JP2016078118A - パイプ内の溶湯混入の防止機能を有するコアピンおよびこれを用いた鋳造装置 - Google Patents

パイプ内の溶湯混入の防止機能を有するコアピンおよびこれを用いた鋳造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】パイプ内の溶湯混入の防止機能を有するコアピンおよびこれを用いた鋳造装置が開示される。
【解決手段】本発明のパイプ内の溶湯混入の防止機能を有するコアピンは、金型に挿入されたパイプの一端に接触して前記パイプの一端を密閉することを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、パイプ内の溶湯混入の防止機能を有するコアピンおよびこれを用いた鋳造装置に関し、より詳細には、ボールタイプのコアピンを用いてパイプ内の溶湯混入を防止するコアピンおよびこれを用いた鋳造装置に関する。
ダイキャスト装置は、金型に溶湯を注入し、これを固めて所望の形状の製品を鋳造する設備である。
ダイキャスト鋳造方式を用いるためには、所望の形状の製品に対応する金型が必要となるが、パイプが内蔵された鋳造品を得るためには金型にパイプを挿入、固定しなければならず、パイプ内に溶湯が浸入しないようにパイプにコアピンを挿入し、これを固定しなければならない。
以下、コアピンをパイプの内部に挿入して鋳造する過程について、添付の図面を参照して説明する。
図1に示すように、鋳造前のパイプPの一端でコアピンCの一端をパイプPの内部に挿入するが、鋳造の際に金型の温度が上昇するにつれてパイプPの内径が拡張して、パイプPの内周面とコアピンCの外周面との間に間隔Gが生じる。
間隔Gが生じると溶湯がパイプPの内部に混入するため、溶湯を冷却する際にパイプPの内部でバリ(burr)が発生し、これにより製品不良が生じる。
一方、図2に示すように、パイプPの内部に溶湯が混入することを防止するためにパイプPの先端を溶接ビードBで塞ぐこともあるが、溶接ビードBを用いる場合には、溶接工程および鋳造を行った後に溶接部位を切断しなければならないという不都合があり、図3に示すように、圧接した状態の先端をプレス加工する場合には、プレス加工後に圧接した先端を削除加工しなければならないという欠点がある。
一方、日本特開1997-253822号(1997年09月30日)、日本特開1992-123584号(1992年04月23日)には、パイプが内蔵された金型を用いて鋳造する方式が開示されているものの、このような先行技術によっても、上述の問題点を解決することはできなかった。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、パイプが内蔵された金型を用いて鋳造作業を進める場合、パイプを固定するとともにパイプの内部に溶湯が流入することを防止することは言うまでもなく、鋳造完了の際に別の後続工程が必要ないことを見出し、本発明を完成するに至った。
上述の背景技術として説明した事項は、本発明の背景に関する理解を高めるためのものであって、本技術分野における通常の知識を有する者に周知の従来技術に該当することを認めるものと受け入れられてはならない。
日本特開1997-253822号(1997年09月30日) 日本特開1992-123584号(1992年04月23日)
本発明は、このような従来の問題点を解決するために、ボールタイプのコアピンを用いてパイプ内の溶湯混入を防止するとともに、鋳造製品の生産後に別のバリ除去工程、取出後に先端削除加工工程を必要としないパイプ内の溶湯混入の防止機能を有するコアピンおよびこれを用いた鋳造装置を提供することを目的とする。
このような目的を達成するための本発明によるパイプ内の溶湯混入の防止機能を有するコアピンは、金型に挿入されたパイプの一端に接触して前記パイプの一端を密閉することを特徴とする。
前記パイプの一端に接触するボールと、該ボールに着脱自在に結合する固定ピンと、を含む。
前記ボールと前記固定ピンの一端とがねじ結合していることを特徴とする。
前記ボールの直径が、前記パイプの内径より大きいことを特徴とする。
前記金型には、アルミニウム溶湯またはマグネシウム溶湯から選択されるいずれか一つが注入され、前記ボールの材質が、炭素鋼またはステンレス鋼から選択されるいずれか一つであることを特徴とする。
前記ボールの直径と前記パイプの内径との関係が下記の数式を満たすことを特徴とする。
d×(5/3)≦D≦3d(d:パイプの内径、D:ボールの直径)
このような目的を達成するための本発明によるパイプ内の溶湯混入の防止機能を有するコアピンを用いた鋳造装置は、金型と、前記金型に挿入されるパイプと、前記金型に挿入された前記パイプの一端に接触して前記パイプの一端を密閉するコアピンと、を含む。
一端が固定された油圧シリンダをさらに含み、前記コアピンは、前記パイプの外径の一端部に選択的に接触して前記パイプを固定するように、前記油圧シリンダの他端に結合していることを特徴とする。
前記コアピンは、前記パイプの一端に接触するボールと、該ボールに着脱自在に結合する固定ピンと、を含む。
前記ボールと前記固定ピンの一端とがねじ結合していることを特徴とする。
前記ボールの直径が、前記パイプの内径より大きいことを特徴とする。
本発明は、上述の技術的構成により、以下のような様々な効果を奏することができるという利点がある。
第一に、パイプが熱膨張によって拡張しても溶湯混入が防止されることで、製品の収率が向上し、鋳造製品の品質が向上するという利点がある。
第二に、パイプの内径に応じて様々な大きさのボールを有するコアピンを使用できるという利点がある。
第三に、一つの金型に対して様々な大きさの内径を有するパイプインサートダイキャスト製品を成形できるという利点がある。
従来の一般的なコアピンを用いた鋳造方式を示す図である。 従来の溶接ビードを用いた鋳造方式を示す図である。 従来の圧接方式を用いた鋳造方式を示す図である。 本発明のパイプ内の溶湯混入の防止機能を有するコアピンを示す図である。 本発明のパイプ内の溶湯混入の防止機能を有するコアピンを用いた鋳造装置を示す図である。
以下、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施例によるパイプ内の溶湯混入の防止機能を有するコアピンおよびこれを用いた鋳造装置について説明する。
図4に示すように、本発明のパイプ内の溶湯混入の防止機能を有するコアピンは、金型に挿入されたパイプPの一端に接触して前記パイプPの一端を密閉することを特徴とする。
このようなパイプ内の溶湯混入の防止機能を有するコアピンは、ボール12と、該ボール12に着脱自在に結合する固定ピン14と、を含む。
ボール12は、パイプPの一端に密着することでパイプPの内径に溶湯が混入されることを防止する。
また、ボール12と固定ピン14は、互いに着脱自在に結合することから、ボール12が摩耗されるなどの取り替えの必要があるときにいつでも取り替えられることは言うまでもなく、パイプPの内径に応じて直径が異なるボールを取り替えて使用できることから、コアピンの大きさに応じて金型が修正されることを防止することができる。
ボール12と固定ピン14の着脱自在な構成は、設計者の選択に応じて多様に変形設計されることができ、一例として、ボール12にホールを形成し、ホールが形成された内周面にねじ溝を形成し、固定ピン14の外周面には前記ねじ溝に対応するねじ山を形成することで、ボール12と固定ピン14をねじ結合する方式が適用されてもよい。
一方、金型には、アルミニウム溶湯またはマグネシウム溶湯が注入されることができ、ボール12の材質は、機械構造用炭素鋼またはステンレス鋼が適用されることができる。
機械構造用炭素鋼は、C、Si、Mn、P、S、Feなどの組成物を含むことが好ましく、ステンレス鋼は、C、Si、Mn、P、S、Cr、Ni、Feなどの組成物を含むことが好ましいことから、炭素鋼はSTKM 11〜18、ステンレス鋼はSUS 304、316、416、440の材質を満たすように、上述の組成物の範囲を調節し、できるだけ耐久性を確保することが好ましい。
ボール12の直径は、パイプPの内径および設計者の意図に応じて多様に変形して適用されることができるが、本発明者らは、約2〜30mm範囲のボールを適用した。
本発明者らは、本発明の目的を達成するためのボール12の直径とパイプPの内径との関係を最適化するために様々な実験を行っているが、このような実験から導き出した最適化したボール12の直径とパイプPの内径との関係は、下記のとおりである。
d×(5/3)≦D≦3d(d:パイプの内径、D:ボールの直径)
ボール12の直径がパイプPの内径の5/3に及ばない場合、熱膨張によって拡張するパイプPの内径を完全に密閉することができず、パイプPの内部に溶湯が混入することを防止することができないため、パイプPの内側に依然としてバリが生じることを確認し、ボール12の直径がパイプPの内径の3倍を超える場合には、ボール12を製造する際にかかる費用に比べ、それ以上の効果があまりないことを確認することができた。
したがって、ボール12の直径とパイプPの内径との関係は、上述の範囲で調節されることが好ましい。
一方、図5に示すように、本発明のパイプ内の溶湯混入の防止機能を有するコアピンを用いた鋳造装置は、金型30と、金型30に挿入されるパイプPと、金型30に挿入されたパイプPの一端に接触してパイプPの一端を密閉するコアピン10と、を含む。
コアピン10は、上述の「溶湯混入の防止機能を有するコアピン」とほぼ同様であるため、これに関する詳細な説明は上述したもので代替する。
金型30は、最終の鋳造製品の形状に応じて多様に設計され、このような金型30の内部にはパイプPが内蔵される。
パイプPは、金型30に内蔵されて固定された状態を維持しなければならないが、パイプPを固定するために、本発明は、油圧シリンダ20と、コアピン10と、を含むことが好ましい。
油圧シリンダ20の一端は金型30に固定される。
油圧シリンダ20を固定するために、別の構造物を金型30の周辺に設置してもよい。
油圧シリンダ20の他端にはコアピン10の固定ピン14が結合する。
油圧シリンダ20の長さが伸張、縮小するに伴い、固定ピン14の先端に結合したボール12が、パイプPを選択的に塞ぐとともにパイプPを固定、固定解除することになる。
一方、コアピン10を油圧シリンダ20に結合することなく、別のクランピング部材(図示せず)を油圧シリンダ20に結合した後、クランピング部材を用いてコアピン10の先端を選択的にクランピングすることもできるため、これは、設計者の意図に応じて多様に変形して適用されることができる。
パイプPをより堅固に固定するために、パイプPにはガイドピン40が溶接されてもよく、このようなガイドピン40は、パイプPを金型30内に移動させる作業を行う際、移送ロボットがパイプPを容易にクランピングできるようにパイプPの外周面に突出して形成されるため、金型30を組み合わせる際には、固定側または移動側の金型30に固定されることでパイプPをより堅固に固定する機能を果たす。
本発明は、特定の実施例に関して図示して説明しているが、以下の特許請求の範囲により提供される本発明の技術的思想から逸脱しない限度内で、本発明が多様に改良および変化されることができるということは、当業界における通常の知識を有する者にとって自明であろう。
P パイプ
10 コアピン
12 ボール
14 固定ピン
20 油圧シリンダ
30 金型
40 ガイドピン

Claims (11)

  1. 金型に挿入されたパイプの一端に接触して前記パイプの一端を密閉することを特徴とする、パイプ内の溶湯混入の防止機能を有するコアピン。
  2. 前記パイプの一端に接触するボールと、
    該ボールに着脱自在に結合する固定ピンと、を含む、請求項1に記載のパイプ内の溶湯混入の防止機能を有するコアピン。
  3. 前記ボールと前記固定ピンの一端とがねじ結合していることを特徴とする、請求項2に記載のパイプ内の溶湯混入の防止機能を有するコアピン。
  4. 前記ボールの直径が、前記パイプの内径より大きいことを特徴とする、請求項2に記載のパイプ内の溶湯混入の防止機能を有するコアピン。
  5. 前記金型には、アルミニウム溶湯またはマグネシウム溶湯から選択されるいずれか一つが注入され、
    前記ボールの材質が、炭素鋼またはステンレス鋼から選択されるいずれか一つであることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載のパイプ内の溶湯混入の防止機能を有するコアピン。
  6. 前記ボールの直径と前記パイプの内径との関係が下記の数式を満たすことを特徴とする、請求項5に記載のパイプ内の溶湯混入の防止機能を有するコアピン。
    d×(5/3)≦D≦3d(d:パイプの内径、D:ボールの直径)
  7. 金型と、
    前記金型に挿入されるパイプと、
    前記金型に挿入された前記パイプの一端に接触して前記パイプの一端を密閉するコアピンと、を含む、パイプ内の溶湯混入の防止機能を有するコアピンを用いた鋳造装置。
  8. 一端が固定された油圧シリンダをさらに含み、
    前記コアピンは、前記パイプの外径の一端部に選択的に接触して前記パイプを固定するように、前記油圧シリンダの他端に結合していることを特徴とする、請求項7に記載のパイプ内の溶湯混入の防止機能を有するコアピンを用いた鋳造装置。
  9. 前記コアピンは、
    前記パイプの一端に接触するボールと、
    該ボールに着脱自在に結合する固定ピンと、を含む、請求項7に記載のパイプ内の溶湯混入の防止機能を有するコアピンを用いた鋳造装置。
  10. 前記ボールと前記固定ピンの一端とがねじ結合していることを特徴とする、請求項9に記載のパイプ内の溶湯混入の防止機能を有するコアピンを用いた鋳造装置。
  11. 前記ボールの直径が、前記パイプの内径より大きいことを特徴とする、請求項9に記載のパイプ内の溶湯混入の防止機能を有するコアピンを用いた鋳造装置。
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