JP2016081708A - リチウムイオン二次電池用負極活物質、およびそれを含む負極並びにリチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用負極活物質、およびそれを含む負極並びにリチウムイオン二次電池 Download PDF

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佑哉 杉原
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昭信 野島
Akinobu Nojima
昭信 野島
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Hideaki Seki
秀明 関
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Abstract

【課題】初回充放電効率が優れたリチウムイオン二次電池の提供。
【解決手段】炭素材料からなる負極活物質粒子と、前記負極活物質粒子の表面にC‐F‐O‐P‐V層を有するリチウムイオン二次電池用負極活物質、前記C‐F‐O‐P‐V層中のVは、前記C‐F‐O‐P‐V層全体に対して0.1〜5atm%にて含まれるリチウムイオン二次電池用負極活物質、前記負極活物質とバインダーとを含むリチウムイオン二次電池用負極,前記負極と正極とセパレータと非水電解質とを備えてなるリチウムイオン二次電池。
【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用負極活物質、およびそれを含む負極並びにリチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池等と比べ、軽量、高容量であるため、携帯電子機器用電源として広く応用されている。また、ハイブリッド自動車や、電気自動車用に搭載される電源として有力な候補ともなっている。近年は、携帯電子機器の小型化、高機能化に伴い、これらの電源となるリチウムイオン二次電池への更なる高容量化が期待されている。
リチウムイオン二次電池は、主として、正極、負極、セパレータ、非水電解液から構成されており、一般に、正極にリチウム金属複合酸化物、負極にリチウムイオンを吸蔵放出可能な炭素材等を用い、非水電解液として常温で液体の有機溶媒にリチウム塩を溶解させた液状の電解質が用いられている。しかし、負極の炭素材の表面では、有機溶媒が関与する副反応が生じ、期待される放電容量が得られないなど特性に悪影響を及ぼしてしまう。このため、負極が有機溶媒と直接反応しないように、負極表面に被膜を形成するとともに、この被膜の状態や性質を制御することが重要な課題になっている。
上述した課題を解決するために、特許文献1では、負極表面被膜を形成、制御することにより、炭素活物質粒子にマンガン化合物を付着させる提案がなされている。
特開平11−67202号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載された従来のリチウムイオン二次電池においては、初回充放電効率が十分に向上しなかった。
本発明は上記従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、初回充放電効率が優れたリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
上記本発明にかかる負極活物質は、炭素材料からなる負極活物質を前記負極活物質の粒子表面にC‐F‐O‐P‐V層を有するリチウムイオン二次電池用負極活物質を特徴としている。
上記本発明にかかる負極活物質を用いることにより、リチウムイオン二次電池の初回充放電効率が向上する。これは、負極表面上に新たに形成される被膜を抑制し、被膜中にリチウムイオンが取り込まれ保持されることがなくなるため、初回充放電効率を非常に高くすることが出来るものと考えられる。
上記C‐F‐O‐P‐V層中のVは、前記C‐F‐O‐P‐V層全体に対して0.1atm%(元素濃度比率を意味する。)以上5atm%以下にて含まれることが好ましい。
上記本発明にかかる負極活物質を用いることにより、リチウムイオン二次電池の初回充放電効率がより向上する。
上記C‐F‐O‐P‐V層の膜厚は、20nm以上300nm以下であることが好ましい。
上記本発明にかかる負極活物質を用いることにより、リチウムイオン二次電池の初回充放電効率がより向上する。
上記記載の負極活物質と、バインダーとを含むリチウムイオン二次電池用負極に利用できる。
上記本発明にかかる負極活物質を用いることにより、リチウムイオン二次電池の初回充放電効率が向上する。
上記記載の負極と正極活物質を有する正極と、前記負極と前記正極との間に介在されるセパレータと非水電解質と、を備えてなるリチウムイオン二次電池に利用できる。
上記本発明にかかる負極活物質を用いることにより、リチウムイオン二次電池の初回充放電効率がより向上する。
本発明によれば、初回充放電効率が優れたリチウムイオン二次電池用負極活物質、およびそれを含む負極並びにリチウムイオン二次電池を提供することができる。
本実施形態のリチウムイオン二次電池の模式断面図である。 実施例1により得られた負極活物質の模式図である。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明する。ただし、本発明にかかるリチウムイオン二次電池用負極活物質、およびそれを含む負極並びにリチウムイオン二次電池は、以下の実施形態に限定されるものではない。なお、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
(リチウムイオン二次電池)
本実施形態にかかる電極、及びリチウムイオン二次電池について図1を参照して簡単に説明する。
リチウムイオン二次電池100は、主として、蓄電要素30、蓄電要素30を密閉した状態で収容するケース50、及び蓄電要素30に接続された一対のリード60、62を備えている。
蓄電要素30は、一対の電極10、20がセパレータ18を挟んで対向配置されたものである。正極10は、正極集電体12上に正極活物質層14が設けられた物である。負極20は、負極集電体22上に負極活物質層24が設けられた物である。正極活物質層14及び負極活物質層24がセパレータ18の両側にそれぞれ接触している。正極活物質層14、負極活物質層24、及び、セパレータ18の内部に非水電解液が含有されている。正極集電体12及び負極集電体22の端部には、それぞれリード60、62が接続されており、リード60、62の端部はケース50の外部にまで延びている。
(正極集電体)
正極集電体12は、導電性の板材であればよく、例えば、アルミニウム又はそれらの合金、ステンレス等の金属薄板(金属箔)を用いることができる。
(正極活物質層)
正極活物質層14は、正極活物質、バインダー、及び、必要に応じた量の導電助剤から主に構成されるものである。
(正極活物質)
正極活物質としては、リチウムイオンの吸蔵及び放出、リチウムイオンの脱離及び挿入(インターカレーション)、又は、リチウムイオンと該リチウムイオンのカウンターアニオン(例えば、PF )とのドープ及び脱ドープを可逆的に進行させることが可能であれば特に限定されず、公知の電極活物質を使用できる。例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、リチウムマンガンスピネル(LiMn)、及び、一般式:LiNiCoMnMaO(x+y+z+a=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、0≦a≦1、MはAl、Mg、Nb、Ti、Cu、Zn、Crより選ばれる1種類以上の元素)で表される複合金属酸化物、リチウムバナジウム化合物(LiV、LiVOPO)、オリビン型LiMPO(ただし、Mは、Co、Ni、Mn、Fe、Mg、Nb、Ti、Al、Zrより選ばれる1種類以上の元素又はVOを示す)、チタン酸リチウム(LiTi12)、LiNiCoAl(0.9<x+y+z<1.1)、Li過剰系等の複合金属酸化物が挙げられる。特に、熱安定性に優れたLiVOPO、LiFePOがより好ましい。
(正極バインダー)
バインダーは、正極活物質同士を結合すると共に、正極活物質と正極集電体12とを結合している。バインダーは、上述の結合が可能なものであればよく、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂が挙げられる。更に、上記の他に、バインダーとして、例えば、セルロース、スチレン・ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等を用いてもよい。また、バインダーとして電子伝導性の導電性高分子やイオン伝導性の導電性高分子を用いてもよい。電子伝導性の導電性高分子としては、例えば、ポリアセチレン等が挙げられる。この場合は、バインダーが導電助剤粒子の機能も発揮するので導電助剤を添加しなくてもよい。イオン伝導性の導電性高分子としては、例えば、リチウムイオン等のイオンの伝導性を有するものを使用することができ、例えば、高分子化合物(ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル系高分子化合物、ポリフォスファゼン等)のモノマーと、LiClO、LiBF、LiPF等のリチウム塩又はリチウムを主体とするアルカリ金属塩と、を複合化させたもの等が挙げられる。複合化に使用する重合開始剤としては、例えば、上記のモノマーに適合する光重合開始剤または熱重合開始剤が挙げられる。
正極活物質層14中のバインダーの含有量は特に限定されないが、正極活物質、導電助剤及びバインダーの質量の和を基準にして、1〜10質量%であることが好ましい。正極活物質とバインダーの含有量を上記範囲とすることにより、得られた正極活物質層14において、バインダーの量が少なすぎて強固な正極活物質層を形成できなくなる傾向を抑制できる。また、電気容量に寄与しないバインダーの量が多くなり、十分な体積エネルギー密度を得ることが困難となる傾向も抑制できる。
(正極導電助剤)
導電助剤も、正極活物質層14の導電性を良好にするものであれば特に限定されず、公知の導電助剤を使用できる。例えば、黒鉛、カーボンブラック等の炭素系材料や、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属微粉、炭素材料及び金属微粉の混合物、ITO等の導電性酸化物が挙げられる。
正極活物質層14中の導電助剤の含有量も特に限定されないが、添加する場合には正極活物質の質量に対して0.5〜5質量%であることが好ましい。
(負極集電体)
負極集電体22は、導電性の板材であればよく、例えば、銅、ニッケル、ステンレス又はそれらの合金の金属薄板(金属箔)を用いることができる。
(負極活物質層)
負極活物質層24は、負極活物質、バインダー、及び、必要に応じた量の導電助剤から主に構成されるものである。
(負極活物質)
本実施形態の負極活物質は、炭素材料からなる粒子表面にC‐F‐O‐P‐V層を有することを特徴とするものである。負極表面上に新たに形成される被膜を抑制することができ、被膜中にリチウムイオンが取り込まれ保持されることがないため、初回充放電効率を非常に高くすることが出来ると考えられる。
なお、C‐F‐O‐P‐V層は、C(炭素)、F(フッ素)、O(酸素)、P(リン)、V(バナジウム)を含有して構成されていればよく、その他Liが含有されていてもよい。この、C‐F‐O‐P‐V層は、少なくとも一部に化学結合を有する化合物を形成していてもよい。またこのC‐F‐O‐P‐V層は、結晶性であることを問わないが、アモルファス構造であることが好ましい。
本実施形態の負極活物質は、上記C‐F‐O‐P‐V層中のVは、C‐F‐O‐P‐V層全体に対して0.1atm%以上5atm%以下にて含まれることが好ましい。この理由は定かではないが、Vが被膜の成長を抑制することにより、リチウムイオンの消費が少なくなり初回充放電効率が向上すると考えられる。
上記C‐F‐O‐P‐V層は、構成元素濃度比がC:F:O:P:V=1.3〜3.5:63.5〜78:14.3〜45.9:0.9〜8.6:0.1〜3(atm%)の範囲内であることが好ましい。
さらに上記C‐F‐O‐P‐V層の膜厚は、20nm以上300nm以下であることが好ましい。
C‐F‐O‐P‐V層の厚みが上記範囲内である場合、安定なC‐F‐O‐P‐V層を形成することが出来る。
ここで負極活物質に用いる負極活物質材料は、天然黒鉛、人造黒鉛(難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、低温度焼成炭素等)等の炭素材から選ばれる少なくとも1種を含んでいればよい。中でも、良好な負極容量及びサイクル特性を示すことから人造黒鉛が好ましく、表面にアモルファス層を有するコアシェル構造の人造黒鉛がより好ましい。また、電極密度向上の観点から、人造黒鉛を天然黒鉛と混合して使用することが更に好ましい。
(負極導電助剤)
導電助剤は特に限定されず、公知の導電助剤を使用できる。例えば、カーボンブラックのような熱分解炭素、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成材料、炭素繊維、あるいは活性炭などの炭素材が挙げられる。また、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、黒鉛などの負極活物質材料を、形状を変えて添加してもよい。
カーボンブラックとしては、特に、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等が好ましく、ケッチェンブラックが特に好ましい。このように負極活物質と異なる材料を用いることが好ましい。電子伝導性の多孔体を含有させることにより負極活物質材料の粒子と結着剤の界面に空孔を形成でき、その空孔により負極活物質層24への非水電解液の染み込みを容易にするので好ましい。
(負極バインダー)
バインダー及び導電助剤には、上述した正極10に用いる材料に加え、PAA等のアクリル系樹脂も用いることができる。また、バインダー及び導電助剤の含有量も、負極活物質の体積変化の大きさや箔との密着性を加味しなければならない場合は適宜調整し、上述した正極10における含有量と同様の含有量を採用すればよい。添加する場合にはバインダーの添加量は、負極活物質の質量に対して2〜20質量%であることが好ましい。導電助剤の添加量は、負極活物質の質量に対して0.5〜5質量%であることが好ましい。
上述した構成要素により、電極10、20は、通常用いられる方法により作製できる。例えば、活物質(正極活物質または負極活物質)、バインダー(正極バインダーまたは負極バインダー)、溶媒、及び、導電助剤(正極導電助剤または負極導電助剤)を含む塗料を集電体上に塗布し、集電体上に塗布された塗料中の溶媒を除去することにより製造することができる。
溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、水等を用いることができる。
塗布方法としては、特に制限はなく、通常電極を作製する場合に採用される方法を用いることができる。例えば、スリットダイコート法、ドクターブレード法が挙げられる。
集電体12、22上に塗布された塗料中の溶媒を除去する方法は特に限定されず、塗料が塗布された集電体12、22を、例えば80℃〜150℃の雰囲気下で乾燥させればよい。
そして、このようにして活物質層14、24が形成された電極を、その後、必要に応じて例えば、ロールプレス装置等によりプレス処理すればよい。ロールプレスの線圧は例えば、0.5〜2t/cmとすることができる。
次に、リチウムイオン二次電池100の他の構成要素を説明する。
(セパレータ)
セパレータは、電解液に対して安定であり、保液性に優れていれば特に制限はないが、一般的にはポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンの多孔質シート、又は不織布が挙げられる。
(電解質)
電解質は、正極活物質層14、負極活物質層24、及び、セパレータ18の内部に含有させるものである。電解質としては、特に限定されず、例えば、本実施形態では、リチウム塩を含む電解液(電解質水溶液、有機溶媒を使用する電解質溶液)を使用することができる。ただし、電解質水溶液は電気化学的に分解電圧が低いことにより、充電時の耐用電圧が低く制限されるので、有機溶媒を使用する電解液(非水電解質溶液)であることが好ましい。電解液としては、リチウム塩を非水溶媒(有機溶媒)に溶解したものが好適に使用される。リチウム塩としては特に限定されず、リチウムイオン二次電池の電解質として用いられるリチウム塩を用いることができる。例えば、リチウム塩としては、LiPF、LiBF、LiClO、LiFSI、LiBOB、Li1212等の無機酸陰イオン塩、LiCFSO、(CFSONLi等の有機酸陰イオン塩等を用いることができる。
また、有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、等の非プロトン性高誘電率溶媒や、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、等の酢酸エステル類あるいはプロピオン酸エステル類等の非プロトン性低粘度溶媒が挙げられる。これらの非プロトン性高誘電率溶媒と非プロトン性低粘度溶媒を適当な混合比で併用することが望ましい。更には、イミダゾリウム、アンモニウム、及びピリジニウム型のカチオンを用いたイオン性液体を使用することができる。対アニオンは特に限定されるものではないが、BF 、PF 、(CFSO等が挙げられる。イオン性液体は前述の有機溶媒と混合して使用することが可能である。
電解液のリチウム塩の濃度は、電気伝導性の点から、0.5〜2.0Mが好ましい。なお、この電解質の温度25℃における導電率は0.01S/m以上であることが好ましく、電解質塩の種類あるいはその濃度により調整される。
電解質を固体電解質やゲル電解質とする場合には、ポリ(ビニリデンフルオライド)等を高分子材料として含有することが可能である。
更に、本実施形態の電解液中には、必要に応じて各種添加剤を添加してもよい。添加剤としては、例えば、サイクル寿命向上を目的としたビニレンカーボネート、メチルビニレンカーボネート等や、過充電防止を目的としたビフェニル、アルキルビフェニル等や、脱酸や脱水を目的とした各種カーボネート化合物、各種カルボン酸無水物、各種含窒素及び含硫黄化合物が挙げられる。
(ケース)
ケース50は、その内部に積層体30及び電解液を密封するものである。ケース50は、電解液の外部への漏出や、外部からのリチウムイオン二次電池100内部への水分等の侵入等を抑止できる物であれば特に限定されない。例えば、ケース50として、図1に示すように、金属箔52を高分子膜54で両側からコーティングした金属ラミネートフィルムを利用できる。金属箔52としては例えばアルミ箔を、高分子膜54としてはポリプロピレン等の膜を利用できる。例えば、外側の高分子膜54の材料としては融点の高い高分子、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド等が好ましく、内側の高分子膜54の材料としてはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等が好ましい。
(リード)
リード60、62は、アルミ等の導電材料から形成されている。
そして、公知の方法により、リード62、60を正極集電体12、負極集電体22にそれぞれ溶接し、正極10の正極活物質層14と負極20の負極活物質層24との間にセパレータ18を挟んだ状態で、電解液と共にケース50内に挿入し、ケース50の入り口をシールすればよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、リチウムイオン二次電池は図1に示した形状のものに限定されず、コイン形状に打ち抜いた電極とセパレータとを積層したコインタイプや、電極シートとセパレータとをスパイラル状に巻回したシリンダータイプ等であってもよい。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(正極の作製)
正極活物質としてLiVOPOと(87質量%)、導電助剤としてケッチェンブラック(8質量%)、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVdF)(5質量%)を混合した。そして、溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を加えてスラリーを調製した後、固練りを1時間行った。その後、ドクターブレード法により集電体であるアルミニウム箔に塗布し、100℃で10分間乾燥を行った。なおこの時の正極活物質の塗布量は13.0mg/cmとし、上記アルミニウム箔の両面に塗布された正極活物質層の塗膜の厚みは、ほぼ同じ膜厚に調整した。上記正極活物質が形成された正極をロールプレス機によって、正極活物質層を正極集電体の両面に圧着させ、正極活物質層の密度が2.4g/cmなるように正極を作製した。
(被覆溶液の作製)
五酸化バナジウムと、リン酸と、フッ化水素酸と、ジフルオロリン酸と、ポリビニルアルコール(PVA)を水に加え、水に対しこれらが分散した混合物を調整し、C‐F‐O‐P‐V被覆溶液を得た。
(負極活物質の作製)
上記被覆溶液に負極活物質粒子としての人造黒鉛を浸し、10分浸漬した後、負極活物質粒子を取り出し、アルゴン雰囲気下で100℃で乾燥し、被覆層を形成し、その後電気炉を用いて110℃で5時間熱処理することで負極活物質を得た。このように、被覆溶液に浸漬し、その後負極活物質粒子を取り出し、乾燥する工程を繰り返す回数と熱処理時間を制御することによりC‐F‐O‐P‐V層の組成と膜厚を制御することができる。
(負極の作製)
上記方法で作製した負極活物質(90質量%)、導電助剤としてカーボンブラック(2質量%)、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)(8質量%)を混合し、溶剤のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に分散させ、スラリーを得た。得られたスラリーをドクターブレード法により集電体である電解銅箔(厚さ10μm)に負極活物質の塗布量が5.1mg/cmとなるように塗布し、110℃で乾燥させた。乾燥後に圧延を行い、負極活物質層の密度が1.4g/cmになるように負極を作製した。
(評価用リチウムイオン二次電池の作製)
正極と、負極とを、それらの間にポリエチレン微多孔膜からなるセパレータを挟んで積層し、積層体(電池素体)を得た。この積層体を、外装体となるアルミラミネートパック(アルミニウム箔の2つの主面にポリプロピレン(PP)とポリエチレンテレフタラート(PET)とをそれぞれ被覆した積層シートの袋体)に入れた。
電解液はエチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)を体積比3:7で混合し、支持塩としてLiPFを1.0mol/Lになるよう溶解した。積層体を入れたアルミラミネートパックに、上記電解液を注入した後、真空シールし、実施例1の評価用セルを作製した。
<C‐F‐O‐P‐V層の厚みの測定方法>
負極活物質表面のC‐F‐O‐P‐V層の厚み測定は以下の手順で行った。まず、負極活物質粒子の断面をSTEMにて観察し、得られた断面STEM像からC‐F‐O‐P‐V層の部分の面積を画像解析にて2値化処理し算出した。そのC‐F‐O‐P‐V層の断面積を負極活物質粒子の外周で除したものをC‐F‐O‐P‐V層の厚みとした。上記の操作を任意の10粒子それぞれについて行った。たとえば実施例1で得られた図2を用いて具体的に説明すると、C‐F‐O‐P‐V層(図2中のA)の部分の面積を画像解析にて2値化処理して算出し、それを負極活物質粒子(図2中のB)の外周で除することでC‐F‐O‐P‐V層の厚み(図2中のC)とした。なお、隣接する負極活物質同士の被膜が接触していた場合には母材となる負極活物質材料間の距離の半分を被膜の境界として算出することとした。なお、図2中ではC‐F‐O‐P‐V層が被膜として負極活物質の周囲を全面覆っている図を示しているが、必ずしも全面被覆している必要はなく本発明の効果を有する程度であればよい。
<C‐F‐O‐P‐V層を構成する元素濃度比率の測定方法>
負極活物質表面のC‐F‐O‐P‐V層を構成する元素濃度比率の測定は以下の手順で行った。まず、負極活物質粒子の断面を透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察し、負極活物質表面のC‐F‐O‐P‐V層に対し、エネルギー分散形X線分析装置(EDS)を用いて元素濃度比率(atm%)を測定した。測定は、任意の領域において10点の点分析の結果を平均として求め、C‐F‐O‐P‐V層の元素濃度比率とした。
[実施例2〜15]
表1に示した被膜の膜厚となるように各実施例を被覆溶液に浸漬−乾燥する工程の繰り返し回数と熱処理時間条件を変更し、水分量を調整したこと以外は実施例1と同様の方法で評価用リチウムイオン二次電池を作製し、実施例2〜15として初回充放電効率の評価を行った。
[比較例1]
比較例1にかかるリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池は、表1に示すようにC‐F‐O‐P‐V層による被覆を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池を作製した。
<初回充放電効率の評価方法>
実施例及び比較例で作製した評価用リチウムイオン二次電池について、二次電池充放電試験装置(北斗電工株式会社製)を用い、充放電特性の測定を行った。0.5Cで4.2Vまで定電流定電圧充電し、1Cで2.5Vまで定電流放電する充放電の初回充放電効率を評価した。
表1に実施例1〜15及び比較例1のC‐F‐O‐P‐V層を構成する元素濃度比、その化合物層中のV含有率、被膜(C‐F‐O‐P‐V層)の膜厚、初回充放電効率について示す。
表1に示す結果から明らかなように、全ての実施例でC‐F‐O‐P‐V層を有し、初回充放電効率の向上が見られた。また、前記C‐F‐O‐P‐V層中のV含有率は、0.1atm%以上5atm%以下のとき初回充放電効率が90%を超え、従来のC‐F‐O‐P‐V層を有さないものと比較して優れた特性であることがわかった。また、0.1atm%以上3atm%以下の場合、初回充放電効率が93%を超え、特に優れた初回充放電効率を示すことがわかった。

Figure 2016081708
10…正極、12…正極集電体、14…正極活物質層、18…セパレータ、20…負極、22…負極集電体、24…負極活物質層、30…積層体、50…ケース、52…金属箔、54…高分子膜、60,62…リード、100…リチウムイオン二次電池。

Claims (5)

  1. 炭素材料からなる負極活物質粒子と、前記負極活物質粒子の表面にC‐F‐O‐P‐V層を有することを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極活物質。
  2. 前記C‐F‐O‐P‐V層中のVは、前記C‐F‐O‐P‐V層全体に対して0.1atm%以上5atm%以下にて含まれることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質。
  3. 前記C‐F‐O‐P‐V層の膜厚は、20nm以上300nm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質。
  4. 請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の負極活物質と、バインダーとを含むリチウムイオン二次電池用負極。
  5. 請求項4に記載の負極と正極活物質を有する正極と、前記負極と前記正極との間にセパレータと非水電解質と、を備えてなるリチウムイオン二次電池。



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