JP2016079533A - シート製造装置及びシート製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】繊維を堆積させたウェブに水分を添加する際に、ウェブを形成する繊維の脱離が生じにくいシート製造装置を提供すること。
【解決手段】本発明に係るシート製造装置は、繊維及び樹脂を含む材料を堆積可能な堆積部と、堆積部で堆積した堆積物を加熱加圧する第1加熱加圧部と、第1加熱加圧部よりも堆積物の搬送方向下流において調湿する調湿部と、調湿部よりも堆積物の搬送方向下流において堆積物を加熱加圧する第2加熱加圧部と、を備え、第1加熱加圧部の加熱温度又は加圧力は、第2加熱加圧部の加熱温度又は加圧力よりも低い又は小さい。
【選択図】図2

Description

本発明は、シート製造装置及びシート製造方法に関する。
従来、シート製造装置においては、繊維を含む原料を水に投入し、主に機械的作用により離解して、抄き直す、いわゆる湿式方式が採用されている。このような湿式方式のシート製造装置は、大量の水が必要であり、装置が大きくなる。さらに、水処理施設の整備のメンテナンスに手間がかかる上、乾燥工程に係るエネルギーが大きくなる。そこで、小型化、省エネルギーのために、水を極力利用しない乾式によるシート製造装置が提案されている。例えば、特許文献1には、乾式解繊機において紙片を繊維状に解繊して、紙を成形する紙再生装置が記載されている。
特開2012−144819号公報
特許文献1に開示された装置では、繊維を堆積させたウェブに少量の水分を添加し、ヒーターローラーで加熱加圧をしている。この場合、ウェブ表面の濡れた繊維は、未だ互いに結着していないので、ヒーターローラーに付着してしまう場合があった。また、ウェブに対して水分を噴射したり、ミストを気流に乗せて送ったりするときに、繊維が舞い上がる場合があった。さらに、水分の添加をローラーにより塗布する場合は、塗布するローラーに繊維がくっついてしまう場合があった。
このように、従来の水分の添加方法では、繊維が飛散したり、ローラーに付着したりしやすく、装置の動作が不安定となったり、装置のメンテナンスの頻度が高かったりして、連続運転等に支障をきたすことが懸念される。
本発明の幾つかの態様に係る目的の一つは、繊維を堆積させたウェブに水分を添加する際に、ウェブを形成する繊維の脱離が生じにくいシート製造装置及びシート製造方法を提供することにある。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するために為されたものであり、以下の態様又は適用例として実現することができる。
本発明に係るシート製造装置の一態様は、
繊維及び樹脂を含む材料を堆積可能な堆積部と、
前記堆積部で堆積した堆積物を加熱加圧する第1加熱加圧部と、
前記第1加熱加圧部よりも前記堆積物の搬送方向下流において調湿する調湿部と、
前記調湿部よりも前記堆積物の搬送方向下流において前記堆積物を加熱加圧する第2加熱加圧部と、
を備え、
前記第1加熱加圧部の加熱温度又は加圧力は、前記第2加熱加圧部の加熱温度又は加圧力よりも低い又は小さいことを特徴とする。
このようなシート製造装置は、調湿する前に低温又は低圧力で堆積物を加熱加圧することで繊維を樹脂で結着して、第2加熱加圧部や調湿部への繊維の貼り付き、調湿するときの繊維の舞い上がりなどを抑制できる。
本発明に係るシート製造装置において、前記調湿部は、前記堆積物に水分をローラーで塗布する塗布ローラーと、前記塗布ローラーに前記水分を供給する水分供給部と、を備えてもよい。
このようなシート製造装置は、塗布ローラーで水分を堆積物に塗布するので大量の水分を塗布しやすい。また、第1加熱加圧部で堆積物を加熱加圧することで、塗布ローラーが堆積物に接する際に堆積物の表面を荒らしてしまうことを抑制することができる。
本発明に係るシート製造装置において、前記塗布ローラーを前記堆積物の面の両側に配置してもよい。
このようなシート製造装置は、堆積物の両側に塗布ローラーが配置されることで、堆積物の厚み方向に水分を均一に塗布しやすい。
本発明に係るシート製造装置において、塗布ローラーの加圧力は、前記第1加熱加圧部の加圧力よりも低くてもよい。
このようなシート製造装置は、塗布ローラーで水分を塗布しながら、塗布ローラーによって水分を絞り出してしまうことを抑制できる。
本発明に係るシート製造装置において、
前記調湿部は、水分を気流で前記堆積物に供給してもよい。
このようなシート製造装置は、調湿部の前に第1加熱加圧部を有するため、水分を気流で供給する際に、気流で堆積物の繊維を舞い上げてしまうことを抑制できる。
本発明に係るシート製造装置において、
前記調湿部は、水分を噴射して前記堆積物に供給してもよい。
このようなシート製造装置は、調湿部の前に第1加熱加圧部を有するため、水分を噴射して供給する際に、噴射の勢いで堆積物の繊維を舞い上げてしまうことや、堆積物の形状を崩すことを抑制できる。
本発明に係るシート製造方法の一態様は、
繊維及び樹脂を含む材料を堆積して堆積物を形成する工程と、
前記堆積物を加熱加圧する第1加熱加圧工程と、
前記第1加熱加圧工程の後に、前記堆積物を調湿する調湿工程と、
前記調湿工程の後に、前記堆積物を加熱加圧する第2加熱加圧工程と、
を含み、
前記第1加熱加圧工程における加熱温度又は加圧力は、前記第2加熱加圧工程における加熱温度又は加圧力よりも低い又は小さいことを特徴とする。
このようなシート製造装置は、調湿する前に低温又は低圧力で堆積物を加熱加圧することで繊維を樹脂で結着するため、第2加熱加圧工程における堆積物の変形、調湿工程における繊維の舞い上がりなどを抑制できる。
本実施形態に係るシート製造装置を模式的に示す図。 実施形態に係る調湿部の幾つかの構成例を示す模式図。
以下に本発明の幾つかの実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の例を説明するものである。本発明は以下の実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形形態も含む。なお以下で説明される構成の全てが本発明の必須の構成であるとは限らない。
1.シート製造装置
1.1.構成の概要
まず、本実施形態に係るシート製造装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係るシート製造装置100を模式的に示す図である。
シート製造装置100は、図1に示すように、供給部10と、製造部102と、制御部140と、を備える。製造部102は、シートを製造する。製造部102は、粗砕部12と、解繊部20と、分級部30と、選別部40と、混合部50と、堆積部60と、ウェブ形成部70と、プレ加熱部110と、調湿部120と、シート形成部80と、切断部90と、を有している。本明細書では、混合部50と、堆積部60と、ウェブ形成部70と、を併せて成形部と称することがある。
供給部10は、粗砕部12に原料を供給する。供給部10は、例えば、粗砕部12に原料を連続的に投入するための自動投入部である。供給部10によって供給される原料は、例えば、古紙やパルプシートなどである。
粗砕部12は、供給部10によって供給された原料を、空気中で裁断して細片にする。細片の形状や大きさは、例えば、数cm角の細片である。図示の例では、粗砕部12は、粗砕刃14を有し、粗砕刃14によって、投入された原料を裁断することができる。粗砕部12としては、例えば、シュレッダーを用いる。粗砕部12によって裁断された原料は、ホッパー1で受けてから管2を介して、解繊部20に移送(搬送)される。
解繊部20は、粗砕部12によって裁断された原料を解繊する。ここで、「解繊する」とは、複数の繊維が結着されてなる原料(被解繊物)を、繊維1本1本に解きほぐすことをいう。解繊部20は、原料に付着した樹脂粒やインク、トナー、にじみ防止剤等の物質を、繊維から分離させる機能をも有する。
解繊部20を通過したものを「解繊物」という。「解繊物」には、解きほぐされた解繊物繊維の他に、繊維を解きほぐす際に繊維から分離した樹脂(複数の繊維同士を結着させるための樹脂)粒や、インク、トナーなどの色材や、にじみ防止材、紙力増強剤等の添加剤を含んでいる場合もある。解きほぐされた解繊物の形状は、ひも(string)状や平ひも(ribbon)状である。解きほぐされた解繊物は、他の解きほぐされた繊維と絡み合っていない状態(独立した状態)で存在してもよいし、他の解きほぐされた解繊物と絡み合って塊状となった状態(いわゆる「ダマ」を形成している状態)で存在してもよい。
解繊部20は、大気中(空気中)において乾式で解繊を行う。具体的には、解繊部20としては、インペラーミルを用いる。解繊部20は、原料を吸引し、解繊物を排出するような気流を発生させる機能を有している。これにより、解繊部20は、自ら発生する気流によって、導入口22から、原料を気流と共に吸引し、解繊処理して、排出口24へと搬送することができる。解繊部20を通過した解繊物は、管3を介して、分級部30に移送される。
分級部30は、解繊部20を通過した解繊物を分級する。具体的には、分級部30は、解繊物の中で比較的小さいものや密度の低いもの(樹脂粒や色材や添加剤など)を分離して除去する。これにより、解繊物の中で比較的大きいもしくは密度の高いものである繊維の占める割合を高めることができる。
分級部30としては、気流式分級機を用いる。気流式分級機は、旋回気流を発生させ、分級されるもののサイズと密度とにより受ける遠心力の差によって分離するものであり、気流の速度及び遠心力の調整によって、分級点を調整することができる。具体的には、分級部30としては、サイクロン、エルボージェット、エディクラシファイヤーなどを用いる。特にサイクロンは、構造が簡便であるため、分級部30として好適に用いることができる。
分級部30は、例えば、導入口31と、導入口31が接続された円筒部32と、円筒部32の下方に位置し円筒部32と連続している逆円錐部33と、逆円錐部33の下部中央に設けられている下部排出口34と、円筒部32上部中央に設けられている上部排出口35と、を有している。
分級部30において、導入口31から導入された解繊物をのせた気流は、円筒部32で円周運動に変わる。これにより、導入された解繊物には遠心力がかかり、分級部30は、解繊物のうちで樹脂粒や色材や添加剤よりも大きく密度の高い繊維(第1分級物)と、解繊物のうちで繊維よりも小さく密度の低い樹脂粒や色材や添加剤など(第2分級物)と、に分離することができる。第1分級物は、下部排出口34から排出され、管4を介して、選別部40に導入される。一方、第2分級物は、上部排出口35から管5を介して受け部36に排出される。
選別部40は、分級部30を通過した第1分級物を導入口42から導入し、繊維の長さによって選別する。選別部40としては、例えば、篩(ふるい)を用いる。選別部40は、網(フィルター、スクリーン)を有し、第1分級物に含まれる、網の目開きの大きさより小さい繊維又は粒子(網を通過するもの、第1選別物)と、網の目開きの大きさより大きい繊維や未解繊片やダマ(網を通過しないもの、第2選別物)と、を分けることができる。例えば、第1選別物は、ホッパー6で受けてから管7を介して、混合部50に移送される。第2選別物は、排出口44から管8を介して、解繊部20に戻される。具体的には、選別部40は、モーターによって回転することができる円筒の篩である。選別部40の網は、例えば、金網、切れ目が入った金属板を引き延ばしたエキスパンドメタル、金属板にプレス機等で穴を形成したパンチングメタルを用いる。
混合部50は、選別部40を通過した第1選別物と、樹脂を含む添加物と、を混合する。混合部50は、成形部の一部を構成する。混合部50は、添加物を供給する添加物供給部52と、選別物と添加物とを搬送する管54と、ブロワー56と、を有している。図示の例では、添加物は、添加物供給部52からホッパー9を介して管54に供給される。管54は、管7と連続している。
混合部50では、ブロワー56によって気流を発生させ、管54中において、第1選別物と添加物とを混合させながら、搬送することができる。なお、第1選別物と添加物とを混合させる機構は、特に限定されず、回転する羽根により攪拌するものであってもよいし、V型ミキサーのように容器の回転を利用するものであってもよい。また、混合部50は、回転する羽根を有する回転部を複数有し、第1選別物(繊維)と添加物(複合体(樹脂))とを係る回転部を通過させて混合してもよい。
添加物供給部52としては、図1に示すようなスクリューフィーダーや、図示せぬディスクフィーダーなどを用いる。添加物供給部52から供給される添加物は、複数の繊維を結着させるための樹脂を含む。樹脂が供給された時点では、複数の繊維は結着されていない。樹脂は、シート形成部80を通過する際に溶融して、複数の繊維を結着させる。
本実施形態では、添加物供給部52から供給される添加物は、樹脂とワックスとを一体にした複合体である。複合体は、単独又は適宜他の物質と混合して用いてもよい。添加物供給部52から供給される添加物は、繊維状であってもよく、粉末状であってもよい。
なお、添加物供給部52から供給される添加物には、繊維を結着させる樹脂(複合体として供給されてもよい)の他、製造されるシートの種類に応じて、繊維を着色するための着色剤や、複合体や繊維の凝集を防止するための凝集抑制剤、繊維等が燃えにくくするための難燃剤が含まれていてもよい。混合部50を通過した混合物(第1選別物と添加物との混合物)は、管54を介して、堆積部60に移送される。
堆積部60は、混合部50を通過した混合物を導入口62から導入し、絡み合った解繊物(繊維)をほぐして、空気中で分散させながら降らせる。堆積部60は、成形部の一部を構成する。また、堆積部60は、混合物を吐出してウェブ形成部70に降らせる吐出部ということができる。さらに、堆積部60は、添加物供給部52から供給される添加物の樹脂が繊維状である場合、絡み合った樹脂をほぐす。これにより、堆積部60は、ウェブ形成部70に、混合物を均一性よく堆積させることができる。
堆積部60としては、回転する円筒の篩を用いる。堆積部60は、網を有し、混合部50を通過した混合物に含まれる、網の目開きの大きさより小さい繊維又は粒子(網を通過するもの)を降らせる。堆積部60の構成は、例えば、選別部40の構成と同じである。
なお、堆積部60の「篩」は、特定の対象物を選別する機能を有していなくてもよい。すなわち、堆積部60として用いられる「篩」とは、網を備えたもの、という意味であり、堆積部60は、堆積部60に導入された混合物の全てを降らしてもよい。
ウェブ形成部70は、堆積部60を通過した通過物を堆積して、ウェブWを形成する。ウェブ形成部70は、成形部の一部を構成し、エアレイドによってウェブWを形成する。ウェブ形成部70は、例えば、メッシュベルト72と、張架ローラー74と、サクション機構76と、を有している。
メッシュベルト72は、移動しながら、堆積部60の開口(網の開口)を通過した通過物を堆積する。メッシュベルト72は、張架ローラー74によって張架され、通過物を通しにくく空気を通す構成となっている。メッシュベルト72は、張架ローラー74が自転することによって移動する。メッシュベルト72が連続的に移動しながら、堆積部60を通過した通過物が連続的に降り積もることにより、メッシュベルト72上にウェブWが形成される。メッシュベルト72は、例えば、金属製、樹脂製、布製、あるいは不織布等である。メッシュベルト72は、堆積部60から降ってきた混合物を含む気流を受け、混合物を捕集して気体を透過させる。メッシュベルト72の目開きと複合体の粒子径の関係については後述する。
サクション機構76は、メッシュベルト72の下方(堆積部60側とは反対側)に設けられている。サクション機構76は、下方に向く気流(堆積部60からメッシュベルト72に向く気流)を発生させることができる。サクション機構76によって、堆積部60により吐出され空気中に分散された混合物をメッシュベルト72上に吸引することができる。すなわち、サクション機構76は、メッシュベルト72を介して堆積部60によって吐出された混合物を吸引する吸引部ということができる。これにより、堆積部60からの排出速度を大きくすることができる。さらに、サクション機構76によって、混合物の落下経路にダウンフローを形成することができ、落下中に解繊物や添加物が絡み合うことを防ぐことができる。
以上のように、堆積部60及びウェブ形成部70(ウェブ形成工程)を経ることにより、空気を多く含み柔らかくふくらんだ状態のウェブWが形成される。メッシュベルト72に堆積されたウェブWは、プレ加熱部110と、調湿部120と、を経てシート形成部80へと搬送される。プレ加熱部110、調湿部120についての詳細は、後述する。
シート形成部80は、メッシュベルト72に堆積したウェブWを加熱加圧してシートSを成形する。シート形成部80は、成形部の一部を構成する。シート形成部80では、ウェブWにおいて混ぜ合された解繊物及び添加物の混合物に、熱を加えることにより、混合物中の複数の繊維を、互いに添加物(樹脂)を介して結着することができる。また、シート形成部80では、ウェブWに熱を加える他に、圧力を加えてもよく、両者は、同時又は別個に行われてもよい。したがって、シート形成部80は、加熱加圧部とみなすことができる。
シート形成部80としては、例えば、加熱ローラー(ヒーターローラー)、加圧ローラー、熱プレス成形機、ホットプレート、温風ブロワー、赤外線加熱器、フラッシュ定着器を用いる。図示の例では、シート形成部80は、第1結着部82と第2結着部84とを備え、結着部82,84がそれぞれ一対の加熱ローラー86を備えている。そして、一対の加熱ローラー86によって、ウェブWを加熱加圧するように構成されている。結着部82,84を加熱ローラー86として構成したことにより、結着部82,84を板状のプレス装置(平板プレス装置)として構成した場合に比べて、ウェブWを連続的に搬送しながらシートSを成形することができる。なお、加熱ローラー86の数は、特に限定されない。
切断部90は、シート形成部80によって成形されたシートSを切断する。図示の例では、切断部90は、シートSの搬送方向と交差する方向にシートSを切断する第1切断部92と、搬送方向に平行な方向にシートSを切断する第2切断部94と、を有している。第2切断部94は、例えば、第1切断部92を通過したシートSを切断する。
以上により、所定のサイズの単票のシートSが成形される。切断された単票のシートSは、排出部96へと排出される。
1.2.繊維
本実施形態のシート製造装置100において、シートSの原料となる繊維としては、特に限定されず、広範な繊維材料を用いることができる。繊維としては、天然繊維(動物繊維、植物繊維)、化学繊維(有機繊維、無機繊維、有機無機複合繊維)などが挙げられ、更に詳しくは、セルロース、絹、羊毛、綿、大麻、ケナフ、亜麻、ラミー、黄麻、マニラ麻、サイザル麻、針葉樹、広葉樹等からなる繊維や、レーヨン、リヨセル、キュプラ、ビニロン、アクリル、ナイロン、アラミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリイミド、炭素、ガラス、金属からなる繊維が挙げられ、これらを単独で用いてもよいし、適宜混合して用いてもよいし、精製などを行った再生繊維として用いてもよい。原料としては、例えば、古紙、古布等が挙げられるが、これらの繊維の少なくとも1種を含んでいればよい。また、繊維は、乾燥されていてもよいし、水、有機溶剤等の液体が含有又は含浸されていてもよい。また、各種の表面処理がされていてもよい。また、繊維の材質は、純物質であってもよいし、不純物、添加物及びその他の成分など、複数の成分を含む材質であってもよい。
本実施形態で使用される繊維は、独立した1本の繊維としたときに、その平均的な直径(断面が円でない場合には長手方向に垂直な方向の長さのうち、最大のもの、又は、断面の面積と等しい面積を有する円を仮定したときの当該円の直径(円相当径))が、平均で、1μm以上1000μm以下、好ましくは、2μm以上500μm以下、より好ましくは3μm以上200μm以下である。
本実施形態のシート製造装置100で使用する繊維の長さは、特に限定されないが、独立した1本の繊維で、その繊維の長手方向に沿った長さは、1μm以上5mm以下、好ましくは、2μm以上3mm以下、より好ましくは3μm以上2mm以下である。繊維の長さが短い場合は、複合体と結着しにくいため、シートの強度が不足する場合があるが、上記範囲であれば十分な強度のシートを得ることができる。
また、繊維の平均の長さは、長さ−長さ加重平均繊維長として、20μm以上3600μm以下、好ましくは200μm以上2700μm以下、より好ましくは300μm以上2300μm以下である。さらに、繊維の長さは、ばらつき(分布)を有してもよく、独立した1本の繊維の長さについて、100以上のn数で得られる分布において、正規分布を仮定した場合に、σが1μm以上1100μm以下、好ましくは1μm以上900μm以下、より好ましくは1μm以上600μm以下であってもよい。
繊維の太さ、長さは、各種の光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡、ファイバーテスター等により測定することができる。また顕微鏡観察の場合には、必要に応じて観察試料の前処理を適宜施すことにより、断面観察、独立した1本の繊維の両端を必要に応じて破断しないように引張った状態での観察を行うことが可能である。
1.3.樹脂
本実施形態のシート製造装置100において、添加物供給部52から供給される添加物は、樹脂を含有する。樹脂は、樹脂粒子として供給されてもよいし、他の物質と複合化された複合体として供給されてもよい。
樹脂の種類としては、天然樹脂、合成樹脂のいずれでもよく、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれでもよい。本実施形態のシート製造装置100においては、複合体を構成する樹脂は、常温で固体である方が好ましく、プレ加熱部110やシート形成部80における熱によって繊維を結着することに鑑みれば熱可塑性樹脂がより好ましい。
天然樹脂としては、ロジン、ダンマル、マスチック、コーパル、琥珀、シェラック、麒麟血、サンダラック、コロホニウムなどが挙げられ、これらを単独又は適宜混合したものが挙げられ、また、これらは適宜変性されていてもよい。
合成樹脂のうち熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、熱硬化性ポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられる。
また、合成樹脂のうち熱可塑性樹脂としては、AS樹脂、ABS樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、などが挙げられる。これらの樹脂は、単独又は適宜混合して用いてもよい。また、共重合体化や変性を行ってもよく、このような樹脂の系統としては、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系共重合樹脂、オレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂等が挙げられる。
なお、樹脂を複合体として添加する場合において、複合体とし得る樹脂以外の物質としては、繊維を着色するための着色剤、繊維等が燃えにくくするための難燃剤、複合体や繊維の凝集を防止するための凝集抑制剤、有機溶剤、界面活性剤、防黴剤・防腐剤、酸化防止剤・紫外線吸収剤、酸素吸収剤等が挙げられる。
なお、凝集抑制剤としては、各種使用しうるが、本実施形態のシート製造装置100において、供給部10から、ウェブ形成部70までにおいては、水を使用しない又はほとんど使用しないため、複合体の表面に配置される(コーティング(被覆)等でもよい。)種のものを使用することが好ましい。このような凝集抑制剤としては、無機物からなる微粒子が挙げられ、これを複合体の表面に配置することで、非常に優れた凝集抑制効果を得ることができる。凝集抑制剤の材質の具体例としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、炭酸カルシウムを挙げることができる。
混合部50において、繊維と樹脂とが混ぜ合されるが、それらの混合比率は、製造されるシートSの強度、用途等により適宜調節されることができる。製造されるシートSがコピー用紙等の事務用途であれば、繊維に対する複合体の割合は、5質量%以上70質量%以下であり、混合部50において良好な混合を得る観点、及び混合物をシート状に成形した場合に、重力によって複合体がさらに脱離しにくくする観点からは、5質量%以上50質量%以下が好ましい。
1.4.プレ加熱部
堆積部60及びウェブ形成部70(ウェブ形成工程)を経ることにより、空気を多く含み柔らかくふくらんだ状態のウェブWが形成される。メッシュベルト72に堆積されたウェブWは、繊維及び樹脂を含んでいる。ウェブWは、プレ加熱部110と、調湿部120と、を経てシート形成部80へと搬送される。
図2は、図1の符号Aで示した破線で囲まれた部分に相当し、プレ加熱部110、調湿部120及びシート形成部80の一部を含む構成を示している。
プレ加熱部110としては、図2に示すように、例えば、加熱ローラー116(ヒーターローラー)を用いる。図示の例では、プレ加熱部110は、一対の加熱ローラー116を備えている。プレ加熱部110を加熱ローラー116として構成したことにより、ウェブWを連続的に搬送しながら加熱することができる。なお、加熱ローラー116の数は、特に限定されない。
プレ加熱部110は、ウェブWを加熱して、ウェブW中に含まれる樹脂を溶融させて繊維間を結着させる。プレ加熱部110における結着は、シート形成部80にて行われる繊維間の結着よりも弱い結着であり、プレ加熱部110によって加熱された後のウェブWの密度は、シートSの密度よりも小さい。プレ加熱部110における繊維間の結着が比較的緩く行われるため、プレ加熱部110を経た後のウェブWには空隙が残存する。また、プレ加熱部110では、ウェブWに含まれる樹脂を溶融させて、繊維間を緩く結着することから、仮の結着ということもできる。
プレ加熱部110によってウェブW中に含まれる樹脂の一部を溶融させる。なお、ウェブWの表面近傍の樹脂だけを溶融させてもよい。プレ加熱部110における樹脂の溶融により、繊維と繊維とが接合されるため、ウェブWからの繊維や樹脂の脱離が生じにくくなる。すなわちプレ加熱部110によって、繊維間が結着されるため、その下流側に位置する調湿部120において、ウェブWに水滴や風等が当たっても、繊維や樹脂がウェブWから叩き出されたり吹き飛ばされたり(舞い上がったり)しにくくなる。
また、プレ加熱部110によって加熱される温度は、シート形成部80において加熱される温度よりも低いことがより好ましい。このようにすれば、プレ加熱部110における樹脂の溶融の程度をシート形成部80における樹脂の溶融の程度よりも柔和にすることができる。
プレ加熱部110に加熱されるウェブWの温度は、主に樹脂の種類に応じて適宜設定されるが、樹脂として、例えば、ガラス転移点が54℃、軟化温度(1/2軟化点)が96℃のポリエステル樹脂を用いる場合には、60℃以上160℃以下程度、好ましくは100℃以上145℃以下、より好ましくは110℃以上135℃以下である。
一方、プレ加熱部110は、ウェブWに対して圧力を印可してもよい。圧力を印可する場合には、その圧力は、少なくともシート形成部80にて印可される圧力よりも小さいほうが好ましい。このようにすれば、プレ加熱部110を経たウェブWの密度が高まりすぎない。
プレ加熱部110でウェブWに対して圧力を印可する場合の圧力は、繊維、樹脂の種類、所定の坪量等に応じて適宜設定される。
プレ加熱部110は、ウェブWを加熱し、必要に応じて圧力を印可することから、加熱加圧部(第1加熱加圧部)とみなすことができる。そして、第1加熱加圧部の加熱温度又は加圧力は、第2加熱加圧部(上述のシート形成部80が相当する。)の加熱温度又は加圧力よりも低い又は小さい。
1.5.調湿部
調湿部120は、プレ加熱部110からみてウェブWの搬送方向下流に設けられる。調湿部120は、ウェブWに対して、水分を付与して、ウェブWを調湿する。ウェブWが調湿部120によって調湿される(水分が付与される)ことにより、調湿部120やシート形成部80によってウェブWに印可される圧力によって、締まりやすくなる(密度と高めやすくなる)。
すなわち、ウェブWに含まれる水分が非常に少ない場合(調湿されていない場合)には、ウェブWを加圧して圧縮して嵩を小さくしても、圧力を解放すると嵩が再び増えて(回復して)圧縮された状態を維持しにくい。またこの場合、圧力を解放した状態でも嵩を小さく維持しようとすると、非常に大きな圧力の印可が必要となる。
これに対して、ウェブWが調湿されると、ウェブWを加圧して圧縮して嵩を小さくして、圧力を解放すると、調湿されていない場合に比較して、嵩が再び増える量(嵩の回復量)を小さくすることができる。そのため、ウェブW(シートS)の密度を高めることが容易となる。またウェブWに印可する圧力も調湿されていない場合に比較して、小さくできることから、装置の構成を小型、軽量化することができる。
調湿部120から付与される水分は、結果としてウェブWに対して水分が与えられる限り、どのような性状で付与されてもよく、例えば、液体、気体(水蒸気)、ゲル、ゾル等の性状で供給される。また、液体の水としては、水道水、上水、再生水、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水などを利用することができ、さらに、種々の物質の水溶液や水分散液であってもよい。これらのうち、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水などの純水又は超純水を用い、特にこれらの水を紫外線照射又は過酸化水素添加などにより滅菌処理すると、長期間カビやバクテリアの発生を抑制することができるのでより好ましい。
図2(a)〜(e)は、調湿部120の幾つかの態様を模式的に示している。調湿部120は、図2(a)に示すように、塗布ローラー121と、塗布ローラー121に対して水分を供給する水分供給ローラー122と、を含んで構成することができる。図2(a)の例では、2つの水分供給ローラー122によって、桶123(樋:watershoot)に受けられた液体が汲み上げられて、液体の水分が塗布ローラー121に供給される。水分供給ローラー122の数は、限定されず、適宜に構成されることができる。また、塗布ローラー121は、液体を汲み上げやすくするために、表面に溝等の凹凸が形成されていてもよい。そして、図2(a)の例では、2つの水分供給ローラー122及び桶123が、水分供給部124を構成している。
塗布ローラー121への水分の供給は、水分供給ローラー122によって行うことができる他に、例えば、図2(c)に示すように、水分を含む液体を塗布ローラー121に対して噴射する液体噴射ノズル125によって行われてもよい。液体噴射ノズル125は、例えば、霧吹き(スプレー)、キャブレター、超音波気化器等とすることができる。また、図示しないが、必要に応じて余剰の水分を受ける皿等を備えてもよい。このような液体噴射ノズル125は、塗布ローラー121に対して水分を供給する水分供給部124を構成することができる。
図2(c)に示す例では、一対の塗布ローラー121がウェブW(堆積物)の面の両側に配置されている。塗布ローラー121及び塗布ローラー121に対して水分を供給する水分供給部124については上記と同様である。本例においては、ウェブWの両側に塗布ローラー121が配置されているので、ウェブWの両面から水分を付与することができる。これにより、水分をウェブWの厚み方向においてより均一に塗布することができる。また、図2(c)の態様では、一対の塗布ローラー121によってウェブWに対して圧力を印可することができる。一対の塗布ローラー121によって印可される加圧力は、特に限定されないが、第1加圧加熱部110によって印可される加圧力よりも小さい(低い)ことが好ましい。このようにすれば、第1加圧加熱部110を通過したウェブWに形成された空隙を潰しにくく、水分をウェブWに浸透させやすい。また、図2(c)の態様では、一対の塗布ローラー121によってウェブWが挟まれて搬送されるため、ウェブWに対して、水分が付与された後に加圧力が加わることになる。そのため、一対の塗布ローラー121によって印可される加圧力は、水分が付与された後に、ウェブWが搾られない程度であることが好ましい。
図2(a)〜図2(c)に示すような塗布ローラー121を用いた水分の付与は、塗布ローラー121がウェブWに接触して行われる。そのため、ウェブWの繊維や樹脂が結着されていないと、塗布ローラー121に繊維や樹脂が貼り付いてしまう場合がある。これに対して、本実施形態のシート製造装置100では、塗布ローラー121にウェブWが到達する前に、プレ加熱部110によって、樹脂の少なくとも一部が溶融して繊維と樹脂とが結着されているので、塗布ローラー121への繊維や樹脂の貼り付きが抑制される。また、プレ加熱部110を経た後のウェブWには空隙が存在するので、調湿部120における水分が空隙を通りやすく、水分の吸収が容易である。また、調湿部120に塗布ローラー121を採用する場合、ウェブWがプレ加熱部110を経ているので、ウェブWの繊維や樹脂が塗布ローラー121に貼り付きにくくなる。これにより、均一性の良好なシートSを製造できるとともに、装置の清掃等のメンテナンスの頻度を低減させることができる。
調湿部120は、液体噴射ノズル125によって構成されてもよい。図2(d)は、調湿部120が、ウェブWに対して、液体噴射ノズル125から水分を付与する態様を示している。液体噴射ノズル125は、例えば、霧吹き、キャブレター、超音波気化器等とすることができる。液体噴射ノズル125から噴射される水分は、液滴状であっても霧状(ミスト)であってもよい。
また、調湿部120は、図2(e)に示すように、送風機126を含んで構成されてもよい。送風機126は、ウェブWに対して気流を当てる機能を有する。そして、当該気流に図示せぬ気化器等からの水分(水蒸気)を乗せることにより、ウェブWに対して水分を付与することができる。また、図2(e)に示すように、送風機126を含んで構成する場合には、必要に応じて、送風路(ダクト)や、フィルターを備えてもよい。
図2(d)、図2(e)に示すような液体噴射ノズル125や送風機126によってウェブWに水分を付与する構成では、ウェブWの繊維や樹脂が結着されていないと、水滴の衝突や、気流の衝突によって、ウェブWの繊維や樹脂の配置が乱されたり、繊維や樹脂が吹き飛ぶ(舞い上がる)おそれがある。これに対して、本実施形態のシート製造装置100では、調湿部120にウェブWが到達する前に、プレ加熱部110によって、樹脂の少なくとも一部が溶融して繊維と樹脂とが結着されているので、繊維や樹脂の配置の乱れや舞い上がり等が抑制される。
図2に例示した幾つかの調湿部120の態様は、適宜に組み合わせることが可能である。また、図示の例では、調湿部120がウェブWに対して1回水分を付与しているが、複数回水分を付与するようにしてもよい。さらに、ウェブWの一方の面に塗布ローラー121で水分を付与し、他方の面に液体噴射ノズル125で水分を付与するようにしてもよいことは理解されよう。
調湿部120を経て、シート形成部80に搬送されたウェブWは、圧縮されて形状を維持するのに適した水分量を有するため、シート形成部80(第2加熱加圧部)において加熱加圧される際に、より高密度化しやすく、高密度なシートSを形成しやすい。
2.シート製造方法
本実施形態のシート製造方法は、繊維及び樹脂を含む材料を堆積して堆積物を形成する工程と、堆積物を加熱加圧する第1加熱加圧工程と、第1加熱加圧工程の後に、堆積物を調湿する調湿工程と、調湿工程の後に、前記堆積物を加熱加圧する第2加熱加圧工程と、を含み、第1加熱加圧工程における加熱温度又は加圧力は、第2加熱加圧工程における加熱温度又は加圧力よりも低い又は小さい。
本実施形態のシート製造方法の繊維及び樹脂を含む材料を堆積して堆積物を形成する工程は、例えば、上述のシート製造装置の項で述べた粗砕部12、解繊部20、分級部30、選別部40、混合部50、堆積部60及びウェブ形成部70を用いて行うことができる。また、堆積物を加熱加圧する第1加熱加圧工程は、プレ加熱部110を用いて行うことができる。さらに調湿工程は、調湿部120により行うことができる。そして第2加熱加圧工程は、シート形成部80により行うことができる。各構成の詳細はシート製造装置の項で述べたと同様であり説明を省略する。
3.シート
本実施形態のシート製造装置100又はシート製造方法によって製造されるシートSは、少なくとも上述の繊維を原料とし、シート状にしたものを主に指す。しかしシート状ものに限定されず、ボード状、ウェブ状、又は凹凸を有する形状であってもよい。本明細書におけるシートとは、紙と不織布に分類できる。紙は、例えば、パルプや古紙を原料としシート状に成形した態様などを含み、筆記や印刷を目的とした記録紙や、壁紙、包装紙、色紙、画用紙、ケント紙などを含む。不織布は、紙より厚いものや低強度のものであり、一般的な不織布、繊維ボード、ティッシュペーパー、キッチンペーパー、クリーナー、フィルター、液体吸収材、吸音体、緩衝材、マットなどを含む。
なお、不織布の場合には、繊維と繊維との間の間隔が広い(シートの密度が小さい)。これに対して紙は、繊維と繊維との間の間隔が狭い(シートの密度が大きい)。そのため、本実施形態のシート製造装置100、又はシート製造方法によって製造されるシートSが紙であるほうが、シートSとしたとき密度が高く、本発明の作用、機能をより顕著に発現することができる。
4.その他の事項
本明細書において、「均一」との文言は、均一な分散や混合という場合には、2種以上又は2相以上の成分を定義できる物体において、1つの成分の他の成分に対する相対的な存在位置が、系全体において一様、又は系の各部分において互いに同一若しくは実質的に等しいことを指す。また、着色の均一性や色調の均一性は、シートを平面視したときに色の濃淡がなく、一様な濃度であることを指す。
本明細書において、「均一」「同じ」「等間隔」など、密度、距離、寸法などが等しいことを意味する言葉を用いている。これらは、等しいことが望ましいが、完全に等しくすることは難しいため、誤差やばらつきなどの累積で値が等しくならずにずれるのも含むものとする。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…ホッパー、2,3,4,5…管、6…ホッパー、7,8…管、9…ホッパー、10…供給部、12…粗砕部、14…粗砕刃、20…解繊部、22…導入口、24…排出口、30…分級部、31…導入口、32…円筒部、33…逆円錐部、34…下部排出口、35…上部排出口、36…受け部、40…選別部、42…導入口、44…排出口、50…混合部、52…添加物供給部、54…管、56…ブロアー、60…堆積部、62…導入口、70…ウェブ形成部、72…メッシュベルト、74…張架ローラー、76…サクション機構、80…シート形成部、82…第1結着部、84…第2結着部、86…加熱ローラー、90…切断部、92…第1切断部、94…第2切断部、96…排出部、100…シート製造装置、102…製造部、110…プレ加熱部、116…加熱ローラー、120…調湿部、121…塗布ローラー、122…水分供給ローラー、123…桶、124…水分供給部、125…液体噴射ノズル、126…送風機、W…ウェブ、S…シート

Claims (7)

  1. 繊維及び樹脂を含む材料を堆積可能な堆積部と、
    前記堆積部で堆積した堆積物を加熱加圧する第1加熱加圧部と、
    前記第1加熱加圧部よりも前記堆積物の搬送方向下流において調湿する調湿部と、
    前記調湿部よりも前記堆積物の搬送方向下流において前記堆積物を加熱加圧する第2加熱加圧部と、
    を備え、
    前記第1加熱加圧部の加熱温度又は加圧力は、前記第2加熱加圧部の加熱温度又は加圧力よりも低い又は小さいことを特徴とする、シート製造装置。
  2. 前記調湿部は、前記堆積物に水分をローラーで塗布する塗布ローラーと、前記塗布ローラーに前記水分を供給する水分供給部と、を備えることを特徴とする、請求項1に記載のシート製造装置。
  3. 前記塗布ローラーを前記堆積物の面の両側に配置することを特徴とする、請求項2に記載のシート製造装置。
  4. 前記塗布ローラーの加圧力は、前記第1加熱加圧部の加圧力よりも低いことを特徴とする、請求項3に記載のシート製造装置。
  5. 前記調湿部は、水分を気流で前記堆積物に供給することを特徴とする、請求項1に記載のシート製造装置。
  6. 前記調湿部は、水分を噴射して前記堆積物に供給することを特徴とする、請求項1に記載のシート製造装置。
  7. 繊維及び樹脂を含む材料を堆積して堆積物を形成する工程と、
    前記堆積物を加熱加圧する第1加熱加圧工程と、
    前記第1加熱加圧工程の後に、前記堆積物を調湿する調湿工程と、
    前記調湿工程の後に、前記堆積物を加熱加圧する第2加熱加圧工程と、
    を含み、
    前記第1加熱加圧工程における加熱温度又は加圧力は、前記第2加熱加圧工程における加熱温度又は加圧力よりも低い又は小さいことを特徴とする、シート製造方法。
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