JP6866011B2 - ゼリー剤組成物及び該ゼリー剤組成物を含有する食品 - Google Patents

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Description

本発明は、ゼリー剤組成物及び当該ゼリー剤組成物を含有する食品に関するものである。
ゼリー状食品は、特有の柔らかな弾力性や、滑らかな舌触りから、デザートとして広く利用されている。また、ゼリー状食品は、高齢や病気等を理由に飲み込む力が低下して上手に飲み込むことができなくなった人向けの調整食品としても利用されている。食品を柔らかいゼリー状にすることで、飲み込む力が低下した人でも飲み込みやすくすることができる。
ゼリー状食品は、従来から、ゲル形成能を有する物質、例えば寒天やゼラチンを用いて調製されてきた。これらは、食品に異味を付与しない点では好適であるが、溶解温度が高いため、ゼリー状食品を作る際には、加熱による溶解工程を経た後に冷却してゲル化させる必要があった。
上記のような加熱と冷却の手間を省くために、溶解温度を下げたゼラチンや、常温の水に溶けるアルギン酸塩やペクチン等を用いたゲル化剤(ゼリー剤)も開発されている。
また、加熱と冷却を必要としないゼリー剤として、アルギン酸ナトリウム、中性不溶・難溶カルシウム塩、及び中性可溶カルシウム塩を含有する固形状インスタントゼリーミックス(特許文献1)や、アルギン酸及びその塩、ペクチン並びにカラギーナンからなる群より選ばれる1種以上と、HLB値が8以下である界面活性剤とを含有するゼリー化組成物(特許文献2)が報告されている。
特開2009−232845号公報 特開2014−103872号公報
しかし、従来技術によれば、経時的にゲルが硬くなりすぎてしまう場合があり、安定した硬さが得られない問題があった。特に、嚥下障害患者に対して、誤嚥を防ぎ、安全に飲み込む観点から、安定した物性の食事を提供することは非常に重要である。例えば、介護する者にとっては、経時的にゲルが硬くなりすぎると、再度ゼリー化食品を調製する必要が生じ、食事の準備の手間や時間が余計にかかるため、デメリットになる。上記特許文献1及び2においても、ゲルの硬さの経時的な安定性については検討されていない。
従って、本発明の目的は、ゼリー状食品の調製に加熱と冷却を必要とせず、食品に溶解させた後、速やかに食品をゲル化させることができ、かつ経時的にゲルを硬くさせすぎず、問題となるレベルの異味を食品に与えることのないゼリー剤組成物及び当該ゼリー剤組成物を含有する食品を提供することである。
本発明は、上記目的を達成するために、下記[1]〜[3]のゼリー剤組成物、並びに下記[4]及び[5]の食品を提供する。
[1]アルギン酸ナトリウム、クエン酸カルシウム及び/又は炭酸カルシウム、並びにリンゴ酸を含有し、前記アルギン酸ナトリウムの含有量を1とした時に、質量比で、前記クエン酸カルシウム及び/又は前記炭酸カルシウムに由来する総カルシウムの含有量が0.06〜0.16、並びに前記リンゴ酸の含有量が0.03〜0.18であることを特徴とするゼリー剤組成物。
[2]賦形剤を含有することを特徴とする[1]に記載のゼリー剤組成物。
[3]前記ゼリー剤組成物を10℃の水に溶解して3%水溶液としたときの、溶解してから10分後における10℃のゲルの硬さが500〜2000N/mであり、溶解してから30分後における10℃のゲルの硬さが前記10分後におけるゲルの硬さの100〜300%であることを特徴とする[1]又は[2]に記載のゼリー剤組成物。
[4][1]〜[3]のいずれか1項に記載のゼリー剤組成物を含有することを特徴とするゼリー状食品。
[5]アルギン酸ナトリウムを0.15〜0.45質量%、リンゴ酸を0.007〜0.045質量%、並びにクエン酸カルシウム及び/又は炭酸カルシウムに由来する総カルシウムを0.015〜0.036質量%含有することを特徴とするゼリー状食品。
本発明によると、ゼリー状食品の調製に加熱と冷却を必要とせず、食品に溶解させた後、速やかに食品をゲル化させることができ、かつ経時的にゲルを硬くさせすぎず、問題となるレベルの異味を食品に与えることのないゼリー剤組成物及び当該ゼリー剤組成物を含有する食品を提供することができる。
〔本発明の実施の形態に係るゼリー剤組成物〕
本発明の実施の形態に係るゼリー剤組成物(以下、ゲル化剤組成物と言うことがある)は、アルギン酸ナトリウム、クエン酸カルシウム及び/又は炭酸カルシウム、並びにリンゴ酸を含有し、前記アルギン酸ナトリウムの含有量を1とした時に、質量比で、前記クエン酸カルシウム及び/又は前記炭酸カルシウムに由来する総カルシウムの含有量が0.06〜0.16、並びに前記リンゴ酸の含有量が0.03〜0.18であることを特徴とする。以下、詳細に説明する。
[アルギン酸ナトリウム]
本発明の実施の形態に係るゼリー剤組成物は、アルギン酸ナトリウムを含有する。アルギン酸ナトリウムは、アルギン酸のカルボキシル基の一部がナトリウムイオンと結合した中性塩である。アルギン酸とは、2種類のウロン酸(マンヌロン酸及びグルロン酸)がランダムに直鎖重合した構造を有する多糖類であり、コンブ、ワカメ等の天然の褐藻類に豊富に含まれている。
アルギン酸ナトリウムは、公知の方法に従い、得ることができる。例えば、酸による加水分解等の方法で褐藻類等から抽出・精製して得られたアルギン酸を、水酸化ナトリウム又は炭酸ナトリウム等によって中和した後、精製することでアルギン酸ナトリウムを得ることができる。
本実施の形態におけるアルギン酸ナトリウムとしては、食用に使用されるものであれば特に限定されることなく使用できる。例えば、(株)キミカ製のキミカアルギンIシリーズ、キミカアルギンHigh・Gシリーズ等が使用できる。アルギン酸ナトリウムの分子量は特に限定されるものではないが、アルギン酸ナトリウム1質量%水溶液としたときの20℃における粘度が50〜900mPa・sであるものを使用することが好ましく、200〜700mPa・sであるものを使用することがより好ましく、300〜500mPa・sであるものを使用することがさらに好ましい。
アルギン酸ナトリウムの粘度は、粘度計(TOKIMEC社製、型番:VISCOMETER(MODEL:BM))のローターNo.1(回転数30rpm)を用いて、アルギン酸エステルの1質量%水溶液について、20℃における粘度を測定することで特定される。
本発明の実施の形態に係るゼリー剤組成物中のアルギン酸ナトリウムの含有量は、5〜25質量%が好ましく、5.5〜20質量%がより好ましく、6〜15質量%がよりさらに好ましく、6.5〜10質量%がもっとも好ましい。アルギン酸ナトリウム含量が上記の範囲にあると、速やかにゲル化し、適切な硬さのゼリーが得られる。25質量%より大きくなると、溶解時にダマができ、溶けにくい。
[クエン酸カルシウム及び炭酸カルシウム]
本発明の実施の形態に係るゼリー剤組成物は、クエン酸カルシウム及び/又は炭酸カルシウムを含有する。クエン酸カルシウムは、実際には、クエン酸三カルシウム四水和物であり、食用として使用可能なものを用いることができる。また、炭酸カルシウムは、実際には、炭酸カルシウム(無水)であり、食用として使用可能なものを用いることができる。
本発明の実施の形態に係るゼリー剤組成物は、カルシウムを含む原料として、クエン酸カルシウム及び/又は炭酸カルシウムのみを含有することが好ましく、クエン酸カルシウムのみを含有することがより好ましい。
本発明の実施の形態に係るゼリー剤組成物は、アルギン酸ナトリウムの含有量を1とした時に、質量比で、クエン酸カルシウム及び/又は炭酸カルシウムに由来する総カルシウムの含有量が、0.06〜0.16である。ここで、前記総カルシウムとは、前記クエン酸カルシウム及び/又は前記炭酸カルシウムに含まれるカルシウムの総量を指す。
本発明の実施の形態に係るゼリー剤組成物中の総カルシウム(クエン酸カルシウム及び/又は炭酸カルシウムに由来する総カルシウム)は、各々のカルシウム塩の分子量と、塩に含まれるカルシウムの数から算出することができる。
本発明の実施の形態に係るゼリー剤組成物は、アルギン酸ナトリウムの含有量を1とした時に、質量比で、クエン酸カルシウム及び/又は炭酸カルシウムに由来する総カルシウムの含有量が、0.07〜0.14が好ましく、0.08〜0.12がより好ましく、0.08〜0.10が最も好ましい。総カルシウムの含有量が上記の範囲にあると、適切な硬さのゼリーが得られる。
本発明の実施の形態に係るゼリー剤組成物中のクエン酸カルシウム及び/又は炭酸カルシウムに由来する総カルシウムの含有量は、0.5〜1.2質量%が好ましく、0.5〜1.0質量%がより好ましく、0.6〜0.9質量%がよりさらに好ましく、0.6〜0.8質量%が最も好ましい。総カルシウムの含有量が上記の範囲にあると、適切な硬さのゼリーが得られる。
[リンゴ酸]
本発明の実施の形態に係るゼリー剤組成物は、リンゴ酸を含有する。リンゴ酸は、実際にはリンゴ酸(無水)であり、食用として使用可能なものを用いることができる。
本発明の実施の形態に係るゼリー剤組成物中のリンゴ酸の含有量は、アルギン酸ナトリウムの含有量を1とした時に、質量比で0.03〜0.18であり、0.04〜0.16が好ましく、0.05〜0.14がより好ましく、0.06〜0.12がさらにより好ましく、0.07〜0.09が最も好ましい。リンゴ酸の含有量が上記の範囲にあると、速やかにゲル化し、10分後のゲルの硬さに対する30分後のゲルの硬さの経時変化が小さいゼリーが得られる。
本発明の実施の形態に係るゼリー剤組成物中のリンゴ酸の含有量は、0.2〜1.4質量%が好ましく、0.3〜1.0質量%がより好ましく、0.4〜0.9質量%がよりさらに好ましく、0.5〜0.8質量%が最も好ましい。リンゴ酸の含有量が上記の範囲にあると、速やかにゲル化し、10分後のゲルの硬さに対する30分後のゲルの硬さの経時変化が小さいゼリーが得られる。
[賦形剤]
本発明の実施の形態に係るゼリー剤組成物は、溶解時に、ダマの発生を抑え、速やかに溶解するために、賦形剤を含有することが好ましい。賦形剤は、食用に使用されるものであれば特に限定されないが、グラニュー糖、デキストリン、砂糖、粉糖、及びぶどう糖から選ばれる1種又は2種以上を用いることが好ましく、グラニュー糖及びデキストリンから選ばれる1種又は2種を用いることがより好ましい。リンゴ酸由来の酸味を抑制する観点では、砂糖、グラニュー糖、及び粉糖から選ばれる1種又は2種以上を用いることが好ましい。
本発明の実施の形態に係るゼリー剤組成物中の賦形剤の含有量は、アルギン酸ナトリウムの含有量を1とした時に、質量比で2.0〜30.0であることが好ましく、3.0〜25.0がより好ましく、5.0〜20.0がよりさらに好ましく、10〜15.0が最も好ましい。
また、本発明の実施の形態に係るゼリー剤組成物中の賦形剤の含有量は、75〜90質量%が好ましく、80〜90質量%がより好ましい。
[その他の成分]
本発明の実施の形態に係るゼリー剤組成物は、本発明の効果を妨げない範囲で、着色料、香料、甘味料等を含有することができる。また、本発明の実施の形態に係るゼリー剤組成物は、カルシウムを含む原料として、クエン酸カルシウム及び炭酸カルシウム以外の原料を含有しないことが好ましい。
[ゲルの硬さ]
本発明の実施の形態に係るゼリー剤組成物を10℃の水に溶解して3%水溶液としたときの、溶解してから10分後における10℃のゲルの硬さが500〜2000N/mであることが好ましく、800〜2000N/mであることがより好ましく、1000〜2000N/mであることが最も好ましい。10分後のゲルの硬さが上記の範囲にあると、ゼリーが硬すぎず、口腔内でゼリーを潰しやすく、飲み込みやすくなる。
また、本発明の実施の形態に係るゼリー剤組成物を10℃の水に溶解して3%水溶液としたときの、溶解してから30分後における10℃のゲルの硬さが、溶解してから10分後における10℃のゲルの硬さの100〜300%(すなわち1〜3倍)であることが好ましく、100〜200%(すなわち1〜2倍)であることがより好ましい。30分後のゲルの硬さが上記の範囲にあると、10分後の硬さに対する経時変化が小さく、ゼリーが硬くなりすぎず、口腔内でゼリーを潰しやすく、飲み込みやすくなる。
ゲルの硬さは、レオメーターを用いて、直径20mmの円柱状プランジャー、圧縮速度10mm/秒、クリアランス5mm、10℃の条件で測定したときの測定値である。
なお、10℃の水に溶解したのは、一般的な使用例として、ゼリー状食品の調製前後で食品を約10℃の冷蔵庫で保管する実施形態を想定したものである。
[用途]
本発明の実施の形態に係るゼリー剤組成物は、食品に溶解させることで、ゼリー状食品の調製に使用できる。特に咀嚼・嚥下困難者向けゼリー状食品の調製のために好適に使用できる。ゼリー剤組成物を添加する対象食品として、特に限定されるものではないが、pH4以上、かつカルシウム濃度0.015w/v%以下の液状食品が好ましく、水、茶飲料が特に好ましい。これらに直接添加して液体をゲル化させることができる。
[形態]
本発明の実施の形態に係るゼリー剤組成物は、その形態は特に限定されるものではないが、各粉体原料を混合したものを造粒した粉末状の形態又は顆粒状の形態であることが好ましい。
[製造方法]
本発明の実施の形態に係るゼリー剤組成物の製造方法は、それぞれの原料が均一に混合される方法であれば、特に限定されない。例えば、容器回転式混合機、撹拌式混合機、ドラム式混合機等の混合機を使用して混合することで製造できる。また、流動層造粒法、撹拌造粒法、転動式造粒法、コーティング造粒法等により造粒してもよい。
[本発明の実施の形態に係るゼリー状食品]
本発明の実施の形態に係るゼリー剤組成物は溶解時に対象食品の加熱を必要としないため、常温の食品や温めた食品はもちろんのこと、冷たい食品(例えば5〜15℃)であってもゼリー状食品の調製が可能である。
本発明の実施の形態に係る食品中の上記ゼリー剤組成物の含有量は、対象食品によっても異なるが、例えば、水や茶飲料の場合、2〜4質量%であることが好ましく、2.5〜3.5質量%であることがより好ましい。
本発明の実施の形態に係るゼリー状食品中のアルギン酸ナトリウムの含有量は、0.15〜0.45質量%であり、0.17〜0.40質量%が好ましく、0.20〜0.30質量%がより好ましい。
本発明の実施の形態に係るゼリー状食品中のクエン酸カルシウム及び/又は炭酸カルシウムに由来する総カルシウムの含有量は、0.015〜0.036質量%であり、0.017〜0.030質量%が好ましく、0.018〜0.022質量%がより好ましい。なお、本発明の実施の形態に係るゼリー状食品中のクエン酸カルシウム及び/又は炭酸カルシウムの含有量は、前記総カルシウムが所望の含有量となるように適宜調整することができる。
本発明の実施の形態に係るゼリー状食品中のリンゴ酸の含有量は、0.007〜0.045質量%であり、0.012〜0.035質量%が好ましく、0.015〜0.025質量%がより好ましい。
本発明の実施の形態に係るゼリー状食品中の賦形剤の含有量は、2.2〜2.7質量%が好ましく、2.4〜2.7質量%がより好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔ゼリー剤組成物の製造〕
実施例及び比較例のゲル化剤組成物を流動層造粒法により表1〜3に記載の配合に従って、以下の手順で製造した。
各原料を秤量後、すべての原料を流動層造粒コーティング装置(商品名:SFC−5、フロイント産業(株)製)に投入し、当該装置の底部から90℃に加温した温風を吹き込み、粉体原料を流動させて混合した。続いて、当該装置の上部のスプレーノズルよりバインダー液(水)を62mL/min、空気圧0.5MPaで粉体原料に噴霧して造粒し、乾燥することにより造粒物(ゼリー剤組成物)を得た。なお、配合原料はすべて市販品を使用した。アルギン酸ナトリウムは、1質量%水溶液としたときの20℃における粘度が352mPa・sであるものを使用した。クエン酸カルシウムはクエン酸三カルシウム四水和物、炭酸カルシウムは炭酸カルシウム(無水)、リン酸カルシウムは第三リン酸カルシウムを使用した。
Figure 0006866011
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〔ゼリー剤組成物中の総カルシウムの算出方法〕
表中のゼリー剤組成物中の総カルシウム(クエン酸カルシウム及び/又は炭酸カルシウムに由来する総カルシウム、並びにリン酸カルシウムに由来する総カルシウム)の算出方法は、それぞれの塩に含まれるカルシウムの割合を分子量から求め、ゼリー剤組成物中のそれぞれのカルシウム塩の含有量(質量%)に乗ずることで求めた。具体的には、クエン酸カルシウム(分子量:570.5)であれば、カルシウム(原子量:40.08)を3つ含むので、“40.08×3÷570.5=0.2107”を求め、この値をゼリー剤組成物中のクエン酸カルシウムの含有量(質量%)に乗ずることで算出した。同様に、炭酸カルシウムは、“0.4004”及びリン酸カルシウムは、“0.3876”を使用して算出した。
〔ゼリー状食品中の各成分の含有量の算出方法〕
表中のゼリー状食品中のアルギン酸ナトリウム、リンゴ酸、及び総カルシウムの含有量は、各成分のゼリー剤組成物中の配合量(質量%)に3/100を乗ずることで算出した。
〔硬さの測定〕
200mLガラスビーカーに、10℃の水(商品名:南アルプスの天然水、サントリー(株)製)97gと3cmの撹拌子を入れ、スターラー(700rpm)で撹拌しながら、製造したゲル化剤組成物3gを静かに投入し、30秒間撹拌して完全に溶解させた。
ゲル化剤組成物の溶解液を、直径40mm、高さ15mmの容器に、15mmの高さまで充填し、10℃で10分間静置した後、レオメーター(RE−33005 RHEONER、(株)山電製)を用いて測定した。直径20mmの樹脂製の円柱状プランジャーを用いて、圧縮速度10mm/秒、クリアランス5mmの条件により測定した。
溶解してから10分後における10℃のゲルの硬さが500〜2000N/mであり、かつ、溶解してから30分後における10℃のゲルの硬さが10分後におけるゲルの硬さの100〜300%であるものを合格(下記評価基準の◎又は○)と評価した。測定及び評価結果を表に示す。
◎:1000〜2000N/m、かつ、100%〜300%
○:500〜999N/m、かつ、100%〜300%
×:500N/m未満又は2000N/m超え、及び/又は、100%未満又は300%超え
(前者:10分後における10℃のゲルの硬さ、後者:(30分後における10℃のゲルの硬さ/10分後における10℃のゲルの硬さ)×100)
〔官能試験〕
上記の30分後の硬さの測定後、風味を確認した。風味は、3名の専門パネラーの総意により下記の3段階で評価した。評価結果を表1〜3に示す。
◎:酸味を感じず、その他の異味も感じない。
○:わずかに酸味(問題の無いレベル)を感じるがその他の異味は感じない。
×:酸味を強く感じる。
実施例1〜7のゲル化剤組成物は、水に溶解させた後、速やかに水をゲル化させることができ、溶解30分後においても溶解10分後のゲルの硬さの100%〜300%の範囲内であり、経時的にゲルを硬くさせすぎることは無かった。また、風味についても、実施例1〜3及び7では酸味等の異味を感じることなく良好であり、実施例4〜6ではわずかに酸味を感じたが問題の無いレベルであった。
一方、比較例1は、リンゴ酸の含有量が規定の範囲より少なく、比較例3は、総カルシウムの含有量が規定の範囲より少ないため、10分後でも十分なゲルの硬さが得られず、速やかなゲル化が出来ないものであった。比較例2は、総カルシウムの含有量が規定の範囲より多いため、10分後におけるゲルの硬さが2000N/mを超えており30分後におけるゲルの硬さが硬くなりすぎるものであった。
また、比較例4は、クエン酸カルシウム及び炭酸カルシウムと同様に、水に難溶性のカルシウム塩である第三リン酸カルシウムを含有するゲル化剤組成物であるが、ゲル化しなかった。

Claims (2)

  1. アルギン酸ナトリウム、クエン酸カルシウム及び/又は炭酸カルシウム、並びにリンゴ酸を含有し、前記アルギン酸ナトリウムを5〜25質量%含有し、且つ、前記アルギン酸ナトリウムの含有量を1とした時に、質量比で、前記クエン酸カルシウム及び/又は前記炭酸カルシウムに由来する総カルシウムの含有量が0.06〜0.16、並びに前記リンゴ酸の含有量が0.03〜0.18である造粒物であるゼリー剤組成物であって、
    前記ゼリー剤組成物を10℃の水に溶解して3%水溶液としたときの、溶解してから10分後における10℃のゲルの硬さが500〜2000N/mであり、溶解してから30分後における10℃のゲルの硬さが前記10分後におけるゲルの硬さの100〜300%であることを特徴とするゼリー剤組成物。
  2. 賦形剤を含有することを特徴とする請求項1に記載のゼリー剤組成物。
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