JP2016173714A - 導電積層体およびそれを用いたタッチパネル - Google Patents

導電積層体およびそれを用いたタッチパネル Download PDF

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Abstract

【課題】導電層に表面凹凸形状を有し、タッチパネルの電極に使用する際にペン摺動耐久性が良好な導電積層体を提供すること。【解決手段】基材上に、アンダーコート層とカーボンナノチューブ層とを含む導電層を有する導電積層体であって、前記導電層の凸部占有面積割合30%以上70%以下である導電積層体。【選択図】図1

Description

本発明は、導電積層体およびそれを用いたタッチパネルに関する。
基材上に、導電性材料を積層させた導電積層体において、ウェットコーティング法で導電積層体の導電層を形成する導電性材料としては、カーボンナノチューブが知られている。カーボンナノチューブは室温、大気圧下で塗布が可能であり、簡易なプロセスで導電層を形成することができる。また、耐屈曲性に優れているため、柔軟なフィルム上に導電層を形成する場合であっても、フィルムの屈曲性に追従することができる。
このような特性を活かしたカーボンナノチューブを含む導電層を有する導電積層体の用途として、抵抗膜式タッチパネル用上部電極が挙げられる。抵抗膜式タッチパネルは、上下の透明基板に導電層を設け透明電極とし、空気層を挟み、導電層を対向させ、押圧により導電層同士を接触させることによりタッチ位置を検出するものである。この際にペン荷重でクラック、剥離などの破壊が生じない、優れたペン摺動耐久性を有することが要望されている。
これを実現する対策として、透明電極を形成する支持体フィルム基材の表面に凹凸構造を形成する方法が提案されている。例えば、特許文献1には、導電層がカーボンナノチューブであり、フィルム基材表面に微細な凹凸を設けて上部電極と下部電極が接触する際の摩擦係数を下げた積層体が提案されている。
また特許文献2には、特許文献1と同等の凹凸構造を有し、導電層が硬化型樹脂を主たる構成成分とする硬化物層、及びインジウム−スズ複合酸化物またはスズ−アンチモン複合酸化物からなる積層体が提案されている。
また特許文献3には、ポリマー、硬化性樹脂前駆体、フッ素系レベリング剤及び溶媒を含む液相から、スピノーダル分解により、複数のポリマー同士、ポリマーと硬化性樹脂前駆体、又は複数の硬化性樹脂前駆体同士が相分離構造を形成することで、アンチニュートンリング層表面に凹凸構造を有する積層体が提案されている。
特開2014−207116号公報 特開2002−163933号公報 特開2014−98771号公報
前述の通り、抵抗膜式タッチパネルの上部電極に求められる特性の1つとしてペン荷重でクラック、剥離などの破壊が生じない優れたペン摺動耐久性が挙げられる。中でも、本発明者らは、カーボンナノチューブを含む導電層をタッチパネルの電極に使用する際、ペン摺動耐久性が一時的に悪化する問題点があることに着目した。
しかしながら、特許文献1の導電積層体は、カーボンナノチューブを含む導電積層体のペン摺動耐久性の一時悪化を抑制することができなかった。
そして、本発明者らは、以下のように考えた。カーボンナノチューブは、ナノ構造体のネットワークの集合体である。そのため、カーボンナノチューブを含む導電層をタッチパネルの電極に使用する際、下部電極との接触により導電層のネットワークが乱れ、ペン摺動耐久性が一時的に悪化するのではないかと考えた。そして、下部電極と導電層の接触による影響は、導電層の表面形状に左右されるのではないかと考えた。
ここで、特許文献2〜3の導電積層体には、導電層に金属酸化物が使用されており、カーボンナノチューブが使用されておらず、そもそもペン摺動耐久性が一時悪化することはない。
しかし、特許文献2の場合、フィルム基材に凹凸構造を有する積層体が提案されているものの凹凸量が少なく、下部電極との接触面積減少に至っていない。よって、カーボンナノチューブを含む導電層をタッチパネルの電極に使用しても、やはりペン摺動耐久性の一時悪化を抑制することができなかった。
また特許文献3の場合、導電層下部のアンチニュートンリング層面に凹凸構造を有する積層体が提案されているものの、凹凸量が多く、下部電極との接触面積が増加する。そのため、カーボンナノチューブを含む導電層をタッチパネルの電極に使用しても、やはりペン摺動耐久性の一時悪化を抑制することができなかった。
本発明は、前記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、タッチパネルの電極に使用し、ペンや指で摺動する際に、ペン摺動耐久性が一時的に悪化しにくく良好な導電積層体を作製することである。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、基材上に、アンダーコート層とカーボンナノチューブとを含む導電層を有する導電積層体であって、前記導電層の凸部占有面積割合を規定することで、ペン摺動時の導電体ネットワークの乱れを抑制し、ペン摺動耐久性が良好であることを見出し、本発明に到ったものである。
前記課題を解決するために、本発明の導電積層体は次の構成を有する。すなわち、
(1)基材上に、アンダーコート層とカーボンナノチューブとを含む導電層を有する導電積層体であって、前記導電層の凸部占有面積割合が30%以上70%以下である導電積層体。
(2)前記導電層の算術表面粗さRaが20nm以上300nm以下である(1)に記載の導電積層体。
(3)前記導電層の凸部最大高さが0.2μm以上3.0μm以下である(1)または(2)にいずれかに記載の導電積層体。
(4)前記アンダーコート層がシリカ粒子、コロイダルシリカ粒子、スチレン粒子、アクリルエステル粒子およびアクリル粒子からなる群より選択される少なくとも1つの粒子を含む(1)〜(3)のいずれかに記載の導電積層体。
また、本発明のタッチパネルは次の構成を有する。すなわち、
(5) (1)〜(4)のいずれかに記載の導電積層体を用いてなるタッチパネル、である。
本発明によれば、導電層に凹凸形状を設け、ペン摺動時の導電体ネットワークの乱れを抑制することで、ペン摺動耐久性が良好な導電積層体を提供できる。
導電積層体の概略断面図である。 本発明のタッチパネルの一例を示す概略断面図である。 化学気相成長法の概略装置概略図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明の導電積層体は、基材上に、アンダーコート層、カーボンナノチューブを含む導電層(以下、カーボンナノチューブ層という場合がある)を設け、さらに適宜、保護層を塗布することで作製することができる。
[基材]
ここで、基材とは可視光の透過率が高い基材を指し、具体的には波長550nmにおける透過率が50%以上のもの、より好ましくは85%以上の基材を指す。
本発明に用いられる基材の素材としては、樹脂、ガラスなどを挙げることができる。樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、アラミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ乳酸、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチル、脂環式アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、トリアセチルセルロースなどを用いることができる。
ガラスとしては、通常のソーダガラスを用いることができる。また、これらの複数の基材を組み合わせて用いることもできる。例えば、樹脂とガラスを組み合わせた基材、2種以上の樹脂を積層した基材などの複合基材であってもよい。樹脂フィルムにハードコートを設けたようなものであってもよい。基材の種類は前記に限定されることはなく、用途に応じて耐久性やコスト等から最適なものを選ぶことができる。
基材の厚みは特に限定されるものではないが、タッチパネル、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス、電子ペーパーなどのディスプレイ関連の電極に用いる場合、10μm〜1,000μmの範囲にあることが好ましい。
[アンダーコート層]
本発明の導電積層体は前記基材上にアンダーコート層を設けることが好ましい。アンダーコート層の詳細を以下に説明する。
アンダーコート層の厚みは導電積層体としたときにカール等の現象が発生しにくい範囲であれば特に限定されない。また、その厚みはバインダーの種類、官能基の種類、官能基の含有量、添加する粒子量によって変わる。従って、8nm〜5μmの範囲にあることが好ましい。光学干渉による反射防止効果が有効に得られる厚みであれば、光線透過率が向上するため好ましい。このため、後述するオーバーコート層の厚みと合わせた厚みが20nm〜600nmの範囲にあることがより好ましい。
アンダーコート層がバインダーを含むことにより、アンダーコート層に後述するイオン性分散剤をより吸着することができるため好ましい。バインダーとしては有機バインダー、無機バインダー等が挙げられるが、イオン性分散剤をより吸着できる点や、パターニング時のアンダーコート層の割れにくさの点から、有機バインダーがより好ましい。アンダーコート層に含まれる有機バインダーとは、共有結合を有し、2種類以上の原子からなる分子が最小単位となる有機化合物である。有機化合物の組成としては、例えばフェノール、シリコン、ナイロン、ポリエチレン、ポリエステル、オレフィン、ビニル、アクリル、セルロースなどが好ましい。前記有機バインダーは、基材への塗布性の観点より親水性官能基を有する有機バインダーであることが好ましい。また、前記有機バインダーは、基材への塗布性の観点より親水性官能基を有するポリエステル樹脂および/または親水性官能基を有するアクリル樹脂であることがより好ましい。すなわち、有機バインダーが親水性官能基を有するポリエステル樹脂または親水性官能基を有するアクリル樹脂のいずれかであってもよいし、親水性官能基を有するポリエステル樹脂および親水性官能基を有するアクリル樹脂の両方であってもよい。
親水性官能基を有するポリエステル樹脂とは、ポリエステル樹脂の親水性を高め、水系溶媒へ溶解、または分散させるために、ポリエステル樹脂の末端や側鎖に、親水性官能基を有するポリエステル樹脂を指す。親水性官能基としては、スルホン酸塩基やカルボン酸塩基などが挙げられる。ポリエステル樹脂に親水性官能基を含有させるためには、スルホン酸塩基を有するジカルボン酸、ジオールおよびそのエステル形成性誘導体(スルホン酸塩基を含む化合物)や、カルボン酸塩基を3つ以上有する多価カルボン酸およびそのエステル形成性誘導体(3価以上の多価カルボン酸塩基を含む化合物)などをポリエステルの原料として用いることにより得ることができる。
スルホン酸塩基を含む化合物としては、例えば、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、4−スルホイソフタル酸、などのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
3価以上の多価カルボン酸塩基を含む化合物としては、例えば、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、4−メチルシクロヘキセン−1,2,3−トリカルボン酸、トリメシン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−ペンタンテトラカルボン酸、などのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
ポリエステルを構成するカルボン酸成分としては、芳香族、脂肪族、脂環族のジカルボン酸や3価以上の多価カルボン酸を使用することができる。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、フタル酸、2,5−ジメチルテレフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、およびそれらのエステル形成性誘導体などを用いることができる。
親水性官能基を有するポリエステル樹脂は、例えば次のように製造することができる。例えばジカルボン酸成分とグリコール成分、スルホン酸塩基や3価以上の多価カルボン酸塩基を含む化合物をエステル化反応あるいはエステル交換反応させる第一段階の工程の後、重縮合反応させることによって製造する方法、ジカルボン酸成分とグリコール成分をエステル化反応あるいはエステル交換反応させる第一段階の工程の後、スルホン酸塩基や3価以上の多価カルボン酸塩基を含む化合物を加えて、第一段階の反応生成物と重縮合反応させる第二段階の工程とによって製造する方法などにより製造することができる。この際、反応触媒として、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、マンガン、コバルト、亜鉛、アンチモン、ゲルマニウム、チタン化合物などを用いることができる。
上記の製造方法により得られた親水性官能基を有するポリエステル樹脂は、溶媒に分散または溶解させて塗料組成物とすることが好ましい。水系溶媒へ分散または溶解させる手段としては、ポリエステル樹脂を、撹拌しながらアンモニア水、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、各種アミン類等のアルカリ性化合物の水溶液に溶解もしくは分散させる方法が挙げられる。この場合、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブチルセロソルブ、エチルセロソルブ等の水溶性有機溶媒を併用してもよい。
また、前記有機バインダーは親水性官能基を有するポリエステル樹脂および親水性官能基を有するアクリル樹脂の両方であることがイオン性分散剤除去の点からより好ましい。
本発明において、アンダーコート層は粒子を含むことが好ましい。粒子を含むことで、アンダーコート層の表面凹凸が大きくなり、イオン性分散剤のアンダーコート層への取り込みが効果的となり、耐湿度依存性が向上するため好ましい。またタッチパネルの電極に使用する際、下部電極との接触面積が減少し、導電層のネットワークを保持しやすくなるため、ペン摺動耐久性が向上するため好ましい。
本発明に用いられる粒子としては有機粒子であっても無機粒子であっても、その両方を用いても構わない。発明に用いることのできる無機粒子の組成としては、例えばシリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、セリア、カオリン、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、カーボンブラック、ゼオライト、酸化チタン、各種金属酸化物からなる粒子などが好ましい。特に、親水性官能基を有するポリエステル樹脂への分散性や、粒子の硬度、耐熱性、耐アルカリ接着性の点からシリカ粒子およびコロイダルシリカ粒子が好ましい。
シリカとしては、日本触媒(株)社製の“シーホスター”(登録商標)シリーズが好ましく用いられる。コロイダルシリカとしては、日産化学工業(株)社製の“スノーテックス”(登録商標)シリーズや日揮触媒化成(株)社製の“カタロイド”シリーズなどが好ましく用いられる。
本発明に用いることのできる有機粒子の組成としては、例えば、アクリル粒子、スチレン粒子、架橋アクリル粒子、架橋スチレン粒子、スチレン粒子およびアクリルエステル粒子などが挙げられるが、親水ポリエステル樹脂への分散性などを考慮すると、アクリル粒子、スチレン粒子、アクリルエステル重合体粒子などの有機粒子が好ましく用いられる。アクリル粒子としては東洋紡(株)社製の“タフチック Fシリーズ”などが好ましく用いられる。
本発明に用いられる粒子の好ましい平均粒子径は粒子の分散性やアンダーコート層の厚みに依存するが、0.07〜10μmが通常好ましい範囲であり、より好ましくは0.1〜5μmの範囲であり、さらに好ましくは0.2〜3μmの範囲である。なお、平均粒子径はレーザー回折散乱法で求めた有効径(回折散乱径)の平均値である。
また、通常ハードコートフィルムとして用いられているハードコート層をアンダーコート層として使用してもよい。ハードコート層成分としては、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂などの熱硬化型または光硬化型樹脂などが挙げられるが、性能、コスト、生産性などのバランスを考慮するとアクリレート系が好ましく適用される。
市販されているハードコートフィルムとしては東山フィルム(株)社製のEHC−30、FHC−S8Wなどの製品を利用することができる。
[カーボンナノチューブ層]
本発明において、カーボンナノチューブ分散液を塗布して形成することができる。カーボンナノチューブ分散液を得るには、カーボンナノチューブを溶媒とともに、混合分散機や超音波照射装置によって分散処理を行うことが一般的であり、さらに分散剤を添加することが望ましい。
本発明において用いられるカーボンナノチューブは、実質的にグラファイトの1枚面を巻いて筒状にした形状を有するものであれば特に限定されず、グラファイトの1枚面を1層に巻いた単層カーボンナノチューブ、多層に巻いた多層カーボンナノチューブいずれも適用できるが、その中でもグラファイトの1枚面を2層に巻いた特に2層カーボンナノチューブが100本中に50本以上含まれているカーボンナノチューブであると、導電性ならびに塗布用分散液中でのカーボンナノチューブの分散性が極めて高くなることから好ましい。
さらに好ましくは100本中75本以上が2層カーボンナノチューブ、最も好ましくは100本中80本以上が2層カーボンナノチューブである。なお、2層カーボンナノチューブが100本中に50本含まれていることを、2層カーボンナノチューブの割合が50%と表示することもある。また、2層カーボンナノチューブは酸処理などによって表面が官能基化されても導電性などの本来の機能が損なわれない点からも好ましい。
本発明においてカーボンナノチューブの分散剤としては、界面活性剤、各種分散剤(水溶性分散剤等)等を用いることができるが、分散性が高いイオン性分散剤を含むことが好ましい。イオン性分散剤としてはアニオン性分散剤やカチオン性分散剤、両性分散剤がある。カーボンナノチューブ分散能が高く、分散性を保持できるものであればどの種類も用いることができるが、分散性、および分散保持性に優れることから、アニオン性分散剤が好ましい。なかでも、カルボキシメチルセルロースおよびその塩(ナトリウム塩、アンモニウム塩等)、ポリスチレンスルホン酸の塩がカーボンナノチューブ分散液においてカーボンナノチューブを効率的に分散することができるため好ましい。特に、イオン性分散剤がカルボキシメチルセルロースを主たる成分とすることが好ましい。ここで主たる成分とは、イオン性分散剤全体を100質量%としたとき、60質量%以上を占めることをいう。
本発明において、カルボキシメチルセルロース塩、ポリスチレンスルホン酸塩を用いる場合、塩を構成するカチオン性の物質としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属のカチオン、カルシウム、マグネシウム、バリウム等のアルカリ土類金属のカチオン、アンモニウムイオン、あるいはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、エチルアミン、ブチルアミン、ヤシ油アミン、牛脂アミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ポリエチレンイミン等の有機アミンのオニウムイオン、または、これらのポリエチレンオキシド付加物を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
カーボンナノチューブ分散液を調製する方法としては、原料として使用するカーボンナノチューブの表面改質および/またはカーボンナノチューブ分散剤の選択により行われる。
カーボンナノチューブ分散液を調整するためのカーボンナノチューブ表面改質処理の方法は特に限定されないが、コロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理などの物理処理、酸処理やアルカリ処理などの化学的処理により、カルボキシル基、ヒドロキシル基等のアニオン性基をカーボンナノチューブに導入することが好ましい。
カーボンナノチューブ分散液を調整するためのカーボンナノチューブ分散剤としては、カーボンナノチューブ分散能が高く、分散性を保持できるものであればどの種類も用いることができる。中でも、分散剤として、上記記載のアニオン性分散剤が最も好ましい。アニオン性分散剤を使用した場合、カーボンナノチューブ分散液のpHが5.5〜11であると、カーボンナノチューブ表面を修飾しているカルボン酸など酸性官能基や、カーボンナノチューブの周りに位置している分散剤に含まれるカルボン酸などの酸性官能基の電離度が向上し、その結果、カーボンナノチューブ、あるいはカーボンナノチューブ周りの分散剤がマイナスの電位を帯びる。以上より、カーボンナノチューブ分散液を調製する方法として、静電反発を利用するために、アニオン性のイオン性分散剤を選択することが最も好ましい。
また、前項に示した、カーボンナノチューブの表面改質を組み合わせることで、アニオン性分散剤に限らず、カチオン性分散剤および両性分散剤も用いることができる。
カーボンナノチューブ分散剤の重量平均分子量は100以上が好ましい。重量平均分子量が100以上であればカーボンナノチューブとの相互作用がより効果的に生じ、カーボンナノチューブの分散がより良好となるためである。カーボンナノチューブの長さにもよるが、重量平均分子量が大きいほどカーボンナノチューブ分散剤がカーボンナノチューブと相互作用し分散性が向上するため好ましい。例えば、ポリマーの場合であれば、ポリマー鎖が長くなるとポリマーがカーボンナノチューブにからみつき、非常に安定な分散が可能となる。しかし、重量平均分子量が大きすぎると逆に分散性が低下する場合があるので、重量平均分子量は好ましくは1,000万以下であり、さらに好ましくは、100万以下である。最も好ましい重量平均分子量の範囲は1万〜50万である。
カーボンナノチューブ分散液のpHは、アレニウスの定義による酸性物質や塩基性物質をカーボンナノチューブ分散液に添加することで調整できる。酸性物質は、例えば、プロトン酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウフッ化水素酸、フッ化水素酸、過塩素酸等の無機酸や、有機カルボン酸、フェノール類、有機スルホン酸等が挙げられる。さらに、有機カルボン酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、ショウ酸、安息香酸、フタル酸、マレイン酸、フマル酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ニトロ酢酸、トリフェニル酢酸等が挙げられる。有機スルホン酸としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、アルキルナフタレンジスルホン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物、メラミンスルホン酸ホルマリン重縮合物、ナフタレンジスルホン酸、ナフタレントリスルホン酸、ジナフチルメタンジスルホン酸、アントラキノンスルホン酸、アントラキノンジスルホン酸、アントラセンスルホン酸、ピレンスルホン酸などが挙げられる。この中でも好ましいのは、塗布乾燥時に揮発する揮発酸であり、例えば塩酸、硝酸などである。
塩基性物質としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニアなどが挙げられる。この中でも好ましいのは、塗布乾燥時に揮発する揮発塩基であり、例えばアンモニアである。
カーボンナノチューブ分散液のpH調整は、pHを測定しながら、上記酸性物質および/または塩基性物質を所望のpHとなるまで添加することで行う。pH測定法としては、リトマス試験紙などのpH試験紙を用いる方法、水素電極法、キンヒドロン電極法、アンチモン電極法、ガラス電極法などが挙げられるが、この中でもガラス電極法が簡便であり、必要な精度を得られるため好ましい。また、酸性物質、あるいは、塩基性物質を過剰に添加して所望のpH値を超えてしまった場合には、逆の特性を持つ物質を添加してpHを調整すればよい。かかる調整に適用する酸性物質としては硝酸が、塩基性物質としてはアンモニアが好ましい。
本発明において用いられるカーボンナノチューブ分散液の調製に用いる分散媒は、廃液の処理が容易である等の観点から、水が好ましい。
カーボンナノチューブ分散液の調製時の分散手段としては、カーボンナノチューブと分散剤を分散媒中で塗液製造に慣用の混合分散機(例えばボールミル、ビーズミル、サンドミル、ロールミル、ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、超音波装置、アトライター、デゾルバー、ペイントシェーカー等)を用いて混合することが挙げられる。また、これら複数の混合分散機を組み合わせて段階的に分散を行ってもよい。中でも、振動ボールミルで予備的に分散を行った後、超音波装置を用いて分散する方法が、得られる塗布用分散液中のカーボンナノチューブの分散性が良好であることから好ましい。
[導電層]
本発明においては、基材上にアンダーコート層を形成後、この層の上面にカーボンナノチューブ層を形成することができる。
ここで導電層は、アンダーコート層とカーボンナノチューブ層との複合層である。
[導電積層体]
本発明における導電積層体とは、例えば基材上に湿式コーティング法やドライコーティング法などにより、基材とは異なる材料を含む、アンダーコート層とカーボンナノチューブ層とを含む導電層を少なくとも一層以上積層させたものを指す。
[保護層]
本発明の導電層は保護層(以下、オーバーコート層と記載)を有することが好ましい。なお、オーバーコート層は透明性を向上させるために透明被膜からなることが好ましい。オーバーコート層を有することにより、さらに透明導電性や耐熱性安定性、耐湿熱安定性を向上できるため好ましい。
導電積層体には、必要に応じてハードコート層などの各種機能性層を付与することもできる。ハードコート層は基材を挟んで反対側の最表層に設けることができる。ハードコート層は主に表面強度や防汚性、耐指紋性などを向上する為に設けられ、さらに表面に微細な凹凸を形成し防眩性を付与することもできる。ハードコート層としては、硬化した際の透明性、硬度などの特性が優れる点から熱硬化型、紫外線硬化型のアクリル系樹脂が好適に用いられる。ハードコート層は導電積層体の導電層を形成している側の最表層に設けることもできる。この場合のハードコート層は導電層の一部と見なす。
[導電積層体の製造方法]
本発明の導電積層体の製造方法は、基材上に、シリカ粒子、コロイダルシリカ粒子、スチレン粒子、アクリルエステル粒子およびアクリル粒子からなる群より選択される少なくとも1つの粒子を含むアンダーコート層形成工程と、カーボンナノチューブおよびカーボンナノチューブ分散剤を含む分散液のアンダーコート層上への形成工程とを有する導電積層体の製造方法であることが好ましい。以下で各工程を説明する。
[アンダーコート層の形成]
前述した有機バインダー、有機粒子および無機粒子、並びに必要に応じて、添加剤や溶媒を含有する塗料組成物を基材上へ塗布し、必要に応じて溶媒を乾燥させることによって、基材上にアンダーコート層を形成することができる。この際、基材上には塗料組成物を塗布する前に、必要に応じて空気中あるいはその他の雰囲気中でのコロナ放電処理や、プライマー処理などの表面処理を施すことによって、塗布性が良化するのみならず、アンダーコート層をより強固に基材上に形成することができる。
本発明において、前記塗料組成物を基材上に塗布する方法は特に限定されない。既知の塗布方法、例えば吹き付け塗装、浸漬コーティング、スピンコーティング、ナイフコーティング、キスコーティング、グラビアコーティング、スロットダイコーティング、バーコーティング、ロールコーティング、スクリーン印刷、インクジェット印刷、パット印刷、他の種類の印刷などが利用できる。また塗布は、複数回に分けて行ってもよく、異なる2種類の塗布方法を組み合わせてもよい。好ましい塗布方法は、ウェットコーティングであるグラビアコーティング、バーコーティング、スロットダイコーティングである。
[カーボンナノチューブ層の形成]
カーボンナノチューブ層とはカーボンナノチューブが含まれる層であり、導電層を形成する層の1つである。
本発明の導電積層体を製造する方法において、カーボンナノチューブ層は、カーボンナノチューブ分散液を基材に塗布する塗布工程と、その後分散媒を除去する乾燥工程を経て形成することができる。この際、基材上にはカーボンナノチューブ分散液を塗布する前に、必要に応じて空気中あるいはその他の雰囲気中でのコロナ放電処理や、プライマー処理などの表面処理を施すことによって、塗布性が良化するのみならず、カーボンナノチューブ層をより強固に基材上に形成することができる。
塗布工程の後、塗布された分散剤を含むカーボンナノチューブ分散液から分散媒を除去する乾燥工程としては、熱風を基材に当てる対流熱風乾燥、赤外線乾燥装置からの輻射で基材に赤外線を吸収させて熱に変え加熱し乾燥させる輻射電熱乾燥、熱媒体で加熱された壁面からの熱伝導で加熱し乾燥させる伝導電熱乾燥、などが挙げられる。対流熱風乾燥は乾燥速度が大きいため好ましい。
本発明において、カーボンナノチューブ分散液を基材上に塗布する方法は特に限定されない。既知の塗布方法、例えば吹き付け塗装、浸漬コーティング、スピンコーティング、ナイフコーティング、キスコーティング、グラビアコーティング、スロットダイコーティング、バーコーティング、ロールコーティング、スクリーン印刷、インクジェット印刷、パット印刷、他の種類の印刷などが利用できる。また塗布は、複数回に分けて行ってもよく、異なる2種類の塗布方法を組み合わせてもよい。好ましい方法は、ウェットコーティングであるグラビアコーティング、バーコーティング、スロットダイコーティングである。
[オーバーコート層の形成]
本発明の導電積層体において、オーバーコート層を導電層の上に設ける方法は特に限定されない。既知のウェットコーティング方法、例えば吹き付け塗装、浸漬コーティング、スピンコーティング、ナイフコーティング、キスコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、スロットダイコーティング、バーコーティング、スクリーン印刷、インクジェット印刷、パット印刷、他の種類の印刷、または他の種類の印刷などが利用できる。また、乾式コーティング方法を用いてもよい。乾式コーティング方法としては、スパッタリング、蒸着などの物理気相成長や化学気相成長などが利用できる。またオーバーコート層を導電層の上に設ける操作は、複数回に分けて行ってもよく、異なる2種類の方法を組み合わせてもよい。好ましい方法は、ウェットコーティングであるグラビアコーティング、バーコーティング、スロットダイコーティングである。
オーバーコート層の材料としては有機材料、無機材料ともに用いることができるが、抵抗値安定性の観点から無機材料が好ましい。無機材料としては、シリカ、酸化錫、アルミナ、ジルコニア、チタニア等の金属酸化物が挙げられるが、抵抗値安定性の観点からシリカが好ましい。
ウェットコーティングを用いてシリカ層を形成する方法として、有機シラン化合物を用いることが好ましく、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシランなどのテトラアルコキシシラン類、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリプロポキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシランなどのトリアルコキシシラン類などの有機シラン化合物を加水分解して作製したシリカゾルを溶媒に溶解したものを塗料組成物として用いるのが好ましい。これら塗料組成物は、異なる2種類以上の塗布液を混合して用いても良い。前記ウェットコーティングを行い、溶媒乾燥時に、シラノール基同士の脱水縮合を生じさせ、シリカ薄膜を形成させる方法が挙げられる。
[凸部占有面積割合]
本発明の凸部占有面積割合について説明する。アンダーコート層が粒子を含むことで、導電層の表面凹凸が大きくなり、タッチパネルの電極に使用する際、下部電極との接触面積が減少し、導電層のネットワークを保持しやすくなるため、導電層の面内抵抗値分布が均一となり、ペン摺動耐久性が向上するため好ましい。ペン摺動耐久性を向上させるためには、導電層の凸部占有面積割合を規定することが好ましい。
凸部占有面積割合は、特に測定機器は限定されないが、例えば(株)キーエンス製のレーザー顕微鏡(カラー3Dレーザー顕微鏡VK−9700/9710)を用いて3次元画像データを測定することで算出可能である。3次元画像データ上の高さヒストグラムを確認することで、導電層の表面凹凸度合いを評価することができる。そこで、本発明では凸部占有面積割合を下記AとBを用いて、A÷B×100(%)と規定する。
A:凸部占有面積(測定面積の中で高さが基準高さ以上の部分の面積)
基準高さ=[{(3次元画像データの高さヒストグラム中の上限高さ)−(3次元画像データの高さヒストグラム中の下限高さ)}÷3+{3次元画像データの高さヒストグラム中の下限高さ}]
B:測定面積
前記凸部占有面積割合があまりにも小さいと、導電層の表面凹凸が少ないことになり、タッチパネルの電極に使用する際、下部電極との接触面積が増加してしまう場合がある。そのため、導電層のネットワークが乱れやすくなり、導電層の面内抵抗値が不均一になり、後述するリニアリティも低下する場合がある。一方、前記凸部占有面積割合があまりにも大きいと、下部電極との接触面積が増加してしまう場合がある。そのため、同様にリニアリティが低下し、ペン摺動耐久性が低下する場合がある。鋭意検討の結果、前記凸部占有面積割合が30%以上70%以下であれば、ペン摺動耐久性が一時的に低下しにくいことを見出した。ペン摺動耐久性の維持という観点からは好ましくは35%以上であり、より好ましくは40%以上である。また、好ましくは65%以下であり、より好ましくは60%以下である。
[導電層の算術表面粗さRa]
導電層の算術表面粗さRaは特に限定されないが、(株)キーエンス製のレーザー顕微鏡(カラー3Dレーザー顕微鏡VK−9700/9710)を用いて3次元画像データを取得、傾き補正を行った。その後、測定面積においてJIS B 0601−2001に準拠し測定した。
鋭意検討の結果、本発明の導電積層体の導電層の算術表面粗さRaは、20nm以上300nm以下が好ましい。Raがこの範囲であると、タッチパネルの電極に使用する際、下部電極との接触面積が減少し、導電層のネットワークを保持しやすくなるため、導電層の面内抵抗値分布がより均一となり、ペン摺動耐久性がさらに向上する。好ましくは40nm以上であり、より好ましくは60nm以上である。また、好ましくは250nm以下であり、より好ましくは200nm以下である。
[凸部最大高さ]
本発明の凸部最大高さについて説明する。アンダーコート層が粒子を含むことで、導電層に表面凹凸が形成される。
凸部最大高さは、特に限定されないが、(株)キーエンス製のレーザー顕微鏡(カラー3Dレーザー顕微鏡VK−9700)を用いて3次元画像を測定することで算出することが可能である。3次元画像上の高さデータヒストグラムを確認することで、凸部最大高さを評価することができる。そこで、本発明では凸部最大高さを{(3次元画像上の高さデータヒストグラム中の上限高さ)−(3次元画像上の高さデータヒストグラム中の下限高さ)}と規定する。
前記凸部最大高さがあまりにも小さいと、導電層の表面凹凸が少ないことになり、タッチパネルの電極に使用する際、下部電極との接触面積が増加してしまうため、導電層のネットワークが乱れて導電層の面内抵抗値が不均一になり、後述するリニアリティも低下する場合がある。一方、前記凸部最大高さが余りにも高いと、下部電極との接触の際に下部電極表面を傷つける可能性がある。鋭意検討結果、前記凸部最大高さが0.2μm以上3.0μm以下であれば、ペン摺動耐久性が低下しにくいことを見出した。ペン摺動耐久性の維持という観点からは好ましくは0.3μm以上2.0μm以下であり、より好ましくは0.4μm以上1.0μm以下である。
[タッチパネル]
次に、本発明のタッチパネルについて説明する。本発明のタッチパネルは本発明の導電積層体を用いてなる。導電積層体108の概略断面図を図1に示す。図1の説明は図2と併せて行う。図2は本発明の抵抗膜式タッチパネルの一例を示す概略断面図である。抵抗膜式タッチパネルは、一例として下部電極202上に、上部電極201が枠状の両面接着テープ206によって固定された構成である。上部電極を構成する基材102上には、アンダーコート層103(103a、103b両方とも含む)、カーボンナノチューブ層105、オーバーコート層106がこの順に積層されており、また下部電極を構成する基材203上には、ITO層204が積層されている。上部及び下部電極の導電層同士が空間207を挟むように対向して面状に形成されている。空間207には、一定間隔でドットスペーサー205を設けてあり、これによって、上側と下側の導電層の間隙を保持している。基材102の上面はペン209や指の先が接触する面であり、傷つきを防止するためにハードコート層101が設けられる。このタッチパネルは、電源208にて電圧をかけ、ペン209や指の先でハードコート層101の表面を押して荷重をかけることで、接触した部分から電気が流れ動作する。以上の構成からなるタッチパネルは、例えば、リード線と駆動ユニットを取り付け、液晶ディスプレイの前面に組み込んで用いられる。
図2に示す抵抗膜式タッチパネルでは、空間207を介して構成されており、ペンや指によって入力した際の荷重で導電積層体が変形し導電積層体同士が接触するため、本発明の導電積層体を用いる効果が最も高いタッチパネル構成である。
[リニアリティ]
リニアリティについて説明する。抵抗膜式タッチパネルの上部電極および下部電極に一定の電圧を印加した状態で測定開始点からある測定点までの距離と電圧との関係を測定したときに、理想的には距離と電圧とは直線関係になる。しかし実際は、導電層の面内均一性の不足より、距離と電圧との関係が理想的な直線からずれている。リニアリティとは、測定した値が理想的な直線からどれだけずれているかを表す。リニアリティは下記の方法により求められる。
リニアリティ=(ΔE/E)×100%。
ここで、Eは、測定端子Pが描画する直線の両端をそれぞれXおよびXとしたとき、測定端子PがX上にある時の電圧EXと測定端子PがX上にある時の電圧EXを結んだ直線により計算される、XとXの間の任意の点XXにおける計算上の電圧である。ΔEは、任意の点XXにおける計算上の電圧Eと測定端子PがXX上にある時の実際に測定された電圧EXXとの差である。上記の計算式により、リニアリティ値を求める。より具体的な方法は実施例に示す。
[ペン摺動耐久性]
本発明のペン摺動耐久性について説明する。図2に示すようなタッチパネルを作製後、ペン摺動耐久試験として、ポリアセタール樹脂製のタッチパネル用入力ペン(先端の形状:0.8mmR)に250gのペン荷重をかけ、タッチパネル上に片仮名(48文字)を連続で繰り返し、文字摺動を3万文字行った。1文字の摺動距離(文字の大きさ)は70mm×100mm角の大きさに切り出した導電積層体サンプルの100mm方向に20mm、70mm方向に30mmであり、摺動速度(ペンの移動速度)は100mm/秒とした。
ペン摺動耐久試験前後に、荷重250gをかけた測定端子で、導電積層体サンプルの100mm方向に電圧を5V印加し、導電積層体サンプル端部付近の測定開始点から、文字摺動が行われた領域を含むように、5mm間隔で100mm方向に測定開始点を含めて15点、70mm方向に測定開始点を含めて9点のマトリクスとなるよう、計135点電圧を測定し(最大70mm×40mmのマトリクス、すなわち、5mm間隔15点の列が9列できることになる。)、上記[リニアリティ]に記載の方法で、ペン摺動耐久試験前後のリニアリティの値を求め、リニアリティ変化量(差分)を求めた。
良好なペン摺動耐久性を有するには、ペン摺動耐久試験前後のリニアリティ変化量が1.0%未満であることが好ましい。
[用途例]
導電層の塑性が高く、クラックが発生しにくい本発明の導電積層体は、抵抗膜式タッチパネルの上部電極および静電容量式タッチパネル、静電容量式タッチスイッチの電極として好ましく用いることができる。
本発明の導電積層体は、エッチング等により導電部分と非導電部分にパターン化された後、さらに、リード線と駆動ユニット等を取り付け、タッチパネルに組み込むことにより、例えば液晶ディスプレイの前面タッチパネルとして用いることができる。
さらに、本発明の導電積層体は各種電極部材として用いた際に従来製品と比較してペン摺動耐久性に優れていることから、長期間、繰り返し使用した際にも断線等が発生しにくく、耐久性に優れた製品を提供することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これら実施例により限定されるものではない。実施例および比較例で用いた測定法を以下に示す。特に断らない限り、測定n数は3とし、平均値を採用した。
<各種評価方法>
(1)凸部占有面積割合
カラー3D レーザー顕微鏡((株)キーエンス製 VK−9700/9710)、観察アプリケーション((株)キーエンス製 VK−H1V1)、形状解析アプリケーション((株)キーエンス製 VK−H1A1)を用いて、付属の標準対物レンズ50X((株)ニコン製 CF IC EPI Plan Apo 50X)にて導電層を表面観察し、その3次元画像データを取得した。測定面積は56μmであり、測定画像のサイズは1,024×768ピクセル、1ピクセルの大きさは96dpiである。その後解析表面(画像)の傾き補正:2次局面補正(自動)を用いて、画像傾きを補正した。
次に高さヒストグラムにおいて、計測解析(体積・面積)を用いて、高さのしきい値より下記AおよびBを算出し、凸部占有面積割合(A÷B×100(%))を求めた。
A:凸部占有面積(測定面積の中で高さが基準高さ以上の部分の面積)
基準高さ=[{(3次元画像データの高さヒストグラム中の上限高さ)−(3次元画像データの高さヒストグラム中の下限高さ)}÷3+{3次元画像データの高さヒストグラム中の下限高さ}]
B:測定面積。
(2)算術表面粗さRa
(1)と同様の条件でカラー3D レーザー顕微鏡((株)キーエンス製 VK−9700/9710)を用いて3次元画像データを取得、傾き補正を行った。その後、測定面積においてJIS B 0601−2001に準拠し、算術表面粗さRaを算出した。
(3)凸部最大高さ
(1)、(2)と同様の条件でカラー3D レーザー顕微鏡((株)キーエンス製 VK−9700/9710)を用いて3次元画像データを取得、傾き補正を行った。その後、高さヒストグラムにて、凸部最大高さ{(3次元画像上の高さデータヒストグラム中の上限高さ)−(3次元画像上の高さデータヒストグラム中の下限高さ)}を算出した。
(4)ペン摺動耐久性
作製した導電積層体を上部電極として、マイクロドットスペーサ付のITOガラス基板をと対向させてこれらを貼り合わせ、タッチパネルを作製した。前記サンプル作製条件でサンプルを作製した。次に、グラフテック(株)のペンプロッター(GRAPHTEC PENPLOTTER FP8300)を用いて、250gの荷重をかけて、導電積層体サンプルをポリアセタール樹脂製のタッチパネル用入力ペン(先端部0.8mmR)にて、以下の摺動条件でのペン摺動耐久試験を行った。その後、3万文字ペン摺動耐久試験前後でのリニアリティを以下の方法で求め、リニアリティ変化量(差分)を求めた。
摺動条件
片仮名(48文字)を連続で繰り返し、文字摺動を3万文字行った。1文字の摺動距離(文字の大きさ)は70mm×100mm角の大きさに切り出した導電積層体サンプルの100mm方向に20mm、70mm方向に30mmであり、摺動速度(ペンの移動速度)は100mm/秒とした。
リニアリティ
ペン摺動耐久試験前後に、荷重250gをかけた測定端子で、導電積層体サンプルの100mm方向に電圧を5V印加し、導電積層体サンプル端部付近の測定開始点から、文字摺動が行われた領域を含むように、5mm間隔で100mm方向に測定開始点を含めて15点、70mm方向に測定開始点を含めて9点のマトリクスとなるよう、計135点電圧を測定し(最大70mm×40mmのマトリクス、すなわち、5mm間隔15点の列が9列できることになる。)、各点毎に以下の式を用い、以下の方法で、ペン摺動耐久試験前後のリニアリティの値を測定し、リニアリティ変化量(差分)を求めた。
リニアリティ=(ΔE/E)×100%
まず測定開始点から75mmの位置の電圧を測定し、測定開始点から5mm間隔の位置での計算上の電圧を比例計算によって算出する。次に測定開始点から5mm間隔の位置での実際の電圧を測定する。さらに測定開始点から5mm間隔の位置での計算上の電圧と実際に測定して得られた電圧との差(ΔE)を算出する。各点において、リニアリティ(ΔE/E)を求める。そして、リニアリティ変化量(%)={(摺動後のリニアリティ)−(摺動前のリニアリティ)}を求める。
(実施例1)
本発明の導電積層体の第一の形態としては、基材上にアンダーコート層の塗料組成物、カーボンナノチューブ分散液、オーバーコート層の塗料組成物の順番で塗工し、サンプルを作製した。
(1)基材
188μmの東レ(株)製“ルミラー”(登録商標)タイプU48を基材として用いた。
[基材表面処理]
東レ(株)製“ルミラー”(登録商標) U48上にコロナ処理を実施した。この処理により基材表面の親水性が増し、水接触角が52〜62°に低下した。
(2)アンダーコート層
[バインダー層]
親水性官能基を有するポリエステル樹脂と親水性官能基を有するアクリル樹脂を含む有機バインダー(高松油脂(株)製 A647−GEX 固形分濃度20質量%、水溶媒)を水及びエタノールで希釈し、水とエタノール(和光純薬工業(株)製)との比率が質量比で7:3、樹脂の固形分濃度が2.5質量%になるようにした。
[粒子]
粒子A:粒径10nm〜15nm コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製 “スノーテックス”(登録商標) ST−O)。
粒子B:粒径200nm シリカ粒子(日産化学工業(株)製 “スノーテックス”(登録商標) MP2040)。
前記希釈した有機バインダーと粒子A、粒子Bについて、アンダーコート層全体を100質量%としたときの含有量を有機バインダー:66.6質量%、粒子A:28.5質量%、粒子B:4.9質量%の割合で混合し、アンダーコート層の塗料組成物を作成した。
本実施例においては、前記コロナ処理を施した基材上に、前記作成法で作成したアンダーコート層の塗料組成物を材質がステンレス(sus)のシム(シム厚み50μm)を装着したスリットダイコート(塗工幅550mm)を使用して基材の片面に塗布、乾燥し、アンダーコート層を積層した。なお搬送速度:10m/分、流量:33cc/分、wet膜厚:6.0μm、乾燥温度:120℃、乾燥時間:60秒である。
(3)カーボンナノチューブ層
[触媒調製例:マグネシアへの触媒金属塩の担持]
クエン酸アンモニウム鉄(和光純薬工業(株)製)2.46gをメタノール(関東化学(株)製)500mLに溶解した。この溶液に、酸化マグネシウム(岩谷化学工業(株)製 MJ−30)を100.0g加え、撹拌機で60分間激しく撹拌処理し、懸濁液を減圧下、40℃で濃縮乾固した。得られた粉末を120℃で加熱乾燥してメタノールを除去し、酸化マグネシウム粉末に金属塩が担持された触媒体を得た。得られた固形分は篩い上で、乳鉢で細粒化しながら、20〜32メッシュ(0.5〜0.85mm)の範囲の粒径のものを回収した。得られた触媒体に含まれる鉄含有量は0.38質量%であった。また、かさ密度は、0.61g/mLであった。
[カーボンナノチューブ集合体の精製および酸化処理]
化学気層成長装置でカーボンナノチューブを合成した。図3は前記化学気層成長装置の概略図である。反応器303は内径75mm、長さは1,100mmの円筒形石英管である。中央部に石英焼結板302を具備し、石英管下方部には、不活性ガスおよび原料ガスを供給する混合ガス供給ライン308、上部には廃ガスライン306を具備する。さらに、反応器を任意温度に保持できるように、反応器の円周を取り囲む加熱器301を具備する。また反応管内の温度を検知するために熱電対305を具備する。
触媒調製例で調製した固体触媒体132gを取り、鉛直方向に設置した反応器の中央部の石英焼結版上に導入することで触媒層304を形成した。反応管内温度が約860℃になるまで、触媒体層を加熱しながら、反応器底部から反応器上部方向へ向けてマスフローコントローラー307を用いて窒素ガスを供給しながら、さらにマスフローコントローラー307を用いてメタンガスを0.78L/minで60分間導入して触媒体層を通過するように通気し、反応させた。この際の固体触媒体の質量をメタンの流量で割った接触時間(W/F)は、169min・g/L、メタンを含むガスの線速が6.55cm/secであった。
メタンガスの導入を止め、窒素ガスを16.5L/min通気させながら、石英反応管を室温まで冷却し、室温になってから反応器から触媒とカーボンナノチューブを含有するカーボンナノチューブ組成物を取り出した。前記で示した触媒付きカーボンナノチューブ組成物118gを磁性皿に取り、予め446℃まで加熱した電気炉に静置して2時間加熱酸化処理した。
カーボンナノチューブ集合体製造例で得られた触媒体とカーボンナノチューブを含有するカーボンナノチューブ含有組成物を130g用いて4.8Nの塩酸水溶液2,000mL中で1時間撹拌することで触媒金属である鉄とその担体であるMgOを溶解した。得られた黒色懸濁液は濾過した後、濾取物は再度4.8Nの塩酸水溶液400mLに投入し脱MgO処理をし、濾取した。この操作を3回繰り返した(脱MgO処理)。その後、イオン交換水で濾取物の懸濁液が中性となるまで水洗後、水を含んだウェット状態のままカーボンナノチューブ含有組成物を保存した。このとき水を含んだウェット状態のカーボンナノチューブ含有組成物全体の質量は102.7gであった(カーボンナノチューブ含有組成物濃度:3.12質量%)。
得られたウェット状態のカーボンナノチューブ含有組成物の乾燥質量分に対して、約300倍の質量の濃硝酸(和光純薬工業(株)製、1級、Assay60〜61質量%)を添加した。その後、約140℃のオイルバスで25時間攪拌しながら加熱還流した。加熱還流後、カーボンナノチューブ含有組成物を含む硝酸溶液をイオン交換水で3倍に希釈して吸引ろ過した。イオン交換水で濾取物の懸濁液が中性となるまで水洗後、水を含んだウェット状態のカーボンナノチューブ集合体を得た。このとき水を含んだウェット状態のカーボンナノチューブ組成物全体の質量は3.351gあった(カーボンナノチューブ含有組成物濃度:5.29質量%)。
[カーボンナノチューブ分散液の調製]
得られたウェット状態のカーボンナノチューブ集合体(乾燥質量換算で25mg)、6質量%カルボキシメチルセルロースナトリウム(第一工業製薬(株)製、セロゲン7A(重量平均分子量:20万))水溶液1.04g、イオン交換水0.8g、ジルコニアビーズ(東レ(株)社製、“トレセラム”(登録商標)、ビーズサイズ:0.8mm)13.3gを容器に加え、28質量%アンモニア水溶液(キシダ化学(株)製)を用いてpH10に調整した。(分散剤/カーボンナノチューブ質量比=2.5)この容器を振動ボールミル((株)入江商会社製、VS−1、振動数:1,800cpm(60Hz))を用いて2時間振盪させ、カーボンナノチューブペーストを調製した。
次にこのカーボンナノチューブペーストをカーボンナノチューブの濃度が0.15質量%となるようにイオン交換水で希釈し、その希釈液10gに対して再度28質量%アンモニア水溶液でpH10に調整した。その水溶液を超音波ホモジナイザー(家田貿易(株)製、VCX−130)の出力を20Wとし、1.5分間(0.6kW・分/g)、氷冷下分散処理した。分散中液温が10℃以下となるようにした。得られた液を高速遠心分離機((株)トミー精工、MX−300)にて10,000G、15分遠心処理し、カーボンナノチューブ分散液9gを得た。その後、水を添加して終濃度でカーボンナノチューブ集合体の濃度が0.03質量%となるように調製してカーボンナノチューブ分散液とした。
[カーボンナノチューブ層の形成]
前記アンダーコート層を形成した基材上に、前記作成法で作成したカーボンナノチューブ分散液を材質がステンレス(sus)のシム(シム厚み50μm)を装着したスリットダイコート(塗工幅550mm)を使用して基材の片面に塗布、乾燥し、カーボンナノチューブ層を積層した。なお搬送速度:10m/分、流量:60.5cc/分、wet膜厚:11.0μm、乾燥温度:100℃、乾燥時間:60秒である。
[オーバーコート処理]
オーバーコート処理は、以下で作成法を述べる塗料組成物を、スロットダイコーティング法を用いてカーボンナノチューブ層上に塗布することで実施した。100mLポリ容器中に、エタノール13gを入れ、エチルシリケート26gを添加し30分間撹拌した。その後、0.1N塩酸水溶液を7g添加した後、2時間撹拌を行い4℃で保管した。翌日、その溶液をトルエン、イソプロピルアルコール、1−ブタノールの混合液に対して、固形分濃度が1.0質量%となるように希釈した。次に別の100mLポリ容器中に、エタノール0.20gを入れ、メチルトリエトキシシリケート0.40gを添加し30分間撹拌した。その後、0.1N塩酸水溶液を0.10g添加した後2時間撹拌を行い4℃で保管した。翌日、その溶液をトルエン、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、の混合液に対して、固形分濃度が1.0質量%となるように希釈し、これら2つの溶液を混合し、オーバーコート層の塗料組成物を作製した。その後、材質がステンレス(sus)のシム(シム厚み50μm)を装着したスリットダイコート(塗工幅550mm)を使用して基材の片面に塗布、乾燥し、オーバーコート層を積層した。なお搬送速度:10m/分、流量:72cc/分、wet膜厚:13.0μm、乾燥温度:125℃、乾燥時間:60秒である。
(実施例2)
アンダーコート層の塗料組成物を以下のようにした以外は実施例1と同様に導電積層体を作製した。
希釈した有機バインダーと粒子A、粒子Bについては実施例1と同様とし、アンダーコート層全体を100質量%としたときの含有量を有機バインダー:60.7質量%、粒子A:26.0質量%、粒子B:13.3質量%の割合で混合し、アンダーコート層の塗料組成物を作成した。
(実施例3)
アンダーコート層の粒子と塗料組成物を以下のようにした以外は実施例1と同様に導電積層体を作製した。
[粒子]
粒子A 粒径10nm〜15nm コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製 “スノーテックス”(登録商標) ST−O)。
粒子B 粒径500nm シリカ粒子(日本触媒(株)社製の“シーホスター”(登録商標)シリーズ KE−W50)。
希釈した有機バインダーは実施例1と同様とし、上記の粒子A、粒子Bについて、アンダーコート層全体を100質量%としたときの含有量を有機バインダー:63.5質量%、粒子A:27.2質量%、粒子B:9.3質量%の割合で混合し、アンダーコート層の塗料組成物を作成した。
(実施例4)
アンダーコート層の粒子と塗料組成物を以下のようにした以外は実施例1と同様に導電積層体を作製した。
[粒子]
粒子A 粒径10nm〜15nm コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製 “スノーテックス”(登録商標) ST−O)。
粒子B 粒径3μm アクリル粒子(東洋紡(株)製 “タフチック Fシリーズ” F200)。
希釈した有機バインダーは実施例1と同様とし、上記の粒子A、粒子Bについて、アンダーコート層全体を100質量%としたときの含有量を有機バインダー:63.5質量%、粒子A:27.2質量%、粒子B:9.3質量%の割合で混合し、アンダーコート層の塗料組成物を作成した。本実施例においては、流量:66cc/分で塗工した。
(実施例5)
基材とアンダーコート層として、市販されている東山フィルム(株)社製のEHC−30を使用した以外は実施例1と同様に導電積層体を作製した。
(実施例6)
基材とアンダーコート層として、市販されている東山フィルム(株)社製のFHC−S8Wを使用した以外は実施例1と同様に導電積層体を作製した。
(比較例1)
アンダーコート層の粒子と塗料組成物を以下のようにした以外は実施例1と同様に導電積層体を作製した。
[粒子]
粒子A 粒径10nm〜15nm コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製 “スノーテックス”(登録商標) ST−O)。
希釈した有機バインダーは実施例1と同様とし、粒子Aについて、アンダーコート層全体を100質量%としたときの含有量を有機バインダー:70.0質量%、粒子A:30.0質量%の割合で混合し、アンダーコート層の塗料組成物を作成した。
(比較例2)
アンダーコート層の粒子と塗料組成物を以下のようにした以外は実施例1と同様に導電積層体を作製した。
[粒子]
粒子A 粒径10nm〜15nm コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製 “スノーテックス”(登録商標) ST−O)。
粒子B 粒径500nm ポリメタクリル酸メチル系架橋物(日本触媒(株)社製の“エポスター”(登録商標)シリーズ MX050W)。
希釈した有機バインダーは実施例1と同様とし、粒子A、粒子Bについて、アンダーコート層全体を100質量%としたときの含有量を有機バインダー:63.5質量%、粒子A:27.2質量%、粒子B:9.3質量%の割合で混合し、アンダーコート層の塗料組成物を作成した。
以上、実施例1〜6および比較例1〜2の、凸部占有面積割合、算術平均粗さRa、凸部最大高さ、3万文字ペン摺動耐久性試験前後のリニアリティ変化量の最大値を表1に示す。
表1に関して、実施例1〜6においては、凸部占有面積割合、算術表面粗さRa、凸部最大高さを規定することで、3万文字ペン摺動耐久試験前後のリニアリティ変化量の最大値が小さくなり、ペン摺動耐久性が良好であることが分かる。
一方、比較例1〜2の場合、凸部占有面積割合が20%未満であるか、または70%を超えており、3万文字ペン摺動耐久性試験前後のリニアリティ変化量の最大値が大きく、ペン摺動耐久性が悪化した。これは、前記凸部占有面積には好ましい範囲があることを意味する。
Figure 2016173714
ペン摺動耐久性に優れる本発明の導電積層体は、抵抗膜式タッチパネルの上部電極および静電容量式タッチパネル、静電容量式タッチスイッチの電極として好ましく用いることができる。
101:ハードコート層
102:基材
103a:アンダーコート層
103b:アンダーコート層の凸部
104:カーボンナノチューブ
105:カーボンナノチューブ層
106:オーバーコート層
107:導電層
107b:導電層の凸部
108:導電積層体
201:上部電極
202:下部電極
203:下部電極の基材
204:ITO層
205:ドットスペーサー
206:両面接着テープ
207:空間
208:電源
209:ペン
301:加熱器
302:石英焼結板
303:反応器
304:触媒層
305:熱電対
306:廃ガスライン
307:マスフローコントローラー
308:混合ガス供給ライン
309:炭化水素
310:不活性ガス

Claims (5)

  1. 基材上に、アンダーコート層とカーボンナノチューブ層とを含む導電層を有する導電積層体であって、前記導電層の凸部占有面積割合が30%以上70%以下である導電積層体。
  2. 前記導電層の算術表面粗さRaが20nm以上300nm以下である請求項1に記載の導電積層体。
  3. 前記導電層の凸部最大高さが0.2μm以上3.0μm以下である請求項1または2のいずれかに記載の導電積層体。
  4. 前記アンダーコート層がシリカ粒子、コロイダルシリカ粒子、スチレン粒子、アクリルエステル粒子およびアクリル粒子からなる群より選択される少なくとも1つの粒子を含む請求項1〜3のいずれかに記載の導電積層体。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の導電積層体を用いてなるタッチパネル。
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