JP2016072244A - 導電積層体 - Google Patents

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JP2016072244A JP2015186484A JP2015186484A JP2016072244A JP 2016072244 A JP2016072244 A JP 2016072244A JP 2015186484 A JP2015186484 A JP 2015186484A JP 2015186484 A JP2015186484 A JP 2015186484A JP 2016072244 A JP2016072244 A JP 2016072244A
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直樹 今津
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Abstract

【課題】高湿度下での抵抗値安定性に優れた導電積層体を提供すること。【解決手段】基材の少なくとも片面に、カーボンナノチューブおよびイオン性分散剤を含む導電層と、オーバーコート層とを基材側からこの順で有し、かつ25℃、湿度30%RHの端子間抵抗値を[A]、25℃、湿度90%RHの端子間抵抗値を[B]とした際の端子間抵抗値の比[B]/[A]が1.20以下である導電積層体。【選択図】なし

Description

本発明は、導電積層体に関する。なお、本発明における導電積層体とは、基材上に、基材とは異なる材料を少なくとも一層以上積層させたものを指す。
カーボンナノチューブは実質的にグラファイトの1枚面を巻いて筒状にした形状を有しており、1層に巻いたものを単層カーボンナノチューブ、多層に巻いたものを多層カーボンナノチューブ、中でも特に2層に巻いたものを2層カーボンナノチューブという。カーボンナノチューブは、自体が優れた真性の導電性を有し、導電性材料として使用されることが期待されている。
カーボンナノチューブを用いた導電積層体は公知である。カーボンナノチューブを用いた導電積層体を作製するために、カーボンナノチューブを均一に分散媒中に分散する場合は、一般的には分散性に優れたイオン性分散剤を用いることで、高濃度のカーボンナノチューブ集合体であっても分散性良く、均一な導電体を作製することができる。
一般的にイオン性分散剤は絶縁性物質であり、カーボンナノチューブの導電性を低下させてしまう。さらに、ヒドロキシル基やカルボキシル基などのイオン性官能基を有するため、高湿度などの環境変化に影響されやすく、抵抗値安定性が悪い。
例えば特許文献1には、カーボンナノチューブ層を形成した後、水洗してイオン性分散剤であるドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを除去した例が記載されている。
また、特許文献2には、カーボンナノチューブ層を形成した後、離間した層としてポリチオフェンを含む導電積層体の例が記載されている。
特許第5409094号 特許第5554552号
しかしながら、特許文献1においては、水洗により十分に基材上のイオン性分散剤を除去したという確認がなされておらず、湿度に対する抵抗値安定性の具体的記述が見られない。
特許文献2においては、高温多湿な環境に置かれた際に電気的特性の変化が大きい導電ポリマーポリチオフェンを用いており、湿度に対する抵抗値安定性に関する具体的記述が見られない。
本発明は、前記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その課題は、高湿度下での抵抗値安定性に優れた導電積層体を提供することである。
本発明は以下の導電積層体を提供する。
基材の少なくとも片面に、カーボンナノチューブおよびイオン性分散剤を含む導電層と、オーバーコート層とを基材側からこの順で有し、かつ25℃、湿度30%RHの端子間抵抗値を[A]、25℃、湿度90%RHの端子間抵抗値を[B]とした際の端子間抵抗値の比[B]/[A]が1.20以下である導電積層体。
本発明によれば、高湿度下での抵抗値安定性に優れる導電積層体を提供することができる。
本発明におけるカーボンナノチューブの合成方法を説明する概略図である。
本発明の導電積層体は、基材の少なくとも片面に、カーボンナノチューブおよびイオン性分散剤を含む導電層と、オーバーコート層とを基材側からこの順で有し、かつ25℃、湿度30%RHの端子間抵抗値を[A]、25℃、湿度90%RHの端子間抵抗値を[B]とした際の端子間抵抗値の比[B]/[A]が1.20以下である導電積層体に関するものである。
本発明の導電積層体は、かかる構成を有することにより、導電積層体を電子デバイスに用いた場合、デバイスの高湿度下での抵抗値安定性を向上させることができる。
本発明の導電積層体の製造方法は、基材の少なくとも片面に、カーボンナノチューブおよびイオン性分散剤を含む分散液を基材上に設ける導電層形成工程と、樹脂組成物を含むオーバーコート溶液を導電層上に設けるオーバーコート層形成工程とを有することが好ましい。
[基材]
本発明に用いられる基材の素材としては、樹脂、ガラスなどを挙げることができる。樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、アラミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ乳酸、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチル、脂環式アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、トリアセチルセルロースなどを用いることができる。ガラスとしては、通常のソーダガラスを用いることができる。また、これらの複数の基材を組み合わせて用いることもできる。例えば、樹脂とガラスを組み合わせた基材、2種以上の樹脂を積層した基材などの複合基材であってもよい。樹脂フィルムにハードコートを設けたようなものであってもよい。基材の種類は前記に限定されることはなく、用途に応じて耐久性やコスト等から最適なものを選ぶことができる。基材の厚みは特に限定されるものではないが、タッチパネル、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス、電子ペーパーなどのディスプレイ関連の電極に用いる場合、10μm〜1,000μmの間にあることが好ましい。
[カーボンナノチューブ]
本発明において用いられるカーボンナノチューブは、実質的にグラファイトの1枚面を巻いて筒状にした形状を有するものであれば特に限定されず、グラファイトの1枚面を1層に巻いた単層カーボンナノチューブ、多層に巻いた多層カーボンナノチューブいずれも適用できるが、中でもグラファイトの1枚面を2層に巻いた2層カーボンナノチューブが100本中に50本以上含まれているカーボンナノチューブであると、導電性ならびに塗布用分散液中でのカーボンナノチューブの分散性が極めて高くなることから好ましい。さらに好ましくは100本中75本以上が2層カーボンナノチューブ、最も好ましくは100本中80本以上が2層カーボンナノチューブである。なお、2層カーボンナノチューブが100本中に50本含まれていることを、2層カーボンナノチューブの割合が50%と表示することもある。また、2層カーボンナノチューブは酸処理などによって表面が官能基化された場合でも導電性などの本来の機能が損なわれ難い点からも好ましい。
カーボンナノチューブは、例えば次のように製造される。マグネシアに鉄を担持した粉末状の触媒を、縦型反応器中、反応器の水平断面方向全面に存在させ、該反応器内にメタンを鉛直方向に供給し、メタンと前記触媒を500〜1,200℃で接触させ、カーボンナノチューブを製造した後、カーボンナノチューブを酸化処理することにより、単層〜5層のカーボンナノチューブを含有するカーボンナノチューブを得ることができる。カーボンナノチューブは、製造した後、酸化処理を施すことにより単層〜5層の割合を、特に2層〜5層の割合を増加させることができる。酸化処理は例えば、硝酸処理する方法により行われる。硝酸はカーボンナノチューブに対するドーパントとしても作用するため、好ましい。ドーパントとは、カーボンナノチューブに余剰の電子を与える、または電子を奪ってホールを形成する作用をなすものであり、自由に動くことのできるキャリアを生じさせることにより、カーボンナノチューブの導電性を向上させるものである。硝酸処理に当たっての条件は本発明のカーボンナノチューブが得られる限り、特に限定されないが、通常、140℃のオイルバス中で行われる。硝酸処理の時間は特に限定されないが、5時間〜50時間の範囲であることが好ましい。
[イオン性分散剤]
本発明においてカーボンナノチューブの分散剤としては、カーボンナノチューブの分散性が高いイオン性分散剤を用いることが好ましい。イオン性分散剤に含まれる官能基は特に限定されないが、例えば、アミノ基、イミノ基、メチロール基、イソシアナート基、ブロックイソシアネート基、エポキシ基、シラノール基、ヒドラジド基、カルボジイミド基、オキサゾリン基、アセトアセチル基、アジリジン基、アセタール基、スピロオルソエステル基、活性エステル基、環状カーボネート基、イソプロペニル基、アルデヒド基、プロパルギル基、アジド基を含むイオン性分散剤が好ましい。中でも、カーボンナノチューブ分散性の観点よりカルボキシル基および/またはヒドロキシル基を含むイオン性分散剤が最も好ましい。
イオン性分散剤としてはアニオン性分散剤やカチオン性分散剤、両性分散剤がある。カーボンナノチューブ分散能が高く、分散性を保持できるものであればどの種類も用いることができるが、分散性、および分散保持性に優れることから、アニオン性分散剤が好ましい。なかでも、カルボキシメチルセルロースおよびその塩(ナトリウム塩、アンモニウム塩等)、ポリスチレンスルホン酸の塩がカーボンナノチューブ分散液においてカーボンナノチューブを効率的に分散することができ好ましい。
本発明において、カルボキシメチルセルロース塩、ポリスチレンスルホン酸塩を用いる場合、塩を構成するカチオン性の物質としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属のカチオン、カルシウム、マグネシウム、バリウム等のアルカリ土類金属のカチオン、アンモニウムイオン、あるいはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、エチルアミン、ブチルアミン、ヤシ油アミン、牛脂アミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ポリエチレンイミン等の有機アミンのオニウムイオン、または、これらのポリエチレンオキシド付加物を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
[カーボンナノチューブ分散液]
カーボンナノチューブ分散液を調製する方法としては、原料として使用するカーボンナノチューブの表面改質および/またはカーボンナノチューブ分散剤の選択により行われる。
カーボンナノチューブ分散液を調製するためのカーボンナノチューブ表面改質処理の方法は特に限定されないが、コロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理などの物理処理、酸処理やアルカリ処理などの化学的処理により、カルボキシル基、ヒドロキシル基等のアニオン性基をカーボンナノチューブ側壁に導入することが好ましい。
カーボンナノチューブ分散液を調製するためのカーボンナノチューブ分散剤としては、カーボンナノチューブ分散能が高く、分散性を保持できるものであればどの種類も用いることができる。中でも、分散剤として、上記記載のアニオン性分散剤が最も好ましい。アニオン性分散剤を使用した場合、カーボンナノチューブ分散液のpHが5.5〜11であると、カーボンナノチューブ表面を修飾しているカルボン酸など酸性官能基や、カーボンナノチューブの周りに位置している分散剤に含まれるカルボン酸などの酸性官能基の電離度が向上し、その結果、カーボンナノチューブ、あるいはカーボンナノチューブ周りの分散剤がマイナスの電位を帯びる。以上より、カーボンナノチューブ分散液を調製する方法として、静電反発を利用するために、アニオン性のイオン性分散剤を選択することが最も好ましい。
また、前項に示した、カーボンナノチューブ表面改質を組み合わせることで、アニオン性分散剤に限らず、カチオン性分散剤および両性分散剤も用いることができる。
本発明では、アンダーコート層とカーボンナノチューブ間との静電相互作用を利用するために、カーボンナノチューブ分散液中に存在するアニオン性を有するカーボンナノチューブが、カーボンナノチューブ分散液と比較してカチオン性を有するアンダーコート層の表面に引き寄せられ、静電吸着により高分散状態が実現できたと考えられる。よって、同様に、カーボンナノチューブ分散液中に存在するカチオン性を有するカーボンナノチューブが、カーボンナノチューブ分散液と比較してアニオン性を有するアンダーコート層の表面に引き寄せられ、静電吸着により高分散状態を実現することも可能である。
分散剤の重量平均分子量は100以上が好ましい。重量平均分子量が100以上であればカーボンナノチューブとの相互作用がより効果的に生じ、カーボンナノチューブの分散がより良好となる。カーボンナノチューブの長さにもよるが、重量平均分子量が大きいほど分散剤がカーボンナノチューブと相互作用し分散性が向上する。例えば、ポリマーの場合であれば、ポリマー鎖が長くなるとポリマーがカーボンナノチューブにからみつき、非常に安定な分散が可能となる。しかし、重量平均分子量が大きすぎると逆に分散性が低下する場合があるので、重量平均分子量は好ましくは1,000万以下であり、さらに好ましくは、100万以下である。最も好ましい重量平均分子量の範囲は1万〜50万である。
カーボンナノチューブ分散液のpHは、アレニウスの定義による酸性物質や塩基性物質をカーボンナノチューブ分散液に添加することで調整できる。酸性物質は、例えば、プロトン酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウフッ化水素酸、フッ化水素酸、過塩素酸等の無機酸や、有機カルボン酸、フェノール類、有機スルホン酸等が挙げられる。さらに、有機カルボン酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、ショウ酸、安息香酸、フタル酸、マレイン酸、フマル酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ニトロ酢酸、トリフェニル酢酸等が挙げられる。有機スルホン酸としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、アルキルナフタレンジスルホン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物、メラミンスルホン酸ホルマリン重縮合物、ナフタレンジスルホン酸、ナフタレントリスルホン酸、ジナフチルメタンジスルホン酸、アントラキノンスルホン酸、アントラキノンジスルホン酸、アントラセンスルホン酸、ピレンスルホン酸などが挙げられる。この中でも好ましいのは、塗布乾燥時に揮発する揮発酸であり、例えば塩酸、硝酸などである。
塩基性物質としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニアなどが挙げられる。この中でも好ましいのは、塗布乾燥時に揮発する揮発塩基であり、例えばアンモニアである。
カーボンナノチューブ分散液のpH調整は、pHを測定しながら、上記酸性物質および/または塩基性物質を所望のpHとなるまで添加することで行う。pH測定法としては、リトマス試験紙などのpH試験紙を用いる方法、水素電極法、キンヒドロン電極法、アンチモン電極法、ガラス電極法などが挙げられるが、この中でもガラス電極法が簡便であり、必要な精度を得られるため好ましい。また、酸性物質、あるいは、塩基性物質を過剰に添加して所望のpH値を超えてしまった場合には、逆の特性を持つ物質を添加してpHを調整すればよい。かかる調整に適用する酸性物質としては硝酸が、塩基性物質としてはアンモニアが好ましい。
本発明において用いられるカーボンナノチューブ分散液の調製に用いる分散媒は、廃液の処理が容易である等の観点から、水が好ましい。
本発明において用いるカーボンナノチューブ分散液の調製方法は、特に限定されないが、例えば次のような手順で行うことができる。分散時の処理時間が短縮できることから、一旦、分散媒中にカーボンナノチューブを0.003〜0.15質量%の濃度範囲で含まれる分散液を調製した後、希釈することで、所定の濃度とすることが好ましい。本発明において、カーボンナノチューブに対する分散剤の質量比(イオン性分散剤/カーボンナノチューブ)は10以下であることが好ましい。かかる好ましい範囲であると、均一に分散させることが容易である一方、導電性低下の影響が少ない。カーボンナノチューブに対する分散剤の質量比(イオン性分散剤/カーボンナノチューブ)は0.5〜9であることがより好ましく、1〜6であることがさらに好ましく、2〜3であることが特に好ましい。カーボンナノチューブ分散液の調製時の分散手段としては、カーボンナノチューブと分散剤を分散媒中で塗液製造に慣用の混合分散機(例えばボールミル、ビーズミル、サンドミル、ロールミル、ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、超音波装置、アトライター、デゾルバー、ペイントシェーカー等)を用いて混合することが挙げられる。また、これら複数の混合分散機を組み合わせて段階的に分散を行ってもよい。中でも、振動ボールミルで予備的に分散を行った後、超音波装置を用いて分散する方法が、得られる塗布用分散液中のカーボンナノチューブの分散性が良好であることから好ましい。
[オーバーコート層]
本発明においては導電層の上に樹脂組成物を含むオーバーコート層を有することが好ましい。樹脂組成物を含むオーバーコート層を導電層の上に形成することにより、イオン性分散剤に含まれるカルボキシル基および/またはヒドロキシル基を架橋反応させることでイオン性分散剤の吸水性が減少し、その結果高湿度下での抵抗値安定性が向上できるため好ましい。オーバーコート層に用いる樹脂組成物としては有機材料、無機材料、または有機材料/無機材料混合系を用いることができる。すなわち、オーバーコート層は無機材料および/または有機材料を含むことが好ましい。
無機材料は特に限定されないが、例えばシリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、セリア、カオリン、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、カーボンブラック、ゼオライト、酸化チタン、各種金属酸化物からなるものが好ましい。この中で、塗布性の観点よりシリカおよびコロイダルシリカが最も好ましい。
有機材料は特に限定されないが、例えばフェノール樹脂、シリコン樹脂、ナイロン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、オレフィン樹脂、ビニル樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂、およびウレタンアクリレート樹脂が好ましい。この中で、塗布性および成型性の観点よりポリエステル樹脂、アクリル樹脂およびウレタンアクリレート樹脂からなる群より選択される少なくとも1つの樹脂を含むことが特に好ましい。
有機材料/無機材料混合系としては、上記無機材料と有機材料の混合形を用いることができる。この中で、相溶性の観点より、コロイダルシリカ/ポリエステルおよびコロイダルシリカ/アクリルが最も好ましい。
樹脂組成物としては、上記オーバーコート層と相溶性があり、かつイオン性分散剤に含まれる官能基との反応するものであれば特に限定されないが、例えば、アミノ基、イミノ基、メチロール基、イソシアナート基、ブロックイソシアネート基、エポキシ基、シラノール基、ヒドラジド基、カルボジイミド基、オキサゾリン基、アセトアセチル基、アジリジン基、アセタール基、スピロオルソエステル基、活性エステル基、環状カーボネート基、イソプロペニル基、アルデヒド基、プロパルギル基、アジド基を含む樹脂組成物が好ましい。この中で、溶解性および/または反応性の観点より、アミノ基、イミノ基、メチロール基、イソシアナート基、エポキシ基、カルボジイミド基およびオキサゾリン基からなる群より選択される少なくとも1つを有する樹脂組成物であることが最も好ましい。
たとえば、これらの官能基を有する化合物の一例として、オキサゾリン基を有するオキサゾリン化合物、エポキシ基を有するエポキシ化合物、アミノ基を有するメラミン化合物、イソシアネート基を有するイソシアナート化合物、カルボジイミド基を有するカルボジイミド化合物が挙げられる。
[導電積層体]
本発明の導電積層体は、基材の少なくとも片面に、カーボンナノチューブおよびイオン性分散剤を含む導電層と、樹脂組成物を含むオーバーコート層とを基材側からこの順で有し、かつ25℃、湿度30%RHの端子間抵抗値を[A]、25℃、湿度90%RHの端子間抵抗値を[B]とした際の端子間抵抗値の比[B]/[A]が1.20以下であることが好ましい。さらに好ましくは端子間抵抗値の比[B]/[A]が1.15以下、最も好ましくは端子間抵抗値の比[B]/[A]が1.10以下である。端子間抵抗値の比[B]/[A]は、樹脂組成物の種類およびイオン性分散性の質量に対する樹脂組成物の質量を変えることで制御することが可能である。
前記オーバーコート層に含まれる樹脂組成物の割合は、高湿度下での抵抗値安定性の観点より、イオン性分散剤100質量部に対して20質量部以上であることが好ましい。さらに好ましくは、25質量部以上、最も好ましくは、30質量部以上である。樹脂組成物の割合がイオン性分散剤100質量部に対して20質量部以下であると、架橋反応が十分に進行せず高湿度下での抵抗値安定性効果が十分でない場合がある。
前記オーバーコート層に含まれる樹脂組成物の割合は、高湿度下での抵抗値安定性の観点より、イオン性分散剤100質量部に対して1,000質量部以下であることが好ましい。さらに好ましくは、500質量部以下、最も好ましくは、150質量部以下である。樹脂組成物の割合がイオン性分散剤100質量部に対して1,000質量部を超えると、余剰分の樹脂組成物により導電層の抵抗値が低下してしまう場合がある。
[導電積層体の製造方法]
本発明の導電積層体の製造方法は、基材の少なくとも片面に、カーボンナノチューブおよびイオン性分散剤を含む分散液を基材上に設ける導電層形成工程と、樹脂組成物を含むオーバーコート溶液を導電層上に設けるオーバーコート層形成工程とを有することが好ましい。以下で各工程を説明する。
[導電層形成工程]
本発明の導電積層体において、カーボンナノチューブ分散液を基材上に塗布する方法は特に限定されない。既知の塗布方法、例えば吹き付け塗装、浸漬コーティング、スピンコーティング、ナイフコーティング、キスコーティング、グラビアコーティング、スロットダイコーティング、バーコーティング、ロールコーティング、スクリーン印刷、インクジェット印刷、パット印刷、他の種類の印刷などが利用できる。また塗布は、複数回に分けて行ってもよく、異なる2種類の塗布方法を組み合わせてもよい。最も好ましい塗布方法は、グラビアコーティング、バーコーティング、スロットダイコーティングである。
カーボンナノチューブ分散液を基材上に塗布する際の塗布厚みは、カーボンナノチューブ分散液の濃度にも依存するため、望む端子間抵抗値が得られるように適宜調整すればよい。本発明におけるカーボンナノチューブ塗布量は、導電性を必要とする種々の用途を達成するために、容易に調整可能である。
[オーバーコート層形成工程]
本発明において、樹脂組成物を含むオーバーコート層を形成する方法は特に限定されない。既知の湿式コーティング方法、例えば吹き付け塗装、浸漬コーティング、スピンコーティング、ナイフコーティング、キスコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、スロットダイコーティング、バーコーティング、スクリーン印刷、インクジェット印刷、パット印刷、他の種類の印刷、またはなどが利用できる。また、乾式コーティング方法を用いてもよい。乾式コーティング方法としては、スパッタリング、蒸着などの物理気相成長や化学気相成長などが利用できる。またオーバーコート処理を行う操作は、複数回に分けて行ってもよく、異なる2種類の方法を組み合わせてもよい。好ましい方法は、湿式コーティングであるグラビアコーティング、バーコーティングおよびスロットダイコーティングである。樹脂組成物を含むオーバーコートの塗布量は、オーバーコート溶液の固形分濃度およびオーバーコート溶液塗布時のウェット厚みを調整することで制御する。
[アンダーコート層]
本発明においては基材の上にアンダーコート層を形成してもよい(以下、アンダーコート層を形成することをアンダーコート処理と記載することもある)。アンダーコート処理を行うことにより、基材上の表面ぬれ性を向上させることができ、その結果、アンダーコート層の上に形成される導電層に含まれるカーボンナノチューブが分散しやすくなるため好ましい。アンダーコート処理に用いる材料としては有機材料、無機材料、または有機材料/無機材料混合系を用いることができる。
無機材料としては、例えばシリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、セリア、カオリン、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、カーボンブラック、ゼオライト、酸化チタン、各種金属酸化物からなるものが好ましい。有機材料としては、例えばフェノール、シリコン、ナイロン、ポリエチレン、ポリエステル、オレフィン、ビニル、アクリル、セルロースなどが好ましい。
本発明において、オーバーコート処理を行う方法は特に限定されない。既知の湿式コーティング方法、例えば吹き付け塗装、浸漬コーティング、スピンコーティング、ナイフコーティング、キスコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、スロットダイコーティング、バーコーティング、スクリーン印刷、インクジェット印刷、パット印刷、他の種類の印刷、またはなどが利用できる。また、乾式コーティング方法を用いてもよい。乾式コーティング方法としては、スパッタリング、蒸着などの物理気相成長や化学気相成長などが利用できる。またオーバーコート処理を行う操作は、複数回に分けて行ってもよく、異なる2種類の方法を組み合わせてもよい。好ましい方法は、湿式コーティングであるグラビアコーティング、バーコーティング、およびスロットダイコーティングである。
[透明導電性]
上述のようにして高湿度下での抵抗値安定性に優れる導電積層体を得ることができる。透明導電性とは透明性と導電性を兼ね備えていることを示す。導電性の指標としては端子間抵抗値が用いられ、端子間抵抗値が低い方が導電性は高い。透明性の指標として、カーボンナノチューブ層光吸収率(以下、単に「光吸収率」と記載することもある)が挙げられる。カーボンナノチューブ層光吸収率は、波長550nmにおける次式で表される指標である。
カーボンナノチューブ層光吸収率(550nm)=100−全光透過率(550nm)−相対反射率(550nm)。
透明性の指標として代表的なものは、光吸収率であり、導電層を1層含んだ導電積層体の光吸収率が実用的な意味がある。
また、導電性の指標として代表的なものは、導電積層体の表面抵抗値および端子間抵抗値であり、導電層を1層含んだ導電積層体の表面抵抗値および端子間抵抗値が実用的な意味がある。表面抵抗値と端子抵抗値は以下の式により換算することができる。
表面抵抗値〔Ω/□〕=端子間抵抗〔Ω〕×電極間の幅〔mm〕÷電極間の長さ〔mm〕。
端子間抵抗値は、導電積層体に銀ペースト等の電極を形成し、その間の端子抵抗値をテスターなどにより測定することが可能である。
かかる導電性(表面抵抗値および端子間抵抗値)、及び、透明性(カーボンナノチューブ層光吸収率)は、カーボンナノチューブ塗布量により調整することができる。しかしながら、カーボンナノチューブ塗布量が少ないと、導電性は低くなる一方、透明性は高くなり、塗布量が多いと導電性は高くなる一方、透明性は低くなる。すなわち、両者はトレードオフの関係にあり、両者を共に満たすことは困難である。かかる関係があるため、透明導電性を比較するためには、どちらかの指標を固定化してその上でもう一方の指標を比較する必要がある。
[高湿度下での端子間抵抗値]
高湿度下での抵抗値安定性を測定する手法としては、湿度を制御した環境下で端子間抵抗値を測定することが好ましい。例えば、温度および湿度を一定に保つことのできる恒温恒湿槽内に、銀ペースト等の電極を形成した導電積層体を入れて、恒温恒湿条件における端子間抵抗値を測定する。湿度範囲としては、温度25℃一定下にて、湿度0〜100%RHの範囲で測定することが好ましく、温度25℃一定下にて、湿度30〜90%RHであることが最も好ましい。測定時間としては、安定性測定の観点より、導電積層体の端子間抵抗値が一定になるまで放置することが好ましい。
[用途]
本発明の導電積層体は、カーボンナノチューブの分散状態の均一性が高く電圧を均一にかけることが可能になるため、電子ペーパーに好ましく用いることができる。また、カーボンナノチューブの分散状態の均一性が高く描画耐久性に優れているため、タッチパネルに好ましく用いることができる。さらに、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスなどのディスプレイ関連の電極、および透明面状発熱体用の電極として好ましく用いることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。本実施例で用いた測定法を以下に示す。
(1)端子間抵抗値測定法
5cm(幅方向)×10cm(長さ方向)にサンプリングした導電積層体1枚のカーボンナノチューブ層側の長さ方向の各端部から0.5cmに銀ペースト(太陽インキ製造株式会社、ECM−100 AF4820)を塗布し、90℃、30分乾燥し電極を形成した。電極間の長さは9cm、電極間の幅は5cmとした。
(2)25℃、湿度30%RHの端子間抵抗値測定法
小型環境試験器(エスペック株式会社、SH−221)中に、(1)にて作成した電極付導電積層体の両電極にクリップを付けた状態で入れ、温度25℃・湿度30%RHで30分間保持した。小型環境試験機中での端子間抵抗値は、データロガー(キーエンス、NR−500、NR−TH08)を用いて30秒ごとに記録した。小型環境試験器中の温度・湿度は、温湿度プローブ(日本シンテック、NS−04AP)によりモニターした。温度25℃・湿度90%RHで30分保持した後の安定した端子間抵抗値を、25℃、湿度30%RHの端子間抵抗値[A]とした。
(3)25℃、湿度90%RHの端子間抵抗値測定法
小型環境試験器(エスペック株式会社、SH−221)中に、(1)にて作成した電極付導電積層体の両電極にクリップを付けた状態で入れ、温度25℃・湿度90%RHで30分間保持した。小型環境試験機中での端子間抵抗値は、マルチ入力データ収集システム(キーエンス、NR−500、NR−TH08)を用いて30秒ごとに記録した。小型環境試験器中の温度・湿度は、温湿度プローブ(日本シンテック、NS−04AP)によりモニターした。温度25℃・湿度90%RHで30分保持した後の安定した端子間抵抗値を、25℃、湿度90%の端子間抵抗値[B]とした。
(4)カーボンナノチューブ層光吸収率
5cm×10cmにサンプリングした導電積層体を(株)島津製作所製の紫外可視赤外分光光度計UV−3150を用いて測定した。導電積層体の導電層が形成された側から垂直に光を入射させ、550nmの全光透過率と相対反射率を測定して下式により光吸収率を算出することで、導電積層体の光吸収率を求めた。
光吸収率(550nm)=100−全光透過率(550nm)−相対反射率(550nm)。
<アンダーコート溶液>
各実施例および比較例に用いたアンダーコート溶液の作成方法を以下に示す。親水シリカ微粒子とポリシリケートを含む(株)サカタインクス製メガアクア親水DMコート DM30−26G−N1をIPAにて0.4質量%に希釈した。
<カーボンナノチューブ分散液>
各実施例および比較例に用いたカーボンナノチューブ分散液の製造方法を以下に示す。
(1)触媒調製例:マグネシアへの触媒金属塩の担持
クエン酸アンモニウム鉄(和光純薬工業(株)製)2.46gをメタノール(関東化学(株)製)500mLに溶解した。この溶液に、酸化マグネシウム(岩谷化学工業(株)製 MJ−30)を100.0g加え、撹拌機で60分間激しく撹拌処理し、懸濁液を減圧下、40℃で濃縮乾固した。得られた粉末を120℃で加熱乾燥してメタノールを除去し、酸化マグネシウム粉末に金属塩が担持された触媒体を得た。得られた固形分は篩い上で、乳鉢で細粒化しながら、20〜32メッシュ(0.5〜0.85mm)の範囲の粒径のものを回収した。得られた触媒体に含まれる鉄含有量は0.38質量%であった。また、かさ密度は、0.61g/mLであった。前記の操作を繰り返し、以下の実験に供した。
(2)カーボンナノチューブ集合体製造例:カーボンナノチューブ集合体の合成
図1に示した装置を用いてカーボンナノチューブの合成を行った。反応器503は内径75mm、長さは1,100mmの円筒形石英管である。中央部に石英焼結板502を具備し、石英管下方部には、不活性ガスおよび原料ガス供給ラインである混合ガス導入管508、上部には廃ガス管506を具備する。さらに、反応器を任意温度に保持できるように、反応器の円周を取り囲む加熱器として3台の電気炉501を具備する。また反応管内の温度を検知するために熱電対505を具備する。
触媒調製例で調製した固体触媒体132gをとり、鉛直方向に設置した反応器の中央部の石英焼結板上に導入することで触媒層504を形成した。反応管内温度が約860℃になるまで、触媒体層を加熱しながら、反応器底部から反応器上部方向へ向けてマスフローコントローラー507を用いて窒素ガスを16.5L/分で供給し、触媒体層を通過するように流通させた。その後、窒素ガスを供給しながら、さらにマスフローコントローラー507を用いてメタンガスを0.78L/分で60分間導入して触媒体層を通過するように通気し、反応させた。この際の固体触媒体の質量をメタンの流量で割った接触時間(W/F)は、169分・g/L、メタンを含むガスの線速が6.55cm/秒であった。メタンガスの導入を止め、窒素ガスを16.5L/分通気させながら、石英反応管を室温まで冷却した。
加熱を停止させ室温まで放置し、室温になってから反応器から触媒体とカーボンナノチューブを含有するカーボンナノチューブ含有組成物を取り出した。
(3)カーボンナノチューブ集合体の精製および酸化処理
カーボンナノチューブ集合体製造例で得られた触媒体とカーボンナノチューブを含有するカーボンナノチューブ含有組成物を130g用いて4.8Nの塩酸水溶液2,000mL中で1時間撹拌することで触媒金属である鉄とその担体であるMgOを溶解した。得られた黒色懸濁液は濾過した後、濾取物は再度4.8Nの塩酸水溶液400mLに投入し脱MgO処理をし、濾取した。この操作を3回繰り返した(脱MgO処理)。その後、イオン交換水で濾取物の懸濁液が中性となるまで水洗後、水を含んだウェット状態のままカーボンナノチューブ含有組成物を保存した。このとき水を含んだウェット状態のカーボンナノチューブ含有組成物全体の質量は102.7gであった(カーボンナノチューブ含有組成物濃度:3.12質量%)。
得られたウェット状態のカーボンナノチューブ含有組成物の乾燥質量分に対して、約300倍の質量の濃硝酸(和光純薬工業(株)製、1級、Assay60〜61質量%)を添加した。その後、約140℃のオイルバスで25時間攪拌しながら加熱還流した。加熱還流後、カーボンナノチューブ含有組成物を含む硝酸溶液をイオン交換水で3倍に希釈して吸引ろ過した。イオン交換水で濾取物の懸濁液が中性となるまで水洗後、水を含んだウェット状態のカーボンナノチューブ集合体を得た。このとき水を含んだウェット状態のカーボンナノチューブ組成物全体の質量は3.351gあった(カーボンナノチューブ含有組成物濃度:5.29質量%)。
(4)カーボンナノチューブ分散液の調製
得られたウェット状態のカーボンナノチューブ集合体(乾燥質量換算で25mg)、6質量%カルボキシメチルセルロースナトリウム(第一工業製薬(株)製、セロゲン7A(重量平均分子量:20万))水溶液1.04g、イオン交換水0.8g、ジルコニアビーズ(東レ(株)社製、“トレセラム”(登録商標)、ビーズサイズ:0.8mm)13.3gを容器に加え、28質量%アンモニア水溶液(キシダ化学(株)製)を用いてpH10に調整した。(分散剤/カーボンナノチューブ質量比=2.5)この容器を振動ボールミル((株)入江商会社製、VS−1、振動数:1,800cpm(60Hz))を用いて2時間振盪させ、カーボンナノチューブペーストを調製した。
次にこのカーボンナノチューブペーストをカーボンナノチューブの濃度が0.15質量%となるようにイオン交換水で希釈し、その希釈液10gに対して再度28質量%アンモニア水溶液でpH10に調整した。その水溶液を超音波ホモジナイザー(家田貿易(株)製、VCX−130)の出力を20Wとし、1.5分間(0.6kW・分/g)、氷冷下分散処理した。分散中液温が10℃以下となるようにした。得られた液を高速遠心分離機((株)トミー精工、MX−300)にて10,000G、15分遠心処理し、カーボンナノチューブ分散液9gを得た。その後、水を添加して終濃度でカーボンナノチューブ集合体の濃度が0.06質量%となるように調製してカーボンナノチューブ分散液とした。
<オーバーコート溶液>
以下の操作によりオーバーコート溶液を作成した。
樹脂組成物(A):
(1)オキサゾリン化合物((株)日本触媒製“エポクロス”WS−500):オキサゾリン基
(2)エポキシ化合物(DIC株式会社“エピクロン”CR5L):エポキシ基、グリシジル基
(3)メラミン化合物(三和ケミカル社製“ニカラック”MW12LF):アミノ基、イミノ基、メチロール基
(4)イソシアナート化合物(第一工業製薬“エラストロン”H−15):イソシアネート基
(5)カルボジイミド化合物(日清紡ケミカル株式会社“カルボジライト”V−04):カルボジイミド基
有機バインダー(B):
(1)ポリエステル樹脂
まず、テレフタル酸50質量部、イソフタル酸50質量部、エチレングリコール50質量部、ネオペンチルグリコール30質量部を重合触媒である三酸化アンチモン0.3質量部と酢酸亜鉛0.3質量部とともに窒素パージした反応器に仕込み、水を除去しながら常圧下で190〜220℃で12時間重合反応を行い、ポリエステルグリコールを得た。次に、得られたポリエステルグリコールに5−ナトリウムスルホイソフタル酸を5質量部、溶媒としてキシレンを反応器に仕込み、0.2mmHgの減圧下、260℃にてキシレンを留去しつつ、3時間重合させ、親水性官能基を有するポリエステル樹脂(B)を得た。このポリエステル樹脂(B)を、アンモニア水およびブチルセルロースを含む水系溶媒に溶解させた。
水系溶媒:純水。
(2)ポリエステル−アクリル複合樹脂:高松油脂株式会社“ペスレジン”647GEX
(3)ウレタンアクリレート樹脂:荒川化学株式会社“ビームセット”AQ−17
(4)アクリル樹脂:大成ファインケミカル株式会社“アクリット”3401MA
上記した樹脂組成物(A)、有機バインダー(B)を表1に示すように混合し、純水にて塗料組成物の濃度を表2に示すように塗料を調整した。
(実施例1〜27、比較例1〜3)
厚さ100μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム 東レ(株)製“ルミラー”(登録商標)U48上に、ワイヤーバー#3を用いて、前記0.4質量%のアンダーコート溶液を塗布、100℃の乾燥機内で1分間乾燥させ、アンダーコート組成物を固定した。
次に、前記カーボンナノチューブ分散液にイオン交換水を添加して、0.06質量%に調整後、前記のアンダーコート層を設けた基材にワイヤーバー#6を用いて塗布、100℃乾燥機内で1分間乾燥させカーボンナノチューブ組成物を固定化した。
次に、前記オーバーコート溶液を表1に示すように調整後、前記のカーボンナノチューブ層上に表3に示すようにワイヤーバー#3,6を用いて塗布、120℃乾燥機内で1分間乾燥させオーバーコート組成物を固定化した。
評価結果および詳細な製造条件については表1〜4に記載する。
Figure 2016072244
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透明導電性に優れた本発明の導電積層体は、例えば、タッチパネル、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス、電子ペーパーなどのディスプレイ関連の電極、および透明面状発熱体用の電極として好ましく用いることができる。
501:電気炉
502:石英焼結板
503:反応器
504:触媒層
505:熱電対
506:廃ガス管
507:マスフローコントローラー
508:ガス導入管

Claims (8)

  1. 基材の少なくとも片面に、カーボンナノチューブおよびイオン性分散剤を含む導電層と、オーバーコート層とを基材側からこの順で有し、かつ25℃、湿度30%RHの端子間抵抗値を[A]、25℃、湿度90%RHの端子間抵抗値を[B]とした際の端子間抵抗値の比[B]/[A]が1.20以下である導電積層体。
  2. 前記オーバーコート層がポリエステル樹脂、アクリル樹脂およびウレタンアクリレート樹脂からなる群より選択される少なくとも1つの樹脂を含有する樹脂組成物を含む請求項1に記載の導電積層体。
  3. 前記オーバーコート層がアミノ基、イミノ基、メチロール基、イソシアナート基、エポキシ基、カルボジイミド基およびオキサゾリン基からなる群より選択される少なくとも1つを有する樹脂組成物を含む請求項1または2に記載の導電積層体。
  4. 前記樹脂組成物の割合が、イオン性分散剤100質量部に対して20質量部以上である請求項1〜3のいずれかに記載の導電積層体。
  5. 前記イオン性分散剤がカルボキシル基および/またはヒドロキシル基を含む請求項1〜4のいずれかに記載の導電積層体。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の導電積層体を用いた電子ペーパー。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の導電積層体を用いたタッチパネル。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載の導電積層体を用いたタッチスイッチ。
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