JP2000150367A - 荷電ビ―ム描画装置 - Google Patents

荷電ビ―ム描画装置

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JP2000150367A
JP2000150367A JP11076056A JP7605699A JP2000150367A JP 2000150367 A JP2000150367 A JP 2000150367A JP 11076056 A JP11076056 A JP 11076056A JP 7605699 A JP7605699 A JP 7605699A JP 2000150367 A JP2000150367 A JP 2000150367A
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objective lens
deflection
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Kazuyoshi Sugihara
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Yuichiro Yamazaki
裕一郎 山崎
Motosuke Miyoshi
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Katsuya Okumura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 偏向領域の増大に伴うビーム解像性の劣化や
パターン歪みの発生等を無くすことができ、スループッ
トの向上と共に描画精度の向上をはかる。 【解決手段】 電子銃から放射された電子ビームを所望
の大きさ及び明るさに調整するコンデンサレンズ102
と、電子ビームを試料面107上にフォーカスする対物
レンズ105と、電子ビームをブランキングするための
ブランキング偏向器103及びブランキングアパーチャ
104と、試料面107上の電子ビームの位置を制御す
る対物偏向器106とを備えた電子ビーム描画装置にお
いて、対物レンズ105及び対物偏向器106を電子ビ
ームの光軸と直交する平面内で機械的に可動にする対物
駆動機構114を設け、且つ対物レンズ105及び対物
偏向器106よりも電子銃側に、該レンズ及び偏向器と
同期して電子ビームを偏向する光軸シフト用偏向器11
0を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体集積回路、
その他微細な素子パターンを、荷電ビームを用いて半導
体ウェハやパターン転写用のマスク等の基板上に形成す
る荷電ビーム描画装置に係わり、特に対物レンズ及び対
物偏向器を機械的に移動させる機構を備えた荷電ビーム
描画装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造工程における光リソグラフィ
は、そのプロセス簡易性,低コストなどの利点により広
くデバイス生産に用いられてきた。そして、常に技術革
新が続けられており、近年では短波長化(KrFエキシ
マレーザ光源)により0.25μm以下の素子の微細化
が達成されつつある。さらに微細化を進めようと、より
短波長のArFエキシマレーザ光源やレベンソン型の位
相シフトマスクの開発が進められており、0.15μm
ルール対応の量産リソグラフィツールとして期待されて
いる。しかし、これを実現するための課題も多く、その
開発に係わる時間が長期化しており、デバイスの微細化
のスピードに追いつかなくなることが心配されつつあ
る。
【0003】これに対して、ポスト光リソグラフィの第
一候補である電子ビームリソグラフィは、細く絞ったビ
ームを用いて0.01μmまでの加工ができることは実
証済みである。微細化という観点では、当面問題なさそ
うであるが、デバイス量産ツールとしてはスループット
に問題がある。即ち、電子ビームリソグラフィでは、細
かいパターンを一つ一つ順番に描いていくためどうして
も時間がかかってしまう。この描画時間を短縮するため
に、ULSIパターンの繰り返し部分を部分的に一括し
て描画するセルプロジェクション方式など、幾つかの装
置が開発されている。しかし、これらの装置を用いても
光リソグラフィのスループットに追いつくまでには至っ
ていない。
【0004】電子ビームリソグラフィのスループットを
増大させる一つの方法として、電子ビーム描画装置内の
対物偏向器の偏向領域を大きくし、高速で偏向すること
が試みられている。この場合、描画スループットは向上
するが、偏向領域が大きくなるため、レンズ・偏向収差
により、解像性の劣化,パターンの歪み等が現れ、高精
度な描画を行うことができない。また、偏向には高速で
偏向するために静電型の偏向器が用いられているが、偏
向領域と静電偏向器に印加する電圧には相関関係があ
り、大偏向するために静電偏向器への印加電圧が高くな
ると、高速で偏向することが困難になる問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように従来、電子
ビーム描画装置において、スループットを高めるために
対物偏向器の偏向領域を大きくすると、レンズ・偏向収
差により解像性の劣化やパターンの歪み等が生じ、高精
度の描画を行うことはできない。さらに、高速偏向可能
な静電偏向器で大きな偏向領域をカバーすることは困難
であった。また、上記の問題は電子ビーム描画装置に限
らず、イオンビームを用いてパターンを描画するイオン
ビーム描画装置に関しても同様に言えることである。
【0006】本発明は、上記事情を考慮して成されたも
ので、その目的とするところは、偏向領域の増大に伴う
ビーム解像性の劣化やパターン歪みの発生等を無くすこ
とができ、スループットの向上と共に描画精度の向上を
はかり得る荷電ビーム描画装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】(構成)上記課題を解決
するために本発明は、次のような構成を採用している。
【0008】即ち本発明は、荷電ビーム源から発生され
た荷電ビームを所望の大きさ及び明るさに調整するコン
デンサレンズと、荷電ビームを試料面上にフォーカスす
る対物レンズと、荷電ビームをブランキングするための
ブランキング偏向器及びブランキングアパーチャと、試
料面上の荷電ビームの位置を制御する対物偏向器とを備
えた荷電ビーム描画装置であって、前記対物レンズ及び
対物偏向器を所定の平面内で(例えば、荷電ビームの光
軸と直交する平面内で)機械的に可動にする駆動機構を
設け、且つ前記対物レンズ及び対物偏向器よりも前記荷
電ビーム源側に、前記駆動機構と同期して荷電ビームを
偏向する光軸シフト用偏向器を設けてなることを特徴と
する。
【0009】また本発明は、荷電ビーム源から発生され
た荷電ビームを所望の電流密度に調整するコンデンサレ
ンズと、複数種のパターンを有しいずれかのパターンの
選択により荷電ビームを成形するキャラクタアパーチャ
と、荷電ビームをブランキングするためのプランキング
偏向器及びブランキングアパーチャと、キャラクタアパ
ーチャで成形された荷電ビームを試料面上にフォーカス
する対物レンズと、試料面上の荷電ビームの位置を制御
する対物偏向器とを備えた荷電ビーム描画装置であっ
て、前記キャラクタアパーチャ,対物レンズ,及び対物
偏向器を所定の平面内で(例えば、荷電ビームの光軸と
直交する平面内で)可動にする駆動機構を設け、且つ前
記キャラクタアパーチャよりも前記荷電ビーム源側に、
前記駆動機構と同期して荷電ビームを偏向する光軸シフ
ト用偏向器を設けてなることを特徴とする。
【0010】ここで、本発明の望ましい実施態様として
は次のものがあげられる。 (1) 駆動機構は、荷電ビームの光軸方向(Z方向)と直
交する少なくとも2軸方向(X方向及びY方向)に機械
的に可動であること。 (2) 駆動機構は、磁気力により駆動制御するアクチュエ
ータからなること。
【0011】(3) 光軸シフト用偏向器は、静電型偏向器
であること。 (4) 光軸シフト用偏向器は、少なくとも2段の偏向器か
らなり、荷電ビームを振り戻してビーム軸を平行にシフ
トするものであること。 (5) 対物レンズは、静電型レンズであること。 (6) 対物レンズ及び対物偏向器は共に静電型であり、一
体形成されていること。
【0012】(7) 試料に入射する電子ビームのエネルギ
ーを5kV以下に設定したこと。 (8) 光軸シフト用偏向器により、駆動機構による対物レ
ンズ及び対物偏向器の光軸のずれを補正すること。 (9) 描画装置は、電子ビーム描画装置であること。
【0013】(10)駆動機構による駆動周波数は一定であ
ること。 (11)対物偏向器は主副2段の偏向器からなり、主偏向器
で副偏向領域の位置決めを行い、副偏向器で副偏向領域
の描画を行うものであり、試料を載置したステージは一
方向に連続的に移動され、駆動機構による移動方向はス
テージ移動方向と交差する方向であり、ステージ移動方
向と交差する方向に沿った複数の副偏向領域からなる主
偏向列の描画時間が一定となるように、描画条件に応じ
て主偏向列内の副偏向領域数及びショット数を可変にし
たこと。
【0014】(12)駆動機構により駆動される物体の移動
位置を一定のサンプリング時間間隔で検出する位置セン
サと、この位置センサの検出信号に基づいて物体が移動
することに伴う荷電ビームの位置ずれを補正し、且つサ
ンプリング時間より短い間隔で発生する物体の移動量を
補間して補正する補正回路とを設けたこと。 (13)補正回路は、位置センサの検出信号を基に物体の移
動速度を算出し、算出した移動速度を積分器に入力し、
この積分器の出力を偏向電圧に加算するものであるこ
と。
【0015】また本発明は、荷電ビーム源から発生され
た荷電ビームを所望の大きさ及び明るさに調整するコン
デンサレンズと、荷電ビームを所望形状に成形するため
の複数の開口パターンを有するキャラクタアパーチャ
と、成形された荷電ビームを試料面上にフォーカスする
対物レンズと、荷電ビームをブランキングするためのブ
ランキング偏向器及びブランキングアパーチャと、試料
面上の荷電ビームの位置を制御する対物偏向器とを備え
た荷電ビーム描画装置であって、前記キャラクタアパー
チャを所定の平面内で機械的に可動にする第1の駆動機
構を設けると共に、前記対物レンズ及び対物偏向器を所
定の平面内で機械的に可動にする第2の駆動機構を設
け、且つ前記対物レンズ及び対物偏向器よりも前記荷電
ビーム源側に、第2の駆動機構と同期して荷電ビームを
偏向する光軸シフト用偏向器を設けてなることを特徴と
する。
【0016】また本発明は、荷電ビーム源から発生され
た荷電ビームを所望の電流密度に調整するコンデンサレ
ンズと、複数種のパターンを有しいずれかのパターンの
選択により荷電ビームを成形するキャラクタアパーチャ
と、荷電ビームをブランキングするためのプランキング
偏向器及びブランキングアパーチャと、キャラクタアパ
ーチャで成形された荷電ビームを試料面上にフォーカス
する対物レンズと、試料面上の荷電ビームの位置を制御
する対物偏向器とを備えた荷電ビーム描画装置であっ
て、前記キャラクタアパーチャを所定の平面内で機械的
に可動にする第1の駆動機構を設けると共に、前記対物
レンズ及び対物偏向器を所定の平面内で可動にする第2
の駆動機構を設け、且つ前記キャラクタアパーチャより
も前記荷電ビーム源側に、第2の駆動機構と同期して荷
電ビームを偏向する光軸シフト用偏向器を設けてなるこ
とを特徴とする。
【0017】ここで、本発明の望ましい実施態様として
は次のものがあげられる。 (1) 各駆動機構は、荷電ビームの光軸方向(Z方向)と
直交する少なくとも2軸方向(X方向及びY方向)に機
械的に可動であること。 (2) 各駆動機構は、磁気力により駆動制御するアクチュ
エータからなること。
【0018】(3) 光軸シフト用偏向器は、静電型偏向器
であること。 (4) 光軸シフト用偏向器は、少なくとも2段の偏向器か
らなり、荷電ビームを振り戻してビーム軸を平行にシフ
トするものであること。 (5) 対物レンズは、静電型レンズであること。 (6) 対物レンズ及び対物偏向器は共に静電型であり、一
体形成されていること。
【0019】(7) 試料に入射する電子ビームのエネルギ
ーを5kV以下に設定したこと。 (8) 光軸シフト用偏向器により、駆動機構による対物レ
ンズ及び対物偏向器の光軸のずれを補正すること。 (9) 描画装置は、電子ビーム描画装置であること。
【0020】(10)アパーチャ群(複数の開口パターン)
の選択は、試料を載置したステージの移動の折返し時に
行うこと。 (11)アパーチャ群(複数の開口パターン)を構成するア
パーチャは、3つの図形パターンからなること。 (12)3つのアパーチャは、その中心位置間が等しく配置
されていること。
【0021】(13)駆動機構による駆動周波数は一定であ
ること。 (14)対物偏向器は主副2段の偏向器からなり、主偏向器
で副偏向領域の位置決めを行い、副偏向器で副偏向領域
の描画を行うものであり、試料を載置したステージは一
方向に連続的に移動され、前記駆動機構による移動方向
はステージ移動方向と交差する方向であり、ステージ移
動方向と交差する方向に沿った複数の副偏向領域からな
る主偏向列の描画時間が一定となるように、描画条件に
応じて主偏向列内の副偏向領域数及びショット数を可変
にしたこと。
【0022】(15)駆動機構により駆動される物体の移動
位置を一定のサンプリング時間間隔で検出する位置セン
サと、この位置センサの検出信号に基づいて物体が移動
することに伴う荷電ビームの位置ずれを補正し、且つサ
ンプリング時間より短い間隔で発生する物体の移動量を
補間して補正する補正回路とを設けたこと。 (16)補正回路は、位置センサの検出信号を基に物体の移
動速度を算出し、算出した移動速度を積分器に入力し、
この積分器の出力を偏向電圧に加算するものであるこ
と。
【0023】また本発明は、荷電ビーム源から発生され
た荷電ビームを所望の大きさ及び明るさに調整するコン
デンサレンズと、荷電ビームを試料面上にフォーカスす
る対物レンズと、荷電ビームをブランキングするための
ブランキング偏向器及びブランキングアパーチャと、試
料面上の荷電ビームの位置を制御する対物偏向器とを備
えた荷電ビーム描画装置であって、前記対物レンズ及び
対物偏向器を所定の平面内で機械的に往復移動させる駆
動機構を設け、且つ前記対物レンズ及び対物偏向器より
も前記荷電ビーム源側に、前記駆動機構と同期して荷電
ビームを偏向する光軸シフト用偏向器を設けてなり、前
記対物レンズ及び対物偏向器の移動速度が連続的に変化
するように前記駆動機構を制御することを特徴とする。
【0024】また本発明は、荷電ビーム源から発生され
た荷電ビームを所望の電流密度に調整するコンデンサレ
ンズと、複数種のパターンを有しいずれかのパターンの
選択により荷電ビームを成形するキャラクタアパーチャ
と、荷電ビームをブランキングするためのプランキング
偏向器及びブランキングアパーチャと、キャラクタアパ
ーチャで成形された荷電ビームを試料面上にフォーカス
する対物レンズと、試料面上の荷電ビームの位置を制御
する対物偏向器とを備えた荷電ビーム描画装置であっ
て、前記キャラクタアパーチャ,対物レンズ,及び対物
偏向器を所定の平面内で往復移動させる駆動機構を設
け、且つ前記キャラクタアパーチャよりも前記荷電ビー
ム源側に、前記駆動機構と同期して荷電ビームを偏向す
る光軸シフト用偏向器を設けてなり、前記キャラクタア
パーチャ,対物レンズ,及び対物偏向器の移動速度が連
続的に変化するように前記駆動機構を制御することを特
徴とする。
【0025】ここで、本発明の望ましい実施態様として
は次のものがあげられる。 (1) 駆動機構は、荷電ビームの光軸方向(Z方向)と直
交する少なくとも2軸方向(X方向及びY方向)に機械
的に可動であること。 (2) 駆動機構は、磁気力により駆動制御するアクチュエ
ータからなること。
【0026】(3) 光軸シフト用偏向器は、静電型偏向器
であること。 (4) 光軸シフト用偏向器は、少なくとも2段の偏向器か
らなり、荷電ビームを振り戻してビーム軸を平行にシフ
トするものであること。 (5) 対物レンズは、静電型レンズであること。 (6) 対物レンズ及び対物偏向器は共に静電型であり、一
体形成されていること。
【0027】(7) 試料に入射する電子ビームのエネルギ
ーを5kV以下に設定したこと。 (8) 光軸シフト用偏向器により、駆動機構による対物レ
ンズ及び対物偏向器の光軸のずれを補正すること。 (9) 描画装置は、電子ビーム描画装置であること。
【0028】(10)駆動機構を正弦波によって制御するこ
と。 (11)駆動機構の駆動に同期して、対物偏向器によりビー
ムを電気的に偏向し、一定の基準速度に対する駆動機構
による移動速度の差分を補正すること。
【0029】(12)駆動機構による駆動周波数は一定であ
ること。 (13)対物偏向器は主副2段の偏向器からなり、主偏向器
で副偏向領域の位置決めを行い、副偏向器で副偏向領域
の描画を行うものであり、前記試料を載置したステージ
は一方向に連続的に移動され、前記駆動機構による移動
方向はステージ移動方向と交差する方向であり、ステー
ジ移動方向と交差する方向に沿った複数の副偏向領域か
らなる主偏向列の描画時間が一定となるように、描画条
件に応じて主偏向列内の副偏向領域数及びショット数を
可変にしたこと。
【0030】(14)駆動機構により駆動される物体の移動
位置を一定のサンプリング時間間隔で検出する位置セン
サと、この位置センサの検出信号に基づいて物体が移動
することに伴う荷電ビームの位置ずれを補正し、且つサ
ンプリング時間より短い間隔で発生する物体の移動量を
補間して補正する補正回路とを設けたこと。 (15)補正回路は、位置センサの検出信号を基に物体の移
動速度を算出し、算出した移動速度を積分器に入力し、
この積分器の出力を偏向電圧に加算するものであるこ
と。
【0031】(作用)前述したように、対物偏向器によ
る偏向領域を広げると、これに伴い偏向収差が大きくな
り、さらに対物レンズに対するビーム軌道がレンズ中心
から大きくずれるためにレンズの収差が大きくなる。そ
こで本発明では、対物レンズ及び対物偏向器を光軸と直
交する方向に機械的に動かしている。また、対物レンズ
及び対物偏向器を機械的に動かすことによるこれらの軸
と光軸とのずれは、対物レンズ及び対物偏向器の前段に
設けた光軸シフト用偏向器により補正するようにしてい
る。
【0032】従って本発明によれば、対物偏向器自体に
よる電気的な偏向領域を大きくすることなく、トータル
の偏向領域を大きくすることができるので、偏向収差を
小さくできる。さらに、対物偏向器自体による偏向領域
が小さいことから、対物レンズによるレンズ収差も小さ
くできる。このため、偏向領域の増大に伴うビーム解像
性の劣化やパターン歪みの発生等を無くすことができ、
スループットの向上と共に描画精度の向上をはかること
が可能となる。本発明は特に低加速電子ビーム描画装置
において、対物レンズを静電レンズ、対物偏向器を静電
偏向器で構成した装置において有効である。
【0033】また、成形アパーチャやキャラクタアパー
チャを機械的に可動にする駆動機構を設けることによ
り、これらのアパーチャに多数の開口パターン(アパー
チャ群)を配置することができ、これにより描画スルー
プットの一層の向上をはかることが可能となる。
【0034】また、対物レンズ及び対物偏向器等の移動
速度が連続して変化するように駆動機構を制御すること
により、機械的な移動の制御が簡単になる。さらに、駆
動機構の駆動を正弦波等で行う場合に、この駆動に同期
して対物偏向器によりビームを電気的に偏向し、一定の
基準速度に対する駆動機構による移動速度の差分を補正
することにより、駆動機構の駆動を正弦波駆動にしたこ
とに伴うスループットの低下も抑制することが可能とな
る。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細を図示の実施
形態によって説明する。
【0036】(第1の実施形態)図1は、本発明の第1
の実施形態に係わる電子ビーム描画装置を示す概略構成
図である。
【0037】電子銃101から放射された電子ビーム1
18は、コンデンサレンズ102で大きさ及び明るさ
(電流密度)が調整され、第1成形アパーチャ120を
均一に照明する。この第1成形アパーチャ120の像
は、投影レンズ124により第2成形アパーチャ125
上に結像される。これら2つのアパーチャ120,12
5の光学的な重なりの程度は、成形偏向器121により
制御される。この成形偏向器121は、成形偏向アンプ
127からの偏向電圧によって制御される。
【0038】第1成形アパーチャ120と第2成形アパ
ーチャ125の光学的重なりによる成形された電子ビー
ム118は、縮小レンズ126及び対物レンズ106に
より縮小され、試料107上に結像される。そして、電
子ビーム118の試料面上の位置は、対物偏向器105
に電圧を印加する対物偏向アンプ113によって制御さ
れる。
【0039】対物偏向器105及び対物レンズ106
は、後述するように一体形成されて対物レンズ偏向器を
成し、光軸(Z方向)と直交するX,Y方向に移動可能
な対物駆動機構114により移動される。そして、対物
レンズ偏向器105,106の移動位置はレーザ干渉計
108により測定されるものとなっている。また、対物
レンズ偏向器105,106の前段には、後述するプリ
対物レンズ偏向器110が配置され、この偏向器110
にはプリ対物レンズ偏向アンプ112により偏向電圧が
印加される。
【0040】試料107はX,Y方向に移動可能なステ
ージ117上に載置され、ステージ117はステージ駆
動機構115により駆動される。そして、ステージ11
7の位置はレーザ干渉計109により測定されるものと
なっている。
【0041】試料107上の電子ビーム118の位置を
移動する場合、試料107上の不必要な場所が露光され
ないように、ブランキング偏向器103で電子ビーム1
18を偏向し、電子ビーム118がブランキングアパー
チャ104でカットされ、試料面上に到達しないように
する。ブランキング偏向器103への偏向電圧の制御は
ブランキングアンプ111で制御される。そして、全て
のアンプ111,112,113,127及び駆動機構
114,115は制御用計算機116で制御されるもの
となっている。
【0042】次に、対物レンズ部分の構成について詳し
く述べる。本実施形態の要点は対物レンズ106と対物
偏向器105を静電型で形成し、両者を一つの電極で兼
ねた構成物を、対物駆動機構114で光軸に対して垂直
方向に駆動可能とした点にある。対物レンズ偏向器10
5,106は、図2(a)に示すように、8つの電極か
らなるオクタポールとこれを挟む2枚のグランド電極の
3極構造をしており、オクタポールには制御計算機11
6によりV1からV8までの電極電圧が印加される。こ
れらの電圧は対物偏向アンプ113を通して対物レンズ
偏向器105,106に印加され、これにより対物レン
ズ偏向器105,106は静電レンズと静電偏向器を兼
ねることができる。
【0043】なお、対物レンズ偏向器の構成は必ずしも
図2(a)に限るものではなく、図2(b)に示すよう
に、静電レンズを光軸方向に沿って配置された3つの電
極板から構成し、静電偏向器を8つの電極を有するオク
タポールで構成するようにしても良い。
【0044】次に、試料面上への電子ビーム118の位
置設定方法について詳しく述べる。まず、図3(a)に
示すように、第1成形アパーチャ120及び第2成形ア
パーチャ125により成形された電子ビーム118は、
対物レンズ偏向器105,106により試料面上107
上の位置(以下ショット位置)が決定され、成形された
電子ビーム118の大きさ(以下ショットサイズ20
1)を描画する。
【0045】図3(b)に示すように、これらを繰り返
し、対物レンズ偏向器105,106の供給電圧を変化
させ、ショット位置を可変し、対物レンズ偏向器10
5,106の偏向領域202を順次2次元的に描画す
る。この対物レンズ偏向器105,106の偏向領域2
02は、構成される電子光学系の計算上の制約点(収差
・歪み等)により決定されるが、この領域を大きくする
ことにより描画装置のスループットは向上するが、収差
等が増加し、高精度な描画が困難になる。
【0046】本実施形態では図3(c)に示すように、
対物駆動機構114により、例えば磁石の磁気力により
駆動制御するアクチュエータ、ボイスコイル等を用い
て、対物レンズ偏向器105,106の位置を光軸11
9に対して垂直方向に移動し、それと同期してプリ対物
レンズ偏向器110により、電子ビーム118が対物レ
ンズ偏向器105の光軸を通るようにしている。そし
て、この状態で対物レンズ偏向器105,106により
試料面107上のショット位置を決定し、描画を行う。
図中の203は、対物偏向器105により描画される領
域+対物駆動機構114により対物偏向領域を移動して
描画される領域である。
【0047】なお、プリ対物レンズ偏向器110は例え
ば2段の静電偏向器で構成され、1段目の偏向器で偏向
した分を2段目の偏向器で振り戻すようになっている。
これにより、電子ビームは光軸方向と平行にシフトする
ことになる。また、対物レンズ偏向器105,106を
移動させるのに、磁石に代わりにピエゾ素子を用いても
よい。
【0048】図4及び図5は、本実施形態における描画
のシーケンスを模式的に示す図である。図4は、ステー
ジ117の移動方向と対物駆動機構114により駆動さ
れる対物レンズ偏向器105,106の位置の軌跡を示
したもので、図中の点線の一つのマスが対物レンズ偏向
器105,106により描画される領域である。初めに
対物駆動機構114により対物レンズ偏向器105,1
06を図4の (1)の位置に移動し、マス内を描画し、次
に対物レンズ偏向器105,106を (2)の位置へ移動
し、同様にマス内を描画する。これらを繰り返し (3)
(4)(5)と描画する。一列描画完了した後に (6)の位置へ
移動し順次繰り返す。
【0049】図5は、対物駆動機構114のX方向,Y
方向駆動の位置を模式的に現したものである。この場
合、ステージ117は図の右側から左側に移動してい
る。対物駆動機構Y方向はステージ117の移動方向に
対して垂直方向、X方向はステージ117の移動方向で
ある。対物駆動機構114のX方向の移動は、対物駆動
機構114をY方向に移動しながら描画している時にス
テージ117のX方向移動による位置補正を行うためで
ある。このとき、ステージ117と対物レンズ偏向器1
05,106の位置はレーザ干渉計108により計測さ
れ、その位置情報は制御計算機116へフィードバック
され、これにより試料面上のビーム位置が補正される。
【0050】これらの操作を繰り返すことにより、トー
タルでの偏向領域を大きくしてスループットの向上をは
かりながら、対物レンズ偏向器105,106による電
気的な偏向領域は小さくでき、収差及び描画精度を向上
させることができる。
【0051】また、本実施形態は試料107に入射する
電子ビーム118のエネルギーを5kVとした。このよ
うな低加速電子ビームを描画に用いると、いわゆる近接
効果を無視することができ、煩雑な照射量補正の機能を
省くことができる。さらに、レジストを露光する感度も
加速電圧とほぼ反比例して高感度化していく本実施形態
では、5kVのエネルギーを持った電子ビームに対して
適正ドーズ量は0.2μC/cm2 であった。
【0052】なお、このような低加速電子ビームを用い
た場合、電子同士の反発によるビームのぼけ、いわゆる
クーロン反発が大きくなり、解像性が劣化する。クーロ
ン効果を防ぐためには、電子同士の反発時間を短くす
る、即ちコラムを短くすれば良い。
【0053】一般的に、コラムを形成するレンズには、
電磁レンズと静電レンズがある。電磁レンズは電子コイ
ル,ヨークが必要となり、その構造上小さく作製するこ
とは困難であり、コラムを短くすることができない。こ
れに対し静電レンズは電極を小さく作製し、その構造上
小型化が可能となりコラムを短くすることが可能とな
る。
【0054】このような静電型対物レンズ偏向器10
5,106を用いることにより、レンズの構成を小さく
かつ軽量に作製することが可能となる。そして、軽量の
対物レンズ偏向器105,106を対物駆動機構114
で磁気力により駆動制御するアクチュエータ、例えばボ
イスコイル等を用いて駆動することにより、対物レンズ
偏向器105,106を高速で駆動することが可能とな
る。
【0055】図6は、上記構成を持った描画装置のスル
ープットを評価した結果を示す図である。
【0056】本実施形態では、対物偏向領域1.5mm
(対物駆動±0.5mm、静電偏向500μm)で、レ
ジスト感度は0.2μC/cm2 、電流密度は5A/c
2の条件である。対物駆動機構が5mm駆動する場合
のスループットは、15枚/時間になり、その時のビー
ム収差は20nm、偏向歪みは20nmとなった。
【0057】また、従来例の対物偏向領域1.5mm
は、対物レンズ偏向器105,106を移動させること
なく、1.5mmの偏向領域を全て静電偏向を行ってい
る。この時のレジスト感度は0.2μC/cm2 、電流
密度は5A/cm2 の条件である。そして、この時のス
ループットは7.8枚/時間、ビームの収差は150n
m、偏向歪みは200nmとなった。
【0058】本実施形態の方が従来例よりもビーム収差
及び偏向歪みが小さくなるのは、静電偏向による偏向領
域が1.5mmから500μmと小さくなったためであ
る。また、スループットが向上するのは、次のような理
由による。即ち、静電偏向の場合、設定電圧を印加して
から偏向が安定するまでの時間(セットリングタイム)
に比較的長い時間を要し、高い偏向電圧ではセットリン
グタイムがさらに長くなる。従って、偏向電圧を低くで
きる本実施形態ではセットリングタイムが短くなるた
め、スループットが向上する。なお、本実施形態におけ
る対物駆動はステップ移動であり、移動する回数は少な
いため対物駆動による時間の増加は殆ど問題とならな
い。
【0059】また、従来例の電磁偏向5mmは高加速電
子ビーム描画装置をモデルとした。この時のレジスト感
度は2uC/cm2 、電流密度は10A/cm2 の条件
である。この場合のスループットは11.8枚/時間と
なった。
【0060】これらから分かるように本実施形態では、
レジスト感度及び電流密度を同じ条件とした従来例に対
し、スループットは約2倍と大きくなり、ビームの収差
及び偏向歪みは約1/10へ低減することができる。
【0061】また、本実施形態では対物レンズを静電レ
ンズで説明しているが、図1のコンデンサレンズ10
2,投影レンズ124,及び縮小レンズ126等を静電
型レンズで構成してもよい。
【0062】また、図1に示すような対物駆動機構11
4に例えば磁石の磁気力により駆動制御するアクチュエ
ータ等を用いて、対物偏向器105を含む対物レンズ1
06位置を光軸119に対して垂直方向に移動した場
合、アクチュエータ自身が発生する漏洩磁束が電子ビー
ム118へ影響しないように、アクチュエータを囲むよ
うに磁性体のカバーを取り付けるようにして、漏洩磁束
の電子ビーム118への影響を無くす。又は、図示して
いないが、アクチュエータが発生する磁界をキャンセル
する磁界を印加し、電子ビーム118への影響を無くす
ことも可能である。また、対物駆動機構を制御するため
の信号は、鋸歯状波形でもよいが高速で偏向するため、
サイン波形であっても問題はない。
【0063】このように本実施形態では、電子ビーム描
画装置の対物レンズの構造に関し、対物偏向器を含む対
物レンズを機械的に光軸に対して垂直方向に移動するこ
とを可能する駆動機構を具備し、大きな偏向を機械的に
移動し、その中の各ショットを静電偏向を用いて描画す
る。このような構造を取ることにより、スループットを
劣化させることなく、描画精度の向上をはかることが可
能となった。
【0064】(第2の実施形態)図7は、本発明の第2
の実施形態に係わる電子ビーム描画装置を示す概略構成
図である。なお、図1と同一部分には同一符号を付し
て、その詳しい説明は省略する。
【0065】本実施形態はキャラクタビーム描画方式の
電子ビーム描画装置に適用した例であり、ビーム寸法固
定方式や可変成形ビーム方式の描画装置と比較して、ス
ループットが高いという特徴がある。
【0066】この方式の描画方式は、図8に示すように
第1成形アパーチャ120を通過した電子ビームがキャ
ラクタアパーチャ601上を照射し、キャラクタアパー
チャ601により希望の形状に形成され、そのキャラク
タビームが試料面107上に結像される。それらキャラ
クタビームを対物偏向器により位置を変えることによ
り、繰り返しパターンを高速に描画できる。この方式で
は、DRAM等の描画するビーム形状が繰り返し同じ場
合に格段に高いスループットを得ることが可能となる。
【0067】以下に、内容を詳しく述べる。図7に示す
ように、電子銃101から放射された電子ビーム118
はコンデンサレンズ102で電流密度が調整され、第1
成形アパーチャ120を均一に照明する。第1成形アパ
ーチャ120を通過した電子ビーム118がキャラクタ
アパーチャ601上に照射される。キャラクタアパーチ
ャ601上の電子ビームの位置は成形偏向器121によ
り制御される。この成形偏向器121は、成形偏向アン
プ127及び制御用計算機116により制御される。
【0068】キャラクタアパーチャ601により成形さ
れた電子ビーム118は、縮小レンズ126及び対物レ
ンズ603により縮小され、試料107上に結像され
る。そして、電子ビーム118の試料面上の位置は、対
物偏向アンプ113により偏向電圧が印加される対物偏
向器602により制御される。
【0069】また、本実施形態では、対物レンズ603
及び対物偏向器602のみならず、これらと共にキャラ
クタアパーチャ601及び縮小レンズ126が、対物駆
動機構114により一体的に移動可能となっている。そ
して、キャラクタアパーチャ601の電子銃側には、先
の第1の実施形態と同様に電子ビームの軸を光軸と平行
にシフトするためのプリ対物レンズ偏向器110が配置
されている。
【0070】このように構成された本装置においては、
対物駆動機構114を用いて、対物偏向器602,対物
レンズ603,縮小レンズ126,及びキャラクタアパ
ーチャ601を含む構造体を光軸119に対して垂直方
向に移動し、それと同期して第1成形アパーチャ120
とキャラクタアパーチャ601間に設けられたプリ対物
レンズ偏向器110により、電子ビーム118を希望と
するキャラクタアパーチャ601に照射する。そして、
キャラクタアパーチャ601で成形された電子ビーム1
18を用い、対物偏向器602で試料面107上のショ
ット位置を決定し、描画を行う。また、対物レンズ60
3及び対物偏向器602、又は試料107の乗ったステ
ージ117の位置情報は、第1のレーザ干渉計108と
第2のレーザ干渉計109を用いて測定され、制御用計
算機116にフィードバックされる。
【0071】これらの操作を繰り返すことにより、トー
タルでの偏向領域を大きくしてスループットの向上をは
かりながら、対物偏向器602自体による電気的な偏向
領域は小さくでき、収差及び描画精度を向上させること
ができる。さらに、対物駆動機構114と連動して、電
子ビーム118を偏向するプリ対物レンズ偏向器110
がキャラクタアパーチャ601より電子銃101側にあ
るため、プリ対物レンズ偏向器110による偏向収差が
試料面107上の電子ビーム118へ与える影響が無い
ため、より収差・歪みの少ないキャラクタービームを得
ることが可能となる。
【0072】また、本実施形態においても先の第1の実
施形態で説明したように、図7のコンデンサレンズ10
2,投影レンズ124,縮小レンズ126,対物レンズ
603を静電型レンズで構成してもよい。さらに、図1
に示すように、対物レンズ105と対物偏向器106を
一つの電極で実現した対物レンズ偏向器で対物レンズ部
を構成してもよい。
【0073】また、図7に示すような対物駆動機構11
4に例えば磁石の磁気力により駆動制御するアクチュエ
ータ等を用いて、対物偏向器602を含む対物レンズ6
03位置を光軸119に対して垂直方向に移動した場
合、アクチュエータ自身が発生する漏洩磁束が電子ビー
ム118へ影響しないように、アクチュエータを囲む様
に磁性体のカバーを取り付けるようにして、漏洩磁束の
電子ビーム118への影響を無くす。又は、図示してい
ないが、アクチュエータが発生する磁界をキャンセルす
る磁界を印加し、電子ビーム118への影響を無くすこ
とも可能である。また、対物駆動機構を制御するための
信号は、鋸歯状波形でもよいが高速で偏向するため、サ
イン波形であっても問題はない。
【0074】このように本実施形態では、電子ビーム描
画装置の対物レンズの構成に関し、対物偏向器602,
対物レンズ603,縮小レンズ126,キャラクタアパ
ーチャ601を含む構造体を光軸119に対して垂直方
向に機械的に移動する駆動機構を具備し、それと同期し
て投影レンズ124とキャラクターアパチャ601間に
設けられたプリ対物レンズ偏向器110により、電子ビ
ーム118を希望のキャラクタアパーチャ601を照射
するようにし、大きな偏向を機械的に移動し、その中の
各ショットを静電偏向を用いて描画をする。このような
構造を取ることにより、スループットを劣化させること
なく、描画精度の向上をはかることが可能となった。
【0075】(第3の実施形態)図9及び図10は、本
発明の第3の実施形態に係わる電子ビーム描画装置を示
す概略構成図である。なお、図1及び図7と同一部分に
は同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
【0076】本実施形態が先の第1及び第2の実施形態
と異なる点は、第1及び第2の実施形態におけるキャラ
クタアパーチャ601を機械的に可動できるようにした
ことにある。即ち図9では、キャラクタアパーチャ60
1をアパーチャ駆動機構301により、ビームの通る軸
と垂直な平面内をXY方向に移動できるようにし、その
移動位置はレーザ干渉計302により測定するようにし
ている。図10では、キャラクタアパーチャ601をア
パーチャ駆動機構301により、縮小レンズ126,対
物偏向器602,及び対物レンズ603とは独立にXY
方向に移動できるようにし、移動位置はレーザ干渉計3
02により測定するようにしている。
【0077】キャラクタアパーチャ601は、シリコン
ウェハの中央部をステンシル状に薄くし、開口パターン
を形成したものである。通常の大きさは10mm程度
で、その中央に偏向器の偏向領域(通常は1〜2mm
□)内に開口パターンが配置されている。しかし、アパ
ーチャ601の大きさ(偏向器の偏向領域以下)は制限
されるため、デバイスパターン形成に必要とされる図形
数は1つのアパーチャに収まりきらない。このため、上
述した10mm□のアパーチャを最小単位として、複数
個並べたアパーチャ群を前述したアパーチャ駆動機構3
01によってビーム通過軸と直交するXY平面内で機械
的に移動させ、デバイスパターン形成に必要なアパーチ
ャが全て選択できるようにする。
【0078】対物偏向器105,602の偏向領域は電
子光学系の設計上の制約(収差・歪み等)により決定さ
れるが、この領域を大きくすることにより描画装置のス
ループットは向上するが、収差等が増加し高精度な描画
が困難になる。これに関しては、第1及び第2の実施形
態と同様に、対物駆動機構114により対物偏向器10
5,602の位置を光軸119に対して垂直方向に移動
し、それと同期してプリ対物レンズ偏向器110によ
り、電子ビームが対物偏向器105,602の光軸を通
るようにし、対物偏向器105,602で試料面107
上のショット位置を決定して描画を行う。
【0079】このように本実施形態によれば、キャラク
タアパーチャ601におけるアパーチャ数に制限が無く
なるため、デバイスパターンを全てキャラクタ化するこ
とができる。その結果、ビームサイズを可変させながら
パターンを描画することなしに(VSB描画を行う必要
が無くなるため)、最大ビームサイズでデバイスパター
ンが描画できるようになるため、従来のVSB描画を併
用する電子ビーム描画装置に比べてスループットが格段
に向上する。
【0080】図11は、上記の電子ビーム描画装置のア
パーチャ駆動機構について、その駆動タイミングを描画
シーケンス内で示した図である。アパーチャを機械的に
駆動する場合、駆動開始から停止まで(アパーチャの位
置安定性が許容範囲内に収まるまで)に数十から数百m
sかかる。駆動シーケンスを見て分かるように、ビーム
照射時間以外で吸収できる(スループットを悪化させな
いで)時間は、ステージ117の折返し時にしか存在し
ないため、このステージ折返し時にアパーチャ125,
601を動かすようにする。このようにすることによっ
て、スループットを低下させずにアパーチャ群を選択す
ることができる。
【0081】図12は、図9の装置において、駆動され
るアパーチャ群の最小単位をなすアパーチャの図形パタ
ーンの配置に関するものである。(a)はアパーチャ6
01を含む光学系の構成を示し、(b)はアパーチャ6
01に形成されたアパーチャ群を示し、(c)はアパー
チャ群の各アパーチャ内のパターン配置例を示してい
る。
【0082】レーザ干渉計302は、X方向(302
a)及びY方向(302b)にそれぞれ配置されてい
る。キャラクタアパーチャ601を構成するアパーチャ
群の各アパーチャ内には、例えば3つの図形パターンが
配置されている。この際に、3つの図形パターンはどの
パターンの中心間も等距離(L1=L2=L3)になっ
ている。
【0083】ここで、アパーチャ群内の最小単位をなす
アパーチャ内の図形パターンの選択は偏向器を用いて行
うが、パターンを選択する際にパターン間距離が異なる
と図形の選択切替時間が異なることになる。従って、図
形パターンを3つにして、どのパターン間距離も同じに
して図形の選択切替時間を最低且つ同じにすることによ
って、スループットを低下させずにアパーチャ群内の図
形パターンを選択することができる。
【0084】このように本実施形態では、プリ対物レン
ズ偏向器110及び対物駆動機構114等を設けること
により、先の第1及び第2の実施形態と同様の効果が得
られるのは勿論のこと、キャラクタアパーチャ601等
を機械的に移動させるアパーチャ駆動機構301を設け
ることにより、描画スループットのより一層の向上をは
かることが可能となる。
【0085】(第4の実施形態)本実施形態は、対物偏
向器及び対物レンズ等の駆動機構による駆動を正弦波に
より行い、更に偏向器により駆動位置の補正を行うもの
であるが、実施形態を説明する前に、上記駆動機構を用
いた場合の描画方法について説明しておく。
【0086】前記図1に示す第1の実施形態のような描
画装置を用いて、対物レンズ106の位置を光軸119
に対して垂直方向に移動することをMMOL(Mechanic
al Moving Objective Lens)と記す。図13は、このM
MOLの描画方法を説明するための図である。
【0087】第2成形アパーチャ125で成形された電
子ビームの1ショット401を、比較的低電圧で高速に
偏向する副偏向にて副偏向領域402(ここでは50μ
m□:25ショット)に描画する。そして、この副偏向
領域402を主偏向にて大偏向し、広い領域、この場合
は500μmの1主偏向列403をウェハ上に描画す
る。ここで、図1に示す描画装置の対物偏向器105は
主・副2段の偏向器となっており、上記の主偏向及び副
偏向は対物偏向器105で行う。
【0088】図14は、MMOLの駆動方法を説明する
図で、ウェハ上に描画される領域を示している。まず、
図14(a)に示すように、ビームを第1のポジション
503へ設定し1副偏向領域502を静電主偏向を用い
て順次描画し、主偏向列501を描画すると共に、MM
OL移動方向509に駆動しつつ、ウェハ上を描画す
る。また、ステージ移動方向508はMMOLの移動方
向509に対し垂直方向であり、ステージは一定速度で
移動する。
【0089】この場合、静電主偏向はステージ移動方向
508のみに偏向し、主偏向列501の描画を行う。そ
れと共にMMOLが上方向509に移動し、それと同時
に1MMOL列の描画時間で1主偏向列501のステー
ジ移動方向508の距離と同じだけ移動するように、ス
テージの速度を最適化する。
【0090】その関係は、以下の式で表される。 ショット時間(秒) Texp=D/J …式(1) 1副偏向露光時間(秒) Tsub=nsub×(Texp+tsub) …式(2) 1主偏向列露光時間(秒) Tmain=nmain×(Tsub×tmain)…式(3) MMOL周期(Hz) Tmol=lmmol/lsub×Tmain×2 …式(4) ステージ速度(m/s) Ss=lmain/Tmain …式(5) 但し、D:ドーズ量(μC/cm2 )、J:電流密度
(A/cm2 )、tsub:副偏向セトリング時間(se
c)、tmain :主偏向セトリング時間(sec)、ns
ub:副偏向内ショット数:lmmol :MMOL偏向量、
nmain:1主偏向列中主偏向数、lsub:副偏向フィー
ルドサイズである。
【0091】例えば図13の場合、1ショット時間を1
00nsとし、静電副偏向の待ち時間を100nsとし
た場合、副偏向領域内の描画は(100ns+100n
s)×25=5μsとなる。また、MMOL偏向距離を
1.5mmとすると、1MMOL列内には、300個の
副偏向領域がある。静電主偏向の偏向待ち時間を10μ
sとすると、1MMOL列の描画には(5μs+10μ
s)×300=4.5ms必要となる。このとき、主偏
向列の大きさを500μmとすると、最適ステージ速度
は500μm÷4.5ms=111mm/sとなる。ま
た、このときのMMOLの1周期は9msとすればよ
い。
【0092】このように、MMOL,静電主偏向,及び
ステージを制御することにより、MMOLが第1のポジ
ション503から第2のポジション504へ移動するこ
とにより、図14(b)に示すように、1MMOL列5
05の描画が完了する。
【0093】第2のポジション504まで描画し、1M
MOL列505の描画を完了した後に、図14(c)に
示すように、次列の描画を行うために静電主偏向によ
り、ウェハ上のビームの位置を偏向する。その後、MM
OLを移動し第3のポジション506から第4のポジシ
ョン507へ移動することにより、図14(d)に示す
ように、2MMOL列が描画される。これらを順次進め
ていくことにより、ウェハ上に描画ができる。
【0094】しかし、このようなMMOL駆動方式で
は、図15(a)に示すように、MMOLの位置の変化
は鋸歯状になり、図15(b)に示すように、MMOL
の速度は矩形波となり、MMOL進行方向の切替時にM
MOLの速度変化が大きく、機械的な駆動する上で駆動
周波数のより高い制御が必要となり、制御が極めて困難
となる。具体的には、一定の速度で一方向に移動してい
る物体を瞬時に逆方向に一定速度で移動させる必要があ
り、このような制御は実質的に困難である。
【0095】MMOLを高速に駆動制御する上で、駆動
波形は正弦波であることが理想とされる。MMOLの移
動が矩形の場合、MMOLの移動の速度は一定となり、
図16(a)に示すように、均一な描画が可能となる。
しかし、MMOL駆動波形を正弦波にすると、MMOL
の中心では移動速度が速くなり、周辺に行くに従い移動
速度が遅くなり、図16(b)に示すように、均一な描
画は不可能となる。
【0096】また、矩形波駆動と正弦波駆動とにおける
MMOL偏向位置の変化は図17(a)に示すようにな
り、MMOL駆動速度の変化は図17(b)に示すよう
になる。そして、図17に示すように、描画領域は速度
と時間の積分値になるので、正弦波制御701は矩形波
制御702と比較して67%の領域にしか描画できず
(図中の703が描画減少領域である)、正弦波制御7
01の描画スループットは2/3へ減少してしまう。
【0097】そこで本実施形態では、対物偏向器を含む
対物レンズを機械的に移動させるための駆動を正弦波で
行い、このときのスループットの低下がないように電気
的な偏向器で補うことを特徴とする。描画装置には、前
記図1に示すものを用いた。但し、正弦波のMMOL駆
動による描画エリアの減少によるスループットの低下を
無くすために、MMOL駆動と静電主偏向をハイブリッ
ドに合成し、正弦波駆動による偏向領域の減少を静電偏
向により補助している。
【0098】図18は、MMOL移動方向の正弦波MM
OL駆動901と静電主偏向902、更にこれらを組み
合わせたハイブリッド偏向904におけるウェハ上のビ
ーム設定位置を説明するための図である。(a)はMM
OL偏向位置の変化、(b)はMMOL駆動速度の変化
を示している。図17の例では、MMOL移動方向の駆
動はMMOLのみで行っており、静電偏向器による制御
はステージの進行方向のみの偏向であった。
【0099】これに対し本実施形態では、静電偏向器に
よる偏向制御をMMOL移動方向でも行い、正弦波偏向
駆動901による描画領域の減少分を、静電主偏向90
2を用いて補正している。これにより、図18中のハイ
ブリッド駆動904を得ることができる。MMOLの移
動方向に静電偏向することで、MMOL移動方向の描画
領域のウェハ上のビームの移動速度が一定となり、矩形
駆動による描画の時と同等の領域を描画できる。
【0100】またこの方法は、MMOLの駆動速度の最
大値が矩形波の速度を超えないように制御した。以下、
これをアンダーシュートと記す。
【0101】図19は、MMOL移動方向の正弦波MM
OL駆動901と静電主偏向902、更にこれらを組み
合わせたハイブリッド偏向904におけるウェハ上のビ
ーム設定位置を説明するための図である。(a)はMM
OL偏向位置の変化、(b)はMMOL駆動速度の変化
を示している。MMOL正弦波駆動901による描画領
域の減少及び増加を、静電偏向902を用いて補正する
ことで、ハイブリッド偏向904で矩形波による偏向と
同等の描画領域を得ることができる。
【0102】またこの方法は、MMOLの正弦駆動幅が
矩形駆動の場合と同じに制御した。以下、これをオーバ
ーシュートと記す。
【0103】下記の(表1)は、正弦波駆動と静電主偏
向による補正を組み合わせた本実施形態の結果をまとめ
たものである。
【0104】
【表1】
【0105】これから、従来4.5mmを静電偏向して
いたときと比較し、オーバーシュートの場合は機械駆動
を4.5mm、静電偏向領域は1mm×0.94mm、
アンダーシュートの場合は機械駆動を2.86mm、静
電偏向領域を1mm×1.64mmで、4.5mmの領
域をスループットの低下無く描画することができる。ま
た、静電偏向領域を従来の4.5mmに対して、約1/
3に低減できるので、ビームのぼけ,歪みが大幅に低減
できる。
【0106】なお、プリ対物レンズ偏向器110では、
対物レンズ偏向器105,106を機械的に光軸119
に対して垂直方向に移動するのと同期して、電子ビーム
118を対物レンズ偏向器105,106の光学的な軸
へビームを偏向する。この場合の偏向は、正弦波又はそ
れに近似したもので制御すればよい。
【0107】このように本実施形態では、対物偏向器を
含む対物レンズを機械的に光軸に対して垂直方向に移動
することを可能とした駆動機構を備え、大きな偏向を機
械的な移動で行い、その中の各ショットを静電偏向を用
いて描画する機能を持った電子ビーム描画装置におい
て、対物偏向器を含む対物レンズの機械的な駆動を正弦
波で行い、矩形波制御と正弦波駆動の描画領域の違いを
静電偏向器により補正して描画する。このような制御方
法により、スループットを劣化させることなく、対物偏
向器を含む対物レンズの機械的な移動を正弦波駆動によ
り行うことで制御が簡単になり、また高速で駆動するこ
とができ、ビームの位置精度の向上が可能となった。
【0108】また、本実施形態で説明したような補正
は、図1に示した可変成形型の電子ビーム描画装置に限
らず、図7に示したキャラクタ型電子ビーム描画装置で
も同様に行うことができる。
【0109】(第5の実施形態)先に説明した第4の実
施形態のように、MMOLの移動速度(周期),ステー
ジの移動速度は1主偏向列領域露光時間で変わり、1主
偏向列露光時間は1副偏向露光時間で変わる。レジスト
感度又は電流密度が変化すると1副偏向露光時間は当然
のことながら変わるため、MMOLの移動速度も変える
必要がある。しかし、MMOLの駆動部の小型化,コラ
ム内の真空度の劣化を減少するためには、MMOLは単
純な構造であるのが望ましい。そのために、MMOL制
御を単一周波数で駆動することが望ましい。偏向周波数
をMMOLの固有周波数近くに設計しておけば、偏向に
必要な動力が最小になり、小型化が可能になる。
【0110】そこで本実施形態では、MMOL駆動を単
一周波数で制御でき、且つショット時間の変化に対応し
て描画が可能になる描画方式を説明する。
【0111】電子ビーム描画装置の基本構成は前記図1
と同様であり、この装置を用い前記図3(c)に示すよ
うに、対物駆動機構114により駆動制御し、対物レン
ズ偏向器105の位置を光軸119に対して垂直方向に
移動し、それと同期してプリ対物レンズ偏向器110に
より、電子ビーム118を対物レンズ偏向器105の光
軸を通るようにし、その後に対物レンズ偏向器105で
試料面107上のショット位置を決定して描画を行う。
【0112】図20に示すのは、レジスト感度0.1μ
C/cm2 、電流密度1A/cm2、ショットサイズ1
0μm、副偏向セトリング時間100ns、副偏向サイ
ズ50μm、主偏向待ち時間10μsの条件で描画した
場合である。この場合、1副偏向領域402内にはショ
ット401が50個、1主偏向列403は副偏向領域数
10個になる。このときに1主偏向列403の描画時間
は0.15msとなる。この条件でMMOLを駆動する
ことにより、前記図14に示すような描画が可能とな
る。
【0113】次にレジスト感度が変化した場合について
述べる。図21はレジスト感度0.6μC/cm2 の場
合である。レジスト感度以外の条件は図20と同様であ
る。この場合、ショット時間は式(1) から600nsと
なり、副偏向の描画時間は式(2) から17.5μsとな
る。このとき、MMOLの駆動周波数を一定とするため
に、1主偏向列403の描画時間をレジスト感度0.1
μC/cm2 と同様になるようにする。即ち、1主偏向
列403を描画する時間は0.15msとなる。
【0114】このような条件下においては、図21に示
すように1主偏向列403中の副偏向領域402の数が
変化する。この場合、0.15ms内に描画できる副偏
向領域数は、式(3) を変形し、Nmain=0.15ms/
(17.5μs+10μs)で与えられ、5.45個に
なる。即ち、副偏向領域402を5個描画し、余り時間
が生じることになる。副偏向領域5個の描画には、式
(3) から0.1375msの時間がかかる。また、6個
目の副偏向領域を描画するためには主偏向を一度偏向す
るため、主偏向のセトリング待ち時間が一度入る。よっ
て、余り時間で描画を行おうとすると、描画できるショ
ット数は、(0.15ms−0.1375ms−10μ
s)/700ns=3.5ショットとなる。
【0115】この場合、副偏向領域内の1辺当りのショ
ット数5個より、小さいので描画を止めて、描画時間が
0.15ms経過するまで待つ。従って、0.6μC/
cm 2 のレジスト感度の場合は、1主偏向列は副偏向領
域5個となり、MMOLのステージ進行方向の幅は25
0μmとなる。これを各主偏向列に対して、順次行描画
を続けていく。
【0116】即ち、MMOLの偏向周波数を一定とする
ために、1主偏向列の描画時間が一定になるように、副
偏向領域数及びショット数を制御することに特徴を持
つ。また、ショット時間が副偏向領域全面を描画するの
に十分でない場合は、副偏向領域内の1辺当りのショッ
ト数の倍数だけ描画し、残りの時間を待ち時間とする。
【0117】下記の(表2)は、レジスト感度が0.1
μC/cm2 から0.5μC/cm 2 まで変化した場合
の具体的な例を示している。
【0118】
【表2】
【0119】この中で、例えば0.4μC/cm2 のレ
ジスト感度の場合は、1主偏向列内の副偏向領域数は6
個で7個目の副偏向領域内を10ショット、即ち副偏向
領域内の2辺分だけ描画を行う。このようして描画制御
を行うことにより、待ち時間が最小となりスループット
の低下を減少することが可能となる。
【0120】ここではレジスト感度が変化した場合につ
いて説明したが、電流密度が変化した場合においても同
様である。
【0121】このように本実施形態では、対物偏向器を
含む対物レンズを機械的に光軸に対して垂直方向に移動
することを可能する駆動装置を具備し、大きな偏向を機
械的に移動し、その中の各ショットを静電偏向を用いて
描画をする機能を持った電子ビーム描画装置において、
1主偏向列の描画時間が一定になるように、副偏向領域
数及びショット数を制御することに特徴を持つ。また、
ショット時間が副偏向領域全面を描画するのに十分でな
い場合は、副偏向領域内の1辺当りのショット数の倍数
だけ描画し、残りの時間を待ち時間とすることにより、
レジスト感度,電流密度の変化に対して一定のMMOL
駆動周波数で制御することが可能となり、MMOL制御
を単一周波数で制御でき、偏向周波数をMMOLの固有
周波数近くに設計することが可能となり、偏向に必要な
動力が最小になり、小型化が可能になった。
【0122】また、本実施形態の考えは、前記図7に示
すキャラクタプロジェクション方式に適用することもで
きる。
【0123】(第6の実施形態)本実施例で用いる電子
ビーム描画装置の基本的な構成は、図1のものと同じな
ので、ここではその説明は省略する。
【0124】先に説明した第4の実施形態において、1
MMOL列の描画には4.5msの時間が必要となる
が、このときの最適MMOL移動速度は,1.5mm/
4.5ms=333mm/Sである。
【0125】MMOLの位置は、レーザ干渉計を用いれ
ば0.6nmという高精度な位置検出が可能である。こ
の位置データは、100ns単位のサンプリング周期で
更新され、100ns毎のストローブ信号をトリガにし
てデータが読み出せる構成になっている。読み出した位
置情報をプリ対物レンズ偏向器110に印加する。偏向
電圧にフィードバックして、電子ビーム118が対物レ
ンズ偏向器105の光軸を通るように制御する。また、
同じく読み出した位置情報を対物レンズ偏向器105に
印加する偏向電圧にフィードバックして、試料面107
上のショット位置を決定する。
【0126】図22に、本実施形態のMMOL追従制御
回路の構成を示す。この回路は、偏向制御回路610と
主偏向アンプ620から成る。偏向制御回路610は、
主偏向歪み補正回路611,MMOL追従回路612,
フィードバック遅れ補正回路613,減算器614,加
算器615,及び後述する補正演算回路618から成
り、パターンジェネレータ630からのパターン位置デ
ータとレーザ測長計108からのMMOL位置データは
減算器614を介して主偏向歪み補正回路611に供給
される。また、レーザ測長計108からのMMOL位置
データは、MMOL追従回路612及びフィードバック
遅れ補正回路613に供給され、各回路612,613
の出力は加算器615により加算されるようになってい
る。
【0127】主偏向アンプ620は、アンプ621,6
22,623,加算器624,及び後述する積分器62
5から成り、偏向制御回路610の主偏向歪み補正回路
611からの補正データはDAC631を介してアンプ
621に供給され、偏向制御回路610の加算器615
からの信号はDAC632を介してアンプ622に供給
される。そして、アンプ621,622の各出力が加算
器624により加算され、アンプ623を介して前記対
物偏向器105の主偏向器に供給されるようになってい
る。
【0128】ここで、補正演算回路618及び積分アン
プ625を設けない場合、偏向制御回路610では、主
偏向の位置決め開始から副偏向領域内の描画が終了する
までの間に、100ns毎に更新される位置データを検
出して、主偏向位置決め直後からの差分をMMOL追従
回路612で算出し、さらにMMOL追従回路612の
遅れ時間によって引き起こされるMMOL移動速度に依
存した追従エラーをMMOLフィードバック遅れ補正回
路613で算出し、両者を加算したデータをMMOL追
従DAC632へ書き込み、その電圧出力を対物偏向電
圧に加算してビームの位置を補正していた。
【0129】この場合、MMOL追従DAC632へ書
き込まれるデータは、図23中に破線で示すように階段
状になってしまう。MMOL移動速度が遅い場合は描画
精度を劣化させる要因にはならなかったが、MMOLを
速度333mm/sで移動させながら描画すると、10
0nsのサンプリング時間間隔にMMOLは33nmも
移動し、この間のビーム位置が制御できなくなって描画
精度が低下することになる。
【0130】そこで本実施形態では、上記の構成に補正
演算回路618,積分アンプ625,DAC633を追
加することにより、ある一定のサンプリング周期で得ら
れたMMOLの位置情報から、サンプリング周期内の時
間における各々の位置変化を補間して求め、ビーム位置
をより細かく補正するようにしている。
【0131】この場合、MMOLの位置はレーザ干渉計
108によって0.6nmの分解能で検出され、位置情
報として100ns毎にストローブ信号と共に位置デー
タが得られる。先の例と同様に、主偏向の位置決め開始
から副偏向領域内の描画が終了するまでの間に、100
ns毎に更新される位置データを検出して、主偏向位置
決め直後からの差分と、MMOL追従回路の遅れ時間に
よって引き起こされるMMOL移動速度に依存した追従
エラーを算出し、両者を加算したデータをMMOL追従
DAC632へ書き込む。
【0132】これに加え補正演算回路618により、主
偏向位置決め直後から主偏向セトリング時間の間の描画
していない時間に検出される複数の位置データからMM
OL移動速度(=MMOL移動量/サンプリング時間)
を検出してホールドする。この速度値をDAC633を
介して主偏向アンプ620の積分アンプ625に入力
し、補間用の電圧(補間位置データ)を発生させる。そ
して、100ns毎の位置データ更新時に積分アンプ6
25をクリアした後、検出されたMMOL移動速度を積
分アンプ625に入力して、その出力電圧を加算器62
4により、アンプ621,622の出力に加算するよう
に制御する。
【0133】この結果、MMOL追従制御回路の最終出
力は、図23に実線で示したように直線状になり、サン
プリング時間内におけるビーム位置が精度良くMMOL
の移動を追従できるようになる。
【0134】(第7の実施形態)第6の実施形態におけ
るMMOL追従用の積分アンプは、次のような構成でも
可能である。即ち、主偏向セトリング中の時間内で、サ
ンプリングしたMMOL位置変化量とサンプリング時間
からMMOL移動速度を精度良く求めておく。そして、
主偏向セトリング終了直前に、主偏向の位置決め開始か
らのMMOL位置変化量をオフセット値としてセット
し、同時に求めたMMOL移動速度のデータを積分アン
プに入力する。さらに、副偏向内の描画が終了するまで
両者の加算値でビーム位置を補正する。次の副偏向描画
では、積分アンプをリセットして同じ制御を続ける。
【0135】また、積分アンプの精度を向上させるため
に100ns毎に更新される従来型の追従DAC/アン
プをリファレンス用の電圧として用いる方法がある。こ
の場合、位置データ更新時に積分アンプの出力をサンプ
ルホールドしてリファレンス電圧と比較し、その差分電
圧を積分アンプの入力にフィードバックすることによ
り、精度向上をはかることができる。
【0136】また、MMOLの移動速度が決まっている
場合、MMOL移動をテーブル化しておき、これを基に
補正することも可能である。
【0137】(変形例)なお、本発明は上述した各実施
形態に限定されるものではない。実施形態では、可変成
形型電子ビーム描画装置やキャラクタ型電子ビーム描画
装置等について説明したが、本発明はポイント型電子ビ
ーム描画方式についても同様に適用できる。さらに、電
子ビーム描画装置に限らず、電気的にビームを偏向する
描画装置であれば適用でき、イオンビーム描画装置に適
用することもできる。また、必ずしも描画装置に限るも
のではなく、SEM等の測定装置に適用することも可能
である。
【0138】また、第3の実施形態において駆動機構に
より移動される成形アパーチャやキャラクタアパーチャ
等に形成する開口パターンの数,配置関係は、仕様に応
じて適宜変更可能である。また、第4の実施形態におい
て対物レンズ等の駆動機構を制御するための波形は正弦
波に限るものではなく、三角関数的に滑らかに駆動でき
るものであればよい。その他、本発明の要旨を逸脱しな
い範囲で、種々変形して実施することができる。
【0139】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、荷
電ビーム描画装置の対物レンズの構造に関し、対物偏向
器を含む対物レンズを光軸に対して垂直方向に機械的に
駆動する駆動機構を設け、大きな偏向を駆動機構で行
い、その中の各ショットを偏向器を用いて描画する構成
としているので、偏向領域の増大に伴うビーム解像性の
劣化やパターン歪みの発生等を無くすことができ、スル
ープットの向上と共に描画精度の向上をはかることが可
能となる。
【0140】また、成形アパーチャやキャラクタアパー
チャを機械的に可動にする駆動機構を設けることによ
り、これらのアパーチャに多数の開口パターンを配置す
ることができ、これにより描画スループットの一層の向
上をはかることが可能となる。
【0141】また、対物レンズ及び対物偏向器等の移動
速度が連続して変化するように駆動機構の駆動を正弦波
等で行い、さらにこの駆動に同期して対物偏向器により
ビームを電気的に偏向し、一定の基準速度に対する駆動
機構による移動速度の差分を補正することにより、駆動
機構の駆動を正弦波駆動にしたことに伴うスループット
の低下も抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係わる電子ビーム描画装置を
示す概略構成図。
【図2】第1の実施形態に用いた静電レンズ,静電偏向
器を示す図。
【図3】第1の実施形態における描画領域を説明するた
めの図。
【図4】第1の実施形態における描画シーケンスを説明
するための図。
【図5】第1の実施形態における描画シーケンスを説明
するための図。
【図6】第1の実施形態におけるスループットとビーム
収差との関係を示す図。
【図7】第2の実施形態に係わる電子ビーム描画装置を
示す概略構成図。
【図8】キャラクタプロジェクション描画方式を説明す
るための図。
【図9】第3の実施形態に係わる電子ビーム描画装置を
示す概略構成図。
【図10】第3の実施形態に係わる電子ビーム描画装置
を示す概略構成図。
【図11】アパーチャ駆動機構の駆動タイミングを描画
シーケンス内で示す図。
【図12】アパーチャ群の最小単位をなすアパーチャの
図形パターン配置例を示す図。
【図13】MMOLの描画方法における描画領域を示す
図。
【図14】MMOLの描画方法における描画順序を示す
図。
【図15】MMOLの描画方法の問題点を説明するため
の図。
【図16】MMOLの矩形制御と正弦波制御を説明する
ための図。
【図17】単純なMMOLの正弦波駆動を説明するため
の図。
【図18】第4の実施形態に係わるMMOLの正弦波駆
動を説明するための図。
【図19】第4の実施形態に係わるMMOLの正弦波駆
動を説明するための図。
【図20】第5の実施形態を説明するためのもので、レ
ジスト感度の変化(0.1μC/cm2 )による1主偏
向列内の副偏向数の変化を示す図。
【図21】第5の実施形態を説明するためのもので、レ
ジスト感度の変化(0.6μC/cm2 )による1主偏
向列内の副偏向数の変化を示す図。
【図22】第6の実施形態におけるMMOL追従回路を
示す回路構成図。
【図23】第6の実施形態におけるMMOL追従補正電
圧の変化を示す図。
【符号の説明】
101…電子銃 102…コンデンサレンズ 103…ブランキング偏向器 104…ブランキングアパーチャ 105,602…対物偏向器 106,603…対物レンズ 107…試料 108,109,302…レーザ干渉計 110…プリ対物レンズ偏向器 111…ブランキングアンプ 112…プリ対物レンズ偏向アンプ 113…対物偏向アンプ 114…対物駆動機構 115…ステージ駆動機構 116…制御用計算機 117…ステージ 118…電子ビーム 119…光軸 120…第1成形アパーチャ 121…成形偏向器 123…クロスオーバー 124…投影レンズ 125…第2成形アパーチャ 126…縮小レンズ 127…成形偏向アンプ 201…1ショットにより描画される領域 202…対物偏向により描画される領域 203…対物偏向により描画される領域+対物駆動によ
り対物偏向領域を移動し描画される領域 301…アパーチャ駆動機構 601…キャラクタアパーチャ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉原 和佳 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 山崎 裕一郎 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 三好 元介 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 奥村 勝弥 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 服部 清司 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 Fターム(参考) 5C030 AA08 AA09 AB03 5C033 DD02 DD09 DE03 DE07 GG02 GG03 GG04 5F056 AA06 CB14 CB28 CC02 EA04 EA06

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】荷電ビーム源から発生された荷電ビームを
    所望の大きさ及び明るさに調整するコンデンサレンズ
    と、荷電ビームを試料面上にフォーカスする対物レンズ
    と、荷電ビームをブランキングするためのブランキング
    偏向器及びブランキングアパーチャと、試料面上の荷電
    ビームの位置を制御する対物偏向器とを備えた荷電ビー
    ム描画装置であって、 前記対物レンズ及び対物偏向器を所定の平面内で機械的
    に可動にする駆動機構を設け、且つ前記対物レンズ及び
    対物偏向器よりも前記荷電ビーム源側に、前記駆動機構
    と同期して荷電ビームを偏向する光軸シフト用偏向器を
    設けてなることを特徴とする荷電ビーム描画装置。
  2. 【請求項2】荷電ビーム源から発生された荷電ビームを
    所望の電流密度に調整するコンデンサレンズと、複数種
    のパターンを有しいずれかのパターンの選択により荷電
    ビームを成形するキャラクタアパーチャと、荷電ビーム
    をブランキングするためのプランキング偏向器及びブラ
    ンキングアパーチャと、キャラクタアパーチャで成形さ
    れた荷電ビームを試料面上にフォーカスする対物レンズ
    と、試料面上の荷電ビームの位置を制御する対物偏向器
    とを備えた荷電ビーム描画装置であって、 前記キャラクタアパーチャ,対物レンズ,及び対物偏向
    器を所定の平面内で可動にする駆動機構を設け、且つ前
    記キャラクタアパーチャよりも前記荷電ビーム源側に、
    前記駆動機構と同期して荷電ビームを偏向する光軸シフ
    ト用偏向器を設けてなることを特徴とする荷電ビーム描
    画装置。
  3. 【請求項3】荷電ビーム源から発生された荷電ビームを
    所望の大きさ及び明るさに調整するコンデンサレンズ
    と、荷電ビームを所望形状に成形するための複数の開口
    パターンを有するキャラクタアパーチャと、成形された
    荷電ビームを試料面上にフォーカスする対物レンズと、
    荷電ビームをブランキングするためのブランキング偏向
    器及びブランキングアパーチャと、試料面上の荷電ビー
    ムの位置を制御する対物偏向器とを備えた荷電ビーム描
    画装置であって、 前記キャラクタアパーチャを所定の平面内で機械的に可
    動にする第1の駆動機構を設けると共に、前記対物レン
    ズ及び対物偏向器を所定の平面内で機械的に可動にする
    第2の駆動機構を設け、且つ前記対物レンズ及び対物偏
    向器よりも前記荷電ビーム源側に、第2の駆動機構と同
    期して荷電ビームを偏向する光軸シフト用偏向器を設け
    てなることを特徴とする荷電ビーム描画装置。
  4. 【請求項4】荷電ビーム源から発生された荷電ビームを
    所望の電流密度に調整するコンデンサレンズと、複数種
    のパターンを有しいずれかのパターンの選択により荷電
    ビームを成形するキャラクタアパーチャと、荷電ビーム
    をブランキングするためのプランキング偏向器及びブラ
    ンキングアパーチャと、キャラクタアパーチャで成形さ
    れた荷電ビームを試料面上にフォーカスする対物レンズ
    と、試料面上の荷電ビームの位置を制御する対物偏向器
    とを備えた荷電ビーム描画装置であって、 前記キャラクタアパーチャを所定の平面内で機械的に可
    動にする第1の駆動機構を設けると共に、前記対物レン
    ズ及び対物偏向器を所定の平面内で機械的に可動にする
    第2の駆動機構を設け、且つ前記キャラクタアパーチャ
    よりも前記荷電ビーム源側に、第2の駆動機構と同期し
    て荷電ビームを偏向する光軸シフト用偏向器を設けてな
    ることを特徴とする荷電ビーム描画装置。
  5. 【請求項5】荷電ビーム源から発生された荷電ビームを
    所望の大きさ及び明るさに調整するコンデンサレンズ
    と、荷電ビームを試料面上にフォーカスする対物レンズ
    と、荷電ビームをブランキングするためのブランキング
    偏向器及びブランキングアパーチャと、試料面上の荷電
    ビームの位置を制御する対物偏向器とを備えた荷電ビー
    ム描画装置であって、 前記対物レンズ及び対物偏向器を所定の平面内で機械的
    に往復移動させる駆動機構を設け、且つ前記対物レンズ
    及び対物偏向器よりも前記荷電ビーム源側に、前記駆動
    機構と同期して荷電ビームを偏向する光軸シフト用偏向
    器を設けてなり、前記対物レンズ及び対物偏向器の移動
    速度が連続的に変化するように前記駆動機構を制御する
    ことを特徴とする荷電ビーム描画装置。
  6. 【請求項6】荷電ビーム源から発生された荷電ビームを
    所望の電流密度に調整するコンデンサレンズと、複数種
    のパターンを有しいずれかのパターンの選択により荷電
    ビームを成形するキャラクタアパーチャと、荷電ビーム
    をブランキングするためのプランキング偏向器及びブラ
    ンキングアパーチャと、キャラクタアパーチャで成形さ
    れた荷電ビームを試料面上にフォーカスする対物レンズ
    と、試料面上の荷電ビームの位置を制御する対物偏向器
    とを備えた荷電ビーム描画装置であって、 前記キャラクタアパーチャ,対物レンズ,及び対物偏向
    器を所定の平面内で往復移動させる駆動機構を設け、且
    つ前記キャラクタアパーチャよりも前記荷電ビーム源側
    に、前記駆動機構と同期して荷電ビームを偏向する光軸
    シフト用偏向器を設けてなり、前記キャラクタアパーチ
    ャ,対物レンズ,及び対物偏向器の移動速度が連続的に
    変化するように前記駆動機構を制御することを特徴とす
    る荷電ビーム描画装置。
  7. 【請求項7】前記駆動機構は、荷電ビームの光軸方向
    (Z方向)と直交する少なくとも2軸方向(X方向及び
    Y方向)に機械的に可動であることを特徴とする請求項
    1〜6のいずれかに記載の荷電ビーム描画装置。
  8. 【請求項8】前記駆動機構は、磁気力により駆動制御す
    るアクチュエータからなることを特徴とする請求項7記
    載の荷電ビーム描画装置。
  9. 【請求項9】前記光軸シフト用偏向器は、静電型偏向器
    であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載
    の荷電ビーム描画装置。
  10. 【請求項10】前記光軸シフト用偏向器は、少なくとも
    2段の偏向器からなり、荷電ビームを振り戻してビーム
    軸を平行にシフトするものであることを特徴とする請求
    項1〜6のいずれか又は9記載の荷電ビーム描画装置。
  11. 【請求項11】前記対物レンズは、静電型レンズである
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の荷電
    ビーム描画装置。
  12. 【請求項12】前記対物レンズ及び対物偏向器は共に静
    電型であり、一体形成されていることを特徴とする請求
    項1〜6のいずれかに記載の荷電ビーム描画装置。
  13. 【請求項13】前記駆動機構を正弦波によって制御する
    ことを特徴とする請求項5又は6記載の荷電ビーム描画
    装置。
  14. 【請求項14】前記駆動機構の駆動に同期して、前記対
    物偏向器によりビームを電気的に偏向し、一定の基準速
    度に対する前記駆動機構による移動速度の差分を補正す
    ることを特徴とする請求項5又は6記載の荷電ビーム描
    画装置。
  15. 【請求項15】前記駆動機構における機械的駆動周波数
    を一定としたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか
    に記載の荷電ビーム描画装置。
  16. 【請求項16】前記対物偏向器は主副2段の偏向器から
    なり、主偏向器で副偏向領域の位置決めを行い、副偏向
    器で副偏向領域の描画を行うものであり、試料を載置し
    たステージは一方向に連続的に移動され、前記駆動機構
    による移動方向はステージ移動方向と交差する方向であ
    り、 ステージ移動方向と交差する方向に沿った複数の副偏向
    領域からなる主偏向列の描画時間が一定となるように、
    描画条件に応じて主偏向列内の副偏向領域数及びショッ
    ト数を可変にしたことを特徴とする請求項15記載の荷
    電ビーム描画装置。
  17. 【請求項17】前記駆動機構により駆動される物体の移
    動位置を一定のサンプリング時間間隔で検出する位置セ
    ンサと、この位置センサにより得られる位置データに基
    づいて前記物体が移動することに伴う荷電ビームの位置
    ずれを補正し、且つ前記位置センサにより得られる位置
    データからの補間により、前記サンプリング時間間隔よ
    り短い間隔で補間位置データを求め、この補間位置デー
    タに基づいて前記荷電ビームの位置ずれを補正する補正
    回路とを設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれ
    かに記載の荷電ビーム描画装置。
  18. 【請求項18】前記補正回路は、前記位置センサにより
    得られる位置データを基に前記物体の移動速度を算出
    し、算出した移動速度を積分器に入力して前記補間位置
    データを得るものであることを特徴とする請求項17記
    載の荷電ビーム描画装置。
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