JP2016082176A - 高保磁力磁石の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】拡散剤にDyやTbなどの水素化物を用いて、高い保磁力を発現するNd−Fe−B系磁石の粒界拡散方法を提供する。【解決手段】Nd−Fe−B系磁石に対し重希土類水素化物を塗布する工程と、第1の温度で加熱処理する第1拡散(前拡散)工程と、第1拡散工程の後に、第1の温度よりも高い第2の温度で加熱処理する第2拡散(本拡散)工程と、第2拡散工程の後に、第1の温度よりも低い第3の温度で加熱処理する時効熱処理工程と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、高保磁力磁石の製造方法に関する。詳しくは、Nd−Fe−B系磁石の粒界拡散方法に関する。
Nd−Fe−B系焼結磁石は、優れた磁気特性を有する磁石の1つであり、その磁気特性の更なる向上を目指して多くの検討がなされている。磁石の磁気特性を表す指標としては、一般に、残留磁束密度(Br)及び保磁力(HcJ)が用いられる。このうち、保磁力(HcJ)については、従来、Nd−Fe−B磁石に対してDyやTbを添加することで向上できることが知られている。
しかしながら、Nd−Fe−B系焼結磁石に対してDyやTbを添加すると、その磁石の飽和磁化が小さくなるため、添加量が多すぎる場合に残留磁束密度(Br)の低下を招き易いという問題があった。そこで、このような問題点を低減するために、DyやTbなどの中でもより安価である酸化物やフッ化物などの化合物を拡散剤として、Nd−Fe−B系焼結磁石の表面に塗布した後に、高温で熱処理を施す手法が開示されてきた。
一方、Nd−Fe−B系焼結磁石は、近年、その高い磁気特性から様々な用途への適用が図られており、例えば自動車用のモータなどに組み込まれるなど、高い温度条件で使用されることも少なくない。ところが、上記した拡散剤を磁石表面に塗布後、高温熱処理が施されたNd−Fe−B系焼結磁石は、高温条件で用いられた場合にその磁気特性が大きく低下し易いという問題があった。そこで、こうした問題点に対し、拡散剤にDyやTbなどの水素化物を用いるNd−Fe−B磁石の製造方法が記されている(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2008/120784号パンフレット
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、DyやTbなどと共に、水素が磁石内部に取り込まれるため、保磁力の増加が妨げられるという問題があった。
そこで、本発明は、拡散剤にDyやTbなどの水素化物を用いて、高い保磁力を発現することができるNd−Fe−B系磁石の粒界拡散方法を提供することを目的とする。
本発明のNd−Fe−B系磁石の粒界拡散方法は、Nd−Fe−B系磁石に対し重希土類水素化物を塗布する工程と、第1の温度で加熱処理する第1拡散工程と、第1拡散工程の後に、第1の温度よりも高い第2の温度で加熱処理する第2拡散工程と、第2拡散工程の後に、第1の温度よりも低い第3の温度で加熱処理する時効熱処理工程と、を有する。
本発明によれば、拡散剤にDyやTbなどの水素化物を用いて、高い保磁力を発現することができる。
本発明の新工法での熱処理パターンを示す図面である。 従来法での熱処理パターンを示す図面である。 実施例1〜3及び比較例1の各工程での各温度スケジュールで粒界改質を施したNd−Fe−B磁石の保磁力(Hcj)の値をプロットした図面である。 図4aは、表面磁石型同期モータ(SMPまたはSPMSM))のロータ構造を模式的に表す断面概略面である。図4bは、埋込磁石型同期モータ(IMPまたはIPMSM))のロータ構造を模式的に表す断面概略面である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本実施形態のNd−Fe−B系磁石の粒界拡散方法は、
Nd−Fe−B系磁石に対し重希土類水素化物を塗布する工程(希土類水素化物塗布工程)と、
第1の温度で加熱処理する第1拡散工程と、
第1拡散工程の後に第1の温度よりも高い第2の温度で加熱処理する第2拡散工程と、
第2拡散工程の後に第1の温度よりも低い第3の温度で加熱処理する時効熱処理工程と、を有するものである。ここで、希土類水素化物塗布工程に用いるNd−Fe−B系磁石を元磁石ともいい、本実施形態の粒界拡散方法で粒界改質が施されたNd−Fe−B系磁石を粒界改質磁石ともいう。本実施形態では、上記構成を有することにより、拡散剤にDyやTbなどの水素化物を用いて、高い保磁力を発現することができる(実施例の表1参照)。さらに、従来法では、DyやTbなどの拡散が磁石表面近傍の粒界相部のみに進行するため、保磁力の増加が小さいという問題もあった。上記構成を有する手法(新工法)では、以下の作用効果により、保磁力を効果的に増加させることができる。即ち、上記構成を有する新工法では、Nd−Fe−B磁石に対し、重希土類水素化物を塗布し、(減圧雰囲気で)加熱処理する際に、前拡散(第1拡散)と本拡散(第2拡散)の2段階拡散を施すことで、重希土類成分の磁石内部への拡散を促進させることができる。これによりNd−Fe−B系焼結磁石において、従来法のようにDyやTb等の拡散が磁石表面近傍の粒界相部のみに進行させることなく、NdFe14B主相を取り囲む結晶粒界相にDyやTbなどの重希土類元素を偏在させることができる。その結果、Nd−Fe−B系焼結磁石の残留磁束密度を最小限に抑制し保磁力を効果的に増加させることができる。この技術(新工法)を、磁石の粒界拡散方法ないし磁石の粒界改質法という。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
図1は、本発明の新工法での熱処理パターンを示す図面であり、図2は、従来法での熱処理パターンを示す図面である。従来法では、重希土類水素化物を塗布した後、図2に示すように、前拡散(第1拡散)を行わず、本拡散(第2拡散)の1段階拡散を行う(比較例1参照)。その後に、本拡散(第2拡散)の加熱処理温度(第2の温度)よりも低い温度(第3の温度)で加熱処理する時効熱処理工程を行うというものである。かかる方法では、上記したように、熱処理の1段階目で本拡散温度まで昇温させるため、DyやTbなどと同時に水素が磁石内部に取り込まれるため、保磁力の増加が妨げられてしまい、十分な保磁力が得られていなかった。さらに、熱処理の1段階目で本拡散温度まで昇温させるため、DyやTbなどの拡散が磁石表面近傍の粒界相部のみに進行することになり、ますます保磁力の増加が小さくなるという問題もあった。
こうした従来法に対し、本実施形態では、重希土類水素化物を塗布した後、図1に示すように、減圧雰囲気で熱処理(加熱処理)する際に、前拡散(第1拡散)と本拡散(第2拡散)の2段階拡散を行う(実施例1〜3参照)。その後に、前拡散(第1拡散)の加熱処理温度(第1の温度)よりも低い温度(第3の温度)で加熱処理する時効熱処理工程を行うというものである。かかる方法では、上記したように、前拡散(第1拡散)を取り入れることによって、(1)水素化物中に含まれる水素を放出し、水素の磁石内部への拡散を抑制することができる。この作用効果により、本拡散(第2拡散)のみの従来法より、より高保磁力を有する磁石を製造することができる。(2)拡散剤である重希土類水素化物として重希土類−M合金水素化物(Mは、Al、Fe、B、Cu、Co、Ni、Ti、Ca、Mn、Bi、Znから選択される少なくとも1種を含む)を用いた場合、金属元素MがNdリッチな粒界相の融点を低下させること(Nd−Mの共融点効果)によって、本拡散(第2拡散)時の重希土類成分の磁石内部への拡散を促進させることができる。こうした点からも、本拡散(第2拡散)のみの従来法より、より高保磁力を有する磁石を製造(粒界拡散)することができる。
以下、本実施形態の各工程につき順次説明する。
(1)重希土類水素化物塗布工程
重希土類水素化物塗布工程では、Nd−Fe−B系磁石(元磁石)に対し重希土類水素化物を塗布するものである。
(a)Nd−Fe−B系磁石(元磁石)の種類
重希土類水素化物塗布工程に用いることのできるNd−Fe−B系磁石(元磁石)としては、特に制限されるものではなく、従来公知のものを用いることができる。すなわち、希土類元素としてNd元素を必須元素として10〜20原子%含み、B元素を必須元素として1〜12原子%含み、且つ残部がFe元素及び不可避的不純物である、Nd−Fe−B系の組成を有する磁石が好ましい。このような希土類磁石は、必要に応じて、Pr、Dy、Tbなどの希土類元素、さらに、Co、Ni、Mn、Al、Cu、Nb、Zr、Ti、W、Mo、V、Ga、Zn、Si等の他の元素を更に含む組成を有していてもよい。具体的には、例えば、NdFe14B、Nd(Fe1−xCo14B(ここで、xは好ましくは0≦x≦0.5である)、Nd15Fe77、Nd11.77Fe82.355.88、Nd1.1Fe、NdFe10、(Nd1−xDy15Fe77(ここで、xは、好ましくは0≦y≦0.4である)、(Nd1−xTb15Fe77(ここで、xは、好ましくは0≦y≦0.4である)、(Nd0.75Zr0.25)(Fe0.7Co0.3)N(ここで、xは好ましくは1〜6である)、NdFe17、Nd15(Fe1−xCo77Al、Nd15(Fe0.80Co0.2077−yAl(ここで、yは好ましくは0≦y≦5である)、(Nd0.95Dy0.0515Fe77.5Al0.5、(Nd0.95Tb0.0515Fe77.5Al0.5、(Nd0.95Dy0.0515(Fe0.95Co0.0577.56.5Al0.5Cu0.2、(Nd0.95Tb0.0515(Fe0.95Co0.0577.56.5Al0.5Cu0.2、NdFe8020、Nd4.5Fe73CoGaB18.5、Nd5.5Fe66CrCo18.5、Nd10Fe74Co10SiB、Nd3.5Fe7818.5、NdFe76.518.5、NdFe77.518.5、Nd4.5Fe7718.5、Nd3.5DyFe73CoGaB18.5、Nd3.5TbFe73CoGaB18.5、Nd4.5Fe72CrCo18.5、Nd4.5Fe73SiB18.5、Nd4.5Fe71CrCo18.5、Nd5.5Fe66CrCo18.5等の(焼結)磁石が挙げられるが、これらに何ら制限されるものではない。これらのNd−Fe−B系磁石は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。上記したように、重希土類水素化物塗布工程に用いることのできるNd−Fe−B系磁石には、Nd、Fe、B以外に他の元素を添加して成形(焼結)されたものも本発明の技術範囲に含まれるものである。添加してよい他の元素としては、例えば、Ga、Al、Zr、Ti、Cr、V、Mo、W、Si、Re、Cu、Zn、Ca、Mn、Ni、C、La、Ce、Pr、Pm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Y、Th、MMなどが挙げられるが、これらに何ら制限されるものではない。これらは1種単独又は2種以上を併用して添加してもよい。これらの元素は、主にNd−Fe−B系磁石を構成する希土類磁石相の相構造の一部と置換されるか、挿入されるなどして導入されるものである。
(b)Nd−Fe−B系磁石(元磁石)の製造から本工程の実施について
Nd−Fe−B系磁石(元磁石)は、市販品を用いてもよいし、以下の製法により作製してもよい。
Nd−Fe−B系磁石(元磁石)の製造では、まず、所望の組成を有するNd−Fe−B系磁石が得られるような合金を準備する。例えば、Nd−Fe−B系磁石の組成に対応する金属等の元素を含む単体、合金や化合物等を、真空又はアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で、溶解した後、これを用いて鋳造法やストリップキャスト法等の合金製造プロセスを行うことによって所望の組成を有する合金を作製する。
合金としては、Nd−Fe−B系磁石における主相を構成する組成の合金(主相合金)と、粒界相を構成する組成の合金(粒界相合金)との2種類を使用することもできる。
ここで、本発明に適用されるNd−Fe−B系磁石としては、具体的には、希土類元素としてNdを必須元素とし、必要に応じてPr、Dy、Tb等を含む。またBを必須元素として1〜12原子%含み、且つ残部がFe(および不可避的不純物)であるNd−Fe−B系磁石の組成を有する。このようなNd−Fe−B系磁石は、必要に応じて、Co、Ni、Mn、Al、Cu、Nb、Zr、Ti、W、Mo、V、Ga、Zn、Si等の他の元素を更に含む組成を有していてもよい。
次に、得られた合金を粗粉砕して、数百μm程度の粒径を有する粒子とする。合金の粗粉砕は、例えば、ジョークラッシャー、ブラウンミル、スタンプミル等の粗粉砕機を用いるか、または、合金に水素を吸蔵させた後、異なる相間の水素吸蔵量の相違に基づく自己崩壊的な粉砕を生じさせる(水素吸蔵粉砕)ことによって行うことができる。
続いて、粗粉砕により得られた粉末を更に微粉砕することで、好ましくは1〜10μm、より好ましくは2〜8μm、更に好ましくは3〜6μm程度の平均粒子径を有する元磁石の原料粉末(以下、単に「原料粉末」という)を得る。微粉砕は、粗粉砕された粉末に対し、粉砕時間等の条件を適宜調整しながら、ジェットミル、ボールミル、振動ミル、湿式アトライタ一等の微粉砕機を用いて更なる粉砕を行うことによって実施する。
ここで、上記原料粉末の平均粒子径は、例えば、SEM(走査型電子顕微鏡)観察、TEM(透過型電子顕微鏡)観察などにより粒度分析(測定)することができる。なお、原料粉末ないしその断面の中には、球状ないし円形状(断面形状)ではなく、縦横比(アスペクト比)が違う針状ないし棒状形状等の粒子や不定形状の粒子が含まれている場合もある。したがって、上記でいう原料粉末の平均粒子径は、粒子形状(ないしその断面形状)が一様でないことから、観察画像内の各粒子の切断面形状の絶対最大長の平均値で表すものとする。ここで、絶対最大長とは、粒子(ないしその断面形状)の輪郭線上の任意の2点間の距離のうち、最大の長さをとるものとする。但し、この他にも、例えば、X線回折における磁石粉末の回折ピークの半値幅より求められる結晶子径、または透過型電子顕微鏡像より得られる磁石粉末の粒子径の平均値を求めることにより得ることもできる。なお、他の平均粒子径の測定方法についても、同様にして求めることができる。
なお、合金の製造において主相合金と粒界相合金の2種類を調製した場合は、各合金に対して粗粉砕及び微粉砕をそれぞれ行い、これにより得られた2種類の微粉末を混合することによって原料粉末を調製してもよい。
次に、上述のようにして得られた原料粉末を、目的の形状に成形する。成形は、磁場を印加しながら行い、これにより原料粉末に所定の配向を生じさせる。成形は、例えば、プレス成形により行うことができる。具体的には、原料粉末を金型キャピティ内に充填した後、充填された粉末を上パンチと下パンチとの間で、挟むようにして加圧することによって、原料粉末を所定形状に成形することができる。成形によって得られる成形体の形状は特に制限されず、柱状、平板状、リング状等、所望とするNd−Fe−B系磁石(元磁石)の形状に応じて変更することができる。成形時の加圧は、0.5〜1.4ton/cmで行うことが好ましい。また、印加する磁場は、12〜20kOeとすることが好ましい。なお、成形方法としては、上記のように原料粉末をそのまま成形する乾式成形のほか、原料粉末を油等の溶媒に分散させたスラリーを成形する湿式成形を適用することもできる。
次いで、成形体に対して、例えば、真空中又は不活性ガスの存在下、1010〜1110℃で、2〜6時間で加熱する処理を行うことにより焼成を行う。これにより、原料粉末が液相焼結を生じ、主相の体積比率が向上した焼結体(Nd−Fe−B系磁石の元磁石))が得られる。
焼結体に対しては、適宜所望の大きさや形状に加工した後、例えば焼結体の表面を酸溶液によって処理する表面処理を行うことが好ましい。表面処理に用いる酸溶液としては、硝酸、塩酸等の水溶液と、アルコールとの混合溶液が好適である。この表面処理は、例えば、焼結体を酸溶液に浸潰したり、焼結体に酸溶液を噴霧したりすることによって行うことができる。
かかる表面処理によって、焼結体に付着していた汚れや酸化層等を除去して清浄な表面を得ることができ、後述する重希土類化合物の付着及び拡散が有利となる。汚れや酸化層等の除去を更に良好に行う観点からは、酸溶液に超音波を印加しながら表面処理を行ってもよい。
その後、本工程(重希土類水素化物塗布工程)を実施する。すなわち、表面処理が施された焼結体(元磁石)に対し重希土類水素化物を塗布するものである。詳しくは、表面処理が施された焼結体(元磁石)の表面に、重希土類元素を含む重希土類水素化物を塗布し、付着させる。なお、焼結体(元磁石)は、上記した理由から表面処理が施されたものが好ましいが、表面処理が施されていなくてもよい。ここで、重希土類元素とは、希土類元素のうちの原子番号が大きしものをいい、一般にGd(原子番号64)からLu(原子番号71)までの希土類元素がこれに該当する。焼結体(元磁石)に付着させる重希土類化合物の重希土類元素としては、Gd、Dy、Tb、Ho、Er、Yb、Lu等が好ましく、Dy又はTbが特に好適である。本実施形態では、重希土類元素の水素化物として、重希土類元素と他の金属元素M(Mは、Al、Fe、B、Cu、Co、Ni、Ti、Ca、Mn、Bi、Znから選択される少なくとも1種を含む)との合金の水素化物を用いることもできる。重希土類水素化物としては、具体的にはDyH、TbHのほか、重希土類−他の金属合金水素化物として、重希土類−Al合金水素化物(TbAl合金やDyAl合金の水素化物)、重希土類−Cu合金水素化物(TbCu合金やDyCu合金の水素化物)などが好ましい。これらの水素化物としては、例えばDyH等を用いることもできるが、保管による安定性や粒子を形成する際の安定性等に優れており、良好な作業性が得られることから、DyH、TbH、重希土類−Al合金水素化物が好ましい。特に粒界相に存在すると予測されるNdの成分量と重希土類合金水素化物中におけるAlの成分量との成分比由来による粒界相の融点低下の観点から、重希土類−Al合金水素化物であるTbAl合金の水素化物、またはDyAl合金の水素化物がより好ましい。
ここで、重希土類水素化物としては、例えば、次のような方法によって製造されたものを用いることができる。すなわち、重希土類元素金属に対し、水素雰囲気中において水素吸蔵を行うことで重希土類水素化物が得られる。ここで、室温で、水素吸蔵を行った場合は、生成する水素化物はRH(Rは重希土類元素)が主であり、一方、水素吸蔵を250〜500℃の高温で行った場合、RHが主に生成される水素化物となる。生成した水素化物は、X線回折による相の同定及びガス分析による水素含有量を測定する事によって確認することができる。
元磁石(焼結体)の表面に塗布し、付着させる重希土類水素化物は、粒子状であることが好ましく、その平均粒子径は100nm〜50μmであることが好ましい。さらに粒子状であることが好ましい重希土類水素化物の平均粒子径は、1〜10μmであることがより好ましく、1〜5μmであることが更に好ましく、1〜3μmであることが一層好ましい。重希土類水素化物の平均粒子径が100nm以上であれば、熱処理(第1拡散工程〜時効熱処理工程の加熱処理)により元磁石(焼結体)に拡散される重希土類水素化物の量が過度に多くなることもなく、得られるNd−Fe−B系磁石が十分なBrを発現できる。特に、用いるNd−Fe−B系焼結磁石材料においては磁化容易軸方向が磁化方向に配向されているので、残留磁化は飽和磁化の95%以上となり得ることから、得られるNd−Fe−B系磁石も優れた残留磁束密度(Br)を得ることができる。一方、50μm以下であれば、元磁石(焼結体)中への重希土類水素化物の拡散が生じ易くなることで、HcJの高い向上効果が得られる点で優れている。また特に、重希土類水素化物の平均粒子径が5μm以下であると、元磁石(焼結体)への重希土類水素化物の塗布による付着(作用)が有利(顕著)となり、より高いなHcJの向上効果が得られる点で特に優れている。
元磁石(焼結体)に重希土類水素化物を塗布して付着させる方法としては、例えば、重希土類水素化物の粒子をそのまま元磁石(焼結体)に吹き付ける方法、重希土類水素化物を溶媒に溶解した溶液を元磁石(焼結体)に塗布する方法、重希土類水素化物の粒子を溶媒に分散させたスラリーを元磁石(焼結体)に塗布する方法等が挙げられる。なかでも、スラリーを元磁石(焼結体)に塗布する方法が、重希土類水素化物を元磁石(焼結体)に均一に付着させることができ、しかも後工程の熱処理(第1拡散工程〜時効熱処理工程の加熱処理)での拡散が良好に生じることから好ましい。
スラリーに用いる溶媒としては、重希土類水素化物を溶解させずに均一に分散させ得るものが好ましく、例えば、アルコール、アルデヒド、ケトン等が挙げられ、なかでも炭素数1〜5程度の低級アルコールが好ましく、経済性や取扱性(安全性)、環境への負荷等の観点からエタノールがより好ましい。
スラリーを元磁石(焼結体)に塗布する場合、例えば、元磁石(焼結体)をスラリー中に浸漬させる方法や、スラリー中に元磁石(焼結体)を入れ、所定のメディアとともに撹持する方法が挙げられる。後者の方法としては、例えば、ボールミル法を適用できる。このようにメディアとともに撹枠させることで、元磁石(焼結体)に対する重希土類水素化物の塗布による付着をより確実に生じさせることができ、いったん付着した後の脱落等を低減して、重希土類水素化物の付着量を安定化することが可能となる。また、このような方法により、一度に大量の元磁石(焼結体)を処理することも可能となる。なお、元磁石(焼結体)の形状によっては、前者の浸漬による方法の方が塗布による付着に有利なこともあることから、実際には両方の方法を適宜選択して用いればよい。またその他、元磁石(焼結体)にスラリーを滴下することによって塗布を行うこともできる。
スラリーを用いる場合、スラリー中の重希土類水素化物の含有量は、5〜75質量%であると好ましく、10〜50質量%であるとより好ましく、10〜30質量%であると更に好ましい。スラリー中の重希土類水素化物の含有量が上記範囲内であれば、元磁石(焼結体)に重希土類水素化物が均一に付着しやすくなる点で優れており、十分な角形比が得られる点でも優れている。また、スラリー中の重希土類水素化物の含有量が75質量%以下であれば、元磁石(焼結体)の表面が荒れてしまうことなく、得られる磁石の耐食性を向上させるためのめっき等の形成が容易に行える点でも優れている。一方、スラリー中の重希土類水素化物の含有量が5質量%以上であれば、元磁石(焼結体)に対して重希土類水素化物の所望の塗布量が得られることから、目的とする特性向上が十分に得られる点で優れている。
なお、スラリー中には、必要に応じて重希土類水素化物以外の成分を更に含有させてもよい。スラリーに含有させてもよい他の成分としては、例えば、重希土類水素化物の粒子の凝集を防ぐための分散剤等が挙げられる。
上記のような方法により、元磁石(焼結体)に重希土類水素化物が付着するが、特に良好な磁気特性(特に高い保磁力)の向上効果を得る観点からは、かかる重希土類水素化物の付着量は、一定の範囲内であることが好ましい。具体的には、Nd−Fe−B系磁石の質量(元磁石(焼結体)と重希土類水素化物との合計質量)に対する重希土類水素化物の付着量(付着率;%)で、0.1〜3質量%であると好ましく、0.1〜2質量%であるとより好ましく、0.2〜1質量%であると更に好ましい。
元磁石(焼結体)に重希土類水素化物(含有スラリー等)を塗布して付着させる際の雰囲気としては、重希土類水素化物の酸化を防ぐため、通常、不活性ガス雰囲気で行うのが好ましいが、重希土類水素化物は耐酸化特性が改善されているため、必ずしも不活性ガス中で塗布を行う必要はなく、大気中で塗布を行っても良い。不活性ガス雰囲気としては、例えば、Nガス、Arガス、N+Arガスの混合ガスなどが挙げられるが、これらに何ら制限されるものではない。
(c)Nd−Fe−B系磁石(元磁石)の形状
Nd−Fe−B系磁石(元磁石)の形状は、特に制限されず使用目的(用途)に応じて、柱状、平板状、リング状などの形状にすることができる。詳しくは、上記した原料粉末の成形による成形体の形状を使用目的(用途)に応じた所望の形状とすることにより、所望の元磁石の形状を得ることができる(例えば、実施例では、四角柱状の形状)。
(d)Nd−Fe−B系磁石(元磁石)の大きさ
Nd−Fe−B系磁石(元磁石)の大きさも、上記形状と同様に、特に制限されず使用目的(用途)に応じて、適宜決定すればよい。
(e)Nd−Fe−B系磁石(元磁石)の磁性特性
Nd−Fe−B系磁石(元磁石)の磁性特性および寸法は、上記した製造方法などにより作製されたものであれば、特に規定する必要はなく、本発明の作用効果を有効に発現し得るものであれば、本発明に技術的範囲に含まれるものである。(実施例では信越化学工業製N46MHグレード:Br=1350mT、Hcj=1480kA/mを元磁石として使用)。
(2)第1拡散工程
第1拡散工程では、上記重希土類水素化物塗布工程に続いて、重希土類水素化物が付着した元磁石(焼結体)に対し、(減圧雰囲気で)第1の温度で加熱処理するものである。これにより、元磁石(焼結体)の表面に付着した重希土類水素化物の脱水素反応と重希土類元素の元磁石(焼結体)表面の粒界相への拡散が進行する。特に、従来法に比して、本工程の前拡散(第1拡散)を取り入れることによって、水素化物中に含まれる水素を放出し、水素の磁石内部への拡散を抑制することができる。かかる効果により、次工程の本拡散(第2拡散)のみの従来法より、より高い保磁力を有する磁石の製造(粒界拡散)を行うことができる。なお、熱処理(第1拡散工程〜時効熱処理工程の加熱処理)により、磁石表面から内部への重希土類成分の拡散が生じる。この際、重希土類成分は主に磁石を構成している主相(粒子)の境界に沿って拡散する。そのため、本実施形態の粒界拡散方法により得られる磁石においては、重希土類水素化物に由来するにDyやTbなどの重希土類成分が主相(粒子)(NdFe14B)を取り囲む結晶粒界相に偏在するようになる。これによって磁石の粒界改質がなされ、Nd−Fe−B系焼結磁石の残留磁束密度を最小限に抑制し、保磁力を効果的に増加させることができる。
(a)第1の温度
第1拡散工程での第1の温度としては、上記した水素化物中に含まれる水素を放出し、水素の磁石内部への拡散を抑制すること、更に重希土類水素化物として重希土類−M合金水素化物(Mは、Al、Fe、B、Cu、Co、Ni、Ti、Ca、Mn、Bi、Znから選択される少なくとも1種を含む)を用いた時に、Ndリッチな粒界相の融点をNd−Mの共融点効果によって十分に下げ、次工程時における重希土類元素の拡散を促進する観点から、600〜800℃が好ましく、より好ましくは650〜800℃、更に好ましくは700〜800℃の範囲である(図1参照)。なお、ここでいう第1の温度とは、図1に示すように、常温(室温:0〜50℃程度)から第1の温度(例えば、600〜800℃)に達するまでの第1の昇温期間は含まないものとする。本実施形態では、第1の温度は、例えば、図1に示すように、上記600〜800℃の範囲内で下記加熱処理時間中、一定温度に保持するようにしてもよい。あるいは、例えば、下記加熱処理時間内で、600℃で一定期間保持後、700℃に一定期間保持し、さらに800℃で一定期間保持するなど、上記600〜800℃の温度領域内で可変させてもよい。上記600〜800℃の温度領域内での可変の仕方は、特に制限されるものではなく、下記加熱処理時間内で、段階的または連続的に温度を高めるようにしてもよいし、段階的または連続的に温度を昇温と降温を組み合わせて行ってもよい。好ましくは、温度管理(操作)が容易であることから、上記600〜800℃の範囲内で下記加熱処理時間中、一定温度に保持するのが望ましい。
(b)第1の温度での加熱処理時間
第1拡散工程での第1の温度での加熱処理時間としては、上記した水素化物中に含まれる水素を放出し、水素の磁石内部への拡散を抑制する観点から、次工程の第2拡散工程の加熱処理時間よりも短いのが好ましく、具体的には1分〜10時間が好ましく、より好ましくは1分〜5時間、更に好ましくは1分〜1時間の範囲である。
(c)熱処理(第1拡散工程〜時効熱処理工程の加熱処理)中の圧力・雰囲気
熱処理(第1拡散工程〜時効熱処理工程の加熱処理)中は、減圧雰囲気で行うのが磁石内部への水素あるいは酸素などの不純物ガスの拡散抑制の観点から好ましい。減圧雰囲気としては、雰囲気ガスを不活性ガスで置換した後、好ましくは1×10−1Pa以下、より好ましくは1×10−3Pa以下、特に好ましくは1×10−5Pa以下の範囲が好ましい。不活性ガスとしては、例えば、Nガス、Arガス、N+Arガスの混合ガスなどが挙げられるが、これらに何ら制限されるものではない。
(3)第2拡散工程
第2拡散工程では、上記第1拡散工程に続いて、第1の温度で加熱処理した磁石に対し、第1拡散工程の後に、(減圧雰囲気で)上記第1の温度よりも高い第2の温度で加熱処理するものである。このように、前拡散(第1拡散)と本拡散(第2拡散)の2段階拡散を施すことで、磁石の表面に付着した重希土類水素化物中の重希土類成分の磁石内部への拡散を促進させることができるものである。その結果、Nd−Fe−B系焼結磁石において、NdFe14B主相を取り囲む結晶粒界相にDyやTbなどの重希土類元素を偏在させることができ、Nd−Fe−B系焼結磁石の残留磁束密度を最小限に抑制し保磁力を効果的に増加させることができる。特に、重希土類水素化物、とりわけ重希土類−Al合金水素化物を用いる場合、AlがNdリッチな粒界相の融点を低下させること(Nd−Alの共融点効果)によって、本拡散(第2拡散)時の重希土類の拡散をより促進(助長)することができる点で優れている。これは、前拡散(第1拡散)で拡散剤(TbAl合金水素化物)の脱水素化反応と、Nd‐Alの共融点効果による磁石の粒界相部の融点の低下を引き起こすことによって、本拡散(第2拡散)工程で重希土類成分Tbの拡散がより促進(助長)されたことによるものといえる。
(a)第2の温度
第2拡散(本拡散)工程での第2の温度としては、上記した水素化物中に含まれる水素を放出し、水素の磁石内部への拡散を抑制する観点からは、上記第1の温度よりも高い温度で加熱処理する必要があり、具体的には、850℃〜1000℃の範囲である(図1参照)。なお、ここでいう第2の温度とは、図1に示すように、上記第1の温度(600〜800℃)から第2の温度(例えば、850〜1000℃)に達するまでの第2の昇温期間は含まないものとする。また、本実施形態では、第2の温度は、例えば、図1に示すように、上記850〜1000℃の範囲内で下記加熱処理時間中、一定温度に保持するようにしてもよい。あるいは、例えば、下記加熱処理時間内で、850℃で一定期間保持後、950℃に一定期間保持し、さらに1000℃で一定期間保持するなど、上記850〜1000℃の温度領域内で可変させてもよい。上記850〜1000℃の温度領域内での可変の仕方は、特に制限されるものではなく、下記加熱処理時間内で、段階的または連続的に温度を高めるようにしてもよいし、段階的または連続的に温度を昇温と降温を組み合わせて行ってもよい。好ましくは、温度管理(操作)が容易であり、性能的にも希土類元素の均一な拡散を実現できる観点から、上記850〜1000℃の範囲内で下記加熱処理時間中、一定温度に保持するのが望ましい。
(b)第2の温度での加熱処理時間
第2拡散工程での第2の温度での加熱処理時間としては、記した水素化物中に含まれる水素を放出し、水素の磁石内部への拡散を抑制し得る観点から、上記第1拡散工程の加熱処理時間よりも長いのが好ましく、具体的には10分〜24時間が好ましく、より好ましくは10分〜10時間、更に好ましくは10分〜5時間の範囲である。
(c)熱処理(第1拡散工程〜時効熱処理工程の加熱処理)中の圧力・雰囲気
熱処理(第1拡散工程〜時効熱処理工程の加熱処理)中は、減圧雰囲気で行うのが磁石内部への水素あるいは酸素などの不純物ガスの拡散抑制の観点から好ましい。第2拡散工程での減圧雰囲気についても、第1拡散工程で説明した通りである。
(4)時効熱処理工程
時効熱処理工程では、上記第2拡散工程に続いて、第2の温度で加熱処理した磁石に対し、第2拡散工程の後に、(減圧雰囲気で)上記第1の温度よりも低い第3の温度で加熱処理するものである。このように、前拡散(第1拡散)と本拡散(第2拡散)の2段階拡散を施すことで、磁石の表面に付着した重希土類水素化物中の重希土類成分の磁石内部への拡散を促進させることができる。その後、3段階目の加熱処理である、いわゆる時効処理を第1の温度よりも低い第3の温度で施すことで磁気特性、特に高い保磁力向上効果の発現に有効に寄与し得るものである。その結果、Nd−Fe−B系焼結磁石において、NdFe14B主相を取り囲む結晶粒界相にDyやTbなどの重希土類元素を偏在させることができ、Nd−Fe−B系焼結磁石の残留磁束密度を最小限に抑制し保磁力を効果的に増加させることができるものである。
(a)第3の温度
時効熱処理工程での第3の温度としては、上記した磁気特性、特に高い保磁力向上効果の発現に有効に寄与し得る観点からは、上記第1の温度よりも低い温度で加熱処理する必要があり、具体的には、100〜700℃が好ましく、より好ましくは300〜700℃、更に好ましくは400〜600℃の範囲である(図1参照)。なお、ここでいう第3の温度とは、図1に示すように、上記第2の温度(850〜1000℃)から第3の温度(例えば、900〜550℃)に達するまでの第3の降温期間は含まないものとする。ここでいう第3の温度とは、図1に示すように、上記第3の温度(100〜700℃)から常温(室温:0〜50℃程度)に達するまでの第4の降温期間も含まないものとする。また、本実施形態では、第3の温度は、例えば、図1に示すように、上記100〜700℃の範囲内で下記加熱処理時間中、一定温度に保持するようにしてもよい。あるいは、例えば、下記加熱処理時間内で、700℃で一定期間保持後、600℃に一定期間保持し、さらに500℃で一定期間保持するなど、上記100〜700℃の温度領域内で可変させてもよい。上記100〜700℃の温度領域内での可変の仕方は、特に制限されるものではなく、下記加熱処理時間内で、段階的または連続的に温度を低くするようにしてもよいし、段階的または連続的に温度を昇温と降温を組み合わせて行ってもよい。好ましくは、温度管理(操作)が容易であり、性能的にも粒界組成の均質化の観点から、上記100〜700℃の範囲内で下記加熱処理時間中、一定温度に保持するのが望ましい。
(b)第3の温度での加熱処理時間
第3拡散工程での第3の温度での加熱処理時間としては、上記した磁気特性、特に高い保磁力向上効果の発現に有効に寄与し得る観点から、上記第2工程の加熱処理時間よりも短いのが好ましく、具体的には1分〜10時間が好ましく、より好ましくは1分〜5時間、更に好ましくは10分〜3時間の範囲である。
(c)熱処理(第1拡散工程〜時効熱処理工程の加熱処理)中の圧力・雰囲気
熱処理(第1拡散工程〜時効熱処理工程の加熱処理)中は、減圧雰囲気で行うのが磁石内部への水素あるいは酸素などの不純物ガスの拡散抑制の観点から好ましい。時効熱処理工程の減圧雰囲気についても、第1拡散工程で説明した通りである。
(5)熱処理後について
時効熱処理工程での上記第3の温度(100〜700℃)から常温(室温:0〜50℃程度)に達するまでの第4の降温期間を行った後、常圧に戻す。これにより、目的とする重希土類成分を粒界拡散させたNd−Fe−B磁石が得られる。但し、その後、重希土類成分を粒界拡散させたNd−Fe−B磁石を、必要に応じて所望のサイズに切断したり、表面処理を施したりすることによって、目的とするNd−Fe−B磁石を得てもよい。なお、得られたNd−Fe−B磁石には、その表面上にめっき層、酸化層又は樹脂層等の劣化を防止するための保護層が更に設けられてもよい。
以上のような本実施形態のNd−Fe−B磁石の粒界拡散方法においては、上述したように元磁石の形成後に重希土類水素化物の塗布(付着)及び熱処理(第1拡散工程〜時効熱処理工程の加熱処理)を行うものである。これにより磁石を構成する主相を取り囲む結晶粒界相(主相粒子の外縁領域並びにその粒界)に重希土類元素を偏在させる(選択的に拡散させる)ことができ、Nd−Fe−B系焼結磁石の残留磁束密度を最小限に抑制し保磁力を効果的に増加させることができる。また、本実施形態では、重希土類水素化物を用いていることから、大きな角形比を有しており、しかも前拡散(第1拡散)を取り入れることによって、重希土類水素化物中に含まれる水素を放出し、水素の磁石内部への拡散を抑制することができる。その結果、本実施形態によれば、本拡散(第2拡散)+時効熱処理の2段階熱処理のみの従来法より、より高保磁力を有する磁石の製造(粒界拡散)を行うことができるものである。ここで、本実施形態の粒界拡散されたNd−Fe−B系焼結磁石では、NdFe14B主相(希土類磁石相・結晶相)を取り囲む結晶粒界相にDyやTbなどの重希土類元素が偏在させてなるものである。これら以外にも磁気特性に有効に寄与しない相として、主相同士の境界部に形成される希土類酸化物の相(NdO相やSmO相)、Fe・希土類のコンタミネーション、Feリッチな相、Feプアーな相や他の不可避的な不純物等が極微量存在しうる。
(6)本実施形態の粒界拡散されたNd−Fe−B系焼結磁石の用途
本実施形態の粒界拡散(粒界改質)されたNd−Fe−B系焼結磁石の用途としては、例えば、磁石モータなどが挙げられる。本実施形態の高保磁力を有する磁石を用いた磁石モータでは、同等の特性を軽量、小型高性能システムとして得ることができる点で優れている。
図4aは、表面磁石型同期モータ(SMPまたはSPMSM))のロータ構造を模式的に表す断面概略面である。図4bは、埋込磁石型同期モータ(IMPまたはIPMSM))のロータ構造を模式的に表す断面概略面である。図4aに示す表面磁石型同期モータ40aでは、本実施形態の粒界拡散(粒界改質)されたNd−Fe−B系焼結磁石41を表面磁石型同期モータ用のロータ43に直接組み付けた(貼り付けた)ものである。表面磁石型同期モータ40aでは、本実施形態で説明したように、所望のサイズに切断した磁石41を表面磁石型同期モータ40aに組み付ける(貼り付ける)。この磁石41を着磁することで面磁石型同期モータ40aを得ることができる。この点が埋込磁石型同期モータ40bに比して優れているともいえる。特に遠心力で高速回転させた場合でも、ロータ43から磁石41が剥離せずに使いやすくなる点で優れている。一方、図4bに示す埋込磁石型同期モータ40bでは、本実施形態の磁石45を埋込磁石型同期モータ用のロータ47に形成した埋込溝に圧入(挿入)して固定化したものである。埋込磁石型同期モータ40bでは、まず、本実施形態で説明したように、埋込溝(図示図)と同じ形状、厚さに切断したものを用いる。この場合には、磁石45の形状が平板状であり、磁石45の成形ないし切断が、曲面上に磁石41製造時の成形体を成形する、或いは磁石41自体を切削加工する必要のある表面磁石型同期モータ40aに比して比較的容易である点で優れている。なお、本実施形態は、上記に説明した特定のモータだけに何ら制限されるものではなく、幅広い分野に適用することができるものである。即ち、Nd−Fe−B系磁石が用いられる、オーディオ機器のキャプスタンモータ、スピーカ、ヘッドホン、CDのピックアップ、カメラの巻上げ用モータ、フォーカス用アクチュエータ、ビデオ機器等の回転ヘッド駆動モータ、ズーム用モータ、フォーカス用モータ、キャプスタンモータ、DVDやブルーレイの光ピックアップ、空調用コンプレッサ、室外機ファンモータ、電気かみそり用モータなどの民生用電子機器分野;ボイスコイルモータ、スピンドルモータ、CD−ROM、CD−Rの光ピックアップ、ステッピングモータ、プロッタ、プリンタ用アクチュエータ、ドットプリンタ用印字ヘッド、複写機用回転センサなどのコンピュータ周辺機器・OA機器;時計用ステッピングモータ、各種メータ、ペジャー、携帯電話用(携帯情報端末を含む)振動モータ、レコーダーペン駆動用モータ、加速器、放射光用アンジュレータ、偏光磁石、イオン源、半導体製造機器の各種プラズマ源、電子偏光用、磁気探傷バイアス用などの計測、通信、その他の精密機器分野;永久磁石型MRI、心電図計、脳波計、歯科用ドリルモータ、歯固定用マグネット、磁気ネックレスなどの医療用分野;ACサーボモータ、同期モータ、ブレーキ、クラッチ、トルクカップラ、搬送用リニアモータ、リードスイッチ等のFA分野;リターダ、イグニッションコイルトランス、ABSセンサ、回転、位置検出センサ、サスペンション制御用センサ、ドアロックアクチュエータ、ISCVアクチュエータ、電気自動車駆動用モータ、ハイブリッド自動車駆動用モータ、燃料電池自動車駆動用モータ、ブラシレスDCモータ、ACサーボモータ、ACインダクション(誘導)モータ、パワーステアリング、カーエアコン、カーナビゲーションの光ピックアップなど自動車電装分野など極めて幅広い分野の各種用途に応じた形状を持っていればよい。但し、本実施形態のNd−Fe−B系焼結磁石が用いられる用途は、上記したほんの一部の製品(部品)に何ら制限されるものではなく、現在Nd−Fe−B系焼結磁石が用いられる用途全般に適用し得るものであることはいうまでもない。
以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
<実施例1>
(重希土類水素化物塗布工程)
重希土類水素化物(拡散剤)としてTbAl合金の水素化物とブタノールとを用いてスラリーを作製した。該スラリーを、成型加工したNd2Fe14B系焼結磁石(信越化学工業製N46MHグレードのNd−Fe−B焼結磁石:Br=1350mT、Hcj=1480kA/m、(BH)max=355kJ/m;下記表1の元磁石)の表面(7×7×2.8mm)にAr雰囲気中で、当該磁石質量に対してTbAl合金の水素化物を1質量%塗布した。
(第1拡散工程)
次に、当該磁石をMo金属容器に入れ、更にこれらをアルミナ製るつぼ内に入れた後に、大気に曝すことなく電気炉内に挿入し、減圧排気を行った(10−3Pa程度)(この状態を以下の前拡散(第1拡散)から時効処理まで保持した)。その後、第1の温度として600℃で1時間、加熱処理する前拡散(第1拡散)を行った。
(第2拡散工程)
その後(第1拡散後)、第2の温度として900℃で3時間、加熱処理する本拡散(第2拡散)を実施した。
(時効熱処理工程)
本拡散(第2拡散)実施後、引き続き第3の温度として550℃で2時間、加熱処理する時効処理を実施し、粒界拡散(粒界改質)がなされたNd−Fe−B磁石を得た。
<実施例2>
実施例1の第1拡散工程の第1の温度を700℃とした以外は、実施例1と同様にして粒界拡散(粒界改質)がなされたNd−Fe−B磁石を得た。
<実施例3>
実施例1の第1拡散工程の第1の温度を800℃とした以外は、実施例1と同様にして粒界拡散(粒界改質)がなされたNd−Fe−B磁石を得た。
<比較例1>
実施例1の第1拡散工程を行わず、第2拡散工程の加熱処理時間を4時間とした以外は、実施例1と同様にして加熱処理がなされたNd−Fe−B磁石を得た。
(評価方法)
実施例1〜3及び比較例1では、時効熱処理工程後、電気炉内を常温になるまで放置(放冷)した後、電気炉内を常圧(大気圧)に戻し、電気炉内からアルミナ製るつぼを取り出し、更にアルミナ製るつぼからMo金属容器を取り出し、Mo金属容器から粒界拡散(粒界改質)したNd−Fe−B磁石を取り出した。
取り出した実施例1〜3及び比較例1のNd−Fe−B磁石(7×7×2.8mmサイズ)につき、磁気特性(Br、Hcj、(BH)max)を日本電磁測器株式会社製のパルス励磁型磁石BH特性測定装置を用いて測定した。得られた結果を下記表1に示す。なお、表1の「元磁石」とは、重希土類水素化物塗布工程で準備(成型加工)したNd−Fe−B磁石(Br=1350mT、Hcj=1480kA/m、(BH)max=355kJ/m)をさす。また、図3は、実施例1〜3及び比較例1の各工程での各温度スケジュールで粒界改質、または比較例1の加熱処理を施したNd−Fe−B磁石の保磁力(Hcj)の値をプロットした図面である。
表1および図3より、前拡散(第1拡散工程)を行わず本拡散(第2拡散工程)のみの従来法で作製した比較例1と比較して、前拡散(第1拡散工程)を取り入れた2段階拡散(第1及び第2拡散工程)を実施する実施例1〜3では、保磁力の増加が大きい事が分かる。
実施例1〜3のなかでも、特に第1拡散工程において、800℃で1時間の前拡散を施した実施例3では、従来法で作製した比較例1と比較して保磁力の増加率は111%にも及んでいる。これは、前拡散(第1拡散工程)で拡散剤TbAl合金水素化物の脱水素化反応と、Nd‐Alの共融点効果による磁石の粒界相部の融点の低下を引き起こすことによって、本拡散(第2拡散工程)で重希土類成分Tbの拡散が促進(助長)されたことに因ると推測される。
40a 表面磁石型同期モータ、
40b 埋込磁石型同期モータ、
41 表面磁石型同期モータ用のロータの磁石、
43 表面磁石型同期モータ用のロータ、
45 埋込磁石型同期モータ用の磁石、
47 埋込磁石型同期モータのロータ、
d 埋込磁石型同期モータのロータに設けられた埋込溝の厚さ。

Claims (6)

  1. Nd−Fe−B系磁石に対し重希土類水素化物を塗布する工程と、
    第1の温度で加熱処理する第1拡散工程と、
    第1拡散工程の後に、第1の温度よりも高い第2の温度で加熱処理する第2拡散工程と、
    第2拡散工程の後に、第1の温度よりも低い第3の温度で加熱処理する時効熱処理工程と、を有するNd−Fe−B系磁石の粒界拡散方法。
  2. 前記第1の温度は、600℃〜800℃である請求項1に記載のNd−Fe−B磁石の粒界拡散方法。
  3. 前記第2の温度は、850℃〜1000℃である請求項1又は2に記載のNd−Fe−B磁石の粒界拡散方法。
  4. 前記第1拡散工程の加熱処理時間は、前記第2拡散工程の加熱処理時間よりも短い請求項1〜3の何れか1つに記載のNd−Fe−B磁石の粒界拡散方法。
  5. 重希土類水素化物は、重希土類−M合金水素化物(Mは、Al、Fe、B、Cu、Co、Ni、Ti、Ca、Mn、Bi、Znから選択される少なくとも1種を含む)である請求項1〜4の何れか1つに記載のNd−Fe−B磁石の粒界拡散方法。
  6. 前記第1拡散工程から時効熱処理工程までの加熱処理は、減圧雰囲気で行う請求項1〜5の何れか1つに記載のNd−Fe−B磁石の粒界拡散方法。
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