JP2016159207A - ナノ粒子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガレート型カテキン、動物性タンパク質および酸の3成分を用いたナノ粒子の乾燥物を効率よく製造することができる新たな製造方法を提供すること。
【解決手段】ガレート型カテキンを固形分として5〜20重量%、乳清タンパク質またはその分解物からなる動物性タンパク質を固形分として合計5〜20重量%、酸を固形分として5〜20重量%となるように水、含水有機溶媒または有機溶媒に前記3成分を混合して、ガレート型カテキン、動物性タンパク質含有液を得、得られたガレート型カテキン、動物性タンパク質含有液を水、含水有機溶媒または有機溶媒で希釈し、この希釈液を乾燥して、ナノ粒子を形成させる。ナノ粒子の平均粒子径は10〜200nmが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、簡便な方法で作製できるナノ粒子の製造方法であり、且つ得られるナノ粒子の加工適正が飛躍的に向上するナノ粒子の製造方法に関する。
近年、物質のナノ粒子化の技術が様々な分野で研究され、幅広い利用が期待されている。特に、医薬品、化粧品分野において活発に検討がなされ、多くの報告が出されている。
これまで、特に進んで研究されてきたのは医薬品分野であり、ナノ粒子化により、医薬品成分を目的の臓器や組織に提供するためのドラッグデリバリーシステム(DDS)に注目が集まっている。例えば、ガン組織において、血管新生が盛んであることから血管に間隙ができ、その間隙のサイズを利用したDDSなどにナノ粒子の利用が考えられてきた。これにより、医薬品成分を安定に効率的に運搬するだけでなく、副作用の軽減も可能となりうる。医薬品分野のDDSには例えば、リポソーム、ポリエチレングリコールなどの基材が検討されている(非特許文献1)。この抗ガン剤としての利用に適したナノ粒子のサイズは100〜200nmとされ、このサイズでの開発が活発であった。しかし、これらを基材としたナノ粒子作成は合成品などの成分や溶媒が多く利用されてきたことから、その用途が医薬品に限定され、食品等にはほとんど利用されていない。
また、食品分野でのナノ化技術に関する報告もある。食品分野のナノ粒子化では、食感や味の向上、フレーバーなどのリリース、溶解性や透明性、吸収性や反応性の向上などを目指して開発がなされている。
これまでに、食品や食品添加物の分野では、例えば、ナノ粒子の製造方法(特許文献1、2、3)が報告されており、また、シリカ、ナノクレイ、リポソーム、白金ナノ粒子なども報告されている(非特許文献2)。特許文献1の場合、キトサンを酸で溶解後に冷却する方法によってナノ粒子が得られており、その粒子径は800nm〜3100nmである。また特許文献2の場合、マイクロ流路を通過させることで100nm以下の粒子が形成されている。特許文献3はキトサンとタンニンを混合することでナノ粒子が得られている。
このようなナノ粒子製造方法が報告されている中で、本発明者らはガレート型カテキンと乳清タンパク質を用いたナノ粒子の製造方法について報告している(特許文献4)。この発明では、ガレート型カテキンとホエイタンパク質、卵白タンパク質またはこれらの分解物を規定の濃度とpHで混合することで平均粒子径200nm以下のナノ粒子が形成されている。
以上のようにナノ粒子の製造方法は多く報告されているが、実用化にむけてさらに多くの技術開発が求められている。
特許第05564200号公報 特開2009−090160号公報 米国特許第8,642,088号明細書 特願2014−160749号
Drug Delivery System 26−1,2011 厚生労働省「ナノマテリアルの安全対策に関する検討会報告書」(平成21年3月31日)5−6頁
したがって、本発明は、ガレート型カテキン、動物性タンパク質および酸の3成分を用いたナノ粒子の乾燥物を効率よく製造することができる新たな製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記特許文献4に記載するように、ガレート型カテキンとホエイタンパク質、卵白タンパク質またはこれらの分解物を用いてナノ粒子を溶液中で作製する製造方法を報告しており、前記製造方法は非常に簡便な方法であり、且つ得られるナノ粒子含有溶液は食品成分で作製しており有意性が大きいが、さらに検討したところ、前記ナノ粒子含有溶液を濃縮や乾燥などさらなる加工工程に供すると、形成したナノ粒子が溶液中で凝集や沈殿が起こしやすいことを見出した。そこで、これらの問題点について鋭意検討した結果、ガレート型カテキンと乳清タンパク質と酸との3成分を特定の濃度で混合してナノ粒子を形成しやすい状態にした溶液(ナノ粒子前液)を予め作製し、前記ナノ粒子前液を希釈して形成させたナノ粒子が効率よく乾燥物に加工できるという優れた加工適性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の要旨は、
〔1〕ガレート型カテキンを固形分として5重量%〜20重量%、乳清タンパク質またはその分解物からなる動物性タンパク質を固形分として合計5重量%〜20重量%、酸を固形分として5〜20重量%となるように水、含水有機溶媒または有機溶媒に前記3成分を混合して、ガレート型カテキン、動物性タンパク質含有液を得る工程(A)、
工程(A)で得られたガレート型カテキン、動物性タンパク質含有液を水、含水有機溶媒または有機溶媒で希釈する工程(B)、
工程(B)で得られた希釈液を乾燥して、ナノ粒子を得る工程(C)
で得られることを特徴とするナノ粒子の製造方法、
〔2〕前記乾燥が、加熱減圧乾燥、凍結乾燥または噴霧乾燥である前記〔1〕記載のナノ粒子の製造方法、
〔3〕前記ナノ粒子の平均粒子径が10〜200nmである前記〔1〕または〔2〕記載のナノ粒子の製造方法
に関する。
本発明で得られるナノ粒子は、ガレート型カテキンおよび乳清タンパク質という天然物由来の原料からなり安全である。さらにナノ粒子は生体への吸収性が優れていることは公知しかも素材であるガレート型カテキンおよび乳清タンパク質には優れた機能性があることとナノ粒子は生体への吸収性が優れていることは公知の事実であり、これらに素材に由来する優れた健康機能性が期待されるものである。
本発明で作製するナノ粒子の平均粒子径は、10〜200nmであり、分散安定性および体内へ吸収性の観点から、好ましくは50〜200nmである。
前記ナノ粒子の平均粒子径は、後述の実施例に記載のように、ゼータ電位・ナノ粒子径測定システム(ベックマン・コールター株式会社製、「DelsaMax PRO」)にて測定することができる。
本発明でいう吸収性とは、摂取もしくは塗布したときに機能性成分が体内に入ることを言う。
以下、工程(A)〜工程(C)を説明する。
(工程(A))
本工程では、ガレート型カテキンを固形分として5〜20重量%、乳清タンパク質またはその分解物からなる動物性タンパク質を固形分として合計5〜20重量%、酸を固形分として5〜20重量%となるように水、含水有機溶媒もしくは有機溶媒に前記3成分を混合してガレート型カテキン、動物性タンパク質含有液(以下、ナノ粒子前液と記載)を得る。
具体的には、ガレート型カテキンと動物性タンパク質と酸とを、水または含水有機溶媒または有機溶媒に溶解または分散させて、ガレート型カテキンおよび動物性タンパク質を含有する溶液または分散液を作製する。
本発明で用いるガレート型カテキンとしては、エピガロカテキンガレート(EGCg)、エピカテキンガレート(ECg)、ガロカテキンガレート(GCg)、カテキンガレート(Cgが挙げられる。前記ガレート型カテキンは、非重合体でも重合体でもよく、それらを混合しても、単独で使用してもよい。効率的な粒子形成の観点よりEGCgおよび/またはECgを含有することが好ましい。また、ガレート型カテキンを含む組成物も使用することができ、例えば、前記ガレート型カテキンを含む茶抽出物やコーヒー抽出物等が挙げられる。また、ナノ粒子の作製を効率よく行う面から、ガレート型カテキンを含む組成物中のガレート型カテキン量が20重量%以上のものが好ましく、30重量%以上のものがより好ましく、60重量%以上のものがさらに好ましい。
本発明で用いる動物性タンパク質は、ガレート型カテキンとコアセルベートを形成可能な乳清タンパク質およびその分解物などが挙げられる。また、乳清タンパク質は精製物であってもよいし、乳清タンパク質を含む粗製物であってもよい。好ましくは、乳より精製されたアルブミンおよびカゼインが挙げられる。これらの動物性タンパク質は、単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。またタンパク質は乳化されていてもよい。前記乳化には、食品用乳化剤を用いればよい。
本発明に用いる酸は、ナノ粒子の使用用途に応じて、使用可能な酸を選択すればよい。例えば、クエン酸、アスコルビン酸、グルコン酸、カルボン酸、酒石酸、コハク酸、酢酸またはフタル酸、トリフルオロ酢酸のような有機酸、塩酸、過塩素酸、炭酸のような無機酸、または緩衝液などで調整することが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記3成分を溶解または分散するための溶媒として使用する水としては、純水、蒸留水、水道水、市販の飲料水などが挙げられるが特に限定はない。
前記溶媒として使用する有機溶媒としては、水と混和するものであればよく、特に限定はない。また、得られたナノ粒子の使用用途に適した溶媒を選択することが好ましく、例えば、食品用途に適した溶媒としては、グリセリン、プロピレングリコール、エタノール等が挙げられ、医薬品用途に適した溶媒としては、上記に加えてメタノール、アセトン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
また、前記溶媒として使用する含水有機溶媒とは、前記有機溶媒と水との混合溶媒をいう。なお、含水有機溶媒中の有機溶媒と水との比率については特に限定はない。
前記溶媒に前記ガレート型カテキンと動物性タンパク質と酸とを混合する手段としては、例えば、前記ガレート型カテキンと、前記2種の動物性タンパク質と、酸とを、前記溶媒に溶解または分散させることが挙げられる。
前記のようにナノ粒子前液を作製する際は、前記の原料を粉末状態で混合してから溶解もしくは分散させてもよいし、各原料の溶液もしくは分散液を作製してから混合してもよい。また、前記溶解または分散させる際には、ガレート型カテキンと動物性タンパク質と酸との溶解性の観点から、前記溶媒の温度を20〜90℃に調整しておくことが好ましいが、溶解もしくは分散すれば特に限定はない。
前記ナノ粒子前液のガレート型カテキンの固形分値は、平均粒子径10〜200nmのナノ粒子を効率的に作製する観点から、5〜20重量%であり、10〜20重量%であることが好ましい。
前記ナノ粒子前液中の動物性タンパク質の固形分値は、平均粒子径10〜200nmのナノ粒子を効率的に作製する観点から、合計5〜20重量%であり、合計10〜20重量%であることが好ましい。
前記ナノ粒子前液中の酸の固形分値は平均粒子径10〜200nmのナノ粒子を効率的に作製する観点から、5〜20重量%であり、10〜20重量%であることが好ましい。
また、本工程では、平均粒子径10〜200nmのナノ粒子を効率よく得る観点から、前記ナノ粒子前液中のガレート型カテキンの固形分と動物性タンパク質の固形分の重量比(動物性タンパク質/ガレート型カテキン)が0.07〜8.0となるように調整することが好ましい。
ガレート型カテキンと動物性タンパク質の重量比(動物性タンパク質/ガレート型カテキン)が8.0を超える場合、200nm以下のナノ粒子が一部生成されるが、平均粒子径としては200nmを超える。また、前記ガレート型カテキンと動物性タンパク質の重量比が0.07未満でも同様である。
また、前記ナノ粒子前液のpHは、1.0〜8.0に調整することが好ましい。pHが1.0より低すぎるとナノ粒子が溶解してしまったり、粒子径が大きくなったりする。このように低いpHでナノ粒子の粒子径を調整した報告はほとんどない。一方、pHが8.0より高いと、一時的に粒子を形成するが、凝集、沈殿が生じやすい。また、pH8.0を超えるとガレート型カテキンの安定性が減少するため効率的なナノ粒子を形成させることができない。前記ナノ粒子前液のpHは1.5〜6.0がより好ましく、1.5〜4.0がより好ましい。
なお、前記ナノ粒子前液のpHを調整するには、例えば、予めガレート型カテキン含有溶液または分散液と、動物性タンパク質含有溶液または膨潤液とを作製し、これらの液のpHを酸を用いて調整してもよい。このように予めpHを調整することで、ガレート型カテキン含有溶液または分散液と、動物性タンパク質含有溶液を混合するだけでも、得られるナノ粒子前液のpHを1.0〜8.0の範囲に調整することができる。また、ガレート型カテキン、動物性タンパク質を粉体混合する場合、この粉体混合物中に前記pH調整用の酸等を混合し、その後に溶媒を混合してナノ粒子前液を作製してもよい。
前記のようにpHを1.0〜8.0の範囲に調整したナノ粒子前液中において、ガレート型カテキンと動物性タンパク質とがコアセルベートを好適に形成しやすい状態になる。
本工程において、前記3成分と溶媒とを混合する際の温度等の条件については、成分の大幅な変化等が生じず、均一に混合可能な条件であればよく、使用する成分に適した温度であればよい。例えば、ゼラチンであれば低温であると溶液の粘度が上昇し、濃度が数%以上等と高い場合、均一に混合することが困難となることから、50℃以上であることが好ましい。さらに、高温の場合、成分の変化が起こりやすくなるため、50〜100℃がより好ましく、さらに好ましくは50〜90℃がよい。
本工程で得られる前記ナノ粒子前液中は、前記ガレート型カテキンと動物性タンパク質とが作用してナノ粒子が形成されやすい状態だが、濃縮等のために、限外濾過、透析等を施してもよい。透析をすれば、余剰な素材を排除することができる。限外濾過膜としては、例えば、ペンシル型UF膜(旭化成社製)、透析膜としてはSnakeSkin(ピアス社製)が挙げられる。これら以外にもナノ粒子を失わずに限外ろ過および透析ができれば特に限定はない。
(工程(B))
本工程では、前記工程(A)で作製した前記ナノ粒子前液を、水、含水有機溶媒または有機溶媒を用いて希釈する。このように前記ナノ粒子前液を希釈することで、ナノ粒子が形成され、且つ得られたナノ粒子の凝集が抑制される。また、後述の乾燥時にも所望の平均粒子径を保ったままナノ粒子を乾燥しやすいという利点がある。
本工程における前記ナノ粒子前液の希釈方法は、均一に混合可能であればよく、前記混合方法としては攪拌しながら添加する方法、ホモジナイズしながら添加する方法等が使用可能であるが、特に限定はない。
希釈の程度としては、例えば、得られたナノ粒子前液の5〜100倍量の溶媒を混合すればよい。
また、得られた希釈液には、安定剤として、アラビアガム、ペクチン、大豆多糖類、CMC(カルボキシメチルセルロース)、カゼインナトリウムなどを混合してもよい。また、乳化剤として、ショ糖脂肪酸エステル等を混合してもよい。また、ナノ粒子の形成安定剤として、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、テトラポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウムなどのリン酸塩、トランスグルタミナーゼなどの酵素系タンパク質結合剤を混合することができる。前記安定剤、乳化剤、形成安定剤などの含有量には、特に限定はなく、希釈液中のナノ粒子が10〜200nmであればよい。
本工程において、希釈する際の温度等の条件については、成分の大幅な変化等が生じず、均一に混合可能な条件であればよく、使用する成分に適した温度であればよい。例えば、ゼラチンであれば低温であると溶液の粘度が上昇し、濃度が数%以上等と高い場合、均一に混合することが困難となることから、50℃以上であることが好ましい。さらに、高温の場合、成分の変化が起こりやすくなるため、50〜100℃がより好ましく、さらに好ましくは、50〜90℃がよい。
本工程で得られる希釈液は、濃縮したり、精製したりするために、限外濾過、透析等を施してもよい。透析をすれば、粒子化していない成分を分離しやすい。限外濾過膜としては例えばペンシル型UF膜(旭化成社製)、透析膜としてはSnakeSkin(ピアス社製)が挙げられる。これ以外にもナノ粒子を失わずに限外ろ過および透析ができれば特に限定はない。
(工程(C))
本工程では前記工程(B)で得られた希釈液を乾燥させて固体状のナノ粒子を得る。本工程において、前記工程(B)で得られた希釈液中に形成されているナノ粒子に乾燥処理をさらに施すことで、物性の安定した固体状のナノ粒子を作製することができる。
前記乾燥方法としては、加熱減圧乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥などが挙げられる。
前記加熱減圧乾燥とは、加熱装置内を減圧させて沸点を下げることで、乾燥の促進を図り、少ないエネルギーで蒸発・乾燥させる方法をいう。前記凍結乾燥とは、まず凍結を行い、次いで真空中で、凍結した乾燥物の沸点を下げて、乾燥物の水分を昇華させて乾燥させる方法をいう。また、前記噴霧乾燥とは、液体を気体中に噴霧して急速に乾燥させ、乾燥粉体を製造する方法をいう。
前記乾燥方法は、いずれも、公知の乾燥装置を用いて行えばよい。
前記乾燥時における温度条件としては、各乾燥方法に準じて適当な温度範囲に設定すればよいが、例えば、加熱減圧乾燥では20〜100℃、凍結乾燥では20〜60℃、噴霧乾燥では出口温度を50〜100℃に調整することが挙げられるが、特に限定はない。
また、前記ナノ粒子は、ナノ粒子の安定性が向上していることから、食品、医薬品、医薬部外品、化粧品などに配合することで、ガレート型カテキン、動物性タンパク質などの複数の生理活性物質の生体利用性を向上させることができる。
例えば、前記ナノ粒子を食品に利用可能な条件(具体的には、食品に利用可能な溶媒等を用いた場合)で作製した場合は、飲食品に配合してもよい。飲食品としては特に限定されず、例えば、飲料、アルコール飲料、ゼリー、菓子、機能性食品、健康食品、健康志向食品等が挙げられる。保存性、携帯性、摂取の容易さ等を考慮すると、菓子類が好ましく、菓子類の中でも、ハードキャンディ、ソフトキャンディ、グミキャンディ、タブレット、チューイングガム等が好ましい。
前記ナノ粒子を飲食品に配合する場合、ナノ粒子の飲食品における含有量は、その生理活性効果が期待できる量であればよい。通常1日あたり10〜10000mg、より好ましくは100〜3000mg摂取できるように配合量を決定することが好ましい。例えば、固形状食品の場合には5〜50重量%、飲料等の液状食品の場合には0.01〜10重量%が好ましい。
また、前記ナノ粒子は、非ヒト動物、例えば、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サル、チンパンジー等の哺乳類、鳥類、両生類、爬虫類等の治療剤または飼料に配合してもよい。飼料としては、例えばヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ニワトリ等に用いる家畜用飼料、ウサギ、ラット、マウス等に用いる小動物用飼料、ウナギ、タイ、ハマチ、エビ等に用いる魚介類用飼料、イヌ、ネコ、小鳥、リス等に用いるペットフードが挙げられる。
前記ナノ粒子は医薬品に配合してもよい。前記医薬品としては、散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、細粒剤、顆粒剤等の固形製剤、水剤、懸濁剤、乳剤等の液剤、ゲル剤等が挙げられる。錠剤、丸剤、顆粒剤、顆粒を含有するカプセル剤の顆粒は、必要により、ショ糖等の糖類、マルチトール等の糖アルコールで糖衣を施したり、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等でコーティングを施したりすることもできる。または胃溶性若しくは腸溶性物質のフィルムで被覆してもよい。また、製剤の溶解性を向上させるために、公知の可溶化処理を施すこともできる。常法に基づいて、注射剤、点滴剤に配合して使用してもよい。
前記ナノ粒子を医薬用途で使用する場合、例えば、その摂取量は、所望の改善、治療または予防効果が得られるような量であれば特に制限されず、通常その態様、患者の年齢、性別、体質その他の条件、疾患の種類並びにその程度等に応じて適宜選択される。1日当たり約0.1mg〜1,000mg程度とするのがよく、これを1日に1〜4回に分けて摂取することができる。
前記ナノ粒子は医薬部外品に配合してもよい。前記医薬部外品としては、口腔に用いられる医薬部外品、例えば、歯磨き、マウスウオッシュ、マウスリンスや、感染症予防等を目的とした滋養強壮系ドリンク剤等が挙げられる。
前記ナノ粒子を医薬部外品に添加する場合には、該医薬部外品中に、通常0.001〜30重量%添加するのが好ましい。
前記ナノ粒子は化粧品に配合してもよい。前記化粧品としては、ローション、乳液、クリーム、パック剤、仕上げ化粧品、頭髪用化粧品、洗顔剤、浴剤、制汗剤等が挙げられる。これらの化粧品では、抗酸化効果から美容効果が期待され、抗菌効果から防菌の目的で利用することができる。
また、前記ナノ粒子を化粧品として使用する場合には、化粧品中に0.1ppm〜2000ppmの濃度となるようにするのが好ましい。
次に、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はかかる実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1:ナノ粒子粉末の作製)
乳清タンパク質(商品名:エンラクトSAT、製)1g、緑茶抽出物(ガレート型カテキン64%)1.8g、クエン酸2gを粉体で混合し、これに蒸留水5.2gを添加して80℃で加温しながらホモジナイザーにて均一化させてナノ粒子前液(pH2.0)10gを得た(工程(A))。
ナノ粒子前液10gを5倍量の10%エタノール溶液にて希釈した。さらに10倍量の0.4重量%大豆多糖類(商品名:SM−1200、三栄源社製)溶液でこれを希釈し、等倍量の0.2重量%リン酸塩で希釈してナノ粒子含有液とした(工程(B))。
前記ナノ粒子含有液を、噴霧乾燥機(東京理科社製)を用いて噴霧乾燥し、ナノ粒子粉末10gを得た(工程(C))。
なお、噴霧乾燥の条件としては、入口温度180℃、出口温度90℃、乾燥空気量0.4m/min、噴霧圧力50kPa、流速400mL/hとした。
得られたナノ粒子粉末を再度水に分散させ、ゼータ電位・ナノ粒子径測定システム(ベックマン・コールター株式会社製、「DelsaMax PRO」)を用いて平均粒子径を測定した。結果を表1に示す。
また、前記工程(A)でナノ粒子前液を作製する際に、ガレート型カテキンと乳清タンパク質との含有量を表1に示すように変えた以外は、実施例1(サンプル3)と同様にしてナノ粒子を作製し、これらのナノ粒子についても平均粒子径を測定した。これらの結果を表1に示す。なお、実施例1での前記ガレート型カテキンの含有量は11.5重量%、前記乳清タンパク質の含有量は10重量%および酸の含有量は10重量%である。
Figure 2016159207
前記表1中、「沈殿」とは工程(B)でナノ粒子が凝集して沈殿したことを示す。
表1に示すように、工程(A)でナノ粒子前液中のガレート型カテキンの含有量を5〜20重量%、乳清タンパク質の含有量を5〜20重量%に調整することで、得られるナノ粒子の平均粒子径が200nm以下になり、乾燥工程を経てたものを再分散させても沈殿や粒子径の増大は認められなくなった(サンプル2〜4、7、8)。
一方、ガレート型カテキンの含有量が20重量%を超えたり(サンプル1)、乳清タンパク質の含有量が5重量%未満(サンプル9)であったりした場合、ナノ粒子が凝集して沈殿することがわかる。また、ガレート型カテキンの含有量が5重量%未満であったり(サンプル5)、ゼラチンの含有量が20重量%を超えたりした場合(サンプル6)、ナノ粒子の平均粒子径が200nmを超えることがわかる。

Claims (3)

  1. ガレート型カテキンを固形分として5〜20重量%、乳清タンパク質またはその分解物からなる動物性タンパク質を固形分として合計5〜20重量%、酸を固形分として5〜20重量%となるように水、含水有機溶媒または有機溶媒に前記3成分を混合して、ガレート型カテキン、動物性タンパク質含有液を得る工程(A)、
    工程(A)で得られたガレート型カテキン、動物性タンパク質含有液を水、含水有機溶媒または有機溶媒で希釈する工程(B)、
    工程(B)で得られた希釈液を乾燥して、ナノ粒子を得る工程(C)
    で得られることを特徴とするナノ粒子の製造方法。
  2. 前記乾燥が、加熱減圧乾燥、凍結乾燥または噴霧乾燥である請求項1記載のナノ粒子の製造方法。
  3. 前記ナノ粒子の平均粒子径が10〜200nmである請求項1または2記載のナノ粒子の製造方法。
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