JP7338286B2 - 繊維構造体、繊維構造体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、繊維構造体、および繊維構造体の製造方法に関する。
特許文献1では、シルクフィブロインが繊維材料に含浸されたシルクフィブロイン複合材料が開示されている。
特許文献2では、絹タンパク質を含む熱伝導体の製造方法が開示されている。
特許文献3では、繊維支持体とフィブロイン多孔質体とで構成されたフィブロイン複合体の製造方法が開示されている。
特許文献4では、フィブロイン様構造を有するポリペプチド組成物の製造方法が開示されている。
特開2010-95596号公報 特開2007-277481号公報 特開2015-214132号公報 国際公開第2017/030197A1号
近年、乾式よる古紙再生技術の分野では、環境負荷低減に向け、繊維同士の結合に用いられる結合材を、石油由来の材料から天然由来の材料に転換することが望まれている。しかしながら、天然由来の材料を用いた場合、再生紙の引張強度や耐折性の確保が困難である、という課題があった。
繊維構造体は、複数の繊維と、前記複数の繊維を結合するフィブロインと、を有し、前記繊維をA、前記フィブロインをBとした場合、下記式(1),(2)を満たすことを特徴とする。
0.03≦Bの体積平均粒径/Aの短手方向における平均幅≦4.00 ・・・(1)
0.01≦繊維構造体全量に対するBの乾燥質量/(繊維構造体全量に対するAの乾燥質量+繊維構造体全量に対するBの乾燥質量)≦0.40 ・・・(2)
上記繊維構造体の前記繊維が、天然繊維、化学繊維、の少なくとも一つから選択される、ことが好ましい。
上記繊維構造体の前記フィブロインが、節足動物またはその幼虫が生成する物質、又はそれらに由来する物質、又は人工的に生成された物質、の少なくとも一つから選択される、ことが好ましい。
上記繊維構造体の前記繊維の表面には、水酸基、アミノ基、カルボニル基の少なくとも1つを有する、ことが好ましい。
上記繊維構造体では、前記繊維の短手方向における前記平均幅が、1μm以上100μm以下である、ことが好ましい。
上記繊維構造体では、前記繊維の密度が、0.1g/cm3以上2.0g/cm3以下である、ことが好ましい。
繊維構造体の製造方法は、複数の繊維と、前記複数の繊維を結合するフィブロインと、を混合させて繊維体を形成する混合工程と、前記繊維体を気中で堆積させてウェブを形成するウェブ形成工程と、前記ウェブに水溶液を付与する水溶液付与工程と、前記水溶液が付与された前記ウェブを加圧及び加熱して繊維構造体を成形する成形工程と、を含み、前記混合工程では、前記繊維をA、前記フィブロインをBとした場合、下記式(1),(2)を満たし、前記水溶液付与工程では、前記水溶液付与後の繊維構造体に含まれる水分をCとした場合、下記式(3)を満たす、ことを特徴とする。
0.03≦Bの体積平均粒径/Aの短手方向における平均幅≦4.00 ・・・(1)
0.01≦繊維構造体全量に対するBの乾燥質量/(繊維構造体全量に対するAの乾燥質量+繊維構造体全量に対するBの乾燥質量)≦0.40 ・・・(2)
0.2≦Cの質量/(繊維構造体全量に対するAの乾燥質量+繊維構造体全量に対するBの乾燥質量)≦10.0 ・・・(3)
繊維構造体の製造方法は、繊維を含む繊維体を気中で堆積させてウェブを形成するウェブ形成工程と、前記ウェブにフィブロインを含む水溶液を付与する水溶液付与工程と、前記水溶液が付与された前記ウェブを加圧及び加熱して繊維構造体を成形する成形工程と、を含み、前記水溶液付与工程では、前記繊維をA、前記フィブロインをB、前記水溶液付与後の繊維構造体に含まれる水分をCとした場合、下記式(1),(2)を満たす、ことを特徴とする。
0.01≦繊維構造体全量に対するBの乾燥質量/(繊維構造体全量に対するAの乾燥質量+繊維構造体全量に対するBの乾燥質量)≦0.40 ・・・(1)
0.2≦Cの質量/(繊維構造体全量に対するAの乾燥質量+繊維構造体全量に対するBの乾燥質量)≦10.0 ・・・(2)
上記繊維構造体の製造方法では、前記水溶液付与工程の前に、前記繊維の表面を親水化処理する親水化処理工程を有する、ことが好ましい。
繊維構造体の製造方法は、複数の繊維と、前記複数の繊維を結合するフィブロインと、水溶液と、を混合した混合物を成形型に充填する充填工程と、充填された前記混合物を加圧及び加熱して繊維構造体を成形する成形工程と、を含み、前記充填工程では、前記繊維をA、前記フィブロインをB、前記水溶液付与後の繊維構造体に含まれる水分をCとした場合、下記式(1),(2),(3)を満たす、ことを特徴とする。
0.03≦Bの体積平均粒径/Aの短手方向における平均幅≦4.00 ・・・(1)
0.01≦繊維構造体全量に対するBの乾燥質量/(繊維構造体全量に対するAの乾燥質量+繊維構造体全量に対するBの乾燥質量)≦0.40 ・・・(2)
0.2≦Cの質量/(繊維構造体全量に対するAの乾燥質量+繊維構造体全量に対するBの乾燥質量)≦10.0 ・・・(3)
上記繊維構造体の製造方法の前記成形工程では、加圧する圧力が、10MPa以上80MPa以下である、ことが好ましい。
上記繊維構造体の製造方法の前記成形工程では、加熱する加熱温度が、80℃以上230℃以下である、ことが好ましい。
上記繊維構造体の製造方法の前記水溶液には、水が含まれ、その他にメチルアルコールやエチルアルコール、イソプロパノール、ブタノール、ヘキサンジオール等のアルコール類、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ブチレングリコール、チオジグリコール等のグリコール類、のいずれか一つを含んでいてもよい。
実施形態1にかかる繊維構造体の構成を示す模式図。 実施形態1にかかる繊維構造体の構成を示す模式図。 実施形態1にかかる繊維構造体の製造方法を示すフローチャート。 実施形態1にかかる繊維構造体を製造する製造装置の構成を示す模式図。 実施形態2にかかる繊維構造体の製造方法を示すフローチャート。 実施形態2にかかる繊維構造体を製造する製造装置の構成を示す模式図。 実施形態3にかかる繊維構造体の製造方法を示すフローチャート。 実施形態3にかかる繊維構造体の製造方法及び製造装置の構成を示す模式図。 実施形態3にかかる繊維構造体を製造方法及び製造装置の構成を示す模式図。
1.実施形態1
まず、繊維構造体Sの構成について説明する。
図1及び図2は、繊維構造体Sの構成を示す模式図である。詳細には、図1は、繊維構造体Sの構造を示す断面模式図であり、図2は、繊維Saの形態の一例を示す模式図である。
図1に示すように、繊維構造体Sは、複数の繊維Saと、複数の繊維Saを結合するフィブロインSbと、を有する。繊維構造体Sはシート状を成す。ここで、繊維SaをA、フィブロインSbをBとした場合、下記式(1),(2)を満たす。
0.03≦Bの体積平均粒径/Aの短手方向における平均幅≦4.00 ・・・(1)
0.01≦繊維構造体全量に対するBの乾燥質量/(繊維構造体全量に対するAの乾燥質量+繊維構造体全量に対するBの乾燥質量)≦0.40 ・・・(2)
なお、より好適には、0.5≦Bの体積平均粒径/Aの短手方向における平均幅≦2.00であり、0.10≦繊維構造体全量に対するBの乾燥質量/(繊維構造体全量に対するAの乾燥質量+繊維構造体全量に対するBの乾燥質量)≦0.20である。なお、繊維Saの短手方向における平均幅は、図2に示す寸法Hである。また、本発明において、乾燥質量とは、100~110℃の温度で水が蒸発し存在しなくなるまで乾燥した状態での質量のことである。
図2に示すように、繊維Saは糸状を成す。そして、繊維Saの長手方向の寸法をLとし、短手方向における寸法をHとしたとき、上記式(1)におけるAの短手方向における平均幅とは、寸法Hを指す。
繊維Sa同士が天然由来のフィブロインSbによって結合されることで、従来、結合材として石油由来の合成樹脂を使用した場合に比べて環境負荷が低減される。具体的には、石油由来の合成樹脂の生産等にかかる二酸化炭素の排出量の低減につながる。さらに、上記式(1),(2)の条件を満たすことで、引張強度や耐折性が確保された繊維構造体Sを提供することができる。すなわち、繊維構造体Sを紙とした場合、環境負荷の低減とともに、紙の特徴である強度としなやかさを得ることが可能となる。
繊維Saは、原料としては、特に限定されず、広範な繊維材料を用いることができる。繊維としては、天然繊維(動物繊維、植物繊維)、化学繊維(有機繊維、無機繊維、有機無機複合繊維)などが挙げられ、更に詳しくは、セルロース、絹、羊毛、綿、大麻、ケナフ、亜麻、ラミー、黄麻、マニラ麻、サイザル麻、針葉樹、広葉樹等からなるパルプ繊維や、レーヨン、ビスコースレーヨン、リヨセル、キュプラ、ビニロン、アクリル、ナイロン、アラミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、炭素、ガラス、金属、石綿からなる繊維が挙げられ、これらを単独で用いてもよいし、適宜混合して用いてもよいし、精製などを行った再生繊維として用いてもよい。原料としては、例えば、古紙、古布等が挙げられるが、これらの繊維の少なくとも1種を含んでいればよい。また、繊維は、乾燥されていてもよいし、水、有機溶剤等の液体が含有又は含浸されていてもよい。また、各種の表面処理がされていてもよい。また、繊維の材質は、純物質であってもよいし、不純物、添加物及びその他の成分など、複数の成分を含む材質であってもよい。環境負荷低減の観点からは、天然繊維を用いることが好ましい。種々の繊維SaをフィブロインSbによって結合させて、各種の繊維構造体Sを構成することができる。
繊維構造体Saの繊維の表面には、水酸基、アミノ基、カルボニル基の少なくとも1つを有する。この場合、例えば、繊維構造体Saの繊維の表面が水酸基のみであってもよいし、他の基を含む形態であってもよい。これにより、繊維Sa間の結合力を高めることができる。また、繊維Saの短手方向における平均幅Hは、1μm以上100μm以下である。さらに、繊維構造体Sでは、繊維Saの密度が、0.1g/cm3以上2.0g/cm3以下である。これにより、繊維構造体Sにおける引張強度や耐折性をより高めることができる。
フィブロインSbは、節足動物またはその幼虫が生成する物質、又はそれらに由来する物質、又は人工的に生成された物質、の少なくとも一つから選択される。すなわち、フィブロインSbは天然由来の物質であり、環境負荷を低減できる。また、フィブロインSbは生分解性を有しており、さらに環境負荷を低減することができる。節足動物は、例えば、クモ科の動物等であり、節足動物の幼虫は、例えば、カイコやミノムシ等である。また、天然のクモの他、天然クモの牽引糸のクモ体内での生産機構を人造繊維や人工繊維の製造に応用して得られたフィブロイン様構造を有するポリペプチド組成物であってもよい。また、フィブロインSbは、上記の物質を適宜混合させた形態であってもよい。フィブロインSbは、例えば、粒子状を成す。粉砕することにより所定の粒径を有することができる。粉砕は、ハンマーミル、ピンミル、カッターミル、パルペライザー、ターボミル、ディスクミル、スクリーンミル、ジェットミルなどの粉砕機で行うことができる。これらを適宜組み合わせて粒子を得ることができる。また、粉砕の工程は、まずおよその粒径が1mm程度となるように粗く粉砕した後、目的の粒径となるように細かく粉砕するなど、段階的に行われてもよい。このような場合でも各段階において、適宜例示した装置を利用することができる。更に粉砕の効率を高めるため凍結粉砕法を用いることもできる。このように得られたフィブロインSbは、様々な大きさのものが含まれている場合もあり、目的とする粒径とするため、必要に応じて公知の分級装置を用いて分級してもよい。フィブロインSbの粒子の粒径(体積平均粒径)は、0.1μm以上100μm以下が好ましく、より好ましくは1μm以上60μm以下、さらに好ましくは1μm40μm以下である。
フィブロインSbの粒子の体積平均粒径は、例えば、レーザ回折散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置により測定することができる。粒度分布測定装置としては、レーザ回折式粒子径分布測定装置「SALD―2300」株式会社島津製作所製)が挙げられる。
また、フィブロインSbに加え、必要に応じて、繊維と結合する結合材として、天然樹脂や合成樹脂をさらに含んでもよい。天然樹脂として、ロジン、ダンマル、マスチック、コーパル、琥珀、シェラック、麒麟血、サンダラック、コロホニウムデンプン、カゼイン、ゼラチン、天然ゴム等があげられる。合成樹脂として、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、熱硬化性ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン-アクリル系共重合樹脂、オレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N-ビニル系樹脂、スチレン-ブタジエン系樹脂等の熱可塑性樹脂があげられる。環境負荷低減の観点から、天然樹脂が好ましい。前記フィブロインに追加して使用することで、さらに引張強度を高めることができる他、生産性向上、コスト削減を見込める。
フィブロインSbには、繊維構造体を着色するための着色剤や、繊維構造体等が燃えにくくするための難燃剤が含まれていてもよい。また、フィブロインSbの凝集を防止するための凝集抑制剤が含まれていてもよい。凝集抑制剤としては、無機物からなる微粒子が挙げられ、これをフィブロインSbの表面に配置することで、非常に優れた凝集抑制効果を得ることができる。凝集抑制剤の材質の具体例としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、炭酸カルシウムを挙げることができる。凝集抑制剤の粒子の平均粒径(数平均粒径)は、特に限定されないが、好ましくは、0.001~1μmであり、より好ましくは、0.008~0.6μmである。凝集抑制剤の一次粒子の粒径がこの範囲内であれば、フィブロインSbの表面に良好にコーティングを行うことができ、十分な凝集抑制効果を付与することができる。凝集抑制剤をフィブロインSbに添加する場合の添加量は、フィブロインSb100質量部に対して、0.1質量部以上5質量部以下とすれば、上記効果を得ることができ、該効果を高め、及び/又は製造されるシートから凝集抑制剤が脱離することを抑制する、などの観点から、フィブロインSb100質量部に対して、好ましくは0.2質量部以上4質量部以下、より好ましくは0.5質量部以上3質量部以下とすることができる。フィブロインSbの表面に凝集抑制剤を配置する態様としては、コーティング、被覆等が挙げられるが、必ずしもフィブロインSbの表面全体を覆っていなくてもよい。
次に、繊維構造体Sの製造方法について説明する。図3は、繊維構造体Sの製造方法を示すフローチャートである。図4は、繊維構造体Sを製造する製造装置100の構成を示す模式図である。
図3に示すように、繊維構造体Sの製造方法は、複数の繊維Saと、複数の繊維Saを結合するフィブロインSbと、を混合させて繊維体を形成する混合工程(ステップS11)と、繊維体を気中で堆積させてウェブを形成するウェブ形成工程(ステップS12)と、ウェブに水溶液を付与する水溶液付与工程(ステップS13)と、水溶液が付与されたウェブを加圧及び加熱して繊維構造体Sを成形する成形工程(ステップS14)とを含む。
ここで、混合工程では、繊維SaをA、フィブロインSbをBとした場合、下記式(1),(2)を満たし、水溶液付与工程では、水溶液付与後の繊維構造体に含まれる水分をCとした場合、下記式(3)を満たす。
0.03≦Bの体積平均粒径/Aの短手方向における平均幅≦4.00 ・・・(1)
0.01≦Bの質量/(Aの質量+Bの質量)≦0.40 ・・・(2)
0.2≦Cの質量/(Aの質量+Bの質量)≦10.0 ・・・(3)
ここで、繊維Saの短手方向における平均幅は、図2に示す寸法Hであり、Aの質量は、繊維構造体おけるAの絶乾質量であり、Bの質量は、繊維構造体におけるBの絶乾質量である。
なお、より好適には、0.5≦Bの体積平均粒径/Aの短手方向における平均幅≦2.00であり、0.10≦Bの質量/(Aの質量+Bの質量)≦0.20であり、0.5≦Cの質量/(Aの質量+Bの質量)≦2.0である。
以下、製造装置100を用いた繊維構造体Sの製造方法について説明する。
本実施形態の製造装置100は、例えば、原料としての使用済みの古紙を乾式で解繊して繊維化した後、加圧、加熱、切断することによって、新しいシート状の繊維構造体S、すなわち再生紙を製造するのに好適な装置である。なお、本実施形態で製造される繊維構造体Sは、A4サイズの用紙である。なお、製造装置100では、各種サイズのオフィス用紙、名刺用紙など、用途に合わせて、さまざまな厚さ・サイズのシート状の繊維構造体Sを製造することができる。
図4に示すように、製造装置100は、例えば、供給部10と、粗砕部12と、解繊部20と、選別部40と、第1ウェブ形成部45と、回転体49と、混合部50と、堆積部60と、第2ウェブ形成部70と、搬送部79と、水溶液付与部310、シート形成部80と、切断部90と、を含む。
ここで、混合部50は、混合工程(ステップS11)に相当し、堆積部60及び第2ウェブ形成部70は、ウェブ形成工程(ステップS12)に相当し、水溶液付与部310は、水溶液付与工程(ステップS13)に相当し、シート形成部80は、成形工程(ステップS14)に相当する。
製造装置100は、例えば、原料に対する加湿、および原料が移動する空間を加湿する目的で、加湿部202,204,206,208,210,212を含む。
供給部10は、粗砕部12に原料を供給する。粗砕部12に供給される原料は、古紙やパルプのセルロース系繊維を含むものである。本実施形態では、古紙を原料とする構成を例示する。供給部10は、例えば、古紙を重ねて蓄積するスタッカーと、スタッカーから古紙を粗砕部12に送り出す自動投入装置と、を有する。
粗砕部12は、供給部10によって供給された原料を粗砕刃14によって裁断して、粗砕片にする。粗砕刃14は、大気中等の気中で原料を裁断する。粗砕部12は、例えば、原料を挟んで裁断する一対の粗砕刃14と、粗砕刃14を回転させる駆動部と、を有し、いわゆるシュレッダーと同様の構成とすることができる。
粗砕部12は、粗砕刃14により裁断されて落下する粗砕片を受けるシュート9を有する。シュート9には、解繊部20に連通する管2が連結され、管2は、粗砕片を、解繊部20に搬送させるための搬送路を形成する。
解繊部20は、粗砕部12で裁断された粗砕物を解繊する。より具体的には、解繊部20は、粗砕部12によって裁断された原料を解繊処理し、解繊物を生成する。ここで、「解繊する」とは、複数の繊維が結着されてなる原料を、繊維1本1本に解きほぐすことをいう。解繊部20は、原料に付着した樹脂粒やインク、トナー、にじみ防止剤等の物質を、繊維から分離させる機能を有する。
解繊部20は、乾式で解繊を行う。ここで、液体中ではなく、大気中等の気中において、解繊等の処理を行うことを乾式と称する。解繊部20は、例えば、インペラーミルを用いて構成される。解繊物は、排出口24から管3通り、解繊ブロアー26を介して選別部40に搬送される。
選別部40には、管3から解繊部20により解繊された解繊物が気流とともに流入する導入口42が設けられる。選別部40は、導入口42に導入する解繊物を、繊維の長さによって選別する。詳細には、選別部40は、解繊部20により解繊された解繊物のうち、予め定められたサイズ以下の解繊物を第1選別物とし、第1選別物より大きい解繊物を第2選別物として、選別する。第1選別物は、繊維Saまたは粒子等を含み、第2選別物は、例えば、大きい繊維、未解繊片、十分に解繊されていない粗砕片、解繊された繊維が凝集し、あるいは絡まったダマ等を含む。
選別部40は、例えば、ドラム部41と、ドラム部41を収容するハウジング部43と、を有する。
ドラム部41は、モーターによって回転駆動される円筒の篩である。ドラム部41は、網を有し、篩として機能する。この網の目により、ドラム部41は、網の目開きの大きさより小さい第1選別物と、網の目開きより大きい第2選別物と、を選別する。
導入口42に導入された解繊物は、気流とともにドラム部41の内部に送り込まれ、ドラム部41の回転によって第1選別物がドラム部41の網の目から下方に落下する。ドラム部41の網の目を通過できない第2選別物は、導入口42からドラム部41に流入する気流により流されて排出口44に導かれ、管8に送り出される。管8を通って流される第2選別物は、粗砕部12により裁断された粗砕片とともに管2を流れ、解繊部20の導入口22に導かれる。
また、ドラム部41により選別される第1選別物は、ドラム部41の網の目を通って空気中に分散し、ドラム部41の下方に位置する第1ウェブ形成部45のメッシュベルト46に向けて降下する。
第1ウェブ形成部45は、メッシュベルト46と、ローラー47と、吸引部48と、を有している。メッシュベルト46は、無端形状のベルトであって、3つのローラー47に懸架され、ローラー47の動きにより、図中矢印で示す方向に搬送される。メッシュベルト46の表面は、所定サイズの開口が並ぶ網で構成される。選別部40から降下する第1選別物のうち、網の目を通過するサイズの微粒子は、メッシュベルト46の下方に落下し、網の目を通過できないサイズの繊維Saがメッシュベルト46に堆積し、メッシュベルト46とともに矢印方向に搬送される。ここで、メッシュベルト46に堆積される繊維Saの短手方向における平均幅の寸法Hは、1μm以上100μm以下である。
メッシュベルト46から落下する微粒子は、解繊物の中で比較的小さいものや密度の低いものである。
吸引部48は、メッシュベルト46の下方から空気を吸引する。吸引部48は、管23を介して集塵部27に連結される。集塵部27の下流には捕集ブロアー28が設置され、捕集ブロアー28は、集塵部27から空気を吸引する集塵用吸引部として機能する。また、捕集ブロアー28が排出する空気は、管29を経て製造装置100の外に排出される。
メッシュベルト46の搬送経路において、選別部40の下流側には、加湿部210によって、ミストを含む空気が供給される。加湿部210が生成する水の微粒子であるミストは、第1ウェブW1に向けて降下し、第1ウェブW1に水分を供給する。これにより、第1ウェブW1が含む水分量が調整され、静電気によるメッシュベルト46への繊維Saの吸着等を抑制できる。
製造装置100は、メッシュベルト46に堆積した第1ウェブW1を分断する回転体49を有している。第1ウェブW1は、メッシュベルト46がローラー47により折り返す位置で、メッシュベルト46から剥離して、回転体49により分断される。
第1ウェブW1は、繊維Saが堆積してウェブ形状となった柔らかい材料であり、回転体49は、第1ウェブW1の繊維Saをほぐして、後述する混合部50でフィブロインSbを混合しやすい状態に加工する。
回転体49の構成は任意であるが、図示の例では、回転体49は、板状の羽根を有し回転する回転羽形状を有する。回転体49は、メッシュベルト46から剥離する第1ウェブW1と羽根とが接触する位置に配置される。回転体49の回転、例えば図中矢印Rで示す方向への回転により、メッシュベルト46から剥離して搬送される第1ウェブW1に羽根が衝突して分断し、細分体Pを生成する。
なお、回転体49は、回転体49の羽根がメッシュベルト46に衝突しない位置に設置されることが好ましい。
回転体49によって分断された細分体Pは、管7の内部を下降して、管7の内部を流れる気流によって混合部50へ搬送される。
混合部50は、フィブロインSbを供給する結合材供給部52と、管7に連通し、細分体Pを含む気流が流れる管54と、混合ブロアー56と、を有する。
細分体Pは、上述のように選別部40を通過した第1選別物から除去物を除去した繊維Saで構成される。混合部50は、細分体Pを構成する繊維Saと、フィブロインSbと、を混合する。
混合部50では、混合ブロアー56によって気流を発生させ、管54中において、細分体PとフィブロインSbとを混合させながら、搬送する。また、細分体Pは、管7および管54の内部を流れる過程でほぐされて、より細かい繊維状となる。
結合材供給部52は、フィブロインSbを蓄積する図示しないカートリッジに接続され、カートリッジ内部のフィブロインSbを管54に供給する。カートリッジは、結合材供給部52に着脱可能な構成であってもよい。結合材供給部52は、フィブロインSbをいったん貯留する。結合材供給部52は、貯留したフィブロインSbを管54に送る排出部52aを有する。
フィブロインSbは、節足動物またはその幼虫が生成する物質、又はそれらに由来する物質、又は人工的に生成された物質、の少なくとも一つから選択される。すなわち、フィブロインSbは天然由来の物質である。また、フィブロインSbに加え、繊維と結合する結合材として、天然樹脂や合成樹脂をさらに含んでもよい。
結合材供給部52では、下記式を満たすように、フィブロインSbを供給する。
0.03≦フィブロインSbの体積平均粒径/繊維Saの短手方向における平均幅≦4.00、さらには、0.5≦フィブロインSbの体積平均粒径/繊維Saの短手方向における平均幅≦2.00。
また、0.01≦繊維構造体全量に対するフィブロインSbの乾燥質量/(繊維構造体全量に対する繊維Saの乾燥質量+繊維構造体全量に対するフィブロインSbの乾燥質量)≦0.40。さらには、0.10≦繊維構造体全量に対するBの乾燥質量/(繊維構造体全量に対するAの乾燥質量+繊維構造体全量に対するBの乾燥質量)≦0.20。
混合ブロアー56が発生する気流により、管7を降下する細分体P、および結合材供給部52により供給されるフィブロインSbは、管54の内部に吸引され、混合ブロアー56内部を通過する。混合ブロアー56が発生する気流、および混合ブロアー56が有する羽根等の回転部の作用により、細分体Pを構成した繊維SaとフィブロインSbを含むフィブロインSbとが混合されて繊維体が形成される。この繊維体、すなわち第1選別物とフィブロインSbとが混合された繊維体は、管54を通って堆積部60に搬送される。
なお、第1選別物とフィブロインSbとを混合させる機構は、特に限定されず、高速回転する羽根により攪拌するものであってもよいし、V型ミキサーのように容器の回転を利用するものであってもよく、これらの機構を混合ブロアー56の上流または下流に設置してもよい。
堆積部60は、混合部50を通過した繊維体を導入口62から導入し、絡み合った繊維体をほぐして、空気中で分散させながら降らせる。これにより、堆積部60は、第2ウェブ形成部70に、繊維体を均一性よく堆積させることができる。
堆積部60は、ドラム部61と、ドラム部61を収容するハウジング部63と、を有する。ドラム部61は、モーターによって回転駆動される円筒の篩である。ドラム部61は、網を有し、篩として機能する。この網の目により、ドラム部61は、網の目開きのより小さい繊維Saや粒子を通過させ、ドラム部61から下降させる。ドラム部61の構成は、例えば、ドラム部41の構成と同じである。
なお、ドラム部61の「篩」は、特定の対象物を選別する機能を有していなくてもよい。すなわち、ドラム部61として用いられる「篩」とは、網を備えたもの、という意味であり、ドラム部61は、ドラム部61に導入された繊維体の全てを降らしてもよい。
ドラム部61の下方には第2ウェブ形成部70が配置される。第2ウェブ形成部70は、堆積部60を通過した通過物を堆積して、ウェブとしての第2ウェブW2を形成する。第2ウェブ形成部70は、例えば、メッシュベルト72と、ローラー74と、サクション機構76と、を有している。
メッシュベルト72は、無端形状のベルトであって、複数のローラー74に懸架され、ローラー74の動きにより、図中矢印で示す方向に搬送される。メッシュベルト72は、例えば、金属製、樹脂製、布製、あるいは不織布等である。メッシュベルト72の表面は、所定サイズの開口が並ぶ網で構成されている。ドラム部61から降下する繊維Saや粒子のうち、網の目を通過するサイズの微粒子は、メッシュベルト72の下方に落下し、網の目を通過できないサイズの繊維がメッシュベルト72に堆積し、メッシュベルト72とともに矢印方向に搬送される。メッシュベルト72は、繊維構造体Sを製造する通常動作中には、一定の速度V2で移動する。通常動作中とは、上述した通りである。
メッシュベルト72の網の目は、微細であり、ドラム部61から降下する繊維Saや粒子の大半を通過させないサイズとすることができる。
サクション機構76は、メッシュベルト72の下方に設けられる。サクション機構76は、サクションブロアー77を備え、サクションブロアー77の吸引力によって、サクション機構76に下方に向く気流を発生させることができる。
サクション機構76によって、堆積部60により空気中に分散された繊維体をメッシュベルト72上に吸引する。これにより、メッシュベルト72上における第2ウェブW2の形成を促進し、堆積部60からの排出速度を大きくすることができる。さらに、サクション機構76によって、繊維体の落下経路にダウンフローを形成することができ、落下中に繊維SaやフィブロインSbが絡み合うことを防ぐことができる。
サクションブロアー77は、サクション機構76から吸引した空気を、図示しない捕集フィルターを通じて、製造装置100の外に排出してもよい。あるいは、サクションブロアー77が吸引した空気を集塵部27に送り込み、サクション機構76が吸引した空気に含まれる除去物を捕集してもよい。
ドラム部61を含む空間には、加湿部208により加湿空気が供給される。この加湿空気によって、堆積部60の内部を加湿することができ、静電力によるハウジング部63への繊維SaやフィブロインSbの付着を抑え、繊維SaやフィブロインSbをメッシュベルト72に速やかに降下させ、好ましい形状の第2ウェブW2を形成させることができる。
以上のように、堆積部60および第2ウェブ形成部70を経ることにより、空気を多く含み柔らかくふくらんだ状態の第2ウェブW2が形成される。メッシュベルト72に堆積された第2ウェブW2は、シート形成部80へと搬送される。
メッシュベルト72の搬送経路において、堆積部60の下流側には、加湿部212によって、ミストを含む空気が供給される。これにより、加湿部212が生成するミストが第2ウェブW2に供給され、第2ウェブW2が含む水分量が調整される。これにより、静電気によるメッシュベルト72への繊維Saの吸着等を抑制できる。
製造装置100は、メッシュベルト72上の第2ウェブW2を、シート形成部80に搬送する搬送部79を有している。搬送部79は、例えば、メッシュベルト79aと、ローラー79bと、サクション機構79cと、を有している。
サクション機構79cは、図示しないブロアーを備え、ブロアーの吸引力によってメッシュベルト79aに上向きの気流を発生させる。この気流は、第2ウェブW2を吸引し、第2ウェブW2は、メッシュベルト72から離れてメッシュベルト79aに吸着される。メッシュベルト79aは、ローラー79bの自転により移動し、第2ウェブW2をシート形成部80に搬送する。メッシュベルト72の移動速度と、メッシュベルト79aの移動速度とは、例えば、同じである。
このように、搬送部79は、メッシュベルト72に形成された第2ウェブW2を、メッシュベルト72から剥がして搬送する。
搬送部79の下流側には、水溶液付与部310が配置される。水溶液付与部310は、第2ウェブW2に対して水溶液を付与する。水溶液は水を含むとともに、メチルアルコールやエチルアルコール、イソプロパノール、ブタノール、ヘキサンジオール等のアルコール類、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ブチレングリコール、チオジグリコール等のグリコール類、のいずれか一つを含むものであってもよい。
本発明において、前記水溶液に含む水は、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水などの純水又は超純水を用いることが好ましい。特にこれらの水を紫外線照射又は過酸化水素添加などにより滅菌処理した水は、長期間に亘りカビやバクテリアの発生を抑制することができるので好ましい。
水溶液付与部310では、下記式を満たすように、水溶液を付与する。
0.2≦水溶液付与後の繊維構造体に含有する水分量/(繊維構造体全量に対する繊維Saの乾燥質量+繊維構造体全量に対するフィブロインSbの乾燥質量)≦10.0。さらには、0.5≦水溶液付与後の繊維構造体に含有する水分量/(繊維構造体全量に対する繊維Saの乾燥質量+繊維構造体全量に対するフィブロインSbの乾燥質量)≦2.0。
第2ウェブW2に水溶液を付与することで、繊維Sa間の水素結合が促進され、繊維Sa間の接合強度を高めることができる。
本実施形態の水溶液付与部310は、第2ウェブW2に対して水溶液を付与する。付与する方法は既知の方法を適用することができ、例えば、ロールコーター、ダイコーター、スプレー、インクジェットなどがあげられる。さらに、第2ウェブW2への損傷を抑制する点において、非接触な状態で水溶液を付与することが好ましい。水溶液付与部310は、インクジェットヘッドが搭載された構造である。当該インクジェットヘッドは、駆動部としてのピエゾ素子を有し、ピエゾ素子を変位させることで、水溶液を液滴として吐出させることができる。なお、水溶液付与部310は、例えば、スプレー構造や霧吹き構造等を有したものであってもよい。これにより、第2ウェブW2への損傷を抑制することができる。
シート形成部80は、水溶液が付与された第2ウェブW2からシート状の繊維構造体Sを形成する。より具体的には、シート形成部80は、メッシュベルト72に堆積され搬送部79により搬送された第2ウェブW2を、加圧加熱して繊維構造体Sを成形する。シート形成部80では、第2ウェブW2を加熱することにより、複数の繊維Saを、互いにフィブロインSbを介して結着させる。
シート形成部80は、第2ウェブW2を加圧する加圧部82と、加圧部82により加圧された第2ウェブW2を加熱する加熱部84と、を有する。
加圧部82は、一対のカレンダーローラー85で構成され、第2ウェブW2を所定のニップ圧で挟んで加圧する。加圧部82による加圧圧力は、10MPa以上80MPa以下である。より好ましくは、30MPa以上50MPa以下である。第2ウェブW2は、加圧されることによりその厚さが小さくなり、第2ウェブW2の密度が高められる。一対のカレンダーローラー85の一方は、図示しないモーターにより駆動される駆動ローラーであり、他方は従動ローラーである。カレンダーローラー85は、モーターの駆動力により回転して、加圧により高密度になった第2ウェブW2を、加熱部84に向けて搬送する。
加熱部84は、例えば、加熱ローラー、熱プレス成形機、ホットプレート、温風ブロアー、赤外線加熱器、フラッシュ定着器、蒸気過熱シリンダ、加熱熱風エアドライヤ、ガスヒータードライヤ、電気ヒータードライヤ、赤外線ヒータードライヤ等各種の方法を単独もしくは併用して用いて構成されている。図示の例では、加熱部84は、一対の加熱ローラー86を備える。加熱ローラー86は、内部または外部に設置されるヒーターによって、予め設定された温度に加温される。加熱ローラー86は、カレンダーローラー85によって加圧された第2ウェブW2を挟んで熱を与え、繊維構造体Sを形成する。加熱部84における加熱温度は、80℃以上230℃以下である。これにより、繊維Sa間のフィブロインSbが溶融し、繊維Sa間の接合強度を高めることができる。なお、加熱ローラー86においても、10MPa以上80MPa以下で加圧する。より好ましくは、30MPa以上50MPa以下で加圧する。
一対の加熱ローラー86の一方は、図示しないモーターにより駆動される駆動ローラーであり、他方は従動ローラーである。加熱ローラー86は、モーターの駆動力により回転して、加熱した繊維構造体Sを、切断部90に向けて搬送する。
このように、堆積部60で形成された第2ウェブW2は、シート形成部80で加圧および加熱されて、シート状の繊維構造体Sとなる。
なお、加圧部82が備えるカレンダーローラー85の数、および加熱部84が備える加熱ローラー86の数は、特に限定されない。
切断部90は、シート形成部80によって成形された繊維構造体Sを切断する。図示の例では、切断部90は、繊維構造体Sの搬送方向と交差する方向に繊維構造体Sを切断する第1切断部92と、搬送方向に平行な方向に繊維構造体Sを切断する第2切断部94と、を有している。第2切断部94は、例えば、第1切断部92を通過した繊維構造体Sを切断する。
以上により、所定のサイズの単票の繊維構造体Sが成形される。切断された単票の繊維構造体Sは、排出部96へと排出される。排出部96は、所定サイズの繊維構造体Sを載せるトレイあるいはスタッカーを有している。
なお、水溶液付与部310によって第2ウェブW2に水溶液を付与する水溶液付与工程(ステップS13)の前に、繊維Saの表面を親水化処理する親水化処理工程を有してもよい。さらに好適には、混合工程(ステップS11)の前に、親水化処理工程を有してもよい。
本実施形態では、選別部40と結合材供給部52との間に親水化処理装置としてのプラズマ処理装置320が配置される。プラズマ処理装置320は、プラズマビームを発生させ、メッシュベルト46に堆積した第1ウェブW1に対してプラズマビームを当てる。これにより、発生した活性酸素が第1ウェブW1を構成する繊維Saの表面に衝突して、表面層の分子鎖を切断し、切断された分子と反応して新たな官能基(OH,CHO,COOHなど)を生成することで親水化処理される。これにより、繊維Sa間の接合強度を高めることができる。
なお、プラズマ処理装置320に替えてUVオゾンを発生させるUVオゾン装置、コロナ放電処理装置等であってもよい。また、プラズマ処理装置320を、粗砕部12に配置してもよいし、堆積部60と水溶液付与部310との間に配置してもよい。
なお、上記では、最初に粗砕部12において原料を粗砕し、粗砕された原料から繊維構造体Sを製造するものとしたが、例えば、原料として繊維Saを用いて繊維構造体Sを製造する構成とすることも可能である。
例えば、解繊部20が解繊処理した解繊物と同等の繊維を原料として、ドラム部41に投入可能な構成であってもよい。また、解繊物から分離された第1選別物と同等の繊維Saを原料として、管54に投入可能な構成とすればよい。この場合、古紙やパルプ等を加工した繊維Saを製造装置100に供給することで、繊維構造体Sを製造できる。
以上の通り、繊維Sa同士が天然由来のフィブロインSbによって結合されるため、環境負荷が低減される。また、上記式の条件を満たすことで、引張強度や耐折性が確保された繊維構造体Sを製造することができる。
2.実施形態2
図5は、本実施形態にかかる繊維構造体Sの製造方法を示すフローチャートである。図6は、本実施形態にかかる繊維構造体Sを製造する製造装置100Aの構成を示す模式図である。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を使用し、重複する説明は省略する。また、製造装置100Aによって製造された繊維構造体Sの構成は、実施形態1と同様なので説明を省略する。
図5に示すように、繊維構造体Sの製造方法は、繊維Saを含む繊維体を気中で堆積させてウェブを形成するウェブ形成工程(ステップS21)と、ウェブにフィブロインSbを含む水溶液を付与する水溶液付与工程(ステップS22)と、水溶液が付与されたウェブを加圧及び加熱して繊維構造体Sを成形する成形工程(ステップS23)と、を含む。
ここで、水溶液付与工程では、繊維SaをA、フィブロインSbをB、水溶液付与後の繊維構造体に含まれる水分をCとした場合、下記式(1),(2)を満たす。
0.01≦繊維構造体全量に対するBの乾燥質量/(繊維構造体全量に対するAの乾燥質量+繊維構造体全量に対するBの乾燥質量)≦0.40 ・・・(1)
0.2≦Cの質量/(繊維構造体全量に対するAの乾燥質量+繊維構造体全量に対するBの乾燥質量)≦10.0 ・・・(2)
なお、より好適には、0.10≦繊維構造体全量に対するBの乾燥質量/(繊維構造体全量に対するAの乾燥質量+繊維構造体全量に対するBの乾燥質量)≦0.20であり、0.5≦Cの質量/(繊維構造体全量に対するAの乾燥質量+繊維構造体全量に対するBの乾燥質量)≦2.0である。
以下、製造装置100Aを用いて繊維構造体Sの製造方法について説明する。
図6に示すように、製造装置100Aは、供給部10と、粗砕部12と、解繊部20と、選別部40と、第1ウェブ形成部45と、回転体49と、堆積部60と、第2ウェブ形成部70と、搬送部79と、水溶液付与部340、シート形成部80と、切断部90と、を含む。また、繊維Saの表面を親水化させるプラズマ処理装置320を備える。すなわち、本実施形態では、繊維SaとフィブロインSbとを混合させる混合部(混合工程に相当)が省略された点が、実施形態1の構成と異なる点である。
ここで、堆積部60及び第2ウェブ形成部70は、ウェブ形成工程(ステップS21)に相当し、水溶液付与部340は、水溶液付与工程(ステップS22)に相当し、シート形成部80は、成形工程(ステップS23)に相当する。
製造装置100Aにおいて、供給部10、粗砕部12、解繊部20、選別部40、第1ウェブ形成部45、回転体49、搬送部79、シート形成部80及び切断部90の構成や加工条件等は、実施形態1と同様なので説明を省略する。さらに、プラズマ処理装置320(親水化処理工程に相当)も実施形態1の構成と同様なので説明を省略する。
堆積部60は、上流側から搬送された繊維Saを含む繊維体を空気中で分散させながら降らせる。これにより、堆積部60は、第2ウェブ形成部70に、繊維体を均一性よく堆積させることができる。堆積部60のドラム部61の下方には第2ウェブ形成部70が配置される。第2ウェブ形成部70は、堆積部60を通過した通過物を堆積して、ウェブとしての第2ウェブW2を形成する。なお、堆積部60及び第2ウェブ形成部70の詳細な構成は、実施形態1の構成と同様なので説明を省略する。
搬送部79の下流側には、水溶液付与部340が配置される。水溶液付与部340は、第2ウェブW2に対してフィブロインSbを含む水溶液を付与する。水溶液には、水、メチルアルコールやエチルアルコール、イソプロパノール、ブタノール、ヘキサンジオール等のアルコール類、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ブチレングリコール、チオジグリコール等のグリコール類、の少なくとも一つを含む。例えば、アルコール類を添加することで、フィブロインの硬化を促すことで強度を向上させること、またグリコール類を添加することで、柔軟性を向上することも可能である。
水溶液付与部310では、下記式を満たすように、水溶液を付与する。
0.2≦水溶液付与後の繊維構造体に含有する水分量/(繊維構造体全量に対する繊維Saの乾燥質量+繊維構造体全量に対するフィブロインSbの乾燥質量)≦10.0。さらには、0.5≦水溶液付与後の繊維構造体に含有する水分量/(繊維構造体全量に対する繊維Saの乾燥質量+繊維構造体全量に対するフィブロインSbの乾燥質量)≦2.0。
また、0.01≦繊維構造体全量に対するフィブロインSbの乾燥質量/(繊維構造体全量に対する繊維Saの乾燥質量+繊維構造体全量に対するフィブロインSbの乾燥質量)≦0.40。さらには、0.10≦繊維構造体全量に対するフィブロインSbの質量/(繊維構造体全量に対する繊維Saの乾燥質量+繊維構造体全量に対するフィブロインSbの質量)≦0.20。第2ウェブW2にフィブロインSbを含む水溶液を付与することで、繊維Saに対してフィブロインSbを容易に添加させることができるとともに、繊維Sa間の水素結合が促進され、繊維Sa間の接合強度を高めることができる。
本実施形態の水溶液付与部340は、第2ウェブW2に対してフィブロインSbを含む水溶液を付与する。付与する方法は既知の方法を適用することができ、例えば、ロールコーター、ダイコーター、スプレー、インクジェットなどがあげられる。さらに、第2ウェブW2への損傷を抑制する点において、非接触な状態でフィブロインSbを含む水溶液を付与することが好ましい。水溶液付与部340は、例えば、水溶液を液滴として吐出可能なインクジェットヘッドが搭載された構造やスプレー構造、霧吹き構造を適用することができる。これにより、第2ウェブW2への損傷を抑制することができる。
以降、シート形成部80及び切断部90を介して繊維構造体Sが形成される。
本実施形態によれば、実施形態1の効果に加え、繊維構造体Sの製造において、繊維SaとフィブロインSbとを混合させる混合部(混合工程に相当)を省略したので、繊維構造体Sの製造方法及び製造装置100Aの構成を簡略化させることができる。
3.実施形態3
図7は、本実施形態にかかる繊維構造体Sの製造方法を示すフローチャートである。図8及び図9は、本実施形態にかかる繊維構造体Sの製造方法及び製造装置100Bの構成を示す模式図である。なお、製造装置100Bによって製造された繊維構造体Sの構成は、実施形態1と同様なので説明を省略する。
図7に示すように、繊維構造体Sの製造方法は、充填工程(ステップS31)と成形工程(ステップS32)と、を含む。
図8に示すように、本実施形態の製造装置100Bは、成形型としての下型部401と上型部402とを備えた加熱加圧装置である。下型部401は凹部401aを有する。上型部402は、凹部401aに嵌入可能なヘッド部402aを有する。
以下、製造装置100Bを用いた繊維構造体Sの製造方法について説明する。
ステップS31の充填工程では、複数の繊維Saと、複数の繊維Saを結合するフィブロインSbと、水溶液と、を混合した混合物SSを下型部401の凹部401aに充填する。
繊維Saは、例えば、古紙やパルプのセルロース系繊維を含むものを、図4で示す解繊部20等によって解繊処理し、解繊処理された解繊物から分離された第1選別物と同等の繊維を適用することができる。フィブロインSbの構成は、実施形態1と同様である。
水溶液は、水を含むとともに、メチルアルコールやエチルアルコール、イソプロパノール、ブタノール、ヘキサンジオール等のアルコール類、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ブチレングリコール、チオジグリコール等のグリコール類、のいずれか一つを含むものであってもよい。
ここで、充填工程では、繊維SaをA、フィブロインSbをB、水溶液付与後の繊維構造体に含まれる水分をCとした場合、下記式(1),(2),(3)を満たす。
0.03≦Bの体積平均粒径/Aの短手方向における平均幅≦4.00 ・・・(1)
0.01≦繊維構造体全量に対するBの乾燥質量/(繊維構造体全量に対するAの乾燥質量+繊維構造体全量に対するBの乾燥質量)≦0.40 ・・・(2)
0.2≦Cの質量/(繊維構造体全量に対するAの乾燥質量+繊維構造体全量に対するBの乾燥質量)≦10.0 ・・・(3)
繊維Saの短手方向における平均幅は、図2に示す寸法Hである。
なお、より好適には、0.5≦Bの体積平均粒径/Aの短手方向における平均幅≦2.00であり、0.10≦繊維構造体全量に対するBの乾燥質量/(繊維構造体全量に対するAの乾燥質量+繊維構造体全量に対するBの乾燥質量)≦0.20であり、0.5≦Cの質量/(繊維構造体全量に対するAの乾燥質量+繊維構造体全量に対するBの乾燥質量)≦2.0である。
また、充填工程では、下型部401及び上型部402を加熱する。加熱温度は、80℃以上230℃以下である。なお、加熱処理は、混合物SSを凹部401aに充填する前に、予め加熱しておいてもよい。
次いで、ステップS32の成形工程では、凹部401aに充填された混合物SSを加圧及び加熱して繊維構造体Sを成形する。具体的には、下型部401に対して上型部402を降下させ、凹部401aに充填された混合物SSをヘッド部402aで加圧する。加圧圧力は、10MPa以上80MPa以下である。より好ましくは、30MPa以上50MPa以下である。これにより、シート状の繊維構造体Sが形成される。
本実施形態によれば、実施形態1の効果に加え、繊維構造体Sの製造において、繊維構造体Sの製造方法及び製造装置100Bの構成を簡略化させることができる。
4.実施例
次に、本発明の実施例について説明する。
4-1.実施例1から実施例7
図4に示す製造装置100を用いて繊維構造体Sを製造した。
具体的には、繊維SaとフィブロインSbとを混合させて繊維体を形成し、形成した繊維体を気中で堆積させて第2ウェブW2を形成した。その後、第2ウェブW2に霧吹きで水を吹きかけた。
このとき、繊維SaをA、フィブロインSbをB、水溶液付与後の繊維構造体に含まれる水分をCとしたとき、Bの体積平均粒径/Aの短手方向における平均幅(寸法比:B/A)、繊維構造体全量に対するBの乾燥質量/(繊維構造体全量に対するAの乾燥質量+繊維構造体全量に対するBの乾燥質量)(質量比:B/(A+B))、Cの質量/(繊維構造体全量に対するAの乾燥質量+繊維構造体全量に対するBの乾燥質量)(質量比:C/(A+B))は、表1の通りであった。
次いで、水が付与された第2ウェブW2を加圧及び加熱した。具体的には、80℃及び10MPaで5分間、第2ウェブW2を加熱加圧した後、130℃及び30MPaで5分間、第2ウェブW2を加熱加圧した。これにより、繊維構造体Sが形成された。
ここで、繊維Saは、セルロース繊維であり、フィブロインSbは、ナノフィブロインパウダー(株式会社松田養蚕場)を用いた。
4-2.比較例1から比較例7
上記実施例と同様の方法で表1の通り各繊維構造体Sを製造した。
ここで、比較例1から比較例4は、上記実施例と同様に、結合材としてフィブロイン(ナノフィブロインパウダー:株式会社松田養蚕場)を用いた。
比較例5は、結合材としてデンプン(ホワイトコンスターチ:日本コンスターチ(株))を用いた。
比較例6は、結合材としてゼラチン(ゼラチン 和光一級:富士フィルム和光純薬(株))を用いた。
比較例7は、結合材としてカゼイン(カゼイン 乳製:林純薬工業)を用いた。
上記のフィブロイン、デンプン、ゼラチン及びカゼインは、それぞれRETSCH社の凍結粉砕機クライオミルを用いて凍結粉砕して粉体化した。
4-3.実施例8から実施例15、および比較例8から比較例11
表2の通り、図4に示す製造装置100を用いて繊維構造体Sを上記同様に製造した。
なお、実施例8から実施例11、比較例8及び比較例9は、第2ウェブW2の加圧及び加熱条件として、80℃及び10MPaで5分間、第2ウェブW2を加熱加圧した後、105℃及び30MPaで5分間、第2ウェブW2を加熱加圧した。
また、実施例12から実施例15、比較例10及び比較例11は、第2ウェブW2の加圧及び加熱条件として、80℃及び10MPaで5分間、第2ウェブW2を加熱加圧した後、130℃及び30MPaで5分間、第2ウェブW2を加熱加圧した。
4-4.評価
以下の引張強度試験、耐折性試験及び乾燥性試験の結果に基づいて評価した。
4-4-1.引張強度試験
JIS P 8113:2006に基づいて、引張強度試験を行った。
引張強度試験では、引張試験機 ASG-X500N((株)島津製作所)を用いた。
4-4-1-1.評価基準
A:比引張強さ 30N・m/g以上
B:比引張強さ 10N・m/g以上30N・m/g未満
C:比引張強さ 10N・m/g未満
4-4-2.耐折性試験
JIS P 8115に基づいて、耐折性試験を行った。
耐折性試験では、極軽荷重耐折度試験機 No.2015-UL(熊谷理機工業(株))を用いた。
4-4-2-1.評価基準
A:耐折度 100回以上
B:耐折度 10回以上100回未満
C:耐折度 10回未満
4-4-3.乾燥性試験
加熱乾燥式水分計 MX-50(エー・アンド・デイ社)を用いて、繊維構造体Sの水分率を計測した。乾燥性試験において、繊維構造体Sに対する加熱温度は120℃であった。
水分率は、下記式で求めた。
水分率=(W-D)/W×100(%)
ここで、Wは乾燥前の繊維構造体Sの質量、Dは乾燥後の繊維構造体Sの質量である。
4-4-3-1.評価基準
A:水分率 10%未満
B:水分率 10%以上20%未満
C:水分率 20%以上
結果は、表1及び表2の通りである。
Figure 0007338286000001
Figure 0007338286000002
表1に示すように、実施例1から実施例7では、引張強度及び耐折性において優れた結果であった。一方、比較例1から比較例7では、実施例1から実施例7に比べ、引張強度または耐折性において劣ることが分かった。また、フィブロインSbを用いた方が、デンプン、ゼラチン、カゼインを用いた場合よりも、引張強度及び耐折性において優れていることが分かった。
表2に示すように、実施例8から実施例15では、引張強度及び耐折性において優れた結果であった。一方、比較例8から比較例11では、実施例8から実施例15に比べ、引張強度または耐折性において劣ることが分かった。さらに、実施例8から実施例15では、乾燥性に優れていることが分かった。繊維Saの質量とフィブロインSbの質量との合計質量に対する水の質量が微量であっても、すなわち、第2ウェブW2に付与する水の量が微量であっても、引張強度及び耐折性において優れた結果をもたらすことが分かった。
以下に、実施形態から導き出される内容を記載する。
繊維構造体は、複数の繊維と、前記複数の繊維を結合するフィブロインと、を有し、前記繊維をA、前記フィブロインをBとした場合、下記式(1),(2)を満たすことを特徴とする。
0.03≦Bの体積平均粒径/Aの短手方向における平均幅≦4.00 ・・・(1)
0.01≦繊維構造体全量に対するBの乾燥質量/(繊維構造体全量に対するAの乾燥質量+繊維構造体全量に対するBの乾燥質量)≦0.40 ・・・(2)
この構成によれば、複数の繊維が天然由来のフィブロインによって結合されるため、環境負荷が低減される。また、上記式の条件を満たすことで、引張強度や耐折性が確保された繊維構造体を提供することができる。
上記繊維構造体の前記繊維が、天然繊維、化学繊維、の少なくとも一つから選択される、ことが好ましい。
この構成によれば、種々の繊維を結合させることができる。
上記繊維構造体の前記フィブロインが、節足動物またはその幼虫が生成する物質、又はそれらに由来する物質、又は人工的に生成された物質、の少なくとも一つから選択される、ことが好ましい。
この構成によれば、天然由来の物質を用いることで環境負荷を低減することができる。なお、節足動物は、例えば、クモ科の動物等であり、節足動物の幼虫は、例えば、カイコやミノムシ等である。
上記繊維構造体の前記繊維の表面には、水酸基、アミノ基、カルボニル基の少なくとも1つを有する、ことが好ましい。
この構成によれば、繊維間の結合力を高めることができる。
上記繊維構造体では、前記繊維の短手方向における前記平均幅が、1μm以上100μm以下である、ことが好ましい。
この構成によれば、繊維構造体において引張強度や耐折性をより高めることができる。
上記繊維構造体では、前記繊維の密度が、0.1g/cm3以上2.0g/cm3以下である、ことが好ましい。
この構成によれば、繊維構造体において引張強度や耐折性をより高めることができる。
繊維構造体の製造方法は、複数の繊維と、前記複数の繊維を結合するフィブロインと、を混合させて繊維体を形成する混合工程と、前記繊維体を気中で堆積させてウェブを形成するウェブ形成工程と、前記ウェブに水溶液を付与する水溶液付与工程と、前記水溶液が付与された前記ウェブを加圧及び加熱して繊維構造体を成形する成形工程と、を含み、前記混合工程では、前記繊維をA、前記フィブロインをBとした場合、下記式(1),(2)を満たし、前記水溶液付与工程では、前記水溶液付与後の繊維構造体に含まれる水分をCとした場合、下記式(3)を満たす、ことを特徴とする。
0.03≦Bの体積平均粒径/Aの短手方向における平均幅≦4.00 ・・・(1)
0.01≦繊維構造体全量に対するBの乾燥質量/(繊維構造体全量に対するAの乾燥質量+繊維構造体全量に対するBの乾燥質量)≦0.40 ・・・(2)
0.2≦Cの質量/(繊維構造体全量に対するAの乾燥質量+繊維構造体全量に対するBの乾燥質量)≦10.0 ・・・(3)
この構成によれば、複数の繊維が天然由来のフィブロインによって結合されるため、環境負荷が低減される。また、上記式の条件を満たすことで、引張強度や耐折性が確保された繊維構造体を製造することができる。
繊維構造体の製造方法は、繊維を含む繊維体を気中で堆積させてウェブを形成するウェブ形成工程と、前記ウェブにフィブロインを含む水溶液を付与する水溶液付与工程と、前記水溶液が付与された前記ウェブを加圧及び加熱して繊維構造体を成形する成形工程と、を含み、前記水溶液付与工程では、前記繊維をA、前記フィブロインをB、前記水溶液付与後の繊維構造体に含まれる水分をCとした場合、下記式(1),(2)を満たす、ことを特徴とする。
0.01≦繊維構造体全量に対するBの乾燥質量/(繊維構造体全量に対するAの乾燥質量+繊維構造体全量に対するBの乾燥質量)≦0.40 ・・・(1)
0.2≦Cの質量/(繊維構造体全量に対するAの乾燥質量+繊維構造体全量に対するBの乾燥質量)≦10.0 ・・・(2)
この構成によれば、複数の繊維が天然由来のフィブロインによって結合されるため、環境負荷が低減される。また、上記式の条件を満たすことで、引張強度や耐折性が確保された繊維構造体を製造することができる。
上記繊維構造体の製造方法では、前記水溶液付与工程の前に、前記繊維の表面を親水化処理する親水化処理工程を有する、ことが好ましい。
この構成によれば、より繊維間の接合強度を高めることができる。
繊維構造体の製造方法は、複数の繊維と、前記複数の繊維を結合するフィブロインと、水溶液と、を混合した混合物を成形型に充填する充填工程と、充填された前記混合物を加圧及び加熱して繊維構造体を成形する成形工程と、を含み、前記充填工程では、前記繊維をA、前記フィブロインをB、前記水溶液付与後の繊維構造体に含まれる水分をCとした場合、下記式(1),(2),(3)を満たす、ことを特徴とする。
0.03≦Bの体積平均粒径/Aの短手方向における平均幅≦4.00 ・・・(1)
0.01≦繊維構造体全量に対するBの乾燥質量/(繊維構造体全量に対するAの乾燥質量+繊維構造体全量に対するBの乾燥質量)≦0.40 ・・・(2)
0.2≦Cの質量/(繊維構造体全量に対するAの乾燥質量+繊維構造体全量に対するBの乾燥質量)≦10.0 ・・・(3)
この構成によれば、複数の繊維が天然由来のフィブロインによって結合されるため、環境負荷が低減される。また、上記式の条件を満たすことで、引張強度や耐折性が確保された繊維構造体を製造することができる。
上記繊維構造体の製造方法の前記成形工程では、加圧する圧力が、10MPa以上80MPa以下である、ことが好ましい。
この構成によれば、繊維間の距離が緊密となり、繊維間の接合強度を高めることができる。
上記繊維構造体の製造方法の前記成形工程では、加熱する加熱温度が、80℃以上230℃以下である、ことが好ましい。
この構成によれば、繊維間のフィブロインが溶融し、繊維間の接合強度を高めることができる。
上記繊維構造体の製造方法の前記水溶液は、水を含むとともに、メチルアルコールやエチルアルコール、イソプロパノール、ブタノール、ヘキサンジオール等のアルコール類、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ブチレングリコール、チオジグリコール等のグリコール類、のいずれか一つを含んでいてもよい。
この構成によれば、水素結合が促進され、繊維間の接合強度を高めることができる。
10…供給部、12…粗砕部、20…解繊部、40…選別部、45…第1ウェブ形成部、50…混合部、52…結合材供給部、60…堆積部、70…第2ウェブ形成部、76…サクション機構、79…搬送部、80…シート形成部、82…加圧部、84…加熱部、85…カレンダーローラー、86…加熱ローラー、90…切断部、100,100A,100B…製造装置、310…水溶液付与部、320…プラズマ処理装置、340…水溶液付与部、401…下型部、401a…凹部、402…上型部、402a…ヘッド部、W1…第1ウェブ、W2…第2ウェブ、S…繊維構造体、Sa…繊維、Sb…フィブロイン、SS…混合物。

Claims (13)

  1. 複数の繊維と、前記複数の繊維を結合するフィブロインと、を有し、前記繊維をA、前記フィブロインをBとした場合、下記式(1),(2)を満たす、繊維構造体。
    0.03≦Bの体積平均粒径/Aの短手方向における平均幅≦4.00 ・・・(1)
    0.01≦繊維構造体全量に対するBの乾燥質量/(繊維構造体全量に対するAの乾燥質量+繊維構造体全量に対するBの乾燥質量)≦0.40 ・・・(2)
  2. 請求項1に記載の繊維構造体であって、
    前記繊維が、天然繊維、化学繊維、の少なくとも一つから選択される、繊維構造体。
  3. 請求項1または請求項2に記載の繊維構造体であって、
    前記フィブロインが、
    節足動物またはその幼虫が生成する物質、又はそれらに由来する物質、又は人工的に生成された物質、の少なくとも一つから選択される、繊維構造体。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の繊維構造体であって、
    前記繊維の表面には、
    水酸基、アミノ基、カルボニル基の少なくとも1つを有する、繊維構造体。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の繊維構造体であって、
    前記繊維の短手方向における前記平均幅が、1μm以上100μm以下である、繊維構造体。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の繊維構造体であって、
    前記繊維の密度が、0.1g/cm3以上2.0g/cm3以下である、繊維構造体。
  7. 複数の繊維と、前記複数の繊維を結合するフィブロインと、を混合させて繊維体を形成する混合工程と、
    前記繊維体を気中で堆積させてウェブを形成するウェブ形成工程と、
    前記ウェブに水溶液を付与する水溶液付与工程と、
    前記水溶液が付与された前記ウェブを加圧及び加熱して繊維構造体を成形する成形工程と、を含み、
    前記混合工程では、前記繊維をA、前記フィブロインをBとした場合、下記式(1),(2)を満たし、
    前記水溶液付与工程では、前記水溶液付与後の繊維構造体に含まれる水分をCとした場合、下記式(3)を満たす、繊維構造体の製造方法。
    0.03≦Bの体積平均粒径/Aの短手方向における平均幅≦4.00 ・・・(1)
    0.01≦繊維構造体全量に対するBの乾燥質量/(繊維構造体全量に対するAの乾燥質量+繊維構造体全量に対するBの乾燥質量)≦0.40 ・・・(2)
    0.2≦Cの質量/(繊維構造体全量に対するAの乾燥質量+繊維構造体全量に対するBの乾燥質量)≦10.0 ・・・(3)
  8. 繊維を含む繊維体を気中で堆積させてウェブを形成するウェブ形成工程と、
    前記ウェブにフィブロインを含む水溶液を付与する水溶液付与工程と、
    前記水溶液が付与された前記ウェブを加圧及び加熱して繊維構造体を成形する成形工程と、を含み、
    前記水溶液付与工程では、前記繊維をA、前記フィブロインをB、前記水溶液付与後の繊維構造体に含まれる水分をCとした場合、下記式(1),(2)を満たす、繊維構造体の製造方法。
    0.01≦繊維構造体全量に対するBの乾燥質量/(繊維構造体全量に対するAの乾燥質量+繊維構造体全量に対するBの乾燥質量)≦0.40 ・・・(1)
    0.2≦Cの質量/(繊維構造体全量に対するAの乾燥質量+繊維構造体全量に対するBの乾燥質量)≦10.0 ・・・(2)
  9. 請求項7または請求項8に記載の繊維構造体の製造方法であって、
    前記水溶液付与工程の前に、
    前記繊維の表面を親水化処理する親水化処理工程を有する、繊維構造体の製造方法。
  10. 複数の繊維と、前記複数の繊維を結合するフィブロインと、水溶液と、を混合した混合物を成形型に充填する充填工程と、
    充填された前記混合物を加圧及び加熱して繊維構造体を成形する成形工程と、を含み、
    前記充填工程では、
    前記繊維をA、前記フィブロインをB、前記水溶液付与後の繊維構造体に含まれる水分をCとした場合、下記式(1),(2),(3)を満たす、繊維構造体の製造方法。
    0.03≦Bの体積平均粒径/Aの短手方向における平均幅≦4.00 ・・・(1)
    0.01≦繊維構造体全量に対するBの乾燥質量/(繊維構造体全量に対するAの乾燥質量+繊維構造体全量に対するBの乾燥質量)≦0.40 ・・・(2)
    0.2≦Cの質量/(繊維構造体全量に対するAの乾燥質量+繊維構造体全量に対するBの乾燥質量)≦10.0 ・・・(3)
  11. 請求項7から請求項10のいずれか一項に記載の繊維構造体の製造方法であって、
    前記成形工程では、
    加圧する圧力が、10MPa以上80MPa以下である、繊維構造体の製造方法。
  12. 請求項7から請求項11のいずれか一項に記載の繊維構造体の製造方法であって、
    前記成形工程では、
    加熱する加熱温度が、80℃以上230℃以下である、繊維構造体の製造方法。
  13. 請求項7から請求項12のいずれか一項に記載の繊維構造体の製造方法であって、
    前記水溶液は、
    水を含むとともに、メチルアルコールやエチルアルコール、イソプロパノール、ブタノール、ヘキサンジオール等のアルコール類、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ブチレングリコール、チオジグリコール等のグリコール類、のいずれか一つを含む、繊維構造体の製造方法。
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