利用することが要望されている。
なお、タングステンは、いわゆる希少金属の1種であり、電気機器や高性能材料にとって重要である割に、採掘量が少ないことから、廃棄物中に含まれるタングステンを再び有効に利用することが要望されている。
上記実施形態のタングステンの回収方法によれば、前記フッ酸含有液が、エッチング又は洗浄のために使用された後のフッ酸廃液であることにより、廃棄されるフッ酸廃液を有効に利用することができる。
上記実施形態のタングステンの回収方法は、カルシウムと溶出工程後に残ったフッ酸との反応によってフッ化カルシウム含有物を調製するフッ化カルシウム調製工程をさらに備える。これにより、反応性が比較的低いフッ化カルシウムを調製する分、反応性が高く腐食性等を有するフッ酸を減少させることができる。即ち、比較的安全なフッ化カルシウムを調製する分、人体に対して有害なフッ酸を減少させることができる。
上記実施形態のタングステンの回収方法では、上記のフッ化カルシウム調製工程によって得られたフッ化カルシウム含有物を鉄鋼製造のために用いることにより、フッ化カルシウム含有物を廃棄処分しなくとも有効に利用することができる。
上記実施形態のタングステンの回収方法は、上述したように、フッ素化合物の利用方法でもある。
上記実施形態のフッ素化合物の利用方法によれば、フッ素化合物の状態を変えて各状態のフッ素化合物を様々な目的で利用することができる。例えば、フッ酸の状態のフッ素化合物を、エッチングや洗浄のために利用した後、さらに、タングステンを回収するために利用することができる。加えて、フッ酸の状態からフッ化カルシウムの状態へ変えたフッ素化合物を、鉄鋼製造のために利用することができる。従って、フッ素(F)を含むフッ素化合物を廃棄する量を抑えることができる。
上記実施形態のフッ素化合物の利用方法によれば、フッ素化合物の状態を変えて各状態のフッ素化合物を様々な目的で利用することができる。例えば、フッ酸の状態のフッ素化合物を、エッチングや洗浄のために利用した後、さらに、タングステンを回収するために利用することができる。加えて、フッ酸の状態からフッ化カルシウムの状態へ変えたフッ素化合物を、鉄鋼製造のために利用することができる。従って、フッ素(F)を含むフッ素化合物を廃棄する量を抑えることができる。
本実施形態のタングステンの回収方法及びフッ素化合物の利用方法は、上記例示の通りであるが、本発明は、上記例示のタングステンの回収方法及びフッ素化合物の利用方法に限定されるものではない。
また、一般のタングステンの回収方法やフッ素化合物の利用方法において用いられる種々の態様を、本発明の効果を損ねない範囲において、採用することができる。
また、一般のタングステンの回収方法やフッ素化合物の利用方法において用いられる種々の態様を、本発明の効果を損ねない範囲において、採用することができる。
本発明のタングステンの回収方法は、例えば、廃棄処分され得るタングステン含有廃棄物からタングステンを回収するために、好適に利用される。
本発明は、例えば、タングステンを回収するためだけでなく、半導体産業や鉄鋼産業などにおいてフッ素化合物を有効に利用するフッ素化合物の利用方法にも関する。
本発明のフッ素化合物の利用方法は、半導体産業などにおいて廃棄処分され得るフッ素化合物(フッ酸)によって、廃棄されるタングステンを回収するために好適に利用される。また、本発明のフッ素化合物の利用方法は、廃棄処分され得るフッ素化合物(フッ化カルシウム)を鉄鋼の製造で用いるために、好適に利用される。
本発明のフッ素化合物の利用方法は、半導体産業などにおいて廃棄処分され得るフッ素化合物(フッ酸)によって、廃棄されるタングステンを回収するために好適に利用される。また、本発明のフッ素化合物の利用方法は、廃棄処分され得るフッ素化合物(フッ化カルシウム)を鉄鋼の製造で用いるために、好適に利用される。
Claims (4)
- タングステン成分及びケイ酸成分を含む混合物とフッ酸含有液とを接触させることによりケイ酸成分を溶出させる溶出工程と、前記溶出工程にて不溶のタングステン含有物からタングステンを回収する回収工程とを備える、タングステンの回収方法。
- 前記フッ酸含有液は、エッチング又は洗浄のために使用された後のフッ酸廃液である、請求項1に記載のタングステンの回収方法。
- カルシウムと前記溶出工程後に残ったフッ酸との反応によってフッ化カルシウム含有物を調製するフッ化カルシウム調製工程をさらに備える、請求項1又は2に記載のタングステンの回収方法。
- 前記フッ化カルシウム調製工程によって得られたフッ化カルシウム含有物を鉄鋼製造のために用いる、請求項3に記載のタングステンの回収方法。
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WO2020174907A1 (ja) | 2019-02-25 | 2020-09-03 | 三菱マテリアル株式会社 | タングステンの回収方法 |
WO2023178902A1 (zh) * | 2022-03-22 | 2023-09-28 | 湖北绿钨资源循环有限公司 | 一种回收含钨废料中可溶性钨酸盐的方法 |
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