JP2016073040A - 端子ボックスおよびこれを用いた太陽電池モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】端子ボックスの本体内部に適切な量の絶縁部材を充填することによって、高温環境下においても信頼性に優れた端子ボックスおよび太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】本実施形態に係る端子ボックス5は、端子部30と、開口部、端子部30および前記開口部を囲う壁部27を有する本体5Aと、前記開口部を覆うように壁部27上に配置された蓋体5Bと、を備える。端子ボックス5において、壁部27は、蓋体5Bの下面5Baが配置される第1面33と、該第1面33よりも下方に位置する内側面に設けられており、壁部27に囲われた本体5Aの内部において端子部30を覆うように充填される絶縁部材32の上面の位置決めをする位置決め部31とを有する。
【選択図】 図7

Description

本発明は、端子ボックスおよびこれを用いた太陽電池モジュールに関するものである。
太陽電池モジュールは、複数の太陽電池素子を直列または並列に接続して、所定の電気出力を得ている。太陽電池素子に電気的に接続された配線材は、太陽電池モジュールの裏面側に設けられた端子ボックスの内部に配置された端子部に接続されている。
この端子ボックスは、本体と、この本体の上面の開口部を覆う蓋体とを有している。本体の内部には、絶縁性の樹脂などの絶縁部材が充填されている。これにより、本体内部に配置された端子部が絶縁部材に覆われて保護される(例えば、特許文献1参照)。
特開2006―351606号公報
しかしながら、端子ボックスの本体内部に充填する絶縁部材の充填量が過剰になった場合には、例えば屋外で使用された太陽電池モジュールが高温になると、絶縁部材が膨張することによって端子ボックスが破壊される場合がある。一方で、絶縁部材の充填量が少ない場合には、端子部を十分に保護できなくなる場合がある。
本発明の目的の1つは、端子ボックスの本体内部に適切な量の絶縁部材を充填することによって、高温環境下においても信頼性に優れた端子ボックスおよび太陽電池モジュールを提供することである。
本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュール用端子ボックスでは、端子部と、開口部、前記端子部および前記開口部を囲う壁部を有する本体と、前記開口部を覆うように前記壁部上に配置された蓋体とを備えている。本実施形態において、前記壁部は、前記蓋体の下面が配置される第1面と、該第1面よりも下方に位置する内側面に設けられており、前記壁部に囲われた前記本体の内部において前記端子部を覆うように充填される絶縁部材の上面の位置決めをする位置決め部とを有する。
また、本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュールは、上記端子ボックスと、一主面に前記端子ボックスが配置された太陽電池パネルと、該太陽電池パネルおよび前記端子部に電気的に接続された出力導体と、前記端子部に電気的に接続されたリード部材と、を備えている。
本発明の一実施形態に係る端子ボックスでは、本体の壁部に絶縁部材の上面の位置決めをする位置決め部を設けたことによって、適切な量の絶縁部材を本体の内部に充填することができる。これにより、本実施形態では、絶縁部材で端子部の腐食等による劣化を低減するとともに、高温環境下における絶縁部材の膨張による本体の破損を低減できる。その結果、端子ボックスおよび太陽電池モジュールの信頼性が向上する。
本発明の一実施形態に係る端子ボックスを備えた太陽電池モジュール全体を示す平面図であり、(a)は太陽電池モジュールの表面側の一実施形態を示す平面図であり、(b)は裏面側の一実施形態を示す平面図である。 本実施形態に係る太陽電池モジュールの太陽電池素子を示す平面図であり、(a)は太陽電池素子の第1面側の一実施形態を示す平面図であり、(b)は第2面側の一実施形態を示す平面図である。 (a)は太陽電池素子に接続部材を接続した状態を示す平面図であり、(b)は2つの太陽電池素子の接続状態を示す断面図である。 太陽電池モジュールの太陽電池素子全体の接続状態を表面側からみた平面図である。 図4のA部を裏面側から見た拡大平面図である。 太陽電池パネルの構造を模式的に示す断面図である。 (a)は本実施形態に係る端子ボックスの本体内部の状態を示す平面図であり、(b)は端子ボックスの蓋体内面側の平面図である。 (a)は図7(a)のX−X線における端子ボックス構造を模式的に示す断面図であり、(b)は図8(a)のB部の拡大断面図である。 (a)は他の実施形態に係る端子ボックスの本体内部の状態を示す平面図であり、(b)は端子ボックスの蓋体内面側の平面図である。 (a)は図9(a)のY−Y線における端子ボックス構造を模式的に示す断面図であり、(b)は図10(a)のC部の拡大断面図である。
以下、本発明の端子ボックスおよび太陽電池モジュールの実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
≪太陽電池モジュール≫
本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュール1は、図1に示すように、複数の太陽電池素子2を有する太陽電池パネル3と、該太陽電池パネル3の外周部に配置されたフレーム4を有する。太陽電池モジュール1は、図1(a)、(b)に示すように、主として光を受ける面である表面1aおよび該表面1aの裏側に位置する裏面1bを有する。そして、太陽電池モジュール1は、図1(b)に示すように、太陽電池モジュール1の裏面1bに端子ボックス5を有している。また、端子ボックス5には、太陽電池モジュール1の発生した電力を外部回路に供給するためのリード部材6が配されている。
太陽電池素子2は、図2(a)、(b)に示すように、例えば単結晶または多結晶シリコンからなる基板7を有する。この基板7は、例えば、外形寸法が100〜170mm角程度、厚さが0.15〜0.3mm程度の四角形状であればよい。また、太陽電池素子2は、主として光を受ける面である第1面2aおよび該第1面2aの裏面に相当する第2面2bを有する。太陽電池素子2の内部には、ボロンなどのP型不純物を多く含んだP層とリンなどのN型不純物を多く含むN層とが接しているPN接合(不図示)が形成されている。
太陽電池素子2の第1面2aには、図2(a)に示すように、第1表面電極8および第2表面電極9が形成されている。第2表面電極9は、光生成キャリアを収集する役割を有し、第1表面電極8と交差するように複数形成される。第2表面電極9は、例えば、幅が0.05〜0.2mm程度で、1〜10mm程度の間隔を空けて配置されている。第1表面電極8は、第2表面電極9によって収集された光生成キャリアを集電する役割を有する。この第1表面電極8は、幅が1〜3mm程度で、一定間隔を持って太陽電池素子2の辺に対して略平行に2〜5本形成される。第1表面電極8および第2表面電極9は、例えば
、銀を主成分とする導電性ペーストをスクリーン印刷した後に焼成して形成される。また、太陽電池素子2の第1面2aには、光の反射を低減する反射防止膜(不図示)が設けられている。
太陽電池素子2の第2面2bには、図2(b)に示すように、第1裏面電極10および第2裏面電極11が形成されている。第2裏面電極11は、第2面2bの外周部の0.5〜3mm程度を除いて第2面2bの略全面に形成される。この第2裏面電極11は、例えば、アルミニウムを主成分とする導電性ペーストをスクリーン印刷した後に焼成して形成される。
第1裏面電極10は、幅が1〜4mm程度で、第1表面電極8と基板7を介してほぼ対向する位置に2〜5本形成され、また第1裏面電極10の一部が第2裏面電極11と接するように設けられる。第1裏面電極10は、例えば、銀を主成分とする導電性ペーストをスクリーン印刷した後に焼成して形成される。
太陽電池モジュール1において、隣り合う太陽電池素子2同士は、図3(a)(b)に示すように、接続部材12(12a、12b)で電気的に接続される。この接続部材12は、例えば、厚さが0.1〜0.3mm程度の銅またはアルミニウムなどの良導電性の金属箔であればよい。この金属箔には、ほぼ全面にハンダがコーティングされている。このハンダは、メッキまたはディッピング等によって、例えば、20〜70μm程度の厚みになるように設けられる。この接続部材12の幅は、第1表面電極8の幅と同等もしくは第1表面電極8の幅よりも小さくすればよい。これにより、接続部材12によって太陽電池素子2の受光を妨げにくくできる。
また、1つの太陽電池素子2に接続される2つの接続部材12において、一方の接続部材12aは、図3(a)に示すように、太陽電池素子2の第1面2aの第1表面電極8にハンダ付けされている。また、他方の接続部材12bは、太陽電池素子2の第2面2bの第1裏面電極10に、接続部材12aとは反対方向に延出するようにハンダ付けされている。
また、隣り合う太陽電池素子2(2a、2b)は、図3(b)に示すように、太陽電池素子2aの第1面2aの第1表面電極8に接続した接続部材12の他端部を太陽電池素子2bの第2面2bの第1裏面電極10にハンダ付けされる。このような接続を複数(例えば5〜10個程度)の太陽電池素子に繰り返すことにより、複数の太陽電池素子が直線状に直列接続されてなる太陽電池素子列(ストリング13)が形成される。また、接続部材12は、第1表面電極8および第1裏面電極10の略全表面に接続してもよい。これにより、太陽電池素子2の抵抗成分を小さくできる。ここで、太陽電池素子2が150mm角程度の基板7を使用する場合、接続部材12の幅は、1〜3mm程度、その長さは260〜300mm程度であればよい。
太陽電池モジュール1は、図4に示すように、複数のストリング(ストリング13a〜13f)を有している。これらストリング13a〜13fは、一端部において配線部材14aで電気的に接続されている。また、これらストリング13a〜13fは、他端部において配線部材14bで電気的に接続されている。また、太陽電池モジュール1の両端に位置するストリング13a、13fには、それぞれ配線材15が電気的に接続されている。配線材15は、図4に示すように、太陽電池モジュール1を平面視したときに、絶縁シート部材16を介して、配線部材14aの一部と重なるように配置されている。
配線部材14(配線部材14a、14b)は、隣り合うストリング13同士をハンダ等で電気的に接続する役割を有する。この配線部材14は、太陽電池モジュール1を平面視
して、ストリング13の外側に配置されている。
配線材15は、複数のストリング13からの出力を取り出す役割を有する。これら配線材15は、ストリング13a、13fの一端部側に位置する太陽電池素子2t1、2t2の第1表面電極8もしくは第1裏面電極10に接続される。これにより、複数のストリング13が直列接続されることによって増大した出力を取り出すことができる。
絶縁シート部材16は、配線部材14aと配線材15との間に設けられている。これにより、絶縁シート部材16は、配線部材14aと配線材15との接触を妨げる役割を有する。このような絶縁シート部材16は、例えば、厚さが0.05〜0.3mm程度のPET(ポリエチレンテレフタレート)、PE(ポリエチレン)またはPP(ポリプロピレン)などの絶縁性に優れた樹脂製のシートを帯状に切断して形成される。
また、図5に示すように、太陽電池モジュール1の中央部側に位置する各配線材15の端部には、出力導出線(出力導体)17が接続されている。この出力導出線17は、端子ボックス5の内部でリード部材6と電気的に接続される。
また、太陽電池モジュール1の中央部側に位置する2つの配線部材14aの端部には、バイパス線18が接続される。このバイパス線18は、端子ボックス5内に設けられたバイパスダイオード25に接続される。
また、太陽電池モジュール1を平面視して、出力導出線17およびバイパス線18と太陽電池素子2との間に絶縁性を有する保護シート部材19が設けられている。これにより、出力導出線17およびバイパス線18と太陽電池素子2との間で生じる短絡の発生が低減される。
上述した配線部材14a、14b、配線材15、出力導出線17、バイパス線18は、接続部材12と同様の材質のものを利用できる。なお、各部材の幅および厚み等の寸法は、適宜設定すればよい。また、保護シート部材19は、絶縁シート部材16と同様のものを利用できる。この保護シート部材19の幅および厚み等の寸法は、適宜設定すればよい。なお、保護シート部材19と太陽電池素子2との間に、後述するエチレン−酢酸ビニル共重合体などから成る裏面側充填材と同様のシート材を配置してもよい。これにより、保護シート部材19と太陽電池素子2との密着性が高まる。
太陽電池パネル3は、図6に示すように、透光性基板20上に表面側充填材21を配置し、上記のように接続などを行った複数の太陽電池素子2を、表面側充填材21上に載置し、その上に裏面側充填材22、裏面シート23を順次積層して積層体24を作製した後、この積層体24を後述するようにラミネートして、一体化したものである。
透光性基板20としては、ガラスやポリカーボネート樹脂などからなる基板が用いられる。ここで、ガラスとしては、例えば、白板ガラス、強化ガラス、倍強化ガラス、熱線反射ガラスなどが用いられる。また、樹脂であれば、ポリカーボネート樹脂などの合成樹脂が用いられる。透光性基板20は、厚さ3mm〜5mm程度であればよい。
表面側充填材21及び裏面側充填材22は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下EVAと略す)やポリビニルブチラール(PVB)から成り、Tダイと押し出し機により厚さ0.4〜1mm程度のシート状に成形されたものが用いられる。これらはラミネート装置により減圧下にて加熱加圧を行うことで、軟化、融着して他の部材と一体化するものである。なお、裏面側充填材22に用いるEVAまたはPVBは、透明であってもよい。また、裏面側充填材22に用いるEVAまたはPVBは、太陽電池モジュール1が設置される
周囲の設置環境に合わせ酸化チタンまたは顔料等を含有させ白色等に着色させてもよい。
裏面シート23は、外部からの水分の浸入を低減する役割を有する。この裏面シート23は、例えば、アルミ箔を挟持した耐候性を有するフッ素系樹脂シート、アルミナまたはシリカを蒸着したポリエチレンテレフタレ−ト(PET)シート等が用いられる。
なお、裏面側充填材22および裏面シート23には、所定の位置にスリット26を形成して、積層体24を作製したときに出力導出線17、バイパス線18をこのスリット26を通して、裏面シート23上の外部に出しておく。
このように、太陽電池パネル3の裏面1b側の外部に導出された出力導出線17、バイパス線18は、端子ボックス5の内部に導入される。出力導出線17、バイパス線18を端子ボックス5の内部に導入したのち、端子ボックス5の底面部の外側面は、シリコーンシーラントやエポキシ系接着剤が塗布され、裏面シート23の外面に接着され、固定される。
≪端子ボックス≫
次に、本実施形態に係る端子ボックス5の構造について詳述する。
端子ボックス5は、図7(a)(b)に示すように、本体5Aおよび蓋体5Bを備えている。本体5Aおよび蓋体5Bは、太陽電池モジュールの屋外での長期間の使用に耐えられる絶縁性の樹脂で作製され、例えば変性PPE(poly phenylene ether)樹脂などで形成すればよい。
本体5Aは、図7(a)に示すように、壁部27、底面部28および貫通部29を有する箱状体である。また、本体5Aには、底面部28に対向する上部(図7(a)のZ方向)に開口部が設けられている。なお、本体5Aは、溶融した樹脂を金型に入れた後に硬化させる射出成型法などで作製される。
本体5Aの底面部28は、壁部27で囲まれた底部分の1/4〜1/2程度の面積を覆うように形成される。また、底面部28の厚みは、2〜5mm程度であればよい。また、底面部28上には端子部30が設けられる。よって、端子部30は、本体5Aの内部に収納される。
端子部30は、貫通部29を介して本体5Aの内部に導入された出力導出線17およびバイパス線18と電気的に接続される。端子部30は、例えば厚さ0.3〜1.0mm程度の銅または真鍮などの良導電性の金属板に錫などをメッキしたものなどを用いることができる。また、端子部30は、本体5Aの底面部28の大きさを考慮して、正方形状や長方形状に作製され、底面部28に対してネジ止め、はめ込みなどを施すことによって固定される。
出力導出線17およびバイパス線18は、端子部30にハンダ付けなどで接続される。また、バイパスダイオード25は、図7(a)に示すように、隣り合う端子部30に跨るように接続される。また、出力導出線17が接続された端子部30には、リード部材6が接続される。それゆえ、端子部30は、端子ボックス5の内部に導入される出力導出線17とバイパス線18の数だけ設けられる。また、バイパスダイオード25は、例えば、アキシャルリードタイプのものが用いられ、端子部30にハンダ付けやネジ止めなどのより固定される。リード部材6は、端部に圧着端子が取り付けられた後、ネジ止めやハンダ付けなどで端子部30に取り付けられる。
蓋体5Bは、本体5Aの開口部を覆うものである。そのため、蓋体5Bは、本体5Aの上面の開口部の形状に合致する形状を有する。このような蓋体5Bは、ネジ止め、またははめ込みなどの嵌合などによって本体5Aの上面に固定される。蓋体5Bの厚みは、1〜5mm程度である。
また、蓋体5Bは、図7(b)に示すように、本体5Aの底面部28に対向する下面5Baの外周部5Bbは、他の部位よりも厚みが1〜5mm大きい。これにより、蓋体5Bの強度を高めることができる。この厚みが大きい外周部5Bbは、蓋体5Bの端部から内側に向かう幅が1〜5mmで形成される。なお、蓋体5Bも射出成型法などで作製される。
本体5Aの内部には絶縁部材32が充填されている。絶縁部材32は、出力導出線17、バイパス線18およびバイパスダイオード25と端子部30とを接続した後、硬化前の流動性のある状態で充填される。これにより、絶縁部材32は、端子部30を覆うように本体5Aの内部に充填される。その結果、出力導出線17、バイパス線18およびバイパスダイオード25と端子部30との接続部は、絶縁部材32で保護できる。絶縁部材32には、例えば絶縁性の高い樹脂が用いられる。このような樹脂としては、例えばシリコーン樹脂やエポキシ系樹脂、フェノール系樹脂などを用いることができる。
本体5Aの壁部27には、図8(a)(b)に示すように、位置決め部31が設けられている。この位置決め部31は、本体5Aの内部に規定量の絶縁部材32を充填するための目印として用いられる。具体的に、位置決め部31は、充填される絶縁部材32の上面32Lの位置を定める機能を有する。そのため、位置決め部31は、絶縁部材32を充填する高さの位置に設けることによって、規定量の絶縁部材32を本体5Aの内部に充填することができる。
位置決め部31は、蓋体5Bの下面が配置される壁部27の第1面33よりも下方(図8(a)(b)に示す−Z方向)に位置する内側面に設けられている。これは、絶縁部材32が蓋体5Bの下面に接触しないように本体5Aの内部に充填されるからである。
位置決め部31は、例えばセンサまたは目視等で認識可能な形状であればよい。よって、位置決め部31は、例えば壁部27の内側面に設けられた細長い溝部または壁部27の内側面から本体5Aの内部に向かって突出するような凸部であればよい。具体的に、凸部状の位置決め部31は、図8に示すように、壁部27の内側面からX方向に張り出している。
次に、本体5Aの内部に絶縁部材32を充填する方法について説明する。
絶縁部材32は、図8(b)に示すように、本体5Aの開口部から注入される。絶縁部材32は、ディスペンサーなどを用いて注入することができる。このとき、絶縁部材32は、位置決め部31の上端部31Jが絶縁部材32で隠れるまで注入される。これにより、本実施形態では、適切な量の絶縁部材32を本体5Aの内部に充填することができる。また、絶縁部材32は、例えば顔料などで着色することによって、位置決め部31と異なる色にしてもよい。これにより、絶縁部材32の充填量を検査、確認する作業が容易になる。
位置決め部31を凸部で構成する場合には、図8(b)に示すように、凸部の先端部31Kにおいて、壁部27と離れるように下方に傾斜する傾斜面を有していてもよい。
具体的に、この傾斜面は、+X方向側の先端部31Kにおいて、−Z方向に傾斜するように設けられている。このような位置決め部31であれば、傾斜面が設けられていない位置
決め部31に比べて、位置決め部31の上端部31Jが絶縁部材32に浸漬しやすくなる。これは、傾斜面にすることによって絶縁部材32の表面張力の影響が緩和されるためと考えられる。そのため、このような位置決め部31では、絶縁部材32が過剰に注入されにくい。
なお、硬化前の絶縁部材32は、作業する室温などの影響を受けて粘度が変化しやすい。そのため、硬化前の絶縁部材32は、絶縁部材32の表面張力も粘度の影響を受けて変化する。よって、先端部31Kに傾斜面を設けた位置決め部31であれば、上述したように、表面張力による影響を緩和できるため、温度の影響による粘度変化(表面張力の変化)の影響を受けにくい。その結果、本実施形態では、規定量の絶縁部材32をより正確に注入できる。なお、凸部の先端部31Kにおける傾斜面は、図8(b)に示すような直線状でもよいが、例えば階段状のものでもよい。
位置決め部31は、本体5Aの内部に少なくとも1つ設けておけばよいが、複数設けてもよい。例えば、壁部27が、図7(a)に示すように、第1壁部27a、第2壁部27b、第3壁部27cおよび第4壁部27bを有する場合に、各壁部に位置決め部31を設けてもよい。このとき、第1壁部27aと第2壁部27bとは互いに対向している。また、第3壁部27cは、第1壁部27aおよび第2壁部27bに連結されている。第4壁部27dは、第1壁部27aおよび第2壁部27bに連結されるとともに、第3壁部27cに対向している。第1壁部27a乃至第4壁部27dを有する場合、本体5Aは、平面視したときに、略矩形状を成している。
このように、複数の壁部のそれぞれに位置決め部31を設ければ、絶縁部材32を注入する際に本体5Aが傾いていると、各位置決め部31の上端部31Jへの絶縁部材32の到達時間が異なる。具体的に、絶縁部材32を注入した際に、例えば、第1壁部27aに設けられた位置決め部31の上端部31Jに他の位置決め部31の上端部31Jよりも先に絶縁部材32が到達した場合、本体5Aは、第1壁部27aが水平方向に対して下方(図7(a)の場合は−Z方向)に傾いていることが容易に認識できる。このように、複数の壁部のそれぞれに位置決め部31を設ければ、本体5Aが傾いている方向を認識しやすくなるため、より正確に規定量の絶縁部材32を注入することができる。
<変形例>
本実施形態では、本体5Aの外周部の構造が上述の実施形態と異なっている。本実施形態では、図9、図10に示すように、壁部27が、第1面33よりも下方に位置し、且つ位置決め部31よりも上方に位置するとともに、蓋体5Bの下面5Baに接触しない第2面34と、第1面33と第2面34との間に位置する凹部35とを有している。換言すれば、本実施形態における壁部27は、上述の実施形態よりもX方向における幅を大きくするとともに、+Z方向に開口する凹部35が設けられている。
このように、壁部27に凹部35を設けることによって、絶縁部材32の注入時の誤動作によって、位置決め部31を超えて規定量よりも多くの絶縁部材32が入ってしまった場合でも、余剰の絶縁部材32が凹部35に流れ込む。その結果、絶縁部材32の過剰充填による端子ボックス5の外部への漏れの発生をより低減できる。また、本実施形態では、余剰の絶縁部材32の凹部35への流出が可能となるように、蓋体5Bの下面5Baと絶縁部材32との間にクリアランスが設けられている。このクリアランスは、端子ボックス5が高温になった場合であっても、絶縁部材32の膨張による端子ボックス5の破損を低減できる。なお、本実施形態における本体5Aの壁部27の厚みは1〜4mm程度、第2面34の幅は1〜2mm程度、凹部35の幅は2〜5mm程度であればよい。
≪太陽電池モジュールの製造方法≫
本実施形態に係る太陽電池モジュール1の製造方法について説明する。
まず、複数の太陽電池素子2を準備する。次に、複数の太陽電池素子2同士を接続部材12で接続し、例えば6つのストリング13(ストリング13a〜13f)を作製する。
次に、各ストリング13a〜13fを太陽電池素子2の第2面2b側を上にした状態で、3〜10mm程度の間隔をあけて、略平行に配置し、ストリング13aと〜13fのうち、隣り合う一対のストリング13の一端部に位置している太陽電池素子2に接続された接続部材12同士と配線部材14bをハンダ付けにて接続する。
次いで、ストリング13bおよびストリング13cの他端部に位置する各太陽電池素子2と接続された接続部材12同士と配線部材14aをハンダ付けにて接続する。同様に、ストリング13dおよびストリング13eの他端部に位置する各太陽電池素子2と接続された接続部材12同士にも配線部材14aを接続する。
次に、図5に示すように、配線部材14aの各々の端部にバイパス線18をハンダで接続する。次いで、バイパス線18と太陽電池素子2の間に保護シート部材19を配置する。次に、配線部材14a上に絶縁シート部材16を配置する。
次いで、複数のストリング13のうち、両端に位置するストリング(ストリング13aおよびストリング13f)の太陽電池素子2t1、2t2に接続される接続部材12の下に配線材15を配置する。このとき、平面視して、配線材15は絶縁シート部材16を介して、配線部材14aの一部と重なるように配置する。次いで、太陽電池素子2t1、2t2と接続された接続部材12と配線材15とをハンダで接続する。また、配線材15の各々の端部に出力導出線17をハンダで接続する。
次に、上述の透光性基板20、表面側充填材21及び裏面側充填材22、裏面シート23を準備する。その後、図6に示すように、透光性基板20上に表面側充填材21を配置した後、表面側充填材21上に配線部材14a、14bおよび配線材15が接続されたストリング13a〜13fを配置し、さらにその上に裏面側充填材22、裏面シート23を順次積層して積層体24を作製する。
次いで、この積層体をラミネート装置にセットし、減圧下にて加圧しながら100〜200℃で例えば15分間〜1時間加熱することにより、太陽電池パネル3を作製できる。その後、太陽電池パネル3の外周部にフレーム4、裏側に位置する一主面上(裏面1b)に上述の端子ボックス5を取り付けて、出力導出線17およびバイパス線18と端子部30とをハンダで電気的に接続する。次に、端子部30にリード部材6をハンダで電気的に接続する。その後、ディスペンサーなどを用いて絶縁部材32を位置決め部31の上端部31Jが隠れるまで端子ボックスの本体5A内部に注入する。次いで、蓋体5Bを取り付けた後に、室温または加熱炉にて50〜100℃程度に加熱することによって絶縁部材32を硬化させる。以上の工程より、太陽電池モジュール1が完成する。
このように、本実施形態に係る太陽電池モジュール1では、上述したように、端子ボックス5の信頼性を高めることができるため、太陽電池モジュール1の長期的な信頼性を向上させることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で多くの修正及び変更を加えることができる。例えば太陽電池モジュールに用いられる太陽電池素子は、第2面2b側にプラス側、マイナス側の両電極を配置したバックコンタクト型の太陽電池素子やカルコゲン化合物半導体を用いたような薄膜太陽電池素子を用いたものでも応用
可能であり、さらに太陽電池素子2の電極と接続部材12の接続や、接続部材12、配線材15、出力導出線17やバイパス線18間などの各接続は、ハンダ付けの他、銀や銅の良導電性フィラーをエポキシ樹脂やフェノール樹脂、シリコーン樹脂などに混ぜ込んだ導電性接着剤などを用いて行ってもよい。
1:太陽電池モジュール
1a:表面
1b:裏面
2、2t1、2t2:太陽電池素子
2a:第1面
2b:第2面
3:太陽電池パネル
4:フレーム
5:端子ボックス
5A:本体
5B:蓋体
5Ba:下面
5Bb:外周部
6:リード部材
7:基板
8:第1表面電極
9:第2表面電極
10:第1裏面電極
11:第2裏面電極
12:接続部材
13、13a〜13f:ストリング
14a、14b:配線部材
15:配線材
16:絶縁シート部材
17:出力導出線
18:バイパス線
19:保護シート部材
20:透光性基板
21:表面側充填材
22:裏面側充填材
23:裏面シート
24:積層体
25:バイパスダイオード
26:スリット
27:壁部
28:底面部
29:貫通部
30:端子部
31:位置決め部
32:絶縁部材
33:第1面
34:第2面
35:凹部

Claims (6)

  1. 端子部と、
    開口部、前記端子部および前記開口部を囲う壁部を有する本体と、
    前記開口部を覆うように前記壁部上に配置された蓋体と、備え、
    前記壁部は、前記蓋体の下面が配置される第1面と、該第1面よりも下方に位置する内側面に設けられており、前記壁部に囲われた前記本体の内部において前記端子部を覆うように充填される絶縁部材の上面の位置決めをする位置決め部とを有する、端子ボックス。
  2. 前記位置決め部は、前記壁部の内側面から前記本体の内部に向かって突出する凸部である、請求項1に記載の端子ボックス。
  3. 前記凸部は、該凸部の先端部において、前記壁部と離れるように下方に傾斜する傾斜面を有している、請求項2に記載の端子ボックス。
  4. 前記壁部は、互いに対向する第1壁部および第2壁部と、前記第1壁部および前記第2壁部と連結された第3壁部と、前記第1壁部および前記第2壁部と連結されるとともに、前記第3壁部に対向する第4壁部とを有しており、
    前記位置決め部は、前記第1乃至第4壁部の全てに設けられている、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の端子ボックス。
  5. 前記壁部は、前記第1面よりも下方に位置し、且つ前記位置決め部よりも上方に位置するとともに、前記蓋体の下面に接触しない第2面と、前記第1面と第2面との間に位置する凹部とを有する、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の端子ボックス。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の端子ボックスと、
    一主面に前記端子ボックスが配置された太陽電池パネルと、
    該太陽電池パネルおよび前記端子部に電気的に接続された出力導体と、
    前記端子部に電気的に接続されたリード部材と、を備えた太陽電池モジュール。
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