JP2016079270A - 電子部品接着用導電性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
近年、半導体用基板として、従来から使用されている金属フレームの他に、有機基板やセラミックス基板なども採用されている。また、金属基板についても、フレームメッキ面の表面状態は使用目的により、各種メッキ工程が異なるものが多くなり、メッキ表面において、アクリル系樹脂やエポキシ樹脂の樹脂成分がフレーム表面ににじみ出し、ブリードが発生しやすくなり、接続信頼性を低下させてしまうことがある。
本発明は、上記の従来技術の問題をなくし、ブリードが発生しにくく、且つブリード成分による接着力の低下がない電子部品接着用導電性樹脂組成物を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、下記の電子部品接着用導電性樹脂組成物を提供する。
2.(B)硬化剤がフェノール樹脂である上記1に記載の電子部品接着用導電性樹脂組成物。
3.(D)フッ素系分散剤が、(A)エポキシ樹脂100質量部に対して0.1〜1.5質量部含まれる上記1または2に記載の電子部品接着用導電性樹脂組成物。
4.(A)フッ素系分散剤が、含フッ素基・親水性基・親油性基含有オリゴマーもしくは含フッ素基・親油基含有オリゴマーである上記1〜3のいずれかに記載の電子部品接着用導電性樹脂組成物。
本発明に使用する(A)成分のエポキシ樹脂は特に限定されず、1分子中に2個以上のグリシジル基を有するものであれば、いかなるエポキシ樹脂も使用することができ、単独でも、複数種を併用してもよい。
例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、エーテル又はポリエーテル型エポキシ樹脂、エステル又はポリエステル型エポキシ樹脂、ウレタン型エポキシ樹脂、多官能型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、水添型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、エチレンオキサイド変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂、グリシジル変性ポリブタジエン樹脂、グリシジル変性トリアジン樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、アミノフェノール型エポキシ樹脂、可とう性エポキシ樹脂、メタクリル変性エポキシ樹脂、アクリル変性エポキシ樹脂、特殊変性エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、側鎖水酸基アルキル変性エポキシ樹脂、長鎖アルキル変性エポキシ樹脂、イミド変性エポキシ樹脂、CTBN変性エポキシ樹脂などが挙げられるが、これらに限定されない。
液状であるエポキシ樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、4,4’−イソプロピリデンジシクロヘキサノールジグリシジルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、可とう性エポキシ樹脂が好ましく用いられる。
このようにエポキシ樹脂以外の他の樹脂を併用する場合、エポキシ樹脂100質量部に対して、他の樹脂を50質量部まで混合することができる。
樹脂組成物全量に対する(A)成分の含有量は、好ましくは5〜15質量%、より好ましくは6〜9質量%である。
本発明に使用する(B)成分の硬化剤は、エポキシ樹脂を硬化するものであれば、いかなるものでも使用でき、単独でも、複数種を併用してもよい。
例えば、ジシアンジアミド、フェノール樹脂、アミン化合物、潜在性アミン化合物、カチオン化合物、酸無水物、特殊エポキシ硬化剤などが挙げられる。
硬化性、接着性の観点から、フェノール樹脂が好ましく用いられる。
(B)成分の配合量は、特に制限されるものではないが、(A)成分であるエポキシ樹脂100質量部に対して、フェノール樹脂5〜140質量部であることが好ましく、より好ましくは60〜130質量部である。
本発明に使用する(C)成分の硬化促進剤としては、従来、エポキシ樹脂の硬化促進剤として使用されているものであれば特に制限されず、単独でも、複数種を併用してもよい。
例えば、イミダゾール系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、トリフェニルホスフィン系硬化促進剤、ジアザビシクロ系硬化促進剤、ウレア系硬化促進剤、ボレート塩系硬化促進剤、ポリアミド系硬化促進剤などが挙げられる。
硬化性、接着性の観点から、イミダゾール系硬化促進剤とアミン系硬化促進剤が好ましく、イミダゾール系硬化促進剤がより好ましい。
本発明に使用する(D)成分はフッ素系分散剤である。フッ素系分散剤は特に限定されないが、好ましいフッ素系分散剤としては、例えば、パーフルオロアルキル基を含有するスルホン酸塩、パーフルオロアルキル基を含有するカルボン酸塩等のアニオン界面活性剤、パーフルオロアルキルアルキレンオキシド付加物、含フッ素基・親油性基含有オリゴマー、含フッ素基・親水性基含有オリゴマー、含フッ素基・親水性基・親油性基含有オリゴマー等のノニオン界面活性剤等のフッ素含有界面活性剤等が挙げられる。これらの含フッ素添加剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
配合されるフッ素添加剤は、液体であってもよいし、固体であってもよいが、接着剤製造時の作業性、ブリード防止をより高める観点から、25℃で液体であるものが好ましい。
好適なフッ素添加剤としては、25℃で液体の含フッ素基・親油基含有オリゴマーであるメガファックF−552、F−554、F−555,F−558、F−477(DIC社製)等が挙げられる。
フッ素系分散剤の配合量は、(A)成分であるエポキシ樹脂100質量部に対して、0.05〜2質量部の範囲が好ましく、より好ましくは0.1〜1.5質量部である。フッ素系分散剤が0.05質量部以上ではブリード防止効果があり、2質量部以下であれば接着強度は弱くならない。
本発明に使用する(E)成分の導電粉は、接着用樹脂組成物の硬化物に導電性を付与するために用いられるものであり、銅粉、銀粉、金粉、ニッケル粉、カーボン粉などが挙げられるが、導電性、作業性、信頼性などの点から銀粉が好ましい。
導電粉の形状としては、鱗片状、フレーク状、球状等いずれでもかまわない。
導電粉の粒径は要求される接着用樹脂組成物の粘度によって異なるが、平均粒径は通常1〜15μm、好ましくは1〜10μm、許容される最大粒径は50μm程度である。平均粒径が1μm以上であれば、樹脂組成物は適度な粘度を有し、15μm以下であれば樹脂組成物を塗布する際および硬化時において、樹脂組成物のブリードが抑制される。また、銀粉は比較的粗いものと細かいものを混合して用いることもでき、形状についても上記各種形状のものを適宜混合して用いてもよい。
導電粉の配合量は、(A)成分であるエポキシ樹脂100質量部に対して、1000〜1500質量部の範囲が好ましく、より好ましくは1200〜1400質量部である。
その具体例としては、例えば、n−ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、スチレンオキサイド、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、p−sec−ブチルフェニルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ジグリシジルエーテル、(ポリ)エチレングリコールグリシジルエーテル、ブタンジオールグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等が挙げられる。これらは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうち、フェニルグリシジルエーテル、t-ブチルフェニルグリシジルエーテルがより好ましい。
この反応性希釈剤の使用量は、本発明の導電性接着剤組成物の粘度(E型粘度計を用い3°コーンの条件で測定した値)が、5〜200Pa・sの範囲とすることが好ましく、その配合量は、(A)成分であるエポキシ樹脂100質量部に対して、100〜200質量部の範囲が好ましく、より好ましくは120〜160質量部である。
希釈剤としては溶剤や(メタ)アクリレート化合物を使用することができる。
溶剤としては例えば、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジオキサン、ヘキサン、メチルセロソルブ、シクロヘキサン、ブチルセロソルブ、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジアセトンアルコール、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどが挙げられる。
(メタ)アクリレート化合物としては例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,2−シクロヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,3−シクロヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,2−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、1,3−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
この希釈剤は、導電性樹脂組成物100質量部に対して、1〜20質量部添加し、導電性樹脂組成物の25℃における粘度を5〜200Pa・sの範囲とすることが好ましい。
エポキシ樹脂1:DIC社製「EXA−850CRP」(ビスフェノールA型、液状(170g/eq))
エポキシ樹脂2:DIC社製「EXA−830CRP」(ビスフェノールF型、液状(160g/eq))
エポキシ樹脂3:Huntsman社製「MY0600」(多官能、液状(100g/eq))
エポキシ樹脂4:三菱化学社製「N−655−EXP−S」(クレゾールノボラック型、固形(200g/eq))
硬化剤1:丸善石油化学社製「マルカリンカーM」(ポリパラビニルフェノール、固形(120g/eq))
硬化剤2:三菱化学社製「TD−2131」(フェノールノボラック、固形(104g/eq))
硬化促進剤:四国化成工業社製「C11Z−A」(イミダゾール)
銀粉1:徳力化学社製「TCG−7−6」(フレーク状銀粉、平均粒径 6.8μm)
銀粉2:徳力化学社製「F−201」(フレーク状銀粉、平均粒径 4.4μm)
分散剤1:DIC社製「F−477」(含フッ素基・親水性基・親油基含有オリゴマー)
分散剤2:DIC社製「F−558」(含フッ素基・親油基含有オリゴマー、MIBK30重量%溶液)
分散剤3:ビックケミー・ジャパン社製「BYK−310」(ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン)
分散剤4:ビックケミー・ジャパン社製「BYK−3441」(アクリルコポリマーの溶液)
反応性希釈剤:阪本薬品工業社製「SY−OCG」(オルソクレジルグリシジルエーテル)
表1に示す種類と量の各成分を混合し、3本ロールで混練して導電性樹脂組成物を調製し、樹脂組成物の粘度、チクソ性、ブリード発生距離を以下に示す方法で求めた。結果を表1に示す。
次に、該導電性樹脂組成物を用いて、半導体チップと基板とを接着硬化させ、その硬化物の接着強度及び体積抵抗率を以下に示す方法で求めた。結果を表1に示す。
1−1)粘度、チクソ性
東機産業社製のE型粘度計(3°コーン)を用いて、25℃、0,5rpmの条件で粘度(Pa・s)を測定した(粘度範囲が75〜135Pa・sであるものを合格とした)。さらに5rpmの粘度を測定し、0.5rpmでの粘度との比からチクソ性を求めた(合格値:4〜7)。
1−2)ブリード
樹脂組成物を銀メッキした銅フレーム上に塗布し、その上に1mm×1mmの半導体チップをマウントし、25℃、35%RT環境下で24H放置し、ブリード発生距離(mm)を測定した(合格値:0.2mm以下)。
2−1)接着強度
樹脂組成物を銀メッキした銅フレーム上に塗布し、その上に1mm×1mmの半導体チップをマウントし、150℃で2時間加熱硬化させ、沖エンジニアリング社製ダイシェア強度測定器により接着強度(N)を求めた(合格値:20N以上)。
2−2)体積抵抗率
樹脂組成物をガラス板上に硬化後の厚さ0.03mmになるように塗布硬化させた後、デジタルマルチメーターにより体積抵抗率(Ω・cm)を測定した(合格値:1×10−3以下)。
Claims (4)
- (A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)フッ素系分散剤、(E)導電粉を必須成分とする電子部品接着用導電性樹脂組成物。
- (B)硬化剤がフェノール樹脂である請求項1に記載の電子部品接着用導電性樹脂組成物。
- (D)フッ素系分散剤が、(A)エポキシ樹脂100質量部に対して0.1〜1.5質量部含まれる請求項1または2に記載の電子部品接着用導電性樹脂組成物。
- (A)フッ素系分散剤が、含フッ素基・親水性基・親油性基含有オリゴマーもしくは含フッ素基・親油基含有オリゴマーである請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子部品接着用導電性樹脂組成物。
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