JP2016136455A - 導電積層体および導電積層体の製造方法 - Google Patents

導電積層体および導電積層体の製造方法 Download PDF

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直樹 辻内
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Abstract

【課題】成型後の表面抵抗値及び正面位相差変化が抑制された導電積層体の提供。
【解決手段】正面位相差が100nm以下である基材1の少なくとも片面にカーボンナノチューブを含む導電層3を有する導電積層体であって、以下の(i)及び(ii)を満たす導電積層体。(i)導電積層体を2倍延伸したときの表面抵抗値変化が1〜5倍(ii)導電積層体を2倍延伸したときの正面位相差が100nm以下。前記基材がポリカーボネート樹脂、環状オレフィン樹脂、アクリル樹脂又はトリアセルセルロース樹脂から選ばれた少なくとも1つの樹脂を含む導電積層体。導電積層体を2倍に延伸した時の表面抵抗値が10〜2000Ω/□である、導電積層体。
【選択図】図1

Description

本発明は、導電積層体に関する。より詳細には、成型後の表面抵抗値および正面位相差変化が抑制された導電積層体に関する。
従来より、抵抗膜式、静電容量式などのタッチパネル用途、電子ペーパー用途、デジタルサイネージ用途などの実に様々な製品に導電積層体が用いられてきた。導電性を発現させるための導電材料としては、インジウム錫酸化物(以下、ITO)や銀ナノワイヤー(以下、AgNW)、カーボンナノチューブ(以下、CNT)、導電性高分子などが用いられている。上記用途では、平面か、もしくはフレキシブルな基板上に用いられることがほとんどであり、導電積層体を成型加工する必要性はあまり求められてこなかった。これまでは、柔軟性が求められるフレキシブル基板に適するCNTの検討が行われており、特許文献1では、耐屈曲性に優れたCNTを導電膜とする導電積層体の提案がなされている。
しかしながら、今後は操作性およびデザイン性の観点から、平面ではなく立体的なタッチパネルが求められるようになる。これまで検討されてきたITOやAgNWは柔軟性がなく、成型加工後にはITO層のクラックの発生やAgNW自体の断裂などにより表面抵抗値が大幅に上昇する結果導通が取れなくなり、導電積層体としての機能を保持できないことが予想される。そこで、成型後の表面抵抗値変化Rを抑制するために、元来より柔軟性が高く、成型加工に有利なCNTと導電性高分子による検討が行われている。
一方、導電積層体の基材にPETなど正面位相差の高い材料を用いた場合、偏光サングラスをかけた状態で導電積層体を搭載したタッチパネルを視認すると虹ムラが見られ表示品位が大きく損なわれる。
特許文献2では、成型された合成樹脂成型品に発生する静電気を逃して塵埃の付着を防止するための帯電防止処理用途として、CNTの分散性を向上させた成型可能な成型用導電フィルムの提案がなされている。また特許文献3では、偏光サングラス対策として1/4λ板を導電積層体の基材の提案がなされている。
特開2012−66580号公報 特開2006−35772号公報 特開2013-242692号公報
しかしながら、特許文献1では、耐屈曲性は優れているが、成型加工を行うと、CNTの断裂や、透明保護膜にクラックが発生することにより、成型後は導電性が発現されない。特許文献2では、CNTを用いた成型用導電性フィルムが提案されており、成型後もある一定以下の表面抵抗値が維持されるが、その表面抵抗値の変化率は大きく、タッチパネル用途として使用するには困難である。また、特許文献3では、平面に使用する場合のみで成型用については提案されていない。さらには、いずれの文献にも延伸後の正面位相差変化については提案されていない。
従って、本発明の目的は、上記問題に鑑み、成型後の表面抵抗値および正面位相差変化が抑制された導電積層体を提供することにある。
課題を解決するために、本発明は以下の方法からなる。
(1)正面位相差が0nm以上100nm以下である基材の少なくとも片面にカーボンナノチューブを含む導電層を有する導電積層体であって、以下の(i)および(ii)を満たす導電積層体。
(i)導電積層体を2倍延伸したときの表面抵抗値変化が1倍以上5倍以下
(ii)導電積層体を2倍延伸したときの正面位相差が0nm以上100nm以下
(2)前記基材がポリカーボネート樹脂、環状オレフィン樹脂、アクリル樹脂およびトリアセチルセルロース樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1つの樹脂を含む(1)に記載の導電積層体。
(3)導電積層体を2倍延伸したときの表面抵抗値が10Ω/□以上2,000Ω/□以下である(1)または(2)に記載の導電積層体。
(4)導電積層体を2倍延伸したときのヘイズが0%以上5%以下である(1)〜(3)のいずれかに記載の導電積層体。
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載の導電積層体を用いた成型体。
(6)導電積層体を前記基材のガラス転移点以上の温度環境下で1倍を超えて2倍以下で延伸する(5)に記載の成型体の製造方法。
本発明によれば、成型後の表面抵抗値および正面位相差変化が抑制された導電積層体を提供することができる。成型後の表面抵抗値変化を抑制することで、曲面のあるタッチパネルディスプレイにおいて表面抵抗値のばらつきが少ないため良好な作動性を得ることができる。例えば、表面抵抗値のばらつきが大きいとタッチパネルに触れた位置の正確な位置情報が認識されにくいが、表面抵抗値のばらつきが小さいとタッチパネルに触れた位置の正確な位置情報が認識され、作動性が良好なタッチパネルとして使用することができる。また、成型後の正面位相差変化を抑制することで、曲面のあるタッチパネルディスプレイを偏光サングラスをかけた状態で視認しても表示品位が損なわれることなく、良好なタッチパネルとして使用することができる。
本発明の導電積層体の断面模式図である。
本発明は、図1に示すように正面位相差が0nm以上100nm以下である基材の少なくとも片面にカーボンナノチューブを含む導電層を有する導電積層体であって、以下の(i)および(ii)を満たす導電積層体に関するものである。
(i)導電積層体を2倍延伸したときの表面抵抗値変化が1倍以上5倍以下
(ii)導電積層体を2倍延伸したときの正面位相差が0nm以上100nm以下。
また、本発明は、導電積層体を基材のガラス転移点以上の温度環境下で1倍を超えて2倍以下で延伸する成型体の製造方法に関するものである。
特に、延伸後の抵抗値および位相差を制御することにより良好な作動性と表示品位を兼ね備えた導電積層体を得ることができる。
[導電積層体]
本発明で用いられる導電積層体は基材とカーボンナノチューブを含む導電層とを少なくとも含む。
本発明の導電積層体は、導電積層体を2倍延伸したときの表面抵抗値変化が1倍以上5倍以下であることが好ましく、1倍以上3倍以下であることがより好ましく、1倍以上2倍以下であることがさらに好ましく、1倍以上1.5倍以下であることが特に好ましい。導電積層体を2倍延伸したときの表面抵抗値変化が1倍以上5倍以下であることにより、タッチパネル等として用いた場合に導電性のばらつきが少なく、製品として好適に用いることができるため好ましい。なお、ここで表面抵抗値変化とは、実施例の項で詳細は説明するが、延伸前の導電積層体の表面抵抗値Rと延伸後の導電積層体の表面抵抗値Rから以下の式(1)で算出される値Rである。
R=R/R (1)。
また、本発明の導電積層体は、導電積層体を2倍延伸したときの正面位相差が0nm以上100nm以下であることが好ましく、0nm以上50nm以下であることがより好ましく、0nm以上30nm以下であることがさらに好ましく、0nm以上15nm以下であることが特に好ましい。導電積層体を2倍延伸したときの正面位相差が0nm以上100nm以下であることにより、サングラス等をかけた際の視認性が向上するためである。
ここで、導電積層体の表面抵抗値は成型体にする延伸倍率によって適宜決定するが、導電積層体を2倍延伸したときの表面抵抗値が10Ω/□以上2,000Ω/□以下が好ましい。また、使用するデバイスに応じて適宜決定するが、例えばタッチスイッチの場合、好ましくは100〜2,000Ω/□、より好ましくは、100〜1,000Ω/□、さらに好ましくは100〜500Ω/□である。また、例えばタッチパネルの場合は、好ましくは10〜1,000Ω/□、より好ましくは、50〜500Ω/□、さらに好ましくは100〜300Ω/□である。これらの範囲にあることでICコントローラーの設計が容易となり、良好な作動性が得られるため好ましい。
また、層間密着性向上や信頼性向上のため必要に応じて基材と導電層との間にアンダーコート層や導電層の上にオーバーコート層などの機能層を設けてもよい。
[基材]
本発明で用いられる基材としては、具体的には正面位相差が0nm以上100nm以下のものが好ましい。正面位相差の測定方法は、実施例の項で説明するが、この範囲にあることで偏光を透過させてもほとんど偏光解消しないため、例えばオンセル用途のタッチパネルに好適に用いることができるため好ましい。さらに、正面位相差が0nm以上100nm以下の範囲にあれば基材の配向軸がばらついても色ムラが抑えられるため、例えばアウトセル用途のタッチパネルにおいて、偏光サングラスをかけた状態でタッチパネルを視認しても表示品位が損なわれにくいため好ましい。
本発明の導電積層体における基材の素材として、正面位相差が0nm以上100nm以下の範囲にあれば特に制限はないが、例えば、ポリカーボネート樹脂、環状オレフィン樹脂、アクリル樹脂およびトリアセチルセルロース樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1つの樹脂を好ましく用いることができる。また、これらの複数の基材を組み合わせて用いることもできる。例えば、2種以上の樹脂を積層した基材などの複合基材であってもよい。
なお、基材のガラス転移点(以下、基材のガラス転移点をTgと表すこともある)は、JIS K7121−1987に則って決められる。具体的には示差走査熱量計(以下、DSC)測定により、下記手順にて求めた値である。すなわち、DSCとしてセイコー電子工業株式会社製ロボットDSC「RDSC220」、データ解析装置として同社製ディスクステーション「SSC/5200」を用い、アルミニウム製受皿に5mgのサンプルを充填し、この試料を常温から20℃/分の昇温速度で300℃まで加熱して5分間溶融させ、次いで液体窒素で急冷する。この過程で得られたベースライン(吸熱が見られる前のベースライン)を延長した直線とガラス転移の階段状変化部分の曲線における傾き(微分係数)が最大になる直線とが交わる点の温度とする。
基材の形状については、例えば厚み300μm以下で巻き取り可能なフィルムであっても、厚み300μmを超える基板であっても正面位相差が0nm以上100nm以下の範囲で有ればよい。コスト、生産性、取り扱い性等の観点からは300μm以下の樹脂フィルムが好ましく、より好ましくは200μm以下、さらに好ましくは150μm以下、特に好ましくは100μm以下の樹脂フィルムである。
基材の上に導電層を積層しやすくするために基材表面にコロナ処理やプラズマ処理などの表面処理を行ってもよい。
[導電層]
本発明における「導電層」とは、後述するカーボンナノチューブを含む層とオーバーコート層とを合わせた層のことをいう。本発明において導電層の厚みは20nm以上500nm以下が好ましい。導電性や耐候性の観点から、50nm以上400nm以下がより好ましく、60nm以上300nm以下がさらに好ましく、70nm以上200nm以下が特に好ましい。
本発明において、例えば導電層は基材上にカーボンナノチューブを含む層を形成した後にオーバーコート層を積層形成することで作製される。なお、本発明においてオーバーコート層はカーボンナノチューブを含む層に浸透し、混合した状態で層を形成する為、カーボンナノチューブを含む層とオーバーコート層に明確な界面が存在しない場合がある。
[アンダーコート層]
本発明において基材の上には、アンダーコート層を配置してもよい。アンダーコート層表面は、親水性が高いことが好ましい。親水性は具体的には、水接触角が5〜40°の範囲にあることが好ましい。アンダーコート層としては、チタニア、アルミナ、シリカなど無機酸化物を主たる成分とするものや、親水基(−OH)基を有するアクリル樹脂を主たる成分とするものが好ましく、中でもシリカを主たる成分とするものが好ましい。本発明において、主たる成分とは全成分中に50質量%以上含有される成分をいい、60質量%以上含有されるのがより好ましく、80質量%以上含有されるのがさらに好ましい(以下、他の成分についても同様とする)。
これらの物質は、表面に親水基(−OH)基を有しており、高い親水性が得られるため好ましい。アンダーコート層の素材が親水性を有することにより、カーボンナノチューブを含む層中に含まれる絶縁物である分散剤がアンダーコート層に優先的に吸着され、カーボンナノチューブを含む層の導電性が向上するため好ましい。
本発明において、アンダーコート層を基材上に設ける方法は特に限定されない。既知の湿式コーティング方法、例えば吹き付け塗装、浸漬コーティング、スピンコーティング、ナイフコーティング、キスコーティング、グラビアコーティング、スロットダイコーティング、ロールコーティング、バーコーティング、スクリーン印刷、インクジェット印刷、パット印刷、他の種類の印刷方法などが利用できる。また、乾式コーティング方法を用いてもよい。乾式コーティング方法としては、スパッタリング、蒸着などの物理気相成長や化学気相成長などが利用できる。また塗布は、複数回に分けて行ってもよく、異なる2種類の塗布方法を組み合わせてもよい。好ましい塗布方法は、湿式コーティングであるグラビアコーティング、バーコーティング、ダイコーティングである。
塗布工程の後、乾燥工程にて塗布されたアンダーコート成分を含むアンダーコート塗布液から溶媒を除去する。溶媒の除去方法としては、熱風を基材に当てる対流熱風乾燥、赤外線乾燥装置からの輻射で基材に赤外線を吸収させて熱に変え加熱し乾燥させる輻射熱乾燥、熱媒体で加熱された壁面からの熱伝導で加熱し乾燥させる伝導熱乾燥、などを適用することができる。中でも対流熱風乾燥は乾燥速度が大きいため好ましい。
本発明において、アンダーコート層の厚みは特に限定されない。カーボンナノチューブを含む層中に含まれる絶縁物である分散剤がアンダーコート層に優先的に吸着するという観点から、1〜500nmの範囲にあることが好ましい。
本発明において、アンダーコート層の水接触角は、カーボンナノチューブ分散液のアンダーコート層上への塗布性の観点より、40°以下であることが好ましい。水接触角が40°を超える場合、カーボンナノチューブ分散液がアンダーコート上に均一に塗布できない場合がある。
アンダーコート層の水接触角は市販の接触角測定装置を用いて測定することができる。水接触角の測定は、JIS R 3257(1999年)に従い、室温25℃、相対湿度50%の雰囲気下で、アンダーコート層表面に1〜4μLの水をシリンジで滴下し、液滴を水平断面から観察し、液滴端部の接線とアンダーコート層の表面とのなす角を求める。
本発明に用いられるオーバーコート層の材料としては、オーバーコート層表面の水接触角が導電層の水接触角と近接する値を持つ樹脂が好適に用いられる。具体的に導電層の水接触角と近接する値とは、60°以上、80°以下が好ましい。導電層とオーバーコート層の水接触角が近接していることにより、カーボンナノチューブとオーバーコート成分が混合しやすく、均一な導電層を形成できる為、カーボンナノチューブのネットワーク構造が乱れにくく、粘着層を貼り合わせた際の抵抗値安定性に優れた導電積層体を得ることができるため好ましい。また、オーバーコート層に用いる樹脂は、透明導電積層体に必要な特性に合わせて選択することができ、表面硬度、基材との密着性の得られるアクリル樹脂やポリエステル樹脂、延伸追従性に優れるポリウレタン樹脂などが好適に利用できる。また、これら複数の樹脂を組み合わせて使用することもできる。
オーバーコート層の作製方法はオーバーコート層に用いる樹脂を含む塗料を乾燥した後の厚みが所望の厚みになるよう固形分濃度を調整し、リバースコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、バーコート法、ダイコート法、スプレーコート法、スピンコート法などにより塗布することが好ましい。樹脂を含む塗料は樹脂が溶媒に溶解されているか、樹脂が分散媒に分散された状態で用いることができる。本発明のオーバーコート層に用いる樹脂を含む塗料に用いられる溶媒、分散媒としては、水、有機溶剤などを用いることができ、塗工適性の観点から水、イソプロピルアルコールやエタノールなどのアルコール系溶剤、酢酸エチルや酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、シクロヘキサノンやメチルエチルケトンなどのケトン系溶剤、キシレン、トルエンなどの炭化水素系溶剤が好適に用いられる。これらの溶剤は、単独あるいは2種以上を混合して用いてもよい。
オーバーコート層に用いる樹脂を含む塗料には、オーバーコート層の効果が損なわれない範囲で、各種の添加剤を必要に応じて配合することができる。例えば、触媒、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤などの安定剤、界面活性剤、レベリング剤、帯電防止剤などを用いることができる。
次いで、塗布後の塗膜を乾燥させて溶媒、分散媒を除去することが好ましい。ここで、乾燥に用いられる熱源としては特に制限は無く、スチームヒーター、電気ヒーター、赤外線ヒーターなど任意の熱源を用いることができる。なお、加熱温度は50〜150℃で行うことが好ましい。また、加熱処理時間は数秒〜1時間行うことが好ましい。さらに、加熱処理中は温度が一定であってもよく、徐々に温度を変化させてもよい。また、乾燥処理中は湿度を相対湿度で20〜90%RHの範囲で調整しながら加熱処理してもよい。前記加熱処理は、大気中もしくは不活性ガス中に封入した状態で行ってもよい。
次に、必要に応じて乾燥後の樹脂を含む塗膜に紫外線照射などの活性エネルギー線照射処理を施すことで塗膜の組成を変性させ、本発明におけるオーバーコート層を得ることができる。紫外線処理は、1回のみ行ってもあるいは2回以上繰り返して行ってもよい。紫外線処理を行う際の酸素濃度は、オーバーコート層の組成制御の観点からオーバーコート時の系内のガス全体を100体積%としたとき、酸素ガスは1.0体積%以下が好ましく、0.5体積%以下がより好ましい。相対湿度は任意でよい。また、紫外線処理では窒素ガスを用いて酸素濃度を低下させることがより好ましい。
紫外線発生源としては、高圧水銀ランプメタルハライドランプ、マイクロ波方式無電極ランプ、低圧水銀ランプ、キセノンランプ等、既知のものを用いることができる。
紫外線照射の積算光量は、50〜3,000mJ/cmであることが好ましく、100〜1,000mJ/cmがより好ましい。積算光量が50mJ/cm以上であれば所望のオーバーコート層が得られるため好ましい。また、前記積算光量が3,000mJ/cm以下であれば高分子基材へのダメージを少なくすることができるため好ましい。
[カーボンナノチューブ]
本発明において用いられるカーボンナノチューブは、実質的にグラファイトの1枚面を巻いて筒状にした形状を有するものであれば特に限定されず、グラファイトの1枚面を1層に巻いた単層カーボンナノチューブ、多層に巻いた多層カーボンナノチューブいずれも適用できるが、中でもグラファイトの1枚面を2層に巻いた特に2層カーボンナノチューブが100本中に50本以上含まれているカーボンナノチューブであると、導電性ならびに塗布用分散液中でのカーボンナノチューブの分散性が極めて高くなることから好ましい。さらに好ましくは100本中75本以上が2層カーボンナノチューブ、最も好ましくは100本中80本以上が2層カーボンナノチューブである。なお、2層カーボンナノチューブが100本中に50本含まれていることを、2層カーボンナノチューブの割合が50%と表示することもある。また、2層カーボンナノチューブは酸処理などによって表面が官能基化されても導電性などの本来の機能が損なわれない点からも好ましい。
カーボンナノチューブは、例えば次のように製造される。マグネシアに鉄を担持した粉末状の触媒を、縦型反応器中、反応器の水平断面方向全面に存在させ、該反応器内にメタンを鉛直方向に供給し、メタンと前記触媒を500〜1,200℃で接触させ、カーボンナノチューブを製造した後、カーボンナノチューブを酸化処理することにより、単層〜5層のカーボンナノチューブを含有するカーボンナノチューブを得ることができる。カーボンナノチューブは製造した後、酸化処理を施すことにより単層〜5層の割合を、特に2層〜5層の割合を増加させることができる。酸化処理は例えば、硝酸処理する方法により行われる。硝酸はカーボンナノチューブに対するドーパントとして作用するため、好ましい。ドーパントとは、カーボンナノチューブに余剰の電子を与える、または電子を奪ってホールを形成する作用をなすものであり、自由に動くことのできるキャリアを生じさせることにより、カーボンナノチューブの導電性を向上させるものである。硝酸処理法は本発明のカーボンナノチューブが得られる限り、特に限定されないが、通常、140℃のオイルバス中で行われる。硝酸処理時間は特に限定されないが、5〜50時間の範囲であることが好ましい。
[分散剤]
カーボンナノチューブの分散剤としては、界面活性剤、各種高分子材料(水溶性高分子材料等)等を用いることができるが、分散性が高いイオン性高分子材料が好ましい。イオン性高分子材料としてはアニオン性高分子材料やカチオン性高分子材料、両性高分子材料がある。カーボンナノチューブ分散能が高く、分散性を保持できるものであればどの種類も用いることができるが、分散性、および分散保持性に優れることから、アニオン性高分子材料が好ましい。なかでも、カルボキシメチルセルロースおよびその塩(ナトリウム塩、アンモニウム塩等)、ポリスチレンスルホン酸の塩がカーボンナノチューブ分散液においてカーボンナノチューブを効率的に分散することができ、好ましい。
本発明において、カルボキシメチルセルロース塩、ポリスチレンスルホン酸塩を用いる場合、塩を構成するカチオン性の物質としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属のカチオン、カルシウム、マグネシウム、バリウム等のアルカリ土類金属のカチオン、アンモニウムイオン、あるいはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、エチルアミン、ブチルアミン、ヤシ油アミン、牛脂アミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ポリエチレンイミン等の有機アミンのオニウムイオン、または、これらのポリエチレンオキシド付加物を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
[溶媒]
本発明においてカーボンナノチューブ分散液に用いられる溶媒は、前記分散剤を容易に溶解できる点、廃液の処理が容易である等の観点から、水が好ましい。
[カーボンナノチューブ分散液]
本発明において用いるカーボンナノチューブ分散液の調製方法は、特に限定されないが、例えば次のような手順で行うことができる。分散時の処理時間が短縮できることから、一旦、分散媒中にカーボンナノチューブを0.003〜0.15質量%の濃度範囲で含まれる分散液を調製した後、希釈することで、所定の濃度とすることが好ましい。本発明において、カーボンナノチューブに対する分散剤の質量比(分散剤/カーボンナノチューブ)は10以下であることが好ましい。かかる好ましい範囲であると、均一に分散させることが容易である一方、導電性低下の影響が少ない。質量比は0.5〜9であることがより好ましく、1〜6であることがさらに好ましく、質量比が2〜3であれば、高い透明導電性を得ることができるので特に好ましい。
調製時の分散手段としては、カーボンナノチューブと分散剤とを分散媒中で塗装製造に慣用の混合分散機(例えばボールミル、ビーズミル、サンドミル、ロールミル、ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、超音波装置、アトライター、デゾルバー、ペイントシェーカー等)を用いて混合することが挙げられる。また、これら複数の混合分散機を組み合わせて段階的に分散を行ってもよい。中でも、振動ボールミルで予備的に分散を行った後、超音波装置を用いて分散する方法が、得られる塗布用分散液中のカーボンナノチューブの分散性が良好であることから好ましい。
[ヘイズ]
本発明の導電積層体において、導電積層体を2倍延伸したときのヘイズは好ましくは0%以上5%以下、より好ましくは0%以上3%以下、さらに好ましくは0%以上1%以下である。ここでいうヘイズとはJIS−K7361(1997年)に基づき測定した値である。ヘイズがこの範囲にあることによって、例えばタッチパネルやタッチスイッチに用いた場合、表示品位が損なわれることなく、良好に使用することができるため好ましい。
[成型加工]
本発明の導電積層体は、様々な成型方法を使って成型体を得ることができる。真空成型、圧空成型、真空成型と圧空成型を組み合わせた圧空真空成型、プレス成型、プラグ成型、ラミネート成型、インモールド成型、インサート成型などの成型方法で成型することが可能である。本発明において、導電積層体の基材に用いられる樹脂の性質や、基材上に積層される層に用いられる樹脂の性質、さらにはそれぞれの厚み、成型させる形状に合わせた成型方法を選択することができる。
延伸倍率については、導電積層体の基材に用いられる材料特性や厚みによって決められるが、基材のガラス転移点以上の温度環境下で1倍を超えて2倍以下の範囲であれば生産性良く、延伸後の位相差も制御しやすいため好ましい。すなわち、導電積層体を基材のガラス転移点以上の温度環境下で1倍を超えて2倍以下で延伸することが好ましい。また延伸の際、Tg以上で行うと延伸しても位相差が低いまま保たれるため好ましい。延伸温度については、好ましくはTg+30度以下の範囲、より好ましくは、Tg+20度以下の範囲、さらに好ましくは、Tg+10度以下の範囲である。延伸温度がこの範囲にあることでしわやたるみが入りにくく良好に成型できるため好ましい。
[成型体]
本発明でいう成型体とは本発明の導電積層体を例えば上述した[成型加工]の項に記載した方法で成型したものをいう。また、本発明の成型体は、加飾フィルムや他の樹脂材料と貼り合せて使用することもできる。
[用途]
本発明の導電積層体および成型体はタッチスイッチ、タッチパネルの他、面状発熱体、電磁波シールド、アンテナ部材などに使うことができる。特に車載向けタッチスイッチ、タッチパネル搭載時、偏光サングラスをかけた状態で視認しても表示品位が損なわれにくく、良好なタッチパネルとして使用することができる。
以下、本発明を実施例に基づき、具体的に説明する。ただし、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[評価方法]
(1)表面抵抗値
導電積層体の導電層側に4探針プローブを密着させて、4端子法により室温下で導電層表面における表面抵抗値Rを測定した。測定に使用した装置は、ダイアインスツルメンツ(株)製の抵抗率計MCP−T360型、使用したプローブはダイアインスツルメンツ(株)製の4探針プローブMCP−TFPである。サンプルの幅が小さく4端子法により測定が困難な場合は、サンプルの両端部に幅5mmに銀ペースト(太陽インキ社製、ECM−100)を塗布、90℃30分乾燥し、テスターで端子間抵抗値を測定し、表面抵抗値を算出することとする。
(2)表面抵抗値変化R
延伸前の導電積層体の導電層表面における表面抵抗値Rと延伸後の導電積層体の導電層表面における表面抵抗値Rを該測定方法にて測定し、下記式(1)にて表面抵抗値変化Rを算出した。
R=R/R (1)。
(3)正面位相差(Δnd)の測定
導電積層体および後述する延伸方法により得られた延伸後の導電積層体の中心部を2cm×2cmにカットし、冶具に導電層が上になるようにセットし、自動複屈折計KOBRA 21-ADH (王子計測機器(株)製)を用いて測定し、正面位相差(Δnd)を算出した。
(4)全光線透過率、ヘイズ
JIS−K7361(1997年)に基づき、濁度計NDH4000(日本電色工業(株)製)を用いて延伸前の導電積層体および延伸後の導電積層体それぞれについて導電層面から入射するように測定した。
(5)ガラス転移点(Tg)の測定
示差走査熱量計(セイコー電子工業株式会社製ロボットDSC「RDSC220」)、データ解析装置として同社製ディスクステーション「SSC/5200」を用い、アルミニウム製受皿に5mgの基材を充填し、この試料を常温から20℃/分の昇温速度で300℃まで加熱して5分間溶融させ、次いで液体窒素で急冷した。この過程で得られたベースライン(吸熱が見られる前のベースライン)を延長した直線とガラス転移の階段状変化部分の曲線における傾き(微分係数)が最大になる直線とが交わる点の温度をガラス転移点(Tg)とした。Tgが複数得られる場合は全て記載し、後述する延伸方法に用いるTgは最も温度の高いものを採用した。
[触媒調製例:マグネシアへの触媒金属塩の担持]
クエン酸アンモニウム鉄(和光純薬工業(株)製)をメタノール(関東化学(株)製)に溶解させ、酸化マグネシウム(岩谷化学工業(株)製 MJ−30)を加え、撹拌機で撹拌処理し、懸濁液を減圧下、40℃で濃縮乾固した。得られた粉末を120℃で加熱乾燥してメタノールを除去し、酸化マグネシウム粉末に金属塩が担持された触媒体を得た。得られた固形分は篩い上で、乳鉢で細粒化しながら、20〜32メッシュ(0.5〜0.85mm)の範囲の粒径を回収した。上記の操作を繰り返し、以下の実験に供した。
[CNT集合体製造例:CNT集合体の合成]
反応器は内径75mm、長さは1,100mmの円筒形石英管であり、中央部に石英焼結板を具備し、石英管下方部には、不活性ガスおよび原料ガス供給ラインである混合ガス導入管、上部には廃ガス管を具備する。さらに、反応器を任意温度に保持できるように、反応器の円周を取り囲む加熱器として3台の電気炉を具備する。また反応管内の温度を検知するために熱電対を具備する。
触媒調製例で調製した固体触媒体を、鉛直方向に設置した反応器の中央部の石英焼結板上に導入することで触媒層を形成した。反応管内温度が約860℃になるまで、触媒体層を加熱しながら、反応器底部から反応器上部方向へ向けてマスフローコントローラーを用いて窒素ガスを16.5L/分で供給し、触媒体層を通過するように流通させた。その後、窒素ガスを供給しながら、さらにマスフローコントローラーを用いてメタンガスを0.78L/分で60分間導入して触媒体層を通過するように通気し、反応させた。この際の固体触媒体の質量をメタンの流量で割った接触時間(W/F)は、169分・g/L、メタンを含むガスの線速が6.55cm/秒であった。メタンガスの導入を止め、窒素ガスを16.5L/分通気させながら、石英反応管を室温まで冷却した。加熱を停止させ、室温まで放置し、室温になってから反応器から触媒体とCNTを含有するCNT含有組成物を取り出した。
[CNT集合体の精製および酸化処理]
CNT集合体製造例で得られた触媒体とCNTを含有するCNT含有組成物を用いて4.8Nの塩酸水溶液2000mL中で1時間撹拌することで触媒金属である鉄とその担体であるMgOを溶解した。得られた黒色懸濁液を濾過した後、濾取物を再度4.8Nの塩酸水溶液400mLに投入し脱MgO処理をし、濾取した。この操作を3回繰り返した(脱MgO処理)。その後、イオン交換水で濾取物の懸濁液が中性となるまで水洗後、水を含んだウェット状態のままCNT含有組成物を保存した。
得られたウェット状態のCNT含有組成物の乾燥質量分に対して、約300倍の質量の濃硝酸(和光純薬工業(株)製、1級、Assay60〜61質量%)を添加した。その後、約140℃のオイルバスで25時間攪拌しながら加熱還流した。加熱還流後、CNT含有組成物を含む硝酸溶液をイオン交換水で3倍に希釈して吸引ろ過した。イオン交換水で濾取物の懸濁液が中性となるまで水洗後、水を含んだウェット状態のCNT集合体を得た。
[CNT分散液の調製]
[CNT分散液(1)]
得られたウェット状態のCNT集合体、6質量%カルボキシメチルセルロースナトリウム(第一工業製薬(株)製、セロゲン5A(質量平均分子量:8万))水溶液、イオン交換水、ジルコニアビーズ(東レ(株)社製、“トレセラム”(登録商標)、ビーズサイズ:0.8mm)を容器に加え、28質量%アンモニア水溶液(キシダ化学(株)製)を用いてpH10に調整した。(分散剤/CNT質量比=2.5)この容器を振動ボールミル((株)入江商会社製、VS−1、振動数:1,800cpm(60Hz))を用いて2時間振盪させ、CNTペーストを調製した。
次にこのCNTペーストをCNTの濃度が0.15質量%となるようにイオン交換水で希釈し、その希釈液10gに対して再度28質量%アンモニア水溶液でpH10に調整した。その水溶液を超音波ホモジナイザー(家田貿易(株)製、VCX−130)の出力を20Wとし、1.5分間(0.6kW・分/g)、氷冷下分散処理した。その際、分散中液温が10℃以下となるようにした。得られた液を高速遠心分離機((株)トミー精工、MX−300)にて10,000G、15分間遠心処理し、CNT分散液を得た。その後、水を添加して終濃度でCNT集合体の濃度が0.06質量%となるように調製してCNT分散液とした。
[コロナ処理]
春日電機(株)製コロナ表面改質評価装置TEC−4AXを用いて、基材をアース板に設置し、コロナ処理出力100W、セラミック電極との放電ギャップ1mm、電極移動速度6m/分、処理回数5回の条件にてコロナ処理を行った。
[延伸方法]
導電積層体を長さ150mm、幅20mmにカットし、引っ張り試験機(テンシロン ヤマト科学社製)の槽内を導電積層体に用いられている基材のガラス転移点(Tg)プラス10℃で温度を調整し、導電積層体を試長30mmになるように設置し、導電積層体を1分間加熱した。その後、槽内温度を保ったまま、引っ張り速度50mm/minで30mm延伸し(2倍延伸)、そのまま10秒間固定しその後サンプルを取り出した。以上の条件により得られたサンプルを以下「延伸後の導電積層体」という。なお、Tgが複数得られる場合は、その中で最も高い温度をTgとして採用した。
(実施例1)
厚み100μmのポリカーボネート樹脂フィルム(カーボグラス 旭硝子社製)を基材として用い、上記の方法でコロナ処理を行い、コロナ処理面にCNT分散液(1)をワイヤーバーを用いて塗布し、100℃で1分間乾燥して導電積層体1を得た。得られた導電積層体の表面抵抗値、正面位相差、透過率、ヘイズの測定結果を表1に示した。
次に得られた導電積層体について、上記延伸方法で延伸を行い、延伸後の導電積層体1を得た。得られた延伸後の導電積層体1の表面抵抗値、正面位相差、透過率、ヘイズの測定結果を表1に示した。
(実施例2)
基材に厚み100μmの環状オレフィン樹脂フィルム(“ゼオノア”(登録商標) 日本ゼオン社製)を用いた以外は実施例1と同様に導電積層体2および延伸後の導電積層体2を得た。
(実施例3)
基材に厚み100μmのアクリル樹脂フィルム(“アクリプレン”(登録商標) 三菱レイヨン社製)を用いた以外は実施例1と同様に導電積層体3および延伸後の導電積層体3を得た。
(実施例4)
基材に厚み80μmのトリアセチチルセルロース樹脂フィルム(TACフィルム コニカミノルタ社製)を用いた以外は実施例1と同様に導電積層体4および延伸後の導電積層体4を得た。
(実施例5)
厚み100μmのポリカーボネート樹脂フィルム(“カーボグラス”(登録商標) 旭硝子社製)を基材として用い、上記の方法でコロナ処理を行い、コロナ処理面にCNT分散液(1)をワイヤーバーを用いて塗布し、100℃で1分間乾燥してCNT層を形成した。オーバーコート層として、ポリエステル樹脂の水分散体(高松油脂株式会社製「ペスレジンA640」)を純水で希釈し、固形分濃度を1.0質量%とした。この塗液をCNT層上にワイヤーバーを用いて塗布し、125℃で1分間乾燥し、導電積層体5を得た。
次に得られた導電積層体について上記延伸方法で延伸を行い、延伸後の導電積層体5を得た。
(実施例6)
オーバーコート層として用いる材料をポリエステル樹脂(荒川化学工業株式会社製「アラコートAP2503D2」)とした以外は実施例5と同様の方法で導電積層体6および延伸後の導電積層体6を得た。
(実施例7)
オーバーコート層として用いる塗液をIPAで固形分1.0質量%に希釈したアクリル樹脂(共栄社化学株式会社製「ライトアクリレートDPE−6A」)とし、光重合開始剤(BASF社製「IRGACURE184」)を樹脂固形分に対して5質量%添加した塗液を用いて、UV照射装置(アイグラフィックス株式会社製「ECS−301」)を用いて窒素雰囲気下で積算光量400mJ/cmの照射量のUV照射し、オーバーコート層を硬化した以外は実施例5と同様の方法で導電積層体7および延伸後の導電積層体7を得た。
(実施例8)
オーバーコート層として用いる材料をウレタンアクリレート樹脂(大成ファインケミカル株式会社製「アクリット8UX−015A」とした以外は実施例7と同様の方法で導電積層体8および延伸後の導電積層体8を得た。
(実施例9)
厚み100μmのポリカーボネート樹脂フィルム(カーボグラス 旭硝子社製)を基材として用い、上記の方法でコロナ処理を行った。親水アクリル変性ポリエステル樹脂の水分散体(高松油脂株式会社製「ペスレジンA647−GEX」)をアンダーコート層用の塗液として用いた。前記A647−GEXを純水で固形分5質量%に調整し、アンダーコート層作製用の塗布液とした。基材のコロナ処理面にアンダーコート層作製用の塗布液をワイヤーバーで塗布し、125℃の乾燥機内で1分間乾燥させアンダーコート層を作製した。その後、アンダーコート層の上にCNT分散液(1)をワイヤーバーを用いて塗布し、100℃で1分間乾燥してCNT層を形成した。オーバーコート層として用いる塗液をIPAで固形分1.0質量%に希釈したアクリル樹脂(共栄社化学株式会社製「ライトアクリレートDPE−6A」)とし、光重合開始剤(BASF社製「IRGACURE184」)を樹脂固形分に対して5質量%添加した塗液をCNT層状にワイヤーバーで塗工し、80℃1分間乾燥語、UV照射装置(アイグラフィックス株式会社製「ECS−301」)を用いて窒素雰囲気下で積算光量400mJ/cmの照射量のUV照射し、オーバーコート層を硬化し導電積層体9を得た。次に得られた導電積層体について、上記延伸方法で延伸を行い、延伸後の導電積層体9を得た。
(比較例1)
基材に2軸延伸ポリエステルフィルム(“ルミラー”(登録商標) 東レ社製)を用いた以外は実施例1と同様に導電積層体101および延伸後の導電積層体101を得た。
(比較例2)
導電積層体1を室温で延伸した以外は実施例1と同様にして延伸後の導電積層体102を得た。
(比較例3)
基材に正面位相差150nmのポリカーボネートフィルムを用いた以外は実施例1と同様にして導電積層体103および延伸後の導電積層体103を得た。
Figure 2016136455
1:基材
2:アンダーコート層
3:カーボンナノチューブを含む層
4:オーバーコート層

Claims (6)

  1. 正面位相差が0nm以上100nm以下である基材の少なくとも片面にカーボンナノチューブを含む導電層を有する導電積層体であって、以下の(i)および(ii)を満たす導電積層体。
    (i)導電積層体を2倍延伸したときの表面抵抗値変化が1倍以上5倍以下
    (ii)導電積層体を2倍延伸したときの正面位相差が0nm以上100nm以下
  2. 前記基材がポリカーボネート樹脂、環状オレフィン樹脂、アクリル樹脂およびトリアセチルセルロース樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1つの樹脂を含む請求項1に記載の導電積層体。
  3. 導電積層体を2倍延伸したときの表面抵抗値が10Ω/□以上2,000Ω/□以下である請求項1または2に記載の導電積層体。
  4. 導電積層体を2倍延伸したときのヘイズが0%以上5%以下である請求項1〜3のいずれかに記載の導電積層体。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の導電積層体を用いた成型体。
  6. 導電積層体を前記基材のガラス転移点以上の温度環境下で1倍を超えて2倍以下で延伸する請求項5に記載の成型体の製造方法。
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