JP2016082176A - 高保磁力磁石の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
Nd−Fe−B系磁石に対し重希土類水素化物を塗布する工程(希土類水素化物塗布工程)と、
第1の温度で加熱処理する第1拡散工程と、
第1拡散工程の後に第1の温度よりも高い第2の温度で加熱処理する第2拡散工程と、
第2拡散工程の後に第1の温度よりも低い第3の温度で加熱処理する時効熱処理工程と、を有するものである。ここで、希土類水素化物塗布工程に用いるNd−Fe−B系磁石を元磁石ともいい、本実施形態の粒界拡散方法で粒界改質が施されたNd−Fe−B系磁石を粒界改質磁石ともいう。本実施形態では、上記構成を有することにより、拡散剤にDyやTbなどの水素化物を用いて、高い保磁力を発現することができる(実施例の表1参照)。さらに、従来法では、DyやTbなどの拡散が磁石表面近傍の粒界相部のみに進行するため、保磁力の増加が小さいという問題もあった。上記構成を有する手法(新工法)では、以下の作用効果により、保磁力を効果的に増加させることができる。即ち、上記構成を有する新工法では、Nd−Fe−B磁石に対し、重希土類水素化物を塗布し、(減圧雰囲気で)加熱処理する際に、前拡散(第1拡散)と本拡散(第2拡散)の2段階拡散を施すことで、重希土類成分の磁石内部への拡散を促進させることができる。これによりNd−Fe−B系焼結磁石において、従来法のようにDyやTb等の拡散が磁石表面近傍の粒界相部のみに進行させることなく、Nd2Fe14B主相を取り囲む結晶粒界相にDyやTbなどの重希土類元素を偏在させることができる。その結果、Nd−Fe−B系焼結磁石の残留磁束密度を最小限に抑制し保磁力を効果的に増加させることができる。この技術(新工法)を、磁石の粒界拡散方法ないし磁石の粒界改質法という。
重希土類水素化物塗布工程では、Nd−Fe−B系磁石(元磁石)に対し重希土類水素化物を塗布するものである。
重希土類水素化物塗布工程に用いることのできるNd−Fe−B系磁石(元磁石)としては、特に制限されるものではなく、従来公知のものを用いることができる。すなわち、希土類元素としてNd元素を必須元素として10〜20原子%含み、B元素を必須元素として1〜12原子%含み、且つ残部がFe元素及び不可避的不純物である、Nd−Fe−B系の組成を有する磁石が好ましい。このような希土類磁石は、必要に応じて、Pr、Dy、Tbなどの希土類元素、さらに、Co、Ni、Mn、Al、Cu、Nb、Zr、Ti、W、Mo、V、Ga、Zn、Si等の他の元素を更に含む組成を有していてもよい。具体的には、例えば、Nd2Fe14B、Nd2(Fe1−xCox)14B(ここで、xは好ましくは0≦x≦0.5である)、Nd15Fe77B5、Nd11.77Fe82.35B5.88、Nd1.1Fe4B4、Nd7Fe3B10、(Nd1−xDyx)15Fe77B8(ここで、xは、好ましくは0≦y≦0.4である)、(Nd1−xTbx)15Fe77B8(ここで、xは、好ましくは0≦y≦0.4である)、(Nd0.75Zr0.25)(Fe0.7Co0.3)Nx(ここで、xは好ましくは1〜6である)、Nd2Fe17N3、Nd15(Fe1−xCox)77B7Al1、Nd15(Fe0.80Co0.20)77−yB8Aly(ここで、yは好ましくは0≦y≦5である)、(Nd0.95Dy0.05)15Fe77.5B7Al0.5、(Nd0.95Tb0.05)15Fe77.5B7Al0.5、(Nd0.95Dy0.05)15(Fe0.95Co0.05)77.5B6.5Al0.5Cu0.2、(Nd0.95Tb0.05)15(Fe0.95Co0.05)77.5B6.5Al0.5Cu0.2、Nd4Fe80B20、Nd4.5Fe73Co3GaB18.5、Nd5.5Fe66Cr5Co5B18.5、Nd10Fe74Co10SiB5、Nd3.5Fe78B18.5、Nd4Fe76.5B18.5、Nd4Fe77.5B18.5、Nd4.5Fe77B18.5、Nd3.5DyFe73Co3GaB18.5、Nd3.5TbFe73Co3GaB18.5、Nd4.5Fe72Cr2Co3B18.5、Nd4.5Fe73V3SiB18.5、Nd4.5Fe71Cr3Co3B18.5、Nd5.5Fe66Cr5Co5B18.5等の(焼結)磁石が挙げられるが、これらに何ら制限されるものではない。これらのNd−Fe−B系磁石は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。上記したように、重希土類水素化物塗布工程に用いることのできるNd−Fe−B系磁石には、Nd、Fe、B以外に他の元素を添加して成形(焼結)されたものも本発明の技術範囲に含まれるものである。添加してよい他の元素としては、例えば、Ga、Al、Zr、Ti、Cr、V、Mo、W、Si、Re、Cu、Zn、Ca、Mn、Ni、C、La、Ce、Pr、Pm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Y、Th、MMなどが挙げられるが、これらに何ら制限されるものではない。これらは1種単独又は2種以上を併用して添加してもよい。これらの元素は、主にNd−Fe−B系磁石を構成する希土類磁石相の相構造の一部と置換されるか、挿入されるなどして導入されるものである。
Nd−Fe−B系磁石(元磁石)は、市販品を用いてもよいし、以下の製法により作製してもよい。
Nd−Fe−B系磁石(元磁石)の形状は、特に制限されず使用目的(用途)に応じて、柱状、平板状、リング状などの形状にすることができる。詳しくは、上記した原料粉末の成形による成形体の形状を使用目的(用途)に応じた所望の形状とすることにより、所望の元磁石の形状を得ることができる(例えば、実施例では、四角柱状の形状)。
(d)Nd−Fe−B系磁石(元磁石)の大きさ
Nd−Fe−B系磁石(元磁石)の大きさも、上記形状と同様に、特に制限されず使用目的(用途)に応じて、適宜決定すればよい。
Nd−Fe−B系磁石(元磁石)の磁性特性および寸法は、上記した製造方法などにより作製されたものであれば、特に規定する必要はなく、本発明の作用効果を有効に発現し得るものであれば、本発明に技術的範囲に含まれるものである。(実施例では信越化学工業製N46MHグレード:Br=1350mT、Hcj=1480kA/mを元磁石として使用)。
第1拡散工程では、上記重希土類水素化物塗布工程に続いて、重希土類水素化物が付着した元磁石(焼結体)に対し、(減圧雰囲気で)第1の温度で加熱処理するものである。これにより、元磁石(焼結体)の表面に付着した重希土類水素化物の脱水素反応と重希土類元素の元磁石(焼結体)表面の粒界相への拡散が進行する。特に、従来法に比して、本工程の前拡散(第1拡散)を取り入れることによって、水素化物中に含まれる水素を放出し、水素の磁石内部への拡散を抑制することができる。かかる効果により、次工程の本拡散(第2拡散)のみの従来法より、より高い保磁力を有する磁石の製造(粒界拡散)を行うことができる。なお、熱処理(第1拡散工程〜時効熱処理工程の加熱処理)により、磁石表面から内部への重希土類成分の拡散が生じる。この際、重希土類成分は主に磁石を構成している主相(粒子)の境界に沿って拡散する。そのため、本実施形態の粒界拡散方法により得られる磁石においては、重希土類水素化物に由来するにDyやTbなどの重希土類成分が主相(粒子)(Nd2Fe14B)を取り囲む結晶粒界相に偏在するようになる。これによって磁石の粒界改質がなされ、Nd−Fe−B系焼結磁石の残留磁束密度を最小限に抑制し、保磁力を効果的に増加させることができる。
第1拡散工程での第1の温度としては、上記した水素化物中に含まれる水素を放出し、水素の磁石内部への拡散を抑制すること、更に重希土類水素化物として重希土類−M合金水素化物(Mは、Al、Fe、B、Cu、Co、Ni、Ti、Ca、Mn、Bi、Znから選択される少なくとも1種を含む)を用いた時に、Ndリッチな粒界相の融点をNd−Mの共融点効果によって十分に下げ、次工程時における重希土類元素の拡散を促進する観点から、600〜800℃が好ましく、より好ましくは650〜800℃、更に好ましくは700〜800℃の範囲である(図1参照)。なお、ここでいう第1の温度とは、図1に示すように、常温(室温:0〜50℃程度)から第1の温度(例えば、600〜800℃)に達するまでの第1の昇温期間は含まないものとする。本実施形態では、第1の温度は、例えば、図1に示すように、上記600〜800℃の範囲内で下記加熱処理時間中、一定温度に保持するようにしてもよい。あるいは、例えば、下記加熱処理時間内で、600℃で一定期間保持後、700℃に一定期間保持し、さらに800℃で一定期間保持するなど、上記600〜800℃の温度領域内で可変させてもよい。上記600〜800℃の温度領域内での可変の仕方は、特に制限されるものではなく、下記加熱処理時間内で、段階的または連続的に温度を高めるようにしてもよいし、段階的または連続的に温度を昇温と降温を組み合わせて行ってもよい。好ましくは、温度管理(操作)が容易であることから、上記600〜800℃の範囲内で下記加熱処理時間中、一定温度に保持するのが望ましい。
第1拡散工程での第1の温度での加熱処理時間としては、上記した水素化物中に含まれる水素を放出し、水素の磁石内部への拡散を抑制する観点から、次工程の第2拡散工程の加熱処理時間よりも短いのが好ましく、具体的には1分〜10時間が好ましく、より好ましくは1分〜5時間、更に好ましくは1分〜1時間の範囲である。
熱処理(第1拡散工程〜時効熱処理工程の加熱処理)中は、減圧雰囲気で行うのが磁石内部への水素あるいは酸素などの不純物ガスの拡散抑制の観点から好ましい。減圧雰囲気としては、雰囲気ガスを不活性ガスで置換した後、好ましくは1×10−1Pa以下、より好ましくは1×10−3Pa以下、特に好ましくは1×10−5Pa以下の範囲が好ましい。不活性ガスとしては、例えば、N2ガス、Arガス、N2+Arガスの混合ガスなどが挙げられるが、これらに何ら制限されるものではない。
(3)第2拡散工程
第2拡散工程では、上記第1拡散工程に続いて、第1の温度で加熱処理した磁石に対し、第1拡散工程の後に、(減圧雰囲気で)上記第1の温度よりも高い第2の温度で加熱処理するものである。このように、前拡散(第1拡散)と本拡散(第2拡散)の2段階拡散を施すことで、磁石の表面に付着した重希土類水素化物中の重希土類成分の磁石内部への拡散を促進させることができるものである。その結果、Nd−Fe−B系焼結磁石において、Nd2Fe14B主相を取り囲む結晶粒界相にDyやTbなどの重希土類元素を偏在させることができ、Nd−Fe−B系焼結磁石の残留磁束密度を最小限に抑制し保磁力を効果的に増加させることができる。特に、重希土類水素化物、とりわけ重希土類−Al合金水素化物を用いる場合、AlがNdリッチな粒界相の融点を低下させること(Nd−Alの共融点効果)によって、本拡散(第2拡散)時の重希土類の拡散をより促進(助長)することができる点で優れている。これは、前拡散(第1拡散)で拡散剤(Tb3Al2合金水素化物)の脱水素化反応と、Nd‐Alの共融点効果による磁石の粒界相部の融点の低下を引き起こすことによって、本拡散(第2拡散)工程で重希土類成分Tbの拡散がより促進(助長)されたことによるものといえる。
第2拡散(本拡散)工程での第2の温度としては、上記した水素化物中に含まれる水素を放出し、水素の磁石内部への拡散を抑制する観点からは、上記第1の温度よりも高い温度で加熱処理する必要があり、具体的には、850℃〜1000℃の範囲である(図1参照)。なお、ここでいう第2の温度とは、図1に示すように、上記第1の温度(600〜800℃)から第2の温度(例えば、850〜1000℃)に達するまでの第2の昇温期間は含まないものとする。また、本実施形態では、第2の温度は、例えば、図1に示すように、上記850〜1000℃の範囲内で下記加熱処理時間中、一定温度に保持するようにしてもよい。あるいは、例えば、下記加熱処理時間内で、850℃で一定期間保持後、950℃に一定期間保持し、さらに1000℃で一定期間保持するなど、上記850〜1000℃の温度領域内で可変させてもよい。上記850〜1000℃の温度領域内での可変の仕方は、特に制限されるものではなく、下記加熱処理時間内で、段階的または連続的に温度を高めるようにしてもよいし、段階的または連続的に温度を昇温と降温を組み合わせて行ってもよい。好ましくは、温度管理(操作)が容易であり、性能的にも希土類元素の均一な拡散を実現できる観点から、上記850〜1000℃の範囲内で下記加熱処理時間中、一定温度に保持するのが望ましい。
第2拡散工程での第2の温度での加熱処理時間としては、記した水素化物中に含まれる水素を放出し、水素の磁石内部への拡散を抑制し得る観点から、上記第1拡散工程の加熱処理時間よりも長いのが好ましく、具体的には10分〜24時間が好ましく、より好ましくは10分〜10時間、更に好ましくは10分〜5時間の範囲である。
熱処理(第1拡散工程〜時効熱処理工程の加熱処理)中は、減圧雰囲気で行うのが磁石内部への水素あるいは酸素などの不純物ガスの拡散抑制の観点から好ましい。第2拡散工程での減圧雰囲気についても、第1拡散工程で説明した通りである。
時効熱処理工程では、上記第2拡散工程に続いて、第2の温度で加熱処理した磁石に対し、第2拡散工程の後に、(減圧雰囲気で)上記第1の温度よりも低い第3の温度で加熱処理するものである。このように、前拡散(第1拡散)と本拡散(第2拡散)の2段階拡散を施すことで、磁石の表面に付着した重希土類水素化物中の重希土類成分の磁石内部への拡散を促進させることができる。その後、3段階目の加熱処理である、いわゆる時効処理を第1の温度よりも低い第3の温度で施すことで磁気特性、特に高い保磁力向上効果の発現に有効に寄与し得るものである。その結果、Nd−Fe−B系焼結磁石において、Nd2Fe14B主相を取り囲む結晶粒界相にDyやTbなどの重希土類元素を偏在させることができ、Nd−Fe−B系焼結磁石の残留磁束密度を最小限に抑制し保磁力を効果的に増加させることができるものである。
時効熱処理工程での第3の温度としては、上記した磁気特性、特に高い保磁力向上効果の発現に有効に寄与し得る観点からは、上記第1の温度よりも低い温度で加熱処理する必要があり、具体的には、100〜700℃が好ましく、より好ましくは300〜700℃、更に好ましくは400〜600℃の範囲である(図1参照)。なお、ここでいう第3の温度とは、図1に示すように、上記第2の温度(850〜1000℃)から第3の温度(例えば、900〜550℃)に達するまでの第3の降温期間は含まないものとする。ここでいう第3の温度とは、図1に示すように、上記第3の温度(100〜700℃)から常温(室温:0〜50℃程度)に達するまでの第4の降温期間も含まないものとする。また、本実施形態では、第3の温度は、例えば、図1に示すように、上記100〜700℃の範囲内で下記加熱処理時間中、一定温度に保持するようにしてもよい。あるいは、例えば、下記加熱処理時間内で、700℃で一定期間保持後、600℃に一定期間保持し、さらに500℃で一定期間保持するなど、上記100〜700℃の温度領域内で可変させてもよい。上記100〜700℃の温度領域内での可変の仕方は、特に制限されるものではなく、下記加熱処理時間内で、段階的または連続的に温度を低くするようにしてもよいし、段階的または連続的に温度を昇温と降温を組み合わせて行ってもよい。好ましくは、温度管理(操作)が容易であり、性能的にも粒界組成の均質化の観点から、上記100〜700℃の範囲内で下記加熱処理時間中、一定温度に保持するのが望ましい。
第3拡散工程での第3の温度での加熱処理時間としては、上記した磁気特性、特に高い保磁力向上効果の発現に有効に寄与し得る観点から、上記第2工程の加熱処理時間よりも短いのが好ましく、具体的には1分〜10時間が好ましく、より好ましくは1分〜5時間、更に好ましくは10分〜3時間の範囲である。
熱処理(第1拡散工程〜時効熱処理工程の加熱処理)中は、減圧雰囲気で行うのが磁石内部への水素あるいは酸素などの不純物ガスの拡散抑制の観点から好ましい。時効熱処理工程の減圧雰囲気についても、第1拡散工程で説明した通りである。
時効熱処理工程での上記第3の温度(100〜700℃)から常温(室温:0〜50℃程度)に達するまでの第4の降温期間を行った後、常圧に戻す。これにより、目的とする重希土類成分を粒界拡散させたNd−Fe−B磁石が得られる。但し、その後、重希土類成分を粒界拡散させたNd−Fe−B磁石を、必要に応じて所望のサイズに切断したり、表面処理を施したりすることによって、目的とするNd−Fe−B磁石を得てもよい。なお、得られたNd−Fe−B磁石には、その表面上にめっき層、酸化層又は樹脂層等の劣化を防止するための保護層が更に設けられてもよい。
本実施形態の粒界拡散(粒界改質)されたNd−Fe−B系焼結磁石の用途としては、例えば、磁石モータなどが挙げられる。本実施形態の高保磁力を有する磁石を用いた磁石モータでは、同等の特性を軽量、小型高性能システムとして得ることができる点で優れている。
(重希土類水素化物塗布工程)
重希土類水素化物(拡散剤)としてTb3Al2合金の水素化物とブタノールとを用いてスラリーを作製した。該スラリーを、成型加工したNd2Fe14B系焼結磁石(信越化学工業製N46MHグレードのNd−Fe−B焼結磁石:Br=1350mT、Hcj=1480kA/m、(BH)max=355kJ/m3;下記表1の元磁石)の表面(7×7×2.8mm)にAr雰囲気中で、当該磁石質量に対してTb3Al2合金の水素化物を1質量%塗布した。
次に、当該磁石をMo金属容器に入れ、更にこれらをアルミナ製るつぼ内に入れた後に、大気に曝すことなく電気炉内に挿入し、減圧排気を行った(10−3Pa程度)(この状態を以下の前拡散(第1拡散)から時効処理まで保持した)。その後、第1の温度として600℃で1時間、加熱処理する前拡散(第1拡散)を行った。
その後(第1拡散後)、第2の温度として900℃で3時間、加熱処理する本拡散(第2拡散)を実施した。
本拡散(第2拡散)実施後、引き続き第3の温度として550℃で2時間、加熱処理する時効処理を実施し、粒界拡散(粒界改質)がなされたNd−Fe−B磁石を得た。
実施例1の第1拡散工程の第1の温度を700℃とした以外は、実施例1と同様にして粒界拡散(粒界改質)がなされたNd−Fe−B磁石を得た。
実施例1の第1拡散工程の第1の温度を800℃とした以外は、実施例1と同様にして粒界拡散(粒界改質)がなされたNd−Fe−B磁石を得た。
実施例1の第1拡散工程を行わず、第2拡散工程の加熱処理時間を4時間とした以外は、実施例1と同様にして加熱処理がなされたNd−Fe−B磁石を得た。
実施例1〜3及び比較例1では、時効熱処理工程後、電気炉内を常温になるまで放置(放冷)した後、電気炉内を常圧(大気圧)に戻し、電気炉内からアルミナ製るつぼを取り出し、更にアルミナ製るつぼからMo金属容器を取り出し、Mo金属容器から粒界拡散(粒界改質)したNd−Fe−B磁石を取り出した。
40b 埋込磁石型同期モータ、
41 表面磁石型同期モータ用のロータの磁石、
43 表面磁石型同期モータ用のロータ、
45 埋込磁石型同期モータ用の磁石、
47 埋込磁石型同期モータのロータ、
d 埋込磁石型同期モータのロータに設けられた埋込溝の厚さ。
Claims (6)
- Nd−Fe−B系磁石に対し重希土類水素化物を塗布する工程と、
第1の温度で加熱処理する第1拡散工程と、
第1拡散工程の後に、第1の温度よりも高い第2の温度で加熱処理する第2拡散工程と、
第2拡散工程の後に、第1の温度よりも低い第3の温度で加熱処理する時効熱処理工程と、を有するNd−Fe−B系磁石の粒界拡散方法。 - 前記第1の温度は、600℃〜800℃である請求項1に記載のNd−Fe−B磁石の粒界拡散方法。
- 前記第2の温度は、850℃〜1000℃である請求項1又は2に記載のNd−Fe−B磁石の粒界拡散方法。
- 前記第1拡散工程の加熱処理時間は、前記第2拡散工程の加熱処理時間よりも短い請求項1〜3の何れか1つに記載のNd−Fe−B磁石の粒界拡散方法。
- 重希土類水素化物は、重希土類−M合金水素化物(Mは、Al、Fe、B、Cu、Co、Ni、Ti、Ca、Mn、Bi、Znから選択される少なくとも1種を含む)である請求項1〜4の何れか1つに記載のNd−Fe−B磁石の粒界拡散方法。
- 前記第1拡散工程から時効熱処理工程までの加熱処理は、減圧雰囲気で行う請求項1〜5の何れか1つに記載のNd−Fe−B磁石の粒界拡散方法。
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