JP2016075454A - グロープラグ - Google Patents

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Abstract

【課題】グロープラグにおいて、ヒータ部の変位に基づいて検出される圧力の測定誤差を抑制する。
【解決手段】グロープラグは、軸線方向の先端側から後端側へと延びた棒状を成し、通電によって発熱するヒータ部と;導電性を有し、ヒータ部から後端側へと延び、ヒータ部と導通可能に連結された中軸と;導電性を有し、中軸より後端側に位置し、ヒータ部に対する給電を受ける給電端子と;導電性を有し、ヒータ部および中軸が給電端子に対して相対的に軸線方向に沿って移動可能に弾性変形し、中軸と給電端子との間を導通可能に連結するばね部材と;ばね部材を収容する領域を先端側から後端側にわたって画定する壁面と;電気絶縁性と、ばね部材より低い弾性とを有し、壁面に接触した状態でばね部材の少なくとも一部を覆う弾性部とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、グロープラグに関する。
グロープラグとしては、軸線方向に延びた棒状を成すヒータ部を備え、軸線方向におけるヒータ部の変位に基づいて燃焼室内の圧力を検出可能に構成されたグロープラグが知られている。グロープラグのヒータ部は、ヒータ部と導通可能に連結された中軸を通じて、電力の供給を受ける。
軸線方向に直交する径方向に中軸が変位することによって、中軸が振動した場合には、中軸の振動が圧力検出部に伝播し、また、中軸が他の部材に接触した場合には、軸線方向におけるヒータ部の変位が阻害される。そのため、径方向における中軸の変位は、ヒータ部の変位に基づいて検出される圧力の測定誤差を増大させる要因となる。特許文献1には、径方向における中軸の変位を抑制するために、Oリングを介して中軸を保持するグロープラグが記載されている。
米国特許出願公報第2005/0061063号明細書
特許文献1のグロープラグでは、中軸およびOリングなどの各部材における寸法誤差に起因して、軸線方向における中軸の変位が阻害されやすいという課題があった。軸線方向における中軸の変位が阻害される場合、軸線方向におけるヒータ部の変位も阻害されるため、ヒータ部の変位に基づいて検出される圧力の測定誤差が増大する。また、中軸およびOリングなどの各部材における寸法誤差により、中軸の保持が不十分である場合、中軸の振動によって圧力の測定誤差が増大する。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、グロープラグが提供される。この形態のグロープラグは、軸線方向の先端側から後端側へと延びた棒状を成し、通電によって発熱するヒータ部と;導電性を有し、前記ヒータ部から前記後端側へと延び、前記ヒータ部と導通可能に連結された中軸と;導電性を有し、前記中軸より前記後端側に位置し、前記ヒータ部に対する給電を受ける給電端子と;導電性を有し、前記ヒータ部および前記中軸が前記給電端子に対して相対的に前記軸線方向に沿って移動可能に弾性変形し、前記中軸と前記給電端子との間を導通可能に連結するばね部材と;前記ばね部材を収容する領域を前記先端側から前記後端側にわたって画定する壁面とを備え、電気絶縁性と、前記ばね部材より低い弾性とを有し、前記壁面に接触した状態で前記ばね部材の少なくとも一部を覆う弾性部を、更に備える。この形態によれば、軸線方向における中軸の変位をばね部材によって許容しつつ、軸線方向に直交する径方向への中軸の変位を、ばね部材を介して弾性部によって抑制できる。したがって、ヒータ部の変位に基づいて検出される圧力の測定誤差を抑制できる。
(2)上記形態のグロープラグにおいて、前記ばね部材は、前記中軸に溶接された溶接部を有し、前記弾性部は、前記ばね部材のうち少なくとも前記溶接部と前記壁面との間に充填されていてもよい。この形態によれば、軸線方向に直交する径方向への中軸の変位を、弾性部によって直接的に抑制できるため、軸線方向に直交する径方向への中軸の変位をいっそう抑制できる。
(3)上記形態のグロープラグにおいて、前記弾性部は、ペースト状であってもよい。この形態によれば、弾性部を容易に実現できる。
(4)上記形態のグロープラグにおいて、前記弾性部は、ゴム弾性を有する固体であってもよい。この形態によれば、弾性部を容易に実現できる。
本発明は、グロープラグ以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、グロープラグの部品、グロープラグを製造する製造方法などの形態で実現することができる。
グロープラグを示す断面図である。 グロープラグの先端側を部分的に拡大して示す断面図である。 グロープラグの後端側を部分的に拡大して示す断面図である。 第2実施形態におけるグロープラグの後端側を部分的に拡大して示す断面図である。 第3実施形態におけるグロープラグの後端側を部分的に拡大して示す断面図である。
A.第1実施形態
図1は、グロープラグ10を示す断面図である。本実施形態の説明では、グロープラグ10における図1の紙面下側を「先端側」といい、図1の紙面上側を「後端側」という。図2は、グロープラグ10の先端側を部分的に拡大して示す断面図である。図3は、グロープラグ10の後端側を部分的に拡大して示す断面図である。
図1には、XYZ軸が図示されている。図1のXYZ軸は、互いに直交する3つの空間軸として、X軸、Y軸およびZ軸を有する。本実施形態では、X軸は、グロープラグ10の軸心SCに直交し、かつ、紙面の表裏方向に沿った軸である。+X軸方向は、紙面の裏側に向かう方向であり、−X軸方向は、紙面の表側に向かう方向である。Y軸は、グロープラグ10の軸心SCに直交し、かつ、紙面の左右方向に沿った軸である。+Y軸方向は、紙面の左側に向かう方向であり、−Y軸方向は、紙面の右側に向かう方向である。Z軸は、グロープラグ10の軸心SCに沿った軸である。+Z軸方向は、後端側に向かう方向であり、−Z軸方向は、先端側に向かう方向である。図1のXYZ軸は、他の図におけるXYZ軸に対応する。
グロープラグ10は、通電によって発熱するヒータ部100を備え、ディーゼルエンジンを始めとする内燃機関(図示しない)の始動時における着火を補助する熱源として機能する。グロープラグ10は、更に、ヒータ部100にかかる圧力を検出する圧力センサ360を備え、内燃機関(図示しない)における燃焼室内の圧力を検出可能に構成されている。
グロープラグ10は、ヒータ部100および圧力センサ360の他、外筒210と、リング260と、中軸280と、弾性部材310と、スリーブ320と、ダイアフラム340と、支持部材380と、フロントキャップ400と、ハウジング500と、保護筒610と、コネクタ部材620と、ばね部材630と、給電端子640と、弾性部650とを備える。
グロープラグ10の保護筒610は、導電性を有する金属体である。本実施形態では、保護筒610の材質は、ステンレス鋼(例えば、SUS410、SUS630、SUS303、SUS430など)である。保護筒610は、軸心SCを中心に延びた円筒状を成す。保護筒610は、ハウジング500の後端部に接合されている。保護筒610の内側には、コネクタ部材620を介して給電端子640が保持されている。
グロープラグ10のコネクタ部材620は、電気絶縁性を有する部材である。本実施形態では、コネクタ部材620の材質は、絶縁樹脂である。コネクタ部材620は、円筒状を成す。コネクタ部材620の内側には、給電端子640が固定されている。本実施形態では、コネクタ部材620の内側には、ばね部材630が収容されている。図3に示すように、コネクタ部材620は、ばね部材630を収容する領域を先端側から後端側にわたって画定する壁面623を有する。本実施形態では、壁面623は、ばね部材630の先端側から後端側にわたって円柱状の領域を画定する。本実施形態では、壁面623は、ばね部材630の先端側から後端側にわたる領域の全域を画定する。他の実施形態では、壁面623は、ばね部材630を収容する領域の少なくとも一部を画定してもよい。
グロープラグ10のばね部材630は、導電性を有する金属体である。本実施形態では、ばね部材630は、リン青銅(例えば、C5210など)である。ばね部材630は、ヒータ部100および中軸280が給電端子640に対して相対的に軸線方向(Z軸方向)に沿って移動可能に弾性変形する。このように、ばね部材630は、ヒータ部100の変位に伴う中軸280の変位を吸収する。本実施形態では、ばね部材630は、湾曲した板ばねである。ばね部材630は、中軸280と給電端子640との間を導通可能に連結する。本実施形態では、ばね部材630は、図3に示すように、溶接部632と、溶接部638とを有する。ばね部材630の溶接部632は、ばね部材630の先端側に位置し、中軸280の後端側に溶接された部位である。ばね部材630の溶接部638は、ばね部材630の後端側に位置し、給電端子640の先端側に溶接された部位である。
グロープラグ10の給電端子640は、導電性を有する金属体である。本実施形態では、給電端子640の材質は、真鍮(例えば、C3604BDなど)である。給電端子640は、中軸280より後端側に位置する。給電端子640は、グロープラグ10の外部からヒータ部100に対する給電を受ける。給電端子640に入力される電力は、ばね部材630、中軸280およびリング260を介してヒータ部100の端子部148に供給される。
グロープラグ10の弾性部650は、壁面623に接触した状態で、ばね部材630の少なくとも一部を覆う部材である。本実施形態では、弾性部650は、溶接部632より先端側から、溶接部638の後端側にわたって、ばね部材630の全域を覆う部材である。本実施形態では、弾性部650は、ばね部材630と壁面623との間の全域に充填されている。
弾性部650は、電気絶縁性を有するとともに、ばね部材630より低い弾性を有する。弾性部650の弾性率は、ばね部材630の弾性率より低い。本実施形態では、弾性部650は、グロープラグ10の使用中に流動しない粘性を有するペースト状のシリコーンゴムである。他の実施形態では、弾性部650は、グロープラグ10の使用中に流動しない粘性を有する液状のシリコーンゴムであってもよい。他の実施形態では、弾性部650は、グロープラグ10の使用中に流動しない粘性を有するゲル状のシリコーンゲルであってもよい。
グロープラグ10のヒータ部100は、Z軸方向(軸線方向)の先端側から後端側へと延びた棒状を成す発熱素子である。本実施形態では、ヒータ部100は、セラミック組成物から成るセラミックヒータである。ヒータ部100は、基体120と、抵抗発熱体140とを備える。
ヒータ部100の基体120は、電気絶縁性を有する絶縁性セラミック材料から成る絶縁性セラミックスである。本実施形態では、基体120の主成分は、窒化ケイ素(Si)である。基体120は、抵抗発熱体140を内包する。基体120は、グロープラグ10の外部から抵抗発熱体140を電気的に絶縁するとともに、抵抗発熱体140の熱をグロープラグ10の外部へと伝達する。
ヒータ部100の抵抗発熱体140は、導電性を有する材料から成る。本実施形態では、抵抗発熱体140の主成分は、炭化タングステン(WC)と窒化ケイ素(Si)との混合物である。抵抗発熱体140は、基体120に埋め込まれている。抵抗発熱体140は、通電によって発熱する。抵抗発熱体140は、先端側で折り返した線状を成す。
抵抗発熱体140は、折返部141と、線状部142と、線状部144と、端子部146と、端子部148とを有する。抵抗発熱体140の折返部141は、抵抗発熱体140の先端側に位置し、円弧状に折り返した線状を成す。折返部141は、線状部142と線状部144との間を接続する。抵抗発熱体140の線状部142は、折返部141の+Y軸方向側から後端側へ延びた線状を成す。抵抗発熱体140の線状部144は、折返部141の−Y軸方向側から後端側へ延びた線状を成す。抵抗発熱体140の端子部146は、線状部142から突出し、基体120の表面に露出している。抵抗発熱体140の端子部148は、線状部144から突出し、基体120の表面に露出している。
グロープラグ10の外筒210は、導電性を有する金属体である。本実施形態では、外筒210の材質は、ステンレス鋼(例えば、SUS410、SUS630、SUS303、SUS430など)である。外筒210は、軸心SCを中心に延びた円筒状を成す。外筒210には、先端側および後端側にヒータ部100を突出させた状態で、圧入によってヒータ部100が嵌め込まれている。外筒210は、ヒータ部100における端子部146よりも先端側の位置から、端子部146と端子部148との間に至る範囲にわたって配置されている。これによって、外筒210は、端子部146に対する導通経路を構成する。
グロープラグ10のリング260は、導電性を有する金属体である。本実施形態では、リング260の材質は、ステンレス鋼(例えば、SUS410、SUS630、SUS303、SUS430など)である。リング260は、軸心SCを中心に延びた円筒状を成す。リング260の先端側には、圧入によってヒータ部100の後端側が嵌め込まれている。リング260の後端側には、圧入によって中軸280の先端側が嵌め込まれている。リング260は、ヒータ部100の端子部148からリング260にわたって配置されている。これによって、リング260は、端子部148に対する導通経路を構成する。リング260は、ヒータ部100と中軸280との間を機械的に接続するとともに、ヒータ部100の端子部148と中軸280との間を電気的に接続する。
グロープラグ10の中軸280は、導電性を有する金属体である。本実施形態では、中軸280の材質は、ステンレス鋼(例えば、SUS430、SUS410、SUS630、SUS303など)である。中軸280は、ヒータ部100から後端側へと延び、ヒータ部100と導通可能に連結されている。本実施形態では、中軸280は、軸心SCを中心に延びた円柱状を成し、リング260を介してヒータ部100に連結されている。中軸280は、グロープラグ10の外部から給電端子640に供給される電力をヒータ部100の端子部148へと中継する。
グロープラグ10の弾性部材310は、金属製の薄板を成形した筒状の金属体である。本実施形態では、弾性部材310の材質は、ステンレス鋼(例えば、SUS316など)である。他の実施形態では、弾性部材310の材質は、ニッケル合金(例えば、インコネル718、インコネル600、インコロイ909(「INCONEL」、「INCOLOY」は登録商標))であってもよい。弾性部材310は、スリーブ320より先端側で外筒210に接合されるとともに、外筒210とハウジング500との間を接続する。本実施形態では、弾性部材310は、支持部材380を介してハウジング500に接合されている。弾性部材310は、軸心SCに沿った軸線方向にヒータ部100が変位可能に弾性変形する。
グロープラグ10のスリーブ320は、導電性を有する金属体である。本実施形態では、スリーブ320の材質は、ステンレス鋼(例えば、SUS410、SUS630、SUS303、SUS430など)である。スリーブ320は、軸心SCを中心に延びた円筒状を成す。スリーブ320は、外筒210に接合され、ヒータ部100よりも後端側へと延びている。スリーブ320は、ヒータ部100の変位をダイアフラム340へと伝達する。
スリーブ320は、接合部322と、筒状部324とを有する。スリーブ320の接合部322は、外筒210に接合された部位である。本実施形態では、接合部322は、溶接によって外筒210に接合されている。他の実施形態では、接合部322は、圧入によって外筒210に接合されていてもよい。スリーブ320の筒状部324は、外筒210の外径より大きな内径を有し、外筒210を包囲する部位である。本実施形態では、筒状部324は、外筒210に対向する全域にわたって外筒210との間に間隙を形成する。スリーブ320の後端側は、ダイアフラム340に接合されている。
グロープラグ10のダイアフラム340は、導電性を有する金属体である。本実施形態では、ダイアフラム340の材質は、ステンレス鋼(例えば、SUS410、SUS630、SUS303、SUS430など)である。ダイアフラム340は、軸心SCを中心とする円環状を成す。ダイアフラム340の内周側には、スリーブ320が接合されている。ダイアフラム340の外周側には、支持部材380が接合されている。ダイアフラム340は、スリーブ320を介して伝達されるヒータ部100の変位に応じて変形する。
グロープラグ10の圧力センサ360は、ダイアフラム340に接合されており、スリーブ320によってダイアフラム340に伝達されるヒータ部100の変位を電気信号に変換する。圧力センサ360による電気信号は、ヒータ部100にかかる圧力、すなわち、内燃機関(図示しない)における燃焼室内の圧力を示す。本実施形態では、圧力センサ360は、ピエゾ抵抗素子である。
グロープラグ10の支持部材380は、導電性を有する金属体である。本実施形態では、支持部材380の材質は、ステンレス鋼(例えば、SUS410、SUS630、SUS303、SUS430など)である。支持部材380は、軸心SCを中心に延びた円筒状を成す。支持部材380の後端側は、ダイアフラム340に接合されている。支持部材380の先端部382は、支持部材380の先端側の部位を構成し、ハウジング500に接合されている。本実施形態では、先端部382は、溶接によってハウジング500に接合されている。本実施形態では、先端部382は、ハウジング500に接合されるとともに、弾性部材310およびフロントキャップ400とも接合されている。
グロープラグ10のフロントキャップ400は、導電性を有する筒状の金属体である。本実施形態では、フロントキャップ400の材質は、ステンレス鋼(例えば、SUS410、SUS630、SUS303、SUS430など)である。フロントキャップ400は、支持部材380の先端部382を介してハウジング500の先端部に接合されている。フロントキャップ400は、内部に弾性部材310を収容する。
グロープラグ10のハウジング500は、導電性を有する金属体である。本実施形態では、ハウジング500の材質は、炭素鋼である。他の実施形態では、ハウジング500の材質は、ステンレス鋼(例えば、SUS303など)であってもよい。ハウジング500は、先端側にヒータ部100を突出させた状態で、ヒータ部100の一部と、外筒210の少なくとも一部と、およびスリーブ320の少なくとも一部とを収容する。
ハウジング500は、軸孔510と、工具係合部520と、ネジ部540とを備える。軸孔510は、軸心SCを中心に延びた貫通孔である。軸孔510の内側には、中軸280が軸心SC上に位置決めされる。工具係合部520は、内燃機関(図示しない)に対するグロープラグ10の取り付けおよび取り外しに用いられる工具(図示しない)に係合可能に構成されている。グロープラグ10は、ネジ部540が内燃機関(図示しない)に形成された雌ネジに螺合することによって、内燃機関(図示しない)に対して固定可能に構成されている。なお、工具係合部520は、ハウジング500ではなく、保護筒610の後端側に設けられていてもよい。
以上説明した第1実施形態によれば、弾性部650がばね部材630よりも低い弾性を有するため、軸線方向(Z軸方向)における中軸280の変位を阻害することなくばね部材630によって許容しつつ、軸線方向に直交する径方向(X軸方向およびY軸方向)への中軸280の変位を、ばね部材630を介して弾性部650によって抑制できる。したがって、ヒータ部100の変位に基づいて検出される圧力の測定誤差を抑制できる。
また、弾性部650は、ばね部材630の溶接部632と壁面623との間に充填されている。これによって、軸線方向に直交する径方向への中軸280の変位を、弾性部650によって直接的に抑制できる。そのため、軸線方向に直交する径方向への中軸280の変位をいっそう抑制できる。
また、弾性部650がペースト状であるため、径方向への中軸280の変位を抑制する弾性部650を容易に実現できる。
B.第2実施形態
図4は、第2実施形態におけるグロープラグ10Bの後端側を部分的に拡大して示す断面図である。第2実施形態のグロープラグ10Bは、弾性部650に代えて弾性部650Bを備える点を除き、第1実施形態のグロープラグ10と同様である。第2実施形態の弾性部650Bは、溶接部632から、溶接部638より先端側にわたって、ばね部材630の一部を覆う点を除き、第1実施形態の弾性部650と同様である。第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、軸線方向に直交する径方向への中軸280の変位を弾性部650Bによって抑制できる。したがって、ヒータ部100の変位に基づいて検出される圧力の測定誤差を抑制できる。
C.第3実施形態
図5は、第3実施形態におけるグロープラグ10Cの後端側を部分的に拡大して示す断面図である。第3実施形態のグロープラグ10Cは、弾性部650に代えて弾性部650Cを備える点を除き、第1実施形態のグロープラグ10と同様である。第3実施形態の弾性部650Cは、溶接部632より後端側から、溶接部638より先端側にわたって、ばね部材630の一部を覆う点を除き、第1実施形態の弾性部650と同様である。第3実施形態によれば、第1実施形態と同様に、軸線方向に直交する径方向への中軸280の変位を、ばね部材630を介して弾性部650Cによって抑制できる。したがって、ヒータ部100の変位に基づいて検出される圧力の測定誤差を抑制できる。
D.他の実施形態
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
ヒータ部100は、セラミック組成物から成るセラミックヒータに限らず、発熱体をシースチューブの内側に設けたシースヒータであってもよい。
ばね部材630は、湾曲した板ばねに限らず、コイルばねであってもよい。また、ばね部材630の材質は、リン青銅に限らず、ステンレス鋼(例えば、SUS304など)およびニッケル(Ni)など他の材質であってもよい。また、給電端子640の材質は、真鍮に限らず、ステンレス鋼(例えば、SUS410、SUS630、SUS303、SUS430など)および快削鋼(例えば、SUM24L)など他の材質であってもよい。
ばね部材630を収容する領域を画定する壁面は、コネクタ部材620の壁面623に限らず、他の部材に形成された壁面であってもよい。
弾性部650は、ゴム弾性を有する固体(例えば、シリコン樹脂、変性シリコン樹脂、フッ素樹脂など)であってもよい。
10,10B,10C…グロープラグ
100…ヒータ部
120…基体
140…抵抗発熱体
141…折返部
142,144…線状部
146,148…端子部
210…外筒
260…リング
280…中軸
310…弾性部材
320…スリーブ
322…接合部
324…筒状部
340…ダイアフラム
360…圧力センサ
380…支持部材
382…先端部
400…フロントキャップ
500…ハウジング
510…軸孔
520…工具係合部
540…ネジ部
610…保護筒
620…コネクタ部材
623…壁面
630…ばね部材
632,638…溶接部
640…給電端子
650,650B,650C…弾性部
SC…軸心

Claims (4)

  1. 軸線方向の先端側から後端側へと延びた棒状を成し、通電によって発熱するヒータ部と、
    導電性を有し、前記ヒータ部から前記後端側へと延び、前記ヒータ部と導通可能に連結された中軸と、
    導電性を有し、前記中軸より前記後端側に位置し、前記ヒータ部に対する給電を受ける給電端子と、
    導電性を有し、前記ヒータ部および前記中軸が前記給電端子に対して相対的に前記軸線方向に沿って移動可能に弾性変形し、前記中軸と前記給電端子との間を導通可能に連結するばね部材と、
    前記ばね部材を収容する領域を前記先端側から前記後端側にわたって画定する壁面と
    を備えるグロープラグであって、
    電気絶縁性と、前記ばね部材より低い弾性とを有し、前記壁面に接触した状態で前記ばね部材の少なくとも一部を覆う弾性部を、更に備えることを特徴とするグロープラグ。
  2. 請求項1に記載のグロープラグであって、
    前記ばね部材は、前記中軸に溶接された溶接部を有し、
    前記弾性部は、前記ばね部材のうち少なくとも前記溶接部と前記壁面との間に充填されている、グロープラグ。
  3. 前記弾性部は、ペースト状である、請求項1または請求項2に記載のグロープラグ。
  4. 前記弾性部は、ゴム弾性を有する固体である、請求項1または請求項2に記載のグロープラグ。
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