JP2016088871A - 生理活性物質の安定性を保持できるナノ粒子 - Google Patents
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Abstract
Description
〔1〕ガレート型カテキンを固形分として0.1重量%以上、ゼラチン、コラーゲン、およびこれらの分解物から選ばれる少なくとも1種の動物性タンパク質を固形分として0.1重量%以上含有し、且つ、ガレート型カテキンの固形分と前記動物性タンパク質の固形分の重量比(動物性タンパク質/ガレート型カテキン)が0.07〜8.0であり、且つ、酸化されやすい生理活性物質を担持し、平均粒子径が10〜200nmであることを特徴とするナノ粒子。
〔2〕前記酸化されやすい生理活性物質がユビキノール、スチルベン類、水溶性ビタミン、脂溶性ビタミン又はカロテノイドである前記〔1〕記載のナノ粒子、
に関する。
前記のような特徴を有するナノ粒子では、生理活性物質が担持され、その安定性が向上しているため、ガレート型カテキン、動物性タンパク質に加えて前記生理活性物質などの複数の生理活性物質の生体利用性に優れたナノ粒子となっている。
また、本発明でいう「生体利用性」とは、機能性成分が体内に入る吸収性のことをいう。
前記機能性成分とは、ナノ粒子を構成するガレート型カテキン、動物性タンパク質に加えて前記生理活性物質をいう。
また、本発明において、「担持」とは、ナノ粒子中に生理活性物質が含まれている状態をいう。また、ナノ粒子中に生理活性物質が担持されていることは、後述の虐待試験においても、生理活性物質が酸化されていないことから判別することができる。
前記ナノ粒子の平均粒子径は、後述の実施例に記載のように、ゼータ電位・ナノ粒子径測定システム(ベックマン・コールター株式会社製、「DelsaMax PRO」)にて測定することができる。
ガレート型カテキンと、前記動物性タンパク質と、前記生理活性物質とは、いずれも粉体状態で混合した後に、溶媒を混合して混合液にしてもよいが、効率よくナノ粒子を形成させることができ、また、操作性に優れる観点から、ガレート型カテキン含有溶液または分散液と、前記動物タンパク質含有溶液または膨潤液と、生理活性物質含有溶液とを混合し、得られる混合液中でナノ粒子を形成させることが好ましい。
本発明のナノ粒子はその作製段階において、前記のガレート型カテキンまたはガレート型カテキンを含む組成物を、水または含水溶媒または有機溶媒に溶解または分散させて、ガレート型カテキン含有溶液または分散液を作製する。
また、本発明のナノ粒子はその作製段階において、ゼラチン、コラーゲン、およびこれらの分解物から選ばれる少なくとも1種の動物性タンパク質を、水または含水溶媒または有機溶媒に溶解、分散または膨潤させて、動物性タンパク質含有溶液または膨潤液を作製する。
なお、ゼラチンを使用する場合、前記固形分値が20重量%以上であれば液の粘度の上昇により扱いにくくなる。
また、本発明のナノ粒子はその作製段階において、酸化されやすい生理活性物質を、水または含水溶媒または有機溶媒に溶解させて、生理活性物質含有溶液を作製する。
本発明のナノ粒子は、前記ガレート型カテキン含有溶液または分散液と、前記動物性タンパク質含有溶液または膨潤液と、前記生理活性物質含有溶液とを混合し、得られる混合液中で形成させる。
また、必要に応じて、混合液を作製する際に、水等の溶媒を添加してもよい。
本発明のナノ粒子を医薬用途で使用する場合、例えば、その摂取量は、所望の改善、治療または予防効果が得られるような量であれば特に制限されず、通常その態様、患者の年齢、性別、体質その他の条件、疾患の種類並びにその程度等に応じて適宜選択される。1日当たり約0.1mg〜1,000mg程度とするのがよく、これを1日に1〜4回に分けて摂取することができる。
本発明のナノ粒子を医薬部外品に添加する場合には、該医薬部外品中に、通常0.001〜30重量%添加するのが好ましい。
また、本発明のナノ粒子を化粧品として使用する場合には、化粧品中に0.1ppm〜2000ppmの濃度となるようにするのが好ましい。
ゼラチン(商品名:G微粉、新田ゼラチン社製)1g、緑茶抽出物(ガレート型カテキン64%)1.8g、クエン酸2gを粉体で混合し、これに蒸留水5.2gを添加して80℃で加温しながらホモジナイザーにて均一化させてゼラチン・ガレート型カテキン含有溶液10gを得た。
次いで、前記ゼラチン・ガレード型カテキン含有溶液10gにエタノール9gと還元型コエンザイムQ10(商品名:QH、カネカ社製)1gとを添加して混合してCoQ10含有溶液20gを得た。
次いで、大豆多糖類(商品名:SM−1200、三栄源エフ・エフ・アイ社製)を0.4%(w/v)含有した蒸留水40gに前記CoQ10含有溶液10gを混合して生理活性物質含有溶液50gを作製した。
次いで、トリポリリン酸ナトリウム(ミテジマ化学社製)を0.2%(w/v)含有した蒸留水450gを作製し、前記生理活性物質含有溶液50gを混合し、混合液中でナノ粒子を形成させて、ナノ粒子溶液(動物性タンパク質/ガレート型カテキン:1/1.15)を作製した。得られたナノ粒子溶液の平均粒子径をゼータ電位・ナノ粒子径測定システム(ベックマン・コールター株式会社製、「DelsaMax PRO」)にて測定した結果、その平均粒子径は130nmであった。
生理活性物質の安定性は常温、UV下での虐待試験により検討した。検討には、実施例1で得られたナノ粒子溶液(本発明品)、還元型コエンザイムQ10を乳化剤で分散させたコエンザイムQ10溶液(比較品1)、コエンザイムQ10溶液に本発明品と同量の緑茶抽出物を添加したカテキン−Q10溶液(比較品2)、コエンザイムQ10溶液にビタミンCを0.1重量%配合したVC−Q10溶液(比較品3)、コエンザイムQ10溶液(特許文献11、粒子径:360nm、比較品4)を用いて実施した。作製した各試料を透明ガラス容器に入れ、常温、UV下で虐待を行った。1週間間隔にてサンプルを回収し、試料中に含まれる還元型コエンザイムQ10濃度を測定した。結果を図1に示す
また、比較品4は、本発明者らが特許文献11で報告したナノ粒子であり、虐待試験11日目でも還元型CoQ11の保存率が90.4%と優れた生理活性物質の安定性を備えているが、本発明品は虐待試験11日目で保存率95.7%とさらに高い生理活性物質の安定性を実現している。
したがって、本発明のナノ粒子は、担持している生理活性物質の安定性が顕著に向上されたものであることがわかる。
Claims (2)
- ガレート型カテキンを固形分として0.1重量%以上、ゼラチン、コラーゲン、およびこれらの分解物から選ばれる少なくとも1種の動物性タンパク質を固形分として0.1重量%以上含有し、且つ、ガレート型カテキンの固形分と前記動物性タンパク質の固形分の重量比(動物性タンパク質/ガレート型カテキン)が0.07〜8.0であり、且つ、酸化されやすい生理活性物質を担持し、平均粒子径が10〜200nmであることを特徴とするナノ粒子。
- 前記酸化されやすい生理活性物質がユビキノール、スチルベン類、水溶性ビタミン、脂溶性ビタミン又はカロテノイドである請求項1記載のナノ粒子。
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