JP2023019437A - 緩衝材 - Google Patents

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Abstract

【課題】環境負荷が低減され、かつ、良好な強度が得られる緩衝材を提供すること。【解決手段】本発明の緩衝材は、セルロース繊維と、該セルロース繊維を結着させる結合材料と、を含み、前記結合材料が、天然系成分であり、前記緩衝材中に10.0質量%以上30.0質量%以下の割合で含有される。本発明の緩衝材は、厚さが、1.0mm以上100mm以下であり、密度が、0.02g/cm3以上0.20g/cm3以下であることが好ましい。前記結合材料は、シェラック樹脂を含むことが好ましい。前記セルロース繊維中におけるリグニンの含有率は、5.0質量%以下であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、緩衝材に関する。
近年では、プラスチック材に代わる環境負荷を低減させた緩衝材が求められている。従来から、古紙を再利用する加工方法が知られている。例えば、特許文献1には、古紙を粉砕繊維化して、ポリプロピレン、酢酸ビニルエマルジョンを固化材として用いて成形加工する加工方法が提案されている。また、特許文献2には、紙基材の片面もしくは両面に、カイガラ虫が分泌する酸エステル樹脂状物質を精製してなる生物産生天然樹脂であるシェラック樹脂を用いて包装材に加工する方法が提案されている。
特開平9-296398号公報 特開2002-172728号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている加工方法は、固化材が天然由来材料ではないため、環境負荷低減が不十分である。特許文献2に開示されている加工方法は、シェラック樹脂を水またはアルコール等に溶解して紙基材に塗布することで耐水性、耐油性を高めているが、包装材の強度については触れられていない。したがって、環境負荷がより低減され、良好な強度の緩衝材が要求されている。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することができる。
本発明の適用例に係る緩衝材は、セルロース繊維と、該セルロース繊維を結着させる結合材料と、を含む緩衝材であって、
前記結合材料が、天然系成分であり、前記緩衝材中に10.0質量%以上30.0質量%以下の割合で含有される。
図1は、シート状の緩衝材を製造することができる製造装置の一例を模式的に示す図である。 図2Aは、緩衝材の製造に用いる成形型が備える形状の一例を示す図である。 図2Bは、緩衝材の製造に用いる成形型が備える形状の一例を示す図である。 図2Cは、緩衝材の製造に用いる成形型が備える形状の一例を示す図である。 図2Dは、緩衝材の製造に用いる成形型が備える形状の一例を示す図である。 図3は、実施例1~4についての応力-歪み曲線である。 図4は、実施例5~8についての応力-歪み曲線である。 図5は、実施例1~4についての緩衝係数-歪み曲線である。 図6は、実施例5~8についての緩衝係数-歪み曲線である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
以下に説明する実施形態は、本発明の例を説明するものである。本発明は以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形形態も含む。なお、以下で説明される構成の全てが本発明の必須の構成であるとは限らない。
[1]緩衝材
まず、緩衝材について説明する。
本実施形態の緩衝材は、複数のセルロース繊維と、該セルロース繊維を結着させる結合材料と、を含む。そして、前記結合材料が、天然系成分であり、緩衝材中に10.0質量%以上30.0質量%以下の割合で含有される。
このような構成であることにより、環境負荷が低減され、かつ、良好な強度が得られる緩衝材を提供することができる。
これに対し、緩衝材中における天然系成分である結合材料の含有率が前記下限値未満であると、セルロース繊維の接合力を十分に高めることができず、緩衝材の強度を十分に高めることができない。また、緩衝材の成形性が著しく低下し、緩衝材の製造そのものが困難になる。
また、緩衝材中における天然系成分である結合材料の含有率が前記上限値を超えると、緩衝材としての緩衝効果を十分に高めることができない。また、割れ等が生じやすくなり、著しく強度が低下する。また、緩衝材の成形性が著しく低下し、緩衝材の製造そのものが困難になる。
[1-1]セルロース繊維
本実施形態の緩衝材は、複数のセルロース繊維を含んでいる。
セルロース繊維は、植物由来で豊富な天然素材であり、繊維としてセルロース繊維を用いることにより、環境問題や埋蔵資源の節約等に好適に対応することができるとともに、緩衝材の安定供給、コスト低減等の観点からも好ましい。また、セルロース繊維は、各種繊維の中でも、理論上の強度が特に高いものであり、緩衝材の強度の向上の観点からも有利である。
セルロース繊維は、通常、主としてセルロースで構成されたものであるが、セルロース以外の成分を含んでいてもよい。このような成分としては、例えば、ヘミセルロース、リグニン等が挙げられる。
ただし、セルロース繊維中におけるリグニンの含有率は、5.0質量%以下であるのが好ましく、3.0質量%以下であるのがより好ましく、1.0質量%以下であるのがさらに好ましい。
これにより、緩衝材の緩衝性能、特に圧縮特性がより優れたものとなる。
また、セルロース繊維中におけるセルロースの含有率は、50.0質量%以上であるのが好ましく、60.0質量%以上であるのがより好ましく、80.0質量%以上であるのがさらに好ましい。
また、セルロース繊維としては、例えば、漂白等の処理が施されたものを用いてもよい。また、セルロース繊維は、例えば、紫外線照射処理、オゾン処理、プラズマ処理等の処理が施されたものであってもよい。
セルロース繊維としては、動物セルロース繊維、植物セルロース繊維等の天然セルロース繊維のほか、有機セルロース繊維、無機セルロース繊維、有機無機複合セルロース繊維等の化学セルロース繊維を用いてもよい。より詳しくは、セルロース繊維としては、セルロース、綿、大麻、ケナフ、亜麻、ラミー、黄麻、マニラ麻、サイザル麻、針葉樹、広葉樹等からなるセルロース繊維が挙げられ、これらは単独で用いてもよいし、適宜混合して用いてもよいし、精製等を行った再生セルロース繊維として用いてもよい。また、セルロース繊維は、各種の表面処理が施されていてもよい。
セルロース繊維の平均長さは、特に限定されないが、長さ-長さ加重平均セルロース繊維長として、10μm以上50mm以下であるのが好ましく、20μm以上5.0mm以下であるのがより好ましく、30μm以上3.0mm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、緩衝材の形状の安定性、強度等をより優れたものとすることができる。また、緩衝材の緩衝性能をより優れたものとすることができる。
本実施形態の緩衝材に含まれるセルロース繊維は、独立した1本のセルロース繊維としたときに、その平均太さが、1.0μm以上1000μm以下であるのが好ましく、2.0μm以上100.0μm以下であるのがより好ましい。
これにより、緩衝材の形状の安定性、強度等をより優れたものとすることができる。また、緩衝材の緩衝性能をより優れたものとすることができる。また、緩衝材の表面に不本意な凹凸が生じることをより効果的に防止することができる。
なお、セルロース繊維の断面が円でない場合には、断面の面積と等しい面積を有する円を仮定したときの当該円の直径を当該セルロース繊維の太さとして取り扱うものとする。
セルロース繊維の平均アスペクト比、すなわち、平均太さに対する平均長さは、特に限定されないが、10以上1000以下であるのが好ましく、15以上500以下であるのがより好ましい。
これにより、緩衝材の形状の安定性、強度等をより優れたものとすることができる。また、緩衝材の緩衝性能をより優れたものとすることができる。また、緩衝材の表面に不本意な凹凸が生じることをより効果的に防止することができる。
本明細書では、セルロース繊維というときには、セルロース繊維1本のことを指す場合と、複数のセルロース繊維の集合体のことを指す場合とがある。また、セルロース繊維は、被解繊物を解繊処理することにより繊維状に解きほぐされたセルロース繊維、すなわち、解繊物であってもよい。ここで被解繊物としては、例えば、パルプシート、紙、古紙、ティッシュペーパー、キッチンペーパー、クリーナー、フィルター、液体吸収材、吸音体、緩衝材、マット、段ボール等の、セルロース繊維が絡み合いまたは結着されたもの等が挙げられる。
緩衝材中におけるセルロース繊維の含有率は、63.0質量%以上90.0質量%以下であるのが好ましく、67.0質量%以上88.0質量%以下であるのがより好ましく、72.0質量%以上86.0質量%以下であるのがさらに好ましい。
これにより、緩衝材の強度、緩衝性能をより優れたものとすることができる。
[1-2]結合材料
本実施形態の緩衝材は、天然系成分である結合材料を含んでいる。以下、天然系成分である結合材料のことを「天然系結合材料」ともいう。
結合材料は、セルロース繊維とセルロース繊維とを結着する機能を有するが、さらに、上記以外の機能を有してもよい。より具体的には、例えば、結合材料は、セルロース繊維以外の成分、例えば、後述する着色剤等が緩衝材から脱落することを抑制する機能を有してもよい。なお、緩衝材に含まれる天然系結合材料のうちの一部は、上記のような機能を発揮しない形態で含まれていてもよい。
天然系結合材料としては、熱可塑性を有するものが好ましい。
これにより、緩衝材の製造過程において、熱を付与することで天然系結合材料を溶融または軟化させて、セルロース繊維間で延展することによりセルロース繊維を結着させやすくなる。
天然系結合材料は、200℃以下で溶融または軟化するものが好ましく、160℃以下で溶融または軟化するものがより好ましい。
これにより、比較的低温での熱処理で、セルロース繊維をより好適に結着させることができ、省エネルギーの観点からより好ましい。
天然系結合材料のガラス転移温度は、45℃以上95℃以下であるのが好ましく、50℃以上90℃以下であるのがより好ましい。
これにより、比較的低温での熱処理で、セルロース繊維をより好適に結着させることができ、省エネルギーの観点からより好ましいとともに、例えば、緩衝材が高温環境下に置かれた際に、不本意に天然系結合材料が軟化してしまうことをより効果的に防止することができる。
天然系結合材料としては、例えば、ロジン、ダンマル、マスチック、コーパル、琥珀、シェラック樹脂、麒麟血、サンダラック、コロホニウム等の天然樹脂;天然高分子である澱粉や、これらの変性物等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができるが、天然系結合材料は、シェラック樹脂を含むものであるのが好ましい。
これにより、緩衝材の強度、緩衝性能をより優れたものとすることができるとともに、緩衝材の加工性をより優れたものとすることができる。
緩衝材中に含まれる天然系結合材料全体に占めるシェラック樹脂の割合は、50.0質量%以上であるのが好ましく、70.0質量%以上であるのがより好ましく、90.0質量%以上であるのがさらに好ましい。
これにより、前述した効果がより顕著に発揮される。
澱粉は、複数のα-グルコース分子がグリコシド結合によって重合した高分子材料である。澱粉は、直鎖状であってもよいし、分岐を含んでもよい。
澱粉としては、例えば、各種植物由来のものを用いることができる。澱粉の原料としては、トウモロコシ、小麦、米等の穀類、ソラマメ、緑豆、小豆等の豆類、ジャガイモ、サツマイモ、タピオカ等のイモ類、カタクリ、ワラビ、葛等の野草類、サゴヤシ等のヤシ類が挙げられる。
また、澱粉としては、例えば、加工澱粉、変性澱粉を用いてもよい。加工澱粉としては、アセチル化アジピン酸架橋澱粉、アセチル化澱粉、酸化澱粉、オクテニルコハク酸澱粉ナトリウム、ヒドロキシプロピル澱粉、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、リン酸化澱粉、リン酸物エステル化リン酸架橋澱粉、尿素リン酸化エステル化澱粉、澱粉グリコール酸ナトリウム、高アミロースコーンスターチ等が挙げられる。また、変性澱粉としては、例えば、α化澱粉、デキストリン、ラウリルポリグルコース、カチオン化澱粉、熱可塑性澱粉、カルバミン酸澱粉等が挙げられる。
緩衝材中における天然系結合材料の含有率は、10.0質量%以上30.0質量%以下であればよいが、12.0質量%以上28.0質量%以下であるのが好ましく、14.0質量%以上25.0質量%以下であるのがより好ましく、15.0質量%以上22.0質量%以下であるのがさらに好ましい。
これにより、前述した効果がより顕著に発揮される。
[1-3]その他の成分
本実施形態の緩衝材は、セルロース繊維と、天然系結合材料とを含んでいればよいが、さらにこれら以外の成分を含んでいてもよい。以下、このような成分を「その他の成分」とも言う。
その他の成分としては、例えば、難燃剤、着色剤、凝集抑制剤、界面活性剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤等が挙げられる。
また、実施形態の緩衝材は、その他の成分として、天然系結合材料以外の結合材料を含んでいてもよい。
天然系結合材料以外の結合材料としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等の各種の合成樹脂を用いることができる。
合成樹脂のうち熱可塑性樹脂としては、例えば、AS樹脂、ABS樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられる。
天然系結合材料以外の結合材料としては、合成樹脂のうち、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリヒドロキシブタン酸等の生分解性樹脂を用いてもよい。
生分解性樹脂を用いることにより、緩衝材の環境適合性をより優れたものとすることができる。
また、樹脂は、例えば、共重合体化や変性がなされていてもよい。
緩衝材中におけるその他の成分の含有率は、7.0質量%以下であるのが好ましく、5.0質量%以下であるのがより好ましく、3.0質量%以下であるのがさらに好ましい。
特に、緩衝材が天然系結合材料以外の結合材料を含むものである場合、緩衝材中における前記結合材料の含有率は、1.0質量%以下であるのが好ましく、0.5質量%以下であるのがより好ましく、0.1質量%以下であるのがさらに好ましい。
[1-4]緩衝材の性状等
本実施形態の緩衝材は、いかなる大きさ、形状のものであってもよく、例えば、シート状をなすものであってもよいし、三次元形状を有するものであってよい。
また、本実施形態の緩衝材は、例えば、予め用意しておいたシート状の緩衝材に対して、必要時に、成形型を用いた成型、切断、折り曲げ、切り込み、組み立て等の処理を施すことにより、所定の三次元形状に加工されたものであってもよい。
上記のように、緩衝材が、三次元形状を有するものであり、シート状の緩衝材から製造されたものである場合、三次元形状を有する緩衝材は、複数枚のシート状の緩衝材を重ね合わせて製造されたものであってもよい。
緩衝材の厚さ、すなわち、セルロース繊維および天然系結合材料を含む材料で構成された部位の厚さは、特に限定されないが、1.0mm以上100mm以下であるのが好ましく、1.5mm以上30mm以下であるのがより好ましく、2.0mm以上20mm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、緩衝材の強度・剛性をより優れたものとすることができる。また、例えば、シート状の緩衝材を深絞り等の加工により立体形状を有する緩衝材に加工する場合等における加工性をより優れたものとすることができ、シワや破れの発生をより効果的に防止することができる。
緩衝材の密度は、特に限定されないが、0.02g/cm以上0.20g/cm以下であるのが好ましく、0.03g/cm以上0.15g/cm以下であるのがより好ましく、0.05g/cm以上0.11g/cm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、緩衝材の強度・剛性をより優れたものとすることができる。また、緩衝材の衝撃に対する耐久性をより優れたものとすることができる。また、例えば、シート状の緩衝材を深絞り等の加工により立体形状を有する緩衝材に加工する場合等における加工性をより優れたものとすることができ、シワや破れの発生をより効果的に防止することができる。
特に、緩衝材が、上記のような厚さの条件および密度の条件をともに満たす場合、これらによる効果が相乗的に作用し、上述したような効果がより顕著に発揮される。
緩衝材の坪量は、特に限定されないが、100g/m以上600g/m以下であるのが好ましく、150g/m以上500g/m以下であるのがより好ましく、150g/m以上400g/m以下であるのがさらに好ましい。
これにより、緩衝材の強度・剛性をより優れたものとすることができる。また、緩衝材の衝撃に対する耐久性をより優れたものとすることができる。また、例えば、シート状の緩衝材を深絞り等の加工により立体形状を有する緩衝材に加工する場合等における加工性をより優れたものとすることができ、シワや破れの発生をより効果的に防止することができる。
緩衝材のBET比表面積は、特に限定されないが、0.30m/g以上0.50m/g以下であるのが好ましく、0.33m/g以上0.47m/g以下であるのがより好ましく、0.35m/g以上0.45m/g以下であるのがさらに好ましい。
シェラック樹脂等の結合材料が繊維表面に付着する量が多いとBET比表面積は小さくなる。付着量が多いほど繊維は高強度になり緩衝材として好ましくなる効果が得られる。
また、本実施形態の緩衝材は、上記の条件を満たす材料で構成された部位に加えて、上記の条件を満たさない材料で構成された部位を有していてもよい。このような場合、上記の条件を満たさない材料で構成された部位としては、例えば、芯材や被覆層等が挙げられる。ただし、緩衝材全体に占める上記の条件を満たす材料の割合は、50体積%以上であるのが好ましく、80体積%以上であるのがより好ましく、90体積%以上であるのがさらに好ましい。
[2]緩衝材の製造方法
次に、緩衝材の製造方法について説明する。
本実施形態の緩衝材の製造方法は、セルロース繊維および天然系結合材料を含む組成物である緩衝材製造用組成物を加熱加圧する加熱加圧工程を有する。そして、緩衝材製造用組成物を構成する全固形分中に占める天然系結合材料の割合が10.0質量%以上30.0質量%以下である。
これにより、前述したような緩衝材、すなわち、環境負荷が低減され、かつ、良好な強度が得られる緩衝材を好適に製造することができる。
[2-1]緩衝材製造用組成物
まず、本実施形態の緩衝材の製造方法で用いる緩衝材製造用組成物について説明する。
[2-1-1]セルロース繊維
本実施形態の緩衝材製造用組成物は、複数のセルロース繊維を含んでいる。
緩衝材製造用組成物中に含まれるセルロース繊維としては、上記[1-1]で説明したものを用いることができる。
これにより、前述したのと同様の効果が得られる。
緩衝材製造用組成物を構成する全固形分中に占めるセルロース繊維の割合は、63.0質量%以上90.0質量%以下であるのが好ましく、67.0質量%以上88.0質量%以下であるのがより好ましく、72.0質量%以上86.0質量%以下であるのがさらに好ましい。
これにより、製造される緩衝材の強度、緩衝性能をより優れたものとすることができる。
[2-1-2]天然系結合材料
本実施形態の緩衝材製造用組成物は、天然系結合材料を含んでいる。
緩衝材製造用組成物中に含まれる天然系結合材料としては、上記[1-2]で説明したものを用いることができる。
これにより、前述したのと同様の効果が得られる。
緩衝材製造用組成物中において天然系結合材料が粒子として含まれる場合、当該天然系結合材料は、その体積平均粒子径が、セルロース繊維の太さよりも小さいものであるのが好ましい。
これにより、天然系結合材料とセルロース繊維とをより均一に混合しやすくなり、緩衝材中における不本意な組成のばらつきの発生をより効果的に防止することができる。
天然系結合材料の体積平均粒子径は、0.8μm以上100μm以下であるのが好ましく、1.5μm以上50μm以下であるのがより好ましい。
粒子状の天然系結合材料は、例えば、ニーダー、バンバリーミキサー、単軸押出機、多軸押出機、二本ロール、三本ロール、連続式ニーダー、連続式二本ロール等を用いて混練した後、適宜の方法でペレタイズし、粉砕することにより得ることができる。天然系結合材料には様々な大きさの粒子が含まれている場合もあり、公知の分級装置を用いて分級してもよい。また、天然系結合材料の粒子の外形形状は、特に限定されず、球状、円盤状、繊維状、不定形等の形状であってもよい。
本実施形態において、緩衝材製造用組成物を構成する全固形分中に占める天然系結合材料の割合は、10.0質量%以上30.0質量%以下であればよいが、12.0質量%以上28.0質量%以下であるのが好ましく、14.0質量%以上25.0質量%以下であるのがより好ましく、15.0質量%以上22.0質量%以下であるのがさらに好ましい。
これにより、前述した効果がより顕著に発揮される。
緩衝材製造用組成物中において、天然系結合材料は、いかなる状態で含まれていてもよく、例えば、他の成分に溶解した状態等で含まれていてもよいが、分散した状態、特に、粉末として分散した状態で含まれているのが好ましい。
これにより、製造される緩衝材中に空隙を好適に形成することができ、緩衝材の緩衝性能をより確実に優れたものとすることができる。
[2-1-3]液体成分
本実施形態の緩衝材製造用組成物は、例えば、液体成分を含んでいてもよい。
液体成分を含むことにより、例えば、緩衝材製造用組成物中において、セルロース繊維が好適にほぐれた状態としたり、緩衝材製造用組成物中における各成分の不本意な偏在等を好適に防止したりすることができる。
緩衝材製造用組成物が液体成分を含むものである場合、天然系結合材料は、前記液体成分に溶解した状態で含まれていてもよいし、前記液体成分に分散した状態で含まれていてもよい。
前記液体成分としては、例えば、水や、メタノール、エタノール、エチレングリコール、グリセリン等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒等の各種有機溶媒等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
緩衝材製造用組成物が液体成分を含むものである場合、緩衝材製造用組成物中における前記液体成分の含有率は、例えば、10.0質量%以上70.0質量%以下とすることができる。
[2-1-4]その他の成分
本実施形態の緩衝材製造用組成物は、上記以外の成分を含んでいてもよい。このような成分としては、上記[1-3]で説明したものを用いることができる。
緩衝材製造用組成物を構成する全固形分中に占めるその他の成分の割合は、7.0質量%以下であるのが好ましく、5.0質量%以下であるのがより好ましく、3.0質量%以下であるのがさらに好ましい。
特に、緩衝材製造用組成物が天然系結合材料以外の結合材料を含むものである場合、緩衝材製造用組成物を構成する全固形分中に占める前記結合材料の割合は、1.0質量%以下であるのが好ましく、0.5質量%以下であるのがより好ましく、0.1質量%以下であるのがさらに好ましい。
[2-1-5]緩衝材製造用組成物の性状
緩衝材製造用組成物は、例えば、粉体状、分散液状、ウェブ状等、いかなる形状を有するものであってもよい。
[2-1-6]緩衝材製造用組成物の調製
緩衝材製造用組成物は、例えば、緩衝材製造用組成物の構成成分を混合することにより調製することができる。
より具体的には、例えば、解繊されたセルロース繊維と、粉末状の天然系結合材料とを撹拌混合することにより、緩衝材製造用組成物を調製することができる。このような場合、例えば、後に詳述するような装置を用いて好適に緩衝材製造用組成物を調製することができる。
[2-2]加熱加圧工程
加熱加圧工程では緩衝材製造用組成物を加熱加圧する。
本工程は、例えば、熱プレス、ヒートローラー、立体成形加工機等により行うことができる。
本工程での加熱温度は、160℃以上であるのが好ましく、165℃以上250℃以下であるのがより好ましく、170℃以上220℃以下であるのがさらに好ましい。
これにより、緩衝材の構成成分の不本意な変性劣化等を効果的に防止しつつ、天然系結合材料によるセルロース繊維の結合を効率よく形成することができ、緩衝材の生産性をより優れたものとしつつ、緩衝材の強度、緩衝性能等をより優れたものとすることができる。また、省エネルギーの観点からも好ましい。
本工程での加圧圧力は、0.50MPa以下であるのが好ましく、0.01MPa以上0.45MPa以下であるのがより好ましく、0.05MPa以上0.40MPa以下であるのがさらに好ましい。
これにより、製造される緩衝材を、適度な空隙を有するものとしつつ、天然系結合材料によるセルロース繊維の結合を効率よく形成することができ、緩衝材の強度、緩衝性能等をより優れたものとすることができる。また、省エネルギーの観点からも好ましい。
本工程での加熱加圧時間は、1秒間以上300秒間以下であるのが好ましく、10秒間以上60秒間以下であるのがより好ましく、15秒間以上45秒間以下であるのがさらに好ましい。
これにより、緩衝材の生産性をより優れたものとしつつ、緩衝材の強度、緩衝性能等をより優れたものとすることができる。また、省エネルギーの観点からも好ましい。
[2-3]その他の工程
緩衝材の製造方法は、上述した加熱加圧工程に加えて、さらに他の工程を有していてもよい。このような工程としては、例えば、製造された緩衝材を、適切な大きさ、形状となるように切断する切断工程等が挙げられる。
[2-4]製造装置
次に、シート状の緩衝材の製造に用いることができる製造装置について説明する。
図1は、シート状の緩衝材を製造することができる製造装置の一例を模式的に示す図である。図2A~図2Dは、それぞれ、緩衝材の製造に用いる成形型が備える形状の一例を示す図である。
図1に示すように、製造装置100は、供給部10と、粗砕部12と、解繊部20と、選別部40と、第1ウェブ形成部45と、回転体49と、混合部50と、堆積部60と、第2ウェブ形成部70と、緩衝材形成部80と、切断部90と、加湿部78とを有している。
供給部10は、粗砕部12に原料を供給する。供給部10は、例えば、粗砕部12に原料を連続的に投入するための自動投入部である。粗砕部12に供給される原料は、セルロース繊維を含むものであればよい。
粗砕部12は、供給部10によって供給された原料を、空気中等の気中で裁断して細片にする。細片の形状や大きさは、例えば、数cm角の細片である。図示の例では、粗砕部12は、粗砕刃14を有し、粗砕刃14によって、投入された原料を裁断することができる。粗砕部12としては、例えば、シュレッダーを用いる。粗砕部12によって裁断された原料は、ホッパー1で受けられ、その後管2を介して、解繊部20に搬送される。
解繊部20は、粗砕部12によって裁断された原料を解繊する。ここで、「解繊する」とは、複数のセルロース繊維が結着されてなる原料、すなわち、被解繊物を、セルロース繊維1本1本に解きほぐすことをいう。解繊部20は、原料に付着した樹脂粒やインク、トナー、填料、にじみ防止剤等の物質を、セルロース繊維から分離させる機能をも有する。
解繊部20を通過したものを「解繊物」という。「解繊物」には、解きほぐされた解繊物セルロース繊維の他に、セルロース繊維を解きほぐす際にセルロース繊維から分離した樹脂粒や、インク、トナー、填料等の色剤や、にじみ防止材、紙力増強剤等の添加剤を含んでいる場合もある。セルロース繊維から分離した樹脂粒としては、例えば、複数のセルロース繊維同士を結着させるための樹脂を含む粒子が挙げられる。
解繊部20は、乾式で解繊を行う。水等の液体中でスラリー状に溶解させる湿式ではなく、大気等の気中において解繊等の処理を行うことを乾式と称する。解繊部20として、本実施形態ではインペラーミルを用いる。解繊部20は、原料を吸引し、解繊物を排出するような気流を発生させる機能を有している。これにより、解繊部20は、自ら発生する気流によって、導入口22から原料を気流とともに吸引し、解繊処理して、解繊物を排出口24へと搬送することができる。解繊部20を通過した解繊物は、管3を介して、選別部40に移送される。なお、解繊部20から選別部40に解繊物を搬送させるための気流は、解繊部20が発生させる気流を利用してもよいし、ブロアー等の気流発生装置を設け、その気流を利用してもよい。
選別部40は、解繊部20により解繊された解繊物を導入口42から導入し、セルロース繊維の長さによって選別する。選別部40は、ドラム部41と、ドラム部41を収容するハウジング部43とを有している。ドラム部41としては、例えば、篩を用いる。ドラム部41は、網を有し、網の目開きの大きさより小さく網を通過するセルロース繊維または粒子である第1選別物と、網の目開きの大きさより大きく網を通過しないセルロース繊維や未解繊片やダマである第2選別物とを分けることができる。例えば、第1選別物は、管7を介して、混合部50に移送される。第2選別物は、排出口44から管8を介して、解繊部20に戻される。具体的には、ドラム部41は、モーターによって回転駆動される円筒の篩である。ドラム部41の網としては、例えば、金網、切れ目が入った金属板を引き延ばしたエキスパンドメタル、金属板にプレス機等で穴を形成したパンチングメタルを用いる。
第1ウェブ形成部45は、選別部40を通過した第1選別物を、混合部50に搬送する。第1ウェブ形成部45は、メッシュベルト46と、張架ローラー47と、吸引部48とを含む。
吸引部48は、選別部40の開口、すなわち、網の開口を通過して空気中に分散された第1選別物をメッシュベルト46上に吸引することができる。第1選別物は、移動するメッシュベルト46上に堆積し、ウェブVを形成する。メッシュベルト46、張架ローラー47および吸引部48の基本的な構成は、後述する第2ウェブ形成部70のメッシュベルト72、張架ローラー74およびサクション機構76と同様である。
ウェブVは、選別部40および第1ウェブ形成部45を経ることにより、空気を多く含み柔らかくふくらんだ状態に形成される。メッシュベルト46に堆積されたウェブVは、管7へ投入され、混合部50へと搬送される。
回転体49は、ウェブVが混合部50に搬送される前に、ウェブVを切断することができる。図示の例では、回転体49は、基部49aと、基部49aから突出している突部49bとを有している。突部49bは、例えば、板状の形状を有している。図示の例では、突部49bは4つ設けられ、4つの突部49bが等間隔に設けられている。基部49aが方向Rに回転することにより、突部49bは、基部49aを軸として回転することができる。回転体49によってウェブVを切断することにより、例えば、堆積部60に供給される単位時間当たりの解繊物の量の変動を小さくすることができる。
回転体49は、第1ウェブ形成部45の近傍に設けられている。図示の例では、回転体49は、ウェブVの経路において下流側に位置する張架ローラー47aの近傍、すなわち、張架ローラー47aの横に、設けられている。回転体49は、突部49bがウェブVと接触可能な位置であって、ウェブVが堆積されるメッシュベルト46と接触しない位置に設けられている。突部49bとメッシュベルト46との間の最短距離は、例えば、0.05mm以上0.5mm以下である。
混合部50は、選別部40を通過した第1選別物、言い換えると、第1ウェブ形成部45により搬送された第1選別物と、天然系結合材料を含む添加物とを混合する。混合部50は、添加物を供給する添加物供給部52と、第1選別物と添加物とを搬送する管54と、ブロアー56とを有している。図示の例では、添加物は、添加物供給部52からホッパー9を介して管54に供給される。管54は、管7と連続している。
混合部50では、ブロアー56によって気流を発生させ、管54中において、第1選別物と添加物とを混合させながら、搬送することができる。なお、第1選別物と添加物とを混合させる機構は、特に限定されず、高速回転する羽根により攪拌するものであってもよいし、V型ミキサーのように容器の回転を利用するものであってもよい。
添加物供給部52としては、図1に示すようなスクリューフィーダーや、図示しないディスクフィーダー等を用いる。添加物供給部52から供給される添加物は、上述の天然系結合材料を含む。天然系結合材料が供給された時点では、複数のセルロース繊維は結着されていない。天然系結合材料は、緩衝材形成部80を通過する際に一部が溶融して、緩衝材WSの表面領域の複数のセルロース繊維を結着させる。
なお、添加物供給部52から供給される添加物には、天然系結合材料の他、製造される緩衝材WSの種類に応じて、セルロース繊維を着色するための着色剤や、セルロース繊維の凝集や天然系結合材料の凝集を抑制するための凝集抑制剤、セルロース繊維等を燃えにくくするための難燃剤が含まれていてもよい。混合部50を通過した混合物、すなわち、第1選別物と添加物との混合物である緩衝材製造用組成物は、管54を介して、堆積部60に移送される。
堆積部60は、混合部50を通過した混合物を導入口62から導入し、絡み合ったセルロース繊維の解繊物をほぐして、空気中で分散させながら降らせる。これにより、堆積部60は、第2ウェブ形成部70に、混合物を均一性よく堆積させることができる。
堆積部60は、ドラム部61と、ドラム部61を収容するハウジング部63とを有している。ドラム部61としては、回転する円筒の篩を用いる。ドラム部61は、網を有し、混合部50を通過した混合物に含まれる、網の目開きの大きさより小さいセルロース繊維または粒子を降らせる。ドラム部61の構成は、例えば、ドラム部41の構成と同じである。
なお、ドラム部61の「篩」は、特定の対象物を選別する機能を有していなくてもよい。すなわち、ドラム部61として用いられる「篩」とは、網を備えたもの、という意味であり、ドラム部61は、ドラム部61に導入された混合物の全てを降らしてもよい。
第2ウェブ形成部70は、堆積部60を通過した通過物を堆積して、緩衝材WSとなる堆積物であるウェブWを形成する。この際、図1中に示さない成形型をメッシュベルト72に乗せて受け皿のようにして、成形型内にウェブを形成することができる。第2ウェブ形成部70は、例えば、メッシュベルト72と、張架ローラー74と、サクション機構76とを有している。
成形型としては、例えば、図2A,図2B,図2C,図2Dに示す形状を備えるものを用いることができる。緩衝材WSが、砲弾形、半球形、横楕円形、スピーカー形、円筒形、円錐形、階段円錐形等、凸部を有する立体的形状であれば、より好適に衝撃に耐え得ることから任意に変えることができる。
メッシュベルト72は、移動しながら、堆積部60の開口、すなわち、網の開口を通過した通過物を成形型に堆積させる。メッシュベルト72および成形型は、張架ローラー74によって張架され、通過物を通しにくく空気を通す構成となっている。メッシュベルト72は、張架ローラー74が自転することによって移動する。メッシュベルト72が連続的に移動しながら、堆積部60を通過した通過物が連続的に降り積もることにより、メッシュベルト72上の成形型にウェブWが形成される。メッシュベルト72および成形型は、例えば、金属製、樹脂製、布製、不織布等のものである。
サクション機構76は、メッシュベルト72の下方、すなわち、堆積部60側とは反対側に設けられている。サクション機構76は、下方に向く気流、すなわち、堆積部60からメッシュベルト72に向く気流を発生させることができる。このサクション機構76によって、堆積部60により空気中に分散された混合物をメッシュベルト72上に吸引することができる。これにより、堆積部60からの排出速度を大きくすることができる。さらに、サクション機構76によって、混合物の落下経路にダウンフローを形成することができ、落下中に解繊物や添加物が絡み合うことを抑制できる。
以上のように、堆積部60および第2ウェブ形成部70で行われるウェブ形成工程を経ることにより、空気を多く含み柔らかくふくらんだ状態のウェブWが形成される。メッシュベルト72上の成形型に堆積されたウェブWは、緩衝材形成部80へと搬送される。
緩衝材形成部80に搬送される堆積物であるウェブWの厚さは、2.0mm以上150mm以下であるのが好ましく、3.0mm以上120mm以下であるのがより好ましく、5.0mm以上100mm以下であるのがさらに好ましい。
また、ウェブWの密度は、0.01g/cm以上0.05g/cm以下であるのが好ましく、0.02g/cm以上0.04g/cm以下であるのがより好ましい。
また、ウェブWの坪量は、20g/m以上7500g/m以下であるのが好ましく、30g/m以上6000g/m以下であるのがより好ましく、50g/m以上5000g/m以下であるのがさらに好ましい。
緩衝材形成部80は、メッシュベルト72上の成形型に堆積したウェブWを加熱して緩衝材WSを形成する。緩衝材形成部80では、第2ウェブ形成部70において混ぜ合わされた解繊物および添加物の混合物の堆積物であるウェブWを加熱することにより、天然系結合材料を軟化・溶融させ、これにより複数のセルロース繊維を結着させる。
緩衝材形成部80は、ウェブWを加熱する加熱部84を備えている。加熱部84としては、例えば、ヒートプレス、加熱ローラー等が用いられるが、以下は加熱ローラーを用いた例で説明する。加熱部84における加熱ローラーの数は、特に限定されない。図示の例では、加熱部84は、一対の加熱ローラー86を備えている。加熱部84を加熱ローラー86として構成することにより、ウェブWを連続的に搬送しながら緩衝材WSを成形することができる。
加熱ローラー86は、例えば、その回転軸が平行になるように配置される。加熱ローラー86のローラー半径は、2.0cm以上5.0cm以下であるのが好ましく、2.5cm以上4.0cm以下であるのがより好ましく、2.5cm以上3.5cm以下であるのがさらに好ましい。
加熱ローラー86は、ウェブWに接触し、ウェブWを挟んで搬送しつつウェブWを加熱する。
加熱ローラー86の回転速度は、例えば、20rpm以上500rpm以下であるのが好ましく、30rpm以上350rpm以下であるのがより好ましく、50rpm以上300rpm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、ウェブWの表面領域を十分にかつより精度よく加熱することができる。
加熱ローラー86は、ウェブWを挟んで搬送し、所定の厚さの緩衝材WSを形成する。
ここで加熱ローラー86によってウェブWに印加される圧力は、0.50MPa以下であるのが好ましく、0.01MPa以上0.45MPa以下であるのがより好ましく、0.05MPa以上0.40MPa以下であるのがさらに好ましい。
ウェブWを加熱する際の加熱ローラー86の表面温度は、160℃以上であるのが好ましく、165℃以上250℃以下であるのがより好ましく、170℃以上220℃以下であるのがさらに好ましい。
加熱部84の一対の加熱ローラー86間のギャップは、緩衝材WSの厚さ、密度、坪量が、上記[1-4]で述べた条件を満たすように調整されるのが好ましい。
本実施形態の製造装置100は、必要に応じて、切断部90を有してもよい。図示の例では、加熱部84の下流側に切断部90が設けられている。切断部90は、緩衝材形成部80によって成形された緩衝材WSを含む成形型を切断する。図示の例では、切断部90は、緩衝材WSの搬送方向と交差する方向に緩衝材WSの成形型を切断する第1切断部92と、搬送方向に平行な方向に緩衝材WSを切断する第2切断部94とを有している。第2切断部94は、例えば、第1切断部92を通過した緩衝材WSを含む成形型を切断する。
また、本実施形態の製造装置100は、加湿部78を有してもよい。図示の例では、切断部90の下流側であって排出部96の上流側に設けられている。加湿部78は、緩衝材WSに対して水や水蒸気を付与することができる。加湿部78の具体的な態様としては、例えば、水または水溶液のミストを吹き付ける態様、水または水溶液をスプレーする態様、水または水溶液をインクジェットヘッドから吐出して付着させる態様等が挙げられる。
製造装置100が加湿部78を有することにより、形成される緩衝材WSに湿り気をもたせることができる。これにより、セルロース繊維が湿気を帯びて柔らかくなる。そのため、緩衝材WSを用いて容器等を立体成形する場合に、シワや破れがさらに生じにくくなる。また、緩衝材WSに湿り気をもたせることにより、セルロース繊維間の水素結合を形成しやすくなるので、緩衝材WSの密度が高まり、例えば、強度を向上できる。
図1の例では、加湿部78は、切断部90の下流側に設けられているが、加湿部78は加熱部84の下流側に設けられれば、上記と同様の効果を得ることができる。すなわち、加湿部78は、加熱部84の下流側であって切断部90の上流側に設けられてもよい。
緩衝材WSが成形された成形型から緩衝材WSだけを型抜きすることにより、例えば凸形状を有する三次元成形体としての緩衝材WSが得られる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成、例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
例えば、本発明の緩衝材は、上述したような方法、製造装置を用いて製造されたものに限定されない。
より具体的には、例えば、前述した実施形態では、緩衝材の製造に、セルロース繊維および天然系結合材料を含む組成物である緩衝材製造用組成物を用いる場合について代表的に説明したが、例えば、予め用意しておいたセルロース繊維に天然系結合材料を振りかけ、これを加熱加圧して製造してもよい。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに説明するが、本発明は以下の例によってなんら限定されるものではない。
[3]緩衝材の製造
(実施例1)
セルロース繊維源である原料としてレンゴー社製段ボールを用い、天然系結合材料として、軟化点が62℃であり硬化点が152℃であり体積平均粒子径が20μm以下である中国産シェラック樹脂粉末を用意して、図1に示す構成の緩衝材の製造装置を用いて緩衝材を製造した。このとき、複数個の半球状の凹部が千鳥状に配置された3号型、および、これに対応する複数個の半球状の凸部が千鳥状に配置された3号型を成形型として用いた。また、セルロース繊維中におけるリグニンの含有率は、1.0質量%以下であった。また、製造される緩衝材中におけるセルロース繊維と天然系結合材料との配合比率が70質量%:30質量%となるように、天然系結合材料の供給量を調整した。また、緩衝材形成部における、加熱温度が170℃、加圧圧力が0.05MPa、加熱加圧時間が60秒間となるように調整した。
製造された緩衝材は、厚さが3.5mm、密度が0.05g/cm、坪量が175g/mであった。また、緩衝材に含まれるセルロース繊維は、平均長さが730μm、平均太さが20μmという条件のものであった。
(実施例2~4)
製造される緩衝材中におけるセルロース繊維と天然系結合材料との配合比率が表1に示すものとなるように天然系結合材料の供給量を変更した以外は、前記実施例1と同様にして緩衝材を製造した。
(実施例5~8)
緩衝材形成部における条件を調整し、緩衝材の密度が表1に示すものとなるようにした以外は、前記実施例1と同様にして緩衝材を製造した。
(比較例1、2)
製造される緩衝材中におけるセルロース繊維と天然系結合材料との配合比率が表1に示すものとなるように天然系結合材料の供給量を変更した以外は、前記実施例1と同様にして緩衝材の製造を試みた。
前記各実施例および各比較例の緩衝材の構成を表1にまとめて示す。
Figure 2023019437000001
[4]評価
[4-1]成形性
前記各実施例および各比較例について、成形型に対応する形状の緩衝材を製造することができたものを「可」、成形型に対応する形状の緩衝材を製造することができなかったものを「不可」とした。
[4-2]応力-歪み曲線
万能試験機AG-IS(島津製作所製)を用いて、緩衝材を、厚さ方向、すなわち、半球状の凸部の突出方向に圧縮し、応力-歪み曲線を作成した。すなわち、自然状態での緩衝材の厚さに対する圧縮時の緩衝材の厚さの比率と、そのときに加えている応力との関係を示すグラフを作成した。
[4-3]緩衝係数-歪み曲線
万能試験機AG-IS(島津製作所製)を用いて、緩衝材を、厚さ方向、すなわち、半球状の凸部の突出方向に圧縮し、緩衝係数-歪み曲線を作成した。すなわち、自然状態での緩衝材の厚さに対する圧縮時の緩衝材の厚さの比率と、そのときの緩衝係数との関係を示すグラフを作成した。
前記各実施例および各比較例についての上記[4-1]の結果を表2に示し、前記実施例1~4についての上記[4-2]の結果を図3、前記実施例5~8についての上記[4-2]の結果を図4、前記実施例1~4についての上記[4-3]の結果を図5、前記実施例5~8についての上記[4-3]の結果を図6に示す。
Figure 2023019437000002
表2から明らかなように、前記各実施例では、所望の形状の緩衝材を製造することができ、成形性に優れていることが分かる。
また、図3、図4から明らかなように、前記各実施例では、幅広い歪みの範囲で応力がほぼ一定となっており、優れた緩衝性能を有することが示されている。
また、緩衝材に含まれるセルロース繊維について、平均長さを10μm以上50mm以下、平均太さを1.0μm以上1000μm以下、平均アスペクト比を10以上1000以下の範囲内で種々変更した以外は、前記各実施例と同様にして緩衝材を製造し、前記と同様にして評価を行ったところ、前記と同様の傾向の結果が得られた。
1…ホッパー、2,3,7,8…管、9…ホッパー、10…供給部、12…粗砕部、14…粗砕刃、20…解繊部、22…導入口、24…排出口、40…選別部、41…ドラム部、42…導入口、43…ハウジング部、44…排出口、45…第1ウェブ形成部、46…メッシュベルト、47,47a…張架ローラー、48…吸引部、49…回転体、49a…基部、49b…突部、50…混合部、52…添加物供給部、54…管、56…ブロアー、60…堆積部、61…ドラム部、62…導入口、63…ハウジング部、70…第2ウェブ形成部、72…メッシュベルト、74…張架ローラー、76…サクション機構、78…加湿部、80…緩衝材形成部、84…加熱部、86…加熱ローラー、90…切断部、92…第1切断部、94…第2切断部、96…排出部、100…製造装置、R…方向、V…ウェブ、W…ウェブ、WS…緩衝材

Claims (4)

  1. セルロース繊維と、該セルロース繊維を結着させる結合材料と、を含む緩衝材であって、
    前記結合材料が、天然系成分であり、前記緩衝材中に10.0質量%以上30.0質量%以下の割合で含有される、緩衝材。
  2. 前記結合材料は、シェラック樹脂を含む、請求項1に記載の緩衝材。
  3. 厚さが、1.0mm以上100mm以下であり、
    密度が、0.02g/cm以上0.20g/cm以下である、請求項1または2に記載の緩衝材。
  4. 前記セルロース繊維中におけるリグニンの含有率は、5.0質量%以下である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の緩衝材。
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