JP6638185B2 - 微小ナノ粒子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、天然物由来の成分からなり、平均粒子径が10〜50nmという微小なナノ粒子の製造方法に関する。
天然物由来のゼラチンは、豚や牛、魚の軟骨成分より抽出したタンパク質であり、食品のゲル化剤、増粘剤、安定剤等としての利用のほかにカプセルなどの基材としてや止血剤などの医療分野でも利用されている。また、ゼラチンに臭化カリウムと硝酸銀を加えた乳化コロイドは感光物質の保護コロイドとして用いられている。また、ゼラチンが水溶性であるという性質を利用し、有機溶媒に滴下することでマイクロカプセルを作製する技術も知られている。
更に、近年ゼラチンをナノ粒子化することにより、医薬品成分を目的の臓器や組織に提供するためのドラッグデリバリーシステム(DDS)に利用する技術開発が進んでいる。ゼラチンのような食品由来の成分を用いたナノ粒子は安全性の観点から優位性が高いと考えられる。例として、キトサンを用いたナノ粒子の製造方法(特許文献1,2,3)が挙げられる。
本発明者らも、製造の簡便性および原料コストでの優位性を見出したゼラチンとガレート型カテキンを組み合わせたナノ粒子の製造方法(特許文献4)を報告してきた。本発明者らの方法はガレート型カテキンをゼラチンに対するコアセルベータとして働かせる方法である。これは生理活性のある物質をナノ粒子形成物質として用いた初めての方法である。即ち、機能性で最も幅広く研究されているエピガロカテキンガレートに代表されるガレート型カテキンは、抗肥満作用や循環器系疾患予防作用、抗癌作用など幅広い生理機能を有していることが知られている。また、ガレート型カテキンには脂肪分解酵素であるリパーゼを阻害する作用を有するため、植物性油脂の効率的な抽出に用いる技術が報告されている(特許文献5)。また、本発明者らはガレート型カテキンとゼラチンの複合体化によりリパーゼ阻害剤を報告しており(特許文献6)、ナノ粒子形成物質としてのガレート型カテキンの用途のみならず、タンパク質の組み合わせによる生理活性の向上という有意性も見出されている。
ここで、公知のナノ粒子の平均粒子径について、例えば、特許文献1に記載のキトサン微粒子は0.1〜50μmであり、0.1μm未満ではハンドリングが難しいとされている(段落[0017])。また、特許文献2に記載の乳化物中の油滴粒子の体積平均粒子径は1nm〜100nmであるが(請求項2)、製造段階で水溶性有機溶媒を用いて作製されており、純水を用いる技術ではない。
以上のことから、平均粒子径が1〜50nmのナノ粒子を、純水を用いて安全に製造する方法は知られていなかった。
特許第05564200号公報 特開2009−090160号公報 米国特許第8,642,088号明細書 特願2014−160745号公報 特開2014−062192号公報 特開2013−082673号公報
したがって、本発明は、ガレート型カテキンおよび動物性タンパク質という機能性素材を用いた天然物由来のナノ粒子であって、平均粒子径が1〜50nmというナノ粒子の中でも微小なナノ粒子を安全に作製する製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、食品にも利用可能なナノ粒子について鋭意検討した。その中で本発明者らは、ナトリウムやカルシウム、その他イオン性のミネラル成分によりナノ粒子の粒子経が大きくなることを見出した。この知見をもとにさらに鋭意検討した結果、ガレート型カテキンと動物性タンパク質とを純水を用いて混合するという非常に簡便な方法で、ガレート型カテキンと動物性タンパク質とのコアセルベートを形成し、天然物由来の原料を含む平均粒子径1〜50nmのナノ粒子を作製することに成功し、本発明を完成するに至った。
本発明の要旨は、
〔1〕ガレート型カテキンを固形分として0.1重量%以上となるように純水に溶解させてガレート型カテキン含有液を得る工程(A)と、
ゼラチン、コラーゲン、およびこれらの分解物から選ばれる少なくとも1種の動物性タンパク質を固形分として0.1重量%以上となるように純水に溶解させて動物性タンパク質含有液を得る工程(B)と、
工程(A)で得られたガレート型カテキン含有液および工程(B)で得られた動物性タンパク質含有溶液と、これらの液体の総重量に対して2〜100倍量の純水とを混合する工程(C)
を有する平均粒子径10〜30nmであり、ガレート型カテキンおよび動物性タンパク質からなるナノ粒子の製造方法、
〔2〕純水が伝導率として10.0μS/cm以下である前記〔1〕に記載のナノ粒子の製造方法
に関する。
本発明で得られるナノ粒子は、ガレート型カテキンおよび動物性タンパク質という天然物由来の原料からなり、しかもガレート型カテキンおよび動物性タンパク質に由来する優れた健康機能性が期待されるものである。例えば、本発明者らは、前記特許文献6でコラーゲンとガレート型カテキンを用いたリパーゼ阻害組成物を報告しているが、本発明によって得られたナノ粒子もその機能を保持していることが期待される。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のナノ粒子の製造方法は、平均粒子径が10〜50nmであり、ガレート型カテキンおよび動物性タンパク質という天然物由来成分を基材とするナノ粒子の製造方法であって、
ガレート型カテキンを固形分として0.1重量%以上となるように純水に溶解させてガレート型カテキン含有液を得る工程(A)と、
ゼラチン、コラーゲン、およびこれらの分解物から選ばれる少なくとも1種の動物性タンパク質を固形分として0.1重量%以上となるように純水に溶解させて動物性タンパク質含有液を得る工程(B)と、
工程(A)で得られたガレート型カテキン含有液および工程(B)で得られた動物性タンパク質含有溶液と、これらの液体の総重量に対して2〜100倍量の純水とを混合する工程(C)
を有することを特徴とする。
本発明で作製するナノ粒子の平均粒子径は、10〜50nmであり、体内への吸収性および、製造性が良好である観点から、好ましくは10〜30nmであり、より好ましくは10〜20nmである。
前記ナノ粒子の平均粒子径は、後述の実施例に記載のように、ゼータ電位・ナノ粒子径測定システム(ベックマン・コールター株式会社製、「DelsaMax PRO」)にて測定することができる。
本発明でいう天然物由来成分とは、原料である、ガレート型カテキン、およびゼラチン、コラーゲン、およびこれらの分解物から選ばれる少なくとも1種の動物性タンパク質がともに天然物由来であることを示す。なお、前記原料として試薬等を使用する際にも、その試薬が天然物由来であればよい。
以下、各工程について説明する。
(工程(A))
本発明のナノ粒子の製造方法では、前記ガレート型カテキンを、純水に溶解させて、ガレート型カテキン含有液を作製する。
本発明で用いるガレート型カテキンとしては、EGCg、ECg、GCg、Cgが挙げられる。前記ガレート型カテキンは、非重合体でも重合体でもよく、それらを混合しても、単独で使用してもよい。効率的な粒子形成の観点よりEGCgおよび/またはECgを含有することが好ましい。
また、ガレート型カテキンとして、ガレート型カテキンを含む組成物を用いてもよい。ガレート型カテキンを含む組成物としては、例えば、前記ガレート型カテキンを含む茶抽出物やコーヒー抽出物等が挙げられる。また、粒子作製の効率の面から、組成物中のガレート型カテキン量が20重量%以上のものが好ましく、さらに好ましくは、30重量%以上のもの、より好ましくは60重量%以上のものがよい。
本発明で溶媒として使用する純水とは、一般的な水道水に含まれる塩類、残留塩素などの不純物が取り除かれた水をいい、例えば、逆浸透膜を通した水、脱イオン水、蒸留水、精製水などが挙げられる。
中でも、純水としては、平均粒子径が1〜50nmのナノ粒子を効率よく得られる観点から、伝導率が10.0μS/cm以下の純水が好ましい。
前記伝導率は、伝導率計によって測定することができる。伝導率計としては例えば、コンパクト電気伝導率計(HORIBA社製)などが挙げられる。また伝導率の逆数となる比電気抵抗(MΩ・cm)で測定することも出来る。
前記純水にガレート型カテキンを溶解させる手段としては、公知の手段であれば特に限定はない。例えば、ガレート型カテキンを、前記純水に添加・混合することで、溶解させることができる。また、前記溶解させる際には、ガレート型カテキンの溶解性の観点から、前記純水の温度を20〜90℃に調整しておくことが好ましいが溶解すれば特に限定はない。なお、ガレート型カテキンは、一部が純水に溶解していればよく、ガレート型カテキン含有液が分散液の状態であってもよい。
前記ガレート型カテキン含有液中のガレート型カテキンの固形分値は平均粒子径10〜50nmのナノ粒子を効率的に作製する観点から、0.01〜24重量%であることが好ましい。より好ましくは0.1〜20重量%であることが好ましい。
(工程(B))
本工程では、ゼラチン、コラーゲン、およびこれらの分解物から選ばれる少なくとも1種の動物性タンパク質を固形分として0.1重量%以上となるように純水に溶解させて動物性タンパク質含有液を作製する。
本発明で用いる動物性タンパク質は、ガレート型カテキンとコアセルベートを形成可能なゼラチン、コラーゲン、およびこれらの分解物などであればよい。動物性タンパク質の由来は、豚、魚、ニワトリ等、および遺伝子組み換え体のいずれかを用いることができ、これらの天然物由来のタンパク質は、単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。好ましくは、動物性タンパク質溶液を作成したときのpHが4.5以下となるものが好ましい。動物性タンパク質溶液のpHが4.5以上となるものであっても酸の添加により4.5以下にして使用することが可能である。この場合の酸には特に限定はない。なお、牛骨または豚骨由来の動物性タンパク質は、50nm以下の粒子が一部形成されるものの、その平均粒子径が50nmを超える大きさになるため、本発明では使用することが難しい。
ただし、牛骨または豚骨由来のタンパク質が含まれている動物性タンパク質であっても、平均粒子径1〜50nmのナノ粒子が作製できれば、特に限定はなく使用することができる。
溶媒として使用する前記純水は、前記ガレート型カテキン含有溶液に用いることができる純水と同じものであればよい。
前記純水に前記動物性タンパク質を溶解させる手段としては、公知の手段であれば特に限定はない。例えば、前記動物性タンパク質を、前記溶媒に添加・混合することで、溶解させることができる。なお、本発明では、前記動物性タンパク質が純水で溶解されている状態の一つとして膨潤されていてもよい。
なお、膨潤とは、動物性タンパク質に純水を添加してゲル状にすることをいう。
また、前記溶解または膨潤させる際には、効率的に溶解または膨潤させる観点から、前記溶媒の温度を20〜90℃に調整しておくことが好ましい。
前記動物性タンパク質含有液中の動物性タンパク質の固形分値は、平均粒子径1〜50nmのナノ粒子を効率的に作製する観点から、0.1〜19重量%であることが好ましく、より好ましくは、0.1〜10重量%である。
なお、ゼラチンを使用する場合、前記固形分値が20重量%以上であれば動物性タンパク質含有液の粘度の上昇により扱いにくくなる。
(工程(C))
本工程では、前記工程(A)で得られたガレート型カテキン含有液および前記工程(B)で得られた動物性タンパク質含有溶液と、これらの液体の総重量に対して2〜100倍量の純水とを混合する。
例えば、前記ガレート型カテキン含有液と、前記動物性タンパク質含有液とを、これらの2種類の液体の総重量に対して2〜100倍量の純水中で混合する方法が挙げられる。
前記のようにガレート型カテキン含有液と動物性タンパク質含有液とを、多量の純水中で混合することで粒子径がより小さくなりやすいという利点がある。
本工程において、前記ガレート型カテキン含有液と、前記動物性タンパク質含有液と、純水との混合方法としては、これらの成分が均一に混合可能であればよく、静置している前記ガレート型カテキン含有液に前記動物性タンパク質含有液および純水を添加する方法、静置している前記動物性タンパク質含有液に記ガレート型カテキン含有液および純水を添加する方法、静置している水に、前記ガレート型カテキン含有液および前記動物性タンパク質含有液を添加する方法、静置するかわりに攪拌しながら添加する方法、ホモジナイズしながら添加する方法等が使用可能であるが、特に限定はない。
本工程において、混合する際の温度などの条件については、成分の大幅な変化などが生じず、均一に混合可能な条件であればよく、使用する成分に適した温度であればよい。例えば、ゼラチンの場合、低温であると溶液の粘度が上昇し、濃度が数%以上などと高い場合、均一に混合することが困難となることから、20℃以上であることが好ましい。さらに、高温の場合、成分の変化が起こりやすくなるため、20〜80℃がより好ましく、さらに好ましくは、50〜60℃がよい。
また、平均粒子径1〜50nmのナノ粒子を効率よく得る観点から、前記ガレート型カテキン含有液と、前記動物性タンパク質含有液との量として、
(a)ガレート型カテキンの固形分
(b)動物性タンパク質の固形分
の重量が、0.07≦(b)/(a)≦8.0となるように調整して混合することが好ましい。前記重量比については、上限値が7.0以下であることが好ましい。
また、前記ガレート型カテキン含有液と、前記動物性タンパク質含有液と、純水との混合液のpHは、ナノ粒子を溶解、凝集、沈殿させずに効率よく形成できる観点から、1.0〜4.0に調整することが好ましい。前記pHは、1.5〜3.5がより好ましく、1.5〜3.1がさらに好ましい。
前記pHの調整には、ナノ粒子の使用用途に応じて、使用可能な酸であれば特に制限はない。例えば、クエン酸、アスコルビン酸、グルコン酸、カルボン酸、酒石酸、コハク酸、酢酸またはフタル酸、トリフルオロ酢酸のような有機酸、塩酸、過塩素酸、炭酸のような無機酸、または緩衝液、などで調整することが挙げられるが、これらに限定されるものではない。得られたナノ粒子を医薬品、化粧品、食品等に利用する場合は、それぞれの使用用途に適した酸を選択することが好ましい。
なお、前記混合液のpHを調整するには、ガレート型カテキン含有液と、動物性タンパク質含有液とのpHを予め調整してもよい。このように予めpHを調整することで、ガレート型カテキン含有液と、動物性タンパク質含有液を混合するだけで、得られる混合液のpHを1.0〜4.0の範囲に調整することができる。
前記のようにpHを1.0〜4.0の範囲に調整した混合液中において、ガレート型カテキンと動物性タンパク質とがコアセルベートを形成し、このコアセルベート中に平均粒子径10〜50nmのナノ粒子が生じる。
前記混合液中においては、効率的にナノ粒子を作製する観点から、ガレート型カテキンまたはガレート型カテキンを含む組成物由来の固形分を0.01重量%以上、ゼラチン、コラーゲン、およびこれらの分解物から選ばれる少なくとも1種の動物性タンパク質由来の固形分を0.01重量%以上含有することが好ましい。また、前記ガレート型カテキン由来の固形分および動物性タンパク質由来の固形分の合計量は、0.02〜0.4重量%が好ましく、0.1〜0.3重量%がより好ましく、0.2〜0.3重量%が最も好ましい。
なお、前記ガレート型カテキン含有液と、前記動物性タンパク質含有液との混合時に所望の濃度となるよう調整してもよく、ナノ粒子を作製した後に濃縮してもよい。
前記のようにして得られるナノ粒子含有液は、限外濾過、透析等を施してもよい。透析をすれば、粒子化していない成分を分離しやすい。限外濾過膜としては例えばペンシル型UF膜(旭化成社製)、透析膜としてはSnakeSkin(ピアス社製)が挙げられる。これ以外にもナノ粒子を失わずに限外ろ過および透析ができれば特に限定はない。
本発明で得られるナノ粒子は、安定性に優れたものである。ナノ粒子の安定性を示す指標にナノ粒子表面のゼータ電位を測定する方法が知られており、このゼータ電位の絶対値が大きいほど安定性に優れるといえる。例えば、本発明で得られるナノ粒子としては、固形分値0.2〜1.0重量%に調整したナノ粒子含有液を、ゼータ電位・ナノ粒子径測定システム(ベックマン・コールター株式会社製、「DelsaMax PRO」)を用い、分析設定を水として得られるゼータ電位の絶対値が10mV以上であるものが好ましい。
なお、測定時におけるナノ粒子含有液の溶媒は純水であるが、これに純水以外の水、含水溶媒、有機溶媒を添加してもよいが、測定誤差などが生じにくい観点から、水または含水溶媒であることが好ましい。
前記溶媒として使用する有機溶媒としては水と混和するものであれば特に限定はされないが、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、エタノール、メタノール、アセトン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。また、前記溶媒として使用する含水溶媒とは、前記有機溶媒と水との混合溶媒をいう。
以上の工程(A)〜(C)を経て得られるナノ粒子は、食品に利用可能な条件で作製した場合は、飲食品に配合してもよい。飲食品としては特に限定されず、例えば、飲料、アルコール飲料、ゼリー、菓子、機能性食品、健康食品、健康志向食品等が挙げられる。保存性、携帯性、摂取の容易さ等を考慮すると、菓子類が好ましく、菓子類の中でも、ハードキャンディ、ソフトキャンディ、グミキャンディ、タブレット、チューイングガム等が好ましい。
前記ナノ粒子を飲食品に配合する場合、ナノ粒子の飲食品における含有量は、その生理活性効果が期待できる量であればよい。通常1日あたり10〜10000mg、より好ましくは100〜3000mg摂取できるように配合量を決定することが好ましい。例えば、固形状食品の場合には5〜50重量%、飲料等の液状食品の場合には0.01〜10重量%が好ましい。
また、本発明で得られるナノ粒子は、安全性に優れたものであると考えられるので、ヒトに対してだけでなく、非ヒト動物、例えば、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サル、チンパンジー等の哺乳類、鳥類、両生類、爬虫類等の治療剤または飼料に配合してもよい。飼料としては、例えばヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ニワトリ等に用いる家畜用飼料、ウサギ、ラット、マウス等に用いる小動物用飼料、ウナギ、タイ、ハマチ、エビ等に用いる魚介類用飼料、イヌ、ネコ、小鳥、リス等に用いるペットフードが挙げられる。
次に、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はかかる実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1:純水を使ったナノ粒子作製)
純水を用いたナノ粒子の検討は以下の手順で行った。
ゼラチン(商品名:G微粉、新田ゼラチン)1gを純水(伝導率:0.1μS/cm)99gに50℃で溶解させ、ゼラチン溶液を作製した。
緑茶抽出物(ガレート型カテキン64%)1.8gを純水98.2gに50℃で溶解させ、ガレート型カテキン溶液を作製した。
純水8gにゼラチン溶液1gを添加して混合したのち、ガレート型カテキン溶液1gを添加して、50℃で混合して、ナノ粒子を形成させた溶液(pH4.3)10gを作製した。
なお、前記伝導率は、コンパクト電気伝導率計(HORIBA社製)によって測定した。
(比較例)
比較品として、溶媒として水道水(伝導率120μS/cm)を用いた以外は実施例1と同様にしてナノ粒子の作製を行った。結果を表1に示す。
Figure 0006638185
表1からわかるように伝導率の低い純水を用いることで、平均粒子径が10〜50nmのナノ粒子が安全に形成される。また、実施例1で得られたナノ粒子はその粒子径は微小であることからガレート型カテキンおよび動物性タンパク質の生体利用性に優れたものであることが予想される。

Claims (2)

  1. ガレート型カテキンを固形分として0.1重量%以上となるように純水に溶解させてガレート型カテキン含有液を得る工程(A)と、
    ゼラチン、コラーゲン、およびこれらの分解物から選ばれる少なくとも1種の動物性タンパク質を固形分として0.1重量%以上となるように純水に溶解させて動物性タンパク質含有液を得る工程(B)と、
    工程(A)で得られたガレート型カテキン含有液および工程(B)で得られた動物性タンパク質含有溶液と、これらの液体の総重量に対して2〜100倍量の純水とを混合する工程(C)
    を有する平均粒子径10〜30nmであり、ガレート型カテキンおよび動物性タンパク質からなるナノ粒子の製造方法。
  2. 純水が伝導率として10.0μS/cm以下である請求項1に記載のナノ粒子の製造方法。
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