JP2016072497A - 加速電圧ドリフトの補正方法、荷電粒子ビームのドリフト補正方法、及び荷電粒子ビーム描画装置 - Google Patents

加速電圧ドリフトの補正方法、荷電粒子ビームのドリフト補正方法、及び荷電粒子ビーム描画装置 Download PDF

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Abstract

【目的】加速電圧のドリフトを補正可能な方法を提供することを目的とする。【構成】本発明の一態様の加速電圧ドリフトの補正方法は、荷電粒子ビームの焦点位置が第1の調整値によって調整された後、所定の期間経過後に、改めて荷電粒子ビームの焦点位置を調整した場合の第2の調整値を測定する工程と、第1と第2の調整値とのずれ量を演算する工程と、記憶装置に記憶された相関関係を用いて、ずれ量に対応する、荷電粒子ビームを放出するビーム源に印加される加速電圧の補正値を演算する工程と、補正値を用いて、ビーム源に印加される加速電圧を補正する工程と、を備えたことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、加速電圧ドリフトの補正方法、荷電粒子ビームのドリフト補正方法、及び荷電粒子ビーム描画装置に係り、例えば、電子ビーム描画装置におけるビーム源に印加する加速電圧のドリフト補正を行う手法に関する。
半導体デバイスの微細化の進展を担うリソグラフィ技術は半導体製造プロセスのなかでも唯一パターンを生成する極めて重要なプロセスである。近年、LSIの高集積化に伴い、半導体デバイスに要求される回路線幅は年々微細化されてきている。これらの半導体デバイスへ所望の回路パターンを形成するためには、高精度の原画パターン(レチクル或いはマスクともいう。)が必要となる。ここで、電子線(電子ビーム)描画技術は本質的に優れた解像性を有しており、高精度の原画パターンの生産に用いられる。
図10は、可変成形型電子線描画装置の動作を説明するための概念図である。
可変成形型電子線(EB:Electron beam)描画装置は、以下のように動作する。第1のアパーチャ410には、電子線330を成形するための矩形の開口411が形成されている。また、第2のアパーチャ420には、第1のアパーチャ410の開口411を通過した電子線330を所望の矩形形状に成形するための可変成形開口421が形成されている。荷電粒子ソース430から照射され、第1のアパーチャ410の開口411を通過した電子線330は、偏向器により偏向され、第2のアパーチャ420の可変成形開口421の一部を通過して、所定の一方向(例えば、X方向とする)に連続的に移動するステージ上に搭載された試料340に照射される。すなわち、第1のアパーチャ410の開口411と第2のアパーチャ420の可変成形開口421との両方を通過できる矩形形状が、X方向に連続的に移動するステージ上に搭載された試料340の描画領域に描画される。第1のアパーチャ410の開口411と第2のアパーチャ420の可変成形開口421との両方を通過させ、任意形状を作成する方式を可変成形方式(VSB方式)という。
描画装置では、電子銃のカソードに高圧電源から加速電圧を印加することで電子ビームを放出している。かかる高圧電源に起因して加速電圧が仕様値内の微小な変動ではあるが長期的な時間の経過に伴ってドリフトを生じる場合がある。加速電圧の変化によってビームの照射位置がずれる等の報告されている(例えば、特許文献1参照)。ドリフトが生じている加速電圧は、高電圧であり、描画装置の運用中に加速電圧の微小な変動を高精度に測定するは困難であった。よって、加速電圧の微小なドリフト自体を補正することが困難であるといった問題があった。そのため、従来、加速電圧のドリフト自体を補正する代わりに、定期的に各種のビーム調整を実施することでかかる加速電圧ドリフトに起因したビーム変動を補正することによって描画精度を維持していた。しかしながら、複数の調整項目により実施されるかかる各種のビーム調整には時間がかかり、描画装置のスループットに影響を及ぼしていた。
再表2009/136441号公報
そこで、本発明は、上述した問題点を克服し、加速電圧のドリフトを補正可能な方法および描画装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様の加速電圧ドリフトの補正方法は、
荷電粒子ビームの焦点位置が第1の調整値によって調整された後、所定の期間経過後に、改めて荷電粒子ビームの焦点位置を調整した場合の第2の調整値を測定する工程と、
第1と第2の調整値とのずれ量を演算する工程と、
記憶装置に記憶された相関関係を用いて、ずれ量に対応する、荷電粒子ビームを放出するビーム源に印加される加速電圧の補正値を演算する工程と、
補正値を用いて、ビーム源に印加される加速電圧を補正する工程と、
を備えたことを特徴とする。
本発明の他の態様の加速電圧ドリフトの補正方法は、
荷電粒子ビームの偏向領域が所定の偏向領域形状になるように荷電粒子ビームの偏向感度が調整された後、所定の期間経過後に、改めて荷電粒子ビームの偏向感度を測定する工程と、
所定の偏向領域形状からの、測定された偏向感度のずれ量を演算する工程と、
記憶装置に記憶された相関関係を用いて、ずれ量に対応する、荷電粒子ビームを放出するビーム源に印加される加速電圧の補正値を演算する工程と、
前記補正値を用いて、前記ビーム源に印加される加速電圧を補正する工程と、
を備えたことを特徴とする。
本発明の一態様の荷電粒子ビームのドリフト補正方法は、
荷電粒子ビームの焦点位置が第1の調整値によって調整された後、所定の期間経過後に、改めて荷電粒子ビームの焦点位置を調整した場合の第2の調整値を測定する工程と、
第1と第2の調整値とのずれ量を演算する工程と、
記憶装置に記憶された相関関係を用いて、ずれ量に対応する、荷電粒子ビームを放出するビーム源に印加される加速電圧の補正値を演算する工程と、
補正値を用いて、ビーム源に印加される加速電圧を補正する工程と、
を備えたことを特徴とする。
本発明の他の態様の荷電粒子ビームのドリフト補正方法は、
荷電粒子ビームの偏向領域が所定の偏向領域形状になるように荷電粒子ビームの偏向感度が調整された後、所定の期間経過後に、改めて荷電粒子ビームの偏向感度を測定する工程と、
所定の偏向領域形状からの、測定された偏向感度のずれ量を演算する工程と、
記憶装置に記憶された相関関係を用いて、ずれ量に対応する、荷電粒子ビームを放出するビーム源に印加される加速電圧の補正値を演算する工程と、
補正値を用いて、ビーム源に印加される加速電圧を補正する工程と、
を備えたことを特徴とする。
本発明の一態様の荷電粒子ビーム描画装置は、
焦点位置が第1の調整値によって調整された荷電粒子ビームを用いて試料にパターンを描画する描画部と、
荷電粒子ビームの焦点位置が第1の調整値によって調整された後、所定の期間経過後に、改めて荷電粒子ビームの焦点位置を調整した場合の第2の調整値を測定する測定部と、
第1と第2の調整値とのずれ量を演算するずれ量演算部と、
前記ずれ量と加速電圧の補正値との相関関係を記憶する記憶部と、
記憶部に記憶された相関関係を用いて、演算されたずれ量に対応する、荷電粒子ビームを放出するビーム源に印加される加速電圧の補正値を演算する補正値演算部と、
補正値を用いて、ビーム源に印加される加速電圧を補正する補正部と、
を備えたことを特徴とする。
本発明の一態様によれば、加速電圧のドリフトを補正できる。よって、加速電圧の長期的な安定を図ることができる。
実施の形態1における描画装置の構成を示す概念図である。 実施の形態1における電子銃と高圧電源回路の回路構成の一例を示す図である。 実施の形態1における加速電圧ドリフトの補正方法の要部工程を示すフローチャート図である。 実施の形態1における電子鏡筒内の圧力と時刻との関係の一例を示している。 実施の形態1におけるフォーカス位置のずれを説明するためのグラフの一例である。 実施の形態1における相関テーブルの一例を示す図である。 実施の形態1におけるフォーカスずれと経過時間との関係を示す図である。 実施の形態2における加速電圧ドリフトの補正方法の要部工程を示すフローチャート図である。 実施の形態2における偏向感度測定を説明するための図である。 可変成形型電子線描画装置の動作を説明するための概念図である。
以下、実施の形態では、荷電粒子ビームの一例として、電子ビームを用いた構成について説明する。但し、荷電粒子ビームは、電子ビームに限るものではなく、イオンビーム等の荷電粒子を用いたビームでも構わない。また、荷電粒子ビーム装置の一例として、可変成形型の描画装置について説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における描画装置の構成を示す概念図である。図1において、描画装置100は、描画部150と制御部160を備えている。描画装置100は、荷電粒子ビーム描画装置の一例である。特に、可変成形型の描画装置の一例である。描画部150は、電子鏡筒102と描画室103を備えている。電子鏡筒102内には、電子銃201、照明レンズ202、ブランキング偏向器212、ブランキングアパーチャ214、第1のアパーチャ203、投影レンズ204、偏向器205、第2のアパーチャ206、対物レンズ207、検出器216、主偏向器208及び副偏向器209が配置されている。描画室103内には、ステージ105が配置される。ステージ105は、水平方向(x,y方向)に移動が可能なXYステージ106と、XYステージ106上に配置され上下方向(x方向)に移動が可能なZステージ107とを有している。Zステージ107は、XYステージ106上面全面ではなく、一部の領域を残して配置されている。Zステージ107上には、レジストが塗布された、描画対象となるマスク等の試料101が配置される。試料101には、半導体装置を製造する際の露光用マスクが含まれる。また、試料101には、レジストが塗布された、まだ何も描画されていないマスクブランクスが含まれる。また、Zステージ107とは異なるXYステージ106上の領域には、例えば棒状のサポート部材108が配置され、サポート部材108上にマーク109が配置される。Zステージ107上に試料101が配置された状態で、Zステージ107の移動によって試料101上面がマーク109の上面と同じ高さ位置にすることが可能な高さ位置にマーク109の上面高さ位置は配置(固定)されている。
制御部160は、制御計算機110、メモリ112、偏向制御回路120、レンズ制御回路130、DAC(デジタル・アナログコンバータ)アンプ132、アンプ134、磁気ディスク装置等の記憶装置140,142,144、及び高圧電源回路170を有している。制御計算機110、メモリ112、偏向制御回路120、レンズ制御回路130、アンプ134、記憶装置140,142,144、及び高圧電源回路170は、図示しないバスを介して接続されている。
制御計算機110内には、描画データ処理部50、描画制御部52、測定部54、ずれ量演算部56、補正値演算部58、及び補正部60が配置される。描画データ処理部50、描画制御部52、測定部54、ずれ量演算部56、補正値演算部58、及び補正部60といった機能は、電気回路等のハードウェアで構成されてもよいし、これらの機能を実行するプログラム等のソフトウェアで構成されてもよい。或いは、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせにより構成されてもよい。描画データ処理部50、描画制御部52、測定部54、ずれ量演算部56、補正値演算部58、及び補正部60に入出力される情報および演算中の情報はメモリ112にその都度格納される。
ここで、図1では、実施の形態1を説明する上で必要な構成を記載している。描画装置100にとって、通常、必要なその他の構成を備えていても構わない。例えば、位置偏向(対物偏向)用には、主偏向器208と副偏向器209の主副2段の多段偏向器を用いているが、1段の偏向器或いは3段以上の多段偏向器によって位置偏向を行なう場合であってもよい。また、描画装置100には、マウスやキーボード等の入力装置、モニタ装置、及び外部インターフェース回路等が接続されていても構わない。
図2は、実施の形態1における電子銃と高圧電源回路の回路構成の一例を示す図である。高圧電源回路170内では、加速電圧電源62とウェネルト用電源64とヒータ用電源66とが配置される。加速電圧電源62の陰極(−)側が、電子銃201内でヒータ79を介してカソード10に接続される。加速電圧電源62の陽極(+)側は、電子銃201内のアノード電極74に接続されると共に接地されている。また、加速電圧電源62の陽極(+)とアノード電極74との間に電流計70が直列に接続されている。また、加速電圧電源62の陰極(−)は、ウェネルト用電源64の陽極(+)にも分岐して接続され、ウェネルト用電源64の陰極(−)は、カソード10とアノード電極74との間に配置されたウェネルト電極76に接続される。ヒータ用電源66は、ヒータ79に接続される。そして、電子ビーム放出時には、電子銃201の配置雰囲気が図示しない真空ポンプによって所定の圧力の真空状態に維持された後、ウェネルト電極76にウェネルト用電源64から一定の負のウェネルト電圧(バイアス電圧)が印加され、カソード10に加速電圧電源62から一定の負の加速電圧が印加された状態で、ヒータ79によりカソード10を加熱すると、カソード10から電子(電子群)が放出され、放出電子(電子群)は加速電圧によって加速されて電子ビームとなってアノード電極74に向かって進む。
ここで、加速電圧が変動すると、これに起因にして電子ビーム200の焦点がずれる。言い換えれば、加速電圧とビームの焦点との間には相関関係がある。そこで、実施の形態1では、微細変動の測定が困難な加速電圧に代わって、焦点ずれを測定し、かかる相関関係を用いて、ビームの焦点ずれから加速電圧の変動(ドリフト)を補正する。かかる加速電圧ドリフトを補正することで加速電圧に起因するビームドリフト(ビーム変動)を補正することにつながる。
そこで、描画処理を開始する前に、予め、実験等により加速電圧とビームの焦点との間の相関関係を求めておく。具体的には、電子ビーム200の焦点位置は対物レンズ207によって調整される。そこで、加速電圧を変動させて、あえて焦点ずれを生じさせ、レンズ制御回路130によって対物レンズ207を制御して所望の位置へと電子ビームの焦点を合わせるための対物レンズ207に出力される例えば電流値或いは電圧値といったレンズ値(調整値)のずれ量を測定する。このようにして、加速電圧の変動量と、焦点を合わせるためのレンズ値(調整値)のずれ量との関係を求める。かかる関係から、焦点を合わせるためのレンズ値(調整値)のずれ量と加速電圧の変動を補正する例えば電圧値等の補正値との相関テーブル(相関関係)を作成する。作成された相関テーブルは、記憶装置144に格納しておく。ここでは、一例として相関テーブルを用いたが、これに限るものではない。相関関係データは、テーブルの他、例えば、変換式等であっても構わない。
図3は、実施の形態1における加速電圧ドリフトの補正方法の要部工程を示すフローチャート図である。図3において、実施の形態1における加速電圧ドリフトの補正方法は、フォーカス(焦点)測定工程(S102)と、フォーカスずれ量演算工程(S106)と、補正値演算工程(S108)と、加速電圧補正工程(S110)と、いう一連の工程を実施する。
描画装置100の立ち上げ時には、各種ビーム調整が実施される。よって、加速電圧自体も初期値通りドリフトが生じていない状態となる。高圧電源回路170内の加速電圧電源62に、例えば、−50kVの加速電圧が設定される。また、レンズ制御回路130はレンズ値1(第1の調整値)で対物レンズ207を制御して所望の位置へと電子ビーム200の焦点を合わせている。かかる状態で試料101にパターンを描画する描画処理が実行される。ここで、描画に当って、まず、描画装置100は以下のように動作する。まず、描画データ処理部50は、記憶装置140から描画対象チップのパターンデータ(描画データ)を読み出し、複数段のデータ変換処理を行って装置固有のショットデータを生成する。チップのパターンデータには、少なくとも1つ以上の図形パターンが定義される。しかしながら、描画装置100で図形パターンを描画するためには、1回のビームのショットで照射できるサイズにチップのパターンデータに定義された図形パターンを分割する必要がある。そこで、描画データ処理部50は、実際に描画するために、各図形パターンを1回のビームのショットで照射できるショットサイズに分割してショット図形を生成する。そして、ショット図形毎にショットデータを生成する。ショットデータには、例えば、図形種、図形サイズ、及び照射位置といった図形データが定義される。その他、照射量に応じた照射時間が定義される。生成されたショットデータは記憶装置142に格納される。
描画装置100では、試料101の描画領域が、主偏向器208の偏向可能幅で、例えばy方向に向かって短冊状に複数のストライプ領域に仮想分割される。また、各ストライプ領域は、副偏向器209の偏向可能サイズで、メッシュ状に複数のサブフィールド(SF)(小領域)に仮想分割される。そして、各SFの各ショット位置に対応するショット図形が描画される。
描画装置100では、かかる複数段の偏向器を用いて、ストライプ領域毎に描画処理を進めていく。ここでは、一例として、主偏向器208、及び副偏向器209といった2段偏向器が用いられる。ステージ105が例えば−x方向に向かって連続移動しながら、1番目のストライプ領域についてx方向に向かって描画を進めていく。そして、1番目のストライプ領域の描画終了後、同様に、或いは逆方向に向かって2番目のストライプ領域の描画を進めていく。以降、同様に、3番目以降のストライプ領域の描画を進めていく。そして、主偏向器208が、XYステージ105の移動に追従するように、SFの基準位置に電子ビーム200を順に偏向する。また、副偏向器209が、各SFの基準位置から当該SF30内に照射されるビームの各ショット位置に電子ビーム200を偏向する。このように、主偏向器208、及び副偏向器209は、サイズの異なる偏向領域をもつ。
偏向制御回路120は、ショットデータに定義される位置に応じて主偏向データ、及び副偏向データを生成する。同様に、ショットデータ或いは別途用意される照射時間データ(照射量データ)に基づいて、ブランキングデータを生成する。同様に、ショットデータに定義される図形種およびサイズに応じて成形データを生成する。主偏向データは、DACアンプ132に出力される。副偏向データは、図示しない副偏向用のDACアンプに出力する。ブランキングデータは、図示しないブランキング制御用のDACアンプに出力する。成形データは、図示しないビーム成形用のDACアンプに出力する。
そして、図示しないブランキング制御用のDACアンプでは、デジタル信号をアナログ信号に変換し、増幅させた上で偏向電圧として、ブランキング偏向器212に印加する。かかる偏向電圧によって電子ビーム200が偏向させられ、ビームONとビームOFFの切り替えが行われ、これにより各ショットのビームが形成される。
図示しない成形偏向制御用のDACアンプでは、デジタル信号をアナログ信号に変換し、増幅させた上で偏向電圧として、偏向器205に印加する。かかる偏向電圧によって電子ビーム200が偏向させられ、第1のアパーチャ203を通過した電子ビーム200の第2のアパーチャ206の開口部通過位置が制御され、これにより各ショットのビームが可変成形される。
DACアンプ132では、デジタル信号をアナログ信号に変換し、増幅させた上で偏向電圧として、主偏向器208に印加する。かかる偏向電圧によって電子ビーム200が偏向させられ、各ショットのビームがメッシュ状に仮想分割された所定のサブフィールド(SF)の基準位置に偏向される。
図示しない副偏向用のDACアンプでは、デジタル信号をアナログ信号に変換し、増幅させた上で偏向電圧として、副偏向器209に印加する。かかる偏向電圧によって電子ビーム200が偏向させられ、各ショットのビームがメッシュ状に仮想分割された所定のサブフィールド(SF)内の各ショット位置に偏向される。
以上のように、偏向制御回路120から制御された各DACアンプからの信号に基づいて、描画部150は、電子ビーム200を用いて、当該図形パターンを試料100に描画する。具体的には、以下のように動作する。
電子銃201(放出部)から放出された電子ビーム200は、ブランキング偏向器212内を通過する際にブランキング用のDACアンプからの偏向信号によって制御されるブランキング偏向器212によって、ビームONの状態では、ブランキングアパーチャ214を通過するように制御され、ビームOFFの状態では、ビーム全体がブランキングアパーチャ214で遮へいされるように偏向される。ビームOFFの状態からビームONとなり、その後ビームOFFになるまでにブランキングアパーチャ214を通過した電子ビーム200が1回の電子ビームのショットとなる。ブランキング偏向器212は、通過する電子ビーム200の向きを制御して、ビームONの状態とビームOFFの状態とを交互に生成する。例えば、ビームONの状態では電圧を印加せず、ビームOFFの際にブランキング偏向器212に電圧を印加すればよい。かかる各ショットの照射時間tで試料101に照射される電子ビーム200のショットあたりの照射量が調整されることになる。
以上のようにブランキング偏向器212とブランキングアパーチャ214を通過することによって生成された各ショットの電子ビーム200は、照明レンズ202により矩形の穴を持つ第1の成形アパーチャ203全体を照明する。ここで、電子ビーム200をまず矩形に成形する。そして、第1の成形アパーチャ203を通過した第1のアパーチャ像の電子ビーム200は、投影レンズ204により第2の成形アパーチャ206上に投影される。偏向器205によって、かかる第2の成形アパーチャ206上での第1のアパーチャ像は偏向制御され、ビーム形状と寸法を変化させる(可変成形を行なう)ことができる。かかる可変成形はショット毎に行なわれ、通常ショット毎に異なるビーム形状と寸法に成形される。そして、第2の成形アパーチャ206を通過した第2のアパーチャ像の電子ビーム200は、対物レンズ207により焦点を合わせ(合焦し)、主偏向器208及び副偏向器209によって偏向され、連続的に移動するXYステージ105に配置された試料101の所望する位置に照射される。図1では、位置偏向に、主副2段の多段偏向を用いた場合を示している。かかる場合には、主偏向器208でSF30の基準位置にステージ移動に追従しながら該当ショットの電子ビーム200を偏向し、副偏向器209でSF内の各照射位置にかかる該当ショットのビームを偏向すればよい。かかる動作を繰り返し、各ショットのショット図形を繋ぎ合わせることで、所望のパターンを描画する。かかる描画動作は、ストライプ毎に実施される。
以上のような描画動作を繰り返し実施していく中で、時間の経過に伴って、高圧電源回路170から電子銃201へと印加される加速電圧に微小な変動(ドリフト)が生じる。
フォーカス(焦点)測定工程(S102)として、測定部54は、電子ビーム200の焦点位置がレンズ値1(第1の調整値)によって調整された後、所定の期間経過後に、改めて電子ビーム200の焦点位置を調整した場合のレンズ値2(第2の調整値)を測定する。
図4は、実施の形態1におけるフォーカス調整の仕方を説明するための概念図である。予め固定マーク109上で電子ビーム200のフォーカスを調整しておく。調整は対物レンズ207の励磁で行えばよい。
図5は、実施の形態1におけるフォーカス位置のずれを説明するためのグラフの一例である。図5において、縦軸はビーム径、横軸はフォーカス位置を示している。図5では、フォーカス位置「0」がマーク109でフォーカス調整された基準位置を示している。調整されるフォーカス位置はマーク109でビーム径が最も小さくなる変曲点に合わせる。ビーム径は、マーク109に照射した電子ビーム200の反射電子或いは2次電子を検出器216で測定し、測定結果から演算すればよい。
描画時は、試料101表面(描画面)と固定マーク109の表面との高さが一致するようにZステージ107をZ方向にΔZ移動させることになる。例えば、図示しないZセンサで試料101面とマーク109表面の高さ位置を測定し、試料101面の高さ位置をマーク109表面の高さ位置に合わせるようにZステージ107で移動させればよい。元々のレンズ値1(励磁値1)で調整されていた焦点位置は、経時変化によりずれ、かかる焦点ずれ(フォーカスずれ)を無くすようにフォーカス調整により改めてレンズ値2(励磁値2)で調整される。
フォーカスずれ量演算工程(S106)として、ずれ量演算部56は、レンズ値1(励磁値1:第1の調整値)とレンズ値2(励磁値2:第2の調整値)とのずれ量(差分)を演算する。
補正値演算工程(S108)として、補正値演算部58は、記憶装置144(記憶部)から相関テーブル(相関関係を)を読み出し、記憶装置144に記憶された相関テーブルを用いて、レンズ値のずれ量に対応する、電子ビーム200を放出する電子銃201(ビーム源)に印加される加速電圧の補正値を演算する。
図6は、実施の形態1における相関テーブルの一例を示す図である。図6において、レンズ値の各ずれ量に対応する加速電圧の補正値が定義される。補正値演算部58は、レンズ値のずれ量に対応する加速電圧の補正値を読み出せばよい。ちょうど対応するずれ量が相関テーブルに定義されていない場合には、相関テーブルに定義された前後のずれ量に対応する加速電圧の補正値を線形補間する演算等を行って、所望の加速電圧の補正値を取得すればよい。
加速電圧補正工程(S110)として、補正部60は、取得された補正値を用いて、電子銃201に印加される加速電圧を補正する補正制御信号を生成し、高圧電源回路170に出力する。高圧電源回路170(補正部の一例)内では、加速電圧電源62が、入力された補正制御信号に対応する電圧を加速電圧に加算することで補正する。そして、電子銃201には補正後の加速電圧が印加される。例えば、数V〜数1000Vの補正電圧が加算されることになる。補正電圧の正負の極性はずれ量によって変わればよい。以降の描画処理は、補正された加速電圧が印加された電子銃201から放出された電子ビーム200を用いて実行されることになる。電圧計での加速電圧変動の測定が困難であっても、電圧印加側である加速電圧電源62によって印加電圧を調整することでドリフト分を補正できる。
加速電圧の補正後は、フォーカス(焦点)測定工程(S102)を再度実行して、フォーカスずれが補正されているかどうかを確認しておくとよい。フォーカスは加速電圧ドリフト以外の原因によって変動する。しかし、加速電圧を補正することでフォーカスずれが一部でも補正されれば加速電圧ドリフトに起因するフォーカスずれが補正されていることがわかる。また、フォーカスずれが一部でも補正されていれば逆に加速電圧ドリフトが補正されていることがわかる。
図7は、実施の形態1におけるフォーカスずれと経過時間との関係を示す図である。図7に示すように、時間の経過に伴ってフォーカスずれ量が大きくなるが、加速電圧のドリフト補正を行うことでリセットできる。加速電圧のドリフト補正を行う頻度(周期)は、フォーカスずれ量が許容値を超える前に行うように調整されると好適である。例えば、数週間或いは数ヶ月等の単位で実施されると良い。
以上により、実施の形態1では、加速電圧のドリフトを補正できる。よって、加速電圧の長期的な安定を図ることができる。その結果、複数の調整項目で実施される各種のビーム調整の実施頻度を減らすことができる。また、フォーカスずれ調整により加速電圧のドリフトを補正できるので、調整項目が従来に比べて大幅に減らすことができ、スループットの劣化を抑制できる。かかる加速電圧のドリフト補正は、ビームドリフト補正にもなる。
実施の形態2.
実施の形態1では、加速電圧とビームの焦点との間の相関関係に着目して、加速電圧のドリフトを補正する構成について説明した。但し、かかる場合に限るものではない。実施の形態2では、加速電圧と偏向器によるビームに偏向感度との間の相関関係に着目する構成について説明する。描画装置100の構成は図1と同様である。また、以下、特に説明する点以外の内容は実施の形態1と同様で構わない。
電子ビーム200の焦点ずれの他に、加速電圧が変動すると、これに起因にして偏向器によるビームに偏向感度がずれる。言い換えれば、加速電圧とビームの偏向感度との間には相関関係がある。そこで、実施の形態2では、微細変動の測定が困難な加速電圧に代わって、偏向感度ずれを測定し、かかる相関関係を用いて、ビームの偏向感度ずれから加速電圧の変動(ドリフト)を補正する。かかる加速電圧ドリフトを補正することで加速電圧に起因するビームドリフト(ビーム変動)を補正することにつながる。
そこで、描画処理を開始する前に、予め、実験等により加速電圧とビームの偏向感度との間の相関関係を求めておく。具体的には、電子ビーム200は、例えば、主偏向器208によって主偏向器208の偏向領域内の所望のSFの基準位置へと偏向される。そこで、加速電圧を変動させて、あえて偏向感度ずれを生じさせ、偏向制御回路120によって主偏向器208を制御して偏向領域内の複数の位置へと電子ビーム200を偏向する際の偏向位置を測定して、偏向可能な偏向領域形状を取得する。そして、かかる偏向位置のずれ量(偏向領域形状のずれ量:偏向感度ずれ量)を測定する。このようにして、加速電圧の変動量と、偏向感度のずれ量との関係を求める。かかる関係から、偏向感度のずれ量と加速電圧の変動を補正する例えば電圧値等の補正値との相関テーブル(相関関係)を作成する。作成された相関テーブルは、記憶装置144に格納しておく。ここでは、一例として相関テーブルを用いたが、これに限るものではない。相関関係データは、テーブルの他、例えば、変換式等であっても構わない。
図8は、実施の形態2における加速電圧ドリフトの補正方法の要部工程を示すフローチャート図である。図8において、実施の形態2における加速電圧ドリフトの補正方法は、偏向感度測定工程(S103)と、偏向感度ずれ量演算工程(S107)と、補正値演算工程(S108)と、加速電圧補正工程(S110)と、いう一連の工程を実施する。
描画装置100の立ち上げ時には、各種ビーム調整が実施される。よって、加速電圧自体も初期値通りドリフトが生じていない状態となる。高圧電源回路170内の加速電圧電源62に、例えば、−50kVの加速電圧が設定される。また、偏向制御回路120では、例えば主偏向器208による電子ビーム200の偏向領域が例えば矩形(所定の偏向領域形状)になるように偏向位置を補正する、ひいては偏向量を補正することで電子ビームの偏向感度を調整しておく。主偏向器208の代わりに副偏向器209の偏向感度を用いてもよい。かかる状態で試料101にパターンを描画する描画処理が実行される。
実施の形態1と同様の描画動作を繰り返し実施していく中で、時間の経過に伴って、高圧電源回路170から電子銃201へと印加される加速電圧に微小な変動(ドリフト)が生じる。
偏向感度測定工程(S103)として、測定部54は、電子ビーム200の偏向領域が例えば矩形(所定の偏向領域形状)になるように電子ビーム200の偏向感度が調整された後、所定の期間経過後に、改めて電子ビーム200の偏向感度を測定する。
図9は、実施の形態2における偏向感度測定を説明するための図である。主偏向器208の矩形の偏向領域の4隅の位置にマーク109が配置されるようにステージ105を順に移動させる。各マーク位置にて主偏向器208にて電子ビーム200を偏向し、マーク109上を走査(スキャン)する。そして、走査時の反射電子或いは2次電子を検出器216で検出する。検出信号はアンプ134に送信され、増幅されて、アナログ信号からデジタル信号へと変換された後、測定部54に送信される。測定部54は、かかる検出信号からマーク109の検出位置を演算する。測定部54は、主偏向器208の矩形の偏向領域の4隅の位置で測定された各位置から偏向領域形状を演算すればよい。偏向歪により偏向領域の形状は図9に示すように矩形からずれた形状となる。偏向領域の4隅以外の複数の位置で測定することで高精度な偏向領域形状を取得できる。かかる偏向領域形状を把握できれば所望の偏向位置と実際の偏向位置との差がわかるので偏向感度が得られる。
偏向感度ずれ量演算工程(S107)として、ずれ量演算部56は、主偏向器208の例えば矩形の偏向領域形状(所定の偏向領域形状)からの、測定された偏向感度のずれ量を演算する。ここでは、偏向領域の基準点、例えば、図9に示すように左下の角部の1点についてずれ量を演算する。x方向のずれ量とy方向のずれ量とが得られるので、ずれ量として、例えば、矩形の左下の角部Oの1点から歪んだ偏向領域形状左下の角部相当位置O’の1点までのベクトル量を演算する。
補正値演算工程(S108)として、補正値演算部58は、記憶装置144に記憶された相関関係を用いて、ずれ量に対応する、電子ビーム200を放出する電子銃201に印加される加速電圧の補正値を演算する。加速電圧補正工程(S110)の内容は実施の形態1と同様である。
加速電圧の補正後は、偏向感度測定工程(S103)を再度実行して、偏向感度ずれが補正されているかどうかを確認しておくとよい。偏向感度は加速電圧ドリフト以外の原因によって変動する。しかし、加速電圧を補正することで偏向感度ずれが一部でも補正されれば加速電圧ドリフトに起因する偏向感度ずれが補正されていることがわかる。また、偏向感度ずれが一部でも補正されていれば、逆に加速電圧ドリフトが補正されていることがわかる。
加速電圧のドリフト補正を行う頻度(周期)は、偏向感度ずれ量が許容値を超える前に行うように調整されると好適である。例えば、数週間或いは数ヶ月等の単位で実施されると良い。
以上により、実施の形態2では、加速電圧のドリフトを補正できる。よって、加速電圧の長期的な安定を図ることができる。その結果、複数の調整項目で実施される各種のビーム調整の実施頻度を減らすことができる。また、偏向感度ずれ測定により加速電圧のドリフトを補正できるので、調整項目が従来に比べて大幅に減らすことができ、スループットの劣化を抑制できる。かかる加速電圧のドリフト補正は、ビームドリフト補正にもなる。
以上、具体例を参照しつつ実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
また、装置構成や制御手法等、本発明の説明に直接必要しない部分等については記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いることができる。例えば、描画装置100を制御する制御部構成については、記載を省略したが、必要とされる制御部構成を適宜選択して用いることは言うまでもない。
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全ての加速電圧ドリフトの補正方法、荷電粒子ビームのドリフト補正方法、及び荷電粒子ビーム描画装置は、本発明の範囲に包含される。
10 カソード
50 描画データ処理部
52 描画制御部
54 測定部
56 ずれ量演算部
58 補正値演算部
60補正部
62 加速電圧電源
64 ウェネルト用電源
66 ヒータ用電源
70 電流計
74 アノード電極
76 ウェネルト電極
79 ヒータ
100 描画装置
101,340 試料
102 電子鏡筒
103 描画室
105 ステージ
110 制御計算機
112 メモリ
120 偏向制御回路
130 レンズ制御回路
132 DACアンプ
134 アンプ
140,142,144 記憶装置
150 描画部
160 制御部
170 高圧電源回路
200 電子ビーム
201 電子銃
202 照明レンズ
203,410 第1のアパーチャ
204 投影レンズ
205 偏向器
206,420 第2のアパーチャ
207 対物レンズ
208 主偏向器
209 副偏向器
212 ブランキング偏向器
214 ブランキングアパーチャ
216 検出器
300 タンク
302 マスフローメータ
304 バルブ
330 電子線
411 開口
421 可変成形開口
430 荷電粒子ソース

Claims (5)

  1. 荷電粒子ビームの焦点位置が第1の調整値によって調整された後、所定の期間経過後に、改めて荷電粒子ビームの焦点位置を調整した場合の第2の調整値を測定する工程と、
    前記第1と第2の調整値とのずれ量を演算する工程と、
    記憶装置に記憶された相関関係を用いて、前記ずれ量に対応する、前記荷電粒子ビームを放出するビーム源に印加される加速電圧の補正値を演算する工程と、
    前記補正値を用いて、前記ビーム源に印加される加速電圧を補正する工程と、
    を備えたことを特徴とする加速電圧ドリフトの補正方法。
  2. 荷電粒子ビームの偏向領域が所定の偏向領域形状になるように荷電粒子ビームの偏向感度が調整された後、所定の期間経過後に、改めて荷電粒子ビームの偏向感度を測定する工程と、
    前記所定の偏向領域形状からの、測定された偏向感度のずれ量を演算する工程と、
    記憶装置に記憶された相関関係を用いて、前記ずれ量に対応する、前記荷電粒子ビームを放出するビーム源に印加される加速電圧の補正値を演算する工程と、
    前記補正値を用いて、前記ビーム源に印加される加速電圧を補正する工程と、
    を備えたことを特徴とする加速電圧ドリフトの補正方法。
  3. 荷電粒子ビームの焦点位置が第1の調整値によって調整された後、所定の期間経過後に、改めて荷電粒子ビームの焦点位置を調整した場合の第2の調整値を測定する工程と、
    前記第1と第2の調整値とのずれ量を演算する工程と、
    記憶装置に記憶された相関関係を用いて、前記ずれ量に対応する、前記荷電粒子ビームを放出するビーム源に印加される加速電圧の補正値を演算する工程と、
    前記補正値を用いて、前記ビーム源に印加される加速電圧を補正する工程と、
    を備えたことを特徴とする荷電粒子ビームのドリフト補正方法。
  4. 荷電粒子ビームの偏向領域が所定の偏向領域形状になるように荷電粒子ビームの偏向感度が調整された後、所定の期間経過後に、改めて荷電粒子ビームの偏向感度を測定する工程と、
    前記所定の偏向領域形状からの、測定された偏向感度のずれ量を演算する工程と、
    記憶装置に記憶された相関関係を用いて、前記ずれ量に対応する、前記荷電粒子ビームを放出するビーム源に印加される加速電圧の補正値を演算する工程と、
    前記補正値を用いて、前記ビーム源に印加される加速電圧を補正する工程と、
    を備えたことを特徴とする荷電粒子ビームのドリフト補正方法。
  5. 焦点位置が第1の調整値によって調整された荷電粒子ビームを用いて試料にパターンを描画する描画部と、
    荷電粒子ビームの焦点位置が第1の調整値によって調整された後、所定の期間経過後に、改めて荷電粒子ビームの焦点位置を調整した場合の第2の調整値を測定する測定部と、
    前記第1と第2の調整値とのずれ量を演算するずれ量演算部と、
    前記ずれ量と加速電圧の補正値との相関関係を記憶する記憶部と、
    記憶部に記憶された相関関係を用いて、演算された前記ずれ量に対応する、前記荷電粒子ビームを放出するビーム源に印加される加速電圧の補正値を演算する補正値演算部と、
    前記補正値を用いて、前記ビーム源に印加される加速電圧を補正する補正部と、
    を備えたことを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置。
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