JP2017065056A - 導電積層体および導電積層体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】タッチセンサーとした場合に位置精度に優れる導電積層体及びその製造方法の提供。【解決手段】基材の少なくとも片方の面にカーボンナノチューブおよびカーボンナノチューブ分散剤を含む導電層を有する導電積層体であって、以下の(i)及び(ii)を満たす導電積層体。(i)導電積層体上に任意の方向に基準線を引き、該基準線に対し、測定方向を0°、30°、60°、90°、120°、150°とする30mm角の正方形のサンプルを各測定方向につき2枚づつ切り出し、各サンプルについて測定方向の端子間抵抗値R(kΩ)を測定したとき、端子間抵抗値Rの最大値Rmaxと最小値Rminの比(Rmax/Rmin)が、1.40以下(ii)前記導電積層体サンプルの光吸収率と表面抵抗値とが所定の関係を満たす【選択図】なし
Description
本発明は、導電積層体および導電積層体の製造方法に関する。より詳細には、タッチセンサーとした場合に位置精度に優れる導電積層体および導電積層体の製造方法に関する。
導電積層体は、フラットパネルディスプレイやタッチパネルなどの電子表示機器に多く利用されている。導電積層体に用いられる導電材料は錫ドープ酸化インジウム(以下、ITOと略す)に代表され、ITOの需要量および使用量は増え続けている。しかし、インジウムはレアメタルであることからインジウムを代替する、あるいはITOを用いた導電積層体に特有の短所、たとえば折り曲げに弱い、真空成膜であるために低コスト化が困難であるなどの短所を補う新規な導電材料として、カーボンナノチューブ(以下、CNTと略すこともある)、グラフェン、フラーレンが連なったウィスカーなどのナノカーボン材料の他、導電性ポリマー、金属ナノ粒子、金属ナノワイヤーなどの開発が盛んに行われている。これら新材料は、大気圧下で塗布できるタイプの材料であり、新規な導電材料の開発への期待は大きい。
CNTは実質的にグラファイトの1枚面を巻いて筒状にした形状を有しており、1層に巻いたものを単層CNT、多層に巻いたものを多層CNT、中でも特に2層に巻いたものを2層CNTという。CNTは、それ自体が優れた真性の導電性を有し、導電材料として使用されることが期待されている。
CNTを用いた導電積層体は、CNTを均一に分散液中に分散させ、塗工することによって作製される。
しかしながら、CNTや銀ナノワイヤーなどのアスペクト比の大きい線状金属構造体を分散液中に分散させ、塗工すると導電異方性が発現し、導電積層体としてタッチパネルに用いた場合に使用する方向が異なると導電性が異なるなど、良好な位置精度が得られない。
本発明は、前記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その課題は、タッチパネルとした際の位置精度に優れた導電積層体を提供することである。
本発明は以下の導電積層体を提供する。
基材の少なくとも片方の面にカーボンナノチューブおよびカーボンナノチューブ分散剤を含む導電層を有する導電積層体であって、以下の(i)および(ii)を満たすことを特徴とする導電積層体。
(i)導電積層体上に任意の方向に基準線を引き、該基準線に対し、測定方向を0°、30°、60°、90°、120°、150°とする30mm角の正方形のサンプルを各測定方向につき2枚として12枚切り出し、各サンプルについて前記測定方向の端子間抵抗値R(kΩ)を測定したとき、端子間抵抗値Rの最大値Rmaxと最小値Rminの比(Rmax/Rmin)が、1.40以下である
(ii)前記導電積層体の光吸収率と表面抵抗値が以下の(a)〜(h)のいずれかを満たす
(a)光吸収率1%以上、2%未満における表面抵抗値が500Ω/□以上、2,000Ω/□以下
(b)光吸収率2%以上、3%未満における表面抵抗値が200Ω/□以上、1,500Ω/□以下
(c)光吸収率3%以上、4%未満における表面抵抗値が100Ω/□以上、500Ω/□以下
(d)光吸収率4%以上、5%未満における表面抵抗値が80Ω/□以上、400Ω/□以下
(e)光吸収率5%以上、7%未満における表面抵抗値が60Ω/□以上、300Ω/□以下
(f)光吸収率7%以上、9%未満における表面抵抗値が50Ω/□以上、200Ω/□以下
(g)光吸収率9%以上、11%未満における表面抵抗値が40Ω/□以上、150Ω/□以下
(h)光吸収率11%以上、20%未満における表面抵抗値が30Ω/□以上、100Ω/□以下。
基材の少なくとも片方の面にカーボンナノチューブおよびカーボンナノチューブ分散剤を含む導電層を有する導電積層体であって、以下の(i)および(ii)を満たすことを特徴とする導電積層体。
(i)導電積層体上に任意の方向に基準線を引き、該基準線に対し、測定方向を0°、30°、60°、90°、120°、150°とする30mm角の正方形のサンプルを各測定方向につき2枚として12枚切り出し、各サンプルについて前記測定方向の端子間抵抗値R(kΩ)を測定したとき、端子間抵抗値Rの最大値Rmaxと最小値Rminの比(Rmax/Rmin)が、1.40以下である
(ii)前記導電積層体の光吸収率と表面抵抗値が以下の(a)〜(h)のいずれかを満たす
(a)光吸収率1%以上、2%未満における表面抵抗値が500Ω/□以上、2,000Ω/□以下
(b)光吸収率2%以上、3%未満における表面抵抗値が200Ω/□以上、1,500Ω/□以下
(c)光吸収率3%以上、4%未満における表面抵抗値が100Ω/□以上、500Ω/□以下
(d)光吸収率4%以上、5%未満における表面抵抗値が80Ω/□以上、400Ω/□以下
(e)光吸収率5%以上、7%未満における表面抵抗値が60Ω/□以上、300Ω/□以下
(f)光吸収率7%以上、9%未満における表面抵抗値が50Ω/□以上、200Ω/□以下
(g)光吸収率9%以上、11%未満における表面抵抗値が40Ω/□以上、150Ω/□以下
(h)光吸収率11%以上、20%未満における表面抵抗値が30Ω/□以上、100Ω/□以下。
本発明によれば、透明導電性に優れた導電積層体を提供することができる。
基材の少なくとも片方の面にカーボンナノチューブおよびカーボンナノチューブ分散剤を含む導電層を有する導電積層体であって、以下の(i)および(ii)を満たすことを特徴とする導電積層体。
(i)導電積層体上に任意の方向に基準線を引き、該基準線に対し、測定方向を0°、30°、60°、90°、120°、150°とする30mm角の正方形のサンプルを各測定方向につき2枚として12枚切り出し、各サンプルについて前記測定方向の端子間抵抗値R(kΩ)を測定したとき、端子間抵抗値Rの最大値Rmaxと最小値Rminの比(Rmax/Rmin)が、1.40以下である
(ii)前記導電積層体の光吸収率と表面抵抗値が以下の(a)〜(h)のいずれかを満たす
(a)光吸収率1%以上、2%未満における表面抵抗値が500Ω/□以上、2,000Ω/□以下
(b)光吸収率2%以上、3%未満における表面抵抗値が200Ω/□以上、1,500Ω/□以下
(c)光吸収率3%以上、4%未満における表面抵抗値が100Ω/□以上、500Ω/□以下
(d)光吸収率4%以上、5%未満における表面抵抗値が80Ω/□以上、400Ω/□以下
(e)光吸収率5%以上、7%未満における表面抵抗値が60Ω/□以上、300Ω/□以下
(f)光吸収率7%以上、9%未満における表面抵抗値が50Ω/□以上、200Ω/□以下
(g)光吸収率9%以上、11%未満における表面抵抗値が40Ω/□以上、150Ω/□以下
(h)光吸収率11%以上、20%未満における表面抵抗値が30Ω/□以上、100Ω/□以下。
(i)導電積層体上に任意の方向に基準線を引き、該基準線に対し、測定方向を0°、30°、60°、90°、120°、150°とする30mm角の正方形のサンプルを各測定方向につき2枚として12枚切り出し、各サンプルについて前記測定方向の端子間抵抗値R(kΩ)を測定したとき、端子間抵抗値Rの最大値Rmaxと最小値Rminの比(Rmax/Rmin)が、1.40以下である
(ii)前記導電積層体の光吸収率と表面抵抗値が以下の(a)〜(h)のいずれかを満たす
(a)光吸収率1%以上、2%未満における表面抵抗値が500Ω/□以上、2,000Ω/□以下
(b)光吸収率2%以上、3%未満における表面抵抗値が200Ω/□以上、1,500Ω/□以下
(c)光吸収率3%以上、4%未満における表面抵抗値が100Ω/□以上、500Ω/□以下
(d)光吸収率4%以上、5%未満における表面抵抗値が80Ω/□以上、400Ω/□以下
(e)光吸収率5%以上、7%未満における表面抵抗値が60Ω/□以上、300Ω/□以下
(f)光吸収率7%以上、9%未満における表面抵抗値が50Ω/□以上、200Ω/□以下
(g)光吸収率9%以上、11%未満における表面抵抗値が40Ω/□以上、150Ω/□以下
(h)光吸収率11%以上、20%未満における表面抵抗値が30Ω/□以上、100Ω/□以下。
本発明の導電積層体は、かかる構成を有することにより、導電積層体を用いる表示体に用いた場合、表示体の透明導電性を向上させることができる。
また、本発明の導電積層体の製造方法は前記カーボンナノチューブおよびカーボンナノチューブ分散剤を含む分散液の粘度をせん断速度1,000/sにおいて2.0mPa・s以下にして基材上に形成することが好ましい。
[基材]
本発明に用いられる基材の素材としては、樹脂、ガラスなどを挙げることができる。樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略する)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、アラミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ乳酸、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチル、脂環式アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、トリアセチルセルロースなどを用いることができる。ガラスとしては、ソーダガラス、白板ガラス、無アルカリガラスなどを用いることができる。また、これらの複数の基材を組み合わせて用いることもできる。例えば、樹脂とガラスとを組み合わせた基材、2種以上の樹脂を積層した基材などの複合基材であってもよい。樹脂フィルムにハードコートを設けたようなものであってもよい。基材の種類は前記基材に限定されることはなく、用途に応じて耐久性やコスト等から最適なものを選ぶことができる。基材の厚みは特に限定されるものではないが、タッチパネル、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス、電子ペーパーなどのディスプレイ関連の電極に用いる場合、10μm〜1,000μmの範囲にあることが好ましい。
本発明に用いられる基材の素材としては、樹脂、ガラスなどを挙げることができる。樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略する)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、アラミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ乳酸、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチル、脂環式アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、トリアセチルセルロースなどを用いることができる。ガラスとしては、ソーダガラス、白板ガラス、無アルカリガラスなどを用いることができる。また、これらの複数の基材を組み合わせて用いることもできる。例えば、樹脂とガラスとを組み合わせた基材、2種以上の樹脂を積層した基材などの複合基材であってもよい。樹脂フィルムにハードコートを設けたようなものであってもよい。基材の種類は前記基材に限定されることはなく、用途に応じて耐久性やコスト等から最適なものを選ぶことができる。基材の厚みは特に限定されるものではないが、タッチパネル、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス、電子ペーパーなどのディスプレイ関連の電極に用いる場合、10μm〜1,000μmの範囲にあることが好ましい。
[アンダーコート層]
本発明の導電積層体は前記基材上にアンダーコート層を設けることが好ましい。また、アンダーコート層は有機バインダーを含むことが好ましい。アンダーコート層の詳細を以下に説明する。
本発明の導電積層体は前記基材上にアンダーコート層を設けることが好ましい。また、アンダーコート層は有機バインダーを含むことが好ましい。アンダーコート層の詳細を以下に説明する。
(1)アンダーコート層のぬれ張力、厚み、粗さ
アンダーコート層はISO8296(2003)で規定されている、ぬれ張力が76mN/m以上105mN/m以下であることが好ましい。ぬれ張力を76mN/m以上とすることで、アンダーコート層上にCNT分散液を塗布した際に、塗布はじきを生じにくくし、CNT分散液を均一に塗布することが可能となるため好ましい。またアンダーコート層のぬれ張力が105mN/m以下であると、塗布時の塗液の塗れ広がりによる塗布ムラや、乾燥時の風の影響を受けた塗布ムラを生じにくくし、CNT分散液を均一に塗布することが可能となるため好ましい。塗布ムラの観点から、ぬれ張力は76mN/m以上105mN/m以下であることが好ましく、76mN/m以上90mN/m以下であることがより好ましい。
アンダーコート層はISO8296(2003)で規定されている、ぬれ張力が76mN/m以上105mN/m以下であることが好ましい。ぬれ張力を76mN/m以上とすることで、アンダーコート層上にCNT分散液を塗布した際に、塗布はじきを生じにくくし、CNT分散液を均一に塗布することが可能となるため好ましい。またアンダーコート層のぬれ張力が105mN/m以下であると、塗布時の塗液の塗れ広がりによる塗布ムラや、乾燥時の風の影響を受けた塗布ムラを生じにくくし、CNT分散液を均一に塗布することが可能となるため好ましい。塗布ムラの観点から、ぬれ張力は76mN/m以上105mN/m以下であることが好ましく、76mN/m以上90mN/m以下であることがより好ましい。
アンダーコート層のぬれ張力は、アンダーコート層を形成する塗料組成物中の有機バインダーに含まれる親水性官能基の共重合量を多くしたり、アンダーコート層の膜厚を厚くしたりすることにより大きくすることができる。よって、アンダーコート層のぬれ張力は、有機バインダーに含まれる親水性官能基の共重合量、親水性官能基の種類、アンダーコート層の膜厚によって、適宜調整することができる。
アンダーコート層の厚みは導電積層体としたときにカール等の現象が発生しにくい範囲であれば特に限定されない。また、アンダーコート層表面のぬれ性が前記の好ましいぬれ張力の範囲に入っていることが好ましく、その厚みは有機バインダーの種類、官能基の種類、官能基の含有量、添加する粒子量によって変わる。従って、8nm〜3μmの範囲にあることが好ましい。光学干渉による反射防止効果が有効に得られる厚みであれば、光線透過率が向上するため好ましい。このため、後述するオーバーコート層の厚みと合わせた厚みが20nm〜600nmの範囲にあることがより好ましい。さらには、後述する耐湿度依存性の観点から、厚みを大きくすると後述するイオン性分散剤をアンダーコート層内に取り込む効果が増大するため、300nm〜600nmの範囲にあることが好ましい。
アンダーコート層の中心面平均粗さSRaは2nm〜15nmであることが好ましい。SRaを2nm以上にすると、アンダーコート層表面の凹凸が大きくなり、イオン性分散剤を含んだCNT分散液を塗布した際、アンダーコート層にイオン性分散剤を取り込み易くなり、導電層からのイオン性分散剤の除去が効果的に行われるため好ましい。また、SRaを15nm以下にすることで導電積層体の光学特性を良くすることができるため好ましい。アンダーコート層のSRaが15nmより大きくなると、導電層、オーバーコート層との界面における光の散乱が増大し、ヘイズが高くなる場合がある。従って、本発明においては、アンダーコート層のSRaを2nm以上15nm以下にすることが好ましく、より好ましくは5nm以上15nm以下である。
本発明におけるアンダーコート層のSRaは、三次元表面粗さ測定機を用いて測定することができる。
(2)有機バインダー
アンダーコート層がバインダーを含むことにより、アンダーコート層にイオン性分散剤をより吸着することができるため好ましい。バインダーとしては有機バインダー、無機バインダー等が挙げられるが、イオン性分散剤をより吸着できる点や、パターニング時のアンダーコート層の割れにくさの点から、有機バインダーがより好ましい。
アンダーコート層がバインダーを含むことにより、アンダーコート層にイオン性分散剤をより吸着することができるため好ましい。バインダーとしては有機バインダー、無機バインダー等が挙げられるが、イオン性分散剤をより吸着できる点や、パターニング時のアンダーコート層の割れにくさの点から、有機バインダーがより好ましい。
アンダーコート層に含まれる有機バインダーとは、共有結合を有し、2種類以上の原子からなる分子が最小単位となる有機化合物である。有機化合物の組成としては、例えばフェノール、シリコン、ナイロン、ポリエチレン、ポリエステル、オレフィン、ビニル、アクリル、セルロースなどが好ましい。
前記有機バインダーは、基材への塗布性の観点より親水性官能基を有する有機バインダーであることが好ましい。また、前記有機バインダーは、基材への塗布性の観点より親水性官能基を有するポリエステル樹脂および/または親水性官能基を有するアクリル樹脂であることがより好ましい。すなわち、有機バインダーが親水性官能基を有するポリエステル樹脂または親水性官能基を有するアクリル樹脂のいずれかであってもよいし、親水性官能基を有するポリエステル樹脂および親水性官能基を有するアクリル樹脂の両方であってもよい。
親水性官能基を有するポリエステル樹脂とは、ポリエステル樹脂の親水性を高め、水系溶媒へ溶解、または分散させるために、ポリエステル樹脂の末端や側鎖に、親水性官能基を有するポリエステル樹脂を指す。親水性官能基としては、スルホン酸塩基やカルボン酸塩基などが挙げられる。ポリエステル樹脂に親水性官能基を含有させるためには、スルホン酸塩基を有するジカルボン酸、ジオールおよびそのエステル形成性誘導体(スルホン酸塩基を含む化合物)や、カルボン酸塩基を3つ以上有する多価カルボン酸およびそのエステル形成性誘導体(3価以上の多価カルボン酸塩基を含む化合物)などをポリエステルの原料として用いることにより得ることができる。
スルホン酸塩基を含む化合物としては、例えば、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、4−スルホイソフタル酸、などのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
3価以上の多価カルボン酸塩基を含む化合物としては、例えば、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、4−メチルシクロヘキセン−1,2,3−トリカルボン酸、トリメシン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−ペンタンテトラカルボン酸、などのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
ポリエステルを構成するカルボン酸成分としては、芳香族、脂肪族、脂環族のジカルボン酸や3価以上の多価カルボン酸を使用することができる。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、フタル酸、2,5−ジメチルテレフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、およびそれらのエステル形成性誘導体などを用いることができる。
また、前記有機バインダーは、基材への塗布性の観点より親水性官能基を有するアクリル樹脂であることが好ましい。親水性官能基を有するアクリル樹脂としては、 親水性官能基を有するアクリル系単量体に由来する繰り返し構成単位を含むものであればよいが、該繰り返し構成単位と、親水性基を有さないアクリル系単量体に由来する繰り返し構成単位とからなるものが好ましい。このような親水性官能基を有するアクリル樹脂を用いることにより、透明性に優れ、CNT分散液を塗布した際に、塗布はじきを生じにくくすることができるため好ましい。
親水性官能基を有するアクリル系単量体としては、水と相互作用が強い極性の原子団である親水性基、即ち、水中で陽イオンとして解離するカチオン性基、陰イオンとして解離するアニオン性基、或いは解離しない非イオン性基を有する公知のアクリル系単量体が挙げられる。
上記カチオン性基を有するアクリル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル及びその塩、(メタ)アクリル酸エチルトリメチルアンモニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド等が、又、アニオン性基を有するアクリル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸及びその塩、(メタ)アクリル酸−2−スルホエチル及びその塩、ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート及びその塩等が、また、非イオン性基を有するアクリル系単量体としては、例えば、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。尚、ここで、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び/又は「メタクリル」を意味するものとする。
また、親水性官能基を有さないアクリル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキル(炭素数1〜8の直鎖状及び分岐状)エステル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。
親水性官能基であるスルホン酸塩基や3価以上の多価カルボン酸塩基を含む化合物は、親水性官能基を含有するポリエステルを構成するポリエステルの原料成分全体を100モル%としたとき、1〜25モル%であることが好ましい。親水性官能基であるスルホン酸塩基や3価以上の多価カルボン酸塩基を含む化合物を1モル%以上とすることで、親水性官能基を含有するポリエステルに親水性を付与することができるだけでなく、水系溶媒へ溶解、または分散が可能となるため好ましい。水性官能基であるスルホン酸塩基や3価以上の多価カルボン酸塩基を含む化合物を25モル%以下とすることで、安定的に親水性官能基を含有するポリエステルを共重合により製造することができるため好ましい。
ポリエステルのグリコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、などを用いることができる。
親水性官能基を有するポリエステル樹脂は、例えば次のように製造することができる。例えばジカルボン酸成分とグリコール成分、スルホン酸塩基や3価以上の多価カルボン酸塩基を含む化合物をエステル化反応あるいはエステル交換反応させる第一段階の工程の後、重縮合反応させることによって製造する方法、ジカルボン酸成分とグリコール成分をエステル化反応あるいはエステル交換反応させる第一段階の工程の後、スルホン酸塩基や3価以上の多価カルボン酸塩基を含む化合物を加えて、第一段階の反応生成物と重縮合反応させる第二段階の工程とによって製造する方法などにより製造することができる。この際、反応触媒として、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、マンガン、コバルト、亜鉛、アンチモン、ゲルマニウム、チタン化合物などを用いることができる。
上記の製造方法により得られた親水性官能基を有するポリエステル樹脂は、溶媒に分散または溶解させて塗料組成物とすることが好ましい。水系溶媒へ分散または溶解させる手段としては、ポリエステル樹脂を、撹拌しながらアンモニア水、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、各種アミン類等のアルカリ性化合物の水溶液に溶解もしくは分散させる方法が挙げられる。この場合、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブチルセロソルブ、エチルセロソルブ等の水溶性有機溶媒を併用してもよい。
また、前記有機バインダーは親水性官能基を有するポリエステル樹脂および親水性官能基を有するアクリル樹脂の両方であることがイオン性分散剤除去の点からより好ましい。
アンダーコート層に含まれる親水性官能基を有するアクリル樹脂の含有量(以下、Bとする)に対する親水性官能基を有するポリエステル樹脂の含有量(以下、Aとする)の質量比率(A/B)としては1/9以上8/2以下であることが好ましい。(A/B)が1/9未満であると、アンダーコート層全体が硬くなってしまい、割れやすくなってしまう場合がある。また、(A/B)が8/2を超えると、親水性官能基を有するポリエステル樹脂自体はほとんど硬化しないため、膜が柔らかくなりすぎてしまう場合がある。従って、(A/B)は1/9以上8/2以下であることが好ましい。より好ましくは2/8以上5/5以下である。アンダーコート層全体を100質量%としたときの親水性官能基を有するポリエステル樹脂の含有量は20質量%以上50質量%以下であることが好ましく、親水性官能基を有するアクリル樹脂の含有量は50質量%以上80質量%以下であることが好ましい。
上記の製造方法により得られた親水性官能基を有する有機バインダーは、例えば乳化剤により、均一に分散されてエマルジョンの状態になっていても構わない。
また、前記有機バインダーは架橋剤を含むことが好ましい。アンダーコート層の塗膜を強固にし、耐湿熱性、基材との密着性等を向上させるために架橋剤としてエポキシ化合物および/またはオキサゾリン化合物を使用することが好ましい。エポキシ化合物またはオキサゾリン化合物のいずれか一方のみを使用してもよいし、両者をともに使用してもよい。
エポキシ化合物としては、例えば、分子内にエポキシ基を含む化合物、そのプレポリマーおよび硬化物が挙げられる。例えば、エピクロロヒドリンとエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、ビスフェノールA等の水酸基やアミノ基との縮合物が挙げられ、ポリエポキシ化合物、ジエポキシ化合物、モノエポキシ化合物、グリシジルアミン化合物等がある。
ポリエポキシ化合物としては、例えば、ソルビトール、ポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネート、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ジエポキシ化合物としては、例えば、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、モノエポキシ化合物としては、例えば、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、グリシジルアミン化合物としてはN,N,N’,N’,−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノ)シクロヘキサン等が挙げられる。
オキサゾリン化合物とは、分子内にオキサゾリン基を有する化合物である。特にオキサゾリン基を含有する重合体が好ましく、付加重合性オキサゾリン基含有モノマー単独もしくは他のモノマーとの重合によって作成できる。付加重合性オキサゾリン基含有モノマーは、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリン等を挙げることができ、これらの1種または2種以上の混合物を使用することができる。これらの中でも2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが工業的にも入手しやすく好適である。
他のモノマーは、付加重合性オキサゾリン基含有モノマーと共重合可能なモノマーであれば制限なく、例えばアルキル(メタ)アクリレート(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基)等の(メタ)アクリル酸エステル類;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、スチレンスルホン酸およびその塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、第三級アミン塩等)等の不飽和カルボン酸類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等)等の不飽和アミド類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;エチレン、プロピレン等のα−オレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル等の含ハロゲンα,β−不飽和モノマー類;スチレン、α−メチルスチレン、等のα,β−不飽和芳香族モノマー等を挙げることができ、これらの1種または2種以上のモノマーを使用することができる。
本発明において、バインダーに対する架橋剤の仕込み量は、バインダーを100質量部としたとき、5〜80質量部が好ましく、より好ましくは10〜30質量部、さらに好ましくは10〜20質量部である。5質量部未満の場合は、アンダーコート層がもろくなり、湿気や熱に十分に耐えられない場合があり、80質量部を超える場合は、相対的に親水性官能基を含む樹脂成分が少なくなり、CNT分散液が塗布できにくくなったり、基材との密着性が安定しなくなったりする場合がある。
(3)粒子
本発明において、アンダーコート層は粒子を含むことが好ましい。粒子を含むことで、アンダーコート層の表面凹凸が大きくなり、イオン性分散剤のアンダーコート層への取り込みが効果的となり、耐湿度依存性が向上するため好ましい。また、アンチブロッキング性もアンダーコート層に付与することができるため好ましい。すなわち、導電積層体をロールツーロールで製造する際、アンダーコート層形成後にアンダーコート層が形成された基材を巻き取る必要が生じる場合があり、その際、アンダーコート層に粒子を含むことで、アンダーコート層がブロッキングしにくくなるため好ましい。従って、粒子の含有量はアンダーコート層全体を100質量%としたとき、15質量%以上95質量%以下が好ましい。15質量%未満となると、アンダーコート層表面の凹凸が不足し、耐湿度依存性が発揮できない場合がある。また、95質量%より大きくなると、バインダーに対して粒子が過剰となり、粒子の脱落が起こる場合がある。また、粒子の量が50質量%を超えると後述するオーバーコート層を塗布した際にオーバーコート層の溶剤によってはアンダーコート表面が一部侵食されて浮き出た粒子が脱落して凝集し、ヘイズ上昇を引き起こすことがあるため、より好ましくい範囲としては20〜50質量%である。耐湿度依存性安定的に発揮し、かつヘイズ上昇を安定的に抑えるという点から25〜35質量%がさらに好ましい範囲である。
本発明において、アンダーコート層は粒子を含むことが好ましい。粒子を含むことで、アンダーコート層の表面凹凸が大きくなり、イオン性分散剤のアンダーコート層への取り込みが効果的となり、耐湿度依存性が向上するため好ましい。また、アンチブロッキング性もアンダーコート層に付与することができるため好ましい。すなわち、導電積層体をロールツーロールで製造する際、アンダーコート層形成後にアンダーコート層が形成された基材を巻き取る必要が生じる場合があり、その際、アンダーコート層に粒子を含むことで、アンダーコート層がブロッキングしにくくなるため好ましい。従って、粒子の含有量はアンダーコート層全体を100質量%としたとき、15質量%以上95質量%以下が好ましい。15質量%未満となると、アンダーコート層表面の凹凸が不足し、耐湿度依存性が発揮できない場合がある。また、95質量%より大きくなると、バインダーに対して粒子が過剰となり、粒子の脱落が起こる場合がある。また、粒子の量が50質量%を超えると後述するオーバーコート層を塗布した際にオーバーコート層の溶剤によってはアンダーコート表面が一部侵食されて浮き出た粒子が脱落して凝集し、ヘイズ上昇を引き起こすことがあるため、より好ましくい範囲としては20〜50質量%である。耐湿度依存性安定的に発揮し、かつヘイズ上昇を安定的に抑えるという点から25〜35質量%がさらに好ましい範囲である。
粒子の粒径の好ましい範囲としては5nm〜500nmである。5nm未満となると、粒子を均一に分散することが難しくなり、逆に凝集してしまってアンダーコート層内でのみかけ上の粒子の大きさが大きくなる場合がある。また、500nmを超えると、ヘイズが上昇し、導電積層体を表示体に用いた場合に白く濁ってしまう場合がある。より好ましくは、15nm〜100nm、さらに好ましくは15nm〜40nmである。なお、ここでいう粒径とは動的光散乱法により測定された平均粒径をいう。
本発明において粒子はアンダーコート層表面に凹凸を付与することを1つの目的としており、本発明に用いられる粒子としては有機粒子であっても無機粒子であっても、その両方を用いても構わない。本発明に用いることのできる無機粒子の組成としては、例えばシリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、セリア、カオリン、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、カーボンブラック、ゼオライト、酸化チタン、各種金属酸化物からなる微粒子などが好ましい。特に、親水性官能基を有するポリエステル樹脂への分散性や、粒子の硬度、耐熱性、耐アルカリ接着性の点から無機コロイド粒子が好ましく、特にコロイダルシリカが好ましい。さらには、コロイダルシリカ表面に−SiOH基や−OH−イオンが存在し、負に帯電した状態で電気二重層が形成され、コロイダルシリカ間の静電反発により溶媒中で分散安定しているコロイダルシリカであることが好ましい。コロイダルシリカ表面に−SiOH基や−OH−イオンが存在し、負に帯電した状態で電気二重層が形成され、コロイダルシリカ間の静電反発により溶媒中で分散安定しているコロイダルシリカとしては、日産化学工業(株)社製の“スノーテックス”(登録商標)シリーズや日揮触媒化成(株)社製の“カタロイド”シリーズなどが好ましく用いられる。
本発明に用いることのできる有機粒子の組成としては、例えばアクリル酸類、スチレン樹脂、熱硬化樹脂、シリコーンおよびイミド化合物等を構成成分とする粒子が挙げられる。ポリエステル重合反応時に添加する触媒等によって析出する粒子(いわゆる内部粒子)も好ましく用いられる。特に、親水性官能基を有するポリエステル樹脂への分散性、汎用性の観点から、スチレン/アクリル粒子が好ましい。液中で安定的に分散しているスチレン/アクリル粒子としては、日本合成化学工業(株)製 “モビニール”(登録商標) 972などが好ましく用いられる。
(4)アンダーコート層の形成方法
前述した有機バインダー、並びに必要に応じて、添加剤や溶媒を含有する塗料組成物を基材上へ塗布し、必要に応じて溶媒を乾燥させることによって、基材上にアンダーコート層を形成することができる。
前述した有機バインダー、並びに必要に応じて、添加剤や溶媒を含有する塗料組成物を基材上へ塗布し、必要に応じて溶媒を乾燥させることによって、基材上にアンダーコート層を形成することができる。
また、塗料組成物の溶媒として水系溶媒を用いることが好ましい。水系溶媒を用いることで、乾燥工程での溶媒の急激な蒸発を抑制でき、均一なアンダーコート層を形成できるだけでなく、環境負荷の点で優れているためである。
ここで、水系溶媒とは水、または水とメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類など水に可溶である有機溶媒が任意の比率で混合されているものを指す。
塗料組成物の基材上への塗布方法はインラインコート法、オフコート法のどちらでも用いることができる。
インラインコート法とは、基材の製造工程内で塗布を行う方法である。具体的には、基材を構成する熱可塑性樹脂を溶融押し出ししてから二軸延伸後熱処理して巻き上げるまでの任意の段階で塗布を行う方法を指し、通常は、溶融押出し後、急冷して得られる実質的に非晶状態の未延伸(未配向)熱可塑性樹脂フィルム(Aフィルム)、その後に長手方向に延伸された一軸延伸(一軸配向)熱可塑性樹脂フィルム(Bフィルム)、またはさらに幅方向に延伸された熱処理前の二軸延伸(二軸配向)熱可塑性樹脂フィルム(Cフィルム)の何れかのフィルムに塗布する。
オフコート法とは、既知のウェットコーティング方法、例えば吹き付け塗装、浸漬コーティング、スピンコーティング、ナイフコーティング、キスコーティング、グラビアコーティング、スロットダイコーティング、ロールコーティング、バーコーティング、スクリーン印刷、インクジェット印刷、パット印刷、他の種類の印刷などが利用できる。また、ドライコーティング方法を用いてもよい。乾式コーティング方法としては、スパッタリング、蒸着などの物理気相成長や化学気相成長などが利用できる。また塗布は、複数回に分けて行ってもよく、異なる2種類の塗布方法を組み合わせてもよい。好ましい塗布方法は、ウェットコーティングであるグラビアコーティング、バーコーティング、スロットダイコーティングである。
[透明導電性]
本発明の導電積層体は、光吸収率と表面抵抗値が以下の(a)〜(h)のいずれかを満たすことが好ましい。
(a)光吸収率1%以上、2%未満における表面抵抗値が500Ω/□以上、2,000Ω/□以下
(b)光吸収率2%以上、3%未満における表面抵抗値が200Ω/□以上、1,500Ω/□以下
(c)光吸収率3%以上、4%未満における表面抵抗値が100Ω/□以上、500Ω/□以下
(d)光吸収率4%以上、5%未満における表面抵抗値が80Ω/□以上、400Ω/□以下
(e)光吸収率5%以上、7%未満における表面抵抗値が60Ω/□以上、300Ω/□以下
(f)光吸収率7%以上、9%未満における表面抵抗値が50Ω/□以上、200Ω/□以下
(g)光吸収率9%以上、11%未満における表面抵抗値が40Ω/□以上、150Ω/□以下
(h)光吸収率11%以上、20%未満における表面抵抗値が30Ω/□以上、100Ω/□以下
なお、透明性の指標として代表的なものは、光吸収率であり、導電層を1層含んだ導電積層体の光吸収率が実用的な意味がある。
本発明の導電積層体は、光吸収率と表面抵抗値が以下の(a)〜(h)のいずれかを満たすことが好ましい。
(a)光吸収率1%以上、2%未満における表面抵抗値が500Ω/□以上、2,000Ω/□以下
(b)光吸収率2%以上、3%未満における表面抵抗値が200Ω/□以上、1,500Ω/□以下
(c)光吸収率3%以上、4%未満における表面抵抗値が100Ω/□以上、500Ω/□以下
(d)光吸収率4%以上、5%未満における表面抵抗値が80Ω/□以上、400Ω/□以下
(e)光吸収率5%以上、7%未満における表面抵抗値が60Ω/□以上、300Ω/□以下
(f)光吸収率7%以上、9%未満における表面抵抗値が50Ω/□以上、200Ω/□以下
(g)光吸収率9%以上、11%未満における表面抵抗値が40Ω/□以上、150Ω/□以下
(h)光吸収率11%以上、20%未満における表面抵抗値が30Ω/□以上、100Ω/□以下
なお、透明性の指標として代表的なものは、光吸収率であり、導電層を1層含んだ導電積層体の光吸収率が実用的な意味がある。
また、導電性の指標として代表的なものは、導電積層体の表面抵抗値であり、導電層を1層含んだ導電積層体の表面抵抗値が実用的な意味がある。
より好ましくは光吸収率と表面抵抗値が以下の(a1)〜(h1)のいずれかを満たすことである。
(a1)光吸収率1%以上、2%未満における表面抵抗値が500Ω/□以上、1,500Ω/□以下
(b1)光吸収率2%以上、3%未満における表面抵抗値が200Ω/□以上、1,200Ω/□以下
(c1)光吸収率3%以上、4%未満における表面抵抗値が100Ω/□以上、450Ω/□以下
(d1)光吸収率4%以上、5%未満における表面抵抗値が80Ω/□以上、350Ω/□以下
(e1)光吸収率5%以上、7%未満における表面抵抗値が60Ω/□以上、250Ω/□以下
(f1)光吸収率7%以上、9%未満における表面抵抗値が50Ω/□以上、150Ω/□以下
(g1)光吸収率9%以上、11%未満における表面抵抗値が40Ω/□以上、120Ω/□以下
(h1)光吸収率11%以上、20%未満における表面抵抗値が30Ω/□以上、80Ω/□以下
さらに好ましくは光吸収率と表面抵抗値が以下の(a2)〜(h2)のいずれかを満たすことである。
(a2)光吸収率1%以上、2%未満における表面抵抗値が500Ω/□以上、1,200Ω/□以下
(b2)光吸収率2%以上、3%未満における表面抵抗値が200Ω/□以上、1,000Ω/□以下
(c2)光吸収率3%以上、4%未満における表面抵抗値が100Ω/□以上、400Ω/□以下
(d2)光吸収率4%以上、5%未満における表面抵抗値が80Ω/□以上、300Ω/□以下
(e2)光吸収率5%以上、7%未満における表面抵抗値が60Ω/□以上、200Ω/□以下
(f2)光吸収率7%以上、9%未満における表面抵抗値が50Ω/□以上、130Ω/□以下
(g2)光吸収率9%以上、11%未満における表面抵抗値が40Ω/□以上、100Ω/□以下
(h2)光吸収率11%以上、20%未満における表面抵抗値が30Ω/□以上、70Ω/□以下。
(a1)光吸収率1%以上、2%未満における表面抵抗値が500Ω/□以上、1,500Ω/□以下
(b1)光吸収率2%以上、3%未満における表面抵抗値が200Ω/□以上、1,200Ω/□以下
(c1)光吸収率3%以上、4%未満における表面抵抗値が100Ω/□以上、450Ω/□以下
(d1)光吸収率4%以上、5%未満における表面抵抗値が80Ω/□以上、350Ω/□以下
(e1)光吸収率5%以上、7%未満における表面抵抗値が60Ω/□以上、250Ω/□以下
(f1)光吸収率7%以上、9%未満における表面抵抗値が50Ω/□以上、150Ω/□以下
(g1)光吸収率9%以上、11%未満における表面抵抗値が40Ω/□以上、120Ω/□以下
(h1)光吸収率11%以上、20%未満における表面抵抗値が30Ω/□以上、80Ω/□以下
さらに好ましくは光吸収率と表面抵抗値が以下の(a2)〜(h2)のいずれかを満たすことである。
(a2)光吸収率1%以上、2%未満における表面抵抗値が500Ω/□以上、1,200Ω/□以下
(b2)光吸収率2%以上、3%未満における表面抵抗値が200Ω/□以上、1,000Ω/□以下
(c2)光吸収率3%以上、4%未満における表面抵抗値が100Ω/□以上、400Ω/□以下
(d2)光吸収率4%以上、5%未満における表面抵抗値が80Ω/□以上、300Ω/□以下
(e2)光吸収率5%以上、7%未満における表面抵抗値が60Ω/□以上、200Ω/□以下
(f2)光吸収率7%以上、9%未満における表面抵抗値が50Ω/□以上、130Ω/□以下
(g2)光吸収率9%以上、11%未満における表面抵抗値が40Ω/□以上、100Ω/□以下
(h2)光吸収率11%以上、20%未満における表面抵抗値が30Ω/□以上、70Ω/□以下。
[導電異方性]
本発明の導電積層体は、導電積層体上に任意の方向に基準線を引き、該基準線に対し、測定方向を、0°、30°、60°、90°、120°、150°とする30mm角の正方形のサンプルを各測定方向につき2枚として12枚切り出し、各サンプルについて前記測定方向における端子間抵抗値R(kΩ)を測定したとき、端子間抵抗値Rの最大値Rmaxと最小値Rminの比(Rmax/Rmin)が、1.40以下であることが好ましい。ここでRmax/Rminが1.40以下であるとは、導電積層体における導電性に異方性がないことを示しており、Rmax/Rminが小さければ小さいほど、導電積層体における導電性の異方性がより小さいことを示している。Rmax/Rminはより好ましくは1.20以下である。さらに好ましくは1.10以下である。Rmax/Rminが1.40以下であると、導電積層体を実質的に使用する際、使用するフィルムの向きによって導電性が変化しないので位置精度が高くなる。端子間抵抗値測定は導電積層体の体積抵抗値を知るために行う。4端子方式や渦電流方式を備えた測定機でも体積抵抗値は測定可能であるが、一定の電位方向に対する体積抵抗値を知るためには端子間抵抗値を測定する方が好ましい。
本発明の導電積層体は、導電積層体上に任意の方向に基準線を引き、該基準線に対し、測定方向を、0°、30°、60°、90°、120°、150°とする30mm角の正方形のサンプルを各測定方向につき2枚として12枚切り出し、各サンプルについて前記測定方向における端子間抵抗値R(kΩ)を測定したとき、端子間抵抗値Rの最大値Rmaxと最小値Rminの比(Rmax/Rmin)が、1.40以下であることが好ましい。ここでRmax/Rminが1.40以下であるとは、導電積層体における導電性に異方性がないことを示しており、Rmax/Rminが小さければ小さいほど、導電積層体における導電性の異方性がより小さいことを示している。Rmax/Rminはより好ましくは1.20以下である。さらに好ましくは1.10以下である。Rmax/Rminが1.40以下であると、導電積層体を実質的に使用する際、使用するフィルムの向きによって導電性が変化しないので位置精度が高くなる。端子間抵抗値測定は導電積層体の体積抵抗値を知るために行う。4端子方式や渦電流方式を備えた測定機でも体積抵抗値は測定可能であるが、一定の電位方向に対する体積抵抗値を知るためには端子間抵抗値を測定する方が好ましい。
[カーボンナノチューブ(CNT)]
(1)CNTの種類
本発明において用いられるCNTは、実質的にグラファイトの1枚面を巻いて筒状にした形状を有するものであれば特に限定されず、グラファイトの1枚面を1層に巻いた単層CNT、多層に巻いた多層CNTいずれも適用できるが、中でもグラファイトの1枚面を2層に巻いた2層CNTが100本中に50本以上含まれているCNTであると、導電性ならびに塗布用分散液中でのCNTの分散性が極めて高くなることから好ましい。さらに好ましくは100本中75本以上が2層CNT、最も好ましくは100本中80本以上が2層CNTである。なお、2層CNTが100本中に50本含まれていることを、2層CNTの割合が50%と表示することもある。また、2層CNTは酸処理などによって表面が官能基化された場合でも導電性などの本来の機能が損なわれ難い点からも好ましい。
(1)CNTの種類
本発明において用いられるCNTは、実質的にグラファイトの1枚面を巻いて筒状にした形状を有するものであれば特に限定されず、グラファイトの1枚面を1層に巻いた単層CNT、多層に巻いた多層CNTいずれも適用できるが、中でもグラファイトの1枚面を2層に巻いた2層CNTが100本中に50本以上含まれているCNTであると、導電性ならびに塗布用分散液中でのCNTの分散性が極めて高くなることから好ましい。さらに好ましくは100本中75本以上が2層CNT、最も好ましくは100本中80本以上が2層CNTである。なお、2層CNTが100本中に50本含まれていることを、2層CNTの割合が50%と表示することもある。また、2層CNTは酸処理などによって表面が官能基化された場合でも導電性などの本来の機能が損なわれ難い点からも好ましい。
(2)CNTの製造方法
CNTは、例えば次のように製造される。マグネシアに鉄を担持した粉末状の触媒を、縦型反応器中、反応器の水平断面方向全面に存在させ、該反応器内にメタンを鉛直方向に供給し、メタンと前記触媒を500〜1,200℃で接触させ、CNTを製造した後、CNTを酸化処理することにより、単層〜5層のCNTを含有するCNTを得ることができる。CNTは、製造した後、酸化処理を施すことにより単層〜5層の割合を、特に2層〜5層の割合を増加させることができる。酸化処理は例えば、硝酸処理する方法により行われる。硝酸はCNTに対するドーパントとしても作用するため、好ましい。ドーパントとは、CNTに余剰の電子を与える、または電子を奪ってホールを形成する作用をなすものであり、自由に動くことのできるキャリアを生じさせることにより、CNTの導電性を向上させるものである。硝酸処理に当たっての条件は本発明のCNTが得られる限り、特に限定されないが、通常、140℃のオイルバス中で行われる。硝酸処理の時間は特に限定されないが、5時間〜50時間の範囲であることが好ましい。
CNTは、例えば次のように製造される。マグネシアに鉄を担持した粉末状の触媒を、縦型反応器中、反応器の水平断面方向全面に存在させ、該反応器内にメタンを鉛直方向に供給し、メタンと前記触媒を500〜1,200℃で接触させ、CNTを製造した後、CNTを酸化処理することにより、単層〜5層のCNTを含有するCNTを得ることができる。CNTは、製造した後、酸化処理を施すことにより単層〜5層の割合を、特に2層〜5層の割合を増加させることができる。酸化処理は例えば、硝酸処理する方法により行われる。硝酸はCNTに対するドーパントとしても作用するため、好ましい。ドーパントとは、CNTに余剰の電子を与える、または電子を奪ってホールを形成する作用をなすものであり、自由に動くことのできるキャリアを生じさせることにより、CNTの導電性を向上させるものである。硝酸処理に当たっての条件は本発明のCNTが得られる限り、特に限定されないが、通常、140℃のオイルバス中で行われる。硝酸処理の時間は特に限定されないが、5時間〜50時間の範囲であることが好ましい。
(3)CNT分散剤
本発明においてCNT分散剤としては、界面活性剤、各種分散剤(水溶性分散剤等)等を用いることができるが、分散性が高いイオン性分散剤を含むことが好ましい。イオン性分散剤としてはアニオン性分散剤やカチオン性分散剤、両性分散剤がある。CNT分散能が高く、分散性を保持できるものであればどの種類も用いることができるが、分散性、および分散保持性に優れることから、アニオン性分散剤が好ましい。なかでも、カルボキシメチルセルロースおよびその塩(ナトリウム塩、アンモニウム塩等)、ポリスチレンスルホン酸の塩がCNT分散液においてCNTを効率的に分散することができるため好ましい。特に、イオン性分散剤がカルボキシメチルセルロースを主たる成分とすることが好ましい。ここで主たる成分とは、イオン性分散剤全体を100質量%としたとき、60質量%以上を占めることをいう。
本発明においてCNT分散剤としては、界面活性剤、各種分散剤(水溶性分散剤等)等を用いることができるが、分散性が高いイオン性分散剤を含むことが好ましい。イオン性分散剤としてはアニオン性分散剤やカチオン性分散剤、両性分散剤がある。CNT分散能が高く、分散性を保持できるものであればどの種類も用いることができるが、分散性、および分散保持性に優れることから、アニオン性分散剤が好ましい。なかでも、カルボキシメチルセルロースおよびその塩(ナトリウム塩、アンモニウム塩等)、ポリスチレンスルホン酸の塩がCNT分散液においてCNTを効率的に分散することができるため好ましい。特に、イオン性分散剤がカルボキシメチルセルロースを主たる成分とすることが好ましい。ここで主たる成分とは、イオン性分散剤全体を100質量%としたとき、60質量%以上を占めることをいう。
本発明において、カルボキシメチルセルロース塩、ポリスチレンスルホン酸塩を用いる場合、塩を構成するカチオン性の物質としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属のカチオン、カルシウム、マグネシウム、バリウム等のアルカリ土類金属のカチオン、アンモニウムイオン、あるいはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、エチルアミン、ブチルアミン、ヤシ油アミン、牛脂アミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ポリエチレンイミン等の有機アミンのオニウムイオン、または、これらのポリエチレンオキシド付加物を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
CNT分散液を調製する方法としては、原料として使用するCNTの表面改質および/またはCNT分散剤の選択により行われる。
CNT分散液を調整するためのCNT表面改質処理の方法は特に限定されないが、コロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理などの物理処理、酸処理やアルカリ処理などの化学的処理により、カルボキシル基、ヒドロキシル基等のアニオン性基をCNT側壁に導入することが好ましい。
CNT分散液を調整するためのCNT分散剤としては、CNT分散能が高く、分散性を保持できるものであればどの種類も用いることができる。中でも、分散剤として、上記記載のアニオン性分散剤が最も好ましい。アニオン性分散剤を使用した場合、CNT分散液のpHが5.5〜11であると、CNT表面を修飾しているカルボン酸など酸性官能基や、CNTの周りに位置している分散剤に含まれるカルボン酸などの酸性官能基の電離度が向上し、その結果、CNT、あるいはCNT周りの分散剤がマイナスの電位を帯びる。以上より、CNT分散液を調製する方法として、静電反発を利用するために、アニオン性のイオン性分散剤を選択することが最も好ましい。
また、前項に示した、CNTの表面改質を組み合わせることで、アニオン性分散剤に限らず、カチオン性分散剤および両性分散剤も用いることができる。
本発明では、アンダーコート層とCNT間との静電相互作用を利用するために、CNT分散液中に存在するアニオン性を有するCNTが、CNT分散液と比較してカチオン性を有するアンダーコート層の表面に引き寄せられ、静電吸着により高分散状態が実現できたと考えられる。よって、同様に、CNT分散液中に存在するカチオン性を有するCNTが、CNT分散液と比較してアニオン性を有するアンダーコート層の表面に引き寄せられ、静電吸着により高分散状態を実現することも可能である。
CNT分散剤の重量平均分子量は100以上が好ましい。重量平均分子量が100以上であればCNTとの相互作用がより効果的に生じ、CNTの分散がより良好となるためである。CNTの長さにもよるが、重量平均分子量が大きいほどCNT分散剤がCNTと相互作用し分散性が向上するため好ましい。例えば、ポリマーの場合であれば、ポリマー鎖が長くなるとポリマーがCNTにからみつき、非常に安定な分散が可能となる。しかし、重量平均分子量が大きすぎると逆に分散性が低下する場合があるので、重量平均分子量は好ましくは1,000万以下であり、さらに好ましくは、100万以下である。最も好ましい重量平均分子量の範囲は1万〜50万である。
(4)CNTのpH
CNT分散液のpHは、アレニウスの定義による酸性物質や塩基性物質をCNT分散液に添加することで調整できる。酸性物質は、例えば、プロトン酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウフッ化水素酸、フッ化水素酸、過塩素酸等の無機酸や、有機カルボン酸、フェノール類、有機スルホン酸等が挙げられる。さらに、有機カルボン酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、ショウ酸、安息香酸、フタル酸、マレイン酸、フマル酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ニトロ酢酸、トリフェニル酢酸等が挙げられる。有機スルホン酸としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、アルキルナフタレンジスルホン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物、メラミンスルホン酸ホルマリン重縮合物、ナフタレンジスルホン酸、ナフタレントリスルホン酸、ジナフチルメタンジスルホン酸、アントラキノンスルホン酸、アントラキノンジスルホン酸、アントラセンスルホン酸、ピレンスルホン酸などが挙げられる。この中でも好ましいのは、塗布乾燥時に揮発する揮発酸であり、例えば塩酸、硝酸などである。
CNT分散液のpHは、アレニウスの定義による酸性物質や塩基性物質をCNT分散液に添加することで調整できる。酸性物質は、例えば、プロトン酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウフッ化水素酸、フッ化水素酸、過塩素酸等の無機酸や、有機カルボン酸、フェノール類、有機スルホン酸等が挙げられる。さらに、有機カルボン酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、ショウ酸、安息香酸、フタル酸、マレイン酸、フマル酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ニトロ酢酸、トリフェニル酢酸等が挙げられる。有機スルホン酸としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、アルキルナフタレンジスルホン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物、メラミンスルホン酸ホルマリン重縮合物、ナフタレンジスルホン酸、ナフタレントリスルホン酸、ジナフチルメタンジスルホン酸、アントラキノンスルホン酸、アントラキノンジスルホン酸、アントラセンスルホン酸、ピレンスルホン酸などが挙げられる。この中でも好ましいのは、塗布乾燥時に揮発する揮発酸であり、例えば塩酸、硝酸などである。
塩基性物質としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニアなどが挙げられる。この中でも好ましいのは、塗布乾燥時に揮発する揮発塩基であり、例えばアンモニアである。
CNT分散液のpH調整は、pHを測定しながら、上記酸性物質および/または塩基性物質を所望のpHとなるまで添加することで行う。pH測定法としては、リトマス試験紙などのpH試験紙を用いる方法、水素電極法、キンヒドロン電極法、アンチモン電極法、ガラス電極法などが挙げられるが、この中でもガラス電極法が簡便であり、必要な精度を得られるため好ましい。また、酸性物質、あるいは、塩基性物質を過剰に添加して所望のpH値を超えてしまった場合には、逆の特性を持つ物質を添加してpHを調整すればよい。かかる調整に適用する酸性物質としては硝酸が、塩基性物質としてはアンモニアが好ましい。
(5)CNT分散液
本発明において用いられるCNT分散液の調製に用いる分散媒は、廃液の処理が容易である等の観点から、水が好ましい。
本発明において用いられるCNT分散液の調製に用いる分散媒は、廃液の処理が容易である等の観点から、水が好ましい。
本発明において用いるCNT分散液の調製方法は、特に限定されないが、例えば次のような手順で行うことができる。分散時の処理時間が短縮できることから、一旦、分散媒中にCNTを0.003〜0.15質量%の濃度範囲で含まれる分散液を調製した後、希釈することで、所定の濃度とすることが好ましい。本発明において、CNTに対する分散媒の質量比(すなわち、CNTの質量を1としたときの分散媒の質量)は10以下であることが好ましい。かかる好ましい範囲であると、均一に分散させることが容易である一方、導電性低下の影響が少ない。CNTに対する分散媒の質量比は0.5〜9であることがより好ましく、1〜6であることがさらに好ましく、1〜2であることが特に好ましい。
CNT分散液の調製時の分散手段としては、CNTと分散剤を分散媒中で塗液製造に慣用の混合分散機(例えばボールミル、ビーズミル、サンドミル、ジェットミル、ロールミル、ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、超音波装置、アトライター、デゾルバー、ペイントシェーカー等)を用いて混合することが挙げられる。また、これら複数の混合分散機を組み合わせて段階的に分散を行ってもよい。中でも、振動ボールミルで予備的に分散を行った後、超音波装置を用いて分散する方法が、得られる塗布用分散液中のCNTの分散性が良好であることから好ましい。また、ジェットミルで分散する方法が得られる塗布用分散液中のCNTの分散性と一度に大量に処理できる点から特に好ましい。
(6)CNTのアスペクト比
本発明において用いられるCNTのアスペクト比は1,300以下であることが好ましい。アスペクト比とはCNTの長さを直径で割った値であり、1,300以下となることで、導電異方性が解消するため好ましい。より好ましくは1,200以下、さらに好ましくは1,000以下である。
本発明において用いられるCNTのアスペクト比は1,300以下であることが好ましい。アスペクト比とはCNTの長さを直径で割った値であり、1,300以下となることで、導電異方性が解消するため好ましい。より好ましくは1,200以下、さらに好ましくは1,000以下である。
カーボンナノチューブの直径は特に限定はないが、1nm〜10nmであることが好ましく、特に1〜3nmの範囲内であるものが好ましく用いられる。
カーボンナノチューブの長さは、短すぎると効率的に導電性パスを形成できないため1.5μm以上であることが好ましく、上限は長すぎると分散性が低下する傾向にあるため6μm以下であることが好ましい。
カーボンナノチューブの長さは、後述するように原子間力顕微鏡を用いて調べることができる。CNT分散液の場合には、マイカ基板上に数μL滴下し風乾させた後、原子間力顕微鏡で調べることができる。
導電積層体中のカーボンナノチューブの長さは、塗布前のCNT分散液を上記のCNT分散液の場合と同様にして観察することができる。滴下するCNT分散液の濃度はカーボンナノチューブが一本一本観察できる濃度が好ましく適宜希釈すれば良いが、例えば0.003質量%である。
カーボンナノチューブの長さについては、上記方法で試料を作成し原子間力顕微鏡で観察し、30μm四方の視野の中で10本以上のカーボンナノチューブが含まれるところで写真を撮り、各カーボンナノチューブの長さを測定する。視野中から任意に抽出した100本のカーボンナノチューブの長さを長さ方向に沿って測定する。一つの視野中で100本の測定ができない場合は、100本になるまで複数の視野から測定する。合計100本のカーボンナノチューブについて長さを測定することによって100本中に含まれるカーボンナノチューブの長さとその本数を確認することができる。カーボンナノチューブの長さが長く、視野内で全体の長さが見えていない場合は、視野内のカーボンナノチューブの長さを測定し、10μm以内であれば測定値の長さと見なし、10μmより大きければ10μm超の長さと見なして0.5〜10μmの範囲にあるカーボンナノチューブの本数を数えることとする。
[導電積層体の製造方法]
本発明の導電積層体の製造方法は、基材上にカーボンナノチューブおよびカーボンナノチューブ分散剤を含む分散液を塗布する導電積層体の製造方法であることが好ましく、基材上に、アンダーコート層(X)を設けるアンダーコート層(X)形成工程と、カーボンナノチューブおよびカーボンナノチューブ分散剤を含む分散液をアンダーコート層(X)上に設け導電層(Y)を形成する導電層(Y)形成工程とを有する導電積層体の製造方法であることがより好ましい。以下で各工程を説明する。
本発明の導電積層体の製造方法は、基材上にカーボンナノチューブおよびカーボンナノチューブ分散剤を含む分散液を塗布する導電積層体の製造方法であることが好ましく、基材上に、アンダーコート層(X)を設けるアンダーコート層(X)形成工程と、カーボンナノチューブおよびカーボンナノチューブ分散剤を含む分散液をアンダーコート層(X)上に設け導電層(Y)を形成する導電層(Y)形成工程とを有する導電積層体の製造方法であることがより好ましい。以下で各工程を説明する。
[アンダーコート層形成工程]
前述した[アンダーコート層]の項で説明したとおり、有機バインダー、並びに必要に応じて、添加剤や溶媒を含有する塗料組成物を基材上へ塗布し、必要に応じて溶媒を乾燥させることによって、基材上にアンダーコート層を形成することができる。ここで、上述したとおり、アンダーコート層のぬれ張力は76mN/m以上105mN/m以下であることが好ましい。
前述した[アンダーコート層]の項で説明したとおり、有機バインダー、並びに必要に応じて、添加剤や溶媒を含有する塗料組成物を基材上へ塗布し、必要に応じて溶媒を乾燥させることによって、基材上にアンダーコート層を形成することができる。ここで、上述したとおり、アンダーコート層のぬれ張力は76mN/m以上105mN/m以下であることが好ましい。
[導電層形成工程]
本発明の導電積層体において、導電層はCNT分散液をアンダーコート層の上に塗布する塗布工程と、その後分散媒を除去する乾燥工程を経て形成される。以下、導電層をCNT層と記載することもある。塗布工程では、前記方法により得たCNT分散液を、基材上に設けたアンダーコート層の上に塗布するとき、親水性の部位を持ちCNTを取り巻くCNT分散剤が、親水性を有するアンダーコート層の表面に引き寄せられると考えられる。また、その後分散媒を乾燥させてCNTをアンダーコート層上に固定してCNT層を形成するが、分散媒がアンダーコート層の上に残存しており、CNT分散剤がCNT層からアンダーコート層の表面へ移動可能な状態である間は、塗布時と同様、CNT分散剤が親水基を有するアンダーコート層の表面に引き寄せられると考えられる。このように、アンダーコート層に分散剤が引き寄せられることで、CNT層がうまく形成されているものと考えられる。かかるアンダーコート層へのCNT分散剤が引き寄せられる現象は、ぬれ張力が76〜105mN/mである親水性のアンダーコート層を用いることにより、より好ましく進行する。
本発明の導電積層体において、導電層はCNT分散液をアンダーコート層の上に塗布する塗布工程と、その後分散媒を除去する乾燥工程を経て形成される。以下、導電層をCNT層と記載することもある。塗布工程では、前記方法により得たCNT分散液を、基材上に設けたアンダーコート層の上に塗布するとき、親水性の部位を持ちCNTを取り巻くCNT分散剤が、親水性を有するアンダーコート層の表面に引き寄せられると考えられる。また、その後分散媒を乾燥させてCNTをアンダーコート層上に固定してCNT層を形成するが、分散媒がアンダーコート層の上に残存しており、CNT分散剤がCNT層からアンダーコート層の表面へ移動可能な状態である間は、塗布時と同様、CNT分散剤が親水基を有するアンダーコート層の表面に引き寄せられると考えられる。このように、アンダーコート層に分散剤が引き寄せられることで、CNT層がうまく形成されているものと考えられる。かかるアンダーコート層へのCNT分散剤が引き寄せられる現象は、ぬれ張力が76〜105mN/mである親水性のアンダーコート層を用いることにより、より好ましく進行する。
また、CNT分散液を基材上に塗布後乾燥させて作製する導電積層体においては、塗布後の乾燥時の分散液の濃度上昇や、CNT分散液と基材との間に生じる静電反発力により、CNTのバンドル化が起こる場合がある。ところが、分散液中においてCNTをマイナスに帯電させるとともに、かかるCNT分散液を、アンダーコート層上に塗布して乾燥させることにより、CNT分散液中に分散したCNTがアンダーコート層に静電吸着され、基材上での乾燥時に起こっていたCNTのバンドル化を抑制することができるため好ましい。これにより、透明導電性に優れた導電積層体を得ることができる。
本発明の導電積層体において、CNT分散液を基材上に塗布する方法は特に限定されない。既知の塗布方法、例えば吹き付け塗装、浸漬コーティング、スピンコーティング、ナイフコーティング、キスコーティング、グラビアコーティング、スロットダイコーティング、バーコーティング、ロールコーティング、スクリーン印刷、インクジェット印刷、パット印刷、他の種類の印刷などが利用できる。また塗布は、複数回に分けて行ってもよく、異なる2種類の塗布方法を組み合わせてもよい。最も好ましい塗布方法は、グラビアコーティング、バーコーティング、スロットダイコーティングである。
CNT分散液を基材上に塗布する際の塗布厚みは、CNT分散液の濃度にも依存するため、望む表面抵抗値が得られるように適宜調整すればよい。本発明におけるCNT塗布量は、導電性を必要とする種々の用途を達成するために、容易に調整可能である。例えば、塗布量が0.1mg/m2〜5mg/m2であれば、以下で示す保護層形成後の光吸収率を好ましい範囲とすることができるため好ましい。
[保護層]
本発明の導電積層体は導電層上に保護層(以下、オーバーコート層と記載)を有することが好ましい。なお、オーバーコート層は透明性を向上させるために透明被膜からなることが好ましい。オーバーコート層を有することにより、さらに透明導電性や耐熱性安定性、耐湿熱安定性を向上できるため好ましい。
本発明の導電積層体は導電層上に保護層(以下、オーバーコート層と記載)を有することが好ましい。なお、オーバーコート層は透明性を向上させるために透明被膜からなることが好ましい。オーバーコート層を有することにより、さらに透明導電性や耐熱性安定性、耐湿熱安定性を向上できるため好ましい。
オーバーコート層の材料としては有機材料、無機材料ともに用いることができるが、抵抗値安定性の観点から無機材料が好ましい。無機材料としては、シリカ、酸化錫、アルミナ、ジルコニア、チタニア等の金属酸化物が挙げられるが、抵抗値安定性の観点からシリカが好ましい。
本発明の導電積層体において、オーバーコート層を導電層の上に設ける方法は特に限定されない。既知のウェットコーティング方法、例えば吹き付け塗装、浸漬コーティング、スピンコーティング、ナイフコーティング、キスコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、スロットダイコーティング、バーコーティング、スクリーン印刷、インクジェット印刷、パット印刷、他の種類の印刷、または他の種類の印刷などが利用できる。また、乾式コーティング方法を用いてもよい。乾式コーティング方法としては、スパッタリング、蒸着などの物理気相成長や化学気相成長などが利用できる。またオーバーコート層を導電層の上に設ける操作は、複数回に分けて行ってもよく、異なる2種類の方法を組み合わせてもよい。好ましい方法は、ウェットコーティングであるグラビアコーティング、バーコーティング、スロットダイコーティングである。
ウェットコーティングを用いてシリカを含むオーバーコート層を形成する方法として、有機シラン化合物を用いることが好ましく、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシランなどのテトラアルコキシシランなどの有機シラン化合物を加水分解して作製したシリカゾルを溶媒に溶解したものを塗布液として、前記ウェットコーティングを行い、溶媒乾燥時に、シラノール基同士の脱水縮合を生じさせ、シリカ薄膜を形成させる方法が挙げられる。
オーバーコート層の厚みは、塗布液中のシリカゾル濃度および塗布時の塗布厚みを調整することで制御する。オーバーコート層の厚みとしては、10nm以上200nm以下とすることがより好ましい。オーバーコート層の厚みが10nmより薄いとCNTの導電性を向上させている硝酸などのドーパントの飛散を抑えられず耐熱性が低下する場合がある。オーバーコート層の厚みが200nmより厚いとCNTが有るところと無いところの反射光量の差が大きくなり骨見えする場合がある。
[成型加工]
本発明の導電積層体は、様々な成型方法を使って成型体を得ることができる。真空成型、圧空成型、真空成型と圧空成型を組み合わせた圧空真空成型、プレス成型、プラグ成型、ラミネート成型、インモールド成型、インサート成型などの成型方法で成型することが可能である。本発明において、導電積層体の基材に用いられる樹脂の性質や、基材上に積層される層に用いられる樹脂の性質、さらにはそれぞれの厚み、成型させる形状に合わせた成型方法を選択することができるが、生産性の観点からフィルムインサート成型、真空成型、3次元ラミネート成型、熱プレス成型が好ましく用いられる。
本発明の導電積層体は、様々な成型方法を使って成型体を得ることができる。真空成型、圧空成型、真空成型と圧空成型を組み合わせた圧空真空成型、プレス成型、プラグ成型、ラミネート成型、インモールド成型、インサート成型などの成型方法で成型することが可能である。本発明において、導電積層体の基材に用いられる樹脂の性質や、基材上に積層される層に用いられる樹脂の性質、さらにはそれぞれの厚み、成型させる形状に合わせた成型方法を選択することができるが、生産性の観点からフィルムインサート成型、真空成型、3次元ラミネート成型、熱プレス成型が好ましく用いられる。
[成型体]
本発明でいう成型体とは本発明の導電積層体を例えば上述した[成型加工]の項に記載した方法で成型したものをいう。また、本発明の成型体は、加飾フィルムや他の樹脂材料と貼り合せて使用することもできる。
本発明でいう成型体とは本発明の導電積層体を例えば上述した[成型加工]の項に記載した方法で成型したものをいう。また、本発明の成型体は、加飾フィルムや他の樹脂材料と貼り合せて使用することもできる。
[表示体]
本発明の導電積層体は、表示体、特にタッチパネル及び電子ペーパーに組み込んで好ましく使用することができる。そのうち、タッチパネルの一例を示した断面模式図を図3に示す。本発明のタッチパネルは、線状構造体からなるネットワーク構造を有する導電層を積層した本発明の導電積層体を単独もしくは複数枚、さらには他の部材と組み合わせて組み込んだものであり、その例として抵抗膜式タッチパネルや静電容量式タッチパネル等が挙げられる。本発明の導電積層体を搭載してなるタッチパネルは、たとえば図3に示すように導電積層体301を、接着剤や粘着剤等の接合層304によって接合して積層したものであり、さらに、タッチパネルの画面側の基材305、タッチパネルの画面側の基材に積層したハードコート層306が設けられる。かかるタッチパネルは、例えば、リード線と駆動ユニット等を取り付け、液晶ディスプレイの前面に組み込んで用いられる。
本発明の導電積層体は、表示体、特にタッチパネル及び電子ペーパーに組み込んで好ましく使用することができる。そのうち、タッチパネルの一例を示した断面模式図を図3に示す。本発明のタッチパネルは、線状構造体からなるネットワーク構造を有する導電層を積層した本発明の導電積層体を単独もしくは複数枚、さらには他の部材と組み合わせて組み込んだものであり、その例として抵抗膜式タッチパネルや静電容量式タッチパネル等が挙げられる。本発明の導電積層体を搭載してなるタッチパネルは、たとえば図3に示すように導電積層体301を、接着剤や粘着剤等の接合層304によって接合して積層したものであり、さらに、タッチパネルの画面側の基材305、タッチパネルの画面側の基材に積層したハードコート層306が設けられる。かかるタッチパネルは、例えば、リード線と駆動ユニット等を取り付け、液晶ディスプレイの前面に組み込んで用いられる。
[用途]
本発明の導電積層体および成型体はタッチスイッチ、タッチパネルの他、面状発熱体、電磁波シールド、アンテナ部材などに使うことができる。特に静電容量式タッチセンサーに好適に用いることができ、特に家電や車載向けにおいては成型できることによるデザイン性の向上、また、成型体のヘイズが低いため表示品位が損なわれにくく、良好な静電容量式タッチセンサーとして使用することができる。
本発明の導電積層体および成型体はタッチスイッチ、タッチパネルの他、面状発熱体、電磁波シールド、アンテナ部材などに使うことができる。特に静電容量式タッチセンサーに好適に用いることができ、特に家電や車載向けにおいては成型できることによるデザイン性の向上、また、成型体のヘイズが低いため表示品位が損なわれにくく、良好な静電容量式タッチセンサーとして使用することができる。
以下、本発明の導電積層体の製造方法を実施例に基づき具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<各種評価方法>
(1)導電積層体の光吸収率
5cm×10cmにサンプリングした導電積層体を(株)島津製作所製の紫外可視赤外分光光度計UV−3150を用いて測定した。導電積層体の導電層が形成された側から垂直に光を入射させ、550nmの全光透過率と相対反射率を測定して下式により光吸収率を算出することで、導電積層体の光吸収率を求めた。
光吸収率(550nm)=100−全光透過率(550nm)−相対反射率(550nm)。
(1)導電積層体の光吸収率
5cm×10cmにサンプリングした導電積層体を(株)島津製作所製の紫外可視赤外分光光度計UV−3150を用いて測定した。導電積層体の導電層が形成された側から垂直に光を入射させ、550nmの全光透過率と相対反射率を測定して下式により光吸収率を算出することで、導電積層体の光吸収率を求めた。
光吸収率(550nm)=100−全光透過率(550nm)−相対反射率(550nm)。
(2)導電積層体の表面抵抗値
5cm×10cmにサンプリングした導電積層体の導電層側の中央部にプローブを密着させて、4端子法により室温下で抵抗値を測定した。使用した装置は、ダイアインスツルメンツ(株)製の抵抗率計MCP−T360型、使用したプローブはダイアインスツルメンツ(株)製の4探針プローブMCP−TPO3Pである。
5cm×10cmにサンプリングした導電積層体の導電層側の中央部にプローブを密着させて、4端子法により室温下で抵抗値を測定した。使用した装置は、ダイアインスツルメンツ(株)製の抵抗率計MCP−T360型、使用したプローブはダイアインスツルメンツ(株)製の4探針プローブMCP−TPO3Pである。
(3)端子間抵抗値
導電積層体上に任意の方向に基準線を引き、該基準線に対し、測定方向を、0°、30°、60°、90°、120°、150°とする30mm角の正方形のサンプルを各測定方向につき2枚として12枚切り出し、各サンプルの回転外側と回転内側(ここで、回転外側と回転内側とは、切り出した正方形において測定方向と垂直に交わる2辺である)の端部5mm幅に太陽インキ株式会社製導電ペーストECM−100AF(商標登録)を80μmの厚みになるように塗布し、90℃で60分加熱乾固させ、その乾固した導電ペースト部を株式会社カスタム製デジタルテスタCDM−17D(商標登録)を用いて測定した。
導電積層体上に任意の方向に基準線を引き、該基準線に対し、測定方向を、0°、30°、60°、90°、120°、150°とする30mm角の正方形のサンプルを各測定方向につき2枚として12枚切り出し、各サンプルの回転外側と回転内側(ここで、回転外側と回転内側とは、切り出した正方形において測定方向と垂直に交わる2辺である)の端部5mm幅に太陽インキ株式会社製導電ペーストECM−100AF(商標登録)を80μmの厚みになるように塗布し、90℃で60分加熱乾固させ、その乾固した導電ペースト部を株式会社カスタム製デジタルテスタCDM−17D(商標登録)を用いて測定した。
12枚のサンプルについてそれぞれ端子間抵抗値Rを測定し、測定した12枚のサンプルの端子間抵抗値Rの最大値を最大値Rmaxとし、最小値を最小値Rminとし、最大値Rmaxと最小値Rminの比(Rmax/Rmin)を算出した。
(4)原子間力顕微鏡にCNT分散液におけるCNTの平均直径測定
カーボンナノチューブの濃度を0.003質量%に調整したカーボンナノチューブ分散液30μLをマイカ基板上に置き、回転数3,000rpmで60秒間スピンコートしたのち、原子間力顕微鏡((株)島津製作所社製、SPM9600M)により、ランダムに100本のバンドル状あるいは孤立したカーボンナノチューブの直径を測定し、算術平均して平均直径を算出した。
カーボンナノチューブの濃度を0.003質量%に調整したカーボンナノチューブ分散液30μLをマイカ基板上に置き、回転数3,000rpmで60秒間スピンコートしたのち、原子間力顕微鏡((株)島津製作所社製、SPM9600M)により、ランダムに100本のバンドル状あるいは孤立したカーボンナノチューブの直径を測定し、算術平均して平均直径を算出した。
(5)原子間力顕微鏡によるCNT分散液におけるCNTの平均長さ測定
カーボンナノチューブの濃度を0.003質量%に調整したカーボンナノチューブ分散液30μLをマイカ基板上に置き、回転数3,000rpmで60秒間スピンコートしたのち、原子間力顕微鏡((株)島津製作所社製、SPM9600M)により、カーボンナノチューブの直径が前記透過型電子顕微鏡で測定した平均直径以下の場合を孤立状態のカーボンナノチューブとみなし、それに該当する約100本のカーボンナノチューブ長さを測定し、算術平均をして平均長さを算出した。
カーボンナノチューブの濃度を0.003質量%に調整したカーボンナノチューブ分散液30μLをマイカ基板上に置き、回転数3,000rpmで60秒間スピンコートしたのち、原子間力顕微鏡((株)島津製作所社製、SPM9600M)により、カーボンナノチューブの直径が前記透過型電子顕微鏡で測定した平均直径以下の場合を孤立状態のカーボンナノチューブとみなし、それに該当する約100本のカーボンナノチューブ長さを測定し、算術平均をして平均長さを算出した。
(6)CNTのアスペクト比の算出
前記(5)で算出したCNTの平均長さおよび(4)で算出したCNTの平均直径から、アスペクト比(CNTの平均長さ/CNTの平均直径)を算出した。
前記(5)で算出したCNTの平均長さおよび(4)で算出したCNTの平均直径から、アスペクト比(CNTの平均長さ/CNTの平均直径)を算出した。
(7)CNT分散液の粘度の測定
CNT分散液の粘度の測定はJISK7117−2(1999)、回転粘度計による定せん断速度での粘度測定方法−付属書A共軸−二重円筒型粘度計−にのっとり、測定を行った。尚、測定条件は以下の通りである。
測定機器:Bohlin Gemini HR nano(Malvern社)
試験温度:25℃
せん断速度:1,000/s。
CNT分散液の粘度の測定はJISK7117−2(1999)、回転粘度計による定せん断速度での粘度測定方法−付属書A共軸−二重円筒型粘度計−にのっとり、測定を行った。尚、測定条件は以下の通りである。
測定機器:Bohlin Gemini HR nano(Malvern社)
試験温度:25℃
せん断速度:1,000/s。
<基材>
各実施例及び比較例に使用した基材を以下に示す。
各実施例及び比較例に使用した基材を以下に示す。
(1)基材A
・ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製 “ルミラー”(登録商標)U48)
・厚み50μm。
・ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製 “ルミラー”(登録商標)U48)
・厚み50μm。
<バインダー>
各実施例および比較例に用いた各バインダーを以下に示す。
各実施例および比較例に用いた各バインダーを以下に示す。
(1)有機バインダー(A)
親水性官能基を有するポリエステル樹脂と親水性官能基を有するアクリル樹脂を含む有機バインダー(高松油脂(株)製 A647−GEX 固形分濃度20質量%、水溶媒)を水及びイソプロパノール(以下、IPA)で希釈し、水とIPAとの比率が質量比で7:3、樹脂の固形分濃度が5質量%になるようにした。
親水性官能基を有するポリエステル樹脂と親水性官能基を有するアクリル樹脂を含む有機バインダー(高松油脂(株)製 A647−GEX 固形分濃度20質量%、水溶媒)を水及びイソプロパノール(以下、IPA)で希釈し、水とIPAとの比率が質量比で7:3、樹脂の固形分濃度が5質量%になるようにした。
(2)無機バインダー(B)
エチルシリケートを含む無機バインダー(コルコート(株)製 “コルコート”(登録商標)N103X 固形分濃度2質量%、IPA溶媒)をIPAで希釈し、樹脂の固形分濃度が1質量%になるようにした。
エチルシリケートを含む無機バインダー(コルコート(株)製 “コルコート”(登録商標)N103X 固形分濃度2質量%、IPA溶媒)をIPAで希釈し、樹脂の固形分濃度が1質量%になるようにした。
<粒子>
(1)粒子A
粒径10nm〜15nm コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製 “スノーテックス”(登録商標) ST−O)。
(1)粒子A
粒径10nm〜15nm コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製 “スノーテックス”(登録商標) ST−O)。
<CNT分散液A>
各実施例および比較例に用いたCNT分散液の製造方法を以下に示す。
各実施例および比較例に用いたCNT分散液の製造方法を以下に示す。
(1)触媒調製例:マグネシアへの触媒金属塩の担持
クエン酸アンモニウム鉄(和光純薬工業(株)製)2.46gをメタノール(関東化学(株)製)500mLに溶解した。この溶液に、酸化マグネシウム(岩谷化学工業(株)製 MJ−30)を100.0g加え、撹拌機で60分間激しく撹拌処理し、懸濁液を減圧下、40℃で濃縮乾固した。得られた粉末を120℃で加熱乾燥してメタノールを除去し、酸化マグネシウム粉末に金属塩が担持された触媒体を得た。得られた固形分は篩い上で、乳鉢で細粒化しながら、20〜32メッシュ(0.5〜0.85mm)の範囲の粒径のものを回収した。得られた触媒体に含まれる鉄含有量は0.38質量%であった。また、かさ密度は、0.61g/mLであった。前記の操作を繰り返し、以下の実験に供した。
クエン酸アンモニウム鉄(和光純薬工業(株)製)2.46gをメタノール(関東化学(株)製)500mLに溶解した。この溶液に、酸化マグネシウム(岩谷化学工業(株)製 MJ−30)を100.0g加え、撹拌機で60分間激しく撹拌処理し、懸濁液を減圧下、40℃で濃縮乾固した。得られた粉末を120℃で加熱乾燥してメタノールを除去し、酸化マグネシウム粉末に金属塩が担持された触媒体を得た。得られた固形分は篩い上で、乳鉢で細粒化しながら、20〜32メッシュ(0.5〜0.85mm)の範囲の粒径のものを回収した。得られた触媒体に含まれる鉄含有量は0.38質量%であった。また、かさ密度は、0.61g/mLであった。前記の操作を繰り返し、以下の実験に供した。
(2)CNT集合体製造例:CNT集合体の合成
図1に示した装置を用いてCNTの合成を行った。反応器203は内径75mm、長さは1,100mmの円筒形石英管である。中央部に石英焼結板202を具備し、石英管下方部には、不活性ガスおよび原料ガス供給ラインである混合ガス導入管208、上部には廃ガス管206を具備する。さらに、反応器を任意温度に保持できるように、反応器の円周を取り囲む加熱器として3台の電気炉201を具備する。また反応管内の温度を検知するために熱電対205を具備する。
図1に示した装置を用いてCNTの合成を行った。反応器203は内径75mm、長さは1,100mmの円筒形石英管である。中央部に石英焼結板202を具備し、石英管下方部には、不活性ガスおよび原料ガス供給ラインである混合ガス導入管208、上部には廃ガス管206を具備する。さらに、反応器を任意温度に保持できるように、反応器の円周を取り囲む加熱器として3台の電気炉201を具備する。また反応管内の温度を検知するために熱電対205を具備する。
触媒調製例で調製した固体触媒体132gをとり、鉛直方向に設置した反応器の中央部の石英焼結板上に導入することで触媒層204を形成した。反応管内温度が約860℃になるまで、触媒体層を加熱しながら、反応器底部から反応器上部方向へ向けてマスフローコントローラー207を用いて窒素ガスを16.5L/分で供給し、触媒体層を通過するように流通させた。その後、窒素ガスを供給しながら、さらにマスフローコントローラー207を用いてメタンガスを0.78L/分で60分間導入して触媒体層を通過するように通気し、反応させた。この際の固体触媒体の質量をメタンの流量で割った接触時間(W/F)は、169分・g/L、メタンを含むガスの線速が6.55cm/秒であった。メタンガスの導入を止め、窒素ガスを16.5L/分通気させながら、石英反応管を室温まで冷却した。
加熱を停止させ室温まで放置し、室温になってから反応器から触媒体とCNTを含有するCNT含有組成物を取り出した。
(3)CNT集合体の精製および酸化処理
CNT集合体製造例で得られた触媒体とCNTを含有するCNT含有組成物を130g用いて4.8Nの塩酸水溶液2,000mL中で1時間撹拌することで触媒金属である鉄とその担体であるMgOを溶解した。得られた黒色懸濁液は濾過した後、濾取物は再度4.8Nの塩酸水溶液400mLに投入し脱MgO処理をし、濾取した。この操作を3回繰り返した(脱MgO処理)。その後、イオン交換水で濾取物の懸濁液が中性となるまで水洗後、水を含んだウェット状態のままCNT含有組成物を保存した。このとき水を含んだウェット状態のCNT含有組成物全体の質量は102.7gであった(CNT含有組成物濃度:3.12質量%)。
CNT集合体製造例で得られた触媒体とCNTを含有するCNT含有組成物を130g用いて4.8Nの塩酸水溶液2,000mL中で1時間撹拌することで触媒金属である鉄とその担体であるMgOを溶解した。得られた黒色懸濁液は濾過した後、濾取物は再度4.8Nの塩酸水溶液400mLに投入し脱MgO処理をし、濾取した。この操作を3回繰り返した(脱MgO処理)。その後、イオン交換水で濾取物の懸濁液が中性となるまで水洗後、水を含んだウェット状態のままCNT含有組成物を保存した。このとき水を含んだウェット状態のCNT含有組成物全体の質量は102.7gであった(CNT含有組成物濃度:3.12質量%)。
得られたウェット状態のCNT含有組成物の乾燥質量分に対して、約300倍の質量の濃硝酸(和光純薬工業(株)製、1級、Assay60〜61質量%)を添加した。その後、約140℃のオイルバスで25時間攪拌しながら加熱還流した。加熱還流後、CNT含有組成物を含む硝酸溶液をイオン交換水で3倍に希釈して吸引ろ過した。イオン交換水で濾取物の懸濁液が中性となるまで水洗後、水を含んだウェット状態のCNT集合体を得た。このとき水を含んだウェット状態のCNT組成物全体の質量は3.351gあった(CNT含有組成物濃度:5.29質量%)。
(4)CNT分散液の調製
上記で得られたウェット状態のCNT集合体(乾燥重量換算で15mg)、および10質量%カルボキシメチルセルロースナトリウム(重量平均分子量:3.5万)水溶液0.38gを量りとり、イオン交換水を加えて全体量を10gにし、28%アンモニア水溶液(キシダ化学(株)社製)を用いてpHを7に調整した。この液を超音波ホモジナイザー(家田貿易(株)製、VCX−130)を用いて、出力20W、1.5分間(2kW・min/g)、氷冷下分散処理した。その後、水を添加して終濃度でCNT集合体の濃度が0.03質量%となるように調製してCNT分散液Aとした。
上記で得られたウェット状態のCNT集合体(乾燥重量換算で15mg)、および10質量%カルボキシメチルセルロースナトリウム(重量平均分子量:3.5万)水溶液0.38gを量りとり、イオン交換水を加えて全体量を10gにし、28%アンモニア水溶液(キシダ化学(株)社製)を用いてpHを7に調整した。この液を超音波ホモジナイザー(家田貿易(株)製、VCX−130)を用いて、出力20W、1.5分間(2kW・min/g)、氷冷下分散処理した。その後、水を添加して終濃度でCNT集合体の濃度が0.03質量%となるように調製してCNT分散液Aとした。
<CNT分散液B>
上記CNT分散液Aの(4)CNT分散液の調製と同様にして作製したCNT分散液において、CNT集合体の濃度を0.01質量%となるようにして作製した。
上記CNT分散液Aの(4)CNT分散液の調製と同様にして作製したCNT分散液において、CNT集合体の濃度を0.01質量%となるようにして作製した。
<CNT分散液C>
上記CNT分散液Aの(4)CNT分散液の調製と同様にして作製したCNT分散液において、CNT集合体の濃度を0.10質量%となるようにして作製した。
上記CNT分散液Aの(4)CNT分散液の調製と同様にして作製したCNT分散液において、CNT集合体の濃度を0.10質量%となるようにして作製した。
<CNT分散液D>
上記CNT分散液Aの(4)CNT分散液の調製と同様にして作製したCNT分散液において、CNT集合体の濃度を0.15質量%となるようにして作製した。
上記CNT分散液Aの(4)CNT分散液の調製と同様にして作製したCNT分散液において、CNT集合体の濃度を0.15質量%となるようにして作製した。
<CNT分散液E>
上記CNT分散液Aの(4)CNT分散液の調製と同様にして作製したCNT分散液において、超音波ホモジナイザーの処理時間を15分間にして作製した。
上記CNT分散液Aの(4)CNT分散液の調製と同様にして作製したCNT分散液において、超音波ホモジナイザーの処理時間を15分間にして作製した。
<CNT分散液F>
上記CNT分散液Aの(4)CNT分散液の調製において上記で得られたウェット状態のCNT集合体を乾燥質量換算で15mgと、1質量%カルボキシメチルセルロースナトリウム(ダイセルファインケム(株)社製、ダイセル1140)水溶液1.5gを量りとり、イオン交換水を加え10gにした。これに28質量%アンモニア水溶液(キシダ化学(株)社製)を添加してpH10に調整した後、超音波ホモジナイザーを用い出力20W、1.5分間で氷冷下分散処理を行った。超音波ホモジナイザーを用いた分散処理中は液温が1〜20℃となるように温度制御した。得られた処理液を高速遠心分離機にて10,000Gで、15分間遠心処理した後、イオン交換水を添加してカーボンナノチューブ集合体の濃度が0.06質量%となるようにして作製した。
上記CNT分散液Aの(4)CNT分散液の調製において上記で得られたウェット状態のCNT集合体を乾燥質量換算で15mgと、1質量%カルボキシメチルセルロースナトリウム(ダイセルファインケム(株)社製、ダイセル1140)水溶液1.5gを量りとり、イオン交換水を加え10gにした。これに28質量%アンモニア水溶液(キシダ化学(株)社製)を添加してpH10に調整した後、超音波ホモジナイザーを用い出力20W、1.5分間で氷冷下分散処理を行った。超音波ホモジナイザーを用いた分散処理中は液温が1〜20℃となるように温度制御した。得られた処理液を高速遠心分離機にて10,000Gで、15分間遠心処理した後、イオン交換水を添加してカーボンナノチューブ集合体の濃度が0.06質量%となるようにして作製した。
<CNT分散液G>
上記CNT分散液Fと同様にして作製したCNT分散液において、CNT集合体の濃度を0.15質量%となるようにして作製した。
上記CNT分散液Fと同様にして作製したCNT分散液において、CNT集合体の濃度を0.15質量%となるようにして作製した。
(実施例1〜5、比較例1〜2)
表1に示すバインダー、粒子の組み合わせにて有機バインダー(A)を、材質がステンレス(sus)のシム(シム厚み50μm)を装着したスリットダイコート(塗工幅550mm)を使用して基材の片面に10m/分の塗工速度、33cc/分の流量で塗布、120℃で1分間乾燥し、アンダーコート層を積層した。また、アンダーコート層を設けない場合は基材表面をE値100W・sの条件でコロナ処理を施した。
表1に示すバインダー、粒子の組み合わせにて有機バインダー(A)を、材質がステンレス(sus)のシム(シム厚み50μm)を装着したスリットダイコート(塗工幅550mm)を使用して基材の片面に10m/分の塗工速度、33cc/分の流量で塗布、120℃で1分間乾燥し、アンダーコート層を積層した。また、アンダーコート層を設けない場合は基材表面をE値100W・sの条件でコロナ処理を施した。
次に、CNT分散液を材質がステンレス(sus)のシム(シム厚み50μm)を装着したスリットダイコート(塗工幅550mm)を使用して基材の片面に10m/分の塗工速度でアンダーコート層の上に塗布、120℃で1分間乾燥し導電成分を積層形成した。さらに導電層が積層されている側に前記無機バインダー(B)を材質がステンレス(sus)のシム(シム厚み50μm)を装着したスリットダイコート(塗工幅550mm)を使用して10m/分の塗工速度、88cc/分の流量で塗布、125℃で1分間乾燥し、積層形成した。
評価結果および詳細な製造条件については表1および2に記載する。
透明導電性に優れた本発明の導電積層体は、例えば、タッチパネル、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス、電子ペーパーなどのディスプレイ関連の電極として好ましく用いることができる。また、導電積層体を用いた成型体はタッチスイッチ、タッチパネルの他、面状発熱体、電磁波シールド、アンテナ部材などに使うことができる。特に静電容量式タッチセンサーに好適に用いることができ、特に家電や車載向けにおいては成型できることによるデザイン性の向上、また、成型体のヘイズが低いため表示品位が損なわれにくく、良好な静電容量式タッチセンサーとして使用することができる。
101:端子間抵抗測定用の端子箇所
201:電気炉
202:石英焼結板
203:反応器
204:触媒層
205:熱電対
206:廃ガス管
207:マスフローコントローラー
208:ガス導入管
301:タッチパネルに組み込んだ導電積層体
302:タッチパネルに組み込んだ導電積層体の基材
303:タッチパネルに組み込んだ導電積層体の導電層
304:接着剤や粘着剤による、導電積層体を積層するための接合層
305:タッチパネルの画面側の基材
306:タッチパネルの画面側の基材に積層したハードコート層
201:電気炉
202:石英焼結板
203:反応器
204:触媒層
205:熱電対
206:廃ガス管
207:マスフローコントローラー
208:ガス導入管
301:タッチパネルに組み込んだ導電積層体
302:タッチパネルに組み込んだ導電積層体の基材
303:タッチパネルに組み込んだ導電積層体の導電層
304:接着剤や粘着剤による、導電積層体を積層するための接合層
305:タッチパネルの画面側の基材
306:タッチパネルの画面側の基材に積層したハードコート層
Claims (10)
- 基材の少なくとも片方の面にカーボンナノチューブおよびカーボンナノチューブ分散剤を含む導電層を有する導電積層体であって、以下の(i)および(ii)を満たすことを特徴とする導電積層体。
(i)導電積層体上に任意の方向に基準線を引き、該基準線に対し、測定方向を0°、30°、60°、90°、120°、150°とする30mm角の正方形のサンプルを各方向につき2枚として12枚切り出し、各サンプルについて前記測定方向の端子間抵抗値R(kΩ)を測定したとき、端子間抵抗値Rの最大値Rmaxと最小値Rminの比(Rmax/Rmin)が、1.40以下である
(ii)前記導電積層体の光吸収率と表面抵抗値が以下の(a)〜(h)のいずれかを満たす
(a)光吸収率1%以上、2%未満における表面抵抗値が500Ω/□以上、2,000Ω/□以下
(b)光吸収率2%以上、3%未満における表面抵抗値が200Ω/□以上、1,500Ω/□以下
(c)光吸収率3%以上、4%未満における表面抵抗値が100Ω/□以上、500Ω/□以下
(d)光吸収率4%以上、5%未満における表面抵抗値が80Ω/□以上、400Ω/□以下
(e)光吸収率5%以上、7%未満における表面抵抗値が60Ω/□以上、300Ω/□以下
(f)光吸収率7%以上、9%未満における表面抵抗値が50Ω/□以上、200Ω/□以下
(g)光吸収率9%以上、11%未満における表面抵抗値が40Ω/□以上、150Ω/□以下
(h)光吸収率11%以上、20%未満における表面抵抗値が30Ω/□以上、100Ω/□以下 - 前記カーボンナノチューブのアスペクト比が、1,300以下であることを特徴とする請求項1に記載の導電積層体。
- 前記カーボンナノチューブ分散剤がイオン性分散剤を含むことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の導電積層体。
- 前記イオン性分散剤がカルボキシメチルセルロースを主たる成分とすることを特徴とする請求項3に記載の導電積層体。
- 前記導電層上に保護層を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の導電積層体。
- 前記基材上にアンダーコート層を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の導電積層体。
- 基材上にカーボンナノチューブおよびカーボンナノチューブ分散剤を含む分散液を塗布する導電積層体の製造方法であって、前記カーボンナノチューブおよびカーボンナノチューブ分散剤を含む分散液の粘度がせん断速度1,000/sにおいて2.0mPa・s以下であることを特徴とする導電積層体の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の導電積層体を用いることを特徴とする表示体。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の導電積層を用いた成型体。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の導電積層体または請求項9に記載の成型体を用いた静電容量式タッチセンサー。
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---|---|---|---|
JP2015193001A JP2017065056A (ja) | 2015-09-30 | 2015-09-30 | 導電積層体および導電積層体の製造方法 |
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CN116315455A (zh) * | 2023-05-04 | 2023-06-23 | 合肥长阳新能源科技有限公司 | 一种高离子电导率耐高温锂电池隔膜及其制备方法 |
-
2015
- 2015-09-30 JP JP2015193001A patent/JP2017065056A/ja active Pending
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CN116315455B (zh) * | 2023-05-04 | 2023-08-08 | 合肥长阳新能源科技有限公司 | 一种高离子电导率耐高温锂电池隔膜及其制备方法 |
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