JP6627380B2 - アスコルビン酸もしくはアスコルビン酸誘導体の浸透性を向上させたナノ粒子分散液 - Google Patents

アスコルビン酸もしくはアスコルビン酸誘導体の浸透性を向上させたナノ粒子分散液 Download PDF

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本発明は、少なくとも水分子を取り込むことができる1種以上のタンパク質とアスコルビン酸もしくはその誘導体を構成成分とするナノ粒子が大部分を水からなる水溶液中に分散していることを特徴とするナノ粒子分散液であって、迅速にアスコルビン酸もしくはその誘導体が生体膜を浸透しうることを特徴とするナノ粒子分散液に関するものであり、本発明は本発明者らが先に提案した迅速に生体膜を浸透しうるナノ粒子分散液の用途に関するものである。
本発明者らは、先に迅速に生体膜を浸透するナノ粒子含有分散液を提案した。即ち、少なくとも水分子を取り込むことが出来る1種以上のタンパク質を構成成分とするナノ粒子の大部分を水からなる水溶液中に分散していることを特徴とするナノ粒子分散液であって、該ナノ粒子の内圧が10atmを超え、そのことによって迅速に生体膜を浸透しうることを特徴とするナノ粒子分散液である(特許文献1)。
このようなナノ粒子による物質輸送技術は近年のナノ粒子化の技術分野において研究され、幅広い利用が期待されている。特に、医薬品、化粧品分野において活発に検討がなされ、多くの報告が出されている。
特に進んで研究されてきたのは医薬品分野であり、ナノ粒子化により、医薬品成分を目的の臓器や組織に提供するためのドラッグデリバリーシステム(DDS)として注目が集まっている。例えば、ガン組織において、血管新生が盛んであることから血管に間隙ができ、その間隙のサイズを利用したDDSなどにナノ粒子の利用が考えられてきた。これにより、医薬品成分を安定に効率的に運搬するだけでなく、副作用の軽減も可能となりうる。医薬品分野のDDSには例えば、リポソーム、ポリエチレングリコールなどの基材が検討されている(非特許文献1)。この抗ガン剤としての利用に適したナノ粒子のサイズは100〜200nmとされ、このサイズでの開発が活発であった。
アスコルビン酸およびその誘導体は皮膚のメラニン産生抑制効果を有する有益な成分である(非特許文献2)。しかし、水溶性のアスコルビン酸は皮膚に対して浸透力が低いことが課題として挙げられ、その改善策として様々な誘導体化が試みられている。リン酸−L−アスコルビン酸などがその例である(非特許文献3)。これら誘導体化によって浸透性および機能性の向上が認められている。即ち、アスコルビン酸の場合、皮膚に存在するメラニン産生細胞(メラノーマ細胞)に効率的にアスコルビン酸を提供すること、酸化されやすいアスコルビン酸が酸化されずにメラノーマ細胞に到達させること、この2点がその機能性を発揮する上で重要な要素となる。
このような技術的目標に対して、誘導体とは別にナノ粒子化による技術の開発も進められている。
これまでに、例えば、ナノ粒子の製造方法(特許文献2、3、4)が報告されており、また、シリカ、ナノクレイ、リポソーム、白金ナノ粒子なども報告されている(非特許文献4)。特許文献1の場合、キトサンを酸で溶解後に冷却する方法によってナノ粒子が得られており、その粒子径は800nm〜3100nmである。また特許文献2の場合、マイクロ流路を通過させることで100nm以下の粒子が形成されている。特許文献3はキトサンとタンニンを混合することでナノ粒子が得られている。
アスコルビン酸に関するナノ粒子の中でリポソームを用いたものがある(特許文献5、6、7)。特許文献5の場合、アスコルビン酸を含有したリポソームであり、保湿性は言われているものの、アスコルビン酸機能に関する言及はない。特許文献6の場合、アスコルビン酸誘導体を均一に配合させることが目的であり、やはり機能性に関する言及はない。特許文献7ではアスコルビン酸誘導体をリポソームに含有させることで、その浸透性と美白効果高めたものであるとされている。
このようなナノ粒子製造方法が報告されている中で、本発明者らはこれまでガレート型カテキンとタンパク質を用いたナノ粒子の簡便な製造方法について報告している(特許文献8、9、10)。この発明では、ガレート型カテキンとゼラチン、乳清タンパク質、またはこれらの分解物を規定の濃度とpHで混合することで平均粒子径200nm以下のナノ粒子が形成されている。さらにその製造方法を検討することにより、機能性成分を効率的に担持されたナノ粒子の開発にも成功している(特許文献11)。
以上のように、ナノ粒子の製造方法は種々あるものの、用途は広範囲にわたるもので予想され、その拡大に向けてさらなる検討が必要である。
特願2015−152644号 特許第05564200号公報 特開2009−090160号公報 米国特許第8,642,088号明細書 特開2003−002824号公報 特開2013−209320号公報 特許第05177338号公報 特願2014−160745号 特願2014−160749号 特願2014−223433号 特願2014−266838号 特願2015−093448号
Drug Delivery System 26−1,2011 J.INVEST.DERMATOL.,132,p2112−2115(2012) JAAD.,34(1)p29−33,(1996) 厚生労働省「ナノマテリアルの安全対策に関する検討会報告書」(平成21年3月31日)5−6頁
したがって、本発明は、ナノ粒子を形成する新たな構成成分の組み合わせを検討した結果、新しい構成成分としてアスコルビン酸もしくはその誘導体を使用し、かつ、その浸透性を向上させたナノ粒子分散液を提供することを目的とする。
本発明者らは、これまでにガレート型カテキンとタンパク質の組み合わせにおいて、所定の濃度およびpH下で混合するだけで、ナノ粒子を形成できる画期的な方法を見出してきた(特許文献8、9、10)。これらの製造方法は作業性やコストが大幅に低減される方法であり、この製造方法によってナノ粒子を作製できる新たな組み合わせを鋭意検討してきた。また本発明者らはタンパク質とガレート型カテキンを用いてビタミンを安定化させたナノ粒子も報告してきた(特許文献12)。そして、驚くべきことに、これらナノ粒子の特性を検証していくなかで、ガレート基を有する化合物とタンパク質とアスコルビン酸もしくはその誘導体の組み合わせにより得られたナノ粒子ではアスコルビン酸もしくはその誘導体の浸透性が向上されることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の要旨は、
〔1〕少なくとも水分子を取り込むことができるタンパク質であるコラーゲン、ゼラチンおよびこれらの分解物からなる群より選ばれる1種以上とアスコルビン酸もしくはその誘導体とガレート型カテキンとを構成成分とし、かつ平均粒子径が10〜300nmであるナノ粒子が、含水溶媒に分散しているナノ粒子分散液、
〔2〕アスコルビン酸もしくはアスコルビン酸誘導体の浸透性を向上させた〔1〕記載のナノ粒子分散液
〔3〕前記タンパク質の含有量が0.01〜1重量%、前記ガレート型カテキンの含有量が0.01〜2重量%、アスコルビン酸もしくはその誘導体の含有量が0.01〜1重量%である、〔1〕または〔2〕記載のナノ粒子分散液
に関する。
本発明のナノ粒子分散液は、タンパク質およびガレート基を有する化合物およびアスコルビン酸もしくはその誘導体からなり、アスコルビン酸もしくはその誘導体の浸透性を向上させることができる。本発明で検討している浸透性とは皮膚への浸透性である。アスコルビン酸もしくはその誘導体は皮膚のメラニン産生抑制効果を有することは公知の事実である。したがって、本発明のナノ粒子分散液は美容分野における使用用途が期待される。
図1は、実施例2において行った浸透性評価の結果を示すグラフである。
本発明のナノ粒子分散液は、少なくともタンパク質、ガレート基を有する化合物、アスコルビン酸もしくはその誘導体を構成成分とし、かつ平均粒子径が10〜300nmであるナノ粒子が、含水溶媒に分散しているナノ粒子分散液である。
前記ナノ粒子の平均粒子径は、10〜300nmであり、分散安定性および体内へ吸収性の観点から、好ましくは50〜200nmである。
前記ナノ粒子の平均粒子径は、後述の実施例に記載のように、ゼータ電位・ナノ粒子径測定システム(ベックマン・コールター株式会社製、「DelsaMax PRO」)にて測定することができる。
本発明では、タンパク質をナノ粒子の基材として使用する。タンパク質としては例えば、ゼラチン、コラーゲンおよびそれら分解物が挙げられる。ゼラチンの由来は、牛、豚、魚、ニワトリ等が挙げられる。また遺伝子組み換えゼラチンも使用できる。なお、牛骨または豚骨由来のゼラチンは、300nm以下の粒子が一部形成されるものの、凝集および沈殿が起こり、ナノ粒子の安定性が低いため、本発明では使用することが難しい。ただし、牛骨または豚骨由来のタンパク質が含まれている動物性タンパク質であっても、平均粒子径300nm以下の粒子が形成されれば、特に限定はなく使用することができる。
コラーゲンとしては、前記ゼラチンを酵素などで分解したものが挙げられ、コラーゲンペプチドも含まれる。
前記ゼラチンまたはコラーゲンの分解物としては、コラーゲンやコラーゲンペプチド以外の分解物が含まれる。
本発明では、前記ゼラチン、コラーゲンまたはこれらの分解物のいずれかを単独で使用してもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
さらにタンパク質の例として、乳清タンパク質およびその精製物および分解物が挙げられる。乳清タンパク質は精製物であってもよいし、乳清タンパク質を含む粗製物であってもよい。好ましくは、乳より精製されたアルブミンおよびカゼインが挙げられる。これらの動物性タンパク質は、単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。またタンパク質は乳化されていてもよい。前記乳化には、食品用乳化剤を用いればよい。
本発明ではガレート基を有する化合物をナノ粒子の基材として使用する。ガレート基を有する化合物としては、ガレート型カテキン、タンニン酸およびこれらの誘導体が挙げられる。また、没食子酸はガレート基に相当する構造を有する化合物であるが、これも使用することができる。また没食子酸の誘導体についても同様に使用することができる。
前記ガレート型カテキンとしては、エピガロカテキンガレート(EGCg)、エピカテキンガレート(ECg)、カテキンガレート(Cg)、ガロカテキンガレート(GCg)等が揚げられる。これらは天然由来もしくは合成物いずれでもよい。また天然由来のものとしては、茶抽出物等のガレート型カテキンを有する抽出物もしくはそれらを精製した精製物であってもよい。抽出物の場合、ナノ粒子形成の観点よりガレート型カテキンが10%以上含有しているものが好ましい。但し、ガレート型カテキンの含有量が10重量%以下であっても、10〜300nmの平均粒子径を形成させることができるものであればよい。
前記タンニン酸は天然由来もしくは合成物いずれでもよい。また天然由来のものとしては、五倍子、没食子、茶、オーク樹皮等の抽出物もしくはそれらを精製した精製物であってもよい。抽出物の場合、ナノ粒子形成の観点よりタンニン酸が10%以上含有しているものが好ましい。ただし、タンニン酸の含有量が10重量%以下であっても、10〜300nmの平均粒子径を形成させることができるものであればよい。
前記没食子酸としては天然由来もしくは合成物いずれでもよい。また天然由来のものとしては、五倍子、没食子、茶、オーク樹皮等の抽出物もしくはそれらを精製した精製物であってもよい。抽出物の場合、ナノ粒子形成の観点よりタンニン酸が10%以上含有しているものが好ましい。但し、没食子酸の含有量が10重量%以下であっても、10〜300nmの平均粒子径を形成させることが出来るものであればよい。
これらガレート基を有する化合物は、単独で使用してもよいし、組み合わせて使用してもよい。
前記ナノ粒子の基材として使用するアスコルビン酸としては、アスコルビン酸もしくはその誘導体が挙げられる。アスコルビン酸誘導体としては、脂質修飾、リン酸修飾等様々な形態が存在するが、ナノ粒子に担持されるものであれば利用可能である。例えば、アスコルビン酸塩、L−アスコルビン酸2−グルコシド、リン酸−L−アスコルビン酸、アスコルビン酸−2−リン酸−6−パルミチン酸、カプリリル−2−グリセリルアスコルビン酸などが挙げられる。アスコルビン酸もしくはその誘導体がナノ粒子に担持されていることは、アスコルビン酸もしくはその誘導体を含むナノ粒子を透析もしくは限外ろ過に供し、回収されたナノ粒子中からアスコルビン酸もしくはその誘導体を抽出・分析することで評価可能である。
本発明では、前記タンパク質、ガレート基を有する化合物、アスコルビン酸もしくはその誘導体を、含水溶媒に混合して、混合溶液中で前記ナノ粒子を形成させて、ナノ粒子分散液を作製する。
例えば、前記タンパク質、ガレート基を有する化合物、アスコルビン酸もしくはその誘導体の3成分は、含水溶媒に溶解もしくは分散させて混合してもよいし、粉末で混合してから含水溶媒に溶解させてもよい。
なお、ナノ粒子が形成していることは、前記ゼータ電位・ナノ粒子径測定システム(ベックマン・コールター株式会社製、「DelsaMax PRO」)にて測定することで確認することができる。また、各成分の濃度が高い場合には、前記混合溶液中が白濁していることを目視で確認することができる。
前記ナノ粒子中の前記タンパク質、ガレート基を有する化合物、アスコルビン酸もしくはその誘導体の含有量としては、ナノ粒子が形成できればよく、特に限定はない。
例えば、前記混合溶液中のタンパク質の含有量を0.01〜1重量%、ガレート基を有する化合物の含有量を0.01〜2重量%、アスコルビン酸もしくはその誘導体の含有量を0.01〜1重量%に調整することで効率よく目的のナノ粒子を得ることができる。
前記溶媒としては、純水、蒸留水、水道水、市販の飲料水などの水が挙げられる。また、前記水とともに、水と混和できる有機溶媒などを使用してもよい。但し、過度の金属イオンを含有する水は粒子の安定性上、好ましくない。前記有機溶媒としては、例えば、安全性の観点から、グリセリン、プロピレングリコール、エタノール、ブチレングリコール等が挙げられるが、種類および水との混合比率については特に限定はない。
なお、本発明において、「含水溶媒」における水の含有量としては、50重量%以上であればよく、90重量%以上であればより好ましい。
前記混合溶液中でナノ粒子を作製する際の温度は20〜90℃が好ましく、より好ましくは20〜60℃である。
また、ナノ粒子を作製する際の前記混合溶液のpHは、好ましくは、pH8未満であり、より好ましくは、pH3〜6である。pHが8以上ではナノ粒子形成が不安定になるため好ましくない。
また、本発明のナノ粒子分散液において、前記ナノ粒子が含水溶媒に分散していることは、目視で固形物が観察されないことで確認することができる。
前記混合溶液中で形成されたナノ粒子は濃縮したり、精製したりするために、限外濾過、透析等を施してもよい。透析をすれば、粒子化していない成分を分離しやすい。限外濾過膜としては例えばペンシル型UF膜(旭化成社製)、透析膜としてはSnakeSkin(ピアス社製)が挙げられる。これ以外にもナノ粒子を失わずに限外ろ過および透析ができれば特に限定はない。
得られたアスコルビン酸もしくはその誘導体を含有するナノ粒子分散液は、前記ナノ粒子の皮膚への浸透性が高いことから美容分野における利用が期待される。また、医薬品もしくは医薬部外品として利用可能なアスコルビン酸誘導体を使用すれば、医薬品。医薬部外品として利用することも可能である。
次に、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はかかる実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1:ナノ粒子分散液の作製)
ゼラチン(商品名:G微粉、新田ゼラチン社製)1gを蒸留水899gに添加し、60℃で加温して溶解させた。溶解させたゼラチン溶液は60℃で保温した。カテキン(品名:サンフェノンEGCg、ガレート型カテキン98%、太陽化学社製)1.8gおよびL−アスコルビン酸2−グルコシド(品名:アスコフレッシュ 林原社製)1gを蒸留水97.2gに溶解させた(以下、カテキンVC溶液と記載)。
カテキンVC溶液全量をゼラチン溶液に均一になるように撹拌・混合し、pH4.2、25℃に調整してナノ粒子分散液とした(本発明品)。
なお、ナノ粒子分散液中にナノ粒子が分散していることは、目視で固形物が見られないことにより確認した。
(比較品)
L−アスコルビン酸2−グルコシド1gを蒸留水999gに溶解させたものを比較品とした。
本発明品および比較品について、ゼータ電位・ナノ粒子径測定システム(ベックマン・コールター株式会社製、「DelsaMax PRO」)にて平均粒子径を測定したところ、本発明品のナノ粒子の平均粒子径は60nmであった。
また、本発明品を透析に供し、回収されたナノ粒子中からL−アスコルビン酸2−グルコシドを含水メタノールを用いて抽出・分析したところ、透析内液よりL−アスコルビン酸2−グルコシドが検出されたことから、本発明品のナノ粒子はL−アスコルビン酸2−グルコシドを構成成分として担持していることがわかった。
(実施例2:浸透性評価)
実施例1で作製した本発明品の浸透性評価のためにフランツセル(キーストン社製)を用いた経皮吸収試験を行った。
フランツセルに人口膜として「Strat−M Membrane」(ミリポア社製)をセットし、下層に蒸留水を満たした。下層の蒸留水を攪拌しながら37℃に維持して膜上層に本発明品もしくは比較品を1mL加えて試験を開始した。0時間、1時間、2時間で下層の蒸留水を採取し、HPLCにてL−アスコルビン酸2−グルコシドを分析し、その面積値を算出した。得られた結果を図1に示す。
図1に示すように、アスコルビン酸誘導体を含有するナノ粒子分散液(本発明品)は、ナノ粒子を形成していない比較品に比べて、1時間および2時間後のいずれの時点でも、アスコルビン酸誘導体の浸透性が良好であることから、アスコルビン酸誘導体の浸透性が向上していることが分かる。
したがって、本発明品であるアスコルビン酸誘導体含有ナノ粒子分散液は、アスコルビン酸誘導体の体内への浸透性を向上させるものとして有用であることが分かる。
また、前記L−アスコルビン酸2−グルコシドをアスコルビン酸やアスコルビン酸塩などの他のアスコルビン酸誘導体に変えた以外は、実施例1と同様にしてナノ粒子分散液を作製した場合、得られたナノ粒子分散液はいずれも、前記本発明品と同様に、ナノ粒子を形成していない場合と比べてアスコルビン酸や他のアスコルビン酸誘導体の浸透性が向上していた。


Claims (3)

  1. 少なくとも水分子を取り込むことができるタンパク質であるコラーゲン、ゼラチンおよびこれらの分解物からなる群より選ばれる1種以上とアスコルビン酸もしくはその誘導体とガレート型カテキンとを構成成分とし、かつ平均粒子径が10〜300nmであるナノ粒子が、含水溶媒に分散しているナノ粒子分散液。
  2. アスコルビン酸もしくはアスコルビン酸誘導体の浸透性を向上させた請求項1記載のナノ粒子分散液。
  3. 前記タンパク質の含有量が0.01〜1重量%、前記ガレート型カテキンの含有量が0.01〜2重量%、アスコルビン酸もしくはその誘導体の含有量が0.01〜1重量%である、請求項1または2に記載のナノ粒子分散液。
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