JP2011219397A - ピロロキノリンキノンを含むリポソーム - Google Patents

ピロロキノリンキノンを含むリポソーム Download PDF

Info

Publication number
JP2011219397A
JP2011219397A JP2010088727A JP2010088727A JP2011219397A JP 2011219397 A JP2011219397 A JP 2011219397A JP 2010088727 A JP2010088727 A JP 2010088727A JP 2010088727 A JP2010088727 A JP 2010088727A JP 2011219397 A JP2011219397 A JP 2011219397A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liposome
solution
pqq
pyrroloquinoline quinone
lecithin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010088727A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5672751B2 (ja
Inventor
Kazuto Ikemoto
一人 池本
Masahiko Nakano
昌彦 中野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Gas Chemical Co Inc filed Critical Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority to JP2010088727A priority Critical patent/JP5672751B2/ja
Publication of JP2011219397A publication Critical patent/JP2011219397A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5672751B2 publication Critical patent/JP5672751B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)

Abstract

【課題】ピロロキノリンキノンのフリー体及び/又は塩を含むリポソーム組成物、および該リポソームを含有する溶液の製造方法の提供。
【解決手段】下記式で表されるピロロキノリンキノンのフリー体及び/又は塩を含むリポソーム組成物、および
ピロロキノリンキノンのフリー体及び/又は塩とリポソームとをpHが1〜8で、60〜190℃で加温する工程を含む該リポソームを含有する溶液の製造方法。該リポソームは、リン脂質及び/又は糖脂質を用いて調製された溶液であり、該リン脂質としては、レシチンであることが好ましい。

【選択図】なし

Description

本発明で取り扱うピロロキノリンキノン(以下PQQと記す)は式1で表される構造の物質で、このフリー体又は塩を含むリポソームの技術に関する。
PQQは新しいビタミンの可能性があることが提案されており(例えば、非特許文献1参照)、健康補助食品、化粧品などに有用な物質として注目を集めている。さらには細菌に限らず、真核生物のカビ、酵母に存在し、補酵素として重要な働きを行っている。また、PQQについて近年までに細胞の増殖促進作用、抗白内障作用、肝臓疾患予防治療作用、創傷治癒作用、抗アレルギ−作用、逆転写酵素阻害作用およびグリオキサラ−ゼI阻害作用−制癌作用など多くの生理活性が明らかにされている。
このPQQは、有機化学的合成法(非特許文献2)または発酵法(特許文献1)などの方法により得たPQQをクロマトグラフィーに供し、流出液中のPQQ区分を濃縮して、晶析により結晶化し(特許文献2)、乾燥して得ることができる。
このPQQは栄養機能を強化した食品として使用することが期待されるが、酸性条件下では化学的に安定であるが、アルカリ条件下では分解しやすい。また、カルボニル化合物との反応性も有している。さらには強酸性では析出しやすい。そのため、pHの変化等に対応できる方法が求められている。また、吸収性を上げ、ピロロキノリンキノンの機能を向上させる方法も求められている。
リポソームとは通常はリン脂質からなる脂質の膜でできたカプセル構造のことをいい、中に水相が閉じこめられている。リン脂質の分子は松葉のような形をしていて、頭の部分が親水性、葉のように見える部分が疎水性という2つの性質を併せ持っているので、水に放たれると親水性の部分が水と引きつけあい、リポソームを形成する。リポソームは、水溶性の成分をその親水性の部分に、油溶性の成分をその疎水性の部分に閉じこめることができる。リポソームは、薬剤を投与する方法として主に医学の分野で注目されており、吸収性の向上や分散性の向上、安定性の向上の利点が一般的に知られ、経口、皮膚に塗布する用途で広く使用されている。そのためPQQを含むリポソームが求められている。
さらにはPQQは脳機能改善が期待されているが、同様の機能を有するポスファチジルコリンやポスファチジルセリン(非特許文献4)との同時摂取が期待されており、リン脂質成分としてこれらはリポソーム原料に含まれることから、ピロロキノリンキノンのフリー体又は塩を含有するリポソームの提供とそれにより機能性が向上した組成物、その製造方法が求められている。
これまで、PQQを電子メディエーターとして使用し、酵素をリポソームとして固定する燃料電池は開発されている(特許文献3)。また、S-ニトロシル化化合物を哺乳類に投与するための組成物として提案されているが、具体的な例はなく、製造方法についても記載がない(特許文献4)。リン脂質はそのままでは粘度が高く、リポソームにするにはクロロホルムのような溶剤に溶かし、フラスコ内部に液膜を形成して超音波で分散する方法が一般的であるが、この方法は生産性が低く、また、溶剤が残留する危険性がある。このように、具体的な溶液として提供する方法やそのための製造方法は知られていない。
特開平1−218597号公報 特許第2072284号公報 特表2006−508519号公報 特表2001−518096号公報
nature,vol422, 24April,2003, p832 JACS、第103巻、第5599〜5600頁(1981) JACS、第111巻、第6822〜6828頁(1989) ファインケミカル、第34巻、No.11, 第30-41頁(2005)
本発明の課題は、ピロロキノリンキノンのフリー体及び/又は塩を含むリポソームを提供することと効率的な製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、ピロロキノリンキノンの性質とリポソーム化の条件を鋭意検討した結果以下の方法により解決できることを見出した。
(1) 下記式(1);
で表されるピロロキノリンキノンのフリー体及び/又は塩を含むリポソーム組成物。
(2)ピロロキノリンキノンのフリー体及び/又は塩とリポソームとをpHが1から8で、60℃から190℃で加温する工程を含むことを特徴とするリポソーム組成物を含む溶液の製造方法。
本発明により、ピロロキノリンキノンのフリー体及び/又は塩を含む安定性の高いリポソームを効率的に製造することを可能とする。
リポソーム粒子径 透析後のリポソーム粒子径 糖を添加したリポソームの粒子径 凍結融解処理した後のリポソーム粒子径 水素添加大豆リン脂質を用いた場合のリポソーム粒子径 吸収性試験の結果
本発明で使用するPQQはフリー体、アルカリ金属塩であればよく特に限定されない。特に入手しやすい、フリー体、ジナトリム体、ジカリウム体が使用しやすい。
本発明に用いるリポソームは、リン脂質又は糖脂質を単独または混合して用いて調製される。生体に含まれるリン脂質の主成分にホスファチジルコリンがあり、レシチンとも呼ばれ、卵黄レシチン、大豆レシチン、精製大豆レシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、スフィンゴミエリン、ジセチルリン酸、ステアリルアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、ホスファチジルイノシトールアミン、カルジオリピン、セラミドホスホリルエタノールアミン、セラミドホスホリルグリセロール、およびこれらの混合物等の物質が使用できる。本発明には市販のホスファチジルコリンを用いることができる。例えば、日油製COATSOME NC-21(水素添加大豆リン脂質、PC含量90%以上)、日光ケミカルズ製NIKKOL レシノール S-10EX(水素添加大豆リン脂質、PC含量95%以上)を用いることができる。
糖脂質としてはジガラクトシルジグリセリド、ガラクトシルジグリセリド硫酸エステル、ガラクトシルセラミド、ガラクトシルセラミド硫酸エルテル、ラクトシルセラミド、ガングリオシドG7、ガングリオシドG6、ガングリオシドG4、ジガラクトシルセラミド、およびこれらの混合物を用いることができる。
基剤にステロールを添加してもよい。添加量は、リン脂質あるいは糖脂質に対して1/5重量が好ましい量の上限であり、1/10重量が更に好ましい。ステロールとしては、コレステロールが最も好ましいが、その他のステロールを使用してもよい。
リポソーム組成物は、一般的な定法により製造することが可能であり、例えば、レシチンを有機溶剤、例えば、クロロホルムに溶解し、ロータリーエバポレーターで溶媒を留去し、フラスコの壁面に付着した脂質のフィルムにPQQ溶液を加えて製造することができる。しかし、この方法では操作が複雑で、毒性のある有機溶媒が残留する危険性があるうえに、そのための分析も必要になるために費用がかかるため、最適とは言えない。
より好ましくはPQQを0.0001〜2重量%に最終濃度になるように溶解した水溶液に、必要に応じステロール、多価アルコール、pH調整剤を加え、60〜190℃に加温し、ホモジナイザーにより分散することにより製造できる。ホモジナイザーを使用することで高い生産性で作ることが可能である。ここでPQQの上限濃度は溶解度の限度であり、これより高いと析出しやすく、下限濃度より低いとピロロキノリンキノンの機能が期待できない。
PQQはアルカリ性では安定性が低いため、pHは8以下が好ましく、より好ましくは2から6である。8よりpHが高い場合はPQQが分解する。酸性にするのは安定性の面では問題がないが、溶解性が下がるために高含有にするのが困難になる。
本発明のリポソームの大きさは0.05から100μmであることを特徴とする。リポソームの大きさはその機能性に応じて使い分けることができる。より好ましくはレシチンを使用し、PQQの重量濃度が0.01から1重量%であり、pHが2から6であり、大きさが0.05から100μmのリポソーム溶液である。PQQの重量濃度がこれより低い場合は適切な効果を出せず、また、濃度が高い場合は温度を上げても溶解できないため、均一な溶液を作ることができない。また、pHがアルカリ性になるとPQQの分解が生じやすくなる。また、強酸性化ではPQQの溶解度が低く、リポソーム内の水層に維持できる濃度が低くなる。リポソームの大きさは容易に形成できる範囲である。0.05μmより小さいリポソームの形成は難しく、また、100μmよりも大きなリポソームも形成困難である。また、大きなリポソームは吸収性等の面では効果が小さいことが予想できる。
高圧乳化機も使用することができる。高圧乳化機としてはプライミクス製 薄膜旋回型高速ホモミキサー(T.Kフィルミックス)、マイクロフルイディックス製 超高圧ホモジナイザー(マイクロフルイダイザー)、エム・テクニック製 内部せん断力型ミキサー(クレアミックス)、吉田機械興業製 湿式メディアレス微粒化装置(ナノマイザー)等を用いることができる。
リポソームを形成した後に、透析、凍結融解、フィルター濾過、凍結乾燥、遠心分離等の処理を施すことでリポソームの精製やサイズのコントロールを行うことができる。
次にこれらの操作について説明する。透析処理はリポソームが大きな分子集合体であるため限外濾過膜を通過できないことを利用する方法で、リポソーム内の水層だけを利用する溶液を作ることができる。PQQの場合、低分子であるため使用する限外濾過膜も低分子量を通す膜であればよく、一般的な膜であればよい。浸透圧をできるだけ合わせた溶液で透析することが望ましいが、浸透圧が異なる液を使用して積極的にこの効果を利用してサイズを変えることもできる。
凍結融解はリポソーム溶液を冷却して凍らせ、次に溶解することでリポソーム外部にある物質の取り込み、この相変化に伴うサイズの変更を行う。この時にはポリオール類、例えばグリセリン、ソルビトール、キシリトール、ショ糖等を加えることでリポソーム脂質の分離を起こさず、操作を行うことができる。フィルター濾過は滅菌やサイズを一定にするために行う。凍結乾燥は粉体化やリポソームへの取り込みのために行う操作で、凍結に耐えうる組成にしなければならない。遠心分離は比重差を利用するもので濃縮等に使用できる。
本発明のリポソーム組成物を調製する際に、本発明の効果を損なわない範囲で他のステロール、ポリオキシエチレンステロールエーテル、多価アルコール、pH調整剤、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、油剤、保湿剤、水溶性高分子、抗酸化剤、紫外線吸収剤、キレート剤、防腐剤、抗菌剤、着色剤、香料等を配合することができる。また、コエンザイムQ10、アスコルビン酸誘導体、トコフェロール、アラキドン酸、DHA、レチノール誘導体等のビタミン類やイチョウエキス、カンカエキス等の植物抽出液等を配合したリポソームにすることもできる。
本発明のリポソーム組成物は、リポソームが分散した水溶液、水中油型乳化組成物、油中水型乳化組成物、多重乳化組成物、多層状剤のいずれでもよい。こうして調製される溶液には、更に、薬剤学的に許容されている他の製剤素材を常法により適宜添加混合してもよい。添加しうる製剤素材としては特に限定されず、例えば、乳化剤、緊張化剤、緩衝剤、溶解補助剤、矯臭剤、防腐剤、安定化剤、抗酸化剤などが挙げられる。
本発明による溶液組成物の保存方法としては、特に限定されず、低温保存、密閉容器による嫌気的保存、遮光保存などを用いることができる。こうして調製される本発明の溶液は、冷蔵あるいは室温で保存した際に、析出物なく安定に保存できる。
以下に実施例及び調製例を揚げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例および調製例のみに限定されるものではない。大豆レシチンはJUNSEI、ピロロキノリンキノンジナトリウム(PQQ―Na2)は三菱ガス化学、その他はWAKOの試薬を使用した。
実施例1
リポソーム溶液の作製
3g/L PQQ―Na2水溶液100gに大豆レシチン3.0g加えた。この時のpHは3.5であった。約80℃に加温しながら、NISSEI AM-3ホモジナイザーで30分7000回転、室温に下げ10分処理した。処理後、蒸発減少した水分を追加した。均一な溶液で3週間以上安定であった。
PQQ濃度測定
上記のリポソーム溶液を等量のジメチルスルホキシドを加え、下記の溶離液で希釈してPQQ濃度を測定した。測定は島津製作所、高速液体クロマトグラフィー、LC-20Aで、カラムはYMC-Pack ODS-TMS(5μm)、150x4.6mm I.D.を40℃で溶離液100mM CH3COOH/100mM CH3COONH4(30/70, pH5.1)を1.5mL/minで260nm検出した。その結果、PQQの濃度変化は観測されず、本発明の条件で作ることが出来たPQQ含有リポソームは、濃度低下は起きなかった。
リポソーム粒子径測定
リポソーム粒子径は細胞や生体への吸収性、安定性において重要な因子である。そこで作成した粒子径を測定した。
SEISHIN LMS−350を使用して、水に分散して粒度分布を求めた。この装置では0.1μmが検出下限である。図1に結果を示す。縦軸は体積換算での割合を示す。体積換算で正規分布50% 0.6μmで粒子径を累積したグラフの百分率での90%の粒子径であるx90が2.0μmであった。PQQの濃度を維持した安定なリポソームを製造することができた。
実施例2
リポソーム溶液の透析
実施例1のリポソーム溶液では、リポソーム内部の水溶液と外側の水溶液にPQQが存在する。そこで内部だけに存在させるために透析を行った。
透析キットSlide-A-Lyzer Dialysis Cassetes (Thermo)に約3ml加え、水で透析をおこなった。3日間室温で行った後、溶液を回収すると6mlに増加していた。溶液は赤から黄色の濁った液に変化した。これをDMSOでリポソームを壊しPQQ濃度を実施例1と同様に分析した結果、0.23g/LのPQQになっていた。元の溶液から85%が透析されていた。残りが内部であると考えられる。さらにリポソームの粒子径を実施例1と同様に測定した。図2に結果を示す。浸透圧差があるために粒子径が大きくなっていた。
実施例3
3g/L PQQ−Na2水溶液100gにソルビトール5g、大豆レシチン3.4g加えた。この時のpHは3.5であった。約80℃に加温しながら、NISSEI AM-3ホモジナイザーで30分7000回転、室温に下げ10分処理した。処理後、蒸発減少した水分を追加した。均一な溶液で3週間以上安定であった。リポソームの粒子径を実施例1と同様に測定した。結果を図3に示す。正規分布50% 0.6μmでx90が2.0μmであった。
実施例4
凍結融解処理
実施例3で得られたリポソーム溶液を−20℃に冷却して凍結し、それを室温で融解した。この操作を3回繰り返した。リポソームの粒子径を実施例1と同様に測定した。結果を図4に示す。正規分布50% 2.8μmでx90が4.5μmであった。凍結融解によりリポソームの粒子径が大きくなった。
実施例5
3g/L PQQ−Na2水溶液100gにCOATSOME NC-21(水素添加大豆リン脂質)3.0g加えた。この時のpHは3.5であった。約80℃に加温しながら、NISSEI AM-3ホモジナイザーで30分7000回転、室温に下げ10分処理した。処理後、蒸発減少した水分を追加した。リポソームの粒子径を実施例1と同様に測定した。結果を図5に示す。正規分布50% 3.8μmでx90が6.8μmであった。レシチンの種類を変えることで大きさを変えることができた。
実施例6
3g/L PQQ−Na2水溶液100gに卵黄レシチン3.0g加えた。この時のpHは3.5であった。約80℃に加温しながら、NISSEI AM-3ホモジナイザーで30分7000回転、室温に下げ10分処理した。処理後、蒸発減少した水分を追加した。リポソーム溶液を作成することができた。
実施例7
3g/L PQQ−Na2水溶液100gに大豆レシチン3.0g加え、コエンザイムQ10(三菱ガス化学)を0.06g加えた。この時のpHは3.5であった。約80℃に加温しながら、NISSEI AM-3ホモジナイザーで30分7000回転、室温に下げ10分処理した。処理後、蒸発減少した水分を追加した。リポソーム溶液を作成することができた。
実施例8
実施例3で作製した溶液10mlをステンレス製バットに加え、−80℃で凍結した。これを凍結乾燥器で乾燥を1晩行い、粉末を得た。
実施例9 混合試験
日油製PS50−ホスファチジルセリン50重量%含有粉末(澱粉含有)1.2gと実施例1の溶液2gを混合した。粉末は均一な分散であった。
比較例1
3g/L PQQ−Na2水溶液100gに大豆レシチン3.0g加えた。この時のpHは3.5であった。室温でNISSEI AM-3ホモジナイザーで30分7000回転処理した。処理後、蒸発減少した水分を追加した。全体に均一にならず沈殿物が存在した。
比較例2
3g/L PQQ−Na2水溶液100gに水酸化カリウム溶液を加えpHを10以上にした。30℃で一晩放置した後、PQQは60%になっており、リポソーム形成前に分解した。
比較例3
水100gに大豆レシチン3.0g加え約80℃に加温しながら、NISSEI AM-3ホモジナイザーで30分7000回転、室温に下げ10分処理した。処理後、蒸発減少した水分を追加した。PQQを含まないリポソームを作成した。
比較例4
3g/L PQQ−Na2水溶液100gに濃塩酸を加えpHを0.8にした。PQQは析出し、溶液は透明になった。PQQは溶解していないため、リポソーム形成してもリポソーム内に取り込めない。
吸収性試験
PQQは培養動物細胞に対して非常に高濃度にすると細胞の増殖を抑える。これを利用してリポソーム化により動物細胞を使用して細胞吸収がどのように変化するかを試験した。
実施例10
チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO-DHFR)をα‐MEM+10%牛胎児血清の培地で5%CO2, 37℃で培養してした。イワキ製96穴プレート使用し、1個の穴に6500個の細胞になるように100μlの培地とともに加え、一晩培養した。培養液を抜き、所定の試験濃度の培地を加えた。1日培養後、培地を入れ替え同仁化学 WSTアッセイキットを使用して1時間反応させ、450nmの吸光度を測定した。この時の吸光度は細胞数に比例する。
試験サンプルは、PQQジナトリウム、大豆レシチン-PQQリポソーム(実施例1)と、大豆レシチンリポソーム(比較例3)を用いた。これらのサンプルを培地で希釈して試験した。各サンプル2回行い平均化した。
試験濃度は500, 250, 125, 62, 31, 16, 8, 4, 2, 1, 0.5 0μMで行った。
全細胞数が無添加と比較して10%少なくなる添加量はPQQジナトリウムでは500μM, 実施例1のリポソーム溶液では31μMであった。比較例3のリポソーム単独の場合は、細胞濃度の急激な低下はなかった。リポソーム化により16倍吸収性が上がっていると考えられる。図6にPQQを添加しない時の細胞濃度の平均を100とした各条件での濃度をグラフに示す。
本発明の溶液は、医療用、化粧用、食品用、園芸用、酪農用など広い範囲で使用できる。より具体的な形態としては、注射剤、輸液、液剤、点眼剤、内服用液剤、ローション剤、ヘヤートニック、化粧用乳液、スプレー液、エアロゾル、ドリンク液、液体肥料、保存用溶液などが挙げられる。

Claims (10)

  1. 下記式(1);
    で表されるピロロキノリンキノンのフリー体及び/又は塩を含むリポソーム組成物。
  2. 請求項1記載のリポソーム組成物を含み、ピロロキノリンキノンの濃度が0.0001〜2重量%であり、pHが8以下である溶液。
  3. リポソームがリン脂質及び/又は糖脂質を用いて調製されたものである請求項2記載の溶液。
  4. リン脂質がレシチンである請求項3記載の溶液。
  5. レシチンが大豆レシチンまたは卵黄レシチンである請求項4記載の溶液。
  6. リポソームの大きさが0.05から100μmであることを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載の溶液。
  7. ピロロキノリンキノンの重量濃度が0.01から1重量%であり、pHが2から6である請求項1記載のレシチンからできたリポソーム組成物を含む溶液。
  8. 請求項2から7のいずれかに記載の溶液を乾燥した粉末。
  9. ピロロキノリンキノンのフリー体及び/又は塩とリポソームとをpHが1から8で、60℃から190℃で加温する工程を含むことを特徴とする溶液の製造方法。
  10. ホモジナイザーを使用して分散させる工程を含むことを特徴とする請求項9記載の製造方法。
JP2010088727A 2010-04-07 2010-04-07 ピロロキノリンキノンを含むリポソーム Active JP5672751B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010088727A JP5672751B2 (ja) 2010-04-07 2010-04-07 ピロロキノリンキノンを含むリポソーム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010088727A JP5672751B2 (ja) 2010-04-07 2010-04-07 ピロロキノリンキノンを含むリポソーム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011219397A true JP2011219397A (ja) 2011-11-04
JP5672751B2 JP5672751B2 (ja) 2015-02-18

Family

ID=45036836

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010088727A Active JP5672751B2 (ja) 2010-04-07 2010-04-07 ピロロキノリンキノンを含むリポソーム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5672751B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012211129A (ja) * 2011-03-23 2012-11-01 Rohto Pharmaceutical Co Ltd 外用組成物
JP2012224625A (ja) * 2011-04-07 2012-11-15 Rohto Pharmaceutical Co Ltd 外用組成物
WO2012157721A1 (ja) * 2011-05-17 2012-11-22 三菱瓦斯化学株式会社 ピロロキノリンキノンと糖を含むリポソーム
FR2999425A1 (fr) * 2012-12-19 2014-06-20 Lucas Meyer Cosmetics Composition cosmetique a base de liposomes
JP2014185090A (ja) * 2013-03-22 2014-10-02 Kyoto Univ リポソーム−エキソソームハイブリッドベシクル及びその調製法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004010924A2 (en) * 2002-04-04 2004-02-05 Children's Medical Center Corporation Pyrroloquinoline quinone drugs as a neuroprotectant and methods of use thereof
JP2005530786A (ja) * 2002-05-15 2005-10-13 シーエルエフ メディカル テクノロジー アクセラレーション プログラム インコーポレイテッド 心損傷の処置のためのピロロキノリンキノンおよびその使用方法
WO2007095175A2 (en) * 2006-02-15 2007-08-23 Massachusetts Institute Of Technology Thermo-responsive materials
WO2012157721A1 (ja) * 2011-05-17 2012-11-22 三菱瓦斯化学株式会社 ピロロキノリンキノンと糖を含むリポソーム

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004010924A2 (en) * 2002-04-04 2004-02-05 Children's Medical Center Corporation Pyrroloquinoline quinone drugs as a neuroprotectant and methods of use thereof
JP2005530786A (ja) * 2002-05-15 2005-10-13 シーエルエフ メディカル テクノロジー アクセラレーション プログラム インコーポレイテッド 心損傷の処置のためのピロロキノリンキノンおよびその使用方法
WO2007095175A2 (en) * 2006-02-15 2007-08-23 Massachusetts Institute Of Technology Thermo-responsive materials
WO2012157721A1 (ja) * 2011-05-17 2012-11-22 三菱瓦斯化学株式会社 ピロロキノリンキノンと糖を含むリポソーム

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6014014480; L.B.Zimmerman, et al., Analytical Biochemistry, Jun.2010, 401, pp182-187 *

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012211129A (ja) * 2011-03-23 2012-11-01 Rohto Pharmaceutical Co Ltd 外用組成物
JP2012224625A (ja) * 2011-04-07 2012-11-15 Rohto Pharmaceutical Co Ltd 外用組成物
JP2014198721A (ja) * 2011-04-07 2014-10-23 ロート製薬株式会社 外用組成物
JP2017025110A (ja) * 2011-04-07 2017-02-02 ロート製薬株式会社 外用組成物
WO2012157721A1 (ja) * 2011-05-17 2012-11-22 三菱瓦斯化学株式会社 ピロロキノリンキノンと糖を含むリポソーム
CN103533936A (zh) * 2011-05-17 2014-01-22 三菱瓦斯化学株式会社 含有吡咯并喹啉醌和糖的脂质体
CN103533936B (zh) * 2011-05-17 2016-01-13 三菱瓦斯化学株式会社 含有吡咯并喹啉醌和糖的脂质体
FR2999425A1 (fr) * 2012-12-19 2014-06-20 Lucas Meyer Cosmetics Composition cosmetique a base de liposomes
JP2014185090A (ja) * 2013-03-22 2014-10-02 Kyoto Univ リポソーム−エキソソームハイブリッドベシクル及びその調製法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5672751B2 (ja) 2015-02-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5929907B2 (ja) ピロロキノリンキノンと糖を含むリポソーム
AU2002255329B2 (en) Stable solution of reduced coenzyme Q
CN103494773B (zh) 一种zl006脂质体及其制备方法
JP5672751B2 (ja) ピロロキノリンキノンを含むリポソーム
EP1674081A1 (de) Herstellung von lipidbasierten Nanopartikeln unter Einsatz einer dualen asymmetrischen Zentrifuge
CN106361702B (zh) 一种硫酸或盐酸黄连素多囊脂质体及其制备方法
JP5803150B2 (ja) ピロロキノリンキノンーシクロデキストリン包接体
Esmaeili et al. Improved anti-inflammatory activity and minimum systemic absorption from topical gels of ibuprofen formulated by micelle or nanoemulsion
CN103816120B (zh) 含有维生素k1的脂肪乳剂
CN102670508B (zh) 一种稳定的脂质体及其制备方法
JP5988263B2 (ja) 複数の被内包リポソームを内包するリポソーム及びその製造方法
KR100768151B1 (ko) 에스터화 레시딘을 이용한 나노리포좀
Rakshit et al. Encapsulation of hydrolysable tannin from pomegranate peel in W/O/W double emulsion: In-vitro digestion, release kinetics, storage and physical stabilities
JPH035426A (ja) 安定な電解質含有レシチン分散液
AU2015207485A1 (en) Formulation of liposome rehydration salts
LU101863B1 (en) Nano-liposome simultaneously containing lutein and cordyceps militaris alcohol extract, and preparation method therefor
Nurleni et al. Formulation and penetration testing of ethosome azelaic acid on abdominal skin white male rats (Rattus norvegicus) with franz diffusion cell
Liang et al. Improving the Physicochemical Stability of Soy Phospholipid-Stabilized Emulsions Loaded with Lutein by the Addition of Sphingomyelin and Cholesterol: Inspired by a Milk Fat Globule Membrane
CN113521005A (zh) 一种用于递送白藜芦醇药物的纳米脂质颗粒载体及其制备方法和应用
KR101142866B1 (ko) 시라스 다공성 유리막을 이용한 리포좀의 제조 방법
JP2009161503A (ja) 乾燥リポソーム製剤
JP3249583B2 (ja) リポソーム製剤
CN110368362A (zh) 一种磷脂酰丝氨酸乳剂的制备方法
JP6627380B2 (ja) アスコルビン酸もしくはアスコルビン酸誘導体の浸透性を向上させたナノ粒子分散液
KR102565469B1 (ko) 비타민 c가 포집된 리포좀 및 이의 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20120119

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130301

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140408

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140609

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141202

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141215

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5672751

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151