JP3993334B2 - 荷電ビーム描画装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路、その他微細な素子パターンを、荷電ビームを用いて半導体ウェハやパターン転写用のマスク等の基板上に形成する荷電ビーム描画装置に係わり、特に対物レンズ及び対物偏向器を機械的に移動させる機構を備えた荷電ビーム描画装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造工程における光リソグラフィは、そのプロセス簡易性,低コストなどの利点により広くデバイス生産に用いられてきた。そして、常に技術革新が続けられており、近年では短波長化(KrFエキシマレーザ光源)により0.25μm以下の素子の微細化が達成されつつある。さらに微細化を進めようと、より短波長のArFエキシマレーザ光源やレベンソン型の位相シフトマスクの開発が進められており、0.15μmルール対応の量産リソグラフィツールとして期待されている。しかし、これを実現するための課題も多く、その開発に係わる時間が長期化しており、デバイスの微細化のスピードに追いつかなくなることが心配されつつある。
【0003】
これに対して、ポスト光リソグラフィの第一候補である電子ビームリソグラフィは、細く絞ったビームを用いて0.01μmまでの加工ができることは実証済みである。微細化という観点では、当面問題なさそうであるが、デバイス量産ツールとしてはスループットに問題がある。即ち、電子ビームリソグラフィでは、細かいパターンを一つ一つ順番に描いていくためどうしても時間がかかってしまう。この描画時間を短縮するために、ULSIパターンの繰り返し部分を部分的に一括して描画するセルプロジェクション方式など、幾つかの装置が開発されている。しかし、これらの装置を用いても光リソグラフィのスループットに追いつくまでには至っていない。
【0004】
電子ビームリソグラフィのスループットを増大させる一つの方法として、電子ビーム描画装置内の対物偏向器の偏向領域を大きくし、高速で偏向することが試みられている。この場合、描画スループットは向上するが、偏向領域が大きくなるため、レンズ・偏向収差により、解像性の劣化,パターンの歪み等が現れ、高精度な描画を行うことができない。また、偏向には高速で偏向するために静電型の偏向器が用いられているが、偏向領域と静電偏向器に印加する電圧には相関関係があり、大偏向するために静電偏向器への印加電圧が高くなると、高速で偏向することが困難になる問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来、電子ビーム描画装置において、スループットを高めるために対物偏向器の偏向領域を大きくすると、レンズ・偏向収差により解像性の劣化やパターンの歪み等が生じ、高精度の描画を行うことはできない。さらに、高速偏向可能な静電偏向器で大きな偏向領域をカバーすることは困難であった。また、上記の問題は電子ビーム描画装置に限らず、イオンビームを用いてパターンを描画するイオンビーム描画装置に関しても同様に言えることである。
【0006】
本発明は、上記事情を考慮して成されたもので、その目的とするところは、偏向領域の増大に伴うビーム解像性の劣化やパターン歪みの発生等を無くすことができ、スループットの向上と共に描画精度の向上をはかり得る荷電ビーム描画装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(構成)
上記課題を解決するために本発明は、次のような構成を採用している。
【0008】
即ち本発明は、荷電ビーム源から発生された荷電ビームを所望の大きさ及び明るさに調整するコンデンサレンズと、荷電ビームを試料面上にフォーカスする対物レンズと、荷電ビームをブランキングするためのブランキング偏向器及びブランキングアパーチャと、試料面上の荷電ビームの位置を制御する対物偏向器とを備えた荷電ビーム描画装置であって、前記対物レンズ及び対物偏向器を所定の平面内で(例えば、荷電ビームの光軸と直交する平面内で)機械的に可動にする駆動機構を設け、且つ前記対物レンズ及び対物偏向器よりも前記荷電ビーム源側に、前記駆動機構と同期して荷電ビームを偏向する光軸シフト用偏向器を設けてなることを特徴とする。
【0009】
また本発明は、荷電ビーム源から発生された荷電ビームを所望の電流密度に調整するコンデンサレンズと、複数種のパターンを有しいずれかのパターンの選択により荷電ビームを成形するキャラクタアパーチャと、荷電ビームをブランキングするためのプランキング偏向器及びブランキングアパーチャと、キャラクタアパーチャで成形された荷電ビームを試料面上にフォーカスする対物レンズと、試料面上の荷電ビームの位置を制御する対物偏向器とを備えた荷電ビーム描画装置であって、前記キャラクタアパーチャ,対物レンズ,及び対物偏向器を所定の平面内で(例えば、荷電ビームの光軸と直交する平面内で)可動にする駆動機構を設け、且つ前記キャラクタアパーチャよりも前記荷電ビーム源側に、前記駆動機構と同期して荷電ビームを偏向する光軸シフト用偏向器を設けてなることを特徴とする。
【0010】
ここで、本発明の望ましい実施態様としては次のものがあげられる。
(1) 駆動機構は、荷電ビームの光軸方向(Z方向)と直交する少なくとも2軸方向(X方向及びY方向)に機械的に可動であること。
(2) 駆動機構は、磁気力により駆動制御するアクチュエータからなること。
【0011】
(3) 光軸シフト用偏向器は、静電型偏向器であること。
(4) 光軸シフト用偏向器は、少なくとも2段の偏向器からなり、荷電ビームを振り戻してビーム軸を平行にシフトするものであること。
(5) 対物レンズは、静電型レンズであること。
(6) 対物レンズ及び対物偏向器は共に静電型であり、一体形成されていること。
【0012】
(7) 試料に入射する電子ビームのエネルギーを5kV以下に設定したこと。
(8) 光軸シフト用偏向器により、駆動機構による対物レンズ及び対物偏向器の光軸のずれを補正すること。
(9) 描画装置は、電子ビーム描画装置であること。
【0013】
(10)駆動機構による駆動周波数は一定であること。
(11)対物偏向器は主副2段の偏向器からなり、主偏向器で副偏向領域の位置決めを行い、副偏向器で副偏向領域の描画を行うものであり、試料を載置したステージは一方向に連続的に移動され、駆動機構による移動方向はステージ移動方向と交差する方向であり、ステージ移動方向と交差する方向に沿った複数の副偏向領域からなる主偏向列の描画時間が一定となるように、描画条件に応じて主偏向列内の副偏向領域数及びショット数を可変にしたこと。
【0014】
(12)駆動機構により駆動される物体の移動位置を一定のサンプリング時間間隔で検出する位置センサと、この位置センサの検出信号に基づいて物体が移動することに伴う荷電ビームの位置ずれを補正し、且つサンプリング時間より短い間隔で発生する物体の移動量を補間して補正する補正回路とを設けたこと。
(13)補正回路は、位置センサの検出信号を基に物体の移動速度を算出し、算出した移動速度を積分器に入力し、この積分器の出力を偏向電圧に加算するものであること。
【0015】
また本発明は、荷電ビーム源から発生された荷電ビームを所望の大きさ及び明るさに調整するコンデンサレンズと、荷電ビームを所望形状に成形するための複数の開口パターンを有するキャラクタアパーチャと、成形された荷電ビームを試料面上にフォーカスする対物レンズと、荷電ビームをブランキングするためのブランキング偏向器及びブランキングアパーチャと、試料面上の荷電ビームの位置を制御する対物偏向器とを備えた荷電ビーム描画装置であって、前記キャラクタアパーチャを所定の平面内で機械的に可動にする第1の駆動機構を設けると共に、前記対物レンズ及び対物偏向器を所定の平面内で機械的に可動にする第2の駆動機構を設け、且つ前記対物レンズ及び対物偏向器よりも前記荷電ビーム源側に、第2の駆動機構と同期して荷電ビームを偏向する光軸シフト用偏向器を設けてなることを特徴とする。
【0016】
また本発明は、荷電ビーム源から発生された荷電ビームを所望の電流密度に調整するコンデンサレンズと、複数種のパターンを有しいずれかのパターンの選択により荷電ビームを成形するキャラクタアパーチャと、荷電ビームをブランキングするためのプランキング偏向器及びブランキングアパーチャと、キャラクタアパーチャで成形された荷電ビームを試料面上にフォーカスする対物レンズと、試料面上の荷電ビームの位置を制御する対物偏向器とを備えた荷電ビーム描画装置であって、前記キャラクタアパーチャを所定の平面内で機械的に可動にする第1の駆動機構を設けると共に、前記対物レンズ及び対物偏向器を所定の平面内で可動にする第2の駆動機構を設け、且つ前記キャラクタアパーチャよりも前記荷電ビーム源側に、第2の駆動機構と同期して荷電ビームを偏向する光軸シフト用偏向器を設けてなることを特徴とする。
【0017】
ここで、本発明の望ましい実施態様としては次のものがあげられる。
(1) 各駆動機構は、荷電ビームの光軸方向(Z方向)と直交する少なくとも2軸方向(X方向及びY方向)に機械的に可動であること。
(2) 各駆動機構は、磁気力により駆動制御するアクチュエータからなること。
【0018】
(3) 光軸シフト用偏向器は、静電型偏向器であること。
(4) 光軸シフト用偏向器は、少なくとも2段の偏向器からなり、荷電ビームを振り戻してビーム軸を平行にシフトするものであること。
(5) 対物レンズは、静電型レンズであること。
(6) 対物レンズ及び対物偏向器は共に静電型であり、一体形成されていること。
【0019】
(7) 試料に入射する電子ビームのエネルギーを5kV以下に設定したこと。
(8) 光軸シフト用偏向器により、駆動機構による対物レンズ及び対物偏向器の光軸のずれを補正すること。
(9) 描画装置は、電子ビーム描画装置であること。
【0020】
(10)アパーチャ群(複数の開口パターン)の選択は、試料を載置したステージの移動の折返し時に行うこと。
(11)アパーチャ群(複数の開口パターン)を構成するアパーチャは、3つの図形パターンからなること。
(12)3つのアパーチャは、その中心位置間が等しく配置されていること。
【0021】
(13)駆動機構による駆動周波数は一定であること。
(14)対物偏向器は主副2段の偏向器からなり、主偏向器で副偏向領域の位置決めを行い、副偏向器で副偏向領域の描画を行うものであり、試料を載置したステージは一方向に連続的に移動され、前記駆動機構による移動方向はステージ移動方向と交差する方向であり、ステージ移動方向と交差する方向に沿った複数の副偏向領域からなる主偏向列の描画時間が一定となるように、描画条件に応じて主偏向列内の副偏向領域数及びショット数を可変にしたこと。
【0022】
(15)駆動機構により駆動される物体の移動位置を一定のサンプリング時間間隔で検出する位置センサと、この位置センサの検出信号に基づいて物体が移動することに伴う荷電ビームの位置ずれを補正し、且つサンプリング時間より短い間隔で発生する物体の移動量を補間して補正する補正回路とを設けたこと。
(16)補正回路は、位置センサの検出信号を基に物体の移動速度を算出し、算出した移動速度を積分器に入力し、この積分器の出力を偏向電圧に加算するものであること。
【0023】
また本発明は、荷電ビーム源から発生された荷電ビームを所望の大きさ及び明るさに調整するコンデンサレンズと、荷電ビームを試料面上にフォーカスする対物レンズと、荷電ビームをブランキングするためのブランキング偏向器及びブランキングアパーチャと、試料面上の荷電ビームの位置を制御する対物偏向器とを備えた荷電ビーム描画装置であって、前記対物レンズ及び対物偏向器を所定の平面内で機械的に往復移動させる駆動機構を設け、且つ前記対物レンズ及び対物偏向器よりも前記荷電ビーム源側に、前記駆動機構と同期して荷電ビームを偏向する光軸シフト用偏向器を設けてなり、前記対物レンズ及び対物偏向器の移動速度が連続的に変化するように前記駆動機構を制御することを特徴とする。
【0024】
また本発明は、荷電ビーム源から発生された荷電ビームを所望の電流密度に調整するコンデンサレンズと、複数種のパターンを有しいずれかのパターンの選択により荷電ビームを成形するキャラクタアパーチャと、荷電ビームをブランキングするためのプランキング偏向器及びブランキングアパーチャと、キャラクタアパーチャで成形された荷電ビームを試料面上にフォーカスする対物レンズと、試料面上の荷電ビームの位置を制御する対物偏向器とを備えた荷電ビーム描画装置であって、前記キャラクタアパーチャ,対物レンズ,及び対物偏向器を所定の平面内で往復移動させる駆動機構を設け、且つ前記キャラクタアパーチャよりも前記荷電ビーム源側に、前記駆動機構と同期して荷電ビームを偏向する光軸シフト用偏向器を設けてなり、前記キャラクタアパーチャ,対物レンズ,及び対物偏向器の移動速度が連続的に変化するように前記駆動機構を制御することを特徴とする。
【0025】
ここで、本発明の望ましい実施態様としては次のものがあげられる。
(1) 駆動機構は、荷電ビームの光軸方向(Z方向)と直交する少なくとも2軸方向(X方向及びY方向)に機械的に可動であること。
(2) 駆動機構は、磁気力により駆動制御するアクチュエータからなること。
【0026】
(3) 光軸シフト用偏向器は、静電型偏向器であること。
(4) 光軸シフト用偏向器は、少なくとも2段の偏向器からなり、荷電ビームを振り戻してビーム軸を平行にシフトするものであること。
(5) 対物レンズは、静電型レンズであること。
(6) 対物レンズ及び対物偏向器は共に静電型であり、一体形成されていること。
【0027】
(7) 試料に入射する電子ビームのエネルギーを5kV以下に設定したこと。
(8) 光軸シフト用偏向器により、駆動機構による対物レンズ及び対物偏向器の光軸のずれを補正すること。
(9) 描画装置は、電子ビーム描画装置であること。
【0028】
(10)駆動機構を正弦波によって制御すること。
(11)駆動機構の駆動に同期して、対物偏向器によりビームを電気的に偏向し、一定の基準速度に対する駆動機構による移動速度の差分を補正すること。
【0029】
(12)駆動機構による駆動周波数は一定であること。
(13)対物偏向器は主副2段の偏向器からなり、主偏向器で副偏向領域の位置決めを行い、副偏向器で副偏向領域の描画を行うものであり、前記試料を載置したステージは一方向に連続的に移動され、前記駆動機構による移動方向はステージ移動方向と交差する方向であり、ステージ移動方向と交差する方向に沿った複数の副偏向領域からなる主偏向列の描画時間が一定となるように、描画条件に応じて主偏向列内の副偏向領域数及びショット数を可変にしたこと。
【0030】
(14)駆動機構により駆動される物体の移動位置を一定のサンプリング時間間隔で検出する位置センサと、この位置センサの検出信号に基づいて物体が移動することに伴う荷電ビームの位置ずれを補正し、且つサンプリング時間より短い間隔で発生する物体の移動量を補間して補正する補正回路とを設けたこと。
(15)補正回路は、位置センサの検出信号を基に物体の移動速度を算出し、算出した移動速度を積分器に入力し、この積分器の出力を偏向電圧に加算するものであること。
【0031】
(作用)
前述したように、対物偏向器による偏向領域を広げると、これに伴い偏向収差が大きくなり、さらに対物レンズに対するビーム軌道がレンズ中心から大きくずれるためにレンズの収差が大きくなる。そこで本発明では、対物レンズ及び対物偏向器を光軸と直交する方向に機械的に動かしている。また、対物レンズ及び対物偏向器を機械的に動かすことによるこれらの軸と光軸とのずれは、対物レンズ及び対物偏向器の前段に設けた光軸シフト用偏向器により補正するようにしている。
【0032】
従って本発明によれば、対物偏向器自体による電気的な偏向領域を大きくすることなく、トータルの偏向領域を大きくすることができるので、偏向収差を小さくできる。さらに、対物偏向器自体による偏向領域が小さいことから、対物レンズによるレンズ収差も小さくできる。このため、偏向領域の増大に伴うビーム解像性の劣化やパターン歪みの発生等を無くすことができ、スループットの向上と共に描画精度の向上をはかることが可能となる。本発明は特に低加速電子ビーム描画装置において、対物レンズを静電レンズ、対物偏向器を静電偏向器で構成した装置において有効である。
【0033】
また、成形アパーチャやキャラクタアパーチャを機械的に可動にする駆動機構を設けることにより、これらのアパーチャに多数の開口パターン(アパーチャ群)を配置することができ、これにより描画スループットの一層の向上をはかることが可能となる。
【0034】
また、対物レンズ及び対物偏向器等の移動速度が連続して変化するように駆動機構を制御することにより、機械的な移動の制御が簡単になる。さらに、駆動機構の駆動を正弦波等で行う場合に、この駆動に同期して対物偏向器によりビームを電気的に偏向し、一定の基準速度に対する駆動機構による移動速度の差分を補正することにより、駆動機構の駆動を正弦波駆動にしたことに伴うスループットの低下も抑制することが可能となる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細を図示の実施形態によって説明する。
【0036】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係わる電子ビーム描画装置を示す概略構成図である。
【0037】
電子銃101から放射された電子ビーム118は、コンデンサレンズ102で大きさ及び明るさ(電流密度)が調整され、第1成形アパーチャ120を均一に照明する。この第1成形アパーチャ120の像は、投影レンズ124により第2成形アパーチャ125上に結像される。これら2つのアパーチャ120,125の光学的な重なりの程度は、成形偏向器121により制御される。この成形偏向器121は、成形偏向アンプ127からの偏向電圧によって制御される。
【0038】
第1成形アパーチャ120と第2成形アパーチャ125の光学的重なりによる成形された電子ビーム118は、縮小レンズ126及び対物レンズ106により縮小され、試料107上に結像される。そして、電子ビーム118の試料面上の位置は、対物偏向器105に電圧を印加する対物偏向アンプ113によって制御される。
【0039】
対物偏向器105及び対物レンズ106は、後述するように一体形成されて対物レンズ偏向器を成し、光軸(Z方向)と直交するX,Y方向に移動可能な対物駆動機構114により移動される。そして、対物レンズ偏向器105,106の移動位置はレーザ干渉計108により測定されるものとなっている。また、対物レンズ偏向器105,106の前段には、後述するプリ対物レンズ偏向器110が配置され、この偏向器110にはプリ対物レンズ偏向アンプ112により偏向電圧が印加される。
【0040】
試料107はX,Y方向に移動可能なステージ117上に載置され、ステージ117はステージ駆動機構115により駆動される。そして、ステージ117の位置はレーザ干渉計109により測定されるものとなっている。
【0041】
試料107上の電子ビーム118の位置を移動する場合、試料107上の不必要な場所が露光されないように、ブランキング偏向器103で電子ビーム118を偏向し、電子ビーム118がブランキングアパーチャ104でカットされ、試料面上に到達しないようにする。ブランキング偏向器103への偏向電圧の制御はブランキングアンプ111で制御される。そして、全てのアンプ111,112,113,127及び駆動機構114,115は制御用計算機116で制御されるものとなっている。
【0042】
次に、対物レンズ部分の構成について詳しく述べる。本実施形態の要点は対物レンズ106と対物偏向器105を静電型で形成し、両者を一つの電極で兼ねた構成物を、対物駆動機構114で光軸に対して垂直方向に駆動可能とした点にある。対物レンズ偏向器105,106は、図2(a)に示すように、8つの電極からなるオクタポールとこれを挟む2枚のグランド電極の3極構造をしており、オクタポールには制御計算機116によりV1からV8までの電極電圧が印加される。これらの電圧は対物偏向アンプ113を通して対物レンズ偏向器105,106に印加され、これにより対物レンズ偏向器105,106は静電レンズと静電偏向器を兼ねることができる。
【0043】
なお、対物レンズ偏向器の構成は必ずしも図2(a)に限るものではなく、図2(b)に示すように、静電レンズを光軸方向に沿って配置された3つの電極板から構成し、静電偏向器を8つの電極を有するオクタポールで構成するようにしても良い。
【0044】
次に、試料面上への電子ビーム118の位置設定方法について詳しく述べる。まず、図3(a)に示すように、第1成形アパーチャ120及び第2成形アパーチャ125により成形された電子ビーム118は、対物レンズ偏向器105,106により試料面上107上の位置(以下ショット位置)が決定され、成形された電子ビーム118の大きさ(以下ショットサイズ201)を描画する。
【0045】
図3(b)に示すように、これらを繰り返し、対物レンズ偏向器105,106の供給電圧を変化させ、ショット位置を可変し、対物レンズ偏向器105,106の偏向領域202を順次2次元的に描画する。この対物レンズ偏向器105,106の偏向領域202は、構成される電子光学系の計算上の制約点(収差・歪み等)により決定されるが、この領域を大きくすることにより描画装置のスループットは向上するが、収差等が増加し、高精度な描画が困難になる。
【0046】
本実施形態では図3(c)に示すように、対物駆動機構114により、例えば磁石の磁気力により駆動制御するアクチュエータ、ボイスコイル等を用いて、対物レンズ偏向器105,106の位置を光軸119に対して垂直方向に移動し、それと同期してプリ対物レンズ偏向器110により、電子ビーム118が対物レンズ偏向器105の光軸を通るようにしている。そして、この状態で対物レンズ偏向器105,106により試料面107上のショット位置を決定し、描画を行う。図中の203は、対物偏向器105により描画される領域+対物駆動機構114により対物偏向領域を移動して描画される領域である。
【0047】
なお、プリ対物レンズ偏向器110は例えば2段の静電偏向器で構成され、1段目の偏向器で偏向した分を2段目の偏向器で振り戻すようになっている。これにより、電子ビームは光軸方向と平行にシフトすることになる。また、対物レンズ偏向器105,106を移動させるのに、磁石に代わりにピエゾ素子を用いてもよい。
【0048】
図4及び図5は、本実施形態における描画のシーケンスを模式的に示す図である。図4は、ステージ117の移動方向と対物駆動機構114により駆動される対物レンズ偏向器105,106の位置の軌跡を示したもので、図中の点線の一つのマスが対物レンズ偏向器105,106により描画される領域である。初めに対物駆動機構114により対物レンズ偏向器105,106を図4の (1)の位置に移動し、マス内を描画し、次に対物レンズ偏向器105,106を (2)の位置へ移動し、同様にマス内を描画する。これらを繰り返し (3)(4)(5)と描画する。一列描画完了した後に (6)の位置へ移動し順次繰り返す。
【0049】
図5は、対物駆動機構114のX方向,Y方向駆動の位置を模式的に現したものである。この場合、ステージ117は図の右側から左側に移動している。対物駆動機構Y方向はステージ117の移動方向に対して垂直方向、X方向はステージ117の移動方向である。対物駆動機構114のX方向の移動は、対物駆動機構114をY方向に移動しながら描画している時にステージ117のX方向移動による位置補正を行うためである。このとき、ステージ117と対物レンズ偏向器105,106の位置はレーザ干渉計108により計測され、その位置情報は制御計算機116へフィードバックされ、これにより試料面上のビーム位置が補正される。
【0050】
これらの操作を繰り返すことにより、トータルでの偏向領域を大きくしてスループットの向上をはかりながら、対物レンズ偏向器105,106による電気的な偏向領域は小さくでき、収差及び描画精度を向上させることができる。
【0051】
また、本実施形態は試料107に入射する電子ビーム118のエネルギーを5kVとした。このような低加速電子ビームを描画に用いると、いわゆる近接効果を無視することができ、煩雑な照射量補正の機能を省くことができる。さらに、レジストを露光する感度も加速電圧とほぼ反比例して高感度化していく本実施形態では、5kVのエネルギーを持った電子ビームに対して適正ドーズ量は0.2μC/cm2 であった。
【0052】
なお、このような低加速電子ビームを用いた場合、電子同士の反発によるビームのぼけ、いわゆるクーロン反発が大きくなり、解像性が劣化する。クーロン効果を防ぐためには、電子同士の反発時間を短くする、即ちコラムを短くすれば良い。
【0053】
一般的に、コラムを形成するレンズには、電磁レンズと静電レンズがある。電磁レンズは電子コイル,ヨークが必要となり、その構造上小さく作製することは困難であり、コラムを短くすることができない。これに対し静電レンズは電極を小さく作製し、その構造上小型化が可能となりコラムを短くすることが可能となる。
【0054】
このような静電型対物レンズ偏向器105,106を用いることにより、レンズの構成を小さくかつ軽量に作製することが可能となる。そして、軽量の対物レンズ偏向器105,106を対物駆動機構114で磁気力により駆動制御するアクチュエータ、例えばボイスコイル等を用いて駆動することにより、対物レンズ偏向器105,106を高速で駆動することが可能となる。
【0055】
図6は、上記構成を持った描画装置のスループットを評価した結果を示す図である。
【0056】
本実施形態では、対物偏向領域1.5mm(対物駆動±0.5mm、静電偏向500μm)で、レジスト感度は0.2μC/cm2 、電流密度は5A/cm2 の条件である。対物駆動機構が5mm駆動する場合のスループットは、15枚/時間になり、その時のビーム収差は20nm、偏向歪みは20nmとなった。
【0057】
また、従来例の対物偏向領域1.5mmは、対物レンズ偏向器105,106を移動させることなく、1.5mmの偏向領域を全て静電偏向を行っている。この時のレジスト感度は0.2μC/cm2 、電流密度は5A/cm2 の条件である。そして、この時のスループットは7.8枚/時間、ビームの収差は150nm、偏向歪みは200nmとなった。
【0058】
本実施形態の方が従来例よりもビーム収差及び偏向歪みが小さくなるのは、静電偏向による偏向領域が1.5mmから500μmと小さくなったためである。また、スループットが向上するのは、次のような理由による。即ち、静電偏向の場合、設定電圧を印加してから偏向が安定するまでの時間(セットリングタイム)に比較的長い時間を要し、高い偏向電圧ではセットリングタイムがさらに長くなる。従って、偏向電圧を低くできる本実施形態ではセットリングタイムが短くなるため、スループットが向上する。なお、本実施形態における対物駆動はステップ移動であり、移動する回数は少ないため対物駆動による時間の増加は殆ど問題とならない。
【0059】
また、従来例の電磁偏向5mmは高加速電子ビーム描画装置をモデルとした。この時のレジスト感度は2uC/cm2 、電流密度は10A/cm2 の条件である。この場合のスループットは11.8枚/時間となった。
【0060】
これらから分かるように本実施形態では、レジスト感度及び電流密度を同じ条件とした従来例に対し、スループットは約2倍と大きくなり、ビームの収差及び偏向歪みは約1/10へ低減することができる。
【0061】
また、本実施形態では対物レンズを静電レンズで説明しているが、図1のコンデンサレンズ102,投影レンズ124,及び縮小レンズ126等を静電型レンズで構成してもよい。
【0062】
また、図1に示すような対物駆動機構114に例えば磁石の磁気力により駆動制御するアクチュエータ等を用いて、対物偏向器105を含む対物レンズ106位置を光軸119に対して垂直方向に移動した場合、アクチュエータ自身が発生する漏洩磁束が電子ビーム118へ影響しないように、アクチュエータを囲むように磁性体のカバーを取り付けるようにして、漏洩磁束の電子ビーム118への影響を無くす。又は、図示していないが、アクチュエータが発生する磁界をキャンセルする磁界を印加し、電子ビーム118への影響を無くすことも可能である。また、対物駆動機構を制御するための信号は、鋸歯状波形でもよいが高速で偏向するため、サイン波形であっても問題はない。
【0063】
このように本実施形態では、電子ビーム描画装置の対物レンズの構造に関し、対物偏向器を含む対物レンズを機械的に光軸に対して垂直方向に移動することを可能する駆動機構を具備し、大きな偏向を機械的に移動し、その中の各ショットを静電偏向を用いて描画する。このような構造を取ることにより、スループットを劣化させることなく、描画精度の向上をはかることが可能となった。
【0064】
(第2の実施形態)
図7は、本発明の第2の実施形態に係わる電子ビーム描画装置を示す概略構成図である。なお、図1と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
【0065】
本実施形態はキャラクタビーム描画方式の電子ビーム描画装置に適用した例であり、ビーム寸法固定方式や可変成形ビーム方式の描画装置と比較して、スループットが高いという特徴がある。
【0066】
この方式の描画方式は、図8に示すように第1成形アパーチャ120を通過した電子ビームがキャラクタアパーチャ601上を照射し、キャラクタアパーチャ601により希望の形状に形成され、そのキャラクタビームが試料面107上に結像される。それらキャラクタビームを対物偏向器により位置を変えることにより、繰り返しパターンを高速に描画できる。この方式では、DRAM等の描画するビーム形状が繰り返し同じ場合に格段に高いスループットを得ることが可能となる。
【0067】
以下に、内容を詳しく述べる。図7に示すように、電子銃101から放射された電子ビーム118はコンデンサレンズ102で電流密度が調整され、第1成形アパーチャ120を均一に照明する。第1成形アパーチャ120を通過した電子ビーム118がキャラクタアパーチャ601上に照射される。キャラクタアパーチャ601上の電子ビームの位置は成形偏向器121により制御される。この成形偏向器121は、成形偏向アンプ127及び制御用計算機116により制御される。
【0068】
キャラクタアパーチャ601により成形された電子ビーム118は、縮小レンズ126及び対物レンズ603により縮小され、試料107上に結像される。そして、電子ビーム118の試料面上の位置は、対物偏向アンプ113により偏向電圧が印加される対物偏向器602により制御される。
【0069】
また、本実施形態では、対物レンズ603及び対物偏向器602のみならず、これらと共にキャラクタアパーチャ601及び縮小レンズ126が、対物駆動機構114により一体的に移動可能となっている。そして、キャラクタアパーチャ601の電子銃側には、先の第1の実施形態と同様に電子ビームの軸を光軸と平行にシフトするためのプリ対物レンズ偏向器110が配置されている。
【0070】
このように構成された本装置においては、対物駆動機構114を用いて、対物偏向器602,対物レンズ603,縮小レンズ126,及びキャラクタアパーチャ601を含む構造体を光軸119に対して垂直方向に移動し、それと同期して第1成形アパーチャ120とキャラクタアパーチャ601間に設けられたプリ対物レンズ偏向器110により、電子ビーム118を希望とするキャラクタアパーチャ601に照射する。そして、キャラクタアパーチャ601で成形された電子ビーム118を用い、対物偏向器602で試料面107上のショット位置を決定し、描画を行う。また、対物レンズ603及び対物偏向器602、又は試料107の乗ったステージ117の位置情報は、第1のレーザ干渉計108と第2のレーザ干渉計109を用いて測定され、制御用計算機116にフィードバックされる。
【0071】
これらの操作を繰り返すことにより、トータルでの偏向領域を大きくしてスループットの向上をはかりながら、対物偏向器602自体による電気的な偏向領域は小さくでき、収差及び描画精度を向上させることができる。さらに、対物駆動機構114と連動して、電子ビーム118を偏向するプリ対物レンズ偏向器110がキャラクタアパーチャ601より電子銃101側にあるため、プリ対物レンズ偏向器110による偏向収差が試料面107上の電子ビーム118へ与える影響が無いため、より収差・歪みの少ないキャラクタービームを得ることが可能となる。
【0072】
また、本実施形態においても先の第1の実施形態で説明したように、図7のコンデンサレンズ102,投影レンズ124,縮小レンズ126,対物レンズ603を静電型レンズで構成してもよい。さらに、図1に示すように、対物レンズ105と対物偏向器106を一つの電極で実現した対物レンズ偏向器で対物レンズ部を構成してもよい。
【0073】
また、図7に示すような対物駆動機構114に例えば磁石の磁気力により駆動制御するアクチュエータ等を用いて、対物偏向器602を含む対物レンズ603位置を光軸119に対して垂直方向に移動した場合、アクチュエータ自身が発生する漏洩磁束が電子ビーム118へ影響しないように、アクチュエータを囲む様に磁性体のカバーを取り付けるようにして、漏洩磁束の電子ビーム118への影響を無くす。又は、図示していないが、アクチュエータが発生する磁界をキャンセルする磁界を印加し、電子ビーム118への影響を無くすことも可能である。また、対物駆動機構を制御するための信号は、鋸歯状波形でもよいが高速で偏向するため、サイン波形であっても問題はない。
【0074】
このように本実施形態では、電子ビーム描画装置の対物レンズの構成に関し、対物偏向器602,対物レンズ603,縮小レンズ126,キャラクタアパーチャ601を含む構造体を光軸119に対して垂直方向に機械的に移動する駆動機構を具備し、それと同期して投影レンズ124とキャラクターアパチャ601間に設けられたプリ対物レンズ偏向器110により、電子ビーム118を希望のキャラクタアパーチャ601を照射するようにし、大きな偏向を機械的に移動し、その中の各ショットを静電偏向を用いて描画をする。このような構造を取ることにより、スループットを劣化させることなく、描画精度の向上をはかることが可能となった。
【0075】
(第3の実施形態)
図9及び図10は、本発明の第3の実施形態に係わる電子ビーム描画装置を示す概略構成図である。なお、図1及び図7と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
【0076】
本実施形態が先の第1及び第2の実施形態と異なる点は、第1及び第2の実施形態におけるキャラクタアパーチャ601を機械的に可動できるようにしたことにある。即ち図9では、キャラクタアパーチャ601をアパーチャ駆動機構301により、ビームの通る軸と垂直な平面内をXY方向に移動できるようにし、その移動位置はレーザ干渉計302により測定するようにしている。図10では、キャラクタアパーチャ601をアパーチャ駆動機構301により、縮小レンズ126,対物偏向器602,及び対物レンズ603とは独立にXY方向に移動できるようにし、移動位置はレーザ干渉計302により測定するようにしている。
【0077】
キャラクタアパーチャ601は、シリコンウェハの中央部をステンシル状に薄くし、開口パターンを形成したものである。通常の大きさは10mm程度で、その中央に偏向器の偏向領域(通常は1〜2mm□)内に開口パターンが配置されている。しかし、アパーチャ601の大きさ(偏向器の偏向領域以下)は制限されるため、デバイスパターン形成に必要とされる図形数は1つのアパーチャに収まりきらない。このため、上述した10mm□のアパーチャを最小単位として、複数個並べたアパーチャ群を前述したアパーチャ駆動機構301によってビーム通過軸と直交するXY平面内で機械的に移動させ、デバイスパターン形成に必要なアパーチャが全て選択できるようにする。
【0078】
対物偏向器105,602の偏向領域は電子光学系の設計上の制約(収差・歪み等)により決定されるが、この領域を大きくすることにより描画装置のスループットは向上するが、収差等が増加し高精度な描画が困難になる。これに関しては、第1及び第2の実施形態と同様に、対物駆動機構114により対物偏向器105,602の位置を光軸119に対して垂直方向に移動し、それと同期してプリ対物レンズ偏向器110により、電子ビームが対物偏向器105,602の光軸を通るようにし、対物偏向器105,602で試料面107上のショット位置を決定して描画を行う。
【0079】
このように本実施形態によれば、キャラクタアパーチャ601におけるアパーチャ数に制限が無くなるため、デバイスパターンを全てキャラクタ化することができる。その結果、ビームサイズを可変させながらパターンを描画することなしに(VSB描画を行う必要が無くなるため)、最大ビームサイズでデバイスパターンが描画できるようになるため、従来のVSB描画を併用する電子ビーム描画装置に比べてスループットが格段に向上する。
【0080】
図11は、上記の電子ビーム描画装置のアパーチャ駆動機構について、その駆動タイミングを描画シーケンス内で示した図である。アパーチャを機械的に駆動する場合、駆動開始から停止まで(アパーチャの位置安定性が許容範囲内に収まるまで)に数十から数百msかかる。駆動シーケンスを見て分かるように、ビーム照射時間以外で吸収できる(スループットを悪化させないで)時間は、ステージ117の折返し時にしか存在しないため、このステージ折返し時にアパーチャ125,601を動かすようにする。このようにすることによって、スループットを低下させずにアパーチャ群を選択することができる。
【0081】
図12は、図9の装置において、駆動されるアパーチャ群の最小単位をなすアパーチャの図形パターンの配置に関するものである。(a)はアパーチャ601を含む光学系の構成を示し、(b)はアパーチャ601に形成されたアパーチャ群を示し、(c)はアパーチャ群の各アパーチャ内のパターン配置例を示している。
【0082】
レーザ干渉計302は、X方向(302a)及びY方向(302b)にそれぞれ配置されている。キャラクタアパーチャ601を構成するアパーチャ群の各アパーチャ内には、例えば3つの図形パターンが配置されている。この際に、3つの図形パターンはどのパターンの中心間も等距離(L1=L2=L3)になっている。
【0083】
ここで、アパーチャ群内の最小単位をなすアパーチャ内の図形パターンの選択は偏向器を用いて行うが、パターンを選択する際にパターン間距離が異なると図形の選択切替時間が異なることになる。従って、図形パターンを3つにして、どのパターン間距離も同じにして図形の選択切替時間を最低且つ同じにすることによって、スループットを低下させずにアパーチャ群内の図形パターンを選択することができる。
【0084】
このように本実施形態では、プリ対物レンズ偏向器110及び対物駆動機構114等を設けることにより、先の第1及び第2の実施形態と同様の効果が得られるのは勿論のこと、キャラクタアパーチャ601等を機械的に移動させるアパーチャ駆動機構301を設けることにより、描画スループットのより一層の向上をはかることが可能となる。
【0085】
(第4の実施形態)
本実施形態は、対物偏向器及び対物レンズ等の駆動機構による駆動を正弦波により行い、更に偏向器により駆動位置の補正を行うものであるが、実施形態を説明する前に、上記駆動機構を用いた場合の描画方法について説明しておく。
【0086】
前記図1に示す第1の実施形態のような描画装置を用いて、対物レンズ106の位置を光軸119に対して垂直方向に移動することをMMOL(Mechanical Moving Objective Lens)と記す。図13は、このMMOLの描画方法を説明するための図である。
【0087】
第2成形アパーチャ125で成形された電子ビームの1ショット401を、比較的低電圧で高速に偏向する副偏向にて副偏向領域402(ここでは50μm□:25ショット)に描画する。そして、この副偏向領域402を主偏向にて大偏向し、広い領域、この場合は500μmの1主偏向列403をウェハ上に描画する。ここで、図1に示す描画装置の対物偏向器105は主・副2段の偏向器となっており、上記の主偏向及び副偏向は対物偏向器105で行う。
【0088】
図14は、MMOLの駆動方法を説明する図で、ウェハ上に描画される領域を示している。まず、図14(a)に示すように、ビームを第1のポジション503へ設定し1副偏向領域502を静電主偏向を用いて順次描画し、主偏向列501を描画すると共に、MMOL移動方向509に駆動しつつ、ウェハ上を描画する。また、ステージ移動方向508はMMOLの移動方向509に対し垂直方向であり、ステージは一定速度で移動する。
【0089】
この場合、静電主偏向はステージ移動方向508のみに偏向し、主偏向列501の描画を行う。それと共にMMOLが上方向509に移動し、それと同時に1MMOL列の描画時間で1主偏向列501のステージ移動方向508の距離と同じだけ移動するように、ステージの速度を最適化する。
【0090】
その関係は、以下の式で表される。
ショット時間(秒) Texp=D/J …式(1)
1副偏向露光時間(秒) Tsub=nsub×(Texp+tsub) …式(2)
1主偏向列露光時間(秒) Tmain=nmain×(Tsub×tmain)…式(3)
MMOL周期(Hz) Tmol=lmmol/lsub×Tmain×2 …式(4)
ステージ速度(m/s) Ss=lmain/Tmain …式(5)
但し、D:ドーズ量(μC/cm2 )、J:電流密度(A/cm2 )、tsub:副偏向セトリング時間(sec)、tmain :主偏向セトリング時間(sec)、nsub:副偏向内ショット数:lmmol :MMOL偏向量、nmain:1主偏向列中主偏向数、lsub:副偏向フィールドサイズである。
【0091】
例えば図13の場合、1ショット時間を100nsとし、静電副偏向の待ち時間を100nsとした場合、副偏向領域内の描画は(100ns+100ns)×25=5μsとなる。また、MMOL偏向距離を1.5mmとすると、1MMOL列内には、300個の副偏向領域がある。静電主偏向の偏向待ち時間を10μsとすると、1MMOL列の描画には(5μs+10μs)×300=4.5ms必要となる。このとき、主偏向列の大きさを500μmとすると、最適ステージ速度は500μm÷4.5ms=111mm/sとなる。また、このときのMMOLの1周期は9msとすればよい。
【0092】
このように、MMOL,静電主偏向,及びステージを制御することにより、MMOLが第1のポジション503から第2のポジション504へ移動することにより、図14(b)に示すように、1MMOL列505の描画が完了する。
【0093】
第2のポジション504まで描画し、1MMOL列505の描画を完了した後に、図14(c)に示すように、次列の描画を行うために静電主偏向により、ウェハ上のビームの位置を偏向する。その後、MMOLを移動し第3のポジション506から第4のポジション507へ移動することにより、図14(d)に示すように、2MMOL列が描画される。これらを順次進めていくことにより、ウェハ上に描画ができる。
【0094】
しかし、このようなMMOL駆動方式では、図15(a)に示すように、MMOLの位置の変化は鋸歯状になり、図15(b)に示すように、MMOLの速度は矩形波となり、MMOL進行方向の切替時にMMOLの速度変化が大きく、機械的な駆動する上で駆動周波数のより高い制御が必要となり、制御が極めて困難となる。具体的には、一定の速度で一方向に移動している物体を瞬時に逆方向に一定速度で移動させる必要があり、このような制御は実質的に困難である。
【0095】
MMOLを高速に駆動制御する上で、駆動波形は正弦波であることが理想とされる。MMOLの移動が矩形の場合、MMOLの移動の速度は一定となり、図16(a)に示すように、均一な描画が可能となる。しかし、MMOL駆動波形を正弦波にすると、MMOLの中心では移動速度が速くなり、周辺に行くに従い移動速度が遅くなり、図16(b)に示すように、均一な描画は不可能となる。
【0096】
また、矩形波駆動と正弦波駆動とにおけるMMOL偏向位置の変化は図17(a)に示すようになり、MMOL駆動速度の変化は図17(b)に示すようになる。そして、図17に示すように、描画領域は速度と時間の積分値になるので、正弦波制御701は矩形波制御702と比較して67%の領域にしか描画できず(図中の703が描画減少領域である)、正弦波制御701の描画スループットは2/3へ減少してしまう。
【0097】
そこで本実施形態では、対物偏向器を含む対物レンズを機械的に移動させるための駆動を正弦波で行い、このときのスループットの低下がないように電気的な偏向器で補うことを特徴とする。描画装置には、前記図1に示すものを用いた。但し、正弦波のMMOL駆動による描画エリアの減少によるスループットの低下を無くすために、MMOL駆動と静電主偏向をハイブリッドに合成し、正弦波駆動による偏向領域の減少を静電偏向により補助している。
【0098】
図18は、MMOL移動方向の正弦波MMOL駆動901と静電主偏向902、更にこれらを組み合わせたハイブリッド偏向904におけるウェハ上のビーム設定位置を説明するための図である。(a)はMMOL偏向位置の変化、(b)はMMOL駆動速度の変化を示している。図17の例では、MMOL移動方向の駆動はMMOLのみで行っており、静電偏向器による制御はステージの進行方向のみの偏向であった。
【0099】
これに対し本実施形態では、静電偏向器による偏向制御をMMOL移動方向でも行い、正弦波偏向駆動901による描画領域の減少分を、静電主偏向902を用いて補正している。これにより、図18中のハイブリッド駆動904を得ることができる。MMOLの移動方向に静電偏向することで、MMOL移動方向の描画領域のウェハ上のビームの移動速度が一定となり、矩形駆動による描画の時と同等の領域を描画できる。
【0100】
またこの方法は、MMOLの駆動速度の最大値が矩形波の速度を超えないように制御した。以下、これをアンダーシュートと記す。
【0101】
図19は、MMOL移動方向の正弦波MMOL駆動901と静電主偏向902、更にこれらを組み合わせたハイブリッド偏向904におけるウェハ上のビーム設定位置を説明するための図である。(a)はMMOL偏向位置の変化、(b)はMMOL駆動速度の変化を示している。MMOL正弦波駆動901による描画領域の減少及び増加を、静電偏向902を用いて補正することで、ハイブリッド偏向904で矩形波による偏向と同等の描画領域を得ることができる。
【0102】
またこの方法は、MMOLの正弦駆動幅が矩形駆動の場合と同じに制御した。以下、これをオーバーシュートと記す。
【0103】
下記の(表1)は、正弦波駆動と静電主偏向による補正を組み合わせた本実施形態の結果をまとめたものである。
【0104】
【表1】
Figure 0003993334
【0105】
これから、従来4.5mmを静電偏向していたときと比較し、オーバーシュートの場合は機械駆動を4.5mm、静電偏向領域は1mm×0.94mm、アンダーシュートの場合は機械駆動を2.86mm、静電偏向領域を1mm×1.64mmで、4.5mmの領域をスループットの低下無く描画することができる。また、静電偏向領域を従来の4.5mmに対して、約1/3に低減できるので、ビームのぼけ,歪みが大幅に低減できる。
【0106】
なお、プリ対物レンズ偏向器110では、対物レンズ偏向器105,106を機械的に光軸119に対して垂直方向に移動するのと同期して、電子ビーム118を対物レンズ偏向器105,106の光学的な軸へビームを偏向する。この場合の偏向は、正弦波又はそれに近似したもので制御すればよい。
【0107】
このように本実施形態では、対物偏向器を含む対物レンズを機械的に光軸に対して垂直方向に移動することを可能とした駆動機構を備え、大きな偏向を機械的な移動で行い、その中の各ショットを静電偏向を用いて描画する機能を持った電子ビーム描画装置において、対物偏向器を含む対物レンズの機械的な駆動を正弦波で行い、矩形波制御と正弦波駆動の描画領域の違いを静電偏向器により補正して描画する。このような制御方法により、スループットを劣化させることなく、対物偏向器を含む対物レンズの機械的な移動を正弦波駆動により行うことで制御が簡単になり、また高速で駆動することができ、ビームの位置精度の向上が可能となった。
【0108】
また、本実施形態で説明したような補正は、図1に示した可変成形型の電子ビーム描画装置に限らず、図7に示したキャラクタ型電子ビーム描画装置でも同様に行うことができる。
【0109】
(第5の実施形態)
先に説明した第4の実施形態のように、MMOLの移動速度(周期),ステージの移動速度は1主偏向列領域露光時間で変わり、1主偏向列露光時間は1副偏向露光時間で変わる。レジスト感度又は電流密度が変化すると1副偏向露光時間は当然のことながら変わるため、MMOLの移動速度も変える必要がある。しかし、MMOLの駆動部の小型化,コラム内の真空度の劣化を減少するためには、MMOLは単純な構造であるのが望ましい。そのために、MMOL制御を単一周波数で駆動することが望ましい。偏向周波数をMMOLの固有周波数近くに設計しておけば、偏向に必要な動力が最小になり、小型化が可能になる。
【0110】
そこで本実施形態では、MMOL駆動を単一周波数で制御でき、且つショット時間の変化に対応して描画が可能になる描画方式を説明する。
【0111】
電子ビーム描画装置の基本構成は前記図1と同様であり、この装置を用い前記図3(c)に示すように、対物駆動機構114により駆動制御し、対物レンズ偏向器105の位置を光軸119に対して垂直方向に移動し、それと同期してプリ対物レンズ偏向器110により、電子ビーム118を対物レンズ偏向器105の光軸を通るようにし、その後に対物レンズ偏向器105で試料面107上のショット位置を決定して描画を行う。
【0112】
図20に示すのは、レジスト感度0.1μC/cm2 、電流密度1A/cm2 、ショットサイズ10μm、副偏向セトリング時間100ns、副偏向サイズ50μm、主偏向待ち時間10μsの条件で描画した場合である。この場合、1副偏向領域402内にはショット401が50個、1主偏向列403は副偏向領域数10個になる。このときに1主偏向列403の描画時間は0.15msとなる。この条件でMMOLを駆動することにより、前記図14に示すような描画が可能となる。
【0113】
次にレジスト感度が変化した場合について述べる。
図21はレジスト感度0.6μC/cm2 の場合である。レジスト感度以外の条件は図20と同様である。この場合、ショット時間は式(1) から600nsとなり、副偏向の描画時間は式(2) から17.5μsとなる。このとき、MMOLの駆動周波数を一定とするために、1主偏向列403の描画時間をレジスト感度0.1μC/cm2 と同様になるようにする。即ち、1主偏向列403を描画する時間は0.15msとなる。
【0114】
このような条件下においては、図21に示すように1主偏向列403中の副偏向領域402の数が変化する。この場合、0.15ms内に描画できる副偏向領域数は、式(3) を変形し、Nmain=0.15ms/(17.5μs+10μs)で与えられ、5.45個になる。即ち、副偏向領域402を5個描画し、余り時間が生じることになる。副偏向領域5個の描画には、式(3) から0.1375msの時間がかかる。また、6個目の副偏向領域を描画するためには主偏向を一度偏向するため、主偏向のセトリング待ち時間が一度入る。よって、余り時間で描画を行おうとすると、描画できるショット数は、(0.15ms−0.1375ms−10μs)/700ns=3.5ショットとなる。
【0115】
この場合、副偏向領域内の1辺当りのショット数5個より、小さいので描画を止めて、描画時間が0.15ms経過するまで待つ。従って、0.6μC/cm2 のレジスト感度の場合は、1主偏向列は副偏向領域5個となり、MMOLのステージ進行方向の幅は250μmとなる。これを各主偏向列に対して、順次行描画を続けていく。
【0116】
即ち、MMOLの偏向周波数を一定とするために、1主偏向列の描画時間が一定になるように、副偏向領域数及びショット数を制御することに特徴を持つ。また、ショット時間が副偏向領域全面を描画するのに十分でない場合は、副偏向領域内の1辺当りのショット数の倍数だけ描画し、残りの時間を待ち時間とする。
【0117】
下記の(表2)は、レジスト感度が0.1μC/cm2 から0.5μC/cm2 まで変化した場合の具体的な例を示している。
【0118】
【表2】
Figure 0003993334
【0119】
この中で、例えば0.4μC/cm2 のレジスト感度の場合は、1主偏向列内の副偏向領域数は6個で7個目の副偏向領域内を10ショット、即ち副偏向領域内の2辺分だけ描画を行う。このようして描画制御を行うことにより、待ち時間が最小となりスループットの低下を減少することが可能となる。
【0120】
ここではレジスト感度が変化した場合について説明したが、電流密度が変化した場合においても同様である。
【0121】
このように本実施形態では、対物偏向器を含む対物レンズを機械的に光軸に対して垂直方向に移動することを可能する駆動装置を具備し、大きな偏向を機械的に移動し、その中の各ショットを静電偏向を用いて描画をする機能を持った電子ビーム描画装置において、1主偏向列の描画時間が一定になるように、副偏向領域数及びショット数を制御することに特徴を持つ。また、ショット時間が副偏向領域全面を描画するのに十分でない場合は、副偏向領域内の1辺当りのショット数の倍数だけ描画し、残りの時間を待ち時間とすることにより、レジスト感度,電流密度の変化に対して一定のMMOL駆動周波数で制御することが可能となり、MMOL制御を単一周波数で制御でき、偏向周波数をMMOLの固有周波数近くに設計することが可能となり、偏向に必要な動力が最小になり、小型化が可能になった。
【0122】
また、本実施形態の考えは、前記図7に示すキャラクタプロジェクション方式に適用することもできる。
【0123】
(第6の実施形態)
本実施例で用いる電子ビーム描画装置の基本的な構成は、図1のものと同じなので、ここではその説明は省略する。
【0124】
先に説明した第4の実施形態において、1MMOL列の描画には4.5msの時間が必要となるが、このときの最適MMOL移動速度は,1.5mm/4.5ms=333mm/Sである。
【0125】
MMOLの位置は、レーザ干渉計を用いれば0.6nmという高精度な位置検出が可能である。この位置データは、100ns単位のサンプリング周期で更新され、100ns毎のストローブ信号をトリガにしてデータが読み出せる構成になっている。読み出した位置情報をプリ対物レンズ偏向器110に印加する。偏向電圧にフィードバックして、電子ビーム118が対物レンズ偏向器105の光軸を通るように制御する。また、同じく読み出した位置情報を対物レンズ偏向器105に印加する偏向電圧にフィードバックして、試料面107上のショット位置を決定する。
【0126】
図22に、本実施形態のMMOL追従制御回路の構成を示す。この回路は、偏向制御回路610と主偏向アンプ620から成る。偏向制御回路610は、主偏向歪み補正回路611,MMOL追従回路612,フィードバック遅れ補正回路613,減算器614,加算器615,及び後述する補正演算回路618から成り、パターンジェネレータ630からのパターン位置データとレーザ測長計108からのMMOL位置データは減算器614を介して主偏向歪み補正回路611に供給される。また、レーザ測長計108からのMMOL位置データは、MMOL追従回路612及びフィードバック遅れ補正回路613に供給され、各回路612,613の出力は加算器615により加算されるようになっている。
【0127】
主偏向アンプ620は、アンプ621,622,623,加算器624,及び後述する積分器625から成り、偏向制御回路610の主偏向歪み補正回路611からの補正データはDAC631を介してアンプ621に供給され、偏向制御回路610の加算器615からの信号はDAC632を介してアンプ622に供給される。そして、アンプ621,622の各出力が加算器624により加算され、アンプ623を介して前記対物偏向器105の主偏向器に供給されるようになっている。
【0128】
ここで、補正演算回路618及び積分アンプ625を設けない場合、偏向制御回路610では、主偏向の位置決め開始から副偏向領域内の描画が終了するまでの間に、100ns毎に更新される位置データを検出して、主偏向位置決め直後からの差分をMMOL追従回路612で算出し、さらにMMOL追従回路612の遅れ時間によって引き起こされるMMOL移動速度に依存した追従エラーをMMOLフィードバック遅れ補正回路613で算出し、両者を加算したデータをMMOL追従DAC632へ書き込み、その電圧出力を対物偏向電圧に加算してビームの位置を補正していた。
【0129】
この場合、MMOL追従DAC632へ書き込まれるデータは、図23中に破線で示すように階段状になってしまう。MMOL移動速度が遅い場合は描画精度を劣化させる要因にはならなかったが、MMOLを速度333mm/sで移動させながら描画すると、100nsのサンプリング時間間隔にMMOLは33nmも移動し、この間のビーム位置が制御できなくなって描画精度が低下することになる。
【0130】
そこで本実施形態では、上記の構成に補正演算回路618,積分アンプ625,DAC633を追加することにより、ある一定のサンプリング周期で得られたMMOLの位置情報から、サンプリング周期内の時間における各々の位置変化を補間して求め、ビーム位置をより細かく補正するようにしている。
【0131】
この場合、MMOLの位置はレーザ干渉計108によって0.6nmの分解能で検出され、位置情報として100ns毎にストローブ信号と共に位置データが得られる。先の例と同様に、主偏向の位置決め開始から副偏向領域内の描画が終了するまでの間に、100ns毎に更新される位置データを検出して、主偏向位置決め直後からの差分と、MMOL追従回路の遅れ時間によって引き起こされるMMOL移動速度に依存した追従エラーを算出し、両者を加算したデータをMMOL追従DAC632へ書き込む。
【0132】
これに加え補正演算回路618により、主偏向位置決め直後から主偏向セトリング時間の間の描画していない時間に検出される複数の位置データからMMOL移動速度(=MMOL移動量/サンプリング時間)を検出してホールドする。この速度値をDAC633を介して主偏向アンプ620の積分アンプ625に入力し、補間用の電圧(補間位置データ)を発生させる。そして、100ns毎の位置データ更新時に積分アンプ625をクリアした後、検出されたMMOL移動速度を積分アンプ625に入力して、その出力電圧を加算器624により、アンプ621,622の出力に加算するように制御する。
【0133】
この結果、MMOL追従制御回路の最終出力は、図23に実線で示したように直線状になり、サンプリング時間内におけるビーム位置が精度良くMMOLの移動を追従できるようになる。
【0134】
(第7の実施形態)
第6の実施形態におけるMMOL追従用の積分アンプは、次のような構成でも可能である。即ち、主偏向セトリング中の時間内で、サンプリングしたMMOL位置変化量とサンプリング時間からMMOL移動速度を精度良く求めておく。そして、主偏向セトリング終了直前に、主偏向の位置決め開始からのMMOL位置変化量をオフセット値としてセットし、同時に求めたMMOL移動速度のデータを積分アンプに入力する。さらに、副偏向内の描画が終了するまで両者の加算値でビーム位置を補正する。次の副偏向描画では、積分アンプをリセットして同じ制御を続ける。
【0135】
また、積分アンプの精度を向上させるために100ns毎に更新される従来型の追従DAC/アンプをリファレンス用の電圧として用いる方法がある。この場合、位置データ更新時に積分アンプの出力をサンプルホールドしてリファレンス電圧と比較し、その差分電圧を積分アンプの入力にフィードバックすることにより、精度向上をはかることができる。
【0136】
また、MMOLの移動速度が決まっている場合、MMOL移動をテーブル化しておき、これを基に補正することも可能である。
【0137】
(変形例)
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではない。実施形態では、可変成形型電子ビーム描画装置やキャラクタ型電子ビーム描画装置等について説明したが、本発明はポイント型電子ビーム描画方式についても同様に適用できる。さらに、電子ビーム描画装置に限らず、電気的にビームを偏向する描画装置であれば適用でき、イオンビーム描画装置に適用することもできる。また、必ずしも描画装置に限るものではなく、SEM等の測定装置に適用することも可能である。
【0138】
また、第3の実施形態において駆動機構により移動される成形アパーチャやキャラクタアパーチャ等に形成する開口パターンの数,配置関係は、仕様に応じて適宜変更可能である。また、第4の実施形態において対物レンズ等の駆動機構を制御するための波形は正弦波に限るものではなく、三角関数的に滑らかに駆動できるものであればよい。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができる。
【0139】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、荷電ビーム描画装置の対物レンズの構造に関し、対物偏向器を含む対物レンズを光軸に対して垂直方向に機械的に駆動する駆動機構を設け、大きな偏向を駆動機構で行い、その中の各ショットを偏向器を用いて描画する構成としているので、偏向領域の増大に伴うビーム解像性の劣化やパターン歪みの発生等を無くすことができ、スループットの向上と共に描画精度の向上をはかることが可能となる。
【0140】
また、成形アパーチャやキャラクタアパーチャを機械的に可動にする駆動機構を設けることにより、これらのアパーチャに多数の開口パターンを配置することができ、これにより描画スループットの一層の向上をはかることが可能となる。
【0141】
また、対物レンズ及び対物偏向器等の移動速度が連続して変化するように駆動機構の駆動を正弦波等で行い、さらにこの駆動に同期して対物偏向器によりビームを電気的に偏向し、一定の基準速度に対する駆動機構による移動速度の差分を補正することにより、駆動機構の駆動を正弦波駆動にしたことに伴うスループットの低下も抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係わる電子ビーム描画装置を示す概略構成図。
【図2】第1の実施形態に用いた静電レンズ,静電偏向器を示す図。
【図3】第1の実施形態における描画領域を説明するための図。
【図4】第1の実施形態における描画シーケンスを説明するための図。
【図5】第1の実施形態における描画シーケンスを説明するための図。
【図6】第1の実施形態におけるスループットとビーム収差との関係を示す図。
【図7】第2の実施形態に係わる電子ビーム描画装置を示す概略構成図。
【図8】キャラクタプロジェクション描画方式を説明するための図。
【図9】第3の実施形態に係わる電子ビーム描画装置を示す概略構成図。
【図10】第3の実施形態に係わる電子ビーム描画装置を示す概略構成図。
【図11】アパーチャ駆動機構の駆動タイミングを描画シーケンス内で示す図。
【図12】アパーチャ群の最小単位をなすアパーチャの図形パターン配置例を示す図。
【図13】MMOLの描画方法における描画領域を示す図。
【図14】MMOLの描画方法における描画順序を示す図。
【図15】MMOLの描画方法の問題点を説明するための図。
【図16】MMOLの矩形制御と正弦波制御を説明するための図。
【図17】単純なMMOLの正弦波駆動を説明するための図。
【図18】第4の実施形態に係わるMMOLの正弦波駆動を説明するための図。
【図19】第4の実施形態に係わるMMOLの正弦波駆動を説明するための図。
【図20】第5の実施形態を説明するためのもので、レジスト感度の変化(0.1μC/cm2 )による1主偏向列内の副偏向数の変化を示す図。
【図21】第5の実施形態を説明するためのもので、レジスト感度の変化(0.6μC/cm2 )による1主偏向列内の副偏向数の変化を示す図。
【図22】第6の実施形態におけるMMOL追従回路を示す回路構成図。
【図23】第6の実施形態におけるMMOL追従補正電圧の変化を示す図。
【符号の説明】
101…電子銃
102…コンデンサレンズ
103…ブランキング偏向器
104…ブランキングアパーチャ
105,602…対物偏向器
106,603…対物レンズ
107…試料
108,109,302…レーザ干渉計
110…プリ対物レンズ偏向器
111…ブランキングアンプ
112…プリ対物レンズ偏向アンプ
113…対物偏向アンプ
114…対物駆動機構
115…ステージ駆動機構
116…制御用計算機
117…ステージ
118…電子ビーム
119…光軸
120…第1成形アパーチャ
121…成形偏向器
123…クロスオーバー
124…投影レンズ
125…第2成形アパーチャ
126…縮小レンズ
127…成形偏向アンプ
201…1ショットにより描画される領域
202…対物偏向により描画される領域
203…対物偏向により描画される領域+対物駆動により対物偏向領域を移動し描画される領域
301…アパーチャ駆動機構
601…キャラクタアパーチャ

Claims (20)

  1. 荷電ビーム源から発生された荷電ビームを所望の大きさ及び明るさに調整するコンデンサレンズと、荷電ビームを試料面上にフォーカスする対物レンズと、荷電ビームをブランキングするためのブランキング偏向器及びブランキングアパーチャと、試料面上の荷電ビームの位置を制御する対物偏向器とを備えた荷電ビーム描画装置であって、
    前記対物レンズ及び対物偏向器を所定の平面内で機械的に可動にする駆動機構を設け、且つ前記対物レンズ及び対物偏向器よりも前記荷電ビーム源側に、前記駆動機構と同期して荷電ビームを偏向する光軸シフト用偏向器を設けてなることを特徴とする荷電ビーム描画装置。
  2. 荷電ビーム源から発生された荷電ビームを所望の電流密度に調整するコンデンサレンズと、複数種のパターンを有しいずれかのパターンの選択により荷電ビームを成形するキャラクタアパーチャと、荷電ビームをブランキングするためのランキング偏向器及びブランキングアパーチャと、キャラクタアパーチャで成形された荷電ビームを試料面上にフォーカスする対物レンズと、試料面上の荷電ビームの位置を制御する対物偏向器とを備えた荷電ビーム描画装置であって、
    前記キャラクタアパーチャ,対物レンズ,及び対物偏向器を所定の平面内で可動にする駆動機構を設け、且つ前記キャラクタアパーチャよりも前記荷電ビーム源側に、前記駆動機構と同期して荷電ビームを偏向する光軸シフト用偏向器を設けてなることを特徴とする荷電ビーム描画装置。
  3. 荷電ビーム源から発生された荷電ビームを所望の大きさ及び明るさに調整するコンデンサレンズと、荷電ビームを所望形状に成形するための複数の開口パターンを有するキャラクタアパーチャと、成形された荷電ビームを試料面上にフォーカスする対物レンズと、荷電ビームをブランキングするためのブランキング偏向器及びブランキングアパーチャと、試料面上の荷電ビームの位置を制御する対物偏向器とを備えた荷電ビーム描画装置であって、
    前記キャラクタアパーチャを所定の平面内で機械的に可動にする第1の駆動機構を設けると共に、前記対物レンズ及び対物偏向器を所定の平面内で機械的に可動にする第2の駆動機構を設け、且つ前記対物レンズ及び対物偏向器よりも前記荷電ビーム源側に、第2の駆動機構と同期して荷電ビームを偏向する光軸シフト用偏向器を設けてなることを特徴とする荷電ビーム描画装置。
  4. 荷電ビーム源から発生された荷電ビームを所望の電流密度に調整するコンデンサレンズと、複数種のパターンを有しいずれかのパターンの選択により荷電ビームを成形するキャラクタアパーチャと、荷電ビームをブランキングするためのランキング偏向器及びブランキングアパーチャと、キャラクタアパーチャで成形された荷電ビームを試料面上にフォーカスする対物レンズと、試料面上の荷電ビームの位置を制御する対物偏向器とを備えた荷電ビーム描画装置であって、
    前記キャラクタアパーチャを所定の平面内で機械的に可動にする第1の駆動機構を設けると共に、前記対物レンズ及び対物偏向器を所定の平面内で機械的に可動にする第2の駆動機構を設け、且つ前記キャラクタアパーチャよりも前記荷電ビーム源側に、第2の駆動機構と同期して荷電ビームを偏向する光軸シフト用偏向器を設けてなることを特徴とする荷電ビーム描画装置。
  5. 荷電ビーム源から発生された荷電ビームを所望の大きさ及び明るさに調整するコンデンサレンズと、荷電ビームを試料面上にフォーカスする対物レンズと、荷電ビームをブランキングするためのブランキング偏向器及びブランキングアパーチャと、試料面上の荷電ビームの位置を制御する対物偏向器とを備えた荷電ビーム描画装置であって、
    前記対物レンズ及び対物偏向器を所定の平面内で機械的に往復移動させる駆動機構を設け、且つ前記対物レンズ及び対物偏向器よりも前記荷電ビーム源側に、前記駆動機構と同期して荷電ビームを偏向する光軸シフト用偏向器を設けてなり、前記対物レンズ及び対物偏向器の移動速度が連続的に変化するように前記駆動機構を制御することを特徴とする荷電ビーム描画装置。
  6. 荷電ビーム源から発生された荷電ビームを所望の電流密度に調整するコンデンサレンズと、複数種のパターンを有しいずれかのパターンの選択により荷電ビームを成形するキャラクタアパーチャと、荷電ビームをブランキングするためのランキング偏向器及びブランキングアパーチャと、キャラクタアパーチャで成形された荷電ビームを試料面上にフォーカスする対物レンズと、試料面上の荷電ビームの位置を制御する対物偏向器とを備えた荷電ビーム描画装置であって、
    前記キャラクタアパーチャ,対物レンズ,及び対物偏向器を所定の平面内で往復移動させる駆動機構を設け、且つ前記キャラクタアパーチャよりも前記荷電ビーム源側に、前記駆動機構と同期して荷電ビームを偏向する光軸シフト用偏向器を設けてなり、前記キャラクタアパーチャ,対物レンズ,及び対物偏向器の移動速度が連続的に変化するように前記駆動機構を制御することを特徴とする荷電ビーム描画装置。
  7. 前記駆動機構は、荷電ビームの光軸方向(Z方向)と直交する少なくとも2軸方向(X方向及びY方向)に機械的に可動であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の荷電ビーム描画装置。
  8. 前記駆動機構は、磁気力により駆動制御するアクチュエータからなることを特徴とする請求項7記載の荷電ビーム描画装置。
  9. 前記光軸シフト用偏向器は、静電型偏向器であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の荷電ビーム描画装置。
  10. 前記光軸シフト用偏向器は、少なくとも2段の偏向器からなり、荷電ビームを振り戻してビーム軸を平行にシフトするものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか又は9記載の荷電ビーム描画装置。
  11. 前記対物レンズは、静電型レンズであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の荷電ビーム描画装置。
  12. 前記対物レンズ及び対物偏向器は共に静電型であり、一体形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の荷電ビーム描画装置。
  13. 前記駆動機構を正弦波によって制御することを特徴とする請求項5又は6記載の荷電ビーム描画装置。
  14. 前記駆動機構の駆動に同期して、前記対物偏向器によりビームを電気的に偏向し、一定の基準速度に対する前記駆動機構による移動速度の差分を補正することを特徴とする請求項5又は6記載の荷電ビーム描画装置。
  15. 前記駆動機構における機械的駆動周波数を一定としたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の荷電ビーム描画装置。
  16. 前記対物偏向器は主副2段の偏向器からなり、主偏向器で副偏向領域の位置決めを行い、副偏向器で副偏向領域の描画を行うものであり、試料を載置したステージは一方向に連続的に移動され、前記駆動機構による移動方向はステージ移動方向と交差する方向であり、
    ステージ移動方向と交差する方向に沿った複数の副偏向領域からなる主偏向列の描画時間が一定となるように、描画条件に応じて主偏向列内の副偏向領域数及びショット数を可変にしたことを特徴とする請求項15記載の荷電ビーム描画装置。
  17. 前記駆動機構により駆動される物体の移動位置を一定のサンプリング時間間隔で検出する位置センサと、この位置センサにより得られる位置データに基づいて前記物体が移動することに伴う荷電ビームの位置ずれを補正し、且つ前記位置センサにより得られる位置データからの補間により、前記サンプリング時間間隔より短い間隔で補間位置データを求め、この補間位置データに基づいて前記荷電ビームの位置ずれを補正する補正回路とを設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の荷電ビーム描画装置。
  18. 前記補正回路は、前記位置センサにより得られる位置データを基に前記物体の移動速度を算出し、算出した移動速度を積分器に入力して前記補間位置データを得るものであることを特徴とする請求項17記載の荷電ビーム描画装置。
  19. 荷電ビーム源から発生された荷電ビームを所望の大きさ及び明るさに調整するコンデンサレンズと、荷電ビームを試料面上にフォーカスする対物レンズと、試料面上の荷電ビームの位置を制御する対物偏向器と、前記対物レンズ及び対物偏向器を所定の平面内で機械的に可動にする駆動機構と、前記対物レンズ及び対物偏向器よりも前記荷電ビーム源側に配置され、前記駆動機構と同期して荷電ビームを偏向する光軸シフト用偏向器とを具備してなり、
    前記駆動機構は、前記対物レンズ及び対物偏向器の移動速度を連続的に変化させることを特徴とする荷電ビーム描画装置。
  20. 荷電ビーム源から発生された荷電ビームを所望の電流密度に調整するコンデンサレンズと、複数種のパターンを有しいずれかのパターンの選択により荷電ビームを成形するキャラクタアパーチャと、前記キャラクタアパーチャで成形された荷電ビームを試料面上にフォーカスする対物レンズと、試料面上の荷電ビームの位置を制御する対物偏向器と、前記キャラクタアパーチャ,対物レンズ,及び対物偏向器を所定の平面内で往復移動させる駆動機構と、前記キャラクタアパーチャよりも前記荷電ビーム源側に配置され、前記駆動機構と同期して荷電ビームを偏向する光軸シフト用偏向器とを具備してなり、
    前記駆動機構は、前記キャラクタアパーチャ,対物レンズ,及び対物偏向器の移動速度を連続的に変化させることを特徴とする荷電ビーム描画装置。
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