JP2016071342A - 凹凸構造を有する物品の製造方法および凹凸構造を有する物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】凹凸の高低差が大きい凹凸構造を有する物品の製造方法および凹凸構造を有する物品を提供すること。
【解決手段】重合性化合物と、オキシムエステル系光重合開始剤及びアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤から選択された少なくとも一種の光重合開始剤と、セルロースアシレートと、を含む層を形成する工程と、上記層の表面にパターン露光する工程と、上記パターン露光後の層を加熱する工程と、を有し、上記パターン露光の非露光部が凹部となる凹凸構造を形成する、凹凸構造を有する物品の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、凹凸構造を有する物品の製造方法、およびこの製造方法により製造された凹凸構造を有する物品に関する。
パターニングにより物品に凹凸構造を形成する技術は、液晶表示装置等のフラットパネルディスプレイ用途、半導体製造分野、バイテクノロジー、医薬分野等の様々な用途・分野に用いられている。
パターニングを用いる技術としては、パターン露光と現像工程を経て物品表面に凹凸構造を形成するフォトレジストが広く用いられている。フォトレジストでは、パターン露光された部分(露光部)が凸部となるタイプはネガ型、露光部が凹部となるタイプはポジ型と呼ばれる。ネガ型では、パターン露光によって露光部の現像液に対する溶解性が低下することで、パターン露光で露光されなかった部分(未露光部)は現像工程において現像液により溶解除去され露光部は溶解せずに残ることにより、露光部が凸部となる凹凸構造が形成される。一方、ポジ型ではこの逆に、パターン露光により露光部の現像液に対する溶解性が高まることにより、現像工程において露光部が溶解除去される結果、露光部が凹部となる凹凸構造が形成される。
これに対し特許文献1には、基板上に形成された感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層に対してパターン露光し、その後に加熱処理を施すことにより、現像工程を経ることなく凹凸構造を形成する表面凹凸形成方法が開示されている。
特開2004−37518号公報
特許文献1には、活性エネルギー線を照射された部分の膜厚が、活性エネルギー線を照射されていない部分の膜厚に比べて増加し、後加熱を行うことで、活性エネルギー線を照射された部分と照射されない部分との膜厚差が顕著になることが記載されている(特許文献1の段落0006参照)。
上記の特許文献1に記載の表面凹凸形成方法は、現像工程を経ることなく凹凸構造を形成することができるため、前述のフォトレジストと比べ、工程簡略化、現像液不使用によるコスト低減等の点で好ましい方法と言える。
一方、近年、各種分野では、用途に応じた様々な形状・サイズの凹凸構造を形成することが求められている。一例として、反射防止用途に用いられるフィルム(反射防止フィルム)については、フィルム表面に、凸部同士の間隔が光の波長以下のサイズの凹凸構造を形成することにより、その光に対する反射率を低減(反射防止)することができる。したがって、より短波長の光の反射を防止するためには、フィルム表面に、より大きい高低差で微細な凹凸構造を形成することが求められる。
なおここで凹凸構造について微細とは、凸部同士の間隔が狭いことをいうものとする。微細凹凸は、凸型の構造でも凹型の構造でも反射防止性能を得ることが出来る。また一つの構造が周期的に並んだものでもランダムに並んだものでも反射防止性能を得ることが出来る。凹凸構造の深さ(最高部と最低部の距離)は50〜1000nmが好ましく、120〜400nmがより好ましく、150〜300nmが特に好ましい。凸部の高さが50nm以上であれば、反射率が十分低くなり、かつ反射率の波長依存性が少ない。凸部の高さが1000nm以下であれば、凸部の耐擦傷性が良好となる。凸部間もしくは凹部間の平均間隔は50〜400nmが好ましく、100〜300nmがより好ましく、150〜200nmが特に好ましい。凸部の高さが50nm以上であれば、反射率が十分低くなり、かつ反射率の波長依存性が少ない。平均間隔が400nm以下であれば、回折光による虹色の着色が抑えられる。平均間隔が50nm以下であれば耐擦傷性が良好となる。
しかしながら、従来の方法では、要求される大きい高低差で微細な凹凸構造を形成することは困難であった。
本発明の目的は、微細な凹凸構造であって、凹凸の高低差が大きい(凸部の高さが大きい)凹凸構造を有する物品の製造方法および凹凸構造を有する物品を提供することにある。
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、重合性化合物と、オキシムエステル系光重合開始剤及びアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤から選択された少なくとも一種の重合開始剤と、セルロースアシレートと、を含む層を形成する工程と、上記層の表面にパターン露光する工程と、上記パターン露光後の層を加熱する工程と、により、上記パターン露光の非露光部が凹部となる高低差が大きい凹凸構造を形成することができることを見出した。
以下は、本発明を何ら限定するものではないが、上記凹凸構造を有する物品の製造方法により、高低差が大きい微細な凹凸構造の形成が可能となる理由について、本発明者らは次のように考えている。
まず重合性化合物と、オキシムエステル系光重合開始剤及びアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤から選択された少なくとも一種の重合開始剤と、セルロースアシレートと、を含む層を形成する工程と、上記層の表面にパターン露光する工程と、により、層の表面の露光部において重合性化合物が重合し硬化する。その後、加熱することにより、パターン露光では未反応であった重合性化合物の重合が進行し、いわゆる重合収縮が発生する。本発明においては、層中に、紫外線に対する感度が高い特定の光重合開始剤が含まれており、パターン露光した領域が高い割合で重合硬化したり、フィルム内部まで硬化するため、その後の加熱時に大きな形状変化を起こしにくくすることができる。したがって、パターン露光した領域と加熱重合した領域との収縮差を大きくすることができ、微細なパターンを用いた場合であっても高低差(段差)が大きい凹凸構造を形成することができる。
また、このように凸部と凹部との高低差(段差)が大きいことは、明確な凹凸と認識される凹凸形状の形成を可能とするため、微細凹凸構造に限らず様々な形状・サイズの凹凸構造の形成に有効である。
ただし、以上の記載は本発明者らによる推察を含むものであり、本発明を何ら限定するものではない。
[1]
重合性化合物と、オキシムエステル系光重合開始剤及びアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤から選択された少なくとも一種の光重合開始剤と、セルロースアシレートと、を含む層を形成する工程と、
上記層の表面にパターン露光する工程と、
上記パターン露光後の層を加熱する工程と、
を有し、上記パターン露光の非露光部が凹部となる凹凸構造を形成する、凹凸構造を有する物品の製造方法。
[2]
上記層を形成する工程が、支持体上に、重合性化合物と、オキシムエステル系光重合開始剤及びアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤から選択された少なくとも一種の光重合開始剤と、セルロースアシレートと、を含む組成物を流延して層を形成する工程であり、
次いで、上記層を上記支持体から剥ぎ取る工程を有し、
上記剥ぎ取った層に対して、上記パターン露光する工程を行う、[1]に記載の凹凸構造を有する物品の製造方法。
[3]
上記層中におけるセルロースアシレートの質量に対する重合性化合物の質量は、50質量%以上150質量%以下である、[1]又は[2]に記載の凹凸構造を有する物品の製造方法。
[4]
上記層中における重合性化合物の質量に対する光重合開始剤の質量は、5質量%以上25質量%以下である、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の凹凸構造を有する物品の製造方法。
[5]
重合性化合物と、オキシムエステル系光重合開始剤及びアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤から選択された少なくとも一種の光重合開始剤と、セルロースアシレートと、を含む第1の層、及び、
樹脂を含有する第2の層を有する積層体を形成する工程と、
上記第1の層の表面にパターン露光する工程と、
上記パターン露光後の第1の層を加熱する工程と、
を有し、上記パターン露光の非露光部が凹部となる凹凸構造を形成する、凹凸構造を有する物品の製造方法。
[6]
上記第1の層を形成する工程が、支持体上に、重合性化合物と、オキシムエステル系光重合開始剤及びアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤から選択された少なくとも一種の光重合開始剤と、セルロースアシレートと、を含む組成物を流延して第1の層を形成する工程であり、
次いで、上記第1の層を上記支持体から剥ぎ取る工程を有し、
上記剥ぎ取った第1の層に対して、上記パターン露光する工程を行う、[5]に記載の凹凸構造を有する物品の製造方法。
[7]
上記第1の層中におけるセルロースアシレートの質量に対する重合性化合物の質量は、50質量%以上1000質量%以下である、[5]又は[6]に記載の凹凸構造を有する物品の製造方法。
[8]
上記第1の層中における重合性化合物の質量に対する光重合開始剤の質量は、5質量%以上25質量%以下である、[5]〜[7]のいずれか1項に記載の凹凸構造を有する物品の製造方法。
[9]
上記パターン露光する工程において、光照射量を50mJ/cm以上1000mJ/cm以下とする、[1]〜[8]のいずれか1項に記載の凹凸構造を有する物品の製造方法。
[10]
上記重合性化合物は、エチレン性不飽和結合を含む重合性基を有する[1]〜[9]のいずれか1項に記載の凹凸構造を有する物品の製造方法。
[11]
上記エチレン性不飽和結合を含む重合性基は、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリロイル基およびメタクリロイル基からなる群から選ばれる重合性基である[10]に記載の凹凸構造を有する物品の製造方法。
[12]
上記重合性化合物は、2官能以上の多官能重合性化合物である[1]〜[11]のいずれか1項に記載の凹凸構造を有する物品の製造方法。
[13]
上記物品は長尺状フィルムである、[1]〜[12]のいずれか1項に記載の凹凸構造を有する物品の製造方法。
[14]
[1]〜[13]のいずれか1項に記載の製造方法により製造され、凸部の平均高さが凹凸の平均長さに対して1%以上である、凹凸構造を有する物品。
[15]
凹凸構造を有する面から厚み方向に向かって、上記重合性化合物の重合体の濃度が低下する濃度勾配を有する、[14]に記載の凹凸構造を有する物品。
本発明によれば、凹凸の高低差が大きい凹凸構造を有する物品の製造方法および凹凸構造を有する物品を提供することが可能となる。
非接触方式によるパターン露光工程を示す模式図である。 パターン露光後の層構造を示す模式図である。 加熱後の層構造を示す模式図である。 本発明において用いることができるパターニングフォトマスクの形状を示す模式図である。 本発明において用いることができるパターニングフォトマスクの形状を示す模式図である。 本発明において用いることができるパターニングフォトマスクの形状を示す模式図である。 本発明において用いることができるパターニングフォトマスクの形状を示す模式図である。
以下の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本発明および本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
[凹凸構造を有する物品の製造方法]
本発明の第1の形態に係る凹凸構造を有する物品の製造方法は、重合性化合物と、オキシムエステル系光重合開始剤及びアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤から選択された少なくとも一種の光重合開始剤と、セルロースアシレートと、を含む層を形成する工程と、上記層の表面にパターン露光する工程と、上記パターン露光後の層を加熱する工程と、を有し、上記パターン露光の非露光部が凹部となる凹凸構造を形成するものである。
以下、本明細書においては、上記重合性化合物と、光重合開始剤と、セルロースアシレートと、を含む層を単層体という。
また、本発明の第2の形態に係る凹凸構造を有する物品の製造方法は、重合性化合物と、オキシムエステル系光重合開始剤及びアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤から選択された少なくとも一種の光重合開始剤と、セルロースアシレートと、を含む第1の層、及び、樹脂を含有する第2の層を有する積層体形成する工程と、上記第1の層の表面にパターン露光する工程と、上記パターン露光後の層を加熱する工程と、を有し、上記パターン露光の非露光部が凹部となる凹凸構造を形成するものである。第2の形態に係る凹凸構造を有する物品の製造方法によれば、凹凸の高低差を大きくすることに加え、物品の脆性も改良することができる。
以下、本明細書においては、上記第1の層と第2の層を合わせた層を積層体という。
以下、上記製造方法について、更に詳細に説明する。
先ず、層(単層体及び第1の層)を形成するための組成物について説明する。
<重合性化合物>
重合性化合物とは、1分子中に少なくとも1つの重合性基を有する化合物である。そのような化合物であれば、モノマーであっても、オリゴマーやプレポリマー等の多量体であってもよい。重合性化合物としては、1分子中に含まれる重合性基の数が1つである単官能重合性化合物を用いてもよく、1分子中に含まれる重合性基の数が2つ以上である多官能化重合性合物を用いてもよく、単官能重合性化合物と多官能重合性化合物とを任意に割合で混合して用いてもよい。また、多官能重合性化合物として、異なる種類の多官能重合性化合物を任意の割合で混合して用いてもよい。これら重合性化合物の分子量は、例えば80以上30,000以下であるが、特に限定されるものではない。なお本発明において分子量とは、多量体については、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量を言うものとする。具体的な測定条件の一例としては、以下の測定条件を挙げることができる。
GPC装置:HLC−8120(東ソー製):
カラム:TSK gelMultipore HXL−M(東ソー製、7.8mmID(内径)×30.0cm)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
重合性基としては、ラジカル重合性基であってもカチオン重合性基であってもよく、ラジカル重合性基が好ましい。凹凸構造形成の観点から好ましい重合性基としては、エチレン性不飽和結合含有基、エポキシ基、オキセタン基、メチロール基等の重合性基を挙げることができ、エチレン性不飽和結合含有基がより好ましい。エチレン性不飽和結合含有基としては、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基を挙げることができ、(メタ)アクリロイルオキシ基および(メタ)アクリロイル基がより好ましく、(メタ)アクリロイルオキシ基がいっそう好ましい。なお本発明において、「(メタ)アクリロイルオキシ基」との記載は、アクリロイルオキシ基とメタクリロイルオキシ基の少なくともいずれかの意味で用いるものとする。「(メタ)アクリロイル基」、「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリル」等も同様である。多官能重合性化合物に含まれる重合性基の数は1分子中に2以上であり、好ましくは2〜20の範囲であり、より好ましくは3〜12の範囲である。
多官能重合性化合物の好ましい一態様としては、エチレン性不飽和結合含有基を1分子中に2つ以上有する多官能性(メタ)アクリレート系化合物を挙げることができる。
具体例として、2官能(メタ)アクリレートとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエトキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラプロポキシジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。市販品の一例としては、共栄社化学製:ライトアクリレートNP−A(ネオペンチルグリコールジアクリレート、分子量212)等を挙げることもできる。
3官能以上の(メタ)アクリレート系化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性トリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。市販品の一例としては、新中村化学製:A−TMMT(ペンタエリスリトールテトラアクリレート)、日本化薬製:KAYARAD(日本登録商標)DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)、東亜合成製:アロニックス(日本登録商標)M−309(トリメチロールプロパントリアクリレート)等を挙げることもできる。
また、上記(メタ)アクリレート系化合物は、分子骨格の一部が変性されているものでもよい。例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、カプロラクトン、イソシアヌル酸、アルキル、環状アルキル、芳香族、ビスフェノール等による変性がなされたものを使用することができる。
また、多官能重合性化合物としては、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート系重合体等を挙げることもできる。これらの中でも、例えば透明性等の点からウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。ウレタン(メタ)アクリレートは、多価アルコールおよび有機ジイソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレートとの反応によって得ることができる。
上記多価アルコールとしては、例えば、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、トリシクロデカンジメチロール、ビス−[ヒドロキシメチル]−シクロヘキサン等;上記多価アルコールと多塩基酸(例えば、コハク酸、フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、テトラヒドロ無水フタル酸等)との反応によって得られるポリエステルポリオール;上記多価アルコールとε−カプロラクトンとの反応によって得られるポリカプロラクトンポリオール;ポリカーボネートポリオール(例えば、1,6−ヘキサンジオールとジフェニルカーボネートとの反応によって得られるポリカーボネートジオール等);および、ポリエーテルポリオールを挙げることができる。上記ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、エチレンオキサイド変性ビスフェノールA等を挙げることができる。
上記有機ポリイソシアネートとしては、例えばイソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジシクロペンタニルイソシアネート等のイソシアネート化合物、これらイソシアネート化合物の付加体、またはこれらイソシアネートの多量体等が挙げられる。
上記ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジメチロールシクロヘキシルモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシカプロラクトン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
中でも、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートであることが、製造される物品の高硬度化の面から好ましい。
上記ウレタン(メタ)アクリレートは、6官能以上であることが好ましく、6〜15官能であることがより好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、日本合成化学工業社製:UV1700B(重量平均分子量2000、10官能)、UV7600B(重量平均分子量1500、6官能)、日本化薬社製:DPHA40H(重量平均分子量7000、10官能)、UX5003(重量平均分子量700、6官能)、根上工業社製:UN3320HS(重量平均分子量5000、15官能)、UN904(重量平均分子量4900、15官能)、UN3320HC(重量平均分子量1500、10官能)、UN3320HA(重量平均分子量1500、6官能)、荒川化学工業社製:BS577(重量平均分子量1000、6官能)、および、新中村化学工業社製:U15HA(重量平均分子量2300、15官能)、U−6LPA(重量平均分子量800、6官能)、等を挙げることができる。
多官能重合性化合物としては、1分子中に1つ以上のフッ素原子を含むフッ素含有重合性化合物、1分子中に1つ以上のシロキサン結合を有するシリコーン系重合性化合物等を用いることもできる。フッ素含有重合性化合物としては、例えば、特開2013−130865公報段落0077〜0103に記載の各種化合物を用いることができる。一方、シリコーン系重合性化合物については、特開2013−130865公報段落0141および特開2012−103689号公報0119〜0120を参照できる。
単官能性化合物としては、特に限定されるものではない。例えば、WO2012/077807A1段落0022に記載の単官能(メタ)アクリレート系化合物、特開2008−178995号公報段落0022に記載のビニル結合を1分子中に1つのみ有する単官能重合性化合物、特開2008−119684号公報段落0022に記載の単官能ラジカル重合性モノマー等を使用することができる。
層中のセルロースアシレートに対する重合性化合物濃度は、特に限定されるものではないが、高低差が大きい凹凸構造の形成を容易にする観点から、重合性化合物を含む層が単層の場合はセルロースアシレート100質量部に対して50質量部以上とすることが好ましい。一方、フィルム作製の観点からは、セルロースアシレート100質量部に対する重合性化合物量を150質量部以下とすることが好ましい。
また、重合性化合物を含む第1の層の場合はセルロースアシレート100質量部に対して50質量以上とすることが好ましい。一方、フィルム作製の観点からは、セルロースアシレート100質量部に対する重合性化合物量を、1000質量部以下にすることが好ましい。
<オキシムエステル系光重合開始剤及びアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤から選択された少なくとも一種の重合開始剤>
本発明においては、層を形成するための組成物中に、紫外線に対する感度が高いオキシムエステル系光重合開始剤及びアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤から選択された少なくとも一種の重合開始剤を含有させることにより、パターン露光した領域と加熱重合した領域との収縮差を大きくして、高低差が大きい凹凸構造を形成することができる。
オキシムエステル系光重合開始剤及びアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤から選択された少なくとも一種の重合開始剤としては、市販のものを用いることができる。例えば、オキシムエステル系光重合開始剤としては、Irgacure Oxe01(BASFジャパン社製)、Irgacure Oxe02(BASFジャパン社製)、Irgacure Oxe03(BASFジャパン社製)、NCI 930(ADEKA社製)、NCI 831(ADEKA社製)を挙げることができ、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、Irgacure 819(BASFジャパン社製)、LUCILIN TPO(BASFジャパン社製)を挙げることができる。
以上記載した光重合開始剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を任意の割合で組み合わせて用いてもよい。光重合開始剤は、パターン露光による重合反応を良好に進行させる観点から、層中の重合性化合物の質量に対する光重合開始剤の質量は、5質量%以上25質量%以下であることが好ましい。
また、重合性化合物を含む第1の層の場合も、重合性化合物の質量に対する光重合開始剤の質量は、5質量%以上25質量%以下であることが好ましい。
(増感剤)
本発明においては、層を形成するための組成物中に、増感剤を用いることができる。増感剤は、例えば光重合開始剤が露光光源に対し適正な吸収を持たない場合に、適宜用いることが出来る。
本発明に用いることができる増感剤としては、活性光線を吸収し、光重合開始剤に対して電子移動機構又はエネルギー移動機構で増感させるものであれば、特に制限なく使用することができる。
増感剤としては、アントラセン誘導体、アクリドン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ベーススチリル誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体が好ましい。
アントラセン誘導体としては、アントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジクロロアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9−ヒドロキシメチルアントラセン、9−ブロモアントラセン、9−クロロアントラセン、9,10−ジブロモアントラセン、2−エチルアントラセン、9,10−ジメトキシアントラセンが好ましい。
アクリドン誘導体としては、アクリドン、N−ブチル−2−クロロアクリドン、N−メチルアクリドン、2−メトキシアクリドン、N−エチル−2−メトキシアクリドンが好ましい。
チオキサントン誘導体としては、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントンが好ましい。クマリン誘導体としては、クマリン−1、クマリン−6H、クマリン−110、クマリン−102が好ましい。
ベーススチリル誘導体としては、2−(4−ジメチルアミノスチリル)ベンゾオキサゾール、2−(4−ジメチルアミノスチリル)ベンゾチアゾール、2−(4−ジメチルアミノスチリル)ナフトチアゾールが挙げられる。
ジスチリルベンゼン誘導体としては、ジスチリルベンゼン、ジ(4−メトキシスチリル)ベンゼン、ジ(3,4,5−トリメトキシスチリル)ベンゼンが挙げられる。
また、増感剤は、1種単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
増感剤は、感度、透明性の両立の観点から、光重合開始剤100質量部に対して、20〜300質量部が好ましく、30〜200質量部が特に好ましい。
また、光重合開始剤は、重合性化合物等の他の成分とともに組成物に混合してもよく、組成物から形成した層のパターン露光される部分にスポット状に塗布することにより浸透させて添加してもよい。
<セルロースアシレート>
層中には、バインダーとしてセルロースアシレートを含む。セルロースアシレートを用いることにより、物品のフィルム生産性(及び脆性)を向上させることができる。
セルロースアシレートとしては、特に制限はない。セルロースアシレートにおいて、セルロースの水酸基の置換するアシル基の詳細については、特開2012−215812号公報段落0017を参照できる。好ましくは、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基であり、より好ましくはアセチル基、プロピオニル基であり、更に好ましくはアセチル基である。溶剤溶解性等の観点からは、アセチル置換度が2.7以上のセルロースアシレートが好ましく、より好ましくは2.75以上、更に好ましくは2.82以上である。一方、光学性能の観点からは、アセチル置換度が2.95以下のセルロースアシレートが好ましく、より好ましくは2.90以下、更に好ましくは2.89以下である。同様の観点から、セルロースアシレートの総アシル置換度も、アセチル置換度について上記した範囲にあることが好ましい。なお総アシル置換度およびアセチル置換度は、ASTM−D817−96に規定の方法に準じて測定することができる。アシル基で置換されていない部分は通常水酸基として存在している。その他、セルロースアシレートの詳細については、特開2012−215812号公報段落0018〜0020も参照できる。
セルロースアシレートは、フィルム生産性の観点から、層を形成する組成物全量を100質量部として25質量部以上含まれることが好ましく、50質量部以上含まれることがより好ましい。また、凹凸形成の観点からは、組成物100質量部に対して500質量部以下の使用が好ましく、200質量部以下であることがより好ましい。
次に、第2の層を形成するための組成物について説明する。
<樹脂>
第2の層は、少なくとも、一種または二種以上の樹脂を含む層である。第2の層に含まれる樹脂は、有機溶剤可溶性樹脂であってもよく、有機溶剤不溶性樹脂であってもよい。塗布層の製膜適性等の観点からは、有機溶剤可溶性樹脂が好ましい。なお、本発明において、層は、好ましくは流延製膜により形成することができ、有機溶剤可溶性樹脂を含むことは、流延製膜の製膜性の観点からも好ましい。本発明において「有機溶剤可溶性」とは、液温25℃の有機溶剤に1質量%以上溶解することを言うものとする。ここでいう有機溶剤とは、例えば、炭素数1以上8以下の有機化合物からなる群から選ばれる一種または複数を任意の割合で混合した組成物で、25℃1気圧において液体であるものを言う。具体的には、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1−オクタノール、エチレングリコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)等のエステル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化アルキル類、およびこれらを任意の割合で混合した組成物が挙げられる。ただし、本発明において層を形成するための組成物が溶剤を含む場合、溶剤は上記のものに限定されるものではない。また、一般に、重合性化合物は有機溶剤可溶性を示すことが多く、重合性化合物の重合体は有機溶剤可溶性を示さないことが多い。
第2の層を形成するための組成物中における樹脂濃度は、製膜適性の観点からは、層を形成するための組成物全量100質量%に対して、例えば1〜40質量%の範囲であることが好ましい。製膜の容易性の観点からは、5質量%以上であることがより好ましく、10質量%以上であることが更に好ましい。また、例えば流延製膜を行う際の送液の容易性の観点からは、35質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることが更に好ましい。
第2の層は、少なくとも樹脂を含む層(樹脂含有層)であり、樹脂を主成分とする層であることが好ましい。ここで主成分とは、層を構成する全固形分において最も多くを占める成分をいう。本発明者らは、第2の層の全固形分において樹脂が最も多くを占めることは、加熱による樹脂の収縮により大きな形状変化をもたらすことに寄与し、これにより凸部と凹部の高低差(段差)を大きくすることができると考えている。この点から、第2の層における樹脂濃度は、第2の層の全固形分(溶剤を除く成分の合計)100質量%に対して、好ましくは80質量%以上であり、より好ましくは85質量%以上であり、さらに好ましくは90質量%以上である。また、第2の層における樹脂濃度は、第2の層の全固形分100質量%に対して、例えば95質量%以下であってもよく、また、100質量%(つまり固形分が樹脂のみ)であることも好ましい。
有機溶剤可溶性樹脂の好ましい具体例としては、(a)セルロースアシレート、 (b)(メタ)アクリル系樹脂を挙げることができる。以下、これら有機溶剤可溶性樹脂の具体的態様について説明するが、本発明は下記の態様に限定されるものではない。有機溶剤可溶性樹脂としては、前述の規定に該当するものであれば、何ら制限なく用いることができる。
(a)セルロースアシレート
セルロースアシレートとしては、上述したものを挙げることができる。
(b)(メタ)アクリル系樹脂
(メタ)アクリル系樹脂は、メタクリル系樹脂とアクリル系樹脂の両方を含む概念である。また、(メタ)アクリル系樹脂には、アクリレートエステルとメタクリレートエステルとの共重合体も含まれる。(メタ)アクリル系樹脂の繰り返し構造単位は、特に限定されない。(メタ)アクリル系樹脂は、繰り返し構造単位として(メタ)アクリル酸エステル単量体由来の繰り返し構造単位を有することが好ましい。
(メタ)アクリル系樹脂は、繰り返し構造単位として、更に、水酸基含有単量体、不飽和カルボン酸および下記一般式(201)で表される単量体から選ばれる少なくとも1種を重合して得られる繰り返し構造単位を含んでいてもよい。
一般式(201)
CH=C(X)R201
一般式(201)中、R201は水素原子またはメチル基を表し、Xは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、−CN基、−CO−R202基、またはO−CO−R203基を表し、R202およびR203は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜20の有機残基を表す。
(メタ)アクリル酸エステルは、特に限定されない。詳細については、特開2013−099875号公報段落0034を参照できる。
水酸基含有単量体も、特に限定されない。詳細については、特開2013−099875号公報段落0035を参照できる。
不飽和カルボン酸も、特に限定されない。詳細については、特開2013−099875号公報段落0036を参照できる。
一般式(201)で表される単量体の詳細については、特開2013−099875号公報段落0037を参照できる。
(メタ)アクリル系樹脂は、1つ以上のラクトン環構造を含んでいてもよい。ラクトン環構造の一態様としては、下記一般式(401)で示されるラクトン環構造を挙げることができる。
一般式(401):
Figure 2016071342
一般式(401)中、R401、R402およびR403は、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1〜20の有機残基を表し、有機残基は酸素原子を含有していてもよい。ここで、炭素原子数1〜20の有機残基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基などが好ましい。
ラクトン環含有(メタ)アクリル系樹脂の構造中における上記一般式(401)で示されるラクトン環構造の含有割合は、好ましくは5〜90質量%、より好ましくは10〜70質量%、更に好ましくは10〜60質量%、特に好ましくは10〜50質量%である。ラクトン環構造の含有割合を5質量%以上とすることにより、樹脂の耐熱性、および表面硬度が向上する傾向にあり、ラクトン環構造の含有割合を90質量%以下とすることにより、樹脂の成形加工性が向上する傾向にある。
ラクトン環含有(メタ)アクリル系樹脂の製造方法については、特に制限はない。例えば、重合工程によって分子鎖中に水酸基とエステル基とを有する重合体(p)を得た後に、得られた重合体(p)を加熱処理することによりラクトン環構造を重合体に導入すること(ラクトン環化縮合工程)により、ラクトン環含有(メタ)アクリル系樹脂を得ることができる。ラクトン環含有(メタ)アクリル系樹脂の好ましい物性等の詳細については、特開2012−250535号公報段落0040〜0047を参照できる。
また、(メタ)アクリル系樹脂の重量平均分子量Mwは80000以上であることが好ましい。(メタ)アクリル樹脂の質量平均分子量Mwが80000以上であれば、機械的強度が高く、製造時のハンドリング適性に優れる。この観点から、(メタ)アクリル系樹脂の重量平均分子量Mwは100000以上であることが好ましい。
(メタ)アクリル系樹脂としては、市販品または公知の合成方法により合成されたものを使用することができる。市販品としては、これらに限定されるものではないが、例えば、デルペット(日本登録商標)60N、80N(旭化成ケミカルズ製)、ダイヤナール(日本登録商標)BR80、BR85、BR88、BR102(三菱レイヨン製)、KT75(電気化学工業製)等が挙げられる。
(任意成分)
層を形成するための組成物中には、以上説明した重合性化合物、光重合開始剤、およびセルロースアシレートを少なくとも含み、任意成分の一種以上を更に含むことができる。
以下に、任意成分について説明する。
(1)樹脂
本発明の第1の形態にかかる製造方法において、単層体を形成する組成物中には、セルロースアシレートの他に、樹脂が含有されていてもよい。また、第2の形態に係る製造方法においては、第1の層にも樹脂が含有されていてもよい。樹脂としては、上述した樹脂を含有することができる。
なお、第1の層に含まれる樹脂と第2の層に含まれる樹脂は、同種のものであっても異種のものであってもよい。第1の層と第2の層との密着性が良好であることは、形成される物品の耐久性の観点から好ましい。この点からは、第1の層は、第2の層と同種の樹脂を含むことが好ましい。本発明においては、第1の層がセルロースアシレートを含むことから、第2の層もセルロースアシレートを含むことが好ましい。
(2)溶剤
層を形成するための組成物中には、任意に溶剤を含むことができる。溶剤を含むことは、層を形成するための組成物の粘度を調整し塗布適性を向上する観点から好ましい。溶剤としては有機溶剤が好ましい。有機溶剤の例としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、γ-ブチロラクトン等のエステル類の他、メチルセロソルブ、ジメチルイミダゾリノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルフォキシド、スルホラン、ニトロエタン、塩化メチレン(メチレンクロライド)、アセト酢酸メチルなどが挙げられる。1,3−ジオキソラン、THF、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸メチルおよびメチレンクロライドが好ましい。二種以上の溶剤を混合した混合溶剤においては、上記例示した有機溶剤が最も多くの割合(例えば混合溶剤全量100質量%に対して50質量%以上99質量%未満)を占める主溶剤であることが好ましい。
混合溶剤に主溶剤とともに含まれる有機溶剤(副溶媒)としては、炭素原子数1〜4のアルコールが好ましい。炭素原子数1〜4のアルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルの一種または二種以上を挙げることができる。副溶媒は、混合溶剤全量100質量%に対して、例えば1質量%以上50質量%未満、好ましくは1質量%以上40質量%以下の割合で混合溶剤に含まれ得る。なお組成物には、有機溶剤に加えて少量の水が含まれていてもよい。水を含む場合、溶剤全量100質量%に対する水の濃度は、例えば0.1〜5質量%、好ましくは0.1〜3質量%、より好ましくは0.2〜2質量%とすることができる。
なおセルロースアシレートを含有する層においては、セルロースアシレートは水酸基やエステル、ケトン等の水素結合性の官能基を含むため、有機溶剤は、溶剤全量100質量%に対して5〜30質量%、より好ましくは7〜25質量%、更に好ましくは10〜20質量%のアルコールを含有することが、支持体上で製膜を行う場合に支持体からの積層体の剥離が容易となり好ましい。
また、層を形成するための組成物全量を100質量%として、溶剤全量の占める割合は、例えば60〜95質量%の範囲であり、好ましくは70〜85質量%の範囲である。上記範囲で溶剤を含む組成物は、溶剤の揮発による濃度・組成の変化や固形分の析出を起こしにくく、また、安定した製膜に適した粘度が得られるため、好ましい。
(3)界面活性剤
層を形成するための組成物は、任意に界面活性剤を含むこともできる。界面活性剤は、例えばレベリング剤として機能することができる。界面活性剤としては特に制限はなく、市販品または公知の方法で合成可能な各種界面活性剤を用いることができる。具体例としては、下記に限定されるものではないが、シリコーン系化合物およびフッ素系化合物を挙げることができる。
シリコーン系化合物の好ましい例としては、ジメチルシリルオキシ単位を繰り返し単位として複数個含む化合物鎖の末端および側鎖の少なくとも一方に置換基を有するものが挙げられる。ジメチルシリルオキシを繰り返し単位として含む化合物鎖中には、ジメチルシリルオキシ以外の構造単位を含んでもよい。置換基は同一であっても異なっていてもよく、複数個あることが好ましい。好ましい置換基の例としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリール基、シンナモイル基、エポキシ基、オキセタニル基、水酸基、フルオロアルキル基、ポリオキシアルキレン基、カルボキシル基、アミノ基またはこれらの基を含む基が挙げられる。分子量に特に制限はないが、10万以下であることが好ましく、5万以下であることが特に好ましく、3000〜30000であることが最も好ましい。ここで分子量とは、重量平均分子量を言うものとする。後述のフッ素系化合物についても同様である。シリコーン系化合物のシリコーン原子含有量には特に制限はないが、18.0質量%以上であることが好ましく、25.0〜37.8質量%であることがより好ましく、30.0〜37.0量%であることが更に好ましい。好ましいシリコーン系化合物の例としては、信越化学製X−22−174DX、X−22−2426、X−22−164B、X22−164C、X−22−170DX、X−22−176D、X−22−1821(以上商品名);チッソ製FM−0725、FM−7725、DMS−U22、RMS−033、RMS−083、UMS−182(以上商品名)などが挙げられる。ただし、これらに限定されるものではない。
フッ素系化合物としては、フルオロアルキル基を有する化合物が好ましい。フルオロアルキル基は、炭素数1〜20であることが好ましく、より好ましくは炭素数1〜10であり、直鎖(例えば−CFCF、−CH(CFH、−CH(CFCF、−CHCH(CFH等)であっても、分岐構造(例えばCH(CF、CHCF(CF、CH(CH)CFCF、CH(CH)(CFCFH等)であっても、脂環式構造(好ましくは5員環または6員環、例えばパーフルオロシクロへキシル基、パーフルオロシクロペンチル基またはこれらで置換されたアルキル基等)であってもよい。また、エーテル結合を有していてもよい(例えばCHOCHCFCF、CHCHOCHH、CHCHOCHCH17、CHCHOCFCFOCFCFH等)。フルオロアルキル基は、同一分子中に複数含まれていてもよい。
フッ素系化合物は、更に、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリール基、シンナモイル基、エポキシ基、オキセタニル基、水酸基、ポリオキシアルキレン基、カルボキシル基、アミノ基等の置換基を1つまたは複数個含んでいてもよい。また、フッ素系化合物は、フッ素原子を含まない化合物とのポリマーであってもオリゴマーであってもよく、分子量に特に制限はない。フッ素系化合物のフッ素原子含有量には特に制限はないが、20質量%以上であることが好ましく、30〜70質量%であることがより好ましく、40〜70質量%であることが更に好ましい。
好ましいフッ素系化合物の例としては、ダイキン化学工業製R−2020、M−2020、R−3833、M−3833(以上商品名);DIC製メガファック(日本登録商標)F−784、F−171、F−172、F−179A、F−114、F−251、F−281、F−410、F−430、F−444、F−477、F−510、F−511、F−552、F−553、F−554、F−555、F−556、F−557、F−558、F−559、F−560、F−561、F−562、F−563、F−563、F−567、F−567、F−569、F−570、F−571、R−40、R−41、R−43、R−94、RS−72−K、RS−72−K、RS−76−E、RS−76−NS、RS−90、ディフェンサ(日本登録商標)MCF−300(以上商品名)等を挙げることができる。
また、防塵性、帯電防止等の特性を付与する目的で、公知のカチオン系界面活性剤またはポリオキシアルキレン系化合物等の防塵剤、帯電防止剤等を適宜添加することもできる。これら防塵剤、帯電防止剤は、前述のシリコーン系化合物やフッ素系化合物に、その構造単位が含まれていてもよい。好ましい化合物の例としては、DIC製メガファックF−150;東レダウコーニング製SH−3748等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
界面活性剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上任意の割合で組み合わせて用いてもよい。層を形成するための組成物における界面活性剤量は特に限定されるものではないが、例えば、層を形成するための組成物中の固形分100質量部に対して、0.001〜10質量部とすることができる。
(4)熱重合開始剤
層を形成するための組成物中に含まれる重合性化合物は、パターン露光されることにより一部が重合し硬化する。パターン露光では未反応であった重合性化合物は、パターン露光後に行われる加熱により重合すると本発明者らは考えている。本発明においては、パターン露光による重合と加熱による重合との収縮差が大きいことが、高低差の大きい凹凸構造の形成の一助になっていると、本発明者らは推察している。層を形成するための組成物中には、加熱による重合を可能とするために熱重合開始剤を含んでいてもよい。ただし、加熱により重合性化合物に含まれる重合性基がラジカルを発生し開始剤として機能する場合もある。そのような場合には、層を形成するための組成物中に熱重合開始剤を含ませることなく、パターン露光では未反応であった重合性化合物の重合反応(熱重合)を進行させることができる。
層を形成するための組成物が熱重合開始剤を含む場合、熱重合開始剤の構造については、特に限定されるものではない。熱重合開始剤の具体的態様としては、アゾ化合物、ヒドロキシルアミンエステル化合物、有機過酸化物、過酸化水素等を挙げることができる。有機過酸化物の具体例については、特許第5341155号公報段落0031に記載のものを挙げることができる。
アゾ化合物は、少なくとも1つのアゾ結合を含めばよく、アゾ結合とともに各種置換基を含むことができる。具体的には、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルイソブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド等のアゾニトリル化合物、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジメチル1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)等のアゾエステル化合物、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)等のアゾアミド化合物、2,2’−アゾビス[2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン]ジヒドロキシクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等のアゾイミダゾリン化合物、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン等のアゾアルキル化合物、更にはアゾアミジン化合物、アゾ結合を有する繰り返し単位を含むポリマーの使用も可能である。アゾ化合物は、レドックス分解や誘発分解が生じにくい点等で好ましい熱重合開始剤である。
また、ヒドロキシルアミンエステル化合物としては、特表2012−521573号公報に記載の式Iで表されるヒドロキシルアミンエステル化合物を挙げることができる。具体的な化合物を以下に示す。ただしこれらに限定されるものではない。
Figure 2016071342
(5)他の任意成分
第2の層は、任意成分として、一種または二種以上の重合性化合物を含んでもよい。重合性化合物については、先に記載した通りである。ただし第2の層が重合性化合物を含む場合、第2の層における重合性化合物濃度は、第1の層の重合性化合物濃度より低いものとする。一般に、加熱による樹脂の収縮は、重合性化合物の加熱による重合収縮よりも収縮率が大きい傾向があるため、加熱により第2の層を大きく形状変化(収縮)させる観点から、上記の通りとする。第2の層における重合性化合物濃度は、第2の層を形成するための組成物全量100質量%に対して、例えば5質量%以下であり、好ましくは3質量%以下であり、0質量%であってもよい。
{任意の層、支持体}
上記単層体、並びに第1の層および第2の層を含む積層体は、これらの層のみから構成されていてもよく、ベースフィルム等の支持体や、他の層の一層以上を含んでいてもよい。また、凹凸構造を形成すべき物品の表面に、上記単層体又は積層体を形成することも可能である。塗布層の形成は平面上のみならず曲面上でも可能であるため、層を設ける支持体や物品の表面形状は問わない。また、上記の他の層の一例としては、単層体又は第2の層と支持体や物品との密着性を向上するための易接着層や粘着層を挙げることができる。これらの層としては、公知のものを何ら制限なく適用することができる。また、上記単層体の両面にパターン露光を行った後に、これを加熱することにより、両表面に凹凸構造を有する物品を得ることもできる。
同様に、第2の層の両面にそれぞれ第1の層を形成し、それぞれの第1の層に後述するパターン露光を行った後に積層体を加熱することにより、両表面に凹凸構造を有する物品を得ることもできる。このように第1の層が複数含まれる積層体においては、複数含まれる第1の層の処方や厚みは同じでもよく、異なっていてもよい。
<物品の製造方法>
本発明においては、重合性化合物、光重合開始剤、及びセルロースアシレートを含む層は、単層体として形成しても、樹脂を含有する層と共に形成する積層体として形成してもよい。先ず、単層体を用いた物品の製造方法を説明する。
(層形成工程)
〔単層体の形成方法〕
まず、重合性化合物、光重合開始剤、及びセルロースアシレートを所望の割合で含む組成物(ドープ)を調製する。流延法により層を形成する場合には、上記ドープを流延用ギーサから押出して流延する。本発明においては、流延製膜法に限定されず、公知の製膜法により層を形成することができる。例えば、塗布法により層を形成する場合には、バーコータ―、ブレードコーター、ダイコーター、グラビアコーター等の塗布装置を用いて行うことができ、カーテンコートやディップコートといった方法によって行うこともできる。生産性の観点からは、流延製膜法が好ましい。単層体を形成する場合、積層体を形成する場合と比較して、製造方法を簡略化することができる。
〔積層体の形成方法〕
本発明においては、上記単層体を形成する代わりに、重合性化合物と、オキシムエステル系光重合開始剤及びアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤から選択された少なくとも一種の重合開始剤と、セルロースアシレートと、を含む第1の層、及び、樹脂を含有する第2の層を形成する工程により、積層体を形成してもよい。この場合は、第1の層の表面にパターン露光し、加熱を施して、凹凸構造を形成する。
第2の層には重合性化合物を含んでもよいが、その含有率は第1の層における重合性化合物の含有率よりも低いことが好ましい。
積層体は、第1の層および第2の層を、流延製膜法、より詳しくは共流延法もしくは逐次流延法、または公知の塗布装置を用いる塗布法等の製膜法により形成することによって、作製することができる。共流延法(重層同時流延)は、流延用支持体(バンドまたはドラム)の上に、上記第1の層を形成する組成を有する流延用ドープと、上記第2の層を形成する組成を有する流延用ドープとを、別のスリットなどから同時に押出す流延用ギーサを用いて押出して、各層同時に流延し、適当な時期に支持体から剥ぎ取って、乾燥しフィルムを成形する流延法である。
一方、逐次流延法は、流延用支持体の上に、まず第2の層用の流延用ドープを流延用ギーサから押出して、流延し、乾燥し、または乾燥することなく、その上に第1の層用の流延用ドープを流延用ギーサから押出して流延することにより逐次ドープを流延・積層して、適当な時期に支持体から剥ぎ取って乾燥させ製膜する流延法である。
塗布法は、バーコータ―、ブレードコーター、ダイコーター、グラビアコーター等の塗布装置を用いて行うことができ、カーテンコートやディップコートといった方法によって行うこともできる。塗布法では、一般的には、第2の層を任意の製膜法によりフィルム状に製膜した後、適当な塗布装置を用いて、第1の層を形成するための組成物を第2の層の表面に塗布し乾燥させ、積層体を作製する。
生産性の観点からは、流延製膜法が好ましく、共流延法がより好ましい。また、流延製膜法、塗布法とも、第2の層が湿潤状態のうちに第1の層を積層する態様と、第2の層の乾燥後に第1の層を積層する態様があり、いずれの態様を用いてもよい。積層体の密着性の観点からは、前者の態様が好ましい。
第1の層と第2の層とを支持体上に形成する態様において、パターン露光前に第1の層と第2の層を含む積層体を支持体から剥離する場合には、第1の層と第2の層のいずれの層が支持体側であってもよい。また、こうして剥離された積層体を、凹凸構造を形成すべき物品表面に貼り合せた後に、パターン露光を行うこともできる。貼り合せは、粘着層による貼り合せ等の公知の貼り合せ方法により行うことができる。一方、支持体や凹凸構造を形成すべき物品上でパターン露光を行う場合には、パターン露光される第1の層が空気界面側、第2の層が支持体側に位置するように、第2の層、第1の層の順に層を積層すればよい。
単層体または積層体として形成された層は、必要に応じて任意に乾燥工程に付される。乾燥工程は、加熱炉内への配置、加熱炉内での搬送、温風の吹き付け等により行うことができる。乾燥時の加熱温度は、重合性化合物の重合反応の進行や樹脂の大きな熱収縮が生じない程度の温度、例えば、50℃以上100℃以下の温度とすることが好ましい。ここで加熱温度とは、温風の温度または加熱炉内の雰囲気温度をいうものとする。後述するパターン露光後の加熱工程についても同様である。
本発明の凹凸構造を有する物品の製造方法は、層の形成工程とパターン露光工程の間に、層を支持体から剥ぎ取る工程を有することが好ましい。層を支持体から剥ぎ取ってからパターン露光することにより、凸部の平均高さをより大きくすることができる。層を剥ぎ取るタイミングは特に限定されないが、溶媒がある程度乾燥したときに行うのが好ましい。
単層体の場合、本発明の凹凸構造を有する物品の製造方法は、層を形成する工程が、支持体上に、重合性化合物と、オキシムエステル系光重合開始剤及びアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤から選択された少なくとも一種の光重合開始剤と、セルロースアシレートと、を含む組成物を流延して層を形成する工程であり、次いで、層を支持体から剥ぎ取る工程を有し、剥ぎ取った層に対して、後述のパターン露光する工程を行うものであることが好ましい。
積層体の場合、本発明の凹凸構造を有する物品の製造方法は、第1の層を形成する工程が、支持体上に、重合性化合物と、オキシムエステル系光重合開始剤及びアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤から選択された少なくとも一種の光重合開始剤と、セルロースアシレートと、を含む組成物を流延して第1の層を形成する工程であり、次いで、第1の層を支持体から剥ぎ取る工程を有し、剥ぎ取った第1の層に対して、パターン露光する工程を行うことが好ましい。
(パターン露光工程)
乾燥工程の後、層に対してパターン露光される。本発明に係る製造方法では、パターン露光の非露光部が凹部となり、パターン露光により露光された露光部が凸部となる、いわゆるネガ型の凹凸形成が行われる。したがって、パターン露光は、層の表面の凸部を形成したい部分が露光されるように行われる。パターン露光の手法はフォトレジスト等の分野において既に公知であり、上記製造方法におけるパターン露光には、それら公知技術を何ら制限なく適用することができる。例えば、光源と層表面との間にフォトマスク(露光マスク)を配置してパターン露光を行う方法、フォトマスクを介さずに、層表面にレーザー光をスポット状に直接照射する方法(いわゆる直接描画法、パターン直接露光法)のいずれを用いてもよい。フォトマスクを配置してパターン露光を行う方法は、フォトマスクを層の表面と間隔をおいて配置する非接触方式と層表面上に配置する接触方式に大別される。いずれの方式を用いてもよいが、フォトマスクとの接触による層の表面性の変化や塵・埃の付着等がない点からは、非接触方式が好ましい。非接触方式には、プロキシミティ露光とプロジェクション露光があるが、いずれの露光方式を採用してもよい。
本発明の第2の形態にかかる製造方法では、第1の層の表面にパターン露光することにより、露光部において重合性化合物が重合し硬化する。そして、その後に行われる加熱により、第1の層ではパターン露光では未反応であった重合性化合物の重合が進行し、いわゆる重合収縮が発生する。加えて、第2の層では、この層に含まれている樹脂の熱による収縮が生じる。このように露光部以外の部分で収縮が生じるのに対し、露光部は既に重合硬化しているため加熱時に大きな形状変化を起こすことはないと考えられる。その結果、露光部が凸部となる凹凸形状を形成することができると、本発明者らは推察している。更に本発明者らは、第2の塗布層における樹脂の熱収縮という、大きな形状変化が生じることが、凸部と凹部との高低差(段差)を大きくすることに寄与し、その結果、大きい高低差を有する微細凹凸構造の形成が可能になると推察している。また、このように凸部と凹部との高低差(段差)が大きいことは、明確な凹凸と認識される凹凸形状の形成を可能とするため、微細凹凸構造に限らず様々な形状・サイズの凹凸構造の形成に有効である。
単層体に対して非接触方式によりパターン露光し、その後の加熱工程により凹凸構造を形成する製造方法について、図1〜3を用いて説明する。先ず、乾燥工程を終えた層1の表面から所定の間隔をあけて、フォトマスク2を配置する。その後、フォトマスク2の上から層1の表面に向けて、光3を照射する。これにより、フォトマスク2により被覆されていない光照射領域(露光部)1aのみに光3が照射されて、光照射領域1aにおける重合性化合物が重合して硬化する。パターン露光のために用いる光としては、層に含まれる重合性化合物および光重合開始剤の種類に応じて決定すればよいが、特に、紫外線(i線、365nm)、レーザー光(405nm)が好ましい。光照射のための光源としては、例えば、150〜450nm波長域の光を発する高圧水銀ランプ、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、無電極放電ランプ、LED等を挙げることができる。また、光照射量は、50mJ/cm以上1000mJ/cm以下とすることが好ましいが、凸部において重合反応が進行し凸部が硬化する光照射量とすればよく、上記範囲に限定されるものではない。
(加熱工程)
層1の表面へのパターン露光後、層1を加熱する加熱処理を行う。加熱処理は、加熱炉内への配置、加熱炉内での搬送、温風の吹き付け等により行うことができる。加熱処理における加熱温度は140〜200℃とすることが好ましく、加熱時間は2〜200分間とすることが好ましい。ここでの加熱により、層1の光照射領域1aを除く領域において、重合性化合物の熱重合に伴う重合収縮および樹脂の収縮が発生する。これにより、図3に示すように、光照射領域1aが凸部となる凹凸形状を形成することができる。
(層の厚さ)
本発明の製造方法により製造される物品の厚さは、層形成工程において形成される層の厚さに依存し、例えば1μm以上であり、好ましくは5μm以上であり、より好ましくは10μm以上である。なお本発明者らによる検討によれば、層形成工程において形成される層の厚さが厚いほど凸部と凹部の高低差(段差)が大きくなる傾向が見られた。この点は、微細凹凸構造形成の観点から好ましい。したがって、層の厚さの上限は特に限定されるものではない。一例として、例えば100μm以下程度とすることができるが、凹凸構造が形成された物品の用途等に応じて適宜設定すればよい。ここで層の厚さとは、塗布時の設定膜厚でもよく、実測値でもよい。
こうして凹凸構造が形成された層はそのまま、または用途に応じた形状に裁断して、凹凸構造を有する物品として用いることができる。または、層を公知の貼り合せ方法により物品表面に貼り合せることにより、凹凸構造を有する物品を得ることもできる。凹凸構造を有する物品は、例えば長尺状フィルムであることができる。ただし、フィルム状の層を任意の形状の物品に貼り合せたものであってもよく、物品の形状は限定されるものではない。
また、凹凸構造を有する表面、他方の表面の一方または両方に、他の層の一層以上を任意に形成することもできる。なお上記製造方法により製造された物品は、凹凸構造を物品最表面に有するものに限定されず、凹凸構造を有する表面に他の層が形成された結果、二層の界面に凹凸構造を有する物品も包含される。このように界面に凹凸構造を有することは、例えば、二層の界面の密着向上等に寄与することができる。
上記製造方法によれば、微細な凹凸構造をはじめとする様々な形状・サイズの凹凸構造を有する物品を製造することができる。サイズについては、例えば一例として、実施例で示すような微細な凹凸構造の形成が可能である。ただしもちろん、実施例で示す凹凸構造よりもサイズの大きな凹凸構造を有する物品の製造方法としても、上記製造方法は好適である。
また、形成される凹凸構造の形状は、特に限定されるものではない。例えば、一態様では、凹凸構造は、多角錐様形状、円錐様形状、部分回転楕円体様形状、および部分球様形状からなる群から選択される形状が、二次元的に配置されることにより形成されている。また他の一態様では、凹凸構造は、部分円柱様形状、部分楕円柱様形状および角柱様形状からなる群から選択される形状が、一次元的に配置されることにより形成されている。
ここで、一次元的に配置されているとは、上記形状が積層体表面(パターン露光された表面)の一方向のみに、即ち平行に配置されていることをいう。このような凹凸構造は、ラインアンドスペースパターンと呼ばれることもある。
これに対し、二次元的に配置されているとは、上記形状が積層体表面の二方向以上に配置されていることをいう。例えば、ある方向と、この方向に直交する方向との二方向に形成されていることや、規則的に形成されている態様に限らず、不規則に(ランダムに)形成されている態様も包含される。また、凹凸構造は、モスアイ構造と呼ばれる微細凹凸構造であることもできる。
一態様では、上記形状は凸部形状である。また、他の一態様では上記形状は凹部形状である。例えば、上記形状に対応する開口部を有する露光マスクを用いてパターン露光を行うことにより、上記形状の凸部を有する凹凸構造を形成することができる。また、上記形状に対応する部分が非露光部となるような隔壁パターンを有する露光マスクを用いることにより、上記形状の凹部を有する凹凸構造を形成することができる。
図4〜7は本発明において用いることができるパターニングフォトマスクの形状を示す模式図である。図4〜7において、黒で示す領域は露光部を示し、白で示す領域は遮光部を示す。例えば、図4に示すように、露光部の開口の形状が正方形であり、千鳥格子の形状を有するフォトマスク、図5に示すように、露光部の開口の形状が正方形であり、遮光部が十字の形状を有するフォトマスク、図6に示すように、露光部が等間隔で配置された正方形の形状を有するフォトマスク、図7に示すように、露光部が格子の形状を有するフォトマスク等を挙げることができる。但し、フォトマスクの形状は、図4〜7に示す形状に限定されず、任意の形状のフォトマスクを用いることができ、露光部の大きさ、及び隣り合う露光部間の距離についても任意に設定することができる。
なお本発明および本明細書において、直交、平行等の角度に関する記載については、本発明が属する技術分野において許容される誤差の範囲を含むものとする。例えば、厳密な角度±10°未満の範囲内であることを意味し、厳密な角度との誤差は、5°以下であることが好ましく、3°以下であることがより好ましい。また、「多角錐様形状」とは、完全な多角錐形状のみならず、多角錐に近似する形状も含む意味で用いるものとする。
[凹凸形状を有する物品]
本発明の更なる一態様は、上記製造方法により製造された、凹凸構造を有する物品(以下、単に物品とも記載する。)に関する。その製造方法、凹凸構造の詳細等については、先に記載した通りである。
本発明の製造方法により製造された物品は、例えば、凹凸構造の凸部の平均高さが凹凸の平均長さに対して1%以上である。ここで、凸部の平均高さは、凸部の上面と隣接する凹部の底面の最大距離の平均値を指す。凹凸の平均長さは、凸部の中央から隣接する凹部の中央までの距離を2倍した距離の平均値を指す。上述の通り、本発明においては、層を形成するための組成物中に、紫外線に対する感度が高い光重合開始剤を含有させることにより、パターン露光した領域と加熱重合した領域との収縮差が大きくなり、凸部の高さが大きい(凹凸の高低差が大きい)凹凸構造を形成することができる。
凹凸の平均長さに対する凸部の平均高さの比率は以下のようにして求めることができる。
凸部の高さは、製造された凹凸構造を有する物品の表面を、非接触表面・層断面形状計測システム(株式会社菱化システム製VertScan2.0)で観察し、この観察結果から、凸部の上面と隣接する凹部の底面の最大距離を測定することにより、求めることができる。次に凹凸の平均長さは、マスクパターンの設計図や、実際に光学顕微鏡や上述の非接触表面・層断面形状計測システム、原子間力顕微鏡、電子顕微鏡の観察像から求めることが出来る。凹凸の平均長さに対する凸部の平均高さの比率は、分子に凸部の高さの平均値、分母に凹凸の平均長さの平均値を置き、計算することで求めることが出来る。
また、本発明の第2の形態にかかる製造方法により製造された物品は、凹凸構造を有する面から物品の厚み方向に向かって、重合性化合物の重合体の濃度が低下する濃度勾配を有することにより、確認することができる。上記製造方法では、第2の層が重合性化合物を含む場合、第2の層の重合性化合物濃度は、第1の層の重合性化合物濃度より低いからである。また、二層の形成を、共流延のように一層目の層が湿潤状態のうちに二層目の層を積層する態様により行い製造された物品では、第1の層と第2の層との界面において成分の混合や層間移動が起こる結果、凹凸構造を有する面から物品の厚み方向に向かって、重合性化合物の重合体の濃度が連続的に低下する濃度勾配が確認される場合がある。一方、二層の形成を、一層目の層の乾燥後に二層目の層を積層する態様により行い製造された物品では、上記のような成分の混合や層間移動が起こり難いため、第1の層と第2の層との界面付近で、重合性化合物の重合体の急激な濃度低下(断続的な濃度低下)が確認される場合がある。
また、上記製造方法により製造された物品は、一態様では、凹凸構造を有する面から物品の厚み方向に向かって、樹脂の濃度が増加する濃度勾配を有することもできる。濃度勾配は、連続的に増加してもよく、断続的に増加してもよい。詳細は、重合性化合物の重合体の濃度勾配についての上記記載を参照できる。このように、凹凸構造を有する表面を備えた領域の下層領域として、凹凸構造を有する表面を備えた領域よりも樹脂濃度の高い領域を有することは、物品の脆性向上に寄与すると、本発明者らは推察している。詳しくは、一般的に、重合性化合物の重合体は樹脂(中でも有機溶剤可溶性樹脂)よりも硬く脆いのに対し、樹脂は重合性化合物の重合体と比べ柔らかいことが、物品の脆性向上に寄与すると、本発明者らは考えている。
なお上記物品における重合性化合物の重合体の濃度勾配は、例えばラマン分光法による組成分析によって確認することができる。分析条件等の詳細については、後述の実施例を参照することができる。
以上説明した凹凸構造を有する物品は、例えば、反射防止膜、集光効果を示す輝度向上膜(例えばプリズムシート)等として液晶表示装置等のフラットパネルディスプレイの構成部材として用いることができる。または、培養した細胞の剥離を容易にするために凹凸構造を有する細胞培養シートとして、上記の凹凸構造を有する物品を使用することもできる。以上の適用例はあくまでも一例であって、上記の凹凸構造を有する物品は、フラットパネルディスプレイ用途、半導体製造分野、バイオテクノロジー、医薬分野等の様々な用途・分野において使用することができる。
以下に実施例に基づき本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
(単層試料の作製)
[実施例1−1]
<層形成用組成物(重合性化合物含有セルロースアシレートドープA)の調製>
下記組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、ドープAを調製した。
セルロースアセテート(置換度2.86、重合度350) 100質量部
ペンタエリスリトールテトラアクリレート(新中村化学製A−TMMT)
100質量部
光重合開始剤(BASF社製 Irgacure OXE−01)
10質量部
フッ素系レベリング剤(DIC製メガファックF−784) 0.1質量部
メチレンクロライド 525質量部
メタノール 133質量部
1−ブタノール 7質量部
(表1中、セルロースアセテートは「TAC」と記載、ペンタエリスリトールテトラアクリレートは「A−TMMT」と記載。)
表1においてIrgacure OXE−01をIrg OXE−01と記載した。
<セルロースアシレートフィルムの流延製膜>
上記のドープAを用い、膜厚(設定膜厚)が60μmとなるようにギャップを調整したアプリケーターにてガラス(支持体)表面に流延した。その後、加熱オーブン(エスペック株式会社製恒温器セーフティーオーブンSPHH−202)にて70℃で6分間乾燥処理した。
その後、フィルム試料をガラス面から剥ぎ取り、枠張り後にフィルム作製時の空気側表面が石英露光マスクと密着するように配置し、超高圧水銀灯を有するプロキシミティ型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)を用いて、石英露光マスクを介して100mJ/cmにてプロキシミティ露光(パターン露光)した。
その後、上記の乾燥処理で用いた加熱オーブンにて170℃で60分間加熱処理を行い、パターニングサンプル(フィルムサンプル)を得た。
[実施例1−2〜1−6]
ペンタエリスリトールテトラアクリレートの添加量、開始剤の添加量を表1に示す値とした点以外、実施例1−1と同様にパターニングサンプルを得た。
[比較例1〜3]
下記表1に記載した処方のドープを用いた以外、実施例1−1と同様にパターニングサンプルを得た。
<凹凸構造の観察>
以上のパターン露光では、露光用の開口部の形状が正方形であり、隣り合う正方形の間隔(ピッチ)が20μmの露光パターンを有する露光マスクを用いた。
上記実施例で作製したパターニングサンプル表面(パターン露光された表面)を、非接触表面・層断面形状計測システム(株式会社菱化システム製VertScan2.0)で観察し、四角柱形状の凸部と凹部を有する凹凸構造が形成されていることを確認した。更に、観察結果から、凸部の高さ(凸部の上面と隣接する凹部の底面の鉛直方向における最大距離)の平均値、及び凹凸部の長さ(凸部の中央から凹部の中央までの距離の2倍)を求めた。
パターン比=凸部の平均高さ/凹凸の平均長さ×100(%)として表1に記載した。
Figure 2016071342

アクリルバインダー:メタクリル酸/メタクリル酸シクロヘキシル/メタクリル酸メチル/メタクリル酸へのメタクリル酸グリシジル付加物の共重合体であって、メタクリル酸/メタクリル酸シクロヘキシル/メタクリル酸メチル/メタクリル酸のモル比が、20/46/2/32であり、重量平均分子量36000、酸価66のもの。
BCIM
Figure 2016071342
EABF
Figure 2016071342
実施例の試料は、いずれもパターン比が大きく、性能を満足するものであった。実施例に対して比較例のものは、パターン比が小さかったり、フィルムを作製できないものであった。アクリルバインダーを用いた比較例3のフィルムはガラス支持体から剥ぎ取ることができなかった。
[実施例2−1〜2−4]
実施例1−1のフィルムについて、露光量を100mJ/cmとする代わりに、表2の露光量とする以外、実施例1−1と同様にパターニングサンプルを得た。同様に評価し、結果を下記表2に記載した。
Figure 2016071342
[実施例3−1〜3−5]
実施例1−1のペンタエリスリトールテトラアクリレートの代わりに、表3に記載の重合性化合物を添加した以外、実施例1−1と同様にパターニングサンプルを得た。同様に評価し、結果を下記表3に記載した。
Figure 2016071342
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート:カヤラッドDPHA、日本化薬株式会社製
V1000:大阪有機化学工業株式会社製
UV1700B:日本合成化学工業株式会社製
UA306I:共栄社化学株式会社製
UA306H:共栄社化学株式会社製
[実施例4−1]
実施例1−1のIrg Oxe01の代わりに、Irg 819(BASF社製)を添加した他は実施例1−1と同様に、フィルムを作製した。
このフィルムに、レーザー光(波長 405nm)を用い、スポット径600nm、露光間隔600nmのパターン露光を行い、170℃で60分加熱処理を行い、パターニングサンプルを得た。この試料を走査型プローブ顕微鏡SPA400(SII社製)で観察した。この試料の凹凸構造の凸部の平均高さは30nmであり、パターン比は2.5%であった。
(重層試料の作製)
[実施例5−1]
<第2の層形成用組成物(セルロースアシレートドープB)の調製>
下記組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、ドープBを調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
セルロースアセテート(置換度2.86、重合度350)
固形分濃度(組成物全量100質量%に対して) 24質量%
(溶剤組成比:溶剤全量100質量%に対して、括弧内はセルロースアセテート100質量部に対する含有量)
メチレンクロライド 79質量%(625質量部)
メタノール 20質量%(158質量部)
1−ブタノール 1質量%(8質量部)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
<セルロースアシレートフィルムの流延製膜>
上記のドープA、Bを用い、空気面側から支持体面側に向かってドープA、ドープBの順序になるように、それぞれの膜厚(設定膜厚)が30μmの値になるようにギャップを調整したアプリケーターにてガラス(支持体)表面に共流延した。その後、加熱オーブン(エスペック株式会社製恒温器セーフティーオーブンSPHH−202)にて70℃で6分間乾燥処理した。
その後、ドープAの層(第1の層)とドープBの層(第2の層)が積層された積層体(共流延サンプル)をガラス面から剥ぎ取り、枠張り後にドープAの層の表面が石英露光マスクと間隔をあけて向き合うように配置し、超高圧水銀灯を有するプロキシミティ型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)を用いて、石英露光マスク(マスクパターン露光部600nmの四角、遮光部600nm)を介して光照射量300mJ/cmにてプロキシミティ露光(パターン露光)した。
その後、上記の乾燥処理で用いた加熱オーブンにて170℃で60分間加熱処理を行い、実施例5−1のパターニングサンプル(フィルムサンプル)を得た。
[実施例5−2〜5−6]
ペンタエリスリトールテトラアクリレートの添加量、開始剤の添加量を表4に示す値とした点以外、実施例5−1と同様にパターニングサンプルを得た。
[比較例4]
下記表4に記載した処方のドープを用いた以外、実施例5−1と同様にパターニングサンプルを得た。
得られた実施例及び比較例の試料を上記と同様に評価し、下記表4に結果を記載した。
Figure 2016071342
実施例5−1のIrg Oxe01の代わりにIrg 819を、ペンタエリスリトールテトラアクリレート100質量部の代わりに、ペンタエリスリトールテトラアクリレート300質量部を添加する他は、実施例5−1の方法でフィルムを作成した。
このフィルムに、レーザー光(波長 405nm)を用い、スポット径600nm、露光間隔600nmのパターン露光を行い、170℃で60分加熱処理を行い、パターニングサンプル(実施例6)を得た。この試料を走査型プローブ顕微鏡SPA400(SII社製)で観察した。この試料の凹凸構造の凸部の平均高さは59nmであり、パターン比は4.9%であった。
[実施例6−1]
<第1の層形成用組成物(重合性化合物含有セルロースアシレートドープP)の調製>
下記組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、ドープPを調製した。セルロースアセテート(置換度2.86、重合度350) 100質量部
ペンタエリスリトールテトラアクリレート(新中村化学製A−TMMT)
100質量部
光重合開始剤(BASF社製 Irg OXE−01) 5質量部
光重合開始剤(BASF社製 Irg 819) 5質量部
フッ素系レベリング剤(DIC製メガファックF−784) 0.1質量部
メチレンクロライド 525質量部
メタノール 133質量部
1−ブタノール 7質量部
<セルロースアシレートフィルムの流延製膜>
上記のドープPを用い、膜厚(設定膜厚)が60μmになるようにギャップを調整したアプリケーターにてガラス(支持体)表面に流延した。その後、加熱オーブンにて70℃で6分間乾燥処理した。
その後、試料をガラス面から剥ぎ取った。
<表裏面に異なるパターンのあるサンプルの作製>
試料の片方の面に露光パターンが格子状となる露光マスク(図7のマスクパターンに該当。露光部幅20μm、遮光部幅100μm)を接触させ、マスク側からレーザー光(405nm)を、照射量100mJ/cmとなるよう照射した。次に格子状の露光マスクを外し、試料のもう片方の面に露光パターンが四角(図6のマスクパターンに該当。露光部幅20μm、遮光部幅100μm)を接触させ、マスク側から紫外線(強度の中心が365nm)を、照射量が100mJ/cmとなるよう照射した。
その後、上記の乾燥処理で用いた加熱オーブンにて170℃で60分間加熱処理を行い、パターニングサンプル(フィルムサンプル)を得た。
このサンプルは、光学顕微鏡で観察した結果、格子マスクパターン側から露光した側には格子パターンが凸に(フィルムから飛び出している様)、四角マスクパターン側から露光した側には四角パターンが凸に形成されていることが確認された。
1 層
1a 光照射領域(露光部)
2 フォトマスク
3 光

Claims (15)

  1. 重合性化合物と、オキシムエステル系光重合開始剤及びアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤から選択された少なくとも一種の光重合開始剤と、セルロースアシレートと、を含む層を形成する工程と、
    前記層の表面にパターン露光する工程と、
    前記パターン露光後の層を加熱する工程と、
    を有し、前記パターン露光の非露光部が凹部となる凹凸構造を形成する、凹凸構造を有する物品の製造方法。
  2. 前記層を形成する工程が、支持体上に、重合性化合物と、オキシムエステル系光重合開始剤及びアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤から選択された少なくとも一種の光重合開始剤と、セルロースアシレートと、を含む組成物を流延して層を形成する工程であり、
    次いで、前記層を前記支持体から剥ぎ取る工程を有し、
    前記剥ぎ取った層に対して、前記パターン露光する工程を行う、請求項1に記載の凹凸構造を有する物品の製造方法。
  3. 前記層中におけるセルロースアシレートの質量に対する重合性化合物の質量は、50質量%以上150質量%以下である、請求項1又は2に記載の凹凸構造を有する物品の製造方法。
  4. 前記層中における重合性化合物の質量に対する光重合開始剤の質量は、5質量%以上25質量%以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の凹凸構造を有する物品の製造方法。
  5. 重合性化合物と、オキシムエステル系光重合開始剤及びアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤から選択された少なくとも一種の光重合開始剤と、セルロースアシレートと、を含む第1の層、及び、
    樹脂を含有する第2の層を有する積層体を形成する工程と、
    前記第1の層の表面にパターン露光する工程と、
    前記パターン露光後の第1の層を加熱する工程と、
    を有し、前記パターン露光の非露光部が凹部となる凹凸構造を形成する、凹凸構造を有する物品の製造方法。
  6. 前記第1の層を形成する工程が、支持体上に、重合性化合物と、オキシムエステル系光重合開始剤及びアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤から選択された少なくとも一種の光重合開始剤と、セルロースアシレートと、を含む組成物を流延して第1の層を形成する工程であり、
    次いで、前記第1の層を前記支持体から剥ぎ取る工程を有し、
    前記剥ぎ取った第1の層に対して、前記パターン露光する工程を行う、請求項5に記載の凹凸構造を有する物品の製造方法。
  7. 前記第1の層中におけるセルロースアシレートの質量に対する重合性化合物の質量は、50質量%以上1000質量%以下である、請求項5又は6に記載の凹凸構造を有する物品の製造方法。
  8. 前記第1の層中における重合性化合物の質量に対する光重合開始剤の質量は、5質量%以上25質量%以下である、請求項5〜7のいずれか1項に記載の凹凸構造を有する物品の製造方法。
  9. 前記パターン露光する工程において、光照射量を50mJ/cm以上1000mJ/cm以下とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の凹凸構造を有する物品の製造方法。
  10. 前記重合性化合物は、エチレン性不飽和結合を含む重合性基を有する請求項1〜9のいずれか1項に記載の凹凸構造を有する物品の製造方法。
  11. 前記エチレン性不飽和結合を含む重合性基は、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリロイル基およびメタクリロイル基からなる群から選ばれる重合性基である請求項10に記載の凹凸構造を有する物品の製造方法。
  12. 前記重合性化合物は、2官能以上の多官能重合性化合物である請求項1〜11のいずれか1項に記載の凹凸構造を有する物品の製造方法。
  13. 前記物品は長尺状フィルムである、請求項1〜12のいずれか1項に記載の凹凸構造を有する物品の製造方法。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の製造方法により製造され、凸部の平均高さが凹凸の平均長さに対して1%以上である、凹凸構造を有する物品。
  15. 凹凸構造を有する面から厚み方向に向かって、前記重合性化合物の重合体の濃度が低下する濃度勾配を有する、請求項14に記載の凹凸構造を有する物品。
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