JP6192346B2 - グロープラグ - Google Patents

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Description

本発明は、グロープラグに関するものである。
ディーゼルエンジン等の圧縮着火方式の内燃機関では、始動時の補助熱源としてグロープラグが使用される。従来、グロープラグの構造としては種々のものが提案されている。そのようなグロープラグの一つとして、グロープラグが取り付けられる内燃機関の燃焼室内の燃焼圧を検出可能な圧力センサを内蔵する圧力センサ付きグロープラグが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−139147号公報
圧力センサ付きグロープラグは、一般に、ヒータ素子と共に連結部材(膜状の弾性部材あるいはベローズ等)を備え、グロープラグ内でヒータ素子が軸線方向に移動可能となるように、上記連結部材によってヒータ素子とハウジング(外筒)との間を接続している。このように、ヒータ素子とハウジングとの間は、直接に接するのではなく、断面積が小さい薄型の連結部材を介して接続されているため、ヒータ素子からハウジングへの熱伝達効率が低い。その結果、ヒータ素子からハウジングを介して例えばエンジンブロック側へと熱を伝えることが困難であるため、ヒータ素子の放熱効率が抑えられ、ヒータ素子が過熱状態となりやすい。
グロープラグとしては、例えば、ヒータ素子の外側に金属部材を配置してヒータ素子と接触させることにより、ヒータ素子が備える導電部と上記金属部材とを電気的に接続して、ヒータ素子への電力供給の経路を形成する構成が知られている。このようなグロープラグでは、上記のようにヒータ素子が過熱状態になると、例えば、ヒータ素子と接触しておりヒータ素子よりも熱膨張率が大きい上記金属部材が熱膨張することにより、ヒータ素子の導電部の接続端子と、この接続端子に接触する上記金属部材との間の接触が不十分になり、導通状態が低下する可能性がある。また、ヒータ素子が過熱状態になると、ヒータ素子よりも熱膨張率が大きい上記金属部材が熱膨張することにより、上記金属部材とヒータ素子の間に酸素が流入し易くなる。その結果、ヒータ素子の導電部の接続端子の経時的な酸化が進行し易くなって、接続端子と、この接続端子に接触する上記金属部材との間の導通状態が不十分になる可能性がある。
上記した特許文献1に記載のグロープラグでは、ヒータ素子の後端に近接する位置に圧力センサが配置されているが、圧力センサ付きグロープラグでは、圧力センサの配置や圧力センサへの圧力の伝達方式などを含む全体構成において種々の改良が試みられている。しかしながら、圧力センサ付きグロープラグは、ヒータ素子の軸線方向への移動を許容しつつヒータ素子とハウジングとを接続する連結部材を用いる点では共通している。そのため、ヒータ素子の過熱を抑制可能な圧力センサ付きグロープラグが望まれていた。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、軸線方向に延びて先端部が燃焼室で露出する棒状のヒータ素子と、導電性材料により形成され、前記ヒータ素子よりも後端側に配置されて前記ヒータ素子に電力を供給する中軸と、グロープラグの外壁を構成し、自身の軸孔に前記ヒータ素子の一部および前記中軸の一部を収容するハウジングと、前記ヒータ素子が前記ハウジング内で前記軸線方向に変位することを許容しつつ、単独でまたは他の部材と共に前記ヒータ素子と前記ハウジングとを連結する連結部材と、前記ハウジングに対する前記ヒータ素子の前記軸線方向の変位から、前記燃焼室の燃焼圧を検知する圧力検出素子と、を備えるグロープラグが提供される。このグロープラグは、前記ヒータ素子と前記中軸とを電気的に接続させるリングと、前記リング内において前記ヒータ素子の後端部と前記中軸の先端部の間に配置され、前記ヒータ素子の後端部と前記中軸の先端部とに接し、空気よりも熱伝導率が大きい伝熱部と、を備える。
この形態のグロープラグによれば、ヒータ素子の後端部と中軸の先端部との間に伝熱部を配置しているため、伝熱部を経由してヒータ素子の熱を中軸へと伝えることができる。そのため、ヒータ素子が過熱状態になることを抑制できる。
(2)上記形態のグロープラグにおいて、前記伝熱部の熱伝導率が、前記中軸の熱伝導率よりも小さいこととしてもよい。
この形態のグロープラグによれば、伝熱部および中軸を経由するヒータ素子からの放熱の効率をさらに向上させることができる。
(3)上記形態のグロープラグにおいて、前記ヒータ素子は、絶縁部と、該絶縁部内に形成されて通電することによる発熱する導電部とを備え、前記導電部は、前記ヒータ素子の前記後端部の側面で露出して、前記リングの内壁面と接する第1の電位側の接続端子と、前記第1の電位側の接続端子よりも低電位である第2の電位側の接続端子と、前記ヒータ素子の後端部における前記中軸と対向する領域で露出する第2の電位側の端部と、を備え、前記伝熱部を設けることにより、前記導電部の前記第2の電位側の端部が前記中軸と電気絶縁されていることとしてもよい。
この形態のグロープラグによれば、伝熱部を設けることにより、ヒータ素子からの放熱効率の向上と共に第2の電位側の端部と中軸との間の絶縁性を確保することができる。そのため、後端部で第2の電位側の端部が露出するヒータ素子を用いる場合であっても、第2の電位側の端部と中軸との間の絶縁性を確保するための構造を別途設ける必要が無く、グロープラグの構造の複雑化を抑制できる。
(4)上記形態のグロープラグにおいて、前記伝熱部は、少なくとも前記導電部の前記第2の電位側の端部を覆う電気絶縁部を備えることとしてもよい。
この形態のグロープラグによれば、伝熱部が備える電気絶縁部によって、導電部の第2の電位側の端部と中軸との間の絶縁性を確保することができる。
本発明は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、グロープラグの製造方法、あるいは、グロープラグにおけるヒータ素子の放熱方法などの形態で実現することが可能である。
グロープラグの概略構成を表わす断面模式図である。 図1における領域Xの拡大断面図である。 伝熱部を含む領域の拡大断面図である。 グロープラグの概略構成を表わす断面模式図である。 グロープラグの概略構成を表わす断面模式図である。 グロープラグの概略構成を表わす断面模式図である。 伝熱部の構成を表わす平面図である。 グロープラグの概略構成を表わす断面模式図である。 グロープラグの概略構成を表わす断面模式図である。 グロープラグの変形例を表わす断面模式図である。 グロープラグの変形例を表わす断面模式図である。
A.第1の実施形態:
図1は、本発明の第1の実施形態としてのグロープラグ10の概略構成を表わす断面模式図である。また、図2は、図1において領域Xとして示した部分の拡大断面図である。本実施形態のグロープラグ10は、ディーゼルエンジン等の内燃機関に取り付けられて、内燃機関の始動時における点火を補助する熱源として機能する。グロープラグ10は、ディーゼル微粒子捕集フィルター(DPF)の再活性バーナーシステムの熱源として用いることもできる。図1に示すように、グロープラグ10は、主な構成要素として、ハウジング20と、ヒータ素子40と、中軸50と、リング60と、伝熱部65と、を備えている。また、グロープラグ10は、内燃機関のシリンダ内の圧力(燃焼圧)を検出する圧力センサとしての機能をさらに有している。グロープラグ10は、圧力センサとしての機能を実現するための主な構成要素として、連結部材70と、伝達スリーブ32と、ダイヤフラム33と、圧力検出素子35と、センサ固定部材34と、を備えている。以下では、図2に基づいて各部について説明する。なお、本明細書では、図1におけるグロープラグ10の軸線O方向の下方側をグロープラグ10の「先端側」と呼び、上方側を「後端側」と呼ぶ。
ハウジング20は、導電性材料(例えば、炭素鋼やステンレス鋼などの金属材料)によって形成されており、主体金具22とキャップ部24とを備える。主体金具22は、軸線Oに沿って延びる略円筒状の部材である。主体金具22の内部には、軸線Oに沿って主体金具22を貫通する軸孔21が形成されている。また、主体金具22は、その後端側の外表面に、内燃機関のシリンダヘッド(図示せず)のプラグ取付孔に形成された雌ネジに螺合するための雄ネジが形成されたねじ部23(図1参照)を備えている。キャップ部24は、主体金具22の先端側に配置される環状の部材である。キャップ部24の先端面には先端側に向かって縮径するテーパ部25が設けられている。このテーパ部25が、プラグ取付孔に設けられたシート面(図示せず)に接することにより、エンジンの燃焼室の気密が確保される。
ヒータ素子40は、軸線Oに沿って延びる略円柱状の部材であり、絶縁部41と、導電部42とを備えている。ヒータ素子40は、主体金具22の先端部において軸孔21内に配置されており、また、キャップ部24を貫通してキャップ部24の先端から突出している。ヒータ素子40は、電力が供給されることによって発熱する。
絶縁部41は、絶縁性のセラミックスによって形成されている。本実施形態では、絶縁部41は窒化珪素によって形成されている。ただし、絶縁部41は、窒化珪素に限らず、例えば、アルミナやサイアロン等の他の絶縁性のセラミックスによって形成されていてもよい。この絶縁部41は、ヒータ素子40の基体を成す部位である。
導電部42は、絶縁部41の内部に埋設されており、軸線O方向に伸長すると共に先端側を頂点にして折り曲げられたU字状の構造であり、通電によって抵抗発熱する導電性のセラミックスによって形成されている。本実施形態では、導電部42は、タングステンカーバイドによって形成されている。ただし、導電部42は、タングステンカーバイドに限らず、例えば、二珪化モリブデンや二珪化タングステン等の他の導電性のセラミックスによって形成されていてもよい。
U字状に形成された導電部42の両端部は、ヒータ素子40の後端部の外表面において露出する。一方の端部が第1の電位側の端部(プラス側端部)44であり、他方の端部が、一方の端部よりも低電位になる第2の電位側の端部(マイナス側端部)43である。また、導電部42には、上記第1の電位側の端部(プラス側端部)44の近傍において、ヒータ素子40の側面で露出する第1の電位側の接続端子(プラス側接続端子)46が形成されている。さらに導電部42には、上記第2の電位側の端部(マイナス側端部)43の近傍であって、上記第1の電位側の接続端子46よりも先端側の位置に、ヒータ素子40の側面で露出する第2の電位側の接続端子(マイナス側接続端子)45が形成されている。なお、本実施形態では、第1の電位側の接続端子46および第2の電位側の接続端子45は、導電部42の他の部位と同じ材料で形成されており、導電部42の一部として形成されている。ただし、第1の電位側の接続端子46および第2の電位側の接続端子45は、導電部42の他の部位と別体で形成されていてもよい。
中軸50は、軸線Oに沿って延びる形状を有し、導電性材料(例えば、SUS430等のステンレス鋼、アルミニウム、銅、および鉄などの金属材料)によって形成される棒状の部材であり、主体金具22の軸孔21内において、ヒータ素子40の後端側に配置されている。
リング60は、導電性材料(例えば、SUS410、SUS630等の金属材料)で形成された円筒状部材であり、主体金具22の軸孔21の内部で、中軸50とヒータ素子40との間に組み付けられる。具体的には、ヒータ素子40の後端部と、中軸50の先端部とが、リング60の内部に嵌め込まれる。ヒータ素子40の後端部のリング60への嵌め込みは圧入により行なわれ、これによりヒータ素子40の側面に露出する第1の電位側の接続端子(プラス側接続端子)46がリング60の内壁に接する。その結果、ヒータ素子40の導電部42の第1の電位側の接続端子(プラス側接続端子)46が、リング60を介して中軸50に電気的に接続される。本実施形態では、中軸50の先端部のリング60への嵌め込みも、圧入によって行なわれる。
伝熱部65は、電気絶縁性を有する材料によって構成される薄板状の部材であり、全体が電気絶縁部として構成されている。伝熱部65は、リング60内において、ヒータ素子40の後端部と中軸50の先端部の間に配置される。伝熱部65は、ヒータ素子40の後端部と中軸50の先端部の双方に接触しており、リング60内においてヒータ素子40の後端部と中軸50の先端部との間に形成される空間に、隙間無く配置されている。このように伝熱部65が配置されることにより、伝熱部65を経由して、ヒータ素子40から中軸50へと熱が伝えられる(放熱される)。また、本実施形態では、伝熱部65は絶縁性材料によって形成されている。そのため、伝熱部65を配置することにより、ヒータ素子40が備える導電部42の第2の電位側の端部(マイナス側端部)43と中軸50との間が絶縁される。伝熱部65を構成する絶縁性材料としては、例えば、ゴム、樹脂、セラミックス、およびガラスから選択される材料を用いることができる。伝熱部65は、後述するように、リング60内に中軸50を圧入する際にヒータ素子40の後端部と中軸50の先端部との間に配置するため、中軸50の圧入時の衝撃を低減する観点からは、弾性率がより高いゴム製部材あるいは樹脂製部材を用いることが好ましい。
伝熱部65を構成するゴムとしては、例えば、ブチルゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム(EPDM)から選択されるゴムを用いることができる。伝熱部65を構成する樹脂としては、例えば、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、エポキシ樹脂から選択される樹脂を用いることができる。グロープラグ10の使用中における伝熱部65の環境条件(温度および雰囲気等)において安定な材料であれば良い。伝熱部65を構成する材料の耐熱温度は、100℃以上であることが好ましく、150℃以上であることがより好ましく、200℃以上であることがさらに好ましく、300℃以上であることが最も好ましい。
図3は、ヒータ素子40の後端部と中軸50の先端部との間に伝熱部65が配置される部位を含む領域の様子を表わす説明図であり、具体的には、図2において領域Yとして示した領域を拡大して示す断面模式図である。なお、図3では、図2の領域Y内における伝達スリーブ32、センサ固定部材34、および主体金具22については記載を省略している。
本実施形態では、中軸50の最先端とヒータ素子40の最後端とは、軸線O方向に垂直な平坦面として形成されている。本実施形態では、中軸50、ヒータ素子40、およびリング60の内壁は、いずれも横断面が円形に形成されており、伝熱部65は円盤状に形成されている。ただし、上記横断面の形状は、円形以外の形状、例えば半円形状や楕円形状とすることもできる。なお、本明細書において説明する各部の形状、具体的には、円形、半円形状、楕円形状、円筒状、円柱状、円盤状等の形状は、各部を備える部材を製造する際に生じる誤差等に起因する公差による歪みや変形を有する形状を含んでいる。
図3では、伝熱部65の厚みを厚みaとして示している。この厚みaは、導電部42が備える第2の電位側の端部(マイナス側端部)43と中軸50との間の短絡を抑える観点から、1μm以上とすることが好ましく、5μm以上とすることがより好ましい。また、厚みaは、後述するように中軸50をリング60内に圧入する際に、中軸50とヒータ素子40との間に挟まれることによる損傷を抑えるという観点から、10μm以上とすることが好ましい。また、厚みaは、グロープラグ10の軸線O方向の大型化を抑える観点、あるいは中軸50とリング60との結合の強度を確保する観点から、1mm以下とすることが好ましく、0.5mm以下とすることがより好ましく、0.1mm以下とすることがさらに好ましい。ただし、厚みaは、1μm未満とすることも可能であり、1mm以上とすることも可能である。
なお、中軸50の最先端の近傍の外壁において、中軸50の先端側に向かって次第に縮径するテーパが形成されていてもよい。これにより、中軸50の先端部をリング60内に嵌め込む動作を容易化することができる。
ヒータ素子40の側面には、リング60の嵌め込み位置よりも先端側に第1外筒30が配置されており、第1外筒30よりも先端側には第2外筒31が配置されている。第1外筒30および第2外筒31は、導電性材料(例えば、SUS410、SUS630等の金属材料)で形成された円筒状部材であり、第1外筒30および第2外筒31内にヒータ素子40を圧入することにより組み付けられる。第1外筒30内にヒータ素子40を圧入することにより、導電部42の第2の電位側の接続端子(マイナス側接続端子)45が、第1外筒30の内壁に接触し、導電部42と第1外筒30とが電気的に接続される。
ハウジング20の内壁面と、ヒータ素子40、中軸50およびリング60との間には、連結部材70、伝達スリーブ32、ダイヤフラム33、およびセンサ固定部材34が配置されている。これらの部材は、いずれも導電性材料によって形成されている。連結部材70は、例えばSUS316などのステンレス鋼やニッケル合金などの金属材料により形成することができる。伝達スリーブ32、ダイヤフラム33、およびセンサ固定部材34は、例えば炭素鋼やステンレス鋼などの金属材料によって形成することができる。
連結部材70は、軸線Oに沿ったヒータ素子40の移動を許容しつつ、ヒータ素子40とハウジング20とを連結する膜状の弾性部材であり、キャップ部24内に配置されている。連結部材70には、ヒータ素子40が貫通する孔部が中央部に形成されている。そして、上記孔部が形成される内周部(連結部材70の先端側)は、ヒータ素子40の外周に設けられた第2外筒31の後端部に溶接されており、連結部材70の外周部(連結部材70の後端側)は、キャップ部24に溶接されている。連結部材70は、上記のようにヒータ素子40とハウジング20とを連結することで、ハウジング20内の気密を確保する役割も果たす。なお、連結部材70は、弾性変形することによってヒータ素子40の軸線Oに沿った移動を許容できれば良く、例えばベローズであってもよい。
センサ固定部材34は、略円筒形状の部材である。センサ固定部材34は、主体金具22の軸孔21の内壁面に沿って配置されており、その先端近傍には、径方向外側に突出する鍔状のフランジ部36が形成されている。このフランジ部36は、主体金具22の先端面およびキャップ部24の後端面に溶接されている。
伝達スリーブ32は、略円筒状の部材であり、主体金具22の軸孔21内においてセンサ固定部材34よりも径方向内側に配置されている。伝達スリーブ32の先端は、第1外筒30の外側に嵌め込まれて第1外筒30に溶接されている。これにより、ヒータ素子40が軸線O方向に沿って変位したときには、伝達スリーブ32も一緒に変位し、伝達スリーブ32は、軸線Oに沿ったヒータ素子40の変位を後端側(ダイヤフラム33)へと伝達する。なお、第1外筒30はリング60よりも厚く形成されており、伝達スリーブ32とリング60とは離間している。そのため、リング60およびリング60内に嵌め込まれる中軸50と伝達スリーブ32との間は、空間により絶縁されている。
ダイヤフラム33は、環状の部材である。ダイヤフラム33の中央には、中軸50が貫通する開口部37が設けられている。ダイヤフラム33の内周部には、伝達スリーブ32の後端が溶接されている。このため、燃焼ガスの圧力(燃焼圧)を受けてヒータ素子40が軸線Oに沿って変位すると、伝達スリーブ32によってその変位量がダイヤフラム33に伝達され、ダイヤフラム33が変形する。ダイヤフラム33の外周部には、センサ固定部材34の後端が溶接されている。本実施形態では、このセンサ固定部材34によって、ダイヤフラム33がハウジング20内の中央部付近に固定されている。
ダイヤフラム33の上面(後端側の面)には、ダイヤフラム33の変形量に基づいて圧力を検出する圧力検出素子35が設けられている(図2参照)。本実施形態では、圧力検出素子35として、ピエゾ抵抗素子が用いられている。なお、本実施形態では、圧力検出素子35としてピエゾ抵抗型素子を用いているが、異なる種類のセンサ素子、例えば圧電素子を用いることとしてもよい。
本実施形態の圧力検出素子35(ピエゾ抵抗素子)は、ダイヤフラム33の変形量に応じてその抵抗値が変化する。圧力検出素子35には、ハウジング20内の所定の部位に設けられた集積回路(図示せず)が電気的に接続されている。集積回路は、圧力検出素子35の抵抗値の変化を検出することによって、内燃機関の燃焼圧を検出する。集積回路は、こうして検出された燃焼圧を示す電気信号を、ハウジング20の後端から挿入された配線(図示せず)を通じて外部のECU等に出力する。
図1に戻り、ハウジング20の後端側には保護筒72が取り付けられている。保護筒72の内部には、中軸50と電気的に接続する端子金具73が配置されている。
以上のように構成されたグロープラグ10では、端子金具73から電力が供給されると、中軸50、リング60および第1の電位側の接続端子46を通じて導電部42に電力が供給され、ヒータ素子40が発熱する。このとき、導電部42の第2の電位側の接続端子45は、第1外筒30、伝達スリーブ32、ダイヤフラム33、センサ固定部材34、ハウジング20、および内燃機関のシリンダヘッドを通じて接地される。
以下に、グロープラグ10の製造方法について説明する。グロープラグ10を製造する際には、まず、リング60の後端側から先端側へとヒータ素子40の先端を挿入し、リング60内にヒータ素子40を圧入する。これにより、導電部42の第1の電位側の接続端子(プラス側接続端子)46がリング60の内壁に接触して、導電部42とリング60とが電気的に接続される。このとき、ヒータ素子40がリング60内に圧入されることで、第1の電位側の接続端子46とリング60の内壁との密着状態が高められ、導電部42とリング60とが電気的に接続される際の抵抗が十分に抑えられる。
その後、第1外筒30および第2外筒31内にヒータ素子40を圧入し、第2外筒31の先端からヒータ素子40の先端部を突出させる。これにより、導電部42の第2の電位側の接続端子(マイナス側接続端子)45が第1外筒30の内壁面に密着され、導電部42と第1外筒30とが電気的に接続される。
次に、中軸50の最先端の平坦面(以後、先端面ともいう)に伝熱部65を貼り付ける。中軸50への伝熱部65の貼り付けは、グロープラグ10の使用中における伝熱部65の環境条件(温度および雰囲気等)において安定な接着剤を用いて行なえばよい。接着剤としては、例えば、シリコーン系接着剤を用いることができる。なお、グロープラグ10が備える伝熱部65の厚みaについては既に説明したが、貼り付けに用いる伝熱部65の厚みは、後述する中軸50の先端部の圧入による潰れを考慮して設定すればよい。
その後、リング60の後端側に、伝熱部65を貼り付けた中軸50の先端部を圧入し、リング60と中軸50とを溶接により固定する。中軸50をリング60内に圧入する際には、伝熱部65を貼り付けた中軸50の先端部がヒータ素子40の後端部に接するまで、中軸50をリング60内へと挿入すればよい。リング60と中軸50との溶接は、リング60の後端と中軸50の外表面とが接する位置(図3において矢印W1で示す)において行なえばよい。なお、本実施形態では、ヒータ素子40が嵌め込まれたリング60の後端側に中軸50を圧入する前に、第1外筒30および第2外筒31内にヒータ素子40を圧入したが、これらの工程の順序は逆であってもよい。すなわち、第1外筒30および第2外筒31内にヒータ素子40を圧入する工程を、リング60の後端側に中軸50を圧入する工程の後に行なってもよい。
また、本実施形態では、中軸50の先端部に伝熱部65を貼り付けてからリング60内への中軸50の圧入を行なったが、異なる構成としてもよい。例えば、ヒータ素子40の後端部をリング60内に圧入する前、あるいはヒータ素子40の後端部をリング60内に圧入した後に、ヒータ素子40の最後端の平坦面(以後、後端面ともいう)に伝熱部65を貼り付けても良い。また、中軸50の先端部への伝熱部65の貼り付け、およびヒータ素子40の後端部への伝熱部65の貼り付けを行なわず、リング60内への中軸50の圧入によって、中軸50とヒータ素子40との間に伝熱部65を挟み込んでも良い。
次に、上記したヒータ素子40、中軸50およびリング60を備える中間部材に対して、さらに、伝達スリーブ32、ダイヤフラム33、センサ固定部材34、および主体金具22を組み付ける。ここでは、伝達スリーブ32、ダイヤフラム33、およびセンサ固定部材34を所定の箇所で溶接し、内側に配置される伝達スリーブ32を軸線O方向に貫通する貫通孔内に、上記ヒータ素子40等を備える中間部材を配置する。さらに、センサ固定部材34の外周側に主体金具22を配置する(図2参照)。
その後、センサ固定部材34の先端部のフランジ部36と主体金具22の先端とを溶接すると共に、ヒータ素子40(具体的には第1外筒30)と伝達スリーブ32の先端部とを溶接する。また、連結部材70の後端部とセンサ固定部材34の先端部の間、および、連結部材70の先端部とヒータ素子40(具体的には第2外筒31の後端部)の間を溶接する。また、キャップ部24をヒータ素子40の先端側から嵌め込み、さらにセンサ固定部材34の先端部に圧入し、センサ固定部材34のフランジ部36とキャップ部24とを溶接する(図2参照)。その後、主体金具22の後端側に保護筒72を取り付けると共に、中軸50と端子金具73とを接続して、グロープラグ10を完成する。
以上のように構成された本実施形態のグロープラグ10によれば、ヒータ素子40の後端部と中軸50の先端部との間に伝熱部65を配置しているため、伝熱部65を経由してヒータ素子40の熱を中軸50へと伝えることができる。そのため、ヒータ素子40が過熱状態になることを抑制できる。
すなわち、本実施形態のグロープラグ10は、断面積が小さく熱伝達効率が低い連結部材70によってヒータ素子40とハウジング20との間が接続された圧力センサ付きグロープラグであるため、ヒータ素子40からハウジング20への熱伝達効率が低い。また、本実施形態のグロープラグでは、ヒータ素子40とハウジング20との間に伝達スリーブ32およびセンサ固定部材34も介在しているが、これらの部材も断面積が小さいため、ヒータ素子40の熱をハウジング20に伝える効率が不十分である。さらに本実施形態のグロープラグ10では、リング60を経由してヒータ素子40から中軸50へと放熱することも可能であるが、リング60の断面積が小さいために、リング60を経由する熱伝達効率も低い。本実施形態では、さらに伝熱部65を設けることにより、ヒータ素子40から中軸50への新たな放熱の経路を確保して、ヒータ素子40の過熱を抑えることができる。
このようにヒータ素子40の過熱を抑制できるため、ヒータ素子40よりも熱膨張率が大きくヒータ素子40が嵌め込まれている金属部材(リング60あるいは第1外筒30)の熱膨張を抑制することができる。その結果、ヒータ素子40が備える第1の電位側の接続端子(プラス側接続端子)46とリング60との間の接触、あるいは第2の電位側の接続端子(マイナス側接続端子)45と第1外筒30との間の接触が不十分になって、導通状態が低下することを抑えることができる。
また、本実施形態では、ヒータ素子40の過熱状態を抑制できるため、接続端子(第1の電位側の接続端子46および第2の電位側の接続端子45)における経時的な酸化の進行を抑え、接続端子の酸化に起因する接続端子と金属部材(リング60あるいは第1外筒30)との間の導通状態の低下を抑えることができる。すなわち、ヒータ素子40とリング60とは熱膨張率が異なるため、温度が高くなるほど、ヒータ素子40とリング60とが膨張する程度の差が大きくなる。ヒータ素子40とリング60とが膨張する程度の差が大きくなると、ヒータ素子40とリング60との間に酸素が流入して、接続端子が酸化し易くなる。本実施形態では、ヒータ素子40の過熱状態を抑えて、接続端子の酸化の進行を抑制することにより、上記接続端子と、これらの接続端子に接触する上記金属部材との間の導通状態が不十分になることを抑えることができる。
上記のように、本実施形態では、空気よりも熱伝導率が高い材料によって構成される伝熱部65を設けることにより、ヒータ素子40の過熱を抑制可能となっている。ここで、伝熱部65は、構成材料の熱伝導率が高いほど熱を伝える性能が高くなる。例えば、空気の常温での熱伝導率は0.0257(W/m・K)であるため、ヒータ素子40からの放熱効率を高めるためには、伝熱部65の構成材料の常温での熱伝導率は、0.10(W/m・K)以上であることが好ましく、0.20(W/m・K)以上であることがより好ましい。
また、本実施形態のように、伝熱部65を経由して中軸50へと熱を伝える場合には、ヒータ素子40から中軸50への放熱効率を向上させるために、伝熱部65の構成材料の熱伝導率を、中軸50の構成材料の熱伝導率よりも低くすることが望ましい。言い換えれば、中軸50の構成材料の熱伝導率を、伝熱部65の構成材料の熱伝導率よりも高くすることが望ましい。本実施形態では、既述したように、中軸50をステンレス鋼、アルミニウム、および鉄などの金属材料によって形成している。このような金属材料の熱伝導率は、伝熱部65を構成する絶縁性材料(例えばゴム、樹脂、セラミックス、およびガラスから選択される材料)よりも熱伝導率が高い。そのため、ヒータ素子40から伝熱部65を経由した中軸50への放熱効率を高めることができる。すなわち、中軸50の熱伝導率が高いため、中軸50自身の放熱効率が高く、伝熱部65の熱を、滞りなく中軸50へ伝えることができる。なお、中軸50や伝熱部65を構成するこれらの材料の常温でのおよその熱伝導率を以下に示す。中軸50の構成材料の熱伝導率は、例えば、ステンレス鋼が16〜26(W/m・K)、アルミニウムが237(W/m・K)、鉄が80.3(W/m・K)である。また、伝熱部65の構成材料の熱伝導率は、例えば、天然ゴムが0.13(W/m・K)、エポキシ樹脂が0.35(W/m・K)、ガラスが1.03(W/m・K)である。
ここで、本実施形態では、発熱するヒータ素子40、ヒータ素子40から熱が伝えられるリング60、伝熱部65、および中軸50は、ダイヤフラム33および圧力検出素子35から離間して配置されている。さらに、ダイヤフラム33および圧力検出素子35は、中軸50の先端部および伝熱部65よりも後端側に配置されており、ヒータ素子40からの距離がより大きく確保されている。そのため、本実施形態では、ダイヤフラム33および圧力検出素子35の過度の昇温を抑制し、圧力検出素子35の過熱に起因して圧力の検出精度が低下することを抑えることができる。特に、本実施形態では、ダイヤフラム33および圧力検出素子35は、ハウジング20の後端に配置されている。既述したように、ヒータ素子40とハウジング20とは、断面積が小さい部材によって接続されており、ヒータ素子40からハウジング20への熱伝達効率が低い。そのため、ダイヤフラム33および圧力検出素子35の過度の昇温を抑制する効果を高めることができる。
さらに、本実施形態では、伝熱部65を絶縁性材料によって構成しているため、後端部で第2の電位側の端部(マイナス側端部)43が露出するヒータ素子40を用いる場合であっても、第2の電位側の端部43と中軸50との間の絶縁を確保することができる。また、リング60内への中軸50の圧入の際には、ヒータ素子40の後端部と伝熱部65、および伝熱部65と中軸50の先端部とが接するように圧入すれば良いため、組立の動作を簡素化することができる。
B.第2の実施形態:
図4は、第2の実施形態のグロープラグ110の概略構成を表わす断面模式図である。第2の実施形態において、第1の実施形態と共通する部分には同じ参照番号を付して詳しい説明は省略する。第2の実施形態のグロープラグ110は、伝熱部65に代えて伝熱部165を備えること以外は、第1の実施形態のグロープラグ10と同様の構成を有している。図4では、図3と同様にして、ヒータ素子40の後端部と中軸50の先端部とを含む領域のみを拡大して示している。
第2の実施形態では、伝熱部165は、絶縁性材料(既述した樹脂やセラミックス)から成る粉体を、ヒータ素子40の後端部と中軸50の先端部との間に充填することにより形成されている。具体的には、第1の実施形態における中軸50の先端部への絶縁体の貼り付けに代えて、リング60内のヒータ素子40の後端部上に上記粉体を充填することにより形成される。このように、伝熱部は、絶縁性材料から成る固体によって形成されればよく、これにより第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。ただし、ヒータ素子40の後端部との間に伝熱部を介在させつつリング60内に中軸50を嵌め込む動作を簡素化するためには、伝熱部は、単一の部材であること、あるいは、ヒータ素子40の後端部または中軸50の先端部に予め固定された状態で形成されることが望ましい。
C.第3の実施形態:
図5は、第3の実施形態のグロープラグ210の概略構成を表わす断面模式図である。第3の実施形態において、第1の実施形態と共通する部分には同じ参照番号を付して詳しい説明は省略する。第3の実施形態のグロープラグ210は、伝熱部65に代えて伝熱部265を備えること以外は、第1の実施形態のグロープラグ10と同様の構成を有している。図5では、図2と同様にして、ヒータ素子40の後端部と中軸50の先端部とを含む領域のみを拡大して示している。
グロープラグ210では、中軸50の先端面に、絶縁性材料からなる被膜として伝熱部265が形成されている。伝熱部265としての被膜は、例えば、グロープラグ10の使用中における伝熱部65の環境条件(温度および雰囲気等)において安定な樹脂(例えばエポキシ樹脂やポリイミド等)を用いて樹脂コーティング(スプレー等)により形成することができる。あるいは、セラミックコーティングにより形成してもよい。セラミックコーティングは、例えばイオンプレーティングなどのPVD法(物理蒸着法)により行なうことができる。また、絶縁性ゲルによって伝熱部265となる被膜を形成しても良い。絶縁性ゲルの被膜は、例えば、シリコーンゲルやゴム系高分子を塗布することによって形成することができる。伝熱部465を絶縁性被膜によって構成する場合には、絶縁性被膜は、ヒータ素子40の後端面および中軸50の先端面のうちの少なくともいずれか一方に形成すればよい。このような構成としても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、コーティングにより形成される絶縁性被膜によって伝熱部を構成する場合には、ヒータ素子40および中軸50とは別体の薄板状部材によって伝熱部を構成する場合よりも、伝熱部の薄型化が容易になる。例えば、厚みaが0.1〜10μm程度の伝熱部を容易に形成可能になる。これにより、リング60の軸線O方向の長さおよびグロープラグの軸線O方向の長さを抑えることができる。
D.第4の実施形態:
図6は、第4の実施形態のグロープラグ310の概略構成を表わす断面模式図である。第4の実施形態において、第1の実施形態と共通する部分には同じ参照番号を付して詳しい説明は省略する。第4の実施形態のグロープラグ310は、伝熱部65に代えて伝熱部365を備えること以外は、第1の実施形態のグロープラグ10と同様の構成を有している。図6では、図2と同様にして、ヒータ素子40の後端部と中軸50の先端部とを含む領域のみを拡大して示している。
伝熱部365は、第1の実施形態の伝熱部65と同様の薄板状部材であり、高伝熱部366と電気絶縁部367とを備えている。電気絶縁部367は、伝熱部365を厚み方向に貫通して設けられており、第1〜第3の実施形態における伝熱部と同様の絶縁性材料によって構成されている。この電気絶縁部367は、ヒータ素子40の後端部で露出する第2の電位側の端部(マイナス側端部)43全体を覆うように設けられている。高伝熱部366は、電気絶縁部367よりも熱伝導率が高い材料によって形成すればよく、例えば、中軸50の構成材料よりも熱伝導率が低い金属材料によって形成することができる。
このような構成としても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、本実施形態の伝熱部365は、電気絶縁部367によって第2の電位側の端部(マイナス側端部)43と中軸50との間の絶縁性を確保しつつ、高伝熱部366を設けることによって伝熱部365全体の伝熱効率を高めることができる。
図7は、伝熱部365の構成を表わす平面図である。図7(A)は、図6に示した伝熱部365の平面図であり、図7(B)は、第4の実施形態の変形例としての伝熱部の平面図である。図7(B)の伝熱部では、電気絶縁部367の外周が伝熱部の外周の同心円となるように電気絶縁部367が設けられている。このように、電気絶縁部367は、少なくとも第2の電位側の端部(マイナス側端部)43を覆っていればよい。また、電気絶縁部367は、少なくとも第2の電位側の端部(マイナス側端部)43を覆っているならば、伝熱部365を厚み方向に貫通していなくても(中軸50に接していなくても)よい。
E.第5の実施形態:
図8は、第5の実施形態のグロープラグ410の概略構成を表わす断面模式図である。第5の実施形態において、第1の実施形態と共通する部分には同じ参照番号を付して詳しい説明は省略する。第5の実施形態のグロープラグ410は、伝熱部65に代えて伝熱部465を備えること以外は、第1の実施形態のグロープラグ10と同様の構成を有している。図8では、図2と同様にして、ヒータ素子40の後端部と中軸50の先端部とを含む領域のみを拡大して示している。
伝熱部465は、その先端部に、凹部形状468が形成されている。具体的には、凹部形状468は、軸線Oに垂直方向の面(以下、横断面と呼ぶ)の外周が円形に形成されると共に、横断面の外周が中軸50の先端部の横断面の外周と同心円となるように形成されている。このような凹部形状468の先端部は、リング60内においてヒータ素子40の後端部と接触している。ただし、凹部形状468におけるヒータ素子40の後端部と接触する先端部は、第2の電位側の端部(マイナス側端部)43から離間している。このような伝熱部65は、例えば、中軸50の構成材料よりも熱伝導率が低い金属材料によって形成することができる。
このような構成としても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、本実施形態の伝熱部465は、凹部形状468によって第2の電位側の端部(マイナス側端部)43と中軸50との間の絶縁性を確保しつつ、一般的な絶縁性材料よりも熱伝導率が高い材料(例えば金属材料)によって構成することによって、伝熱部465の伝熱効率を高めることができる。さらに、本実施形態によれば、中軸50と伝熱部465とを異なる金属によって形成することができるため、中軸50および伝熱部465を構成する金属の選択の自由度を高めつつ、伝熱部を設けることによるヒータ素子40からの放熱効率の向上の効果を高めることができる。
なお、伝熱部465は、後端側ではリング60内で露出する中軸50の先端部全体と接触することとしたが、中軸50の先端部の一部とのみ接触することとしてもよい。また、凹部形状468は、伝熱部465の先端部におけるヒータ素子40の後端部と接する箇所が、第2の電位側の端部(マイナス側端部)43から離間していれば、異なる形状としてもよい。伝熱部465が、第2の電位側の端部(マイナス側端部)43から離間しつつ、ヒータ素子40の後端部の一部と接触すると共に、中軸50の先端部の少なくとも一部と接触すれば、同様の効果が得られる。
F.第6の実施形態:
図9は、第6の実施形態のグロープラグ510の概略構成を表わす断面模式図である。第6の実施形態において、第1の実施形態と共通する部分には同じ参照番号を付して詳しい説明は省略する。第6の実施形態のグロープラグ510は、中軸50に代えて中軸550を備えること以外は、第1の実施形態のグロープラグ10と同様の構成を有している。図9では、図2と同様にして、ヒータ素子40の後端部と中軸50の先端部とを含む領域のみを拡大して示している。
中軸550には、先端部近傍の外壁に、後端側に向かって急激に外径が拡大する鍔状の段差部555が形成されている。中軸550は、この段差部555において、リング60の後端と接している。なお、グロープラグ510では、中軸550とリング60との溶接は、リング60の後端と段差部555とが接する位置(図9において矢印W2で示す)において行なえばよい。なお、上記のように中軸に段差部555を設ける構成は、伝熱部の構成が異なる場合、例えば第2〜第5の実施形態において、同様に適用してもよい。
このような構成としても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。また、本実施形態では、段差部555の位置で中軸550とリング60とを溶接すればよいため、溶接の動作を容易化することが可能になる。また、本実施形態では、中軸550の先端部とヒータ素子40の後端部との間の距離が、段差部555によって規定されるため、伝熱部65を比較的柔らかい部材により構成する場合であっても、リング60内に中軸550を圧入する際の伝熱部65の損傷を抑えることができる。
G.変形例:
・変形例1(熱伝導率の関係の変形):
第1〜第6の実施形態では、伝熱部の構成材料の熱伝導率を、中軸50の構成材料の熱伝導率よりも小さくしたが、同等の熱伝導率としてもよく、伝熱部の方が熱伝導率を高くしても良い。このような場合であっても、伝熱部を設けることによりヒータ素子から中軸側への伝熱効率を向上させる同様の効果を得ることができる。
・変形例2(導電部42の端部の態様の変形):
上記各実施形態では、ヒータ素子40の後端部において、導電部42の第2の電位側の端部43および第1の電位側の端部44が露出することとしたが、異なる構成としてもよい。例えば、導電部42において、第2の電位側の端部43と第1の電位側の端部44の少なくとも一方が設けられず、導電部の後端部に露出しない構成としてもよい。このとき、少なくとも第2の電位側の端部(マイナス側端部)43が露出しない構成とする場合には、第2の電位側の端部43を絶縁性部材で覆ったり、第2の電位側の端部43と中軸50の先端部とを離間させる必要が無い。あるいは、ヒータ素子40の後端部で露出する第1の電位側の端部(プラス側端部)44は、中軸50と接していても差し支えない。ヒータ素子40における導電部42の引き回しの態様にかかわらず、ヒータ素子の後端部と中軸の先端部との間に伝熱部を設けることにより、各実施形態と同様の効果を得ることができる。
・変形例3(リングと中軸の組付け方法の変形):
上記各実施形態では、中軸50の先端部をリング60の後端部に圧入した後に、中軸50の先端部とリング60の後端部とを溶接したが、異なる構成としてもよい。例えば、中軸50の先端部をリング60の後端部に圧入した後に、溶接を行なわないこととしてもよい。あるいは、中軸50の先端部の外径をリング60の後端部の内径よりも小さく形成し、中軸50の先端部をリング60内に単に挿入することによって、リング60への中軸の嵌め込みを行ない、その後両者を溶接してもよい。また、中軸50の先端部をリング60内に挿入した後に、リング60の外側から加締めることによって、中軸50とリング60とを固定してもよい。
・変形例4(ヒータ素子および中軸の端部の変形):
上記各実施例では、ヒータ素子40の最後端および中軸50の最先端を平坦面としたが、異なる構成としてもよい。ヒータ素子40の後端部および中軸50の先端部における互いに対向する部位の少なくとも一方に、何らかの凹凸が形成されていてもよい。このような場合であっても、ヒータ素子40の後端部の少なくとも一部と、中軸50の先端部の少なくとも一部とに接触して伝熱部を設けることで、各実施形態と同様の効果を得ることができる。
・変形例5(リング60と中軸50との接続の態様の変形)
上記各実施形態では、中軸50の先端部をリング60内に嵌め込んだが、異なる構成としてもよい。中軸50の先端部がリング60内に嵌め込まれていなくても、中軸50の先端部とリング60とが電気的に接続されており、ヒータ素子40の後端部と中軸50の先端部とに接して空気よりも熱伝導率が大きい伝熱部が配置されていれば、各実施形態と同様の効果が得られる。
図10および図11は、それぞれ、変形例のグロープラグ610、710の概略構成を表わす断面模式図である。図10および図11において、第1の実施形態と共通する部分には同じ参照番号を付して詳しい説明は省略する。グロープラグ610、710は、中軸50に代えて中軸650,750を備えること以外は、第1の実施形態のグロープラグ10と同様の構成を有している。図10および図11では、図3と同様にして、ヒータ素子40の後端部と中軸の先端部とを含む領域のみを拡大して示している。
図10に示すグロープラグ610が備える中軸650は、平坦に形成された先端面において、リング60の最後端と接している。中軸650の先端面とリング60とは、例えば、突き合わせ溶接によって固定することができる。
図11に示すグロープラグ710が備える中軸750においては、その先端部に凹部形状755が形成されている。グロープラグ710では、リング60の後端部が凹部形状755内に嵌め込まれている。中軸750とリング60との固定は、例えば、凹部形状755へのリング60の圧入によって行なってもよく、中軸750の最先端とリング60との溶接により行なってもよく、これらの組み合わせにより行なってもよい。
・変形例6(連結部材70の連結の態様の変形):
上記各実施形態では、連結部材70は、ヒータ素子40とハウジング20とを連結する際に、ヒータ素子40との間に第2外筒31を介在させているが、異なる構成としてもよい。連結部材70とハウジング20との間に他の部材を介在させてもよく、あるいは、他の部材を介することなく、ヒータ素子40とハウジング20とを直接連結してもよい。
・変形例7(伝達スリーブ32の接続の態様の変形):
上記各実施形態では、伝達スリーブ32は、ヒータ素子40と接続する際に、第1外筒30を介在させているが、ヒータ素子40と直接接続してもよい。伝達スリーブ32がヒータ素子40と直接接続する場合には、伝達スリーブ32が第2の電位側の接続端子(マイナス側接続端子)45と接するように接続すればよい。
・変形例8(ヒータ素子の構成の変形):
上記各実施例では、ヒータ素子40は、絶縁性のセラミックスによって形成される絶縁部41内に、導電性セラミックスによって形成される導電部42が埋設される構成としたが、異なる構成としてもよい。例えば、絶縁性のセラミックスから成る絶縁部の表面に露出するヒータ発熱体を備える構成としてもよい。このような構成としても、本願発明を適用することにより、各実施形態と同様にヒータ素子から中軸への放熱効率を向上させる効果を得ることができる。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10、110、210、310、410、510、610、710…グロープラグ
20…ハウジング
21…軸孔
22…主体金具
23…ねじ部
24…キャップ部
25…テーパ部
30…第1外筒
31…第2外筒
32…伝達スリーブ
33…ダイヤフラム
34…センサ固定部材
35…圧力検出素子
36…フランジ部
37…開口部
40…ヒータ素子
41…絶縁部
42…導電部
43…第2の電位側の端部
44…第1の電位側の端部
45…第2の電位側の接続端子
46…第1の電位側の接続端子
50、550、650、750…中軸
60…リング
65、165、265、365、465…伝熱部
70…連結部材
72…保護筒
73…端子金具
366…高伝熱部
367…電気絶縁部
468…凹部形状
555…段差部
755…凹部形状

Claims (3)

  1. 軸線方向に延びて先端部が燃焼室で露出する棒状のヒータ素子と、
    導電性材料により形成され、前記ヒータ素子よりも後端側に配置されて前記ヒータ素子に電力を供給する中軸と、
    グロープラグの外壁を構成し、自身の軸孔に前記ヒータ素子の一部および前記中軸の一部を収容するハウジングと、
    前記ヒータ素子が前記ハウジング内で前記軸線方向に変位することを許容しつつ、単独でまたは他の部材と共に前記ヒータ素子と前記ハウジングとを連結する連結部材と、
    前記ハウジングに対する前記ヒータ素子の前記軸線方向の変位から、前記燃焼室の燃焼圧を検知する圧力検出素子と、
    を備えるグロープラグにおいて、
    前記ヒータ素子と前記中軸とを電気的に接続させるリングと、
    前記リング内において前記ヒータ素子の後端部と前記中軸の先端部の間に配置され、前記ヒータ素子の後端部と前記中軸の先端部とに接し、空気よりも熱伝導率が大きい伝熱部と、
    を備え
    前記ヒータ素子は、絶縁部と、該絶縁部内に形成されて通電することによる発熱する導電部とを備え、
    前記導電部は、前記ヒータ素子の前記後端部の側面で露出して、前記リングの内壁面と接する第1の電位側の接続端子と、前記第1の電位側の接続端子よりも低電位である第2の電位側の接続端子と、前記ヒータ素子の後端部における前記中軸と対向する領域で露出する第2の電位側の端部と、を備え、
    前記伝熱部を設けることにより、前記導電部の前記第2の電位側の端部が前記中軸と電気絶縁されていることを特徴とする
    グロープラグ。
  2. 請求項1に記載のグロープラグであって、
    前記伝熱部の熱伝導率が、前記中軸の熱伝導率よりも小さいことを特徴とする
    グロープラグ。
  3. 請求項1または2に記載のグロープラグであって、
    前記伝熱部は、少なくとも前記導電部の前記第2の電位側の端部を覆う電気絶縁部を備えることを特徴とする
    グロープラグ。
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