JP2010212582A - 荷電粒子ビーム描画装置、荷電粒子ビーム描画方法及び荷電粒子ビームの非点補正方法 - Google Patents

荷電粒子ビーム描画装置、荷電粒子ビーム描画方法及び荷電粒子ビームの非点補正方法 Download PDF

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Abstract

【目的】ビームを偏向する偏向量に依存した非点と共に、ステージ上の試料面のZ方向の変動に伴う焦点ずれを補正する際に発生する非点を補正する装置を提供することを目的とする。
【構成】本発明の一態様の描画装置100は、電子ビーム200を放出する電子銃201と、試料101を載置するXYステージ105と、試料面の高さ位置の変化に応じてビームの焦点の位置をダイナミックに補正するDF電極209と、ビームの偏向量に依存して生じる非点を補正する偏向非点補正量を算出する偏向非点補正量算出部22と、DF補正量に依存して生じる非点を補正するDF非点補正量を算出するDF非点補正量算出部24と、偏向非点補正量とDF非点補正量を合成する合成部26と、合成後の非点補正量を用いて試料上に照射される電子ビームの非点を補正する偏向器208と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、荷電粒子ビーム描画装置、荷電粒子ビーム描画方法及び荷電粒子ビームの非点補正方法に係り、例えば、電子ビームを可変成形させながら試料にパターンを描画する描画装置、方法及び電子ビームの非点補正方法に関する。
半導体デバイスの微細化の進展を担うリソグラフィ技術は半導体製造プロセスのなかでも唯一パターンを生成する極めて重要なプロセスである。近年、LSIの高集積化に伴い、半導体デバイスに要求される回路線幅は年々微細化されてきている。これらの半導体デバイスへ所望の回路パターンを形成するためには、高精度の原画パターン(レチクル或いはマスクともいう。)が必要となる。ここで、電子線(電子ビーム)描画技術は本質的に優れた解像性を有しており、高精度の原画パターンの生産に用いられる。
図11は、従来の可変成形型電子線描画装置の動作を説明するための概念図である。可変成形型電子線(EB:Electron beam)描画装置は、以下のように動作する。第1のアパーチャ410には、電子線330を成形するための矩形例えば長方形の開口411が形成されている。また、第2のアパーチャ420には、第1のアパーチャ410の開口411を通過した電子線330を所望の矩形形状に成形するための可変成形開口421が形成されている。荷電粒子ソース430から照射され、第1のアパーチャ410の開口411を通過した電子線330は、偏向器により偏向され、第2のアパーチャ420の可変成形開口421の一部を通過して、所定の一方向(例えば、X方向とする)に連続的に移動するステージ上に搭載された試料340に照射される。すなわち、第1のアパーチャ410の開口411と第2のアパーチャ420の可変成形開口421との両方を通過できる矩形形状が、X方向に連続的に移動するステージ上に搭載された試料340の描画領域に描画される。第1のアパーチャ410の開口411と第2のアパーチャ420の可変成形開口421との両方を通過させ、任意形状を作成する方式を可変成形方式という。
所望の形状に成形されたビームを試料上に照射するために偏向器で電子ビームを偏向する際に、偏向量に依存して非点が発生する。そのため、電子ビーム描画装置では、偏向器に非点補正用の電圧を印加することで、かかる非点を補正している。また、ステージ上の試料面が平面とは限らないので、試料面の高さ方向(Z方向)の変動が生じると焦点位置がずれることになり、描画されるパターン寸法が劣化するため、かかる試料面のZ方向の変動に伴う焦点ずれについても補正が必要となってきており、フォーカス用の対物レンズでの焦点合わせとは別に、描画中にリアルタイムでダイナミックに補正している(例えば、特許文献1参照)。
ここで、昨今のパターンの微細化に伴い、従来、問題とはならなかった非点の問題が発生している。かかる非点は、試料面のZ方向の変動に伴う焦点ずれを補正することで発生し得る。かかる非点を解消するには、従来、焦点ずれを補正する電極を交換することによって機械的精度を向上させることによって対応する程度であった。しかし、かかる方法では非点を十分補正できる補償はなく、さらに、電極交換のために装置の稼働率が低下するといった問題も生じてしまう。
特開2008−252070号公報
上述したように、成形されたビームを試料上に照射する際に電子ビームを偏向する偏向量に依存した非点が発生する他に、さらに、ステージ上の試料面のZ方向の変動に伴う焦点ずれを補正する際にも非点が発生するといった問題があった。特に、ステージ上の試料面のZ方向の変動に伴う焦点ずれを補正する際に発生する非点に対して、従来十分な補正手段が確立されていなかった。
本発明は、かかる問題を克服し、ビームを偏向する偏向量に依存した非点と共に、ステージ上の試料面のZ方向の変動に伴う焦点ずれを補正する際に発生する非点を補正する装置および方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様の荷電粒子ビーム描画装置は、
荷電粒子ビームを放出する放出部と、
描画対象となる試料を載置するステージと、
試料面の高さ位置の変化に応じて荷電粒子ビームの焦点の位置をダイナミックに補正するダイナミックフォーカス補正部と、
荷電粒子ビームの偏向量に依存して生じる第1の非点を補正する第1の非点補正量を算出する第1の算出部と、
焦点の位置をダイナミックに補正するダイナミックフォーカス補正量に依存して生じる第2の非点を補正する第2の非点補正量を算出する第2の算出部と、
第1と第2の非点補正量を合成する合成部と、
合成後の非点補正量を用いて試料上に照射される荷電粒子ビームの非点を補正する非点補正部と、
を備えたことを特徴とする。
また、第2の非点補正量は、焦点の位置をダイナミックに補正するためのダイナミックフォーカス補正量に予め定義された係数を乗じて算出されると好適である。
また、非点補正部は、荷電粒子ビームを試料上の所望の位置に偏向する偏向器を兼ねると好適である。
本発明の一態様の荷電粒子ビーム描画方法は、
荷電粒子ビームを試料上の所望の位置に偏向する際の偏向量に依存して生じる第1の非点を補正する第1の非点補正量を算出する工程と、
ステージ上に配置された試料の描画中における試料面の高さ位置の変化に応じて荷電粒子ビームの焦点の位置をダイナミックに補正するダイナミックフォーカス補正に依存して生じる第2の非点を補正する第2の非点補正量を算出する工程と、
第1と第2の非点補正量を合成する工程と、
合成後の非点補正量で荷電粒子ビームの非点を補正すると共に、ダイナミックに焦点位置が補正された荷電粒子ビームを試料上の所望の位置に照射する工程と、
を備えたことを特徴とする。
本発明の一態様の荷電粒子ビームの非点補正方法は、
荷電粒子ビームを試料上の所望の位置に偏向する際の偏向量に依存して生じる第1の非点を補正する第1の非点補正量を算出する工程と、
ステージ上に配置された試料の描画中における試料面の高さ位置の変化に応じて荷電粒子ビームの焦点の位置をダイナミックに補正するダイナミックフォーカス補正量に依存して生じる第2の非点を補正する第2の非点補正量を算出する工程と、
第1と第2の非点補正量を合成する工程と、
合成後の非点補正量で荷電粒子ビームの非点を補正する工程と、
を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、ビームを偏向する偏向量に依存した非点と共に、ステージ上の試料面のZ方向の変動に伴う焦点ずれを補正する際に発生する非点を補正することができる。
実施の形態1における電子ビーム描画装置の構成を示す概念図である。 実施の形態1における非点補正量の補正方法及びこれを用いた描画方法のフローを示す図である。 実施の形態1における非点の補正方法を説明するためのグラフの一例である。 実施の形態1におけるビームプロファイルの一例を示している。 実施の形態1におけるダイナミックフォーカスを説明するための概念図である。 実施の形態1におけるビーム偏向の際の偏向器への電圧の印加の仕方の一例を示す図である。 実施の形態1における非点を補正する際の偏向器への電圧の印加の仕方の一例を示す図である。 実施の形態1における焦点位置を補正する際の偏向器への電圧の印加の仕方の一例を示す図である。 実施の形態1におけるDF非点補正係数を取得する手順を説明するための概念図である。 実施の形態1におけるDF非点補正量とDF補正量との関係の一例を示す図である。 従来の可変成形型電子線描画装置の動作を説明するための概念図である。
以下、実施の形態では、荷電粒子ビームの一例として、電子ビームを用いた構成について説明する。但し、荷電粒子ビームは、電子ビームに限るものではなく、イオンビーム等の荷電粒子を用いたビームでも構わない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における電子ビーム描画装置の構成を示す概念図である。図1において、描画装置100は、描画部150と制御部160を備えている。描画装置100は、荷電粒子ビーム描画装置の一例となる。描画装置100は、電子ビーム200を用いて試料101に所望のパターンを描画する。描画部150は、電子鏡筒102と描画室103を有している。電子鏡筒102内には、電子銃201(放出部)、照明レンズ202、第1のアパーチャ203、投影レンズ204、偏向器205、第2のアパーチャ206、対物レンズ207、偏向器208、及びダイナミックフォーカス(DF)電極209が配置されている。また、描画室103内には、XYステージ105が配置されている。XYステージ105上には、描画対象となる試料101が配置される。また、XYステージ105上には、試料101とは異なる位置に高さ位置に異なる複数の面をもつマーク214が配置される。マーク214の各面には図示しない例えばドットマークが形成されている。また、XYステージ105上には、試料101やマーク214とは異なる位置にレーザ測長用の反射ミラー212が配置される。また、描画室103上には試料101の高さ方向(Z方向)の位置を検出するZセンサ210が配置される。Zセンサ210は、投光器と受光器の組み合わせから構成され、投光器から照射された光を試料面で反射させ、反射した光を受光器が受光することで試料面の高さを測定する。また、電子鏡筒102内およびXYステージ105が配置された描画室103内は、図示していない真空ポンプにより真空引きされ、大気圧よりも低い圧力となる真空雰囲気となっている。
制御部160は、制御計算機110、メモリ112,122、偏向制御回路120、偏向アンプ130、ダイナミックフォーカス(DF)アンプ170、検出アンプ172、レーザ測長機174、及び磁気ディスク装置等の記憶装置140,142を有している。制御計算機110、メモリ112,122、偏向制御回路120、DFアンプ170、検出アンプ172、レーザ測長機174、及び記憶装置140,142は、図示しないバスにより互いに接続されている。
制御計算機110内では、描画データ処理部10とダイナミックフォーカス(DF)補正量演算部12が配置される。描画データ処理部10とDF補正量演算部12の各構成は、ソフトウェアにより実行される処理機能として構成してもよい。或いは、かかる各構成を電気的な回路によるハードウェアにより構成してもよい。或いは、電気的な回路によるハードウェアとソフトウェアとの組合せにより実施させても構わない。或いは、かかるハードウェアとファームウェアとの組合せでも構わない。また、ソフトウェアにより、或いはソフトウェアとの組合せにより実施させる場合には、処理を実行する制御計算機110に入力される情報或いは演算処理中及び処理後の各情報はその都度メモリ122に記憶される。
偏向制御回路120内では、偏向量演算部20と偏向非点補正量演算部22とダイナミック(DF)非点補正量演算部24と合成部26,28とが配置される。偏向量演算部20と偏向非点補正量演算部22とDF非点補正量演算部24と合成部26,28との各構成は、ソフトウェアにより実行される処理機能として構成してもよい。或いは、かかる各構成を電気的な回路によるハードウェアにより構成してもよい。或いは、電気的な回路によるハードウェアとソフトウェアとの組合せにより実施させても構わない。或いは、かかるハードウェアとファームウェアとの組合せでも構わない。また、ソフトウェアにより、或いはソフトウェアとの組合せにより実施させる場合には、処理を実行する偏向制御回路120に入力される情報或いは演算処理中及び処理後の各情報はその都度メモリ122に記憶される。
記憶装置140内には、描画データが格納される。また、記憶装置142内には、偏向非点補正係数とダイナミックフォーカス(DF)非点補正係数とが格納される。これらのデータは、1つのデータファイルとして記憶されていても良いし、別々のデータファイルとして記憶されていてもよい。
Zセンサ210によって検出された試料101面の高さデータは、検出アンプ172に出力される。そして、高さデータは、検出アンプ172にてデジタルデータに変換された後に制御計算機110に出力される。また、レーザ測長機174から出力されたレーザを反射ミラー212で反射して、反射光をレーザ測長機174が受光することで、XYステージ105の位置を測長する。そして、かかるデータは制御計算機110に出力される。XYステージ105の位置を測定することで、試料101の照射位置との相対位置関係より試料101の照射位置を計算することができる。
図1では、本実施の形態1を説明する上で必要な構成部分以外については記載を省略している。描画装置100にとって、通常、必要なその他の構成が含まれることは言うまでもない。例えば、偏向制御回路120は、偏向器205,208に必要な電圧を印加させるための制御信号を出力するが、図1では、説明を理解し易くするために、偏向器205への接続や構成の図示を省略している。
描画データ処理部10が記憶装置140から描画データを読み込み、複数段のデータ処理を行なってショットデータを生成する。そして、生成されたショットデータはレーザ測長機174から得られた位置データと共に偏向制御回路120に出力される。
電子銃201(放出部)から放出された電子ビーム200は、照明レンズ202により矩形例えば長方形の穴(開口部)を持つ第1のアパーチャ203全体を照明する。ここで、電子ビーム200をまず矩形例えば長方形に成形する。そして、第1のアパーチャ203を通過した第1のアパーチャ像の電子ビーム200は、投影レンズ204により第2のアパーチャ206上に投影される。かかる第2のアパーチャ206上での第1のアパーチャ像の位置は、偏向器205によって制御され、ビーム形状と寸法を変化させることができる。そして、第2のアパーチャ206を通過した第2のアパーチャ像の電子ビーム200は、対物レンズ207により焦点を合わせ、偏向器208により偏向され、移動可能に配置されたXYステージ105上のレジストが塗布された試料101に照射される。その際、偏向器208では、偏向依存の非点とダイナミックフォーカス依存の非点についても補正する。また、試料101に照射される電子ビーム200の試料101面高さに依存するフォーカスずれは、フォーカス用の対物レンズ207での焦点合わせとは別に、リアルタイムでDF電極209によってダイナミックに補正される。このように両方の非点が補正された状態で第2のアパーチャ像の電子ビーム200が所望の位置に照射されることで試料101上に所望のパターンが描画される。以下、非点の補正の仕方について重点をおいて説明する。
図2は、実施の形態1における非点補正量の補正方法及びこれを用いた描画方法のフローを示す図である。まず、偏向量演算部20は、描画データ処理部10からショットデータとXYステージ105の位置情報を入力して、偏向器208の偏向量を演算する。そして、偏向非点補正量演算部22(第1の演算部)は、偏向器208の偏向量を入力し、さらに、制御計算機110を介して、記憶装置142に格納された偏向非点補正係数ファイルを参照し、偏向非点補正係数を入力する。そして、偏向非点補正量演算部22は、偏向量に偏向非点補正係数を乗じた値を、電子ビームの偏向量に依存して生じる非点(第1の非点)を補正する偏向非点補正量(第1の非点補正量)として算出する。
一方、DF補正量演算部12は、Zセンサ210で検出された試料101の高さ情報を検出アンプ172から入力する。そして、DF補正量演算部12は、描画中に試料面の高さ位置の変化に応じて電子ビーム200の焦点の位置をダイナミックに補正するダイナミックフォーカス補正量(DF補正量)を演算する。DF非点補正量演算部24(第2の演算部)は、DF補正量演算部12からDF補正量を入力し、さらに、制御計算機110を介して、記憶装置142に格納されたDF非点補正係数ファイルを参照し、DF非点補正係数を入力する。そして、DF非点補正量演算部24は、DF補正量にDF非点補正係数を乗じた値を、焦点の位置をダイナミックに補正するDF補正量に依存して生じる非点(第2の非点)を補正するDF非点補正量(第2の非点補正量)として算出する。
そして、合成部26は、偏向非点補正量とDF非点補正量とを入力し、それらを加算して合成し、合成された非点補正量を演算する。これにより、偏向量に依存して生じる非点とDFに依存して生じる非点との両者を補正するための非点補正量を得ることができる。
実施の形態1では、偏向器208で、本来の電子ビーム200の偏向と上述した非点の補正とを合わせて行なう。そのため、合成部28は、合成部26による合成後の非点補正量と、さらに偏向器208の偏向量を入力し、それらを加算して合成し、偏向器208の各電極に印加すべき偏向信号を演算する。そして、偏向信号を偏向アンプ130に出力する。一方で、DFを行なうため、DF補正量は、DFアンプ170に出力される。
そして、偏向アンプ130は、デジタル信号の偏向信号をアナログ信号に変換の上、増幅して偏向電圧として、偏向器208に印加する。かかる動作により、合成後の非点補正量を用いて試料101上に照射される電子ビーム200の非点を補正する。また、同時期に、DFアンプ170は、デジタル信号のDF補正量をアナログ信号に変換の上、増幅してDF補正電圧として、DF電極209に印加する。かかる動作により、描画中に試料101面の高さ位置の変化に応じて電子ビーム200の焦点の位置をダイナミックに補正する。これらの動作により、合成後の非点補正量で電子ビーム200の非点を補正すると共に、ダイナミックに焦点位置が補正された電子ビーム200が所定量偏向されることによって、試料101上の所望の位置に照射される。よって、偏向器208は、電子ビーム200を試料101上の所望の位置に偏向する以外に、合成後の非点補正量を用いて試料101上に照射される電子ビーム200の非点を補正する非点補正部を兼ねる。
図3は、実施の形態1における非点の補正方法を説明するためのグラフの一例である。図3(a)では、例えば、0度方向(x方向)と90度方向(y方向)とでビームの結像位置が異なることを示している。そのため、偏向器208に非点補正用の電圧を印加することで、図3(b)に示すように、x,y方向でビームの結像位置を一致される。これらは、偏向依存の非点とDF依存の非点のそれぞれについて、x,y方向でビームの結像位置が一致するように補正量を決定する。
図4は、実施の形態1におけるビームプロファイルの一例を示している。図3(a)(b)に示すグラフを得るためには、例えば、ドットマークを電子ビーム200でスキャンし、ビームプロファイルを取得することから始める。そして、信号レベルの立ち上がりが最も急峻になる位置がフォーカスされた位置となる。かかる信号レベルの立ち上がりは、ビーム分解能σとして表され、例えば、信号レベルが10%になった位置と90%になった位置との間の距離で定義される。言い換えれば、σが最小となる位置がフォーカス位置となる。Z方向を可変にしながら各Z位置でのσを測定することで、図3(a)に示すグラフを得ることができる。そして、各Z位置で非点補正用の電圧を変更しながら同様の測定を行なうことで図3(b)に示すグラフが得られる非点補正電圧を取得することになる。かかる動作により、所定のZ位置でフォーカスされるための非点補正電圧を取得することができる。
図5は、実施の形態1におけるダイナミックフォーカスを説明するための概念図である。例えば、図5(a)に示す状態で、対物レンズ207で焦点が合わされている場合に、試料101が傾いて配置されていれば、図5(b)の位置にビームを照射する際には焦点がずれてしまう。そこで、実施の形態1では、DF電極209によって、ビームが照射される試料101面上の各位置の高さの変化に応じて動的にフォーカスを調整する。
図6は、実施の形態1におけるビーム偏向の際の偏向器への電圧の印加の仕方の一例を示す図である。ここでは、例えば、偏向器208が4極の電極で構成される場合を示している。例えば、矢印の方向に電子ビーム200を偏向するには、偏向したい方向の電極(d)に正(+)の電圧を印加し、対向する電極(c)に符号を反転させた負(−)の同じ電圧を印加する。これにより、矢印の方向に電子ビーム200を偏向することができる。
図7は、実施の形態1における非点を補正する際の偏向器への電圧の印加の仕方の一例を示す図である。ここでも、図6と同様、例えば、偏向器208が4極の電極で構成される場合を示している。非点を補正する場合、対向する一対の電極(c)(d)に同符号の同電圧(例えば正(+)の電圧)をかけ、90度回転させた対向する一対の電極(a)(b)に符号を反転させた逆電圧(例えば負(−)の電圧)をかける。これにより、非点を補正する方向に進めることができる。
図8は、実施の形態1における焦点位置を補正する際の偏向器への電圧の印加の仕方の一例を示す図である。ここでは、例えば、偏向器208を使って焦点をずらす場合を示している。焦点をずらす場合、全電極(a)(b)(c)(d)に同電圧(例えば正(+)の電圧)をかける。これにより、焦点位置を移動させることができる。焦点位置は全ての方向に同電圧を印加すればよいので、4極の電極ではなく、リング状の1つの電極であってもよい。よって、実施の形態1では、偏向器208とは別のリング状に形成されたDF電極209で焦点ずれを補正する構成について示している。但し、DF電極209を用いずに偏向器208を使ってビーム偏向と非点補正と焦点ずれ補正を一緒に行なうようにしても構わない。
ここで、記憶装置142に格納された偏向非点補正係数とDF非点補正係数は描画動作を行なう前に予め定義しておく必要がある。そこで、以下、DF非点補正係数を取得する手順について説明する。
図9は、実施の形態1におけるDF非点補正係数を取得する手順を説明するための概念図である。まず、マーク214の複数の面のうち、例えば、図9(a)に示す面214aでのDF補正を行なう。まず、マーク214の面214aにビームが照射されるようにXYステージ105を移動させる。そして、DF電極209にDF補正電圧を印加する。そして、マーク214の面214aに電子ビームの焦点を合わせる。DF電極209にDF補正電圧を印加したことによって発生した非点を偏向器208に電圧を印加することで、図3(a)で示すx,y方向の結像位置がずれた状態から図3(b)で示すx,y方向の結像位置が一致した状態になるように調整する。そして、面214aにおけるDF補正電圧のときのDF非点補正量を記録する。次に、図9(b)に示す面214bで、同様に、動作を繰り返す。そして、面214bにおけるDF補正電圧のときのDF非点補正量を記録する。次に、図9(c)に示す面214cで、同様に、動作を繰り返す。そして、面214cにおけるDF補正電圧のときのDF非点補正量を記録する。ここでは、マーク214が3段の場合を示しているが、これに限るものではなく、4段以上あっても構わない。そして、マーク214が4段以上ある場合には、上述した動作も4段以上で行なっても好適である。
図10は、実施の形態1におけるDF非点補正量とDF補正量(DF加電圧)との関係の一例を示す図である。例えば、マーク214の各面での値A,B,Cをそれぞれプロットしてフィッティングすることで近似式の係数を求める。かかる係数がDF非点補正係数となる。ここでは、一例として1次式となっているが、これに限るものではなく、多次元多項式であっても構わないことは言うまでもない。近似式が多次元多項式の場合には、DF非点補正量演算部24は単にDF補正量とDF非点補正係数とを乗じるだけでなく、かかる多次元多項式を演算すればよい。以上のようにして求めたDF非点補正係数を記憶装置142に格納しておけばよい。
偏向非点補正係数を取得する手順については、図示を省略するが、対物レンズ207で焦点が合わされる位置において、偏向器208で複数の位置に偏向させる。そして、各位置において発生した非点を偏向器208に電圧を印加することで、図3(a)で示すx,y方向の結像位置がずれた状態から図3(b)で示すx,y方向の結像位置が一致した状態になるように調整する。そして、各偏向量と、かかる偏向量での偏向非点補正量とを求める。そして、DF非点補正係数と同様に、各偏向量と、かかる偏向量での偏向非点補正量とをプロットしてフィッティングすることで近似式の係数を求めればよい。かかる係数が偏向非点補正係数となる。
以上のように、偏向量に依存した非点補正のみならず、DFに依存した非点補正を行なうことで、より高精度なパターンを試料101に描画することができる。
以上、具体例を参照しつつ実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
また、装置構成や制御手法等、本発明の説明に直接必要しない部分等については記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いることができる。例えば、描画装置100を制御する制御部構成については、記載を省略したが、必要とされる制御部構成を適宜選択して用いることは言うまでもない。
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全ての荷電粒子ビーム描画装置、荷電粒子ビーム描画方法及び荷電粒子ビームの非点補正方法は、本発明の範囲に包含される。
10 描画データ処理部
12 DF補正量演算部
20 偏向量演算部
22 偏向非点補正量演算部
24 DF非点補正量演算部
26,28 合成部
100 描画装置
101,340 試料
102 電子鏡筒
103 描画室
105 XYステージ
110 制御計算機
112,122 メモリ
120 偏向制御回路
130 偏向アンプ
140,142 記憶装置
150 描画部
160 制御部
170 DFアンプ
172 検出アンプ
174 レーザ測長機
200 電子ビーム
201 電子銃
202 照明レンズ
203,410 第1のアパーチャ
204 投影レンズ
205,208 偏向器
206,420 第2のアパーチャ
207 対物レンズ
209 DF電極
210 Zセンサ
212 反射ミラー
214 マーク
330 電子線
411 開口
421 可変成形開口
430 荷電粒子ソース

Claims (5)

  1. 荷電粒子ビームを放出する放出部と、
    描画対象となる試料を載置するステージと、
    描画中に前記試料面の高さ位置の変化に応じて前記荷電粒子ビームの焦点の位置をダイナミックに補正するダイナミックフォーカス補正部と、
    前記荷電粒子ビームの偏向量に依存して生じる第1の非点を補正する第1の非点補正量を算出する第1の算出部と、
    前記焦点の位置をダイナミックに補正するダイナミックフォーカス補正量に依存して生じる第2の非点を補正する第2の非点補正量を算出する第2の算出部と、
    前記第1と第2の非点補正量を合成する合成部と、
    合成後の非点補正量を用いて前記試料上に照射される前記荷電粒子ビームの非点を補正する非点補正部と、
    を備えたことを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置。
  2. 前記第2の非点補正量は、前記焦点の位置をダイナミックに補正するためのダイナミックフォーカス補正量に予め定義された係数を乗じて算出されることを特徴とする請求項1記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  3. 前記非点補正部は、前記荷電粒子ビームを前記試料上の所望の位置に偏向する偏向器を兼ねることを特徴とする請求項1又は2記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  4. 荷電粒子ビームを試料上の所望の位置に偏向する際の偏向量に依存して生じる第1の非点を補正する第1の非点補正量を算出する工程と、
    ステージ上に配置された試料の描画中における試料面の高さ位置の変化に応じて前記荷電粒子ビームの焦点の位置をダイナミックに補正するダイナミックフォーカス補正に依存して生じる第2の非点を補正する第2の非点補正量を算出する工程と、
    前記第1と第2の非点補正量を合成する工程と、
    合成後の非点補正量で前記荷電粒子ビームの非点を補正すると共に、ダイナミックに焦点位置が補正された前記荷電粒子ビームを前記試料上の所望の位置に照射する工程と、
    を備えたことを特徴とする荷電粒子ビーム描画方法。
  5. 荷電粒子ビームを試料上の所望の位置に偏向する際の偏向量に依存して生じる第1の非点を補正する第1の非点補正量を算出する工程と、
    ステージ上に配置された試料の描画中における試料面の高さ位置の変化に応じて前記荷電粒子ビームの焦点の位置をダイナミックに補正するダイナミックフォーカス補正量に依存して生じる第2の非点を補正する第2の非点補正量を算出する工程と、
    前記第1と第2の非点補正量を合成する工程と、
    合成後の非点補正量で前記荷電粒子ビームの非点を補正する工程と、
    を備えたことを特徴とする荷電粒子ビームの非点補正方法。
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