以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
図1および図2は、本発明の第1実施形態に基づく組み合わせ容器包装体を示している。本実施形態の組み合わせ容器包装体A1は、内容物Ctが充填された内容器B1および外容器C1を備えている。内容物Ctが充填された内容器B1は、内容器包装体を構成している。
図1は、内容物Ctが充填された内容器B1を外容器C1に装填する状態を示す分解斜視図である。図2は、装填後の組み合わせ容器包装体A1に係る図1のII−II線に沿う断面図である。
組み合わせ容器包装体A1は、内容物Ctについての包装体である。内容物Ctは、内容器B1に収容されるものであれば特に限定されず、様々な固体および液体が採用され得る。また、内容物Ctとしては、日用品、食品、医薬品、工業用品などが挙げられる。たとえば、内容物Ctが食品である場合、粉末調味料などの粉粒体や、油などの液体が内容物Ctの一例として挙げられる。
内容器B1は、内容物Ctが直接充填されており、外容器C1に収容されることによって詰替え用として使用されることが意図されている。内容器B1は、台材1および包装フィルム2を備えている。
本発明で言う台材としては、内容物Ctを適切に保持しつつ、後述する脱気を適切に行いうるものであればよく、一般的な、所謂ノンコート紙と呼ばれる厚紙、普通紙、合成紙等からなる台紙の他に、一部に切り欠き(単なる孔やミシン目などを含み、その形状は特に限定されない)が設けられた、表面に樹脂層が設けられた所謂コート紙、合成樹脂シート、発泡シート、あるいは多孔質シートなどを採用しうる。これらは単層シート、およびこれらの2以上のシートが積層接着された積層シートなどの各種シート材を用いることができる。台紙として厚紙が用いられる場合、その厚みは、特に限定されないが、たとえば、0.1mm〜1.0mmである。また、台紙として普通紙、合成紙、コート紙が用いられる場合、その目付量は、特に限定されないが、たとえば、好ましくは50g/m2〜600g/m2であり、さらに好ましくは270g/m2〜500g/m2である。台紙として合成樹脂シートまたは発泡シートが用いられる場合、その厚みは、特に限定されないが、たとえば、40μm〜200μm程度である。本実施形態においては、台材1として略長矩形状の厚紙からなる台紙を用いる場合を例として説明する。
台材1は、フランジ部11および窓部11aを有している。上述した材質および厚さとされた台材1は、後述する包装フィルム2よりも剛性が高い。また、台材1には、内容物Ctの商品名や商品情報が印刷されていてもよい。
窓部11aは、台材1の一部が切り取られるなどによって形成されており、台材1の厚さ方向に貫通する孔である。窓部11aの形状は特に限定されず、本実施形態においてはたとえば長矩形状とされている。フランジ部11は、窓部11aが形成されることにより、環状とされた部分であり、平板状である。フランジ部11には、包装フィルム2の一部が接合されている。
包装フィルム2は、環状部21およびカップ部22を有している。環状部21は、カップ部22を取り囲む環状部分であり、台材1のフランジ部11の図中上面に接合されている。カップ部22は、内容物Ctを収容する部位であり、包装フィルム2が部分的に延伸されることにより内容物Ctを収容可能な形態とされている。
本実施形態においては、図2に示すように、カップ部22は、台材1の図中上面側から図中下面側へと窓部11aを通じて膨出している。カップ部22の形状は特に限定されず、本実施形態においては、ゆるやかなテーパ角を有する角錐台形状とされている。包装フィルム2のうち、少なくともカップ部22は、可撓性を有することにより屈曲自在とされている。なお、屈曲自在とは、典型的には、たとえば一般的な購入者の手によって容易にその形状が変形し、各所が屈曲することにより速やかに押しつぶされることが可能な程度であることを意味する。一方、カップ部22に内容物Ctが収容されている場合においては、内容物Ctによって補助されることにより、カップ部22が自立姿勢を保つこともあり得る。本実施形態のカップ部22においては、テーパ角がたとえば2°〜15°である。なお、カップ部22のサイズおよび形状は、内容物Ctに応じて台材1および後述する内容器B1の製造方法に用いられる金型のサイズおよび形状によって適宜設定可能である。
包装フィルム2としては、単層構成または一種あるいは二種以上の複層構成の合成樹脂製フィルムが用いられる。また、適宜必要に応じて、ガスバリアー性や遮光性等の各種機能を有する周知のフィルムを用いることもできる。包装フィルム2の厚みは、通常30μm〜300μm、好ましくは60μm〜200μmである。
包装フィルム2の材質としては、特に限定されないが、たとえば、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、軟質塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂が挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂としては、たとえば、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどのポリエチレン系樹脂、ポリプロピレンなどのポリプロピレン系樹脂、プロピレン−エチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸−不飽和カルボン酸エステル共重合体などの各種共重合体が挙げられ、好ましくは、ポリエチレン系樹脂であり、特に好ましくは、直鎖状低密度ポリエチレンである。これらは単独で用いてもよいし、二種以上混合して用いてもよい。
ポリアミド系樹脂としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン69、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12などの脂肪族ポリアミド重合体、ナイロン6−66(ナイロン6とナイロン66の共重合体を表す。以下同様に表記する)、ナイロン6−10、ナイロン6−12、ナイロン6−69、ナイロン6−610、ナイロン66−69などの脂肪族ポリアミド共重合体を例示することができる。なかでも、脂肪族ポリアミド共重合体が好ましく、特にナイロン6−66、ナイロン6−10またはナイロン6−12が好ましい。これらは単独で用いてもよいし、二種以上混合して用いてもよい。
ポリエステル系樹脂としては、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンテレフタレート/イソフタレート)、ポリ(エチレングリコール/シクロへキサンジメタノール/テレフタレート)などが代表格としてあげられ、更にこれらの重合体に共重合成分としてエチレングリコール、ブチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオールなどのジオール類、あるいはイソフタール類、ベンゾフェノンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルメタンジカルボン酸、プロピレンビス(フェニルカルボン酸)、ジフェニルオキサイドジカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、サバチン酸、ジエチルコハク酸などのジカルボン酸を含有せしめたものが使用できる。
本発明においては、包装フィルム2として、融点の異なる樹脂を少なくとも二層以上有する複層構成のフィルムが好ましい。具体的には、たとえば、高融点の樹脂(即ち耐熱性を有し、低融点の樹脂よりも強度のある樹脂)を中間層とし、該中間層の樹脂よりも低融点の樹脂を表裏層とする二種三層で構成されたフィルムや、高融点の樹脂と低融点の樹脂とが交互に複数積層された積層部(通常、高融点の樹脂と低融点の樹脂が一層ずつ積層された複層部を3以上含む)を有するフィルム等が挙げられる。台材1への接着に寄与する低融点の樹脂よりも耐熱性を有する樹脂を積層することにより、包装フィルム2の特性として必要な延伸性を低融点の樹脂である程度担保しつつ、高融点の樹脂で包装フィルム2の強度を向上することができる。また、低融点の樹脂を供えることで台材1と包装フィルム2の接着性を強固にしつつ、高融点の樹脂によりフィルムの強度を向上できる。
二種三層で構成されたフィルムとしては、たとえば、ポリオレフィン系樹脂(低融点)/ポリオレフィン系樹脂(高融点)/ポリオレフィン系樹脂(低融点)、ポリオレフィン系樹脂/ポリアミド系樹脂/ポリオレフィン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂/ポリエステル系樹脂/ポリオレフィン系樹脂、等が挙げられ、好ましくは、ポリオレフィン系樹脂/ポリアミド系樹脂/ポリオレフィン系樹脂である。なかでも、ポリオレフィン系樹脂が直鎖状低密度ポリエチレンまたは低密度ポリエチレンのいずれかであり、ポリアミド系樹脂が脂肪族ポリアミド共重合体であることが特に好ましい。また、積層部を有するフィルムとしては、上記二種三層で構成されたフィルムと同様の高融点の樹脂および低融点の樹脂が用いられるが、たとえば、ポリアミド系樹脂(高融点)/ポリオレフィン系樹脂(低融点)からなる複層部を4〜8含む積層部を中間層とし、表層にポリアミド系樹脂を、裏層に直鎖状低密度ポリエチレンを積層したフィルムが好適に用いられる。本実施形態においては、ポリアミド系樹脂(高融点)/ポリオレフィン系樹脂(低融点)からなる複層部を少なくとも4以上含む多層のフィルムを使用した。
台材1と包装フィルム2とを接合するために、たとえば台材1の片面に接着剤層が設けられている。この接着剤層は、ベタ状に設けられていてもよいし、断続的に設けられていてもよい。また、この接着剤層が、包装フィルム2の片面に設けられていてもよい。包装フィルム2の片面に接着剤層が設けられている場合、台材1側には接着剤層を設ける必要性はない。接着剤層の厚みは、特に限定されないが、たとえば、10μm〜100μmである。本実施形態においては、台材1の片面(図中上面)に接着剤層が設けられている場合を例として説明する。
感熱性接着剤は、室温では固化しており且つ加熱されることによって活性化して接着性を発現し、冷却によって固化して部材間を接着する接着剤である。感熱性粘着剤は、室温では固化しており且つ加熱されることによって活性化して接着性を発現して部材間を接着し、冷却後も粘着性が持続する接着剤である。
感熱性接着剤等の種類としては、たとえば、ディレードタック型、エマルジョン型、溶剤型、ホットメルト型などが挙げられる。
ディレードタック型は、室温で接着性を示さず、加熱することによって接着性を示し且つ冷却後長時間に亘ってその接着性が持続するものであり、グラビアコーティングなどの印刷によって塗工可能なものである。ディレードタック型としては、たとえば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、合成ゴムなどのベース樹脂に粘着付与剤及び固体可塑剤が配合されたものなどが例示される。
エマルジョン型または溶剤型は、たとえば、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの熱接着性樹脂と粘着付与剤などを、水または有機溶剤などに溶解または分散させた溶液を、グラビアコーティングなどの印刷によって塗工可能であり、塗工後乾燥して使用するものである。これらも、乾燥後は接着性を示さず、加熱することによって接着性を示すものである。
ホットメルト型は、ホットメルトコーター、エクストルージョンラミネーターなどによって加熱溶融して塗工するものである。この例としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体やエチレンアクリル酸共重合体などのエチレン系樹脂、スチレン−ブタジエンブロック共重合体などのベース樹脂に粘着付与剤などの添加剤が配合されたものが挙げられる。
使用される感熱性接着剤等は、通常、軟化点60℃〜180℃のものが用いられ、好ましくは、軟化点70℃〜140℃である。このような軟化点の接着剤を用いることにより、包装フィルム2を軟化させるために加熱した際に、その熱で接着剤層の接着剤を活性化させることができる。なお、前記軟化点は、JIS K 6863に準じて測定できる。
封止部材3は、カップ部22を塞いでおり、本実施形態においては、包装フィルム2の環状部21に接合されている。包装フィルム2のカップ部22と封止部材3とは、内容物Ctを収容するための収容空間を規定している。また、包装フィルム2と封止部材3との接合部分は、良好な気密性を有することが好ましい。封止部材3には、内容物Ctの商品名や商品情報が適宜印刷されていてもよい。
封止部材3の材質は特に限定されず、たとえば合成紙、普通紙、表面に樹脂層が設けられた所謂コート紙などの紙材、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂などの比較的軟質なフィルム、比較的硬質なプラスチックなどからなるシート、あるいはカップ部22を封止可能な形状に成形された成型材などが適宜用いられる。なお、封止部材3が成型材からなる場合、封止部材3は、台材1に対して嵌め込まれることによって固定される構成であってもよい。以下においては、封止部材3がフィルムからなる場合を例に説明する。
包装フィルム2と封止部材3とは、種々の手法によって接合され、たとえば接着剤や粘着剤等を介在させて接合され、或いはシーラント層を介してヒートシール(熱溶着)によって接合される。このヒートシールの具体例としては、たとえば凝集剥離タイプ、層間剥離タイプおよび界面剥離タイプが挙げられる。凝集剥離タイプは、前記シーラント層が包装フィルム2側と封止部材3側とに分離されることによって開封されるタイプである。層間剥離タイプは、前記シーラント層と封止部材3とが剥離することによって開封されるタイプである。界面剥離タイプは、前記シーラント層と包装フィルム2とが剥離することによって開封されるタイプである。なお、以上の説明おける前記シーラント層は、たとえば後述するフィルム材料20に含まれる最外層として構成されていてもよい。前記シーラント層の厚みは、たとえば30μm〜80μm程度である。
内容物Ctは、包装フィルム2のカップ部22と封止部材3とによって囲まれた前記収容空間に収容されている。内容物Ctの種類や数量などは限定されず、様々な態様の内容物Ctを採用することができる。本実施形態においては、粉粒体あるいは顆粒体からなる内容物Ctを例として示している。
ここで、内容器B1の製造方法の一例について図3〜図5を参照しつつ以下に説明する。なお、以降の説明においては、1つの内容器B1を製造する場合を例に説明するが、これとは異なり、たとえば複数の内容器B1を一括して製造してもよい。
まず、厚紙材料10を用意する。厚紙材料10は、内容器B1の台材1となるものであり、本例においては上述した台紙からなる。厚紙材料10は、フランジ部11となるべき部分を有しており、窓部11aが形成されている。窓部11aは、厚紙材料10の一部が切断により切り取られたものである。なお、厚紙材料10は、台材1となる部分の外側に余白部分を有するものであってもよい。
図3に示すように、金型8を用意する。金型8は、厚紙材料10を保持するとともに、フィルム材料20に対して後述する脱気工程を施すためのものである。金型8は、保持部81および凸部82を有している。保持部81は、厚紙材料10のフランジ部11となる部分の裏面10bを保持する部分であり、図中上面を向く平面を有している。凸部82は、平面視において厚紙材料10の窓部11aと一致しうる位置に設けられており、図中上方に突出している。凸部82の形状は特に限定されず、本実施形態においては、上述した包装フィルム2のカップ部22の形状に対応して角錐台形状とされている。凸部82のテーパ角は、片側がたとえば2°〜5°程度である。
また、金型8は、複数の吸引孔84、複数の吸引孔85、吸引経路86および吸引経路87を有している。複数の吸引孔84は、各々が保持部81の上面に開口しており、吸引経路86に繋がっている。複数の吸引孔85は、各々が凸部82の頂面に開口しており、吸引経路87に繋がっている。吸引経路86は、複数の吸引孔84から脱気するための経路であり、図示しないポンプなどの吸引源に接続されている。吸引経路87は、複数の吸引孔85から脱気するための経路であり、図示しない前記ポンプに接続されている。また、吸引経路86と吸引経路87とは、同一の前記ポンプに対してたとえば図示しないバルブを介して接続されている。このバルブを開閉操作することにより、複数の吸引孔84および複数の吸引孔85の双方から脱気するモードと、複数の吸引孔85のみから脱気し複数の吸引孔84から脱気しないモードとをとることができるように構成されている。
次いで、金型8の凸部82を台材1の窓部11aに通すようにして、厚紙材料10を金型8に装着する。この際、厚紙材料10の裏面10bを金型8の保持部81の上面に対面させる。そして、フィルム材料20を金型8および厚紙材料10の上方に位置させる。なお、フィルム材料20は、スムーズに変形することが容易となる程度に加熱しておくことが好ましい。
次いで、図4に示すように脱気工程を行う。吸引経路86および吸引経路87を介して上述したポンプ(図示略)による吸引を開始すると、金型8および厚紙材料10とフィルム材料20との間の空間が複数の吸引孔84および複数の吸引孔85からの吸引によって脱気される。これにより、加熱されたフィルム材料20が金型8および厚紙材料10に沿うように延伸されながら密着する。この際、フィルム材料20は、全体的に延伸され、特に、凸部82の側面に沿う部分が相当な度合いで延伸される。
フィルム材料20のうち厚紙材料10の表面10aに接した部分は、表面10aに設けられた前記接着剤層を加熱により活性化させ、接着力を発現させる。これにより、フィルム材料20のうち厚紙材料10の表面10aに接した部分が、厚紙材料10の表面10aに接合される。
次いで、図5に示すように、金型8の吸引経路87に繋がる複数の吸引孔85からの吸引のみを継続し、吸引経路86に繋がる複数の吸引孔84からの吸引を停止する。そして、金型8を厚紙材料10から裏面10bが向く方向(図中下方)に離間させる。複数の吸引孔85からの吸引が継続されているため、フィルム材料20の前述した延伸された部分(凸部82に密着した部分)のうち凸部82の頂面に接する部分が、金型8の下降に伴って引き下げられる。この結果、フィルム材料20の前記延伸された部分(凸部82に密着した部分)が厚紙材料10の表面10a側から裏面10b側へと窓部11aを通じて折り返されるように引き出される格好となる。これにより、厚紙材料10の表面10a側から裏面10b側へと窓部11aを通じて膨出するカップ部22が形成される。また、フィルム材料20のうちカップ部22を囲む部分であって、厚紙材料10の表面10aに接合された部分は、環状部21となる。カップ部22は上述したフィルム材料20のうち延伸された部分からなるため、相対的に薄肉となっている。フィルム材料20の材料選定および延伸後の厚さを適宜設定することにより、カップ部22は、明瞭な可撓性を有するものとなり、屈曲自在である。なお、本図に示すフィルム材料20を裏返すことによってカップ部22を形成する工程は、金型8を利用する手法のほかに、たとえば厚紙材料10およびフィルム材料20を金型8から離脱させた後に、手作業によって行ってもよい。
この後は、カップ部22に内容物Ctを挿入し、カップ部22を覆うように封止部材3をフィルム材料20の環状部21に接合する。そして、厚紙材料10、フィルム材料20および封止部材3の余剰部分を適宜切断することにより、内容物Ctが充填された内容器B1、すなわち内容器包装体が得られる。
なお、図5に示す工程においては、金型8全体を一括して厚紙材料10から離間させる手法に限定されない。本工程においては、金型8のうち少なくとも凸部82を厚紙材料10から離間させればよい。このため、たとえば、保持部81に対して凸部82が着脱自在となった金型8を用いてもよい。この場合、図5に示す工程に相当する工程においては、凸部82が下方に離間する一方、保持部81は、厚紙材料10を保持し続けることとなる。このため、厚紙材料10が不当に垂れ下がってしまうことを防止するのに適している。また、保持部81が厚紙材料10およびフィルム材料20を保持し続けるため、たとえばカップ部22への内容物Ctの挿入や、封止部材3の接合を容易に行うことができる。
また、図5において、フィルム材料20のうち凸部82の頂部に接する部分を引き下げるために、複数の吸引孔85からの吸引を維持する手法を採用しているが、これ以外の手法を採用してもよい。たとえば、凸部82の側面の頂面付近に溝部が設けられていてもよい。この溝部は、たとえば凸部82の側面全周にわたって形成される。上述した脱気工程においては、フィルム材料20のうち凸部82に密着する部分が、前記溝部において局部的にくびれた形状となる。このくびれ形状が設けられたことにより、上述した複数の吸引孔85からの吸引を継続しなくても、凸部82を厚紙材料10から離間させると、フィルム材料20のうち凸部82に密着していた部分が引き下げられ、図5に示す例と同様のカップ部22が形成される。
図6および図7は、内容器B1の製造方法の他の例を示している。図6に示すように、本例においては、金型8に曲面部83が形成されている。曲面部83は、保持部81と凸部82との境界全周に設けられた凹曲面である。この金型8に厚紙材料10を装着する際には、窓部11aが曲面部83の若干外側に位置することが好ましい。この状態で、加熱したフィルム材料20と金型8との間から脱気する。すると、フィルム材料20が、曲面部83に沿うように延伸され、環状部21およびカップ22が形成される。保持部81と凸部82との境界が鋭角な角部であると、脱気工程においてフィルム材料20の一部がこの角部に向けて過度に延伸されてしまうおそれがある。本例においては、曲面83が形成されていることにより、脱気工程においてフィルム材料20の一部が過度に延伸されることを回避することが可能であり、包装フィルム2の強度低下を抑制することができる。
図7は、図5と同様にカップ部22を裏返す工程の初期段階である。厚紙材料10を上昇させると、これにつれてフィルム材料20が環状部21から順に持ち上げられる。この際、フィルム材料20の一部が曲面部83に緩やかに沿った状態であるため、フィルム材料20をスムーズに持ち上げることができる。曲面部83を備えない構成において保持部81と凸部82との境界が鋭角な角部であると、この角部に起因してフィルム材料20に皺が生じたり引っ掛かったりするおそれがある。本例においては、このような懸念を払しょくすることが可能であり、カップ部22を適切に裏返すことができる。
図1および図2に戻り、外容器C1は、内容物Ctが充填された内容器B1を収容するために用いられるものであり、本実施形態においては、箱部4および蓋部5を有している。
箱部4は、内容器B1を収容する部位であり、内容器B1の包装フィルム2(カップ部22)よりも硬質な材質によって形成されている。箱部4の材質は、意図した硬さを実現しうるものであれば特に限定されないが、たとえばポリプロピレン樹脂やポリエチレン樹脂などのオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などのポリエステル系樹脂、などの合成樹脂、あるいは厚紙等が挙げられる。また、箱部4は、略矩形状の台材1に対応して、平面視略矩形状である。ただし、箱部4の形状は特に限定されず、矩形状以外の多角形状や円形および楕円形などであってもよい。また、箱部4の形状は内容器B1の台材1の形状に対応した形状が好ましいが、内容器B1を収容および保持可能であれば、その形状は特に限定されない。
箱部4の内側面には、複数の内方突起部41が形成されている。複数の内方突起部41は、各々が前記内側面から内方に突出した細長板状であり、箱部4の深さ方向と略直角である方向に延びている。複数の内方突起部41は、本発明における支持部40を構成している。本実施形態においては、複数の内方突起部41は、略平面視矩形状とされた箱部4の4つの内側面に1つずつ形成されている。各内方突起部41は、箱部4の各内側面の図中水平方向両端付近に到達している。また、複数の内方突起部41は、深さ方向位置が略同一である。これにより、複数の内方突起部41は、略全周にわたって存在している。ただし、複数の内方突起部41の形状や配置はこれに限定されず、後述する支持部40として適切に機能する構成であればよく、たとえば箱部4の前記内側面の一部領域に偏って設けられていてもよい。内方突起部41を形成する手法としては、例えば箱部4が合成樹脂からなる場合は金型成形が好ましく、箱部4が厚紙からなる場合は箱部4の一部を折り曲げる手法を採用できる。
蓋部5は、内容器B1を外部から遮蔽する状態と、外部に露出させた状態とをとらせるためのものである。蓋部5の材質は特に限定されないが、たとえば上述した箱部4と同様のものが用いられる。また、蓋部5と箱部4は一体的に構成されていても、別体として構成されていてもよい。本実施形態においては、蓋部5は、箱部4に対して回動可能に取り付けられている。
外容器C1に内容物Ctが充填された内容器B1を装填する際は、カップ部22を箱部4の内方に進入させる。本実施形態においては、カップ部22の全体が箱部4に収容された直後に、内容器B1のフランジ部11が箱部4の複数の内方突起部41に当接する。これにより、フランジ部11が複数の内方突起部41に支持され、フランジ部11が箱部4の奥方に移動することが複数の内方突起部41によって規制される。かかる機能を発揮する複数の内方突起部41は、本発明において支持部40の一例に相当する。
次に、組み合わせ容器包装体A1の作用について説明する。
本実施形態によれば、フランジ部11が箱部4の深さ方向奥方(図1および図2における下方)に移動することが支持部40としての内方突起部41によって規制されている。これにより、フランジ部11が内容物Ctの重み等によって、箱部4からずれ落ちることを防止することができる。したがって、外容器C1によって内容器B1を適切に保持することが可能であり、内容物Ctを取り出す時の開口状態を良好に確保することができる。また、屈曲自在であることから自立することなどが困難なカップ部22を適切に支持することができることにより、内容物Ctの量が少なくなったとしても内容物Ctを取り出しやすく、また内容物Ctを使いきった際に、内容器B1の嵩を減少させ、廃棄負担を軽減することができる。
図8〜図27は、本発明の変形例および他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
図8および図9は、組み合わせ容器包装体A1の変形例を示している。本変形例は、台材1の構成が、上述した例の組み合わせ容器包装体A1と異なっている。台材1は、複数の起立部12を有している。各起立部12は、フランジ部11に対して窓部11aとは反対側に繋がっており、且つフランジ部11の厚さ方向において包装フィルム2のカップ部22とは反対側に起立している。本例においては、平面視矩形環状のフランジ部11の四辺に対応する4つの起立部12が設けられている。各起立部12は、フランジ部11から続く部分を折り曲げることによって形成されている。図9に示すように、各起立部12は、箱部4の内側面に当接している。なお、起立部12の形状、位置および数については特に限定されない。
このような変形例によっても、外容器C1によって内容器B1を適切に保持することが可能である。また、起立部12が台材1の一部を折り曲げることによって形成されていることにより、フランジ部11の剛性を向上することができ、さらに起立部12が箱部4の内側面を外側に押すような力が付勢される。これにより、台材1(内容器B1)を箱部4によってより強固に支持することができる。
図10および図11は、組み合わせ容器包装体A1の他の変形例を示している。本変形例は、台材1および箱部4の構成が、上述した例の組み合わせ容器包装体A1と異なっている。台材1は、複数の舌部13を有している。各舌部13は、フランジ部11から窓部11aとは反対側に突出している。本例の舌部13は、フランジ部11の略中央に位置している。なお、舌部13の形状、位置および数については特に限定されない。
箱部4は、複数の内方突起部41および複数のスリット部42を有している。なお、本例の箱部4は、厚紙を用いて形成された例について説明する。複数の内方突起部41および複数のスリット部42は、箱部4の一部が内側に折り返された部分に形成されている。複数の内方突起部41は、箱部4の内側面から内方に突出している。より具体的には、上述した折り返された部分の両端部位が内方に起立させられることによって、各内方突起部41が形成されている。複数のスリット部42は、箱部4の深さ方向と直角である方向(図中水平方向)に延びており、箱部4の前記折り返された部分が細長く切り取られることによって形成されている。各スリット部42の長さは、台材1の舌部13の長さと略同一である。
内容器B1を外容器C1に装填する際は、図11に示すように、4つの舌部13を4つのスリット部42に進入させる。これにより、台材1のフランジ部11が箱部4によって支持される。かかる機能を発揮する複数のスリット部42は、本発明における支持部40の一例に相当する。また、本例においては、複数の内方突起部41によってもフランジ部11が支持される。
このような変形例によっても、外容器C1によって内容器B1を適切に保持することが可能である。また、台材1の舌部13は、スリット部42によって箱部4の深さ方向両方(図中上下方向)への移動が規制される。これにより、フランジ部11は、箱部4に対して固定される格好となる。したがって、外容器C1によって内容器B1をより確実に保持することができる。
図12および図13は、組み合わせ容器包装体A1の他の変形例を示している。本変形例は、台材1の構成が上述した例の組み合わせ容器包装体A1と異なっている。台材1には、2つの延出部17が形成されている。延出部17は、フランジ部11から窓部11a内方に延出している。また、図13に示すように、延出部17は、カップ部22の一部に接合されている。本例においては、2つの延出部17が、平面視長矩形状とされた台材1の2つの長辺に対応する位置に設けられている。延出部17は、たとえば、図3〜図5に示した製造方法において、厚紙材料10に窓部11a内方に延出する部分を設けておくことによって形成することができる。
このような変形例によっても、外容器C1によって内容器B1を適切に保持することが可能である。また、2つの延出部17が形成されることにより、包装フィルム2から形成されるカップ部22を補強することができ、カップ部22に破断が生じることを防止できる。さらに、フランジ部11の剛性をも高めることができる。この結果、舌部13がスリット部42から意図せず抜け出てしまうといった事態を回避することができる。したがって、外容器C1によって内容器B1をさらに確実に保持することができる。
図14は、組み合わせ容器包装体A1の他の変形例を示している。本変形例においては、台材1が4つの延出部17を有している。すなわち、図12および図13に示した例において、2つの延出部17が台材1の長辺に対応して設けられていたのに対し、本例においては、4つの延出部17が台材1の四辺に対応して設けられている。このような変形例によれば、フランジ部11の剛性をさらに高めることが可能である。このような構成は、フランジ部11が相対的に大サイズである場合などに有効である。
図15は、組み合わせ容器包装体A1の他の変形例を示している。本変形例においては、台材1は、上述した起立部12に代えて複数の垂下部14を有している。各垂下部14は、フランジ部11に対して窓部11aとは反対側に繋がっており、且つフランジ部11の厚さ方向において包装フィルム2のカップ部22側(図中下側)に垂れている。本例においては、台材1の長辺に対応して2つの垂下部14が形成された構成、あるいは台材1の四辺に対応して4つの垂下部14が形成した構成等が適宜採用できる。垂下部14は、起立部12と同様に台材1の一部が折り曲げられることにより形成されている。内容器B1が外容器C1に装填された状態で、各垂下部14は、箱部4の内側面に当接している。
図16は、組み合わせ容器包装体A1の他の変形例を示している。本変形例においては、外容器C1に支持部40としての内方突起部41が形成されている。一方、内容器B1には、上述した垂下部14が形成されているものの、舌部13は形成されていない。そして、内容器B1が外容器C1に装填されると、内容器B1の垂下部14の下端が、外容器C1の内方突起部41に当接する。この結果、垂下部14を介してフランジ部11が内方突起部41によって支持される格好となる。
これらのような変形例によっても、外容器C1によって内容器B1を適切に保持することが可能である。また、垂下部14が台材1の一部を折り曲げることによって形成されていることにより、垂下部14が箱部4の内側面を外側に押すような力が付勢される。これにより、台材1(内容器B1)を箱部4によってより強固に支持することができる。
図17および図18は、組み合わせ容器包装体A1の他の変形例を示している。本変形例においては、箱部4の深さ方向寸法が伸縮自在とされている。より具体的には、箱部4は、蛇腹部48を有している。蛇腹部48は、箱部4に形成された複数の折り曲げ容易線によって構成されている。前記折り曲げ容易線は、箱部4が部分的に薄肉とされたり、折り曲げやすい形状が付与されるなどにより、容易に折り曲げることが可能な部位である。
図17は、内容物Ctが満杯の状態を示している。本状態においては、蛇腹部48が略伸長されており、箱部4の深さ方向寸法が最大とされている。一方、図18は、内容物Ctがある程度消費された状態を示している。本状態においては、内容物Ctの消費量に応じて、蛇腹部48が収縮させられている。これにより、箱部4の深さ方向寸法が小さくなっている。また、包装フィルム2のカップ部22のうち内容物Ctが取り出された部分は、折り畳まれた形態となっている。
このような変形例によっても、外容器C1によって内容器B1を適切に保持することが可能である。また、内容物Ctの消費状態に応じて箱部4の深さ方向寸法を縮小することが可能である。したがって、内容物Ctの量が少なくなった場合でも容易に取り出すことができる。これは、内容器B1が屈曲自在なカップ部22を有するがために可能な構成であり、組み合わせ容器包装体A1の収納スペースを合理的に縮小させるのに適している。
図19および図20は、組み合わせ容器包装体A1の他の変形例を示している。本変形例においても、箱部4の深さ方向寸法が伸縮自在とされている。具体的構造としては、箱部4は、2つのスライド部49を有している。2つのスライド部49は、箱部4の深さ方向において隣り合うように配置されている。2つのスライド部49は、一方を他方に対して深さ方向にスライドさせることが可能なガイド機構(図示略)等が設けられることが好ましい。また、一方のスライド部49を他方のスライド部49に対して、深さ方向における任意の位置で仮固定することが可能な固定手段(図示略)が設けられてもよい。図19は、内容物Ctが満杯の状態を示しており、図20は、内容物Ctがある程度消費された状態を示している。
このような変形例によっても、外容器C1によって内容器B1を適切に保持することが可能である。また、内容物Ctの消費状態に応じて箱部4の深さ方向寸法を縮小することが可能である。したがって、本変形例においても内容物Ctの量が少なくなった場合でも容易に取り出すことができる。これも、上述の変形例と同様に内容器B1が屈曲自在なカップ部22を有するがために可能な構成であり、組み合わせ容器包装体A1の収納スペースを合理的に縮小させるのに適している。
図21および図22は、本発明の第2実施形態に基づく組み合わせ容器包装体を示している。本実施形態の組み合わせ容器包装体A2は、台材1が複数の垂下部14を有している。そして、各垂下部14の存在によって、箱部4の図中上端付近が本発明における支持部40として機能している。
各垂下部14は、上述したようにフランジ部11に対して窓部11aとは反対側に繋がっており、且つフランジ部11の厚さ方向において包装フィルム2のカップ部22側(図中下側)に垂れている。本例においても、台材1の長辺に対応して2つの垂下部14が形成された構成、あるいは台材1の四辺に対応して4つの垂下部14が形成した構成等が適宜採用できる。
図21は、未だ開封していない内容器B2を外容器C2に装填した状態である。本実施形態においては、内容器B2が外容器C2に装填された状態で、各垂下部14は、箱部4の外側に位置している。これにより、フランジ部11が箱部4の図中上端の直上に位置することとなる。この結果、箱部4の図中上端がフランジ部11を支持する格好となる。また、垂下部14は、内容物Ctの重さなどによってフランジ部11が箱部4の内部に滑り落ちてしまうことを防止するのに寄与する。
図22は、内容器B2が開封された状態と示している。本状態においては、図示されたカバー51を装着してもよい。カバー51は、フランジ部11および垂下部14を上方から覆う枠状部材である。さらに、カバー51には、蓋部5を回動可能に取り付けてもよい。カバー51によって、垂下部14が箱部4の外側面に沿う格好で保持される。
このような変形例によっても、外容器C1によって内容器B1を適切に保持することが可能である。さらに、垂下部14の片面に接着面14aを形成してもよい。接着面14aは、台材1のうち包装フィルム2を接合する面とは、反対側に位置する面である。この面に、たとえば接着層を形成することによって、接着面14aを設けることができる。接着面14aは、箱部4の外側面に接着される。この結果、垂下部14を箱部4に対して確実に固定することができる。なお、内容器B2が詰め替え容器として使用される場合、接着面14aは、上述した効果を奏する程度に十分な接着力を発揮する一方、使用者の意思によってスムーズに剥離可能な構成が好ましい。このような接着面14aを構成する接着層としては、特に限定されず従来公知の構成が用いられるが、たとえば再剥離再接着可能な室温で粘着性を示す感圧型粘着剤(溶剤タイプのアクリル系粘着剤など)からなる層が挙げられる。
図23は、本発明の第3実施形態に基づく組み合わせ容器包装体を示している。本実施形態の組み合わせ容器包装体A3は、内容器B3および外容器C3双方の構成が、上述した実施形態と異なっている。内容器B3においては、台材1に2つの係合孔15が形成されている。各係合孔15は、フランジ部11を厚さ方向に貫通している。台材1の形状は、上述した実施形態と同様に限定されないが、本実施形態においては、円形状とされている。また、カップ部22は、有り底円筒形状である。そして、2つの係合孔15が径方向反対側に配置されている。
内容器B3の箱部4は、2つの係合突起43を有している。各係合突起43は、台材1の係合孔15にカップ部22側(図中下側)から挿通されるものである。また、箱部4のうち係合突起43の根本に位置する部分は、図中上方を向く円環形状の平面とされているなお、箱部4全体は、台材1のフランジ部11および包装フィルム2のカップ部22の形状に対応して、有り底円筒形状とされている。
内容器B3が外容器C3に装填されると、2つの係合突起43が2つの係合孔15に各別に挿通される。これにより、フランジ部11は、箱部4に対して図中水平方向に略固定される。そして、この結果、フランジ部11は、箱部4のうち係合突起43の根元部分にある前記円環形状の平面に支持され、図中下方への移動が規制される。このように、係合突起43は、フランジ部11の図中下方への移動を規制するのに寄与する部位であり、本発明における支持部40の一例に相当する。
このような実施形態によっても、外容器C3によって内容器B3を適切に保持することが可能である。
図24は、組み合わせ容器包装体A3の変形例を示している。本変形例においては、台材1のフランジ部11に2つの係合突起16が形成されている。各係合突起16は、カップ部22側に突出している。このような台材1は、樹脂成形品によって形成することが合理的である。一方、外容器C1の箱部4には、2つの係合孔44が形成されている。各係合孔44には、係合突起16が挿通される。このような構成においても、係合突起16が係合孔44に係合することにより、フランジ部11の図中下方への移動が規制される。このため、係合孔44は、本発明における支持部40の一例に相当する。
このような実施形態によっても、外容器C3によって内容器B3を適切に保持することが可能である。
図25および図26は、本発明の第4実施形態に基づく組み合わせ容器包装体を示している。本実施形態の組み合わせ容器包装体A4は、特に外容器C1の箱部4の構成が上述した実施形態と異なっている。本実施形態においては、箱部4は、2つの分割部45からなる。箱部4全体としては、内容器B4の形状に応じて略有り底円筒形状とされている。そして、各分割部45は、おおむね箱部4をフランジ部11の厚さ方向に対して直角である方向、すなわち図中左右方向に分割した形状である。2つの分割部45は、たとえば係合構造(図示略)を有することにより、互いに分割および係合が自在とされている。また、各分割部45はヒンジなどにより結合されていてもよい。また、図25では、二つの分割部45により構成されているが、分割個数は特に限定されず、二以上の分割部45により構成されていてもよい。
各分割部45には、受容部45aが形成されている。受容部45aは、内容器B4の台材1のフランジ部11を受容する部位である。本実施形態においては、受容部45aは、2つの円環板状部分が所定の隙間を隔てて水平に設けられた構成とされている。この隙間に、フランジ部11が受容される。
内容器B4を外容器C4に装填する際には、一方の分割部45の受容部45aに図中左右方向において内容器B4を移動させることにより、フランジ部11を受容部45aに挿入する。そして、この分割部45に他方の分割部45を結合させることにより、他方の分割部45の受容部45aにもフランジ部11を挿入する。これにより、内容器B4が外容器C4に装填された組み合わせ容器包装体A4が完成する。フランジ部11は、2つの分割部45の受容部45aに受容されることにより、箱部4の深さ方向(図中上下方向)の移動が規制される。このように、受容部45aは、本発明における支持部40の一例に相当する。
このような実施形態によっても、外容器C4によって内容器B4を適切に保持することが可能である。
図27は、組み合わせ容器包装体A4の他の例を示している。本例においては、箱部4が、底部46および側板部47によって構成されている。底部46は、有り底円筒形状とされた箱部4の底部分を構成する。側板部47は、箱部4の側板部分を構成する。
底部46には、4つの起立突起部46aが設けられている。各起立突起部46aは、フランジ部11をカップ部22側、すなわち図中下側から支持するものである。本例においては、4つの起立突起部46aが略90°の周方向ピッチで配置されている。
側板部47は、底部46および底部46に支持された内容器B4を覆うように装着されるものである。側板部47は、箱部4の側板となる部位と、フランジ部11の上方に位置する円環板状部位とを有している。組み合わせ容器包装体A4が完成した状態においては、フランジ部11は、4つの起立突起部46aと側板部47とによって上下から挟まれる格好となる。このように、起立突起部46aは、本発明における支持部40の一例に相当する。
このような実施形態によっても、外容器C4によって内容器B4を適切に保持することが可能である。
なお、以上に述べた実施形態およびその変形例においては、カップ部22の底面を、図21および図22を参照して説明した内容器B2における接着面14aと同様の剥離可能な接着面としてもよい。これにより、内容器B1〜B4を外容器C1〜C4に対してより安定させることができる。特に、図17〜図20に示す例においては、内容物Ctの残量に応じて箱部4の高さが調整可能とされている。この箱部4の高さ調整の過程等においても、カップ部22の底面が箱部4に接着されていることにより、カップ部22が箱部4に対してずれてしまうことなどを適切に回避することができる。
本発明に係る組み合わせ容器包装体は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る組み合わせ容器包装体の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。また、上述した実施形態およびその変形例は、可能な範囲で各々組み合わせて用いることもできる。