JP4980829B2 - 電子ビーム描画装置のビーム位置補正方法及び装置 - Google Patents

電子ビーム描画装置のビーム位置補正方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は電子ビーム描画装置のビーム位置補正方法及び装置に関し、更に詳しくは偏向歪とダイナミックフォーカス補正器とダイナミック非点補正器による位置ずれを補正するようにした電子ビーム描画装置のビーム位置補正方法及び装置に関する。
電子ビーム描画装置は、ウエハやマスク上に微細パターンを描画する装置であり、超微細デバイスや量子細線等のナノメートル領域の超微細パターンの描画に不可欠な重要な技術である。電子ビーム描画装置は、電子ビーム形状によってスポットビーム方式と可変成形ビーム方式と、プロジェクションビーム方式に大別される。
通常、電子ビーム描画装置はビーム偏向(走査と位置決め)と材料移動を組み合わせて材料(ウエハやマスク)上に図形を描画する。描画方式には、ベクタスキャン(走査)方式とラスタスキャン(走査)方式とがある。スポットビーム方式におけるベクタスキャン方式は、スポットビームを2次元平面の一定範囲(フィールドという)内で電気的にランダムにジャンプして図形の位置を決め、その図形(矩形、台形、線)領域をビーム走査して塗りつぶすことにより図形を生成する。
この場合において、フィールド面内すべての図形を塗りつぶし走査している間は、材料は停止している。フィールド面内の図形描画が終了後、次のフィールドに材料を移動させて次の描画を行う(ステップアンドリピート方式)。このビーム描画と移動を繰り返して材料全域を描画するようになっている。
偏向器によって電子ビームを偏向すると、偏向量の理想値からずれを生じる(偏向歪)。図2はフィールドの偏向歪の説明図である。Fはフィールドである。図の破線は偏向歪補正をしない時のフィールド偏向歪を含むフィールドの形状である。フィールド中心を通る直交するXY軸の偏向量を基準とした偏向電圧によって電子ビームをフィールドの対角方向に偏向すると、偏向量が理想より大きくなる。実線は偏向歪補正をした時のフィールドの形状である。スポットビーム方式かつベクタスキャン方式の電子ビーム描画装置においては、フィールド面内に描画する図形の位置を精度よくするために、ビーム偏向時の偏向歪を補正している。
偏向歪の補正は、偏向量の理想値からのずれ量をフィールド面内の各々の位置において求め、それぞれの位置における電子ビームの偏向電圧(走査電圧)を変更(補正)して行なう。フィールド面内の各々の位置における補正電圧を求める方法について以下に説明する。ここでは、説明を簡単にするため、4極子の偏向器の場合について説明する。対向する電極には、それぞれ正と負の等しい電圧がそれぞれ印加されるため、説明は一方の電極に印加する電圧のみ記述する。8極子の偏向器の場合については、対角成分への電圧をXY軸上の電圧に対して√2倍するのみで同様に行なうことができる。
先ず図2のように、フィールド面内のXY軸上において電子ビームをある位置(x,0),(0,y)に走査するための電圧Vx(x)、Vy(y)を予め決定しておく。この関係は比例関係であり、それぞれの比例係数をa,bとして、Vx(x)=a×x、Vy(y)=b×yで与えられる。
図2のフィールドコーナーの(x1,y1)の位置にビームを変更する場合、走査電圧としてVx(x1)=a×x1、Vy(y1)=b×y1を印加すると、偏向歪によって理想値よりずれるため、電子ビームは(x1,y1)に位置しない。電子ビームを(x1,y1)に位置させるためには、補正する電圧をfx(x1,y1)、fy(x1,y1)とした場合、走査電圧を
Vx(x1)+fx(x1,y1)、Vy(y1)+fy(x1,y1)として印加する必要がある。フィールド面内の各々の位置(x,y)における補正電圧fx(x,y)、fy(x,y)は以下のようにして求める。
図1は電子ビーム描画装置の構成例を示す図である。図1のような構成において、XY駆動ステージ上の電子ビーム位置検出用マークをフィールド面内において、n×n(n=5,7,9,11程度)点移動し、それぞれのステージ制御位置においてフィールド面内の電子ビーム位置が一致するように補正電圧fx(x,y)、fy(x,y)を求める。図3は電子ビーム検出用マークとフィールドの関係を示す図である。図において、Mは電子ビーム検出用マークである。
この時の走査電圧の基準はXY軸上の走査電圧Vx(x)、Vy(y)を基準としている。また、ステージ制御位置とフィールド面内の電子ビーム位置のずれは、電子ビームを電子ビーム位置検出用マークM上で走査し、電子ビーム位置検出用マークMと反射電子検出器によるフィールド面内のマーク位置(相対的にはフィールド面内の電子ビームのビーム位置)測定を用いて求める。
XY駆動ステージによって、電子ビーム位置検出用マークMをフィールド面内のある位置(x1,y1)に配置した時、フィールド面内のマーク位置測定結果が等しくなるように補正電圧fx(x1,y1)、fy(x1,y1)を走査電圧Vx(x1)、Vy(y1)に加算して決定する。フィールド面内のn×n点における補正電圧をそれぞれ決定した後、制御CPUによって近似式f(x,y)を用いて偏向歪に対する補正電圧fx(x,y)、fy(x,y)を算出する。
また、図1に示すように、電子ビーム描画装置にダイナミックフォーカス補正器やダイナミック非点補正器を構成している場合、その動作(補正)によってもフィールド面内に位置ずれを生じる。ここで、ダイナミックフォーカス補正器はフィールド面内におけるダイナミックフォーカスずれを補正し、ダイナミック非点補正器はフィールド面内におけるダイナミック非点収差を補正している。前述した方法では、これらの補正による位置ずれも偏向歪と同時に補正している。
次に、電子ビーム位置検出用マークと反射電子検出器によるフィールド面内のマーク位置(相対的にはフィールド面内の電子ビームのビーム位置)測定について以下に説明する。電子ビーム位置検出用マークは、一般的にはクロスマークによって構成する。クロスマークは、図4に示すようにSi基板上にAu等の金属をクロス状に蒸着したパターンである。位置の測定は、クロスマークの中心位置とする。
クロスマークの中心位置(X,Y)の測定を以下に説明する。図4に示すように、偏向器に走査電圧信号を印加してX(Y)方向の走査を行なう。X(Y)方向の走査電圧信号に同期して反射電子検出器からの電流検出信号を検出し、制御CPUに取り込む。この時、走査座標に対して反射電子検出器からの電流をプロットすると、図5の(a)に示すようなものとなる。図5は走査座標に対する反射電子等の特性を示す図である。横軸は走査座標、縦軸は電流値(a)、微分値(b)、自己相関関数のピーク位置(c)である。
このデータに対して数値計算を行ない、クロスマークの中心位置X(Y)を算出する。データを走査座標に対して微分し(p(x)、図5(b))し、以下の自己相関関数P(x)を用いて計算する。
Figure 0004980829
ここで、τは微分値p(x)の±ピーク間距離(図5(b)参照)
この時の自己相関関数P(X)のピークの位置(図5(c))をクロスマークの中心位置とする。
従来のこの種の装置としては、焦点補正電圧を偏向器に重畳させる場合は、偏向器の各電極のゲイン値を焦点補正による位置ずれ方向と逆の偏向電圧配分として焦点補正時に自動的にその位置ずれを打ち消し、高精度にビーム位置決めする技術が知られている(例えば特許文献1参照)。また、光軸方向に高さの異なる少なくとも二面の標準面を有するマーク上に荷電粒子線を走査して得られる各標準面での偏向歪の補正量を基準にして試料上の描画すべき部分の高さ(そり)に応じて偏向歪の補正を行なうようにした技術が知られている(例えば特許文献2参照)。
特開2004−311472号公報(段落0010〜0016、図1〜図4) 特開昭56−103420号公報(第2頁左下欄第8行〜第4頁左欄第12行)
ダイナミックフォーカス補正器やダイナミック非点補正器を構成している電子ビーム描画装置において、これらの補正によって生じるフィールド面内の位置ずれも偏向歪と同時に補正している。しかしながら、補正電圧の近似において、偏向歪とダイナミックフォーカス補正器、ダイナミック非点補正器の位置ずれに対する補正電圧の最適な近似式はそれぞれ異なる。
このため、1つの近似式のみを用いて補正電圧fx(x,y)、fy(x,y)を算出し、それを用いてフィールド面内のビーム位置を補正すると、フィールド面内において精度よく補正できない部分が生じる。従って、フィールド面内の全ての領域において描画する図形の位置を精度よく補正できないという問題がある。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、フィールド面内の全ての領域において精度よく補正を行ない、フィールド面内の全ての領域において描画する図形の位置を精度よく補正して描画を行なうことができる電子ビーム描画装置のビーム位置補正方法及び装置を提供することを目的としている。
(1)請求項1記載の発明は、描画材料上に照射されるビームの位置を偏向して、該描画材料上に所定のパターンを描画するようにした電子ビーム描画装置のビーム位置補正方法において、偏向歪とダイナミックフォーカス補正器の補正によって生じる位置ずれとダイナミック非点補正器の補正によって生じる位置ずれに対する補正電圧の最適な近似式をそれぞれ求め、前記近似式から、前記偏向歪と前記ダイナミックフォーカス補正器の補正によって生じる前記位置ずれ前記ダイナミック非点補正器の補正によって生じる前記位置ずれに対する前記補正電圧を算出し、算出した前記補正電圧を基準の走査電圧に加算してフィールド面内のビーム位置を補正する、ようにしたことを特徴とする。
(2)請求項2記載の発明は、描画材料上に照射されるビームの位置を偏向して、該描画材料上に所定のパターンを描画するようにした電子ビーム描画装置のビーム位置補正装置において、偏向歪とダイナミックフォーカス補正器の補正によって生じる位置ずれとダイナミック非点補正器の補正によって生じる位置ずれに対する補正電圧の最適な近似式をそれぞれ求める近似式算出手段と、前記近似式から、前記偏向歪と前記ダイナミックフォーカス補正器の補正によって生じる前記位置ずれ前記ダイナミック非点補正器の補正によって生じる前記位置ずれに対する前記補正電圧を算出する補正電圧算出手段と、算出した前記補正電圧を基準の走査電圧に加算してフィールド面内のビーム位置を補正する補正手段と、を有することを特徴とする。
次に、本発明の概要説明を行なう。本発明は、ダイナミックフォーカス補正器やダイナミック非点補正器を構成している電子ビーム描画装置において、偏向歪と、ダイナミックフォーカス補正器と、ダイナミック非点補正器の位置ずれに対する補正電圧を算出し、それを用いてフィールド面内のビーム位置を補正するものである。
本発明は、ダイナミックフォーカス補正器やダイナミック非点補正器を構成している電子ビーム描画装置において、偏向歪とダイナミックフォーカス補正器とダイナミック非点補正器の位置ずれに対する補正電圧の最適な近似式をそれぞれ求めてそれぞれの補正電圧を算出し、それを用いてフィールド面内のビーム位置をそれぞれ独立に補正するものである。
前述した従来の方式と同様に、最初にフィールド面内のXY軸上において電子ビームをある位置(x,0),(0,y)に走査するための電圧Vx(x)、Vy(y)を予め決定しておく。その後、偏向歪とダイナミックフォーカス補正器、ダイナミック非点補正器の位置ずれに対する補正電圧を走査電圧Vx(x)、Vy(y)を基準電圧としてそれぞれ独立に算出する。
それぞれの補正電圧の算出は、フィールド面内のn×n点の位置においてそれぞれの補正電圧を決定し、偏向歪と、ダイナミックフォーカス補正器と、ダイナミック非点補正器の位置ずれに対する補正電圧の最適な近似式f(x,y),g(x,y)、h(x,y)を用いて近似によって算出する。近似方式として補間法を用いる場合、f(x,y),g(x,y)、h(x,y)は同じ式であってもよい。
偏向歪に対する補正電圧fx(x,y)、fy(x,y)を求める場合は、ダイナミックフォーカス補正器とダイナミック非点補正器を動作せずに行なう。前述と同様の方法でフィールド面内のn×n点における補正電圧を求め、これらの点で求めた補正電圧を近似式f(x,y)によって近似することにより、偏向歪に対する補正電圧fx(x,y)、fy(x,y)を算出する。
ダイナミックフォーカス補正器に対する補正電圧gx(x,y)、gy(x,y)を求める場合はダイナミック非点補正器を動作せずに行なう。この時、偏向歪の補正についてはしてもしなくてもどちらでもよい。ダイナミックフォーカス補正の場合は、シフト分だけ分かればよいからである。
フィールド面内のn×n点においてダイナミックフォーカス補正をしない時とする時の位置ずれがなくなるように補正電圧を求め、これらの点で求めた補正電圧を近似式g(x,y)によって近似することにより、ダイナミックフォーカス補正器の補正による位置ずれに対する補正電圧gx(x,y)、gy(x,y)を算出する。
ダイナミック非点補正器に対する補正電圧hx(x,y)、hy(x,y)を求める場合はダイナミックフォーカス補正器を動作せずに行なう。この時、偏向歪の補正についてはしてもしなくてもどちらでもよい。フィールド面内のn×n点において、ダイナミック非点補正をする時としない時の位置ずれがなくなるように補正電圧を求め、これらの点で求めた補正電圧を近似式h(x,y)によって近似することにより、ダイナミック非点補正器の補正による位置ずれに対する補正電圧hx(x,y)、hy(x,y)を算出する。 それぞれ独立に算出した補正電圧をXY軸上を基準とする走査電圧Vx(x)、Vy(y)に加算し、走査電圧を、
Vx’(x)=Vx(x)+fx(x,y)+gx(x,y)+hx(x,y)
Vy’(x)=Vy(y)+fy(x,y)+gy(x,y)+hy(x,y)
とすることにより、フィールド面内の全ての領域において精度よく補正を行ない、フィールド面内の全ての領域において描画する図形の位置を精度よく補正して描画を行なうことができる。
本発明によれば、本発明においてダイナミックフォーカス補正器やダイナミック非点補正器を構成している電子ビーム描画装置において、偏向歪とダイナミックフォーカス補正器の補正によって生じる位置ずれとダイナミック非点補正器の補正によって生じる位置ずれに対する補正電圧の最適な近似式をそれぞれ求めてそれぞれの補正電圧を算出し、それを用いてフィールド面内のビーム位置をそれぞれ独立に補正することにより、フィールド面内の全ての領域において精度よく補正を行ない、フィールド面内の全ての領域において描画する図形の位置を精度よく補正して描画を行なうことが可能となる。
(実施の形態1)
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明を実施するための電子ビーム描画装置の構成例を示す図である。XY駆動ステージ1は架台(真空チャンバ)15内に固定している。電子ビーム位置検出用マーク2はXY駆動ステージ1上に配置している。電子ビーム3は電子銃12から照射して、ブランキング電極11、ズームレンズ10、ダイナミックフォーカス補正器13、対物絞り8、ダイナミック非点補正器14、偏向器6、非点収差補正器7、対物レンズ5を用いて位置検出用マーク2上に結像している。対物レンズ5及び偏向器6、非点収差補正器7は架台(真空チャンバ)15に固定して位置検出用マーク2上に配置されている。
ダイナミック非点補正器14は架台(真空チャンバ)15に固定して対物レンズ5及び偏向器6、非点収差補正器7上に配置されている。対物絞り8は対物絞り位置調整機構9に固定して、対物レンズ5及び偏向器6、非点収差補正器7上に配置されている。対物絞り8には1個か又は複数個の円形孔が穿たれている。対物絞り位置調整機構9は、架台(真空チャンバ)15に固定して対物絞り8の切り替えや位置調整ができるようになっている。
ズームレンズ10、ダイナミックフォーカス補正器13は架台(真空チャンバ)15に固定して対物絞り8上に配置されている。ブランキング電極11は、架台15に固定され、ズームレンズ10、ダイナミックフォーカス補正器13上に配置されている。電子銃12は、架台15に固定され、ブランキング電極11上に配置されている。電子銃12は、電子ビーム3を照射している。また、架台15内は真空となっている。
電子銃制御系16は、電子銃12を制御している。ビームブランキング制御系17は、ブランキング電極11を制御して電子ビーム3を位置検出用マーク2上に照射又は非照射している。電子光学系制御系18は、対物レンズ5とズームレンズ10を制御して電子ビーム3の位置検出用マーク2上へのフォーカス調整及び縮小比を変更している。ビーム走査制御系19は、偏向器6を制御して電子ビーム3を位置検出用マーク2上で走査している。
非点収差補正器制御系20は、非点収差補正器7を制御して電子ビーム3の非点収差を補正している。XY駆動ステージ制御系21は、XY駆動ステージ1を制御している。信号検出系22は、2次電子や反射電子検出器4等の信号を検出している。ダイナミックフォーカス補正器制御系23は、ダイナミックフォーカス補正器13を制御して電子ビーム3の走査面内におけるダイナミックフォーカスを補正している。ダイナミック非点収差補正器制御系24は、ダイナミック非点補正器14を制御して電子ビーム3の走査面内におけるダイナミック非点収差を補正している。
制御CPU25は、電子銃制御系16、ビームブランキング制御系17、電子光学系制御系18、ビーム走査制御系19、非点収差補正器制御系20、XY駆動ステージ制御系21、信号検出系22、ダイナミックフォーカス補正器制御系23、ダイナミック非点収差補正器制御系24を制御している。このように構成された装置の動作を説明すれば、以下の通りである。
最初にフィールド面内のXY軸上において、電子ビーム3をある位置(x,0),(0,y)に走査するための電圧Vx(x)、Vy(y)を予め決定しておく。その後、偏向歪とダイナミックフォーカス補正器23、ダイナミック非点補正器24の位置ずれに対する補正電圧を走査電圧Vx(x)、Vy(y)を基準電圧としてそれぞれ独立に算出する。それぞれの補正電圧の算出は、フィールド面内のn×n点の位置において、それぞれの補正電圧を決定し、偏向歪とダイナミックフォーカス補正器23、ダイナミック非点補正器24の位置ずれに対する補正電圧の最適な近似式f(x,y),g(x,y),h(x,y)を用いて近似によって算出する。近似式として補間法を用いる場合、f(x,y),g(x,y),h(x,y)は同じでもよい。
偏向歪に対する補正電圧fx(x,y)、fy(x,y)を求める場合はダイナミックフォーカス補正器23とダイナミック非点補正器24を動作させずに行なう。フィールド面内のn×n点における補正電圧は偏向器6によって電子ビーム3を電子ビーム位置検出用マーク2上で走査し、電子ビーム位置検出用マーク2と反射電子検出器4によるフィールド面内のマーク位置(相対的には電子ビームのビーム位置)測定を利用して決定する。
XY駆動ステージ1と電子ビーム位置検出用マーク2をフィールド面内においてn×n点移動し、n×n点のそれぞれの電子ビーム位置検出用マーク2の位置において電子ビーム位置検出用マーク2と反射電子検出器4によるフィールド面内のマーク位置測定を行なう。XY駆動ステージ1によって電子ビーム位置検出用マーク2をフィールド面内のある位置(x1,y1)に配置した時のフィールド面内のマーク位置測定結果を(x1’,y1’)とすると、その位置ずれ量(x1’−x1),(y1’−y1)がそれぞれある許容値以内になるように補正電圧fx(x1,y1)、fy(x1,y1)を走査電圧Vx(x1)、Vy(y1)に加算して決定する。
フィールド面内のn×n点における補正電圧の決定後、制御CPU25によって近似式f(x,y)を用いて偏向歪に対する補正電圧fx(x,y)、fy(x,y)を算出する。求めた補正電圧fx(x,y)、fy(x,y)はビーム走査制御系19内の補正メモリ19aに記憶する。
ダイナミックフォーカス補正器23に対する補正電圧gx(x,y)、gy(x,y)を求める場合はダイナミック非点補正器24を動作せずに行なう。この時偏向歪の補正についてはしてもしなくてもどちらでもよい。偏向歪に対する補正電圧fx(x,y)、fy(x,y)を求める時と同様に、電子ビーム位置検出用マーク2と反射電子検出器4によるフィールド面内のマーク位置測定を用いてフィールド面内のn×n点においてダイナミックフォーカス補正しない時とする時のフィールド面内の電子ビーム位置検出用マーク2の位置を測定する。
ダイナミックフォーカス補正をしない時と、する時の位置をそれぞれ(x2,y2)、(x2’,y2’)とすると、その位置ずれ量(x2’−x2)、(y2’−y2)がそれぞれある許容値以内になるように補正電圧gx(x2,y2)、gy(x2,y2)を走査電圧Vx(x2)、Vy(y2)に加算して決定する。フィールド面内のn×n点における補正電圧の決定後、制御CPU25によって近似式g(x,y)を用いて偏向歪に対する補正電圧gx(x,y)、gy(x,y)を算出する。求めた補正電圧gx(x,y)、gy(x,y)はビーム走査制御系19内の補正メモリ19aに記憶する。
ダイナミック非点補正器24に対する補正電圧hx(x,y)、hy(x,y)を求める場合はダイナミックフォーカス補正器23を動作させずに行なう。この時、偏向歪の補正についてはしてもしなくてもどちらでもよい。ダイナミック補正器23に対する補正電圧gx(x,y)、gy(x,y)を求める時と同様に、フィールド面内のn×n点においてダイナミック非点補正をしない時のフィールド面内の電子ビーム位置検出用マーク2の位置を測定する。
ダイナミック非点補正をしない時とする時の位置をそれぞれ(x3,y3)、(x3’,y3’)とすると、その位置ずれ量(x3’−x3),(y3’−y3)がそれぞれある許容値以内になるように補正電圧hx(x3,y3)、hy(x3,y3)を走査電圧Vx(x3)、Vy(y3)に加算して決定する。
フィールド面内のn×n点における補正電圧の決定後、制御CPU25によって近似式h(x,y)を用いて偏向歪に対する補正電圧hx(x,y)、hy(x,y)を算出する。求めた補正電圧hx(x,y)、hy(x,y)はビーム走査制御系19内の補正メモリ19aに記憶する。
ビーム走査制御系19において、偏向歪に対する補正電圧fx(x,y)、fy(x,y)、ダイナミックフォーカス補正器23に対する補正電圧gx(x,y)、gy(x,y)、ダイナミック非点補正器24に対する補正電圧hx(x,y)、hy(x,y)を走査電圧Vx(x)、Vy(y)に加算し、走査電圧を
Vx’(x)=Vx(x)+fx(x,y)+gx(x,y)+hx(x,y)
Vy’(y)=Vy(y)+fy(x,y)+gy(x,y)+hy(x,y)
として描画を行なう。
(実施の形態2)
実施の形態2を実施するための構成は、図1と同じである。偏向歪とダイナミックフォーカス補正器23とダイナミック非点補正器24の位置ずれに対する補正電圧の算出方法については実施の形態1と同じである。補正電圧を算出後、制御CPU25において偏向歪に対する補正電圧fx(x,y)、fy(x,y)、ダイナミックフォーカス補正器23に対する補正電圧gx(x,y)、gy(x,y)、ダイナミック非点補正器24に対する補正電圧hx(x,y)、hy(x,y)を加算し、補正電圧を
fx’(x,y)=fx(x,y)+gx(x,y)+hx(x,y)
fy’(x,y)=fy(x,y)+gy(x,y)+hy(x,y)
としてビーム走査制御系19内の補正メモリ19aに記憶する。ビーム走査制御系19において、補正電圧fx’(x,y)、fy’(x,y)を走査電圧Vx(x)、Vy(y)に加算し、
Vx’(x)=Vx(x)+fx’(x,y)
Vy’(y)=Vy(y)+fy’(x,y)
として描画を行なう。
(実施の形態3)
本発明の動作はダイナミックフォーカス補正器23とダイナミック非点補正器24の位置ずれに対する補正電圧の算出を同時に行なうこと以外は、実施の形態1と同じである。この実施の形態では、ダイナミックフォーカス補正器23及びダイナミック非点補正器24に対する補正電圧gx(x,y)、gy(x,y)を同時に求める。この時、偏向歪の補正についてはしてもしなくてもどちらでもよい。
偏向歪に対する補正電圧fx(x,y)、fy(x,y)を求める時と同様に、電子ビーム位置検出用マーク2と反射電子検出器4によるフィールド面内のマーク位置測定を用いてフィールド面内のn×n点においてダイナミックフォーカス補正及びダイナミック補正をしない時とする時のフィールド面内の電子ビーム位置検出用マーク2の位置を測定する。ダイナミックフォーカス補正及びダイナミック非点補正をしない時とする時の位置をれぞれ(x2,y2)、(x2’,y2’)とすると、その位置ずれ量(x2’−x2),(y2’−y2)がそれぞれある許容値以内になるように補正電圧gx’(x2,y2)、gy’(x2,y2)を走査電圧Vx(x)、Vy(y)に加算して決定する。
フィールド面内のn×n点における補正電圧の決定後、制御CPU25によって近似式g’(x,y)を用いて偏向歪に対する補正電圧gx’(x,y)、gy’(x,y)を算出する。求めた補正電圧gx’(x,y)、gy’(x,y)はビーム走査制御系19内の補正メモリ19aに記憶する。
ビーム走査制御系19において偏向歪に対する補正電圧fx(x,y)、fy(x,y)、ダイナミックフォーカス補正器23及びダイナミック非点補正器24に対する補正電圧gx’(x,y)、gy’(x,y)を走査電圧Vx(x)、Vy(y)に加算し、走査電圧を
Vx’(x)=Vx(x)+fx(x,y)+gx’(x,y)
Vy’(y)=Vy(y)+fy(x,y)+gy’(x,y)
として描画を行なう。
以上、説明したように、本発明によれば、本発明においてダイナミックフォーカス補正器やダイナミック非点補正器を構成している電子ビーム描画装置において、偏向歪とダイナミックフォーカス補正器の補正によって生じる位置ずれとダイナミック非点補正器の補正によって生じる位置ずれに対する補正電圧の最適な近似式をそれぞれ求めてそれぞれの補正電圧を算出し、それを用いてフィールド面内のビーム位置をそれぞれ独立に補正することにより、フィールド面内の全ての領域において精度よく補正を行ない、フィールド面内の全ての領域において描画する図形の位置を精度よく補正して描画を行なうことが可能となる。
電子ビーム描画装置の構成例を示す図である。 フィールド偏向歪の説明図である。 電子ビーム検出用マークとフィールドの関係を示す図である。 クロスマークの説明図である。 走査座標に対する反射電子等の特性を示す図である。
符号の説明
1 XY駆動ステージ
2 電子ビーム位置検出用マーク
3 電子ビーム
4 反射電子検出器
5 対物レンズ
6 偏向器
7 非点収差補正器
8 対物絞り
9 対物絞り位置調整機構
10 ズームレンズ
11 ブランキング電極
12 電子銃
13 ダイナミックフォーカス補正器
14 ダイナミック非点補正器
15 架台(真空チャンバ)
16 電子銃制御系
17 ビームブランキング制御系
18 電子光学系制御系
19 ビーム走査制御系
20 非点収差補正器制御系
21 XY駆動ステージ制御系
22 信号検出器
23 ダイナミックフォーカス補正器制御系
24 ダイナミック非点収差補正器制御系
25 制御CPU

Claims (2)

  1. 描画材料上に照射されるビームの位置を偏向して、該描画材料上に所定のパターンを描画するようにした電子ビーム描画装置のビーム位置補正方法において、
    偏向歪とダイナミックフォーカス補正器の補正によって生じる位置ずれとダイナミック非点補正器の補正によって生じる位置ずれに対する補正電圧の最適な近似式をそれぞれ求め、
    前記近似式から、前記偏向歪と前記ダイナミックフォーカス補正器の補正によって生じる前記位置ずれ前記ダイナミック非点補正器の補正によって生じる前記位置ずれに対する前記補正電圧を算出し、
    算出した前記補正電圧を基準の走査電圧に加算してフィールド面内のビーム位置を補正する、
    ようにしたことを特徴とする電子ビーム描画装置のビーム位置補正方法。
  2. 描画材料上に照射されるビームの位置を偏向して、該描画材料上に所定のパターンを描画するようにした電子ビーム描画装置のビーム位置補正装置において、
    偏向歪とダイナミックフォーカス補正器の補正によって生じる位置ずれとダイナミック非点補正器の補正によって生じる位置ずれに対する補正電圧の最適な近似式をそれぞれ求める近似式算出手段と、
    前記近似式から、前記偏向歪と前記ダイナミックフォーカス補正器の補正によって生じる前記位置ずれ前記ダイナミック非点補正器の補正によって生じる前記位置ずれに対する前記補正電圧を算出する補正電圧算出手段と、
    算出した前記補正電圧を基準の走査電圧に加算してフィールド面内のビーム位置を補正する補正手段と、
    を有することを特徴とする電子ビーム描画装置のビーム位置補正装置。
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