JP2009192964A - 光記録用組成物およびホログラフィック記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記一般式(I)で表される化合物を含有する光記録用組成物。
一般式(I)中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立にアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表し、Xは酸素原子または硫黄原子を表す。
【選択図】なし
Description
[1]下記一般式(I)で表される化合物を含有する光記録用組成物。
[2]一般式(I)中、Xは酸素原子を表す[1]に記載の光記録用組成物。
[3]一般式(I)中、R1は2位および/または6位にアルキル基、アリール基、アルコキシ基またはハロゲン基を有するアリール基を表す[1]または[2]に記載の光記録用組成物。
[4]一般式(I)中、R2および/またはR3はアルキル基を表す[1]〜[3]のいずれかに記載の光記録用組成物。
[5]一般式(I)中、R2およびR3はアルキル基を表す[4]に記載の光記録用組成物。
[6]ラジカル重合性化合物を更に含有する[1]〜[5]のいずれかに記載の光記録用組成物。
[7]熱硬化性化合物を更に含有する[1]〜[6]のいずれかに記載の光記録用組成物。
[8]熱硬化性化合物は、多官能イソシアネートおよび多官能アルコールを含む[7]に記載の光記録用組成物。
[9]ホログラフィック記録用組成物である[1]〜[8]のいずれかに記載の光記録用組成物。
[10][9]に記載の光記録用組成物から形成された記録層を有するホログラフィック記録媒体。
本発明の光記録用組成物は、少なくとも下記一般式(I)で表されるリン化合物を含有し、光照射により情報を記録する各種記録方式において使用される記録材料を作製するために用いることができ、ホログラフィック記録用組成物として好ましく用いられ、特にボリュームホログラフィック記録用組成物として好適である。先に説明したように、ホログラフィック記録とは、情報を含んだ情報光と参照光とを記録層中で重ね合わせ、そのときにできる干渉像を記録層に書き込むことによって情報を記録する情報記録方法であり、ボリュームホログラフィック記録とは、ホログラフィック記録のなかでも記録層に三次元的に干渉像を書き込む情報記録方法である。
以下に、本発明の光記録用組成物に含まれる各成分について説明する。
R1、R2、R3で表されるアルキル基としては直鎖であっても分岐を有していてもよく、また、無置換であっても置換基を有していてもよい。その炭素数は1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましい。なお、本発明において、ある基について「炭素数」とは、置換基を有する基については、該置換基を含まない部分の炭素数をいうものとする。
置換基としてはハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ、アルキルチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノ基、アシル基、アルキルアミノカルボニル基、アリールアミノカルボニル基、スルホンアミド基、シアノ基、カルボキシ基、水酸基、スルホン酸基などが挙げられる。これらの中でも、ハロゲン基、アルコキシ基、アルキルチオ基が特に好ましい。さらに前述のようにR1がアリール基である場合、該アリール基は2位および/または6位に上記置換基を有することが好ましい。
本発明の光記録用組成物は、記録用化合物として重合性化合物を含むことができる。重合性化合物としては、一般式(1)で表される化合物との併用により重合反応を良好に進行させる点からラジカル重合性化合物が好ましい。ラジカル重合性化合物としては、例えば、アクリル基、メタクリル基、スチリル基、ビニル基のような不飽和結合を有するラジカル重合型のモノマーなどが挙げられる。これらの重合性化合物は、単官能であっても多官能であってもよい。また単独で用いても良く、他の重合性化合物と2種以上併用して用いてもよい。
光記録媒体の記録層には、一般にマトリックスと呼ばれる記録や保存に関わるモノマーや光重合開始剤を保持するためのポリマーが含まれる。マトリックスは、塗膜性、膜強度、およびホログラム記録特性向上の効果を高める目的で使用されるものである。本発明の光記録用組成物は、マトリックスバインダーおよび/またはマトリックス形成成分(マトリックス前駆体)としての硬化性化合物を含むことができる。マトリックス前駆体を含む組成物を、例えば基板表面等に塗布した後に硬化処理を施すことによりマトリックスを形成する方法は、溶剤を使用せず、または少量の溶剤使用により、記録層を形成できるため好ましい。前記硬化性化合物としては、熱硬化性化合物、触媒などを使用して光照射により硬化する光硬化性化合物を用いることができ、記録特性の点では熱硬化性化合物が好ましい。
中でもイソシアネート化合物とアルコール化合物から形成されるポリウレタンマトリックスが好ましく、記録の保持性の点から、多官能イソシアネートと多官能アルコールから形成される3次元ポリウレタンマトリックスが最も好ましい。
以下に、ポリウレタンマトリックスを形成することができる、多官能イソシアネートおよび多官能アルコールについて更に詳細に説明する。
本発明の光記録用組成物には、必要に応じて、光記録用組成物の貯蔵安定性を改良する目的で重合禁止剤や酸化防止剤を加えてもよい。
前記重合禁止剤または酸化防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、p−ベンゾキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジターシャリーブチル−p−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ターシヤリ−ブチルフェノール)、トリフェルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト,フェノチアジン、N−イソプロピル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミンなどが挙げられる。
前記重合禁止剤または酸化防止剤の添加量は、記録用モノマーの全量に対して3質量%以下が好ましい。前記添加量が3質量%を超えると、重合が遅くなるか、著しい場合は重合しなくなることがある。
前記増感色素としては、具体的には、特開昭58−15603号公報に記載の3−ケトクマリン化合物、特開昭58−40302号公報に記載のチオピリリウム塩、特公昭59−28328号公報、同60−53300号公報に記載のナフトチアゾールメロシアニン化合物、特公昭61−9621号公報、同62−3842号公報、特開昭59−89303号公報、同60−60104号公報に記載のメロシアニン化合物が挙げられる。
また、「機能性色素の化学」(1981年、CMC出版社、p.393〜p.416)や「色材」(60〔4〕212−224(1987))等に記載された色素も挙げることができる。具体的には、カチオン性メチン色素、カチオン性カルボニウム色素、カチオン性キノンイミン色素、カチオン性インドリン色素、カチオン性スチリル色素が挙げられる。
更に、クマリン(ケトクマリンまたはスルホノクマリンも含まれる)色素、メロスチリル色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素等のケト色素;非ケトポリメチン色素、トリアリールメタン色素、キサンテン色素、アントラセン色素、ローダミン色素、アクリジン色素、アニリン色素、アゾ色素等の非ケト色素;アゾメチン色素、シアニン色素、カルボシアニン色素、ジカルボシアニン色素、トリカルボシアニン色素、ヘミシアニン色素、スチリル色素等の非ケトポリメチン色素;アジン色素、オキサジン色素、チアジン色素、キノリン色素、チアゾール色素等のキノンイミン色素等も分光増感色素に含まれる。
前記増感色素は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記光熱変換材料としては、特に制限はなく、目的とする機能や性能に応じて適宜選択することができ、例えば、フォトポリマーとともに記録層へ添加する際の簡便さや、入射光の散乱などを引き起こさないといった特性から、有機染料色素が好ましく、また、記録に用いる光源の光を吸収、散乱しないといった点において、赤外線吸収色素が好ましい。
前記赤外線吸収色素は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、カチオン性色素、錯塩形成色素、キノン系中性色素などが好適である。また、前記赤外線吸収色素の極大吸収波長としては、600〜1,000nmの範囲が好ましく、特に700〜900nmの範囲がより好ましい。
前記赤外線吸収色素の含有量は、本発明の光記録用組成物から形成された記録層において、赤外領域で最も吸光度が高い波長の吸光度で決定することができる。該吸光度としては、0.1〜2.5の範囲が好ましく、0.2〜2.0の範囲がより好ましい。
本発明のホログラフィック記録媒体は、本発明の光記録用組成物から形成された記録層を有する。例えば、前述の方法により本発明のホログラフィック記録用組成物からなる記録層を形成することができる。
基板は、その形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。その形状としては、例えば、ディスク形状、カード形状などが挙げられ、ホログラフィック記録媒体の機械的強度を確保できる材料のものを選定すべきである。また、記録および再生に用いる光が基板を通して入射する場合は、用いる光の波長領域で十分に透明であることが好ましい。
記録層は、本発明の光記録用組成物から形成され、ホログラフィを利用して情報が記録され得るものである。記録層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。記録層の厚みが1〜1,000μmの範囲であれば、10〜300多重のシフト多重を行っても十分なS/N比を得ることができ、100〜700μmの範囲であればそれが顕著である点で有利である。
反射膜は、基板のサーボピットパターン表面に形成することができる。
反射膜の材料としては、情報光や参照光に対して高い反射率を有する材料を用いることが好ましい。情報光および参照光として使用する光の波長が400〜780nmである場合には、例えば、Al、Al合金、Ag、Ag合金、などを使用することが好ましい。情報光および参照光として使用する光の波長が650nm以上である場合には、Al、Al合金、Ag、Ag合金、Au、Cu合金、TiN、などを使用することが好ましい。
なお、反射膜として、光を反射すると共に、追記および消去のいずれかが可能な光記録媒体、例えば、DVD(ディジタル ビデオ ディスク)などを用いることにより、ホログラムをどのエリアまで記録したか、いつ書き換えたか、どの部分にエラーが存在し交替処理をどのように行ったか、などのディレクトリ情報などをホログラムに影響を与えずに追記および書き換えすることも可能となる。
反射膜の厚みは、十分な反射率を実現し得るように、50nm以上が好ましく、100nm以上がより好ましい。
フィルタ層は、基板のサーボピット上、反射層上または後述する第一ギャップ層上に設けることができる。
フィルタ層は、複数種の光線の中から特定の波長の光のみを反射する、波長選択反射機能を有し、第一の光を透過し、第二の光を反射する。特に、入射角が変化しても選択反射波長にずれが生じることなく、情報光および参照光による記録媒体の反射膜からの乱反射を防止し、ノイズの発生を防止する機能もあり、記録媒体にフィルタ層を積層することにより、高解像度、回折効率の優れた光記録を行うことができる。
フィルタ層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ダイクロイックミラー層、色材含有層、誘電体蒸着層、単層または2層以上のコレステリック層および必要に応じて適宜選択したその他の層の少なくともいずれかを積層した積層体により形成することができる。その厚さは、特に限定されないが、例えば0.5〜20μm程度である。
フィルタ層は、記録層などと共に、直接基板上に塗布などにより積層してもよく、フィルム等の基材上に積層してフィルタ層を作製し、これを基板上に積層してもよい。
第1ギャップ層は、必要に応じてフィルタ層と反射膜との間に設けられ、下側基板表面を平滑化する目的で形成される。また、記録層内に生成されるホログラムの大きさを調整するためにも有効である。即ち、記録層は、記録用参照光および情報光の干渉領域をある程度の大きさに形成する必要があるので、記録層とサーボピットパターンとの間にギャップを設けることが有効となる。
第1ギャップ層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、1〜200μmが好ましい。
第2ギャップ層は、必要に応じて記録層とフィルタ層との間に設けられる。
第2ギャップ層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリスルホン(PSF)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリメタクリル酸メチル=ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のような透明樹脂フィルム、または、JSR社製商品名ARTONフィルムや日本ゼオン社製商品名ゼオノアのような、ノルボルネン系樹脂フィルム、などが挙げられる。これらの中でも、等方性の高いものが好ましく、TAC、PC、商品名ARTON、および商品名ゼオノアが特に好ましい。
第2ギャップ層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、1〜200μmが好ましい。
以下に、本発明のホログラフィック記録媒体について、具体的態様に基づき更に詳しく説明する。ただし、本発明は下記具体的態様に限定されるものではない。
図1は、第一の実施形態にかかるホログラフィック記録媒体の構成を示す概略断面図である。第一の実施形態にかかるホログラフィック記録媒体21では、ポリカーボネート樹脂製基板またはガラス基板1にサーボピットパターン3が形成され、該サーボピットパターン3上にアルミニウム、金、白金等でコーティングして反射膜2が設けられている。なお、図1では下側基板1全面にサーボピットパターン3が形成されているが、サーボピットパターンは周期的に形成されていてもよい。また、このサーボピットパターン3の高さは、通常1750Å(175nm)であり、基板を始め他の層の厚みに比べて充分に小さいものである。
このフィルタ層6は、高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層した多層蒸着膜である。
この多層蒸着膜からなるフィルタ層6は、第1ギャップ層8上に真空蒸着により直接形成してもよいし、基材上に多層蒸着膜を形成したフィルムをホログラフィック記録媒体形状に打ち抜いて配置してもよい。
まず、サーボ用レーザーから出射した光(赤色光)は、ダイクロイックミラー13でほぼ100%反射して、対物レンズ12を通過する。対物レンズ12によってサーボ用光は反射膜2上で焦点を結ぶようにホログラフィック記録媒体21に対して照射される。つまり、ダイクロイックミラー13は緑色や青色の波長の光を透過し、赤色の波長の光をほぼ100%反射させるようになっている。ホログラフィック記録媒体21の光の入出射面Aから入射したサーボ用光は、上側基板5、記録層4、フィルタ層6、および第1ギャップ層8を通過し、反射膜2で反射され、再度、第1ギャップ層8、フィルタ層6、記録層4、および上側基板5を透過して入出射面Aから出射する。出射した戻り光は、対物レンズ12を通過し、ダイクロイックミラー13でほぼ100%反射して、サーボ情報検出器(不図示)でサーボ情報が検出される。検出されたサーボ情報は、フォーカスサーボ、トラッキングサーボ、スライドサーボ等に用いられる。記録層4を構成するホログラム材料が、赤色の光では感光しないものであれば、サーボ用光が記録層4を通過したり、サーボ用光が反射膜2で乱反射したとしても、記録層4には影響を与えない。また、サーボ用光の反射膜2による戻り光は、ダイクロイックミラー13によってほぼ100%反射するようになっているので、サーボ用光が再生像検出のためのCMOSセンサまたはCCD14で検出されることはなく、再生光に対してノイズとなることもない。
図2は、第二の実施形態にかかるホログラフィック記録媒体の構成を示す概略断面図である。この第二の実施形態に係るホログラフィック記録媒体22では、ポリカーボネート樹脂またはガラス基板1にサーボピットパターン3が形成され、該サーボピットパターン3表面にアルミニウム、金、白金等でコーティングして反射膜2が設けられている。また、このサーボピットパターン3の高さは、通常1750Å(175nm)である点については、第一の実施形態と同様である。
図4は、本発明において使用可能なホログラフィック記録装置を示す構成図であり、図5は実効開口数NAを説明する図である。図6は、反射型媒体への情報の記録および再生に使用可能なホログラフィック記録装置を示す構成図である。図7は、マトリクス状の情報光および参照光のパターンを例示する図であり、(a)は開口数が大きい場合、(b)は開口数が小さい場合を示す。
図4に示すホログラフィック記録装置10は、光源31、ミラー32、DMD素子33、対物レンズ36a、36b、データ読取装置37、台座39および制御装置40を主に備えて構成されている。
光源31は、コヒーレントな光を出射する光源であり、その光をミラー32に向けて出射する向きで配置されている。
ミラー32は、光源31からの光をDMD素子33へ向けて反射させる向きで配置されている。
制御装置40は、ホログラフィック記録装置1へ情報記録を指示する装置、例えばパソコン端末や、録画装置などと接続され、情報の記録の際にはこれらの装置から情報が入力され、情報の読出の際には、読み出した情報をこれらの装置へ出力する。
情報を記録する場合、制御装置40は、記録する情報に応じてDMD素子33のミラー33aの向きを変えるとともに、光源31から光を出射して、情報光IBおよび参照光RBを生成する。また、記録媒体80の適切な位置に記録スポット(干渉縞)を記録するため、台座39を駆動する。
また、情報を記録媒体80から読み取る場合、制御装置40は、DMD素子33の情報光IBに相当する領域のミラー33aを、光が対物レンズ36aへ向かないように制御し、かつ参照光RBに相当する領域のミラー33aを、記録時と同じパターンの向きに制御することで、記録媒体80に参照光RBのみを照射するようになっている。また、記録媒体80のうち、読み取るべき記録スポット(干渉縞)に参照光RBが照射されるように台座39を駆動するようになっている。そして、データ読取装置37に入射された情報光IBを取得して、読取を指示した装置へ出力するようになっている。
光源31は、コヒーレントな光を出射する光源であり、その光をミラー32に向けて出射する向きで配置されている。
ミラー32は、光源31からの光をDMD素子33へ向けて反射させる向きで配置されている。
制御装置40は、光源31、DMD素子33および台座39をデジタル制御する装置である。
情報を記録する場合、制御装置40は、記録する情報に応じてDMD素子33のミラー33aの向きを変えるとともに、光源31から光を出射して、情報光IBおよび参照光RBを生成する。また、記録媒体80の適切な位置に記録スポット(干渉縞)を記録するため、台座39を駆動する。
また、情報を記録媒体80から読み取る場合、制御装置40は、DMD素子33の情報光IBに相当する領域のミラー33aを、光が対物レンズ36へ向かないように制御し、かつ参照光RBに相当する領域のミラー33aを、記録時と同じパターンの向きに制御することで、記録媒体80に参照光RBのみを照射するようになっている。また、記録媒体80のうち、読み取るべき記録スポット(干渉縞)に参照光RBが照射されるように台座39を駆動するようになっている。そして、データ読取装置37に入射された情報光IBを取得して、読取を指示した装置へ出力するようになっている。
例示化合物I−2、I−3、I−8、I−9を、DE2830927A1に記載の方法に準じ、下記の一般スキームによって合成した。下記スキーム中、R1〜R3は一般式(I)における定義と同義である。合成原料を変更することにより、下記スキームによってR1〜R3が異なる様々な化合物を合成することができる。
1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ0.91 (t, 6H), 1.38 (dd, 4H), 1.64(dd, 4H), 3.82 (s, 6H), 4.08-4.19 (m, 4H), 6.59 (d, 2H), 7.38 (t ,1H)
<I-9>
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ1.32 (d, 6H), 1.39 (d, 6H), 4.82-4.94 (m, 2H), 7.33 (s, 3H)
−ホログラフィック記録用組成物の調製−
ヘキサメチレンジイソシアネート(三井化学ポリウレタン(株)製、商品名:タケネートT−700)6.4g、ポリプロピレンオキサイドトリオール(三井化学ポリウレタン(株)製、商品名MN−300)5.21g、ポリエチレングリコール(東京化成工業(株)製)4.64g、9,9'-ビフェニルフルオレンEO変性アクリレート(大阪ガスケミカル(株)製、商品名:オグソールEA0200)1.85g、例示化合物I−8 1.60g、および硬化アミン触媒(サンアプロ(株)製、商品名:U−CAT 410)0.20gを窒素気流下で混合し、ホログラフィック記録用組成物を調製した。
−ホログラフィック記録用組成物の調製−
実施例1において、例示化合物I−8の代わりに例示化合物I−3を用いた以外は、実施例1と同様にして、ホログラフィック記録用組成物を調製した。
−ホログラフィック記録用組成物の調製−
ヘキサメチレンジイソシアネート(三井化学ポリウレタン(株)製、商品名:タケネートT−700)6.4g、ポリプロピレンオキサイドトリオール(三井化学ポリウレタン(株)製、商品名MN−300)5.21g、ポリエチレングリコール(東京化成工業(株)製)4.64g、9,9'−ビフェニルフルオレンEO変性アクリレート(大阪ガスケミカル(株)製、商品名:オグソールEA0200)1.85g、光重合開始剤(2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィン酸エチルエステル、商品名ルシリンTPO-L、BASFジャパン社製)0.16g、および硬化アミン触媒(サンアプロ(株)製、商品名:U−CAT 410)0.20gを窒素気流下で混合し、ホログラフィック記録用組成物を調製した。
−ホログラフィック記録用組成物の調製−
バイテックWE−180イソシアネート(バイエル社製)3.85g、ポリプロピレンオキサイドトリオール(三井化学ポリウレタン(株)製、商品名MN−1000)5.63g、2,4,6-トリブロモフェニルアクリレート0.35g、光重合開始剤(チバスペシャリティーケミカルズ社製Irg−819)0.08g、および硬化スズ触媒ジブチルジラウレートスズ(東京化成社製)0.09gを窒素気流下で混合し、ホログラフィック記録用組成物を調製した。
−光記録媒体の作製−
厚み0.5mmのガラスの片面に405nmの波長に対して垂直な入射光による反射率が0.1%となるように反射防止処理を施して、第一基板を作製した。
厚み0.5mmのガラスの片面に405nmの波長に対して垂直な入射光による反射率が90%となるようにアルミニウム蒸着処理を施して、第二基板を作製した。
次に、第一基板の反射防止処理を施していない側の面に、厚み500μmの透明ポリエチレンテレフタレートシートをスペーサーとして設けた。
次いで、実施例1、2および比較例1、2の各ホログラフィック記録用組成物を、それぞれ第一基板上に盛り付け、第二基板のアルミニウム蒸着した面をホログラフィック記録用組成物上に空気を巻き込まないように重ね合わせ、スペーサーを介して第一基板と第二基板と貼合させた。その後、80℃にて6時間放置して、実施例3、4および比較例3、4の各光記録媒体を作製した。形成された記録層の厚さは、200μmであった。
(1)デジタルテスターによる記録感度の測定
実施例5〜8、比較例3、4の各光記録媒体に対し、先に説明した図4に示すホログラム記録再生試験機を用いて、記録ホログラムの焦点位置における記録スポットの直径200μmでホログラムを書き込み、次いでサンプルに記録光源の吸収がほぼなくなるまで定着処理を行った(定着光源:KEYENCE製UV-LED(UV-300)、波長300nm)。その後、以下のようにして、感度(記録エネルギー)を評価した。記録用の情報光および参照光の波長、再生光の波長はいずれも405nmであった。
−感度の測定−
記録時の照射光エネルギー(mJ/cm2)を変化させ、再生信号のエラー確率(BER:Bit Error Rate)の変化を測定した。通常、照射光エネルギーの増加にともない再生信号の輝度が増加し、再生信号のBERが徐々に低下する傾向にある。ここでは、ほぼ良好な再生像(BER<10-3)が得られる最低の照射光エネルギーを光記録媒体の記録感度とした。結果を表1に示す。
平面波記録系の光学系の概略を図8に示す。記録光源としてSONY製ブルーレーザー「リトロー」(波長:405nm)、プローブ光源として媒体に吸収のないHe−Neレーザー(波長:633nm)を用いた。記録光源の光量は信号光と参照光合わせて4[mW]、プローブ光源の光量は5[mW]、信号光と参照光間の交差角は43.2°(格子間隔:550nm)、プローブ光の入射角度はBragg条件を満たす角度である35.1°、記録スポット径は6mmφとした。記憶容量のダイナミックレンジはM#という指標で表される。実施例3,4、比較例3、4の各光記録媒体について、上記光学系により記録容量を測定した。以下に、その測定について述べる。
1回あたりの回折効率が1〜3%を標準とし、10%を超えないように、かつ記録材料の感度がほぼなくなるまで、−30〜+30°まで1°間隔で61多重記録を行った。サンプルに記録光源に対する吸収がほぼなくなるまで定着処理を施し(定着光源:KEYENE製ハイパワーUV−LED(UV−400))、0.01°間隔で−32〜+32°まで、角度選択性の評価を行い、得られたピークの回折効率ηiの1/2乗を積算して、M#を算出した。なお、回折効率ηは、以下として、評価を行った。結果を表1に示す。
η=回折光/(回折光+透過光)×100
M#=Σ√ηi
上記の作製した各光記録媒体に対して全面に20000mJ/cm2の405nmの光を照射し、その記録媒体から残存しているモノマーを抽出した。検量線法を用いた液体クロマトグラフィーにより抽出されたモノマー量を定量した。結果を表1に示す。
2 反射膜
3 サーボピットパターン
4 記録層
5 上側基板
6 フィルタ層
7 第2ギャップ層
8 第1ギャップ層
12 対物レンズ
13 ダイクロイックミラー
14 検出器
15 1/4波長板
16 偏光板
17 ハーフミラー
20 ホログラフィック記録媒体
21 ホログラフィック記録媒体
22 ホログラフィック記録媒体
A 光の入出射面
10 ホログラフィック記録装置
11 ホログラフィック記録装置
31 光源
32 ミラー
33 DMD素子
36 対物レンズ
40 制御装置
80 ホログラフィック記録媒体
81 基板
82 記録層
83 保護層
IB 情報光
OL 対物レンズ
Claims (10)
- 下記一般式(I)で表される化合物を含有する光記録用組成物。
- 一般式(I)中、Xは酸素原子を表す請求項1に記載の光記録用組成物。
- 一般式(I)中、R1は2位および/または6位にアルキル基、アリール基、アルコキシ基またはハロゲン基を有するアリール基を表す請求項1または2に記載の光記録用組成物。
- 一般式(I)中、R2および/またはR3はアルキル基を表す請求項1〜3のいずれか1項に記載の光記録用組成物。
- 一般式(I)中、R2およびR3はアルキル基を表す請求項4に記載の光記録用組成物。
- ラジカル重合性化合物を更に含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の光記録用組成物。
- 熱硬化性化合物を更に含有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の光記録用組成物。
- 熱硬化性化合物は、多官能イソシアネートおよび多官能アルコールを含む請求項7に記載の光記録用組成物。
- ホログラフィック記録用組成物である請求項1〜8のいずれか1項に記載の光記録用組成物。
- 請求項9に記載の光記録用組成物から形成された記録層を有するホログラフィック記録媒体。
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