JP2016069280A - 染毛剤及び染毛方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、染毛性が良くかつ皮膚着色の少ない染毛剤及び染毛方法に関する。
染毛剤は、一般的に、酸化染料、イオン染料、一時染料、及びその他の染料の4種類に分けられる。
現在最も広く用いられている酸化染料は、永久染料と呼ばれることもある。酸化染料は、過酸化水素によって酸化されて活性な反応中間体となるパラフェニレンジアミン類やパラアミノフェノール類を主原料として構成されている。活性化された反応中間体はその後に毛髪内で染料カップラー分子と反応し、耐シャンプー性の染料に変化する。
現在最も広く用いられている酸化染料は、永久染料と呼ばれることもある。酸化染料は、過酸化水素によって酸化されて活性な反応中間体となるパラフェニレンジアミン類やパラアミノフェノール類を主原料として構成されている。活性化された反応中間体はその後に毛髪内で染料カップラー分子と反応し、耐シャンプー性の染料に変化する。
上記のその他の染料としては、鉄塩を利用した金属染毛剤(非酸化型染毛剤)が提案されている。例えば、特許文献1には、第1剤及び第2剤からなる二剤式染毛剤組成物であって、第1剤が、(i)没食子酸及びその誘導体からなる群から選ばれる1以上、及び/又は、(ii)サリチル酸及びその誘導体からなる群より選ばれる1以上を含んでなり、第2剤が、鉄塩を含んでなり、かつ、第1剤及び第2剤のうち少なくとも一方が、尿素を含んでいる組成物が記載されている。特許文献2には、(a)鉄と反応して発色する物質と、2−ヒドロキシベンゾフェノン骨格を有する紫外線吸収剤とを含有する第1剤、及び(b)鉄塩を含有する第2剤を組み合わせて含む染毛剤が記載されている。さらに特許文献3には、(A)没食子酸、タンニン酸、サリチル酸及びこれらの誘導体、ピロガロール、カテコール並びにヘマテインの中から選ばれた少なくとも1種のフェノール系化合物と、洗浄活性成分としての界面活性剤とを含有するシャンプー液を第一剤とし、(B)多価金属塩と、カチオン系界面活性剤とを含有するリンス液を第二剤として成る染毛剤組成物が記載されている。
一方、特許文献4には、アルカリ剤を含有する第1剤と、酸化剤を含有する第2剤とからなる毛髪処理剤であって、ポリオキシアルキレンメチルグルコシドを含有することを特徴とする毛髪脱色剤用又は酸化染毛剤用の毛髪処理剤が記載されている。また、特許文献5には、アルコール類を含有することを特徴とするステインリムーバー配合用組成物が記載されており、アルコール類の一例として、ポリオキシプロピレンメチルグルコシドが記載されている。
酸化染料は、毛髪の損傷や接触性皮膚炎を引き起こすことがある。また、酸化染料は、長期にわたり人体に残留するため、変異原性または発ガン性物質になる可能性がある。イオン染料は半永久染料と呼ばれることもあり、毛髪を損傷させることはないが、染毛の際、皮膚着色を引き起こす可能性がある。その他、イオン染料は、4〜10回のシャンプー操作で毛髪から流れ落ちてしまうことがあり、一時染料は、毛髪を損傷させることもなく、皮膚着色も洗い流しが可能であるが、1回のシャンプー操作で毛髪から流れ落ちてしまうことがある。
特許文献1〜3には鉄塩を利用した金属染毛剤が記載されているが、皮膚着色については記載がない。特許文献4においては、毛髪の損傷を防止して施術後の毛髪に優れた指どおり性と、艶を付与することを目的とするものであり、染毛剤としては酸化染毛剤に限定されている。また、特許文献5はステインリムーバー配合用組成物に関するものであり、染毛剤に関するものではない。即ち、特許文献5の組成物は、皮膚に着色した酸化染料又はイオン染料を除去するためのものであり、染毛剤の皮膚着色を予防するものではない。染毛剤においては、染毛性を高めようとすると皮膚着色が起りやすくなり、皮膚着色を抑えようとすると染毛性が低くなってしまうという問題がある。本発明は、染毛性が良くかつ皮膚着色の少ない染毛剤及び染毛方法を提供することを解決すべき課題とした。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、鉄と反応して発色する物質含む第1剤、及び鉄塩を含む第2剤を含む染毛剤において、第1剤の全質量に対して0.1質量%〜12質量%の親水性基を有するメチルグルコシドを第1剤に配合することによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1)鉄と反応して発色する物質、及び第1剤の全質量に対して0.1質量%〜12質量%の下記式1で示される化合物を含む第1剤;並びに
鉄塩を含む第2剤;
を含む染毛剤。
式中、X1〜X4はそれぞれ独立に単結合又は親水性基を示し、但し、X1〜X4のうち少なくとも1以上は親水性基を示す。
(2)親水性基が、ポリオキシアルキレン基である、(1)に記載の染毛剤。
(3)式1で示される化合物が、下記式1Aで示される化合物である、(1)又は(2)に記載の染毛剤。
式中、Aはそれぞれ独立に、エチレン基又はプロピレン基を示す。a、b、c及びdはそれぞれ独立に0以上の整数を示し、但し、a、b、c及びdの合計は5〜30の整数である。
(4)式1で示される化合物が、ポリオキシエチレンの付加モル数が10〜20であるポリオキシエチレンメチルグルコシド、あるいはポリオキシプロピレンの付加モル数が10〜20であるポリオキシプロピレンメチルグルコシドである、(1)から(3)の何れかに記載の染毛剤。
(5)上記の鉄と反応して発色する物質が、タンニン酸、サリチル酸及びサリチル酸誘導体、ピロガロール、没食子酸およびその誘導体、五倍子、ログウッド、ヘマテイン、カテコール、フタル酸、オイゲノール、イソオイゲノール、ニコチン酸アミド、デヒドロ酢酸、ピリドキシン、エラグ酸、コウジ酸、マルトール、フェルラ酸、ヒノキチオール、ウコンエキス、クルクミン、オウゴンエキス、タマネギエキス、クエルセチン、ルチン、ヘスペレチン、ヘスペリジン、生コーヒー豆抽出物、カフェー酸、クロロゲン酸、チャエキス、カテキン、エピカテキン、シコンエキス、シソエキス、シソニン、ブドウ葉エキス、ブトウエキス、エノシアニン、ラッカイン酸、ラック、コチニール、カルミン酸、エルダーベリー、アカキャベツ、ムラサキイモ、タマリンド、コウリャン、アピゲニニジン、及びルテオリニジンからなる群から選択される少なくとも1種以上である、(1)から(4)の何れかに記載の染毛剤。
(6)上記の鉄と反応して発色する物質が、タンニン酸と、サリチル酸又はサリチル酸誘導体との組み合わせ、又はピロガロールと、没食子酸又はその誘導体との組み合わせである、(1)から(5)の何れかに記載の染毛剤。
(7) 上記第1剤が、2−ヒドロキシベンゾフェノン骨格を有する紫外線吸収剤を更に含む、(1)から(6)の何れかに記載の染毛剤。
(8) 上記第1剤が、第1剤の全質量に対して0.5質量%〜10質量%のアンモニウム塩を更に含む、(1)から(7)の何れかに記載の染毛剤。
(9) 上記第1剤が、第1剤の全質量に対して1質量%〜12質量%のベンジルアルコールを更に含む、(1)から(8)の何れかに記載の染毛剤。
(10) 上記第1剤が、酸化防止剤を更に含む、(1)から(9)の何れかに記載の染毛剤。
(11)上記第1剤が、鉄と反応して発色する物質として、タンニン酸と、サリチル酸又はサリチル酸誘導体との組み合わせ、又はピロガロールと、没食子酸又はその誘導体との組み合わせを含み、式1で示される化合物として、ポリオキシエチレンの付加モル数が10又は20であるポリオキシエチレンメチルグルコシド、あるいはポリオキシプロピレンの付加モル数が10又は20であるポリオキシプロピレンメチルグルコシドを含み、2−ヒドロキシベンゾフェノン骨格を有する紫外線吸収剤としてオキシベンゼン−4、オキシベンゼン−3又はオキシベンゼン−1を含み、第1剤の全質量に対して0.5質量%〜10質量%の炭酸水素アンモニウムを更に含み、第1剤の全質量に対して1質量%〜12質量%のベンジルアルコールを更に含み、酸化防止剤として亜硫酸ナトリウムを更に含む、(1)から(10)の何れかに記載の染毛剤。
(12)上記鉄塩が、硫酸第一鉄、塩化第一鉄、酢酸第一鉄、硫酸第二鉄、塩酸第二鉄及び酢酸第二鉄からなる群より選ばれる少なくとも1種である、(1)から(11)の何れかに記載の染毛剤。
(13) (1)から(12)の何れかに記載の染毛剤を毛髪に付与することを含む毛髪の染毛方法。
(1)鉄と反応して発色する物質、及び第1剤の全質量に対して0.1質量%〜12質量%の下記式1で示される化合物を含む第1剤;並びに
鉄塩を含む第2剤;
を含む染毛剤。
(2)親水性基が、ポリオキシアルキレン基である、(1)に記載の染毛剤。
(3)式1で示される化合物が、下記式1Aで示される化合物である、(1)又は(2)に記載の染毛剤。
(4)式1で示される化合物が、ポリオキシエチレンの付加モル数が10〜20であるポリオキシエチレンメチルグルコシド、あるいはポリオキシプロピレンの付加モル数が10〜20であるポリオキシプロピレンメチルグルコシドである、(1)から(3)の何れかに記載の染毛剤。
(5)上記の鉄と反応して発色する物質が、タンニン酸、サリチル酸及びサリチル酸誘導体、ピロガロール、没食子酸およびその誘導体、五倍子、ログウッド、ヘマテイン、カテコール、フタル酸、オイゲノール、イソオイゲノール、ニコチン酸アミド、デヒドロ酢酸、ピリドキシン、エラグ酸、コウジ酸、マルトール、フェルラ酸、ヒノキチオール、ウコンエキス、クルクミン、オウゴンエキス、タマネギエキス、クエルセチン、ルチン、ヘスペレチン、ヘスペリジン、生コーヒー豆抽出物、カフェー酸、クロロゲン酸、チャエキス、カテキン、エピカテキン、シコンエキス、シソエキス、シソニン、ブドウ葉エキス、ブトウエキス、エノシアニン、ラッカイン酸、ラック、コチニール、カルミン酸、エルダーベリー、アカキャベツ、ムラサキイモ、タマリンド、コウリャン、アピゲニニジン、及びルテオリニジンからなる群から選択される少なくとも1種以上である、(1)から(4)の何れかに記載の染毛剤。
(6)上記の鉄と反応して発色する物質が、タンニン酸と、サリチル酸又はサリチル酸誘導体との組み合わせ、又はピロガロールと、没食子酸又はその誘導体との組み合わせである、(1)から(5)の何れかに記載の染毛剤。
(7) 上記第1剤が、2−ヒドロキシベンゾフェノン骨格を有する紫外線吸収剤を更に含む、(1)から(6)の何れかに記載の染毛剤。
(8) 上記第1剤が、第1剤の全質量に対して0.5質量%〜10質量%のアンモニウム塩を更に含む、(1)から(7)の何れかに記載の染毛剤。
(9) 上記第1剤が、第1剤の全質量に対して1質量%〜12質量%のベンジルアルコールを更に含む、(1)から(8)の何れかに記載の染毛剤。
(10) 上記第1剤が、酸化防止剤を更に含む、(1)から(9)の何れかに記載の染毛剤。
(11)上記第1剤が、鉄と反応して発色する物質として、タンニン酸と、サリチル酸又はサリチル酸誘導体との組み合わせ、又はピロガロールと、没食子酸又はその誘導体との組み合わせを含み、式1で示される化合物として、ポリオキシエチレンの付加モル数が10又は20であるポリオキシエチレンメチルグルコシド、あるいはポリオキシプロピレンの付加モル数が10又は20であるポリオキシプロピレンメチルグルコシドを含み、2−ヒドロキシベンゾフェノン骨格を有する紫外線吸収剤としてオキシベンゼン−4、オキシベンゼン−3又はオキシベンゼン−1を含み、第1剤の全質量に対して0.5質量%〜10質量%の炭酸水素アンモニウムを更に含み、第1剤の全質量に対して1質量%〜12質量%のベンジルアルコールを更に含み、酸化防止剤として亜硫酸ナトリウムを更に含む、(1)から(10)の何れかに記載の染毛剤。
(12)上記鉄塩が、硫酸第一鉄、塩化第一鉄、酢酸第一鉄、硫酸第二鉄、塩酸第二鉄及び酢酸第二鉄からなる群より選ばれる少なくとも1種である、(1)から(11)の何れかに記載の染毛剤。
(13) (1)から(12)の何れかに記載の染毛剤を毛髪に付与することを含む毛髪の染毛方法。
本発明の染毛剤及び染毛方法によれば、良好な染毛性を維持したまま、皮膚着色を低減することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
[染毛剤]
本発明の染毛剤は、鉄と反応して発色する物質、及び第1剤の全質量に対して0.1質量%〜12質量%の式1で示される化合物を含む第1剤;並びに鉄塩を含む第2剤を組み合わせて含む2剤式の染毛剤である。本発明においては、第1剤に、式1で示される化合物を添加することによって、良好な染毛性と皮膚着色の抑制とを同時に達成することが可能になった。
本発明の染毛剤は、鉄と反応して発色する物質、及び第1剤の全質量に対して0.1質量%〜12質量%の式1で示される化合物を含む第1剤;並びに鉄塩を含む第2剤を組み合わせて含む2剤式の染毛剤である。本発明においては、第1剤に、式1で示される化合物を添加することによって、良好な染毛性と皮膚着色の抑制とを同時に達成することが可能になった。
<第1剤>
第1剤は、第1剤の全質量に対して0.1質量%〜12質量%の下記式1で示される化合物を含む。
式中、X1〜X4はそれぞれ独立に単結合又は親水性基を示し、但し、X1〜X4のうち少なくとも1以上は親水性基を示す。
第1剤は、第1剤の全質量に対して0.1質量%〜12質量%の下記式1で示される化合物を含む。
X1〜X4が示す親水性基は、2価の親水性基であり、その種類は特に限定されないが、ノニオン性親水性基が好ましい。ノニオン性親水性基としては、ポリオキシアルキレン基などが挙げられる。上記アルキレン中の炭素原子数は特に限定されないが、好ましくは1〜5であり、より好ましくは2〜4であり、特に好ましくは2又は3である。ポリオキシアルキレン基としては、例えば、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレレ基、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン基、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−オキシブチレン基などが挙げられる。上記の中でも、良好な染毛性と皮膚着色の抑制の観点から、ポリオキシエチレン基が好ましい。
式1で示される化合物としては、好ましくは下記式1Aで示される化合物である。
式中、Aはそれぞれ独立に、エチレン基又はプロピレン基を示す。a、b、c及びdはそれぞれ独立に0以上の整数を示す。但し、ポリオキシアルキレンの付加モル数(a+b+c+dの合計)は5〜30の整数であり、5〜25の整数が好ましく、10〜20の整数がより好ましい。
式1で示される化合物の特に好ましい例としては、ポリオキシエチレンの付加モル数が10〜20(例えば、10又は20)であるポリオキシエチレンメチルグルコシド、あるいはポリオキシプロピレンの付加モル数が10〜20(例えば、10又は20)であるポリオキシプロピレンメチルグルコシドである。
式1で示される化合物としては、例えば、以下の日油株式会社製市販品を使用することができる。
マクビオブライド(登録商標)MG−10E:
ポリオキシエチレンの付加モル数が10であるポリオキシエチレンメチルグルコシド
マクビオブライド(登録商標)MG−20E:
ポリオキシエチレンの付加モル数が10であるポリオキシエチレンメチルグルコシド
マクビオブライド(登録商標)MG−10P:
ポリオキシプロピレンの付加モル数が10であるポリオキシプロピレンメチルグルコシド
マクビオブライド(登録商標)MG−20P:
ポリオキシプロピレンの付加モル数が20であるポリオキシプロピレンメチルグルコシド
マクビオブライド(登録商標)MG−10E:
ポリオキシエチレンの付加モル数が10であるポリオキシエチレンメチルグルコシド
マクビオブライド(登録商標)MG−20E:
ポリオキシエチレンの付加モル数が10であるポリオキシエチレンメチルグルコシド
マクビオブライド(登録商標)MG−10P:
ポリオキシプロピレンの付加モル数が10であるポリオキシプロピレンメチルグルコシド
マクビオブライド(登録商標)MG−20P:
ポリオキシプロピレンの付加モル数が20であるポリオキシプロピレンメチルグルコシド
式1で示される化合物は1種類の化合物を使用してもよいし、2種類以上の化合物を併用してもよい。
式1で示される化合物の含有量は、第1剤の全質量に対して0.1質量%〜12質量%であり、0.2質量%〜10質量%であることが好ましく0.5質量%〜5質量%であることがより好ましく、2質量%〜3質量%であることが最も好ましい。2種類以上の式1で示される化合物を併用する場合には、合計の含有量が上記範囲になることが好ましい。式1で示される化合物の含有量を上記範囲とすることによって、良好な染毛性と皮膚着色の抑制を同時に達成することが可能になり、さらに染毛剤の高い保存安定性を達成することができる。
式1で示される化合物の含有量は、第1剤の全質量に対して0.1質量%〜12質量%であり、0.2質量%〜10質量%であることが好ましく0.5質量%〜5質量%であることがより好ましく、2質量%〜3質量%であることが最も好ましい。2種類以上の式1で示される化合物を併用する場合には、合計の含有量が上記範囲になることが好ましい。式1で示される化合物の含有量を上記範囲とすることによって、良好な染毛性と皮膚着色の抑制を同時に達成することが可能になり、さらに染毛剤の高い保存安定性を達成することができる。
本発明で用いる鉄と反応して発色する物質としては、鉄と反応して発色する有機化合物又は植物抽出物を使用することができる。鉄と反応して発色する物質の具体例としては、
タンニン酸、サリチル酸及びサリチル酸誘導体、ピロガロール、没食子酸およびその誘導体、五倍子、ログウッド、ヘマテイン、カテコール、フタル酸、オイゲノール、イソオイゲノール、ニコチン酸アミド、デヒドロ酢酸、ピリドキシン、エラグ酸、コウジ酸、マルトール、フェルラ酸、ヒノキチオール、ウコンエキス、クルクミン、オウゴンエキス、タマネギエキス、クエルセチン、ルチン、ヘスペレチン、ヘスペリジン、生コーヒー豆抽出物、カフェー酸、クロロゲン酸、チャエキス、カテキン、エピカテキン、シコンエキス、シソエキス、シソニン、ブドウ葉エキス、ブトウエキス、エノシアニン、ラッカイン酸、ラック、コチニール、カルミン酸、エルダーベリー、アカキャベツ、ムラサキイモ、タマリンド、コウリャン、アピゲニニジン、及びルテオリニジンから選択される少なくとも1種以上を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。上記の中でもより好ましくは、タンニン酸、サリチル酸およびその誘導体、ピロガロール、並びに没食子酸およびその誘導体から選択される1種以上である。鉄と反応して発色する物質としては、タンニン酸と、サリチル酸又はサリチル酸誘導体との組み合わせ、又はピロガロールと、没食子酸又はその誘導体との組み合わせが特に好ましい。
タンニン酸、サリチル酸及びサリチル酸誘導体、ピロガロール、没食子酸およびその誘導体、五倍子、ログウッド、ヘマテイン、カテコール、フタル酸、オイゲノール、イソオイゲノール、ニコチン酸アミド、デヒドロ酢酸、ピリドキシン、エラグ酸、コウジ酸、マルトール、フェルラ酸、ヒノキチオール、ウコンエキス、クルクミン、オウゴンエキス、タマネギエキス、クエルセチン、ルチン、ヘスペレチン、ヘスペリジン、生コーヒー豆抽出物、カフェー酸、クロロゲン酸、チャエキス、カテキン、エピカテキン、シコンエキス、シソエキス、シソニン、ブドウ葉エキス、ブトウエキス、エノシアニン、ラッカイン酸、ラック、コチニール、カルミン酸、エルダーベリー、アカキャベツ、ムラサキイモ、タマリンド、コウリャン、アピゲニニジン、及びルテオリニジンから選択される少なくとも1種以上を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。上記の中でもより好ましくは、タンニン酸、サリチル酸およびその誘導体、ピロガロール、並びに没食子酸およびその誘導体から選択される1種以上である。鉄と反応して発色する物質としては、タンニン酸と、サリチル酸又はサリチル酸誘導体との組み合わせ、又はピロガロールと、没食子酸又はその誘導体との組み合わせが特に好ましい。
没食子酸の誘導体としては、例えば、没食子酸のアルキルエステルが挙げられ、没食子酸のアルキルエステルとしては、例えば、炭素数1〜10、好ましくは2〜5の直鎖状又は分岐状のアルキルエステルが挙げられる。例えば、没食子酸エチル、没食子酸プロピル、没食子酸イソアミルなどが含まれる。没食子酸又はその誘導体は、公知の方法により化学合成したものでもよく、植物から単離したものでもよい。植物から単離したものに更に化学合成を加えたものでもよい。また、植物から得られる没食子酸又はその誘導体を含有するエキスをそのまま用いてもよい。例えば、マメ科植物タラ由来の没食子酸やウルシ科ヌルデに発生する五倍子由来の没食子酸又はそれらを含有するエキスなどを用いることができる。またそれらの没食子酸を化学的にエステル化して得られた誘導体を用いることもできる。サリチル酸の誘導体としては、サリチル酸のエステルや塩が含まれる。サリチル酸の塩としては、サリチル酸のアルカリ金属塩が挙げられる。具体的にはサリチル酸ナトリウムが挙げられる。またサリチル酸のエステルとしては、サリチル酸メチル、サリチル酸エチルなどが挙げられる。
鉄と反応して発色する物質は1種類の化合物を使用してもよいし、2種類以上の化合物を併用してもよい。
鉄と反応して発色する物質の含有量は、第1剤の全質量に対して0.5質量%〜10質量%であることが好ましく、0.5質量%〜6質量%であることがより好ましい。鉄と反応して発色する物質を2種類以上使用する場合には、合計の含有量が上記範囲になることが好ましい。鉄と反応して発色する物質の含有量を上記範囲とすることによって、良好な染毛性を達成することが可能になる。
鉄と反応して発色する物質の含有量は、第1剤の全質量に対して0.5質量%〜10質量%であることが好ましく、0.5質量%〜6質量%であることがより好ましい。鉄と反応して発色する物質を2種類以上使用する場合には、合計の含有量が上記範囲になることが好ましい。鉄と反応して発色する物質の含有量を上記範囲とすることによって、良好な染毛性を達成することが可能になる。
本発明において好ましくは、第1剤は、2−ヒドロキシベンゾフェノン骨格を有する紫外線吸収剤を更に含んでいてもよい。
2−ヒドロキシベンゾフェノン骨格を有する紫外線吸収剤としては、好ましくは、以下の一般式(2)で示される2−ヒドロキシベンゾフェノン骨格を有する化合物を使用することができる。
2−ヒドロキシベンゾフェノン骨格を有する紫外線吸収剤としては、好ましくは、以下の一般式(2)で示される2−ヒドロキシベンゾフェノン骨格を有する化合物を使用することができる。
2−ヒドロキシベンゾフェノン骨格を有する紫外線吸収剤の具体例としては、オキシベンゾン−1(2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン)、オキシベンゾン−3(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンフェノン)、オキシベンゾン−4(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンスルホン酸)、オキシベンゾン−6(2,2’‐ジヒドロキシ‐4,4’‐ジメトキシベンゾフェノン)、テトラヒドロキシベンゾフェノン、オキシベンゾン−9(2,2’‐ジヒドロキシ‐4,4’‐ジメトキシベンゾフェノンジスルホン酸)、4−エトキシ−2−ヒドロキシベンフェノン、4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシベンフェノン、5−アミノ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、4−アミノ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、4’−アミノ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−クロロベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−3、5−ジクロロベンゾフェノン、3’,5−ジクロロ−2−ヒドロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4’−メトキシベンフェノン、2−ヒドロキシ−5−メチルベンフェノン、2−ヒドロキシ−4’−メチルベンフェノン、2−ヒドロキシ−3−tert−ブチルベンフェノンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。上記の中でもより好ましくは、オキシベンゾン−1、オキシベンゾン−3、又はオキシベンゾン−4であり、特に好ましくはオキシベンゾン−4である。
2−ヒドロキシベンゾフェノン骨格を有する紫外線吸収剤としては、ClogPが1以上7以下である化合物を用いることが好ましい。ClogPが1以上7以下である化合物を用いることにより、特に良好な染色効果を達成することができる。その理由としては、ClogPが1以上7以下である化合物を用いることにより、本化合物も髪に浸透し、髪中で鉄キレートを形成し、染色に対して寄与するものと推定される。なお、logPは、疎水性を表すパラメーターで、水とオクタノールの分配係数を示す。近年の計算化学の発展により、コンピューター上において計算によりlogPの値を求めることができるようになり、その値のことをClopPと言う。
2−ヒドロキシベンゾフェノン骨格を有する紫外線吸収剤のうちの代表的な化合物の構造及びClogPを以下に記載する。
2−ヒドロキシベンゾフェノン骨格を有する紫外線吸収剤のうちの代表的な化合物の構造及びClogPを以下に記載する。
2−ヒドロキシベンゾフェノン骨格を有する紫外線吸収剤を使用する場合における使用量は特に限定されないが、第1剤の全質量に対して0.5質量%〜10質量%であることが好ましく、1質量%〜6質量%であることがより好ましい。2−ヒドロキシベンゾフェノン骨格を有する紫外線吸収剤を2種類以上使用する場合には、合計の含有量が上記範囲になることが好ましい。
本発明において好ましくは、第1剤は、第1剤の全質量に対して0.5質量%〜10質量%のアンモニウム塩を更に含んでいてもよい。
アンモニウム塩としては、具体的に炭酸水素アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、過塩素酸アンモニウム等が挙げられ、これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。特に好ましくは、炭酸水素アンモニウムを使用することができる。
アンモニウム塩を使用する場合、その含有量は特に限定されないが、0.5質量%〜10質量%であることが好ましく、1質量%〜5質量%であることがより好ましい。アンモニウム塩を2種類以上使用する場合には、合計の含有量が上記範囲になることが好ましい。
アンモニウム塩としては、具体的に炭酸水素アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、過塩素酸アンモニウム等が挙げられ、これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。特に好ましくは、炭酸水素アンモニウムを使用することができる。
アンモニウム塩を使用する場合、その含有量は特に限定されないが、0.5質量%〜10質量%であることが好ましく、1質量%〜5質量%であることがより好ましい。アンモニウム塩を2種類以上使用する場合には、合計の含有量が上記範囲になることが好ましい。
本発明において好ましくは、第1剤は、第1剤の全質量に対して1質量%〜12質量%、より好ましくは1質量%〜5質量%のベンジルアルコールを更に含んでいてもよい。ベンンジルアルコールを含むことで、キューティクルを膨潤させ、染毛性を向上させることができる。ベンジルアルコールは溶剤として使用することができる。
本発明において好ましくは、第1剤は、酸化防止剤を更に含んでいてもよい。
酸化防止剤としては、通常の染毛剤に使用できるものを用いることができ、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、チオ硫酸塩、アスコルビン酸類、チオグリコール酸類、システイン類、メルカプト化合物等が挙げられる。酸化防止剤として、具体的には、亜硫酸ナトリウム、L−アスコルビン酸及びその塩、チオグリコール酸及びその塩、L−システイン及びその塩、N−アセチル−L−システイン及びその塩が好ましいものとして挙げられる。中でも、亜硫酸ナトリウムは、染料前駆物質の安定化に寄与するだけでなく、染毛力をも向上させるため好ましい。酸化防止剤は、いずれかを1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
酸化防止剤としては、通常の染毛剤に使用できるものを用いることができ、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、チオ硫酸塩、アスコルビン酸類、チオグリコール酸類、システイン類、メルカプト化合物等が挙げられる。酸化防止剤として、具体的には、亜硫酸ナトリウム、L−アスコルビン酸及びその塩、チオグリコール酸及びその塩、L−システイン及びその塩、N−アセチル−L−システイン及びその塩が好ましいものとして挙げられる。中でも、亜硫酸ナトリウムは、染料前駆物質の安定化に寄与するだけでなく、染毛力をも向上させるため好ましい。酸化防止剤は、いずれかを1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
酸化防止剤を使用する場合、その含有量は特に限定されないが、第1剤の全質量に対して、0.5質量%〜10質量%含有することが好ましく、1質量%〜6質量%含有することがより好ましい。酸化防止剤を2種類以上使用する場合には、合計の含有量が上記範囲になることが好ましい。
本発明の染毛剤における第1剤の特に好ましい例としては、鉄と反応して発色する物質として、タンニン酸と、サリチル酸又はサリチル酸誘導体との組み合わせ、又はピロガロールと、没食子酸又はその誘導体との組み合わせを含み、式1で示される化合物として、ポリオキシエチレンの付加モル数が10又は20であるポリオキシエチレンメチルグルコシド、あるいはポリオキシプロピレンの付加モル数が10又は20であるポリオキシプロピレンメチルグルコシドを含み、2−ヒドロキシベンゾフェノン骨格を有する紫外線吸収剤としてオキシベンゼン−4、オキシベンゼン−3又はオキシベンゼン−1を含み、第1剤の全質量に対して0.5質量%〜10質量%の炭酸水素アンモニウムを更に含み、第1剤の全質量に対して1質量%〜12質量%のベンジルアルコールを更に含み、酸化防止剤として亜硫酸ナトリウムを更に含む場合を挙げることができる。
<第2剤>
本発明の染毛剤における第2剤は、鉄塩を含む。
本発明で用いる鉄塩としては、染毛作用を発揮できるものであれば特に限定されないが、一般的には、硫酸第一鉄、塩化第一鉄、酢酸第一鉄、硫酸第二鉄、塩化第二鉄、酢酸第二鉄などを使用することができる、上記の中でも好ましくは、硫酸第一鉄、又は塩化第二鉄である。
鉄塩の使用量は、本発明の効果が得られる限り特に限定されないが、好ましくは第2剤の全質量に対して0.5〜10質量%であり、好ましくは1〜6質量%である。
本発明の染毛剤における第2剤は、鉄塩を含む。
本発明で用いる鉄塩としては、染毛作用を発揮できるものであれば特に限定されないが、一般的には、硫酸第一鉄、塩化第一鉄、酢酸第一鉄、硫酸第二鉄、塩化第二鉄、酢酸第二鉄などを使用することができる、上記の中でも好ましくは、硫酸第一鉄、又は塩化第二鉄である。
鉄塩の使用量は、本発明の効果が得られる限り特に限定されないが、好ましくは第2剤の全質量に対して0.5〜10質量%であり、好ましくは1〜6質量%である。
第2剤は、鉄塩の他に、第1剤で説明した酸化防止剤をさらに含んでいてもよい。
第2剤においては、酸化防止剤のうち、L−アスコルビン酸及びその塩から選択される1種以上を含有することがより好ましい。L−アスコルビン酸の塩としては、L−アスコルビン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸カルシウム等が挙げられる。
第2剤において、酸化防止剤は、いずれかを1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
第2剤が酸化防止剤を含む場合、その含有量は特に限定されないが、第2剤の全質量に対して、0.5質量%〜10質量%含有してもよく、1質量%〜6質量%含有することがより好ましい。
第2剤においては、酸化防止剤のうち、L−アスコルビン酸及びその塩から選択される1種以上を含有することがより好ましい。L−アスコルビン酸の塩としては、L−アスコルビン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸カルシウム等が挙げられる。
第2剤において、酸化防止剤は、いずれかを1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
第2剤が酸化防止剤を含む場合、その含有量は特に限定されないが、第2剤の全質量に対して、0.5質量%〜10質量%含有してもよく、1質量%〜6質量%含有することがより好ましい。
<他の成分>
第1剤及び/又は第2剤には、上記各成分に加えて各種の成分を加えてもよい。
他の成分としては、基剤、界面活性剤、溶剤、pH調整剤、湿潤剤、増粘剤、防腐剤、油脂類、有機酸、香料、金属臭のマスキング剤、着色剤、等などが挙げられる。また、他の成分としては、本発明の目的を損なわない範囲で通常の化粧品等に用いられる成分、例えば、育毛養毛剤、フケ防止剤、抗菌剤、柔軟剤、保湿剤、活性酸素除去剤、抗微生物剤、シリコーン、ミネラル、加水分解タンパク、ペプチド、アミノ酸類を適宜配合することもできる。これらの他の成分の含有量は、本発明の効果を奏する範囲内で適宜設定することができる。
第1剤及び/又は第2剤には、上記各成分に加えて各種の成分を加えてもよい。
他の成分としては、基剤、界面活性剤、溶剤、pH調整剤、湿潤剤、増粘剤、防腐剤、油脂類、有機酸、香料、金属臭のマスキング剤、着色剤、等などが挙げられる。また、他の成分としては、本発明の目的を損なわない範囲で通常の化粧品等に用いられる成分、例えば、育毛養毛剤、フケ防止剤、抗菌剤、柔軟剤、保湿剤、活性酸素除去剤、抗微生物剤、シリコーン、ミネラル、加水分解タンパク、ペプチド、アミノ酸類を適宜配合することもできる。これらの他の成分の含有量は、本発明の効果を奏する範囲内で適宜設定することができる。
基剤としては、高級アルコール類、炭化水素、脂肪酸エステル、植物油、脂肪酸等を挙げることができる。
界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸及びその塩、アルキルグルコシド、N−アシルアミノ酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、スルホン酸塩、アルキルアンモニウム塩、アルキルアミドプロピルベタイン等を挙げることができる。
界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸及びその塩、アルキルグルコシド、N−アシルアミノ酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、スルホン酸塩、アルキルアンモニウム塩、アルキルアミドプロピルベタイン等を挙げることができる。
溶剤としては、水、エタノール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、1,3−ブチレングリコール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、グリセリン、プロピレングリコール等を挙げることができる。
pH調整剤としては、アンモニア、炭酸アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、モノエタノールアミン、イソプロパノールアミン、塩酸等を用いることができる。
pH調整剤としては、アンモニア、炭酸アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、モノエタノールアミン、イソプロパノールアミン、塩酸等を用いることができる。
湿潤剤としては、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、アミノ酸、植物油等を挙げることができる。
増粘剤としては、例えば、キサンタンガム、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、ポリエチレングリコール、ヒドロキシエチルセルロース等を挙げることができる。中でも、好適な増粘剤の一つとして、キサンタンガムを用いることが好ましい。キサンタンガムは、キサントモナス属菌を用いて炭水化物を醗酵させて得られた多糖類である。
増粘剤としては、例えば、キサンタンガム、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、ポリエチレングリコール、ヒドロキシエチルセルロース等を挙げることができる。中でも、好適な増粘剤の一つとして、キサンタンガムを用いることが好ましい。キサンタンガムは、キサントモナス属菌を用いて炭水化物を醗酵させて得られた多糖類である。
<染毛剤の構成>
本発明の染毛剤は、第1剤及び第2剤を含むものである。
第1剤と第2剤との割合(第1剤:第2剤)は、質量比で1:0.5〜1:2の範囲が好ましく、1:0.8〜1:1.2の範囲がより好ましく、1:1がさらに好ましい。
第1剤のpHは、好ましくはpH5〜10であり、より好ましくはpH6〜9である。
第2剤のpHは、好ましくはpH2〜6であり、より好ましくはpH3〜5である。
本発明の染毛剤は、第1剤及び第2剤を含むものである。
第1剤と第2剤との割合(第1剤:第2剤)は、質量比で1:0.5〜1:2の範囲が好ましく、1:0.8〜1:1.2の範囲がより好ましく、1:1がさらに好ましい。
第1剤のpHは、好ましくはpH5〜10であり、より好ましくはpH6〜9である。
第2剤のpHは、好ましくはpH2〜6であり、より好ましくはpH3〜5である。
第1剤及び第2剤の剤型は、特に制限されない。例えば、クリーム、液体、ゲル、エマルション、スプレー剤、エアゾール型等とすることができる。中でも、エアゾール型が好ましい。なお、第1剤の剤型と第2剤の剤型とは、同一であっても、異なっていてもよい。
第1剤及び第2剤は、各剤型の種類に従い選択できる製剤化に必要な公知の成分をさらに含有することができる。
第1剤及び第2剤は、各剤型の種類に従い選択できる製剤化に必要な公知の成分をさらに含有することができる。
製剤化に必要な公知の成分としては、剤型の種類ごとに適宜設定すればよい。
エアゾール型剤型を例に挙げれば、第1剤又は第2剤と、圧縮ガス、界面活性剤、増粘剤及び/又は液化ガス等とを、嫌気雰囲気下で耐圧容器に充填することにより製造することができる。なお、ここで用いられる圧縮ガスとしては、窒素、炭酸、アルゴンなどが好ましい。その他の剤型についても、公知の方法に従い調製することができる。
エアゾール型剤型を例に挙げれば、第1剤又は第2剤と、圧縮ガス、界面活性剤、増粘剤及び/又は液化ガス等とを、嫌気雰囲気下で耐圧容器に充填することにより製造することができる。なお、ここで用いられる圧縮ガスとしては、窒素、炭酸、アルゴンなどが好ましい。その他の剤型についても、公知の方法に従い調製することができる。
[染毛方法]
本発明の毛髪の染毛方法は、本発明の第1剤と第2剤とを含む染毛剤を毛髪に付与することを含む。なお、第1剤及び第2剤については、前述した事項をそのまま適用することができる。
毛髪としては、特に頭髪が挙げられる。
本発明の毛髪の染毛方法は、本発明の第1剤と第2剤とを含む染毛剤を毛髪に付与することを含む。なお、第1剤及び第2剤については、前述した事項をそのまま適用することができる。
毛髪としては、特に頭髪が挙げられる。
毛髪に付与する方法としては、第1剤を毛髪に付与し、一定時間放置し、その後第2剤を毛髪に付与し、一定時間放置し、上記第1剤及び上記第2剤を洗い流す方法が挙げられる。また、毛髪に付与する別の方法としては、第1剤及び第2剤を同時に毛髪に付与し、一定時間放置し、上記第1剤及び上記第2剤を洗い流す方法が挙げられる。
毛髪への付与は、公知の方法に従い行うことができる。具体的には、直接毛髪に付与してもよく、手又はブラシなどの道具を使って毛髪に塗布してもよい。剤の飛び散りや液ダレを防止する観点から、手袋をした手を用いて毛髪に塗布することがより好ましい。
第1剤及び第2剤を放置する時間は適宜設定することができる。また、第1剤及び第2剤を洗い流す方法は、公知の方法を用いればよい。
第1剤及び第2剤を放置する時間は適宜設定することができる。また、第1剤及び第2剤を洗い流す方法は、公知の方法を用いればよい。
染毛剤の付与量としては、適宜設定することができる。例えば、長さ20センチ程度の頭髪に、第1剤を30g〜70g程度、第2剤を30g〜70g程度付与することが好ましい。また、第1剤を40g〜60g程度、第2剤を40g〜60g程度付与することがさらに好ましく、一例としては、第1剤を50g及び第2剤を50g付与することができる。
以下に、本発明の実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、以下の実施例に示される材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
(染毛剤の調製)
下記の表1に示す組成の第1剤、及び下記の表2に示す組成の第2剤を常法により製造した。各化合物についての表中の数値は、第1剤又第2剤のそれぞれの全質量に対する質量%を示す。なお、表1中の水酸化ナトリウムにおける適量は、pH7に調整するのに必要な量を意味する。
下記の表1に示す組成の第1剤、及び下記の表2に示す組成の第2剤を常法により製造した。各化合物についての表中の数値は、第1剤又第2剤のそれぞれの全質量に対する質量%を示す。なお、表1中の水酸化ナトリウムにおける適量は、pH7に調整するのに必要な量を意味する。
(染毛方法)
長さ約10センチの白髪(品番:BS-C、ビューラックス社製)毛束1gに、第1剤各2gを塗布し、均一にのばした後、20分間放置後、第2剤各2gを塗布し、均一にのばした後、10分間放置した。その後、シャンプー及びリンス処理し、ドライヤーで毛束を乾燥させた。
長さ約10センチの白髪(品番:BS-C、ビューラックス社製)毛束1gに、第1剤各2gを塗布し、均一にのばした後、20分間放置後、第2剤各2gを塗布し、均一にのばした後、10分間放置した。その後、シャンプー及びリンス処理し、ドライヤーで毛束を乾燥させた。
(染毛性の評価)
染毛した毛束をミノルタ社製のCR200型色彩色差計で測色し、染毛前の元の白髪とのΔL値から、下記基準で評価した。なお、ΔL値とは、染毛前の毛束と染毛後の毛束について、色彩色差計で測定した値の差のことである。
A:ΔL値≦25(染毛力が非常に強い)
B:25<ΔL値≦30(染毛力が強い)
C:30<ΔL値(染毛力が弱い)
染毛した毛束をミノルタ社製のCR200型色彩色差計で測色し、染毛前の元の白髪とのΔL値から、下記基準で評価した。なお、ΔL値とは、染毛前の毛束と染毛後の毛束について、色彩色差計で測定した値の差のことである。
A:ΔL値≦25(染毛力が非常に強い)
B:25<ΔL値≦30(染毛力が強い)
C:30<ΔL値(染毛力が弱い)
(皮膚着色性の評価)
実施例及び比較例の第1剤をパネラーの前腕内側に直径1cmの円状範囲に薄く塗り、20分間放置した後、第2剤を重ねて塗布し、10分間放置した後、温水で洗い流した。さらにシャンプーを使用して1分間指で軽くこすり、温水で洗い流した後、皮膚への染着の度合いを下記の基準により評価した。
A:地肌汚れが殆どない
B:地肌汚れが少ない
C:地肌汚れがある
実施例及び比較例の第1剤をパネラーの前腕内側に直径1cmの円状範囲に薄く塗り、20分間放置した後、第2剤を重ねて塗布し、10分間放置した後、温水で洗い流した。さらにシャンプーを使用して1分間指で軽くこすり、温水で洗い流した後、皮膚への染着の度合いを下記の基準により評価した。
A:地肌汚れが殆どない
B:地肌汚れが少ない
C:地肌汚れがある
(保存安定性の評価)
4℃で1ヵ月保管品と、50℃で1ヵ月経時品を用い、上記染毛方法で染毛した毛束をミノルタ社製のCR200型色彩色差計で測色し、その色差(ΔE値)から、下記基準で評価した。なお、ΔE値とは、4℃保管品と50℃で1カ月経時品とについて、色彩色差計で測定した値の差のことである。
A:ΔE≦2(目視で殆ど差がわからない)
B:2<ΔE<4(目視で若干差がわかる)
C:4≦ΔE(目視で差がわかる)
4℃で1ヵ月保管品と、50℃で1ヵ月経時品を用い、上記染毛方法で染毛した毛束をミノルタ社製のCR200型色彩色差計で測色し、その色差(ΔE値)から、下記基準で評価した。なお、ΔE値とは、4℃保管品と50℃で1カ月経時品とについて、色彩色差計で測定した値の差のことである。
A:ΔE≦2(目視で殆ど差がわからない)
B:2<ΔE<4(目視で若干差がわかる)
C:4≦ΔE(目視で差がわかる)
上記の評価の結果を表1に記載する。
実施例1〜8の染毛剤を用いた場合には、染毛性及び皮膚着色性はA又はBであり共に良好であった。一方、親水性基を有するメチルグルコシド誘導体を使用しない比較例1、3及び4では皮膚着色性の評価がCであり、実施例より劣っている。また、ベタインを使用した比較例2においては染毛性の評価がCであり、実施例より劣っている。また、実施例1〜8の染毛剤は、保存安定性の評価が全てAであり優れていた。
実施例1〜8の染毛剤を用いた場合には、染毛性及び皮膚着色性はA又はBであり共に良好であった。一方、親水性基を有するメチルグルコシド誘導体を使用しない比較例1、3及び4では皮膚着色性の評価がCであり、実施例より劣っている。また、ベタインを使用した比較例2においては染毛性の評価がCであり、実施例より劣っている。また、実施例1〜8の染毛剤は、保存安定性の評価が全てAであり優れていた。
本発明の染毛剤及び染毛方法は、安全性、染毛性及び保存安定性に優れ、かつ皮膚着色が少ない染毛剤として利用可能である。
Claims (13)
- 親水性基が、ポリオキシアルキレン基である、請求項1に記載の染毛剤。
- 式1で示される化合物が、ポリオキシエチレンの付加モル数が10〜20であるポリオキシエチレンメチルグルコシド、あるいはポリオキシプロピレンの付加モル数が10〜20であるポリオキシプロピレンメチルグルコシドである、請求項1から3の何れか一項に記載の染毛剤。
- 鉄と反応して発色する物質が、タンニン酸、サリチル酸及びサリチル酸誘導体、ピロガロール、没食子酸およびその誘導体、五倍子、ログウッド、ヘマテイン、カテコール、フタル酸、オイゲノール、イソオイゲノール、ニコチン酸アミド、デヒドロ酢酸、ピリドキシン、エラグ酸、コウジ酸、マルトール、フェルラ酸、ヒノキチオール、ウコンエキス、クルクミン、オウゴンエキス、タマネギエキス、クエルセチン、ルチン、ヘスペレチン、ヘスペリジン、生コーヒー豆抽出物、カフェー酸、クロロゲン酸、チャエキス、カテキン、エピカテキン、シコンエキス、シソエキス、シソニン、ブドウ葉エキス、ブトウエキス、エノシアニン、ラッカイン酸、ラック、コチニール、カルミン酸、エルダーベリー、アカキャベツ、ムラサキイモ、タマリンド、コウリャン、アピゲニニジン、及びルテオリニジンからなる群から選択される少なくとも1種以上である、請求項1から4の何れか一項に記載の染毛剤。
- 鉄と反応して発色する物質が、タンニン酸と、サリチル酸又はサリチル酸誘導体との組み合わせ、又はピロガロールと、没食子酸又はその誘導体との組み合わせである、請求項1から5の何れか一項に記載の染毛剤。
- 第1剤が、2−ヒドロキシベンゾフェノン骨格を有する紫外線吸収剤を更に含む、請求項1から6の何れか一項に記載の染毛剤。
- 第1剤が、第1剤の全質量に対して0.5質量%〜10質量%のアンモニウム塩を更に含む、請求項1から7の何れか一項に記載の染毛剤。
- 第1剤が、第1剤の全質量に対して1質量%〜12質量%のベンジルアルコールを更に含む、請求項1から8の何れか一項に記載の染毛剤。
- 第1剤が、酸化防止剤を更に含む、請求項1から9の何れか一項に記載の染毛剤。
- 第1剤が、鉄と反応して発色する物質として、タンニン酸と、サリチル酸又はサリチル酸誘導体との組み合わせ、又はピロガロールと、没食子酸又はその誘導体との組み合わせを含み、式1で示される化合物として、ポリオキシエチレンの付加モル数が10又は20であるポリオキシエチレンメチルグルコシド、あるいはポリオキシプロピレンの付加モル数が10又は20であるポリオキシプロピレンメチルグルコシドを含み、2−ヒドロキシベンゾフェノン骨格を有する紫外線吸収剤としてオキシベンゼン−4、オキシベンゼン−3又はオキシベンゼン−1を含み、第1剤の全質量に対して0.5質量%〜10質量%の炭酸水素アンモニウムを更に含み、第1剤の全質量に対して1質量%〜12質量%のベンジルアルコールを更に含み、酸化防止剤として亜硫酸ナトリウムを更に含む、請求項1から10の何れか一項に記載の染毛剤。
- 鉄塩が、硫酸第一鉄、塩化第一鉄、酢酸第一鉄、硫酸第二鉄、塩酸第二鉄及び酢酸第二鉄からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1から11の何れか一項に記載の染毛剤。
- 請求項1から12の何れか一項に記載の染毛剤を毛髪に付与することを含む毛髪の染毛方法。
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