JP2017152123A - リチウムイオン二次電池用負極およびこれを用いたリチウムイオン二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池用負極及びこれを用いたリチウムイオン二次電池の提供。【解決手段】シリコンまたは酸化シリコンを含む負極活物質粒子の表面を少なくとも一部被覆するポリウレタンを含む樹脂層を備える負極活物質と、ポリアクリル酸を含有するバインダーと、炭素からなる導電助剤と、を含むリチウムイオン二次電池用電極。好ましくは、前記ポリアクリル酸は、カルボキシル基および酸無水物基を含有し、負極活物質粒子の粒径に対する、前記ポリウレタンの被覆厚さの比率が0.003〜0.08である、リチウムイオン二次電池用負極。【選択図】図1
Description
本発明は、リチウムイオン二次電池用負極およびこれを用いたリチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、ニッケル水素二次電池などと比べ、軽量、高容量であるため、携帯電子機器用電源として広く使われている。また、ハイブリッド自動車や電機自動車用の電源としての需要や、情報家電の小型化への要望に伴い、更なる高容量化が求められている。
現在、リチウムイオン二次電池の負極活物質材料として黒鉛などの炭素材料が主に使われているが、更なる高容量化のため、Si等の合金系負極活物質が多く研究されている。
しかし、このような合金系化合物を負極活物質として使用した場合、充放電によるリチウムイオンの挿入脱離に伴う負極活物質の膨張収縮が顕著になり、そのため負極活物層内や集電体における導電経路の分断による集電不良が生じ、サイクル特性の優れたリチウムイオン二次電池が得られなかった。
上述した課題に対して特許文献1ではスチレンブタジエンゴムバインダーやカルボキシメチルセルロースバインダーなどで負極活物質をコーティングし、負極の充放電サイクル時における膨張を緩衝することが提案されている。
現在、リチウムイオン二次電池の負極活物質材料として黒鉛などの炭素材料が主に使われているが、更なる高容量化のため、Si等の合金系負極活物質が多く研究されている。
しかし、このような合金系化合物を負極活物質として使用した場合、充放電によるリチウムイオンの挿入脱離に伴う負極活物質の膨張収縮が顕著になり、そのため負極活物層内や集電体における導電経路の分断による集電不良が生じ、サイクル特性の優れたリチウムイオン二次電池が得られなかった。
上述した課題に対して特許文献1ではスチレンブタジエンゴムバインダーやカルボキシメチルセルロースバインダーなどで負極活物質をコーティングし、負極の充放電サイクル時における膨張を緩衝することが提案されている。
それでもなお、特許文献1に記載されている技術では十分なサイクル特性が得られていない。
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたもので、サイクル特性に優れたリチウム二次電池用負極およびこれを用いたリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明にかかるリチウムイオン二次電池用負極は、シリコンまたは酸化シリコンを含む負極活物質粒子の表面を少なくとも一部被覆するポリウレタンを含む樹脂層を備える負極活物質と、ポリアクリル酸を含有するバインダーと、炭素からなる導電助剤と、を含むことを特徴とする。
かかる構成によれば、優れたサイクル特性を有するリチウムイオン二次電池用負極を得ることができる。その原因は必ずしも明らかではないがポリウレタンで被覆された負極活物質がポリアクリル酸バインダー中に分散されていることにより、シリコンの体積変化にポリウレタン樹脂層が追従すると共に、ポリウレタンとポリアクリル酸バインダーとの界面のすべり性と適度な追従性により電極中のバインダーへのストレスが緩和されることによるものと考えられる。
前記ポリアクリル酸は、カルボキシル基および酸無水物基を含有することが好ましい。
かかる構成によれば、サイクル特性がより向上する。これは、ポリアクリル酸中の酸無水物基は、カルボキシル基が脱水縮合していることを示し、ポリアクリル酸バインダーの三次元的結合ネットワークが強化され、負極活物質の膨張を緩和し、負極活物質層の構造を保持する効果が増すと考えられる。
さらに負極活物質粒子の粒径に対する、前記ポリウレタンの被覆厚さの比率は0.003〜0.08であることが好ましい。
かかる構成によればより優れたサイクル特性を得ることができる。
本発明によれば、サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池用負極およびこれを用いたリチウムイオン二次電池を提供することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに以下に記載した構成要素は、適宜組み合わせることができる。
(リチウムイオン二次電池)
図1は、本実施形態とするリチウムイオン二次電池を示す模式断面図である。図1に示すように、リチウムイオン二次電池100は、主として、積層体30、積層体30を密閉した状態で収容するケース50、及び積層体30に接続された一対のリード60、62を備えている。
図1は、本実施形態とするリチウムイオン二次電池を示す模式断面図である。図1に示すように、リチウムイオン二次電池100は、主として、積層体30、積層体30を密閉した状態で収容するケース50、及び積層体30に接続された一対のリード60、62を備えている。
積層体30は、一対の正極10、負極20が、セパレータ18を挟んで対向配置されたものである。正極10は、板状(膜状)の正極集電体12上に正極活物質層14が設けられたものである。負極20は、板状(膜状)の負極集電体22上に負極活物質層24が設けられたものである。正極活物質層14の主面及び負極活物質層24の主面が、セパレータ18の主面にそれぞれ接触している。正極集電体12及び負極集電体22の端部には、それぞれリード60、62が接続されており、リード60、62の端部はケース50の外部にまで延びている。
以下、正極10及び負極20を総称して、電極10、20といい、正極集電体12及び負極集電体22を総称して集電体12、22といい、正極活物質層14及び負極活物質層24を総称して活物質層14、24ということがある。まず、電極10、20について具体的に説明する。
(正極集電体)
正極集電体12は、導電性の板材であればよく、例えば、アルミニウム又はそれらの合金、ステンレス等の金属薄板(金属箔)を用いることができる。
正極集電体12は、導電性の板材であればよく、例えば、アルミニウム又はそれらの合金、ステンレス等の金属薄板(金属箔)を用いることができる。
(正極活物質層)
正極活物質層14は、正極活物質、正極バインダー、及び、必要に応じた量の導電助剤から主に構成されるものである。
正極活物質層14は、正極活物質、正極バインダー、及び、必要に応じた量の導電助剤から主に構成されるものである。
(正極活物質)
正極活物質としては、リチウムイオンの吸蔵及び放出、リチウムイオンの脱離及び挿入(インターカレーション)、又は、リチウムイオンと該リチウムイオンのカウンターアニオン(例えば、PF6 −)とのドープ及び脱ドープを可逆的に進行させることが可能であれば特に限定されず、公知の電極活物質を使用できる。例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、リチウムマンガンスピネル(LiMn2O4)、及び、一般式:LiNixCoyMnzMaO2(x+y+z+a=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、0≦a≦1、MはAl、Mg、Nb、Ti、Cu、Zn、Crより選ばれる1種類以上の元素)で表される複合金属酸化物、リチウムバナジウム化合物(LiV2O5、LiVOPO4)、オリビン型LiMPO4(ただし、Mは、Co、Ni、Mn、Fe、Mg、Nb、Ti、Al、Zrより選ばれる1種類以上の元素)、チタン酸リチウム(Li4Ti5O12)、LiNixCoyAlzO2(0.9<x+y+z<1.1)、Li2MnO3−LiMO2(ただしMはMn、Co,Niより選ばれる1種類以上の元素)で表されるLi過剰系固溶体等の複合金属酸化物が挙げられる。
正極活物質としては、リチウムイオンの吸蔵及び放出、リチウムイオンの脱離及び挿入(インターカレーション)、又は、リチウムイオンと該リチウムイオンのカウンターアニオン(例えば、PF6 −)とのドープ及び脱ドープを可逆的に進行させることが可能であれば特に限定されず、公知の電極活物質を使用できる。例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、リチウムマンガンスピネル(LiMn2O4)、及び、一般式:LiNixCoyMnzMaO2(x+y+z+a=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、0≦a≦1、MはAl、Mg、Nb、Ti、Cu、Zn、Crより選ばれる1種類以上の元素)で表される複合金属酸化物、リチウムバナジウム化合物(LiV2O5、LiVOPO4)、オリビン型LiMPO4(ただし、Mは、Co、Ni、Mn、Fe、Mg、Nb、Ti、Al、Zrより選ばれる1種類以上の元素)、チタン酸リチウム(Li4Ti5O12)、LiNixCoyAlzO2(0.9<x+y+z<1.1)、Li2MnO3−LiMO2(ただしMはMn、Co,Niより選ばれる1種類以上の元素)で表されるLi過剰系固溶体等の複合金属酸化物が挙げられる。
(正極バインダー)
バインダーは、正極活物質同士を結合すると共に、正極活物質と集電体12とを結合している。バインダーは、上述の結合が可能なものであればよく、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂が挙げられる。更に、上記の他に、バインダーとして、例えば、セルロース、スチレン・ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等を用いてもよい。また、バインダーとして電子伝導性の導電性高分子やイオン伝導性の導電性高分子を用いてもよい。電子伝導性の導電性高分子としては、例えば、ポリアセチレン等が挙げられる。この場合は、バインダーが導電助剤粒子の機能も発揮するので導電助剤を添加しなくてもよい。イオン伝導性の導電性高分子としては、例えば、リチウムイオン等のイオンの伝導性を有するものを使用することができ、例えば、高分子化合物(ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル系高分子化合物、ポリフォスファゼン等)のモノマーと、LiClO4、LiBF4、LiPF6等のリチウム塩又はリチウムを主体とするアルカリ金属塩と、を複合化させたもの等が挙げられる。複合化に使用する重合開始剤としては、例えば、上記のモノマーに適合する光重合開始剤または熱重合開始剤が挙げられる。
バインダーは、正極活物質同士を結合すると共に、正極活物質と集電体12とを結合している。バインダーは、上述の結合が可能なものであればよく、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂が挙げられる。更に、上記の他に、バインダーとして、例えば、セルロース、スチレン・ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等を用いてもよい。また、バインダーとして電子伝導性の導電性高分子やイオン伝導性の導電性高分子を用いてもよい。電子伝導性の導電性高分子としては、例えば、ポリアセチレン等が挙げられる。この場合は、バインダーが導電助剤粒子の機能も発揮するので導電助剤を添加しなくてもよい。イオン伝導性の導電性高分子としては、例えば、リチウムイオン等のイオンの伝導性を有するものを使用することができ、例えば、高分子化合物(ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル系高分子化合物、ポリフォスファゼン等)のモノマーと、LiClO4、LiBF4、LiPF6等のリチウム塩又はリチウムを主体とするアルカリ金属塩と、を複合化させたもの等が挙げられる。複合化に使用する重合開始剤としては、例えば、上記のモノマーに適合する光重合開始剤または熱重合開始剤が挙げられる。
正極活物質層14中のバインダーの含有量は特に限定されないが、正極活物質、導電助剤及びバインダーの質量の和を基準にして、1〜10質量%であることが好ましい。正極活物質とバインダーの含有量を上記範囲とすることにより、得られた正極活物質層14において、バインダーの量が少なすぎて強固な正極活物質層を形成できなくなる傾向を抑制できる。また、電気容量に寄与しないバインダーの量が多くなり、十分な体積エネルギー密度を得ることが困難となる傾向も抑制できる。
(正極導電助剤)
導電助剤も、正極活物質層14の導電性を良好にするものであれば特に限定されず、公知の導電助剤を使用できる。例えば、黒鉛、カーボンブラック等の炭素系材料や、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属微粉、炭素材料及び金属微粉の混合物、ITO等の導電性酸化物が挙げられる。
導電助剤も、正極活物質層14の導電性を良好にするものであれば特に限定されず、公知の導電助剤を使用できる。例えば、黒鉛、カーボンブラック等の炭素系材料や、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属微粉、炭素材料及び金属微粉の混合物、ITO等の導電性酸化物が挙げられる。
正極活物質層14中の導電助剤の含有量も特に限定されないが、添加する場合には正極活物質の質量に対して0.5〜5質量%であることが好ましい。
(負極集電体)
負極集電体22は、導電性の板材であればよく、例えば、銅、ニッケル、ステンレス又はそれらの合金の金属薄板(金属箔)を用いることができる。
負極集電体22は、導電性の板材であればよく、例えば、銅、ニッケル、ステンレス又はそれらの合金の金属薄板(金属箔)を用いることができる。
(負極活物質層)
負極活物質層24は、負極活物質、負極バインダー、及び、必要に応じた量の導電助剤から主に構成されるものである。
負極活物質層24は、負極活物質、負極バインダー、及び、必要に応じた量の導電助剤から主に構成されるものである。
(負極活物質)
本実施形態における負極活物質は、シリコンまたは酸化シリコンを含む負極活物質粒子であって、その表面の少なくとも一部被覆するポリウレタンを含む樹脂層を備えるものである。
本実施形態における負極活物質は、シリコンまたは酸化シリコンを含む負極活物質粒子であって、その表面の少なくとも一部被覆するポリウレタンを含む樹脂層を備えるものである。
(負極活物質粒子)
負極活物質粒子としてシリコンまたは酸化シリコンを含有することにより、負極20が高いエネルギー密度を有することができる。シリコンは、単体で含まれていても、シリコン化合物として含まれていてもよく、それらの2種以上が混在した状態で含まれていてもよい。
負極活物質粒子としてシリコンまたは酸化シリコンを含有することにより、負極20が高いエネルギー密度を有することができる。シリコンは、単体で含まれていても、シリコン化合物として含まれていてもよく、それらの2種以上が混在した状態で含まれていてもよい。
シリコン化合物は合金や窒素化化合物や炭化化合物などがある。具体的には、SiB4、SiB6、Mg2Si、Ni2Si、TiSi2、MoSi2、NiSi2、CaSi2、CrSi2、Cu5Si、FeSi2、MnSi2、NbSi2、TaSi2、VSi2、WSi2、ZnSi2、SiC、Si3N4、Si2N2O、LiSiO、などが挙げられる。
酸化シリコンとしてはSiOx(0<x≦2)があげられ、任意の酸化数を選ぶことができる。
また、酸化シリコンは単体で含まれていても、シリコンやシリコン合金やシリコン化合物と複合化された状態で含まれていてもよい。例えばSiO2マトリックス中にSiが分散したものであってもよい。
また、酸化シリコンは単体で含まれていても、シリコンやシリコン合金やシリコン化合物と複合化された状態で含まれていてもよい。例えばSiO2マトリックス中にSiが分散したものであってもよい。
さらに負極活物質粒子はシリコンまたは酸化シリコン以外のリチウムイオンを吸蔵・放出する負極活物質と組み合わせて用いてもよい。例えば、黒鉛、ソフトカーボン、ハードカーボン、TiO2、Li4Ti5O12、Fe2O3、SnOなどが挙げられる。
(樹脂層)
本発明に係る負極活物質粒子は負極活物質粒子の表面を少なくとも一部被覆するポリウレタンを含む樹脂層を備えることを特徴としている。前記ポリウレタンはジイソシアネート系化合物とポリオールとを含むポリウレタン系化合物形成用組成物を混合して得た生成物である。ポリウレタンは優れた粘弾性を持つ樹脂として知られており、負極活物質粒子がポリウレタンで被覆されていることで、シリコンの体積変化に被覆樹脂層が追従することができると考えられる。
本発明に係る負極活物質粒子は負極活物質粒子の表面を少なくとも一部被覆するポリウレタンを含む樹脂層を備えることを特徴としている。前記ポリウレタンはジイソシアネート系化合物とポリオールとを含むポリウレタン系化合物形成用組成物を混合して得た生成物である。ポリウレタンは優れた粘弾性を持つ樹脂として知られており、負極活物質粒子がポリウレタンで被覆されていることで、シリコンの体積変化に被覆樹脂層が追従することができると考えられる。
また、負極活物質粒子の粒径に対する、前記ポリウレタンの被覆厚さの比率は0.003〜0.08であることがこのましい。この範囲の被覆量であれば、負極活物質粒子の表面全体を被覆しやすい傾向があり、より負極活物質粒子の体積変化に追従しやすくなる。
負極活物質粒子表面のポリウレタン樹脂層の被覆厚さ測定方法は、負極活物質粒子の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)および透過型電子顕微鏡(TEM)で観察して得ることができる。
負極活物質粒子表面のポリウレタン樹脂層の被覆厚さ測定方法は、負極活物質粒子の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)および透過型電子顕微鏡(TEM)で観察して得ることができる。
(負極バインダー)
負極バインダーは、負極活物質層24中の構成する部材同士または、負極活物質層24と負極集電体22とを密着させて電極構造を維持する目的で添加される。
本発明に係るリチウムイオン二次電池用負極は、バインダーにポリアクリル酸を含むことを特徴としている。ポリアクリル酸は樹脂の強度、集電箔との密着性、水系溶媒への溶解性や加工性、材料および製造コストなどの点においても優れた特性を示す樹脂である。
負極バインダーは、負極活物質層24中の構成する部材同士または、負極活物質層24と負極集電体22とを密着させて電極構造を維持する目的で添加される。
本発明に係るリチウムイオン二次電池用負極は、バインダーにポリアクリル酸を含むことを特徴としている。ポリアクリル酸は樹脂の強度、集電箔との密着性、水系溶媒への溶解性や加工性、材料および製造コストなどの点においても優れた特性を示す樹脂である。
(負極導電助剤)
本発明に係るリチウムイオン二次電池用負極は、導電性を向上させることを目的に導電助剤として炭素材料を添加することを特徴としている。炭素材料は電気化学的安定性が高い、低密度で嵩高いことから少量添加でも導電性向上に十分効果を発揮する、などの特徴がある。炭素材料として例えば、アセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック、気相成長炭素繊維(VGCF)、カーボンナノチューブ等の炭素繊維、およびグラファイトなどの炭素材料が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
本発明に係るリチウムイオン二次電池用負極は、導電性を向上させることを目的に導電助剤として炭素材料を添加することを特徴としている。炭素材料は電気化学的安定性が高い、低密度で嵩高いことから少量添加でも導電性向上に十分効果を発揮する、などの特徴がある。炭素材料として例えば、アセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック、気相成長炭素繊維(VGCF)、カーボンナノチューブ等の炭素繊維、およびグラファイトなどの炭素材料が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
また、バインダーおよび導電助剤の含有量も、負極活物質の体積変化の大きさや箔との密着性を加味しなければならない場合は適宜調整し、上述した正極10における含有量と同様の含有量を採用すればよい。添加する場合にはバインダーの添加量は、負極活物質の質量に対して2〜20質量%であることが好ましい。導電助剤の添加量は、負極活物質の質量に対して0.5〜5質量%であることが好ましい。
このように上述した部材を用い、本実施形態における負極は、シリコンまたは酸化シリコンを含む負極活物質粒子表面を少なくとも一部被覆するポリウレタンを含む樹脂層を備える負極活物質と、ポリアクリル酸を含有するバインダーと、炭素からなる導電助剤とを含む構成としている。
一般に負極活物質粒子としてシリコンまたは酸化シリコンを含む負極活物質粒子を用いる場合には、充放電時における体積変化が10%を超えるため、充放電サイクルが繰り返されると導電経路の分断による集電不良が発生し、抵抗が増加する現象を引き起こし、リチウムイオン二次電池のサイクル特性の低下を引き起こすとされている。
また、本実施形態における負極は、ポリウレタンを含む樹脂層により少なくとも一部被覆されたシリコンまたは酸化シリコンを含む負極活物質粒子を結着するバインダーとして、ポリアクリル酸が用いられている。ポリアクリル酸は負極活物質や集電銅箔との接着に優れたバインダーである。ポリアクリル酸をバインダーとして用いることで、負極活物質の充放電に伴う体積変化が生じても、負極層としての構造をある程度維持することができると予想される。
上記構成の負極を用いることで、サイクル特性が向上する。その原因は必ずしも明らかではないがポリウレタンで被覆された負極活物質がポリアクリル酸バインダー中に分散されていることにより、シリコンの体積変化にポリウレタン樹脂層が追従すると共に、ポリウレタンとポリアクリル酸バインダーとの界面のすべり性と適度な追従性により電極中のバインダーへのストレスが緩和されることによるものと考えられる。
また、前記ポリアクリル酸はカルボキシル基および酸無水物基を含有することが好ましい。これは、ポリアクリル酸中のカルボキシル基の一部が重合して酸無水物が形成されているので、化学的に活性なカルボキシル基が減少し、化学的に安定な酸無水物基が増加するため、より界面のすべり効果が顕著にあらわれ、電極中のバインダーへのストレスが緩和されるものと考えられる。
また、ポリアクリル酸がカルボキシル基および酸無水物基を含有することを確認する方法としてはIR吸収スペクトルを測定する方法が挙げられる。IR吸収スペクトルは、カルボキシル基の存在を示す1235cm−1付近のピークと、酸無水物基の存在を示す1800cm−1付近のピークで確認することができる。
ポリウレタンはポリイソシアネート系化合物とポリオールを混合することにより得ることができる。ポリイソシアネートおよびポリオールは特に限定されることはなく、一般的に使用されるものを使用することができる。
ポリウレタンを負極活物質粒子の表面に被覆する方法としては、特に限定することはなく、例えば、負極活物質とポリウレタンが均一に分散されたスラリーを、スプレードライヤー装置などで噴霧乾燥する方法などがあるが、以下に示すような方法で簡便に負極活物質粒子表面にポリウレタン樹脂層を被覆することができる。
負極活物質粒子とポリウレタンを任意の被覆量になるように秤量し、純水を加えながら混錬し、負極活物質粒子とポリウレタンが均一に分散されたスラリーを作製する。そしてスラリーを100℃、16時間乾燥させたのち、乾燥物を解砕および粉砕させ、所定の目開きの篩に通し、ポリウレタン樹脂層が表面に被覆された負極活物質が得られる。
なお、各層の膜厚の測定は、既存の方法で測定することができ、例えばリチウムイオン二次電池から取り出した負極の断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)や、透過型電子顕微鏡(TEM)にて測定可能である。
なお、各層の膜厚の測定は、既存の方法で測定することができ、例えばリチウムイオン二次電池から取り出した負極の断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)や、透過型電子顕微鏡(TEM)にて測定可能である。
上述した構成要素により、電極10、20は、通常用いられる方法により作製できる。例えば、活物質(正極活物質または負極活物質)、バインダー(正極バインダーまたは負極バインダー)、溶媒、及び、導電助剤(正極導電助剤または負極導電助剤)を含む塗料を集電体上に塗布し、集電体上に塗布された塗料中の溶媒を除去することにより製造することができる。
溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、水等を用いることができる。
塗布方法としては、特に制限はなく、通常電極を作製する場合に採用される方法を用いることができる。例えば、スリットダイコート法、ドクターブレード法が挙げられる。
集電体12、22上に塗布された塗料中の溶媒を除去する方法は上述した方法にて、例えば赤外線乾燥炉を用いて180℃〜300℃の範囲で熱処理すればよい。
そして、このようにして活物質層14、24が形成された電極を、その後、必要に応じて例えば、ロールプレス装置等によりプレス処理すればよい。ロールプレスの線圧は例えば、10〜50kgf/cmとすることができる。このようにして電極が完成する。
次に、リチウムイオン二次電池100の他の構成要素を説明する。
(セパレータ)
セパレータは、電解液に対して安定であり、保液性に優れていれば特に制限はないが、一般的にはポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンの多孔質シート、又は不織布が挙げられる。
セパレータは、電解液に対して安定であり、保液性に優れていれば特に制限はないが、一般的にはポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンの多孔質シート、又は不織布が挙げられる。
(電解質)
電解質は、正極活物質層14、負極活物質層24、及び、セパレータ18の内部に含有させるものである。電解質としては、特に限定されず、例えば、本実施形態では、リチウム塩を含む電解液(電解質水溶液、有機溶媒を使用する電解質溶液)を使用することができる。ただし、電解質水溶液は電気化学的に分解電圧が低いことにより、充電時の耐用電圧が低く制限されるので、有機溶媒を使用する電解液(非水電解質溶液)であることが好ましい。電解液としては、リチウム塩を非水溶媒(有機溶媒)に溶解したものが好適に使用される。リチウム塩としては特に限定されず、リチウムイオン二次電池の電解質として用いられるリチウム塩を用いることができる。例えば、リチウム塩としては、LiPF6、LiBF4、LiBETI、LiFSI、LiBOB等の無機酸陰イオン塩、LiCF3SO3、(CF3SO2)2NLi等の有機酸陰イオン塩等を用いることができる。
電解質は、正極活物質層14、負極活物質層24、及び、セパレータ18の内部に含有させるものである。電解質としては、特に限定されず、例えば、本実施形態では、リチウム塩を含む電解液(電解質水溶液、有機溶媒を使用する電解質溶液)を使用することができる。ただし、電解質水溶液は電気化学的に分解電圧が低いことにより、充電時の耐用電圧が低く制限されるので、有機溶媒を使用する電解液(非水電解質溶液)であることが好ましい。電解液としては、リチウム塩を非水溶媒(有機溶媒)に溶解したものが好適に使用される。リチウム塩としては特に限定されず、リチウムイオン二次電池の電解質として用いられるリチウム塩を用いることができる。例えば、リチウム塩としては、LiPF6、LiBF4、LiBETI、LiFSI、LiBOB等の無機酸陰イオン塩、LiCF3SO3、(CF3SO2)2NLi等の有機酸陰イオン塩等を用いることができる。
また、有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、等の非プロトン性高誘電率溶媒や、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、等の酢酸エステル類あるいはプロピオン酸エステル類等の非プロトン性低粘度溶媒が挙げられる。これらの非プロトン性高誘電率溶媒と非プロトン性低粘度溶媒を適当な混合比で併用することが望ましい。更には、イミダゾリウム、アンモニウム、及びピリジニウム型のカチオンを用いたイオン性液体を使用することができる。対アニオンは特に限定されるものではないが、BF4 −、PF6 −、(CF3SO2)2N−等が挙げられる。イオン性液体は前述の有機溶媒と混合して使用することが可能である。
電解液のリチウム塩の濃度は、電気伝導性の点から、0.5〜2.0Mが好ましい。なお、この電解質の温度25℃における導電率は0.01S/m以上であることが好ましく、電解質塩の種類あるいはその濃度により調整される。
電解液のリチウム塩の濃度は、電気伝導性の点から、0.5〜2.0Mが好ましい。なお、この電解質の温度25℃における導電率は0.01S/m以上であることが好ましく、電解質塩の種類あるいはその濃度により調整される。
電解質を固体電解質やゲル電解質とする場合には、ポリ(ビニリデンフルオライド)等を高分子材料として含有することが可能である。
更に、本実施形態の電解液中には、必要に応じて各種添加剤を添加してもよい。添加剤としては、例えば、サイクル寿命向上を目的としたビニレンカーボネート、メチルビニレンカーボネート等や、過充電防止を目的としたビフェニル、アルキルビフェニル等や、脱酸や脱水を目的とした各種カーボネート化合物、各種カルボン酸無水物、各種含窒素及び含硫黄化合物が挙げられる。
更に、本実施形態の電解液中には、必要に応じて各種添加剤を添加してもよい。添加剤としては、例えば、サイクル寿命向上を目的としたビニレンカーボネート、メチルビニレンカーボネート等や、過充電防止を目的としたビフェニル、アルキルビフェニル等や、脱酸や脱水を目的とした各種カーボネート化合物、各種カルボン酸無水物、各種含窒素及び含硫黄化合物が挙げられる。
(ケース)
ケース50は、その内部に積層体30及び電解液を密封するものである。ケース50は、電解液の外部への漏出や、外部からのリチウムイオン二次電池100内部への水分等の侵入等を抑止できる物であれば特に限定されない。例えば、ケース50として、図1に示すように、金属箔52を高分子膜54で両側からコーティングした金属ラミネートフィルムを利用できる。金属箔52としては例えばアルミ箔を、高分子膜54としてはポリプロピレン等の膜を利用できる。例えば、外側の高分子膜54の材料としては融点の高い高分子、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド等が好ましく、内側の高分子膜54の材料としてはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等が好ましい。
ケース50は、その内部に積層体30及び電解液を密封するものである。ケース50は、電解液の外部への漏出や、外部からのリチウムイオン二次電池100内部への水分等の侵入等を抑止できる物であれば特に限定されない。例えば、ケース50として、図1に示すように、金属箔52を高分子膜54で両側からコーティングした金属ラミネートフィルムを利用できる。金属箔52としては例えばアルミ箔を、高分子膜54としてはポリプロピレン等の膜を利用できる。例えば、外側の高分子膜54の材料としては融点の高い高分子、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド等が好ましく、内側の高分子膜54の材料としてはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等が好ましい。
(リード)
リード60、62は、アルミ等の導電材料から形成されている。
そして、公知の方法により、リード60、62を正極集電体12、負極集電体22にそれぞれ溶接し、正極10の正極活物質層14と負極20の負極活物質層24との間にセパレータ18を挟んだ状態で、電解液と共にケース50内に挿入し、ケース50の入り口をシールすればよい。
リード60、62は、アルミ等の導電材料から形成されている。
そして、公知の方法により、リード60、62を正極集電体12、負極集電体22にそれぞれ溶接し、正極10の正極活物質層14と負極20の負極活物質層24との間にセパレータ18を挟んだ状態で、電解液と共にケース50内に挿入し、ケース50の入り口をシールすればよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、リチウムイオン二次電池は図1に示した形状のものに限定されず、コイン形状に打ち抜いた電極とセパレータとを積層したコインタイプや、電極シートとセパレータとをスパイラル状に巻回したシリンダータイプ等であってもよい。
(実施例1)
<リチウムイオン二次電池用負極の作製>
まず、負極活物質粒子として減圧下において1000℃、2時間の熱処理で不均化反応させたSiOxを用意した。負極活物質粒子の重量に対して0.1重量%のポリウレタンを含む溶液に、この負極活物質粒子を分散させたスラリーを作製した。次いで得られたスラリーを100℃、16時間乾燥させたのち、乾燥物を解砕および粉砕させ、所定の目開きの篩に通し、ポリウレタン樹脂層が表面に被覆された負極活物質が得られた。
<リチウムイオン二次電池用負極の作製>
まず、負極活物質粒子として減圧下において1000℃、2時間の熱処理で不均化反応させたSiOxを用意した。負極活物質粒子の重量に対して0.1重量%のポリウレタンを含む溶液に、この負極活物質粒子を分散させたスラリーを作製した。次いで得られたスラリーを100℃、16時間乾燥させたのち、乾燥物を解砕および粉砕させ、所定の目開きの篩に通し、ポリウレタン樹脂層が表面に被覆された負極活物質が得られた。
(負極活物質粒子の粒径と樹脂層の厚さ測定)
得られた負極活物質粒子を埋め込み樹脂に含浸させ、固化した後断面研磨し、断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した結果、負極活物質の各粒子の表面には、樹脂層が形成されていた。負極活物質粒子の表面に形成された樹脂層の厚みと負極活物質粒子の粒子径を任意で20箇所以上測定し、それぞれの平均値を樹脂層の厚さと粒子径とした。
また、粒子径に対する樹脂層の厚みの比率は、下記式(1)により算出でき、実施例1の負極活物質に対して測定した結果、0.001であった。
負極活物質粒子の粒径に対するポリウレタンの樹脂層厚さの比=T/R ・・・(1)
ただし、負極活物質粒子の直径をR(μm)、ポリウレタンの樹脂層厚さをT(μm)とする。
得られた負極活物質粒子を埋め込み樹脂に含浸させ、固化した後断面研磨し、断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した結果、負極活物質の各粒子の表面には、樹脂層が形成されていた。負極活物質粒子の表面に形成された樹脂層の厚みと負極活物質粒子の粒子径を任意で20箇所以上測定し、それぞれの平均値を樹脂層の厚さと粒子径とした。
また、粒子径に対する樹脂層の厚みの比率は、下記式(1)により算出でき、実施例1の負極活物質に対して測定した結果、0.001であった。
負極活物質粒子の粒径に対するポリウレタンの樹脂層厚さの比=T/R ・・・(1)
ただし、負極活物質粒子の直径をR(μm)、ポリウレタンの樹脂層厚さをT(μm)とする。
実施例2〜8、比較例1〜5についても同様に負極活物質粒子の粒径と樹脂層の厚さ測定をし、負極活物質粒子の粒径に対するポリウレタンの樹脂層厚さの比を求めた。その結果を表1に粒子径に対する樹脂層の厚みの比率として示した。
上記のリチウムイオン二次電池用負極活物質を80重量%と、導電助剤としてアセチレンブラックを5重量%と、バインダーとしてポリアクリル酸を15重量%と、水とを混合分散させてペースト状の負極スラリーを作製した。そして、コンマロールコーターを用いて、この負極スラリーを厚さ10μmの銅箔の両面に所定の厚みとなるように、均一に負極活物質層を塗布した。次いで、乾燥炉内にて90℃の大気雰囲気下で上記負極活物質層を乾燥させた。なお、銅箔の両面に塗布された負極活物質層の塗膜の厚みは、ほぼ同じ膜厚に調整した。上記負極活物質が形成された負極をロールプレス機によって、負極活物質層を負極集電体の両面に圧着させ、所定の密度を有する負極シートを得た。
このように圧延された塗膜および集電箔は、電極金型を用いて21×31mmの電極サイズに打ち抜いた。
塗膜は真空度が0.5kPaの真空乾燥炉において150℃で20時間乾燥し、実施例1に係るリチウムイオン二次電池用負極を作製した。
(酸無水物基の確認方法)
また、得られたリチウムイオン二次電池用負極をFT−IRにて吸収スペクトルを測定したところ、カルボキシル基の存在を示す1235cm−1付近のピークと、酸無水物基の存在を示す1800cm−1付近のピークを確認することができた。この結果は表1にも記載し、後述する実施例2〜8、比較例1〜5についても同様に表1中に記載した。
また、得られたリチウムイオン二次電池用負極をFT−IRにて吸収スペクトルを測定したところ、カルボキシル基の存在を示す1235cm−1付近のピークと、酸無水物基の存在を示す1800cm−1付近のピークを確認することができた。この結果は表1にも記載し、後述する実施例2〜8、比較例1〜5についても同様に表1中に記載した。
<リチウムイオン二次電池用正極の作製>
正極活物質としてコバルト酸リチウム(LiCoO2)を96重量%と、導電助剤としてケッチェンブラックを2重量%と、バインダーとしてPVDFを2重量%と、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンとを混合分散させて、ペースト状の正極スラリーを作製した。そして、コンマロールコーターを用いて、この正極スラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔の両面に所定の厚みとなるように、均一に正極活物質層を塗布した。次いで、乾燥炉内にて、110℃の大気雰囲気下でN−メチル−2−ピロリドン溶媒を乾燥させた。なお、アルミニウム箔の両面に塗布された正極活物質層の塗膜の厚みは、ほぼ同じ膜厚に調整した。正極活物質が形成された正極をロールプレス機によって、正極活物質層を正極集電体の両面に圧着させ、所定の密度を有する正極シートを得た。
正極活物質としてコバルト酸リチウム(LiCoO2)を96重量%と、導電助剤としてケッチェンブラックを2重量%と、バインダーとしてPVDFを2重量%と、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンとを混合分散させて、ペースト状の正極スラリーを作製した。そして、コンマロールコーターを用いて、この正極スラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔の両面に所定の厚みとなるように、均一に正極活物質層を塗布した。次いで、乾燥炉内にて、110℃の大気雰囲気下でN−メチル−2−ピロリドン溶媒を乾燥させた。なお、アルミニウム箔の両面に塗布された正極活物質層の塗膜の厚みは、ほぼ同じ膜厚に調整した。正極活物質が形成された正極をロールプレス機によって、正極活物質層を正極集電体の両面に圧着させ、所定の密度を有する正極シートを得た。
上記正極シートは、電極金型を用いて20×30mmの電極サイズに打ち抜き、リチウムイオン二次電池用正極を作製した。
<リチウムイオン二次電池の作製>
上記作製した負極と正極とを、厚さ16μmの22×33mmサイズのポリプロピレン製のセパレータを介して積層し、電極体を作製した。負極3枚と正極2枚とを負極と正極が交互に積層されるようセパレータ4枚を介して積層した。さらに、上記電極体の負極において、負極活物質層を設けていない銅箔の突起端部にニッケル製の負極リードを取り付け、一方、電極体の正極においては、正極活物質層を設けていないアルミニウム箔の突起端部にアルミニウム製の正極リードを超音波溶接機によって取り付けた。そしてこの電極体を、アルミニウムのラミネートフィルムの外装体内に挿入して周囲の1箇所を除いてヒートシールすることにより閉口部を形成し、上記外装体内にEC/DECが3:7の割合で配合された溶媒中に、リチウム塩として1M(mol/L)のLiPF6が添加された電解液を注入した後に、残りの1箇所を真空シール機によって減圧しながらヒートシールで密封し、実施例1に係るリチウムイオン二次電池を作製した。
上記作製した負極と正極とを、厚さ16μmの22×33mmサイズのポリプロピレン製のセパレータを介して積層し、電極体を作製した。負極3枚と正極2枚とを負極と正極が交互に積層されるようセパレータ4枚を介して積層した。さらに、上記電極体の負極において、負極活物質層を設けていない銅箔の突起端部にニッケル製の負極リードを取り付け、一方、電極体の正極においては、正極活物質層を設けていないアルミニウム箔の突起端部にアルミニウム製の正極リードを超音波溶接機によって取り付けた。そしてこの電極体を、アルミニウムのラミネートフィルムの外装体内に挿入して周囲の1箇所を除いてヒートシールすることにより閉口部を形成し、上記外装体内にEC/DECが3:7の割合で配合された溶媒中に、リチウム塩として1M(mol/L)のLiPF6が添加された電解液を注入した後に、残りの1箇所を真空シール機によって減圧しながらヒートシールで密封し、実施例1に係るリチウムイオン二次電池を作製した。
(実施例2)
実施例2に係るリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池は、負極活物質粒子の重量に対して0.6重量%のポリウレタンを含む溶液に、この負極活物質粒子を分散させたスラリーを作製し、次いで得られたスラリーを100℃、16時間乾燥させたのち、乾燥物を解砕および粉砕させ、所定の目開きの篩に通し、ポリウレタンを被覆した負極活物質を作製した以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池を作製した。なお、得られた負極活物質粒子の断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した結果、負極活物質の各粒子の表面には、樹脂層が形成されていた。1つの負極活物質粒子において、表面に形成された樹脂層の厚みを任意で測定し、粒子径に対する樹脂層の厚みの比率を上述した式(1)より算出した結果、0.003であった。
実施例2に係るリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池は、負極活物質粒子の重量に対して0.6重量%のポリウレタンを含む溶液に、この負極活物質粒子を分散させたスラリーを作製し、次いで得られたスラリーを100℃、16時間乾燥させたのち、乾燥物を解砕および粉砕させ、所定の目開きの篩に通し、ポリウレタンを被覆した負極活物質を作製した以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池を作製した。なお、得られた負極活物質粒子の断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した結果、負極活物質の各粒子の表面には、樹脂層が形成されていた。1つの負極活物質粒子において、表面に形成された樹脂層の厚みを任意で測定し、粒子径に対する樹脂層の厚みの比率を上述した式(1)より算出した結果、0.003であった。
(実施例3)
実施例3に係るリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池は、負極活物質粒子の重量に対して3.3重量%のポリウレタンを含む溶液に、この負極活物質粒子を分散させたスラリーを作製し、次いで得られたスラリーを100℃、16時間乾燥させたのち、乾燥物を解砕および粉砕させ、所定の目開きの篩に通し、ポリウレタンを被覆した負極活物質を作製した以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池を作製した。なお、得られた負極活物質粒子の断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した結果、負極活物質の各粒子の表面には、樹脂層が形成されていた。1つの負極活物質粒子において、表面に形成された樹脂層の厚みを任意で測定し、粒子径に対する樹脂層の厚みの比率を上述した式(1)より算出した結果、0.02であった。
実施例3に係るリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池は、負極活物質粒子の重量に対して3.3重量%のポリウレタンを含む溶液に、この負極活物質粒子を分散させたスラリーを作製し、次いで得られたスラリーを100℃、16時間乾燥させたのち、乾燥物を解砕および粉砕させ、所定の目開きの篩に通し、ポリウレタンを被覆した負極活物質を作製した以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池を作製した。なお、得られた負極活物質粒子の断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した結果、負極活物質の各粒子の表面には、樹脂層が形成されていた。1つの負極活物質粒子において、表面に形成された樹脂層の厚みを任意で測定し、粒子径に対する樹脂層の厚みの比率を上述した式(1)より算出した結果、0.02であった。
(実施例4)
実施例4に係るリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池は、負極活物質粒子の重量に対して8.6重量%のポリウレタンを含む溶液に、この負極活物質粒子を分散させたスラリーを作製し、次いで得られたスラリーを100℃、16時間乾燥させたのち、乾燥物を解砕および粉砕させ、所定の目開きの篩に通し、ポリウレタンを被覆した負極活物質を作製した以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池を作製した。なお、得られた負極活物質粒子の断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した結果、負極活物質の各粒子の表面には、樹脂層が形成されていた。1つの負極活物質粒子において、表面に形成された樹脂層の厚みを任意で測定し、粒子径に対する樹脂層の厚みの比率を上述した式(1)より算出した結果、0.05であった。
実施例4に係るリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池は、負極活物質粒子の重量に対して8.6重量%のポリウレタンを含む溶液に、この負極活物質粒子を分散させたスラリーを作製し、次いで得られたスラリーを100℃、16時間乾燥させたのち、乾燥物を解砕および粉砕させ、所定の目開きの篩に通し、ポリウレタンを被覆した負極活物質を作製した以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池を作製した。なお、得られた負極活物質粒子の断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した結果、負極活物質の各粒子の表面には、樹脂層が形成されていた。1つの負極活物質粒子において、表面に形成された樹脂層の厚みを任意で測定し、粒子径に対する樹脂層の厚みの比率を上述した式(1)より算出した結果、0.05であった。
(実施例5)
実施例5に係るリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池は、負極活物質粒子の重量に対して14.2重量%のポリウレタンを含む溶液に、この負極活物質粒子を分散させたスラリーを作製し、次いで得られたスラリーを100℃、16時間乾燥させたのち、乾燥物を解砕および粉砕させ、所定の目開きの篩に通し、ポリウレタンを被覆した負極活物質を作製した以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池を作製した。なお、得られた負極活物質粒子の断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した結果、負極活物質の各粒子の表面には、樹脂層が形成されていた。1つの負極活物質粒子において、表面に形成された樹脂層の厚みを任意で測定し、粒子径に対する樹脂層の厚みの比率を上述した式(1)より算出した結果、0.08であった。
実施例5に係るリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池は、負極活物質粒子の重量に対して14.2重量%のポリウレタンを含む溶液に、この負極活物質粒子を分散させたスラリーを作製し、次いで得られたスラリーを100℃、16時間乾燥させたのち、乾燥物を解砕および粉砕させ、所定の目開きの篩に通し、ポリウレタンを被覆した負極活物質を作製した以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池を作製した。なお、得られた負極活物質粒子の断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した結果、負極活物質の各粒子の表面には、樹脂層が形成されていた。1つの負極活物質粒子において、表面に形成された樹脂層の厚みを任意で測定し、粒子径に対する樹脂層の厚みの比率を上述した式(1)より算出した結果、0.08であった。
(実施例6)
実施例6に係るリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池は、負極活物質粒子の重量に対して18.0重量%のポリウレタンを含む溶液に、この負極活物質粒子を分散させたスラリーを作製し、次いで得られたスラリーを100℃、16時間乾燥させたのち、乾燥物を解砕および粉砕させ、所定の目開きの篩に通し、ポリウレタンを被覆した負極活物質を作製した以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池を作製した。なお、得られた負極活物質粒子の断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した結果、負極活物質の各粒子の表面には、樹脂層が形成されていた。1つの負極活物質粒子において、表面に形成された樹脂層の厚みを任意で測定し、粒子径に対する樹脂層の厚みの比率を上述した式(1)より算出した結果、0.1であった。
実施例6に係るリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池は、負極活物質粒子の重量に対して18.0重量%のポリウレタンを含む溶液に、この負極活物質粒子を分散させたスラリーを作製し、次いで得られたスラリーを100℃、16時間乾燥させたのち、乾燥物を解砕および粉砕させ、所定の目開きの篩に通し、ポリウレタンを被覆した負極活物質を作製した以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池を作製した。なお、得られた負極活物質粒子の断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した結果、負極活物質の各粒子の表面には、樹脂層が形成されていた。1つの負極活物質粒子において、表面に形成された樹脂層の厚みを任意で測定し、粒子径に対する樹脂層の厚みの比率を上述した式(1)より算出した結果、0.1であった。
(実施例7)
実施例7に係るリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池は、負極活物質粒子の重量に対して24.0重量%のポリウレタンを含む溶液に、この負極活物質粒子を分散させたスラリーを作製し、次いで得られたスラリーを100℃、16時間乾燥させたのち、乾燥物を解砕および粉砕させ、所定の目開きの篩に通し、ポリウレタンを被覆した負極活物質を作製した以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池を作製した。なお、得られた負極活物質粒子の断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した結果、負極活物質の各粒子の表面には、樹脂層が形成されていた。1つの負極活物質粒子において、表面に形成された樹脂層の厚みを任意で測定し、粒子径に対する樹脂層の厚みの比率を上述した式(1)より算出した結果、0.13であった。
実施例7に係るリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池は、負極活物質粒子の重量に対して24.0重量%のポリウレタンを含む溶液に、この負極活物質粒子を分散させたスラリーを作製し、次いで得られたスラリーを100℃、16時間乾燥させたのち、乾燥物を解砕および粉砕させ、所定の目開きの篩に通し、ポリウレタンを被覆した負極活物質を作製した以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池を作製した。なお、得られた負極活物質粒子の断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した結果、負極活物質の各粒子の表面には、樹脂層が形成されていた。1つの負極活物質粒子において、表面に形成された樹脂層の厚みを任意で測定し、粒子径に対する樹脂層の厚みの比率を上述した式(1)より算出した結果、0.13であった。
(実施例8)
実施例8に係るリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池は、負極を電極金型を用いて21×31mmの電極サイズにて打ち抜き後、熱処理を行わなかったこと以外は、実施例3と同様にしてリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池を作製した。
また、得られたリチウムイオン二次電池用負極をFT−IRにて吸収スペクトルを測定したところ、カルボキシル基の存在を示す1235cm−1付近のピークを確認することができた。
実施例8に係るリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池は、負極を電極金型を用いて21×31mmの電極サイズにて打ち抜き後、熱処理を行わなかったこと以外は、実施例3と同様にしてリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池を作製した。
また、得られたリチウムイオン二次電池用負極をFT−IRにて吸収スペクトルを測定したところ、カルボキシル基の存在を示す1235cm−1付近のピークを確認することができた。
(比較例1)
比較例1に係るリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池は、負極活物質粒子として減圧下において1000℃の熱処理で不均化反応させたSiOxの表面に樹脂層の形成しなかったものを用いたこと以外は、実施例3と同様にしてリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池を作製した。
比較例1に係るリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池は、負極活物質粒子として減圧下において1000℃の熱処理で不均化反応させたSiOxの表面に樹脂層の形成しなかったものを用いたこと以外は、実施例3と同様にしてリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池を作製した。
(比較例2)
比較例2に係るリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池は、負極活物質粒子として減圧下において1000℃の熱処理で不均化反応させたSiOxの表面に樹脂層の形成しなかったものを用い、バインダーとしてポリウレタンを15重量%用いたこと以外は、実施例3と同様にしてリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池を作製した。
比較例2に係るリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池は、負極活物質粒子として減圧下において1000℃の熱処理で不均化反応させたSiOxの表面に樹脂層の形成しなかったものを用い、バインダーとしてポリウレタンを15重量%用いたこと以外は、実施例3と同様にしてリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池を作製した。
(比較例3)
比較例3に係るリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池は、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン樹脂を15重量%用いたこと以外は、実施例3と同様にしてリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池を作製した。
比較例3に係るリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池は、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン樹脂を15重量%用いたこと以外は、実施例3と同様にしてリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池を作製した。
(比較例4)
比較例4に係るリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池は、バインダーとしてポリアミドイミド樹脂を15重量%用いたこと以外は、実施例3と同様にしてリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池を作製した。
比較例4に係るリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池は、バインダーとしてポリアミドイミド樹脂を15重量%用いたこと以外は、実施例3と同様にしてリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池を作製した。
(比較例5)
比較例5に係るリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池は、負極活物質粒子の重量に対して0.1重量%のポリアミドイミド樹脂を含む溶液に、この負極活物質粒子を分散させたスラリーを作製し、次いで得られたスラリーを150℃、16時間乾燥させたのち、乾燥物を解砕および粉砕させ、所定の目開きの篩に通し、ポリウレタン樹脂層が表面に被覆された負極活物質が得られたこと以外は、実施例3と同様にしてリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池を作製した。
比較例5に係るリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池は、負極活物質粒子の重量に対して0.1重量%のポリアミドイミド樹脂を含む溶液に、この負極活物質粒子を分散させたスラリーを作製し、次いで得られたスラリーを150℃、16時間乾燥させたのち、乾燥物を解砕および粉砕させ、所定の目開きの篩に通し、ポリウレタン樹脂層が表面に被覆された負極活物質が得られたこと以外は、実施例3と同様にしてリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池を作製した。
<サイクル特性の評価方法>
実施例及び比較例で作製した評価用リチウムイオン二次電池について、二次電池充放電試験装置(北斗電工株式会社製)を用い、サイクル特性の測定を行った。0.5Cで4.2Vまで定電流定電圧充電し、1Cで2.5Vまで定電流放電する充放電サイクルを300サイクル繰り返し、300サイクル後の容量維持率を測定し、サイクル特性を評価した。このときの容量維持率は百分率で示した。
実施例及び比較例で作製した評価用リチウムイオン二次電池について、二次電池充放電試験装置(北斗電工株式会社製)を用い、サイクル特性の測定を行った。0.5Cで4.2Vまで定電流定電圧充電し、1Cで2.5Vまで定電流放電する充放電サイクルを300サイクル繰り返し、300サイクル後の容量維持率を測定し、サイクル特性を評価した。このときの容量維持率は百分率で示した。
表1には、実施例1〜8及び比較例1〜5の樹脂層、バインダー、負極活物質粒子の粒径に対するポリウレタンの被覆厚さの比率、及び300サイクル後の容量維持率についてまとめて示した。
ただし、表1中の実施例、比較例に示すサイクル特性の結果(300サイクルにおける容量維持率)は、全て25℃の温度下での測定値とした。
上記表1からもわかるように、シリコンまたは酸化シリコンを含む負極活物質粒子の表面を少なくとも一部ポリウレタンで被覆し、この負極活物質をポリアクリル酸が含有されるバインダーで結着することによって、サイクル特性が向上することが明らかになった。
実施例3と実施例8を比較すると、ポリウレタン樹脂層の被覆厚さ比率が同じでも、バインダーのポリアクリル酸は酸無水物を含んでいる方が300サイクルにおける容量維持率が高くなることが明らかとなった。
実施例1から7を見ると、バインダーのポリアクリル酸が酸無水物を含んでいて、さらにポリウレタンの負極活物質粒子径に対する被覆樹脂層の厚みの比率が0.003から0.08の範囲にあることで300サイクルにおける容量維持率がより向上していることが明らかとなった。
(符号の説明)
100・・・リチウムイオン二次電池、10・・・正極(同義:リチウムイオン二次電池用正極)、12・・・正極集電体、14・・・正極活物質層、60・・・正極リード、
20・・・負極(同義:リチウムイオン二次電池用負極)、22・・・負極集電体、24・・・負極活物質層、62・・・負極リード、18・・・セパレーター、30・・・電極体、50・・・外装体、52・・・金属箔、54・・・高分子膜
100・・・リチウムイオン二次電池、10・・・正極(同義:リチウムイオン二次電池用正極)、12・・・正極集電体、14・・・正極活物質層、60・・・正極リード、
20・・・負極(同義:リチウムイオン二次電池用負極)、22・・・負極集電体、24・・・負極活物質層、62・・・負極リード、18・・・セパレーター、30・・・電極体、50・・・外装体、52・・・金属箔、54・・・高分子膜
Claims (4)
- シリコンまたは酸化シリコンを含む負極活物質粒子の表面を少なくとも一部被覆するポリウレタンを含む樹脂層を備える負極活物質と、ポリアクリル酸を含有するバインダーと、炭素からなる導電助剤と、を含むリチウムイオン二次電池用負極。
- 前記ポリアクリル酸は、カルボキシル基および酸無水物基を含有することを特徴とする、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極。
- 負極活物質粒子の粒径に対する、前記ポリウレタンの被覆厚さの比率が0.003〜0.08であることを特徴とする請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池用負極。
- 請求項1から3のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用負極と、正極と、電解質とを備えたリチウムイオン二次電池。
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