JP5570446B2 - 導電体およびその製造方法 - Google Patents
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本発明において用いられるカーボンナノチューブ[A]は、実質的にグラファイトの1枚面を巻いて筒状にした形状を有するものであれば特に限定されず、グラファイトの1枚面を1層に巻いた単層カーボンナノチューブ、多層に巻いた多層カーボンナノチューブいずれも適用できるが、中でもグラファイトの1枚面を2層に巻いた特に2層カーボンナノチューブがカーボンナノチューブ100本中50本以上であるとカーボンナノチューブの導電性ならびに塗布用分散液中でのカーボンナノチューブの分散性が極めて高くなることから好ましい。さらに好ましくは100本中75本以上が二層カーボンナノチューブ、最も好ましくは100本中80本以上が二層カーボンナノチューブである。また、2層カーボンナノチューブは酸処理などによって表面が官能基化されても導電性などの本来の機能が損なわれない点からも好ましい。
本発明においては、多糖類であるカルボキシメチルセルロースまたはその誘導体(以降、単にカルボキシメチルセルロース[B]と記す。)が、分散剤として用いられる。カルボキシメチルセルロース[B]がカーボンナノチューブを分散媒中に均一に孤立に分散させる理由については、次のように考えられる。カーボンナノチューブは、強固なバンドルを形成したり、互いに絡まり合い強固な凝集体を形成するため、分散媒中に孤立に分散させることが非常に困難である。カーボンナノチューブを分散媒中で孤立分散させるためには、カーボンナノチューブのグラファイトとπ電子相互作用しバンドルや凝集を解すこと、もしくはカーボンナノチューブとの疎水性相互作用によりバンドルや凝集を解すことが必要である。本発明においては、上記より孤立したカーボンナノチューブの分散液を得られるという観点から、多糖類ポリマーが有効に作用しているものと推測される。
本発明において用いられるカルボキシメチルセルロース[B]の重量平均分子量は、分散媒への溶解性と塗布用分散液の粘度上昇等を考慮して、1万〜100万であることが好ましい。
本発明において用いられる分散媒は、上記分散剤を溶解できる点、廃液の処理等、環境や防災上の観点から、水が好ましい。
本発明において用いる塗布用分散液の調製方法は、特に限定されないが、例えば次のような手順で行うことができる。分散時の処理時間が短縮できることから、一旦、分散媒中にカーボンナノチューブを0.003〜0.15質量%の濃度範囲で含まれる分散溶液を調製した後、希釈することで、所定の濃度とすることが好ましい。本発明において、カーボンナノチューブ[A]に対するカルボキシメチルセルロース[B]の質量比([B]の含有量/[A]の含有量)(以降、単に「質量比([B]/[A])」と略す)は0.5〜9である。質量比([B]/[A])が0.5より少ない場合は、均一に分散させることが困難になるため適さない。一方、質量比([B]/[A])が9より多い場合は、分散剤の増加による導電性の低下の影響が大きくなり、エステル化による安定性のメリットが失われてしまうため適さない。かかる観点より、質量比([B]/[A])は、1〜6であることが好ましい。調製時の分散手段としては、カーボンナノチューブと分散剤を分散媒中で塗装製造に慣用の混合分散機(例えばボールミル、ビーズミル、サンドミル、ロールミル、ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、超音波装置、アトライター、デゾルバー、ペイントシェーカー等)を用いて混合することが挙げられる。中でも、超音波装置を用いて分散する方法が、得られる塗布用分散液中のカーボンナノチューブの分散性が良好であることから好ましい。
本発明においては、以上のようにして得た塗布用分散液を基材上に塗布した後、乾燥させて未処理導電層を形成する。本発明に用いられる基材の素材としては、樹脂、ガラスなどを挙げることができる。樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、アラミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ乳酸、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチル、脂環式アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、トリアセチルセルロースなどを用いることができる。ガラスとしては、通常のソーダガラスを用いることができる。また、これらの複数の基材を組み合わせて用いることもできる。例えば、樹脂とガラスを組み合わせた基材、2種以上の樹脂を積層した基材などの複合基材であってもよい。樹脂フィルムにハードコートを設けたようなものであっても良い。基材の種類は上記に限定されることはなく、用途に応じて耐久性やコスト等から最適なものを選ぶことができる。
本発明の導電体の製造方法における未処理導電層の形成工程では、上記方法により得た塗布用分散液を基材に塗布し、その後分散媒を乾燥させてカーボンナノチューブを基材上に固定して未処理導電層を形成する。
塗布用分散液を基材上に塗布する際の塗布厚み(ウェット厚み)は塗布用分散液の濃度にも依存するため、望む表面抵抗値が得られるように適宜調整すればよい。本発明におけるカーボンナノチューブ塗布量は、導電性を必要とする種々の用途を達成するために、容易に調整可能である。例えば、塗布量が1mg/m2〜40mg/m2であれば表面抵抗値は100〜104Ω/□とすることができ、好ましい。さらに、塗布量を40mg/m2以下とすれば表面抵抗値を101Ω/□以下とすることができる。塗布量を30mg/m2以下とすれば表面抵抗値を102Ω/□以下とすることができる。さらに、塗布量が20mg/m2以下であれば、103Ω/□以下、塗布量が10mg/m2以下であれば104Ω/□以下とすることできる。
塗布用分散液を基材上に塗布する際、塗布ムラを抑制するため、塗布用分散液中に濡れ剤を添加しても良い。本発明の製造方法では塗布用分散液の分散媒に水を選択しているので、非親水性の表面を有する基材上に塗布する場合には界面活性剤やアルコール等の濡れ剤を塗布用分散液に添加することで、基材上で前記塗布用分散液がはじかれることなく塗布用分散液を塗布することができる。濡れ剤としては、アルコールが好ましく、アルコールの中でもメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールが好ましい。メタノール、エタノール、イソプロパノールなどの低級アルコールは揮発性が高いために塗布後の基材乾燥時に容易に除去可能である。場合によってはアルコールと水の混合液を用いても良い。
未処理導電層に所定の条件で接触させることによりエステル化処理を行うエステル化処理液は、酸触媒[D]とアルコール[E]とを、[E]に対する[D]の質量比([D]の含有量/[E]の含有量)(以降、質量比([D]/[E])と記す)が0.005〜0.1となるよう調製する。質量比([D]/[E])が0.005未満では得られるエステル化処理導電層の耐熱安定性、耐湿熱安定性向上の効果が十分に得られず、0.1を超えて増やしても同効果が頭打ちとなるためである。
上記処理により、カルボキシメチルセルロース[B]のカルボキシル基がエステル化することによる下記の質量変化が起こる。かかる質量変化は、カルボキシメチルセルロース[B]中のカルボキシル基の含有量に依存し、カルボキシメチルセルロース[B]の比で5〜30質量%の増加となる。すなわち、エステル化処理導電層におけるカーボンナノチューブ[A]と、カルボキシメチルセルロースのエステル化物[B’]との質量比([B’]の含有量/[A]の含有量)は、0.525〜11.7となり、これに伴い基材上のカルボキシメチルセルロースの単位面積当たりの質量が1.05〜52.0mg/m2となる。
上述した本発明の製造方法により耐熱安定性に優れた導電体が得られる。すなわち、150℃、1時間熱処理前後の表面抵抗値の変化が、該熱処理前の1.0〜1.2倍の範囲に収まり、導電性の低下率が非常に小さい。表面抵抗値の変化がこの範囲内にあることで、タッチパネル、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス、電子ペーパーなどの導電膜付き基材として好ましく用いることができる。すなわち、上記処理後の抵抗値変化が1.0〜1.2倍であることで、上記基材として誤差の小さい安定な動作を実現することができる。
上述した本発明の製造方法により耐湿熱安定性に優れた導電体が得られる。すなわち、60℃、相対湿度90%、1時間湿熱処理前後の表面抵抗値の変化が、該熱処理前の1.0〜1.4倍の範囲に収まり、導電性の低下率が小さい。表面抵抗値の変化がこの範囲内にあることで、タッチパネル、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス、電子ペーパーなどの導電膜付き基材として好ましく用いることができる。すなわち、上記処理後の抵抗値変化が1.0〜1.4倍であれば、上記基材として誤差の小さい安定な動作を実現することができる。
本発明の導電体の導電性について、表面抵抗値が1×100〜1×104Ω/□であることが好ましい。より好ましくは、表面抵抗値が1×100〜1×103Ω/□であることが好ましい。かかる表面抵抗値の範囲は、カーボンナノチューブの塗布量により調整することができる。表面抵抗値がこの範囲内にあることで、タッチパネル、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス、電子ペーパーなどの導電膜付き基材として好ましく用いることができる。すなわち、1×100Ω/□以上であれば、上記の基材として消費電力を少なくすることができ、1×104Ω/□以下であれば、タッチパネルの上記の座標読み取り時における誤差の影響が小さくすることができる。
本発明の導電体は、例えば、タッチパネル、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス、電子ペーパーなどのディスプレイ関連の電極として好ましく用いることができる。
なお、特にn数を示していないものは、n数2で測定を行っており、平均値を記している。
5cm×10cmにサンプリングした導電体の導電面の中央部を4端子法により室温下で以下に示すプローブを導電層側に密着させて抵抗値を測定した。用いた測定器はダイアインスツルメンツ(株)製の抵抗率計MCP−T360型、4探針プローブはダイアインスツルメンツ(株)製MCP−TPO3Pを用いた。
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC、島津製作所、10Aシリーズ(ポンプ、インジェクター等)LC Solution、使用カラム、昭和電工(株)社製 Shodex/Asahi GF−7M HQ)を用い、臭化リチウム水溶液(10mmol/l)をサンプル濃度0.48mg/ml、注入量100μl、Flow rate1.0ml/min、時間30minにて重量平均分子量(Mw)を測定した。
約24.6gのクエン酸鉄(III)アンモニウム(和光純薬工業社製)をイオン交換水6.2kgに溶解した。この溶液に、酸化マグネシウム(岩谷社製MJ−30)を約1000g加え、撹拌機で60分間激しく撹拌処理した後に、懸濁液を10Lのオートクレーブ容器中に導入した。この時、洗い込み液としてイオン交換水0.5kgを使用した。密閉した状態で160℃に加熱し6時間保持した。その後オートクレーブ容器を放冷し、容器からスラリー状の白濁物質を取り出し、過剰の水分を吸引濾過により濾別し、濾取物中に少量含まれる水分は120℃の乾燥機中で加熱乾燥した。得られた固形分は篩い上で、乳鉢で細粒化しながら、20〜32メッシュの範囲の粒径のものを回収した。左記の顆粒状の触媒体を電気炉中に導入し、大気下600℃で3時間加熱した。かさ密度は0.32g/mLであった。また、濾液をエネルギー分散型X線分析装置(EDX)により分析したところ鉄は検出されなかった。このことから、添加したクエン酸鉄(III)アンモニウムは全量酸化マグネシウムに担持されたことが確認できた。さらに触媒体のEDX分析結果から、触媒体に含まれる鉄含有量は0.39質量%であった。
触媒調製例に従い調製した固体触媒体132gをとり、鉛直方向に設置した反応器の中央部の石英焼結板上に導入した。反応管内温度が約860℃になるまで、触媒体層を加熱しながら、反応器底部から反応器上部方向へ向けてマスフローコントローラーを用いて窒素ガスを16.5L/minで供給し、触媒体層を通過するように流通させた。その後、窒素ガスを供給しながら、さらにマスフローコントローラーを用いてメタンガスを0.78L/minで60分間導入して触媒体層を通過するように通気し、反応させた。この際の固体触媒体の質量をメタンの流量で割った接触時間(W/F)は、169min・g/L、メタンを含むガスの線速は6.55cm/secであった。メタンガスの導入を止め、窒素ガスを16.5L/min通気させながら、石英反応管を室温まで冷却した。
カーボンナノチューブ含有組成物製造工程1で得られた触媒付きカーボンナノチューブ組成物を115g用いて4.8Nの塩酸水溶液2000mL中で1時間撹拌することで触媒金属である鉄とその担体であるMgOを溶解した。得られた黒色懸濁液は濾過した後、濾取物は再度4.8Nの塩酸水溶液400mLに投入し脱MgO処理をし、濾取した。この操作を3回繰り返し、触媒が除去されたカーボンナノチューブ組成物を得た。上記のカーボンナノチューブ組成物を約300倍の質量の濃硝酸(和光純薬工業社製 1級 Assay60〜61%)に添加した。その後、約140℃のオイルバスで25時間攪拌しながら加熱還流した。加熱還流後、カーボンナノチューブ含有組成物を含む硝酸溶液をイオン交換水で3倍に希釈して吸引ろ過した。イオン交換水で濾取物の懸濁液が中性となるまで水洗後、水を含んだウェット状態のままカーボンナノチューブ組成物を保存した。このカーボンナノチューブ組成物の平均外径は1.7nmであった。また2層カーボンナノチューブの割合は100本中90本であり、波長633nmで測定したラマンG/D比は79であり、燃焼ピーク温度は725℃であった。
20mLの容器に上記製造工程1,2を経て得られた含水ウェット状態のカーボンナノチューブ組成物を乾燥時換算で15mg分秤量し、1質量%カルボキシメチルセルロースナトリウム(ダイセル社製40kDa,50〜200cps)水溶液1.5gを量りとり、イオン交換水を加え10gにした。アンモニアを用いてpHを10.0に合わせ超音波ホモジナイザー出力20W、7.5分間で氷冷下分散処理しカーボンナノチューブ液を調製した。分散中液温が10℃以下となるようにした。得られた液を高速遠心分離機にて10000G、15分遠心し、上清9mLを得た。この上清液にイオン交換水を添加し、カーボンナノチューブが0.15質量%となるように濃度を調整し塗布用分散液1を得た。
20mLの容器に上記製造工程1,2を経て得られた含水ウェット状態のカーボンナノチューブ組成物を乾燥時換算で15mg分秤量し、1質量%カルボキシメチルセルロースナトリウム(ダイセル社製11kDa,50〜200cps)水溶液9.0gを量りとり、イオン交換水を加え10gにした。アンモニアを用いてpHを10.0に合わせ超音波ホモジナイザー出力20W、7.5分間で氷冷下分散処理しカーボンナノチューブ液を調製した。分散中液温が10℃以下となるようにした。得られた液を高速遠心分離機にて10000G、15分遠心し、上清9mLを得た。この上清液にイオン交換水を添加し、カーボンナノチューブが0.15質量%となるように濃度を調整し塗布用分散液2を得た。
上記塗布用分散液1または2にイオン交換水を添加してそれぞれカーボンナノチューブ含有量を0.04質量%、0.03質量%に調整後、基材としてコロナ処理を行ったPETフィルム(東レ(株)製ルミラーU46)を用い、該PETフィルム上にワイヤーバーを用いて塗布して、125℃乾燥機内で1分間乾燥させカーボンナノチューブ組成物を固定化した。以下の各実施例では、本処方で作成したものをカーボンナノチューブ塗布フィルムとして用いた。
塗布用分散液1をワイヤーバー#10を用いて塗布し作成したカーボンナノチューブ塗布フィルム(塗布量6.0mg/m2)を、エタノール90gに濃硫酸5gを加えた処理液中に浸積し、水浴中で80℃、20分間加熱した後、流水にて水洗、乾燥した。その後以下のように、耐湿熱性試験を行った。恒温恒湿槽の中で、60℃、相対湿度90%の雰囲気下で1時間放置(以降、単に湿熱処理と記す)し、湿熱処理前、湿熱処理後、湿熱処理後を起点として2時間後、52時間後の各時点での表面抵抗値を測定し、図1の(A)に示した(図中、湿熱処理後を起点として2時間後および52時間後の各時点は、「2hr後」、「52hr後」とそれぞれ略記した。以下同様に略している)。なお、処理後とは、恒温槽からサンプルを20℃の雰囲気下に出し25℃まで降温した時点とした(以下同じ)。
実施例1と同様の条件で作成したカーボンナノチューブ塗布フィルムを作製した後、以下のように耐熱性試験を行った。熱風オーブン中で、150℃、1時間放置(以降、単に熱処理と記す)し、熱処理前、熱処理後、熱処理後を起点として3時間後の各時点での表面抵抗値を測定し、図2の(A)に示した。
塗布用分散液1をワイヤーバー#3を用いて塗布し作成したカーボンナノチューブ塗布フィルム(塗布量1.8mg/m2)に、エタノール90gに濃硫酸0.5gを加えた処理液をワイヤーバー#26を用いてバーコートし、常温で1分放置後、さらに40℃、2分の乾燥を行い、流水にて水洗、乾燥した。その後、耐湿熱性試験を行った。湿熱処理前、湿熱処理後の各時点での表面抵抗値を測定し、図3の例3(A)に示した。
塗布用分散液1をワイヤーバー#3を用いて塗布し作成したカーボンナノチューブ塗布フィルム(塗布量1.8mg/m2)に、エタノール90gに濃塩酸0.5gを加えた処理液をワイヤーバー#26を用いてバーコートし、常温で1分放置後、さらに40℃、2分乾燥した。その後、耐湿熱性試験を行った。湿熱処理前、処理後の各時点での表面抵抗値を測定し、図3の例4(A)に示した。
実施例4と同様の条件で作成したカーボンナノチューブ塗布フィルムにバーコートした後、耐熱性試験を行った。熱処理前、熱処理後、熱処理後を起点として24時間後の各時点での表面抵抗値を測定し、図4の例5(A)に示した。
塗布用分散液2をワイヤーバー#5を用いて塗布し作成したカーボンナノチューブ塗布フィルム(塗布量2.25mg/m2)に、エタノール90gに濃硫酸0.5gを加えた処理液をワイヤーバー#26を用いてバーコートし、常温で1分放置後、さらに40℃、2分の乾燥を行い、流水にて水洗、乾燥した。その後、耐湿熱性試験を行った。湿熱処理前、湿熱処理後の各時点での表面抵抗値を測定し、図5の例6(A)に示した。
実施例6と同様の条件で作成したカーボンナノチューブ塗布フィルムにバーコートした後、耐熱性試験を行った。熱処理前、熱処理後を起点として3時間後の各時点での表面抵抗値を測定し、図6の例7(A)に示した。
塗布用分散液1をワイヤーバー#3、10を用いて塗布し作成したカーボンナノチューブ塗布フィルム(塗布量1.8mg/m2:比較例1−1、6.0mg/m2:比較例1−2)を得、それぞれに耐湿熱性試験を行った。
比較例1−1:湿熱処理前、湿熱処理後の各時点での表面抵抗値を測定し、図3の例1(B)に示した。
比較例1−2:湿熱処理前、湿熱処理後、湿熱処理後を起点として2時間後、52時間後の各時点での表面抵抗値を測定し、図1の(B)に示した。
塗布用分散液1をワイヤーバー#3、10を用いて塗布し作成したカーボンナノチューブ塗布フィルム(塗布量1.8mg/m2:比較例2−1、6.0mg/m2:比較例2−2)を得、それぞれに耐熱性試験を行った。
比較例2−1:熱処理前、熱処理後、熱処理後を起点として24時間後の各時点での表面抵抗値を測定し、図4の例2(B)に示した。
比較例2−2:熱処理前、熱処理後、熱処理後を起点として3時間後の各時点での表面抵抗値を測定し、図2の(B)に示した。
塗布用分散液2をワイヤーバー#5を用いて塗布し作成したカーボンナノチューブ塗布フィルム(塗布量2.25mg/m2)を、流水にて水洗後、耐湿熱性試験を行った。湿熱処理前、湿熱処理後の各時点での表面抵抗値を測定し、図5の例3(B)に示した。
塗布用分散液2をワイヤーバー#5を用いて塗布し作成したカーボンナノチューブ塗布フィルム(塗布量2.25mg/m2)を、流水にて水洗後、耐熱性試験を行った。熱処理前、熱処理後を起点として3時間後の各時点での表面抵抗値を測定し、図6の例4(B)に示した。
Claims (3)
- カーボンナノチューブ[A]と、カルボキシメチルセルロース[B]とが、[A]に対する[B]の質量比([B]の含有量/[A]の含有量)が0.5〜9で含まれる、水[C]を分散媒とした分散液を、基材上に[A]を1〜40mg/m2の範囲となるよう塗布し乾燥した塗布面に、酸触媒[D]とアルコール[E]とを、[E]に対する[D]の質量比([D]の含有量/[E]の含有量)が0.005〜0.1である処理液を25℃〜100℃、5秒〜20分の条件で接触させた後、乾燥させることを特徴とする導電体の製造方法。
- アルコールの炭素数が1〜4である請求項1に記載の透明導電体の製造方法。
- 処理液の接触方法が浸漬もしくは塗布であることを特徴とする請求項1または2に記載の導電体の製造方法。
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