JP2016075042A - 建設機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】 少ない部品点数で、作業装置から落下してくる土砂を排出する土砂排出経路を形成する。
【解決手段】 右縦板8には、前板9の上面9Aよりも上側となる位置にホース挿通孔15を設ける。複数本の油圧ホース22は、ホース挿通孔15を介して左,右の縦板7,8間に導出され、前板9上を作業装置4に向けて延びる。右縦板8の内壁面のうちホース挿通孔15の近傍位置には、各油圧ホース22を前板9の上面9Aとの間で間隙をもって保持するクランプ部材24を設ける。クランプ部材24に保持された各油圧ホース22と前板9の上面9Aとの間には土砂排出経路25が形成され、作業装置4から左,右の縦板7,8間に落下してくる土砂Dを、土砂排出経路25を介して前板9の傾斜に沿わせて旋回フレーム5の外部に排出することができる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、例えば土砂の掘削作業等を行う作業装置を備えた油圧ショベル等の建設機械に関する。
一般に、油圧ショベル等の建設機械は、下部走行体と、該下部走行体に旋回可能に設けられ支持構造体を形成する旋回フレームを有する上部旋回体と、該上部旋回体の旋回フレームの前側に俯仰動可能に設けられた作業装置とにより構成されている。
上部旋回体の旋回フレームは、底板と、該底板上に前,後方向に延びて立設され前側に作業装置が取付けられる左,右の縦板と、左,右の縦板の前側に位置すると共に斜め下向きに傾斜した状態で左,右の縦板間に固着された前板とによって構成されている。また、旋回フレーム上には、左,右の縦板のうちの一方の縦板よりも外側でかつ旋回フレームの前側に位置しオペレータが着座する運転席を有するフロア部材が設けられている。
この場合、旋回フレームの左,右の縦板のうち一方の縦板とは異なる他方の縦板には、フロア部材の近傍に位置すると共に前板の上面よりも上側となる位置にホース挿通孔を設け、旋回フレームには、前板の下側からホース挿通孔を介して左,右の縦板間を作業装置に向けて延びる複数本の油圧ホースが設けられている(特許文献1参照)。
ここで、従来技術による旋回フレームには、前板の上側に位置して左,右の縦板間にホース保持板(上側横板)が設けられ、ホース挿通孔から左,右の縦板間に導かれた複数本の油圧ホースは、ホース保持板に取付けられたホースブラケットによって整列した状態で、作業装置へと延びている。これにより、左,右の縦板間に導かれた各油圧ホースと前板との間には、作業装置から左,右の縦板間に落下してくる土砂を、前板の傾斜に沿って排出するための土砂排出経路が形成されている。
特許第3377198号公報
しかしながら、特許文献1に記載された従来技術では、左,右の縦板間に導かれた複数本の油圧ホースと前板との間に土砂排出経路を形成するため、左,右の縦板間を連結する平板状のホース保持板を設け、このホース保持板にホースブラケットを取付ける構成としている。
このように、特許文献1の従来技術では、作業装置から旋回フレームの左,右の縦板間に落下してくる土砂を排出する土砂排出経路を形成するために、左,右の縦板間を連結するホース保持板と、ホースブラケットとを設ける構成としているので、部品点数が多くなってしまうという問題がある。また、左,右の縦板間を連結するホース保持板を設けることにより、旋回フレーム全体の重量が増大してしまうという問題もある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、少ない部品点数で、作業装置から落下してくる土砂を排出する土砂排出経路を形成し、かつ、複数の油圧ホースを整列させた状態で作業装置へと案内することができるようにした建設機械を提供することにある。
上述した課題を解決するために本発明は、下部走行体と、該下部走行体に旋回可能に設けられ支持構造体を形成する旋回フレームを有する上部旋回体と、該上部旋回体の旋回フレームの前側に俯仰動可能に設けられた作業装置とからなり、前記上部旋回体の旋回フレームは、底板と、該底板上に前,後方向に延びて立設され前側に前記作業装置が取付けられる左,右の縦板と、該左,右の縦板の前側に位置すると共に斜め下向きに傾斜した状態で前記左,右の縦板間に固着された前板とによって構成し、前記旋回フレーム上には、前記左,右の縦板のうちの一方の縦板よりも外側でかつ前記旋回フレームの前側に位置しオペレータが着座する運転席を有するフロア部材を設け、前記旋回フレームの左,右の縦板のうち前記一方の縦板とは異なる他方の縦板には、前記フロア部材の近傍に位置すると共に前記前板の上面よりも上側となる位置にホース挿通孔を設け、前記旋回フレームには、前記前板の下側から前記ホース挿通孔を介して前記左,右の縦板間で前記前板の上面を前記作業装置に向けて延びる複数本の油圧ホースを設けてなる建設機械に適用される。
そして、本発明が採用する構成の特徴は、前記旋回フレームを構成する前記一方の縦板または他方の縦板には、前記ホース挿通孔の近傍位置で、かつ前記ホース挿通孔を通じて導出された前記各油圧ホースを前記前板の上面との間で間隙をもって保持するクランプ部材を設け、前記クランプ部材に保持された前記各油圧ホースと前記前板の上面との間に形成された前記間隙には、前記作業装置から落下してくる土砂を前記前板の傾斜に沿わせて排出する土砂排出経路を形成したことにある。
本発明によれば、ホース挿通孔を介して左,右の縦板間に導かれた複数本の油圧ホースを、一方の縦板または他方の縦板に設けたクランプ部材によって保持することにより、各油圧ホースと前板の上面との間に土砂排出経路を形成することができる。この結果、作業装置を稼働して掘削作業をする時に落下してくる土砂を、土砂排出経路を介して前板の傾斜に沿わせて排出することができ、土砂が各油圧ホースの周囲に堆積するのを防止することができる。
また、左,右の縦板のうち一方の縦板に設けたクランプ部材によって油圧ホースを保持することにより、この油圧ホースと前板との間に土砂排出経路を形成することができる。この結果、少ない部品点数で土砂排出経路を形成でき、組立コストを抑制し、さらに旋回フレームの重量を軽減することが可能となる。
本発明の実施の形態による油圧ショベルを示す正面図である。 図1中の油圧ショベルの旋回フレームを単体で示す平面図である。 旋回フレームに、油圧ホース、エンジン、制御弁装置等を取付けた状態を示す平面図である。 旋回フレームの左,右の縦板、前板、油圧ホース、クランプ部材等の要部を示す斜視図である。 左,右の縦板の間から作業装置、油圧ホース、クランプ部材等を示す上部旋回体の断面図である。 左,右の縦板の間からクランプ部材を示す旋回フレーム及び土砂案内カバーの断面図である。 土砂案内カバーを単体で示す斜視図である。 クランプ部材を単体で示す斜視図である。 クランプ部材を図8中の矢示IX−IX方向からみた平面図である。 クランプ部材を図9中の矢示X−X方向からみた正面図である。 クランプ部材を図10中の矢示XI−XI方向からみた側面図である。 本発明の第2の実施の形態による旋回フレームの左,右の縦板、前板、油圧ホース、クランプ部材等を示す図4と同様な斜視図である。 図12から油圧ホースを除いた旋回フレームの左,右の縦板、前板、クランプ部材等を示す斜視図である。 変形例による旋回フレームの左,右の縦板、前板、油圧ホース、クランプ部材等を示す図4と同様な斜視図である。
以下、本発明に係る建設機械の実施の形態として、クローラ式の下部走行体を備えた油圧ショベルを例に挙げ、図1ないし図14に従って詳細に説明する。まず、図1ないし図11は本発明の第1の実施の形態を示している。
図1において、建設機械の代表例としての油圧ショベル1は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回輪2Aを介して旋回可能に搭載された上部旋回体3と、該上部旋回体3の前側に設けられた作業装置4とにより構成されている。
上部旋回体3は、図1,図2に示すように、後述の旋回フレーム5、カウンタウエイト16、エンジン17、油圧ポンプ18、キャブ19、制御弁装置21等により構成されている。
作業装置4は、側溝掘り作業に好適に用いられるオフセットブーム式の作業装置であり、上部旋回体3を構成する旋回フレーム5の前側に俯仰動可能に設けられ、土砂の掘削作業等を行うものである。この作業装置4は、後述する左,右の縦板7,8の前側部位に俯仰動可能に取付けられたロアブーム4Aと、該ロアブーム4Aの先端部に俯仰動可能に取付けられたアッパブーム4Bと、アッパブーム4Bの先端部に左,右方向に揺動可能に取付けられたアームステー4Cと、アームステー4Cに俯仰動可能に取付けられたアーム4Dと、該アーム4Dの先端部に回動可能に取付けられたバケット4Eと、ロアブーム4Aとアームステー4Cとの間に設けられたリンクロッド4Fと、これらを駆動する油圧アクチュエータとしての、ブームシリンダ4G、オフセットシリンダ4H、アームシリンダ4I、バケットシリンダ4Jとにより構成されている。
一方、作業装置4を構成するロアブーム4Aのフート部4A1は、図5に示すように、左,右の縦板7,8の上部に位置する後述の左,右のブーム取付部7A,8Aに回動可能にピン結合されている。また、ブームシリンダ4Gのボトム側は、後述の左,右のブームシリンダ取付ブラケット9Bに回動可能にピン結合されている。
旋回フレーム5は上部旋回体3の下側に位置し、上部旋回体3の支持構造体を構成している。この旋回フレーム5は、図2に示す如く、平板状の底板6と、該底板6上に立設され、左,右方向に所定の間隔をもって前,後方向に延び前側に作業装置4が取付けられる左縦板7,右縦板8と、該左,右の縦板7,8の前側部位を左,右方向で連結する前板9と、底板6及び左縦板7から左側に張出した複数の左張出しビーム10Aと、各左張出しビーム10Aの先端部に接合され、底板6の左側を前,後方向に延びた円弧状の左サイドフレーム11と、底板6及び右縦板8から右側に張出した複数の右張出しビーム10Bと、各右張出しビーム10Bの先端部に接合され、底板6の右側を前,後方向に延びた円弧状の右サイドフレーム12と、左,右の縦板7,8の後端部に配置され底板6上を左,右方向に延びる横仕切り板13とにより大略構成されている。
左縦板7は、底板6上にほぼ垂直に立設され、前,後方向に延びている。右縦板8は、底板6上にほぼ垂直に立設され、左縦板7との間に左,右方向の一定の間隔を形成した状態で前,後方向に延びている。
ここで、図4に示すように、左,右の縦板7,8は、前,後方向の中央部が上側に突出した山形状をなし、その頂部付近がそれぞれブーム取付部7A,8Aとなっている。そして、左縦板7のブーム取付部7Aと右縦板8のブーム取付部8Aには、作業装置4を構成するロアブーム4Aのフート部4A1が俯仰動可能にピン結合される。左,右の縦板7,8の下端部には、後述する各油圧ホース22を通す切欠き部7B,8Bがそれぞれ形成されている。また、右縦板8には、切欠き部8Bよりも上側に位置して後述のホース挿通孔15が設けられている。
前板9は、底板6の前側に位置して左,右の縦板7,8間に固着され、各縦板7,8を補強している。図2ないし図6に示すように、前板9は、例えば鋼板等の板材に曲げ加工等を施すことにより形成され、全体として旋回フレーム5の前側に向けて斜め下向きに傾斜している。前板9の前端縁は、底板6の上面に溶接手段を用いて接合され、後端縁は、横仕切り板13に接合されている。また、前板9の左側端縁は、左縦板7の内壁面に、右側端縁は、右縦板8の内壁面にそれぞれ溶接手段を用いて接合されている。また、前板9の上面9Aには、ホース挿通孔15よりも後側の位置で後述の土砂案内カバー26がボルト止めされている。
また、前板9の前側には、一対のブームシリンダ取付ブラケット9Bが配置されている。これら一対のブームシリンダ取付ブラケット9Bは、左,右方向に一定の間隔をもって底板6の上面及び前板9の前側に溶接手段を用いて固着されている。そして、ブームシリンダ取付ブラケット9Bには、作業装置4を構成するブームシリンダ4Gのボトム側が、回動可能にピン結合されている。
フロア部材14は、図3中に二点鎖線で示すように、左,右の縦板7,8のうち一方の左縦板7よりも外側(左側)で、かつ旋回フレーム5の前側に位置して、旋回フレーム5上に設けられている。このフロア部材14は、後側にオペレータが着座する運転席(図示せず)が設けられると共に、この運転席に着座したオペレータの足場を形成するものである。フロア部材14は、前,後位置および左,右位置の四隅が防振マウント(図示せず)を介して旋回フレーム5上に取付けられている。
ホース挿通孔15は、左縦板7とは反対側となる右縦板8のうち、フロア部材14の近傍に位置すると共に前板9の上面9Aよりも上側となる位置に設けられている。具体的には、ホース挿通孔15は、前板9の上面9Aよりも上側で、右縦板8の前端と右ブーム取付部8Aとの間に設けられている。このホース挿通孔15は、略四角形状の左,右方向に貫通した貫通孔からなり、後述の油圧ホース22が挿通されるものである。
カウンタウエイト16は、旋回フレーム5を構成する左,右の縦板7,8の後端部に取付けられ、作業装置4との重量バランスをとるものである。このカウンタウエイト16の後面側は、円弧状をなして形成され、上部旋回体3の旋回半径を小さく収める構成となっている。
エンジン17は、カウンタウエイト16よりも前側に位置して旋回フレーム5の後側に設けられている。エンジン17は、クランク軸(図示せず)が左,右方向に延びる横置き状態となって旋回フレーム5上に搭載されている。このエンジン17は、例えばディーゼルエンジン(内燃機関)を用いて構成され、後述の油圧ポンプ18を回転駆動する駆動源を構成している。
油圧ポンプ18は、エンジン17の左端側に取付けられ、エンジン17により回転駆動される。この油圧ポンプ18は、作動油タンク(図示せず)と共に油圧源を構成するものである。油圧ポンプ18は、例えば可変容量型の斜板式、斜軸式またはラジアルピストン式油圧ポンプ等によって構成されている。ここで、油圧ポンプ18は、作動油タンク内から油液を吸込みつつ、この油液を高圧な圧油として吐出する。油圧ポンプ18から吐出された圧油は、制御弁装置21を介して各種の油圧アクチュエータ(例えば、ブームシリンダ4G、オフセットシリンダ4H、アームシリンダ4I及びバケットシリンダ4J等)に供給される。
キャブ19は、左縦板7の左側に位置して旋回フレーム5上に搭載されている。このキャブ19は、オペレータが搭乗するもので、フロア部材14の上側に運転室を画成している。キャブ19内には、オペレータが着座する運転席、オペレータが操作する操作レバー等(いずれも図示せず)が配置されている。
外装カバー20は、キャブ19とカウンタウエイト16との間に位置して旋回フレーム5上に設けられている。この外装カバー20内には、エンジン17、油圧ポンプ18等の旋回フレーム5上に搭載された各種の搭載機器が収容されている。
制御弁装置21は、図3に示すように、フロア部材14の下側に位置して旋回フレーム5の左前側に配置されている。この制御弁装置21は、複数の方向制御弁の集合体により全体として直方体状をなすブロック状に形成され、旋回フレーム5の底板6および各左張出しビーム10A上に設けられた取付板21Aに取付けられている。
ここで、制御弁装置21は、油圧ショベル1に搭載された各油圧アクチュエータと油圧源との間を接続する油通路の途中に設けられ、キャブ19内に配置された操作レバー(図示せず)の操作に応じて、油圧ポンプ18から吐出する圧油の方向を制御するものである。これにより、下部走行体2の左,右の走行モータ(図示せず)、作業装置4の各シリンダ4G、4H、4I、4J、旋回モータ(図示せず)等に対して油圧ポンプ18からの圧油が選択的に給排され、これらの油圧アクチュエータをオペレータの操作に応じて動作させることができる。
複数本の油圧ホース22は、作業装置4の各シリンダ4H、4I、4Jに圧油を供給するため、ロアブーム4Aの上面(背面)に固定された油圧管路23と制御弁装置21との間を接続するものである。この油圧ホース22は、例えば6本の可撓性を有する耐圧ゴムホースにより構成され、旋回フレーム5に対するロアブーム4Aの俯仰動を許容するために、ロアブーム4Aの上面側に略Ω形状の弛みをもった状態で配置されている。ここで、図3に示すように、制御弁装置21に基端側が接続された各油圧ホース22の先端側は、左縦板7の切欠き部7Bから前板9の下側を通り、右縦板8の切欠き部8Bを通って右縦板8の右側(外側)に導出される。そして、各油圧ホース22の先端側は、右縦板8に設けられたホース挿通孔15を介して、左,右の縦板7,8間の前板9の上面9A側に導出される。前板9の上面9A側に導出された各油圧ホース22は、後述のクランプ部材24に保持された状態で左,右の縦板7,8間で前板9の上面9Aを通り、ロアブーム4Aの上面に固定された油圧管路23に接続される。
次に、前板9の上面9A側で各油圧ホース22を保持するクランプ部材24について説明する。
クランプ部材24は、ホース挿通孔15を通じて前板9の上面9A側に導出された各油圧ホース22を保持するもので、右縦板8のホース挿通孔15の近傍位置で、前板9の上面9Aよりも上側に設けられている。即ち、クランプ部材24は、左,右の縦板7,8間である右縦板8の内壁面に、ホース挿通孔15の後側に位置してボルト(図示せず)を用いて取付けられている。ここで、図8ないし図11に示すように、クランプ部材24は、棒材を折り曲げることにより油圧ホース22を取り囲む枠状に形成された第1のホース保持枠24Aと、第2のホース保持枠24Bと、これら第1,第2のホース保持枠24A,24Bの基端側を一体的に連結する2個(一対)の保持枠連結具24Cとにより構成されている。このクランプ部材24は、保持枠連結具24Cを右縦板8の内壁面にボルト止めすることにより、ホース挿通孔15の近傍位置に固定されている。クランプ部材24は、ホース挿通孔15を通じて前板9の上面9A側に導出された油圧ホース22を、第1,第2のホース保持枠24A,24Bによって保持することにより、油圧ホース22と前板9の上面9Aとの間で間隙を形成するものである。
第1のホース保持枠24Aは、第2のホース保持枠24Bよりも前側に位置して、ホース挿通孔15と第2のホース保持枠24Bとの間に設けられている。第1のホース保持枠24Aは、棒材を折り曲げることにより略U字状に形成され、その基端側は保持枠連結具24Cに接合されている。ここで、第1のホース保持枠24Aの先端側は、保持枠連結具24Cから前側に向けて延び、第1のホース保持枠24Aは、右縦板8のホース挿通孔15と左,右方向でほぼ正対している。そして、第1のホース保持枠24Aは、ホース挿通孔15から前板9の上面9A側に導出された各油圧ホース22を整列状態で保持するものである。
第2のホース保持枠24Bは、第1のホース保持枠24Aよりも後側に位置して、第1のホース保持枠24Aと後述の土砂案内カバー26との間に設けられている。第2のホース保持枠24Bは、棒材を折り曲げることにより略U字状に形成され、その基端側は第1のホース保持枠24Aの基端側よりも後側で保持枠連結具24Cに接合されている。ここで、第2のホース保持枠24Bの先端側は、右縦板8から左縦板7に向けて左,右方向に直線状に延び、第2のホース保持枠24Bは、右縦板8の内壁面に対してほぼ直交している。これにより、第1のホース保持枠24Aの先端側と第2のホース保持枠24Bの先端側との間には、ホース挿通孔15から前板9の上面9A側に導出された各油圧ホース22を、作業装置4のロアブーム4Aに向けて緩やかに屈曲させるための適度な間隔が設定されている。そして、第2のホース保持枠24Bは、第1のホース保持枠24Aに保持された各油圧ホース22を、左,右の縦板7,8間で緩やかに屈曲させることにより、ロアブーム4Aに向けて案内するものである。
土砂排出経路25は、図5に示すように、前板9の上面9Aとクランプ部材24に保持された各油圧ホース22との間の間隙に形成されている。この土砂排出経路25は、後述の土砂案内カバー26の下面板26Aの前側位置を始端25Aとし、前板9の上面9Aの前側を終端25Bとしている。これにより、土砂排出経路25は、各油圧ホース22と前板9の上面9Aとの間に形成され、始端25Aから終端25Bに向け前下がりとなる傾斜通路として構成されている。そして、この土砂排出経路25は、作業装置4から落下してくる土砂Dを前板9の傾斜に沿わせ、上部旋回体3の外部に排出する通路を形成している。
ここで、土砂排出経路25の間隙寸法、即ち、前板9の上面9Aと各油圧ホース22との間に形成された上,下方向の間隙寸法Hについて述べる。作業装置4(ロアブーム4A)を後側に大きく仰動したときに、バケット4Eから土砂Dが落下してくる。従って、土砂排出経路25の間隙寸法Hは、土砂Dが土砂排出経路25を通るときに、各油圧ホース22に衝突しない程度の大きさに設定される。これにより、土砂排出経路25は、作業装置4から落下してくる土砂Dを大きな間隙寸法Hをもった間隙により、各油圧ホース22を傷つけずにスムーズに上部旋回体3の外部に排出することができる。
土砂案内カバー26は、左,右の縦板7,8間に設けられ、作業装置4から落下した土砂Dを土砂排出経路25へと案内するものである。土砂案内カバー26は、前板9より上側に配置され、前板9の上面9Aから後側に向けて斜め上向きに立上って設けられている。図5および図7に示すように、土砂案内カバー26は、前板9の上面9Aに取付けられる下面板26Aと、下面板26Aから上向きに立上りロアブーム4Aの上面(背面)に沿って斜め後向きに傾斜した立上り板26Bと、立上り板26Bの上端部から後方に延びた上面板26Cと、立上り板26Bの右側端部から前,後方向に延び、ロアブーム4Aの右側面と間隔をもって対面する側面板26Dとを含んで構成されている。ここで、土砂案内カバー26の下面板26Aは、ボルトを用いて前板9の上面9Aに固定され、上面板26Cは、ロアブーム4Aの後側に位置する外装カバー20にボルト等を用いて固定されている。
これにより、ブームシリンダ4Gが最伸長した状態(図5の状態)において、土砂案内カバー26の立上り板26Bは、ロアブーム4Aの上面(背面)に固定された各油圧管路23、および各油圧ホース22との間に適度な空間を形成する。これにより、土砂案内カバー26は、作業装置4から左,右の縦板7,8間に落下した土砂Dを、土砂排出経路25へと案内する通路を形成している。なお、土砂案内カバー26の側面板26Dの前端側には、右縦板8の右ブーム取付部8Aに対応する山形状の切欠き部26Eが設けられると共に、ロアブーム4Aの回動角を検出する角度センサユニット(図示せず)がロアブーム4Aの回動動作に伴って変位するときの通り道となる円弧状の溝部26Fが設けられている。
第1の実施の形態による建設機械としての油圧ショベル1は、上述の如き構成を有するもので、次に、この油圧ショベル1の動作について説明する。
まず、油圧ショベル1のエンジン17が作動すると、油圧ポンプ18から制御弁装置21に圧油が供給され、制御弁装置21は、キャブ19内に設けられた操作レバー(図示せず)の操作に応じて、油圧ショベル1に搭載された油圧アクチュエータに対し選択的に圧油を給排する。例えば、オフセットシリンダ4Hを伸縮させ、ロアブーム4Aの先端側でアッパブーム4Bおよびアームステー4Cを左,右方向に揺動させることにより、ロアブーム4Aに対してアーム4Dを左,右方向に平行移動させる。この状態で、アームシリンダ4Iを伸縮させることにより、アーム4Dをアームステー4Cに対して上,下方向に回動させると共に、バケットシリンダ4Jを伸縮させることにより、バケット4Eをアーム4Dに対して上,下方向に回動させる。これにより、バケット4Eによって土砂の掘削等の作業を行うことができる。
ここで、油圧ショベル1を狭い作業現場で作業させる場合には、図1に示すように、ロアブーム4Aを最後部まで仰動させると共に、アーム4Dを下側に回動させることにより、作業装置4が上部旋回体3の旋回半径内に収まるようにしている。このような場合には、バケット4Eからこぼれた土砂が、上部旋回体3上、例えば左,右の縦板7,8間に落下する。
この場合、左,右の縦板7,8間には、土砂案内カバー26が設けられているので、図5に示すように、バケット4Eから土砂案内カバー26上に落下した土砂Dは、土砂案内カバー26の立上り板26B、下面板26Aを介して前板9の上面9A側へと導かれる。このとき、第1の実施の形態では、右縦板8に設けられたホース挿通孔15の近傍位置にクランプ部材24を設け、ホース挿通孔15を介して前板9の上面9A側に導出された複数の油圧ホース22を、クランプ部材24で保持している。これにより、各油圧ホース22と前板9の上面9Aとの間には、土砂排出経路25を確保することができる。
ここで、土砂排出経路25の間隙寸法Hは、前板9の上面9Aと各油圧ホース22との間の間隙を土砂Dが転がり落ちるときに、各油圧ホース22に接触して各油圧ホース22を傷つけない寸法に設定されている。
これにより、作業装置4を大きく仰動して上部旋回体3上にバケット4Eが配置されたとき、このバケット4Eから落下した土砂Dを、土砂案内カバー26によって土砂排出経路25に案内した後、間隙寸法Hをもった土砂排出経路25を通し前板9の傾斜に沿って円滑に旋回フレーム5の外部に排出することができる。この結果、土砂Dが油圧ホース22の周囲に堆積するのを防止し、各油圧ホース22が土砂Dに接触して破損するのを抑えることにより、各油圧ホース22を保護することができる。
かくして、第1の実施の形態によれば、右縦板8に、各油圧ホース22を前板9の上面9Aとの間に間隙をもって保持するクランプ部材24を設けている。これにより、各油圧ホース22と前板9の上面9Aとの間に、バケット4Eから落下してくる土砂Dを排出する土砂排出経路25を形成することができる。この結果、作業装置4を大きく仰動して上部旋回体3上にバケット4Eが配置されたとき、このバケット4Eから落下してくる土砂Dは、土砂排出経路25を介して前板9の傾斜に沿わせて排出することができ、土砂Dが油圧ホース22の周囲に堆積するのを防止することにより、各油圧ホース22を保護することができる。
また、ロアブーム4Aを最後部まで仰動させると共に、アーム4Dを下向きに折曲げた図1の状態の場合に、バケット4Eから落下した土砂Dを、土砂案内カバー26によって土砂排出経路25に案内した後、間隙寸法Hをもった土砂排出経路25を通し前板9の傾斜に沿って円滑に旋回フレーム5の外部に排出することができる。
しかも、左,右の縦板7,8のうち右縦板8に設けたクランプ部材24によって各油圧ホース22を保持することにより、クランプ部材24だけの少ない部品点数で土砂排出経路25を形成することができる。この結果、部品点数を削減して旋回フレーム5の組立コストを抑制し、さらに旋回フレーム5全体の重量を軽減することが可能となる。
この場合、クランプ部材24は、各油圧ホース22を取囲む枠状に形成された第1,第2のホース保持枠24A,24Bを有しているので、ホース挿通孔15を通じて左,右の縦板7,8間に導出された各油圧ホース22を、クランプ部材24の第1のホース保持枠24Aによって、前板9の上面9A側で整列した状態で保持することができる。この結果、各油圧ホース22と前板9との間に土砂排出経路25を確保することができる。一方、第1のホース保持枠24Aによって前板9の上面9A側に保持された各油圧ホース22を、第2のホース保持枠24Bで保持することにより、ホース挿通孔15から導出された各油圧ホース22をロアブーム4Aの油圧管路23に向けて整列状態で延ばすことができる。
しかも、各油圧ホース22を、第1,第2のホース保持枠24A,24B内に保持することにより、ロアブーム4Aが俯仰動した場合でも、各油圧ホース22が左,右の縦板7,8間で移動したり大きく屈曲するのを抑制することができる。これにより、各油圧ホース22が旋回フレーム5に干渉して損傷するのを抑え、各油圧ホース22を保護することができる。
また、フロア部材14の下側には、作業装置4の各シリンダ4G,4H,4I,4Jへ圧油を給排する制御弁装置21を設けている。これにより、基端側が制御弁装置21に接続された各油圧ホース22の先端側を、前板9の下側を通じて右縦板8の外側へと延ばした後、ホース挿通孔15を通じて左,右の縦板7,8間の前板9の上面9A側に導出し、作業装置4に向けて延ばすことができる。
また、左,右の縦板7,8間には、作業装置4から落下した土砂Dを土砂排出経路25へと案内する土砂案内カバー26を設けている。これにより、作業装置4から落下した土砂Dを、土砂案内カバー26に沿って土砂排出経路25に案内することができる。この結果、作業装置4から落下してくる土砂Dを、土砂案内カバー26と土砂排出経路25とを介して前板9の傾斜に沿わせて旋回フレーム5の外部に排出することができる。
次に、図12,図13は本発明の第2の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、複数のホース保持孔が設けられた弾性体を用いてクランプ部材を形成したことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
クランプ部材31は、ホース挿通孔15を通じて左,右の縦板7,8間に導出された各油圧ホース22を保持するもので、右縦板8のホース挿通孔15の近傍位置で、前板9の上面9Aよりも上側に設けられている。即ち、図12に示すように、クランプ部材31は、左,右の縦板7,8間である右縦板8の内壁面で、ホース挿通孔15の後側にボルト31Bを用いて取付けられている。
ここで、クランプ部材31は、例えば、樹脂材料やゴム等の弾性体を用いて略四角形状に形成され、各油圧ホース22を、互いに間隔を保った状態で保持するための複数のホース保持孔31Aが設けられている。これら各ホース保持孔31Aは、クランプ部材31を前,後方向に貫通する貫通孔として、複数個設けられ、各油圧ホース22を互いに間隔を保った状態で保持している。
クランプ部材31は、各ホース保持孔31A内にそれぞれ1本の油圧ホース22を挿通することにより、右縦板8のホース挿通孔15を通じて左,右の縦板7,8間に導出された各油圧ホース22を保持する。これにより、各油圧ホース22と前板9の上面9Aとの間には、土砂排出経路25が形成され、作業装置4から落下した土砂を、土砂排出経路25を介して旋回フレーム5の外部に排出することができる。
かくして、第2の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。この場合、第2の実施の形態によれば、クランプ部材31は、複数のホース保持孔31Aが設けられた弾性体を用いて形成している。これにより、複数本の油圧ホース22を、互いに間隔を保った状態でホース保持孔31A内に保持することができるので、ホース挿通孔15から左,右の縦板7,8間に導出された油圧ホース22を、作業装置4に向けて整列状態で案内することができる。
なお、第2の実施の形態では、クランプ部材31を左,右の縦板7,8のうち右縦板8の内壁面に取付けた場合を例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば図14に示す変形例のように、左縦板7の内壁面にクランプ部材32を取付ける構成としてもよい。このことは、第1の実施の形態によるクランプ部材24についても同様である。
また、上述した実施の形態では、建設機械としてクローラ式の下部走行体2を有する油圧ショベル1を例示したが、本発明はこれに限らず、例えばホイール式の下部走行体を有するホイール式の油圧ショベルにも適用することができる。
1 油圧ショベル(建設機械)
2 下部走行体
3 上部旋回体
4 作業装置
4G ブームシリンダ(油圧アクチュエータ)
4H オフセットシリンダ(油圧アクチュエータ)
4I アームシリンダ(油圧アクチュエータ)
4J バケットシリンダ(油圧アクチュエータ)
5 旋回フレーム
6 底板
7 左縦板
8 右縦板
9 前板
14 フロア部材
15 ホース挿通孔
21 制御弁装置
22 油圧ホース
24,31,32 クランプ部材
24A 第1のホース保持枠
24B 第2のホース保持枠
25 土砂排出経路
26 土砂案内カバー
31A ホース保持孔

Claims (5)

  1. 下部走行体と、該下部走行体に旋回可能に設けられ支持構造体を形成する旋回フレームを有する上部旋回体と、該上部旋回体の旋回フレームの前側に俯仰動可能に設けられた作業装置とからなり、
    前記上部旋回体の旋回フレームは、底板と、該底板上に前,後方向に延びて立設され前側に前記作業装置が取付けられる左,右の縦板と、該左,右の縦板の前側に位置すると共に斜め下向きに傾斜した状態で前記左,右の縦板間に固着された前板とによって構成し、
    前記旋回フレーム上には、前記左,右の縦板のうちの一方の縦板よりも外側でかつ前記旋回フレームの前側に位置しオペレータが着座する運転席を有するフロア部材を設け、
    前記旋回フレームの左,右の縦板のうち前記一方の縦板とは異なる他方の縦板には、前記フロア部材の近傍に位置すると共に前記前板の上面よりも上側となる位置にホース挿通孔を設け、
    前記旋回フレームには、前記前板の下側から前記ホース挿通孔を介して前記左,右の縦板間で前記前板の上面を前記作業装置に向けて延びる複数本の油圧ホースを設けてなる建設機械において、
    前記旋回フレームを構成する前記一方の縦板または他方の縦板には、前記ホース挿通孔の近傍位置で、かつ前記ホース挿通孔を通じて導出された前記各油圧ホースを前記前板の上面との間で間隙をもって保持するクランプ部材を設け、
    前記クランプ部材に保持された前記各油圧ホースと前記前板の上面との間に形成された前記間隙には、前記作業装置から落下してくる土砂を前記前板の傾斜に沿わせて排出する土砂排出経路を形成したことを特徴とする建設機械。
  2. 前記フロア部材の下側には、前記各油圧ホースを介して前記作業装置の油圧アクチュエータへ圧油を給排する制御弁装置を設け、
    前記各油圧ホースは、前記制御弁装置から前記前板の下側を通って前記他方の縦板の外側へと延び、前記ホース挿通孔を通じて前記左,右の縦板間の前記前板の上面側に導出され前記作業装置に向けて延びる構成としてなる請求項1に記載の建設機械。
  3. 前記クランプ部材は、棒材を折曲げることにより前記各油圧ホースを取囲む枠状に形成された第1,第2のホース保持枠を有し、
    前記第1のホース保持枠は、前記ホース挿通孔から前記前板の上面側に導出された前記各油圧ホースを整列した状態で保持し、
    前記第2のホース保持枠は、前記前板の上面側に導出された前記各油圧ホースを前記作業装置に向けて案内する構成としてなる請求項1に記載の建設機械。
  4. 前記クランプ部材は、前記各油圧ホースを互いに間隔を保った状態で保持する複数のホース保持孔が設けられた弾性体を用いて形成してなる請求項1に記載の建設機械。
  5. 前記左,右の縦板間には、前記前板より上側に位置して前記作業装置から落下した土砂を前記土砂排出経路へと案内する土砂案内カバーを設ける構成としてなる請求項1,2,3または4に記載の建設機械。
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