JP2016068971A - コンテナ - Google Patents

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Abstract

【課題】従来より保冷・保温性が高いコンテナを提供する。
【解決手段】コンテナでは、下端張出部に相当する中継部材40の下側の円柱部40A及び係合突部43が、第2側壁30が有する連結凹部のうち下側凹状受容部に相当する凹状底部と係合凹部35とにそれぞれ受容されると共に、上端張出部に相当する中継部材40の上側の円柱部40Bが、蓋体50のうち上側凹状受容部に相当する凹状底部51Bに受容される。これらにより、中継部材40と第2側壁30及び蓋体50との間の隙間が湾曲又は屈曲した形状になり、冷気や熱が漏れ難くなる。即ち、従来より保冷・保温性が高くなる。
【選択図】図6

Description

本発明は、上面開口を閉塞する蓋体を備えた発泡樹脂製のコンテナに関する。
従来、この種のコンテナとして、側壁の上端部の一部を角溝形に切り欠いて連結凹部を形成し、蓋体から突出した連結脚部を連結凹部に受容して回動可能に支持した構造の、所謂、保冷・保温ボックスが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−330045号公報(図1、図2)
しかしながら、上述した従来のコンテナでは、蓋体を閉じた状態で連結凹部の底面と連結脚部との間に、コンテナを水平に内外に貫通する平坦な隙間が形成され、そこから冷気や熱が漏れてしまうことが問題になっていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、従来より保冷・保温性が高いコンテナの提供を目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明は、上面が開放した箱形のコンテナ本体と、そのコンテナ本体の上面開口を閉塞する蓋体とを有する発泡樹脂製のコンテナであって、前記コンテナ本体の側壁の上端部を角溝形に切除してなり、前記側壁の上面及び内外両面に開放した連結凹部と、前記蓋体の基端部から突出し、前記連結凹部内で前記側壁に連結されて、その連結凹部の対向面間を横切る脚部回動軸を中心に回動する連結脚部と、前記連結脚部のうち、前記蓋体が前記上面開口を閉塞した閉状態で、前記連結凹部の底部に対向する部分に形成され、前記脚部回動軸と直交する断面が前記連結凹部の底部に向かって膨出又は突出した形状の下端張出部と、前記連結凹部の底部に形成され、前記下端張出部を受容する下側凹状受容部とを備えたことを特徴とするコンテナである。
請求項2の発明は、前記閉状態の前記蓋体の下面が、前記連結凹部を有する前記側壁の上面に重ねられ、前記蓋体には、前記連結凹部を有する前記側壁の内面に対向する段差面が備えられていることを特徴とする請求項1に記載のコンテナである。
請求項3の発明は、前記蓋体の基端部を角溝形に切除してなり、前記蓋体の基端面及び内外両面に開放した蓋側連結凹部と、上端部が前記蓋側連結凹部内で前記蓋体に連結され、前記蓋側連結凹部の対向面間を横切る蓋回動軸を中心に回動しかつ、下端部が前記連結脚部をなした中継部材と、前記中継部材のうち、前記蓋体が前記閉状態で前記蓋側連結凹部の底部に対向する部分に形成され、前記蓋回動軸と直交する断面が前記蓋側連結凹部の底部に向かって膨出又は突出した形状の上端張出部と、前記蓋側連結凹部の底部に形成され、前記上端張出部を受容する上側凹状受容部とを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のコンテナである。
請求項4の発明は、前記コンテナ本体は、各側壁が下端部を回動可能に支持されて、それら側壁を起立させた組立状態と、それら側壁のうち互いに対向した1対の第1側壁を折り畳んでから残りの1対の第2側壁を畳んだ折畳状態とに変更可能に構成され、前記1対の第2側壁の上端部にそれぞれ前記連結凹部が形成されて、1対の前記蓋体が前記第2側壁に連結されると共に、前記折畳状態で前記中継部材が前記第2側壁から外側に突出した外倒姿勢になって各前記蓋体が各前記第2側壁の外面に重ね合わされる一方、前記組立状態で前記中継部材が前記上面開口側に傾いた傾斜姿勢になって、前記1対の蓋体が前記上面開口を閉じるように構成されたことを特徴とする請求項3に記載のコンテナである。
請求項5の発明は、前記蓋体の基端面は、前記蓋回動軸と中心とした第1円弧面をなすと共に、前記第2側壁の上面は、前記脚部回動軸を中心とした第2円弧面をなし、前記第2側壁には、前記第2円弧面のうち最上点より前記第2側壁の内面側にずれた位置から前記第2側壁の内面まで水平面が形成され、その水平面と前記第2円弧面との境界部分に、前記閉状態の前記蓋体の水平な下面と前記第1円弧面との境界部分が当接するように構成されたことを特徴とする請求項3又は4に記載のコンテナである。
[請求項1の発明]
請求項1のコンテナでは、側壁の上端部に備えた連結凹部内で蓋体の連結脚部が側壁に連結され、蓋体が連結脚部と共に回動して上面開口を開閉する。そして、蓋体が閉状態で、連結脚部の下端張出部が、連結凹部の底部の下側凹状受容部に受容されるので、連結脚部と連結凹部の底部との間に隙間が生じても、その隙間は湾曲又は屈曲した形状になり、従来のように平坦な隙間が形成されるものに比べて冷気や熱が漏れ難くなる。即ち、本発明によれば、従来より保冷・保温性が高いコンテナを提供することができる。
[請求項2の発明]
請求項2のコンテナでは、閉状態の蓋体の下面が側壁の上面に重ねられ、蓋体には、側壁の内面に対向する段差面が備えられているので、閉状態の蓋体の下面と側壁の当面と間の隙間が生じても、その隙間は屈曲した形状になり、冷気や熱が漏れ難く、保冷・保温性を高くすることができる。
[請求項3の発明]
請求項3のコンテナでは、蓋体の基端部に備えた蓋側連結凹部の対向面間を横切る蓋回動軸を中心に、中継部材が回動可能となるように支持されている。そして、蓋体が閉状態で、中継部材の上端張出部が、蓋側連結凹部の上側凹状受容部に受容されるので、中継部材と蓋側連結凹部の底部との間に隙間が生じても、その隙間は湾曲又は屈曲した形状になるので、その隙間から冷気や熱が漏れ難くなる。
[請求項4の発明]
請求項4のコンテナは、中継部材が傾斜姿勢になることで1対の蓋体が互いに近づけられて閉状態になるので、その近づけられた分、蓋体の回動半径を小さくすることができ、コンパクトな折畳状態にすることができる。
[請求項5の発明]
請求項5のコンテナは、第2側壁の上端部の水平面と第2円弧面との境界部分に、閉状態の蓋体の水平な下面と第1円弧面との境界部分が当接し、これにより、第2側壁の上面と蓋体との間に仮に隙間ができてもその隙間は屈曲した形状になるので、その隙間から冷気や熱が漏れ難くなる。
本発明の一実施形態に係るコンテナの組立状態の斜視図 ベース部材の斜視図 コンテナの下面側の斜視図 コンテナを折り畳む途中の斜視図 第2側壁の斜視図 閉状態の蓋体、中継部材及び第2側壁の側断面図 閉状態の蓋体及び第2側壁の側断面図 中継部材の斜視図 蓋体の斜視図 閉状態の蓋体、中継部材及び第2側壁の一部破断斜視図 閉状態の蓋体及び第2側壁の一部破断斜視図 半開状態の蓋体、中継部材及び第2側壁の側斜視図 組立状態のコンテナの側面図 蓋体を全開状態にした際の蓋体、中継部材及び第2側壁の側断面図 折畳状態のコンテナの側面図 折畳状態で段積みされたコンテナの斜視図 組立状態で段積みされたコンテナの斜視図 全開状態で段積みされたコンテナの斜視図
以下、本発明の一実施形態を図1〜図18に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態のコンテナ10は、例えば、それぞれ発泡ビーズ成形法で成形されたベース部材11、第1側壁20、第2側壁30、中継部材40及び蓋体50からなり、それらのうちベース部材11、第1側壁20及び第2側壁30から本発明に係るコンテナ本体10Hが構成されている。また、このコンテナ10は、保冷・保温ボックスとして使用される。
図2に示すように、ベース部材11は、平面形状が長方形をなし、その外縁の1対の長辺部分からは1対の長辺土手部12,12が上方に突出する一方、1対の短辺部分からは1対の短辺土手部18,18が上方に突出している。また、長辺土手部12は、短辺土手部18より高くなっていて、各長辺土手部12の両端部は、短辺土手部18側に直角に曲がってコーナー突壁12T,12Tになっている。そして、各コーナー突壁12Tの下端部に、各短辺土手部18の端部が一体に繋がっている。
各長辺土手部12の長手方向の両端部には、内側に段付き状に張り出した1対のブロック突部19,19が形成されている。各ブロック突部19は、ベース部材11内に位置しかつ長辺土手部12の外面と平行になった第1内面19Mと、短辺土手部18の外面と平行な第2内面19Nと、水平な上面とを有したブロック構造をなし、かつ、上面と第1内面19Mとの角部が斜めに面取りされている。
各ブロック突部19には、ヒンジ軸受容部17が形成されている。そのヒンジ軸受容部17には、長辺土手部12の長手方向で対向しかつ互いに平行になった1対の内部対向面17F,17Fが備えられ、それら内部対向面17F,17Fに挟まれた空間が、長辺土手部12(ブロック突部19を含む)の上面及び内外面に開放している。また、内部対向面17F,17Fのうち長辺土手部12の外面側の縁部の1対の縦辺部分からは、互いに接近するように縦長突壁17E,17Eが張り出している。さらには、1対の内部対向面17F,17Fのうち縦長突壁17E,17Eから離れた位置には、同軸上に1対の円形軸受孔17B,17Bが形成されると共に、各円形軸受孔17Bとブロック突部19の第1内面19Mとの間を連絡するように、円形軸受孔17Bの内径より上下の幅が小さいバー導入路17C,17Cが形成されている。また、一方の内部対向面17Fには、縦長突壁17Eと円形軸受孔17Bとの間に、係止突起17Dが形成されている。さらに、ヒンジ軸受容部17の底面は、ブロック突部19の第1内面19M寄り位置が最も低く、そこから第1内面19M側及び長辺土手部12の外面側に向かって徐々に上方に迫り上がった凹面形状をなしている。
また、長辺土手部12のうちブロック突部19,19に挟まれた部分の上端部には、内縁側全体を段付き状に下げて段差部12Dが形成されている。また、ブロック突部19の上面は、長辺土手部12のコーナー突壁12T側では、長辺土手部12の上面に対して僅かに段付き状に低くなっていて、長辺土手部12とブロック突部19との間に段差部12Eが形成され、コーナー突壁12Tから離れた側では、ブロック突部19の上面と長辺土手部12の上面とが略面一になっている。
ベース部材11の底面には、各短辺土手部18の両端部の隣に円形溝11Mが形成され、それら円形溝11Mの延長線上に位置するブロック突部19の下端部には、それぞれ円錐状の軸受孔11Nが形成されている。
図3に示すように、ベース部材11の下面の四隅には、平面形状四角形の下面コーナー突部13が備えられている。また、ベース部材11の下面における短手方向の中央には、長手方向全体に亘って延びた1対の下面溝16,16が設けられ、それら下面溝16,16の間に残された部分が下面中央突条15になっている。なお、下面中央突条15の長手方向の両端部はT字形状をなしている。また、各下面溝16は、長手方向の両端部で下面中央突条15から離れる方向にそれぞれ屈曲して下面コーナー突部13まで延びている。さらに、ベース部材11の下面における短手方向の両端部寄り位置には、長手方向の一端寄り位置から他端寄り位置まで延びた帯状下面突部14,14が備えられている。なお、各帯状下面突部14の両端部は半円形になっている。また、図13に示すように、帯状下面突部14は、下面コーナー突部13より大きく下方に突出している。
図1に示すように、ベース部材11の外縁部のうち1対の短辺部分には、それぞれ第1側壁20,20が回動可能に連結されている。以下、特記しない限り、第1側壁20を鉛直に起立させた状態を基準にして、その構造について説明する。図4に示すように、第1側壁20の下端面の両端部には、第1側壁20の横方向に延びた略円柱状のヒンジ軸部21(図4には、一方のヒンジ軸部21のみが示されている)がそれぞれ備えられ、それら各ヒンジ軸部21の一端部が円錐状をなして第1側壁20から側方に突出したヒンジ突部(図示せず)になっている。そして、第1側壁20の各ヒンジ突部が軸受孔11Nに受容されて、第1側壁20がベース部材11に回動可能に支持されている。
第1側壁20の両側部には、外面側を段付き状に陥没させて図13に示したサイド係止壁25,25が形成されている。また、それらサイド係止壁25は、上側が下側より段付き状に外側に大きく張り出してサイド突部25Tになっている。そして、起立姿勢になった第1側壁20におけるサイド係止壁25の下端部に、ベース部材11のコーナー突壁12T,12Tが外側から重なることで、第1側壁20が外側に倒れないように規制される。
図4に示すように、第1側壁20には、外面の下端縁を段付き状に陥没させて下端段差部20Dが形成されている。そして、第1側壁20を起立姿勢にした際に短辺土手部18が下端段差部20Dに収まる。また、第1側壁20の上面からは、1対の上面突条27,27が突出している。各上面突条27は、第1側壁20の上面のうち第1側壁20の内面寄りに位置しかつ、第1側壁20の上面における側部寄り位置から中央寄り位置まで延びている。
図1に示すように、ベース部材11の外縁部のうち1対の長辺部分には、それぞれ第2側壁30,30が回動可能に連結されている。以下、特記しない限り、第2側壁30を鉛直に起立させた状態を基準にして、その構造について説明する。図5に示すように、第2側壁30には、下端面の両端部から下方に突出した1対のヒンジ脚部31,31が備えられている。各ヒンジ脚部31は下端部にヒンジバー32を備えて、逆T字形をなしている。ヒンジバー32は、円柱体の一部を平坦にカットして互いに平行な1対の平坦面32A,32Aを備えた形状をなし、それら平坦面32A,32Aは第2側壁30の内外面と平行になっている。
また、ヒンジ脚部31の逆T字形の縦辺部分は、第2側壁30の外面側にむかって段付き状に幅狭になっている。そして、第2側壁30が倒された状態でヒンジバー32が、ベース部材11の内面側からヒンジ軸受容部17のバー導入路17Cを通して円形軸受孔17B(図2参照)に受容されて、第2側壁30がベース部材11に回動可能に支持されている。また、図1に示すように、第2側壁30は、起立姿勢になると下面が長辺土手部12の上面に当接し、それ以上、第2側壁30が外側に倒れないように規制される。さらには、ヒンジ脚部31の一方の側面には、図6に示した係止凹部38が形成されている。そして、第2側壁30が起立する過程で、ベース部材11の係止突起17D(図2参照)がヒンジ脚部31の側面に押されて圧縮変形し、第2側壁30が起立したところで係止突起17Dが係止凹部38に係止する。また、図6に示すように、ヒンジ脚部31の下面は、ヒンジバー32の最下部が最も低く、そこから第2側壁30の外面側(図6の左側)及び内面側(図6の右側)に向かって徐々に上方に迫り上がった突形状になっている。そして、第2側壁30が起立すると、前述したヒンジ軸受容部17(図2参照)の凹状の底部にヒンジ脚部31の下面の突形状部分が収まる。
図5に示すように、第2側壁30の横方向の両端部は、第1側壁20側に直角曲げされてサイド直交壁33,33になっている。そして、図13に示すように、起立姿勢になった第1側壁20のサイド係止壁25,25に外側からサイド直交壁33が重なり、前述のコーナー突壁12Tとサイド直交壁33とが協働して第1側壁20が外側に倒れることを規制する。また、図4に示すように、サイド直交壁33の内面には、上端部から上下方向の中間位置まで延びた縦溝33Mが形成されている。一方、第1側壁20におけるサイド係止壁25のサイド突部25Tには、上下方向に延びた突条25Mが形成されている。そして、突条25Mが縦溝33Mに嵌合して、第2側壁30が外側に倒れることを規制する。
図11に示すように、第2側壁30の下面のうちヒンジ脚部31,31の間には、内縁部分から下方に段差突条37が突出している。また、第2側壁30の下面のうち第2側壁30の横方向の両端部からは、図に現れないが、内縁部分から段付き状に段差突部が突出している。そして、第2側壁30が起立姿勢になると、第2側壁30の下面の段差突条37及び段差突部が、ベース部材11の長辺土手部12における段差部12D,12E(図2参照)に収まる。
第2側壁30の内面と長辺土手部12の内面とには、第1側壁20におけるサイド突部25Tの回動軌跡に沿ってガイド溝25Gが形成され、そのガイド溝25Gにサイド突部25Tが受容された状態で第1側壁20が回動するようになっている。
図5に示すように、第2側壁30の上端部には、横方向の2箇所を角溝形に切除して1対の連結凹部34,34が形成されている。連結凹部34内の対向面には、円錐状の軸受孔34A,34Aが同軸上に形成されている。また、連結凹部34の底部は、軸受孔34Aと同心の円弧面を有した凹状底部34Bになっていて、その凹状底部34Bには、1対の係合凹部35,35が形成されている。
図6に示すように、係合凹部35は、第2側壁30の外面から内面寄り位置に亘って下るように傾斜した側壁側ストッパ面35Aが形成されている。また、係合凹部35のうち側壁側ストッパ面35Aより第2側壁30の内面側は、側壁側ストッパ面35Aから突出したずれ規制突部35Bになっていて、そのずれ規制突部35Bのうち側壁側ストッパ面35A側は、第2側壁30の内面側に向かって斜め上方に傾斜した傾斜面35Cになっている。なお、本実施形態では、連結凹部34の凹状底部34Bと、その凹状底部34Bにおける係合凹部35とが共に本発明に係る「下側凹状受容部」に相当する。
図5に示すように、第2側壁30のうち連結凹部34以外の部分の上面は、軸受孔34A,34Aと同心の凸状の円弧面36A(本発明に係る「第2円弧面」に相当する)になっていて、図7に示すように、その円弧面36Aの最上点より第2側壁30の内面側にずれた位置から第2側壁30の内面までが水平な蓋係止面36B(本発明に係る「水平面」に相当する)になっている。また、図5に示すように、第2側壁30の横方向の両端部では、蓋係止面36Bがサイド直交壁33の上部まで延びている。
図1に示すように、連結凹部34には、中継部材40が組み付けられている。図8に示すように、中継部材40は、第2側壁30の横方向に延びた1対の円柱部40A,40Bを上下に隣接させた状態に並べて一体化した構造をなしている。以下、特記しない限り、一方の円柱部40Aの真上に円柱部40Bが位置した状態を基準にして、中継部材40の構造について説明する。中継部材40の両端面には、各円柱部40A,40Bの同軸上にそれぞれ円錐状の第1と第2のヒンジ軸部41,42が形成されている。そして、下側の第1ヒンジ軸部41,41が連結凹部34の軸受孔34A,34A(図5参照)に受容され、これにより中継部材40が第2側壁30の回動可能に支持されている。
中継部材40の外面側には、円柱部40A,40Bの外周面に挟まれた中間溝40Mが備えられ、中継部材40の内面側には、円柱部40A,40Bの両外周面に連続した内側平坦面40Nが備えられている。また、中継部材40の軸方向の2箇所には、係合凹部35,35に対応させて1対の係合突部43,43が備えられている。係合突部43は、内側平坦面40Nの一部を下側の円柱部40Aの最下点まで延長した延長面43Aと、下側の円柱部40Aの最下点から延長面43Aまで水平に延ばした中継側ストッパ面43Bとを有した形状になっている。そして、図6に示すように、第2側壁30に対して中継部材40が内側(即ち、図6の時計回り方向)に回動すると、中継側ストッパ面43Bが第2側壁30の側壁側ストッパ面35Aに当接して中継部材40が本発明に係る傾斜姿勢に位置決めされる。
なお、本実施形態では、中継部材40における下側の円柱部40Aとその円柱部40Aに形成されている係合突部43とが共に本発明に係る「下端張出部」に相当する。
図1に示すように、各第2側壁30の上端部には、1対の中継部材40,40を介して蓋体50が回動可能に連結されている。以下、特記しない限り、蓋体50が水平になっている状態を基準として、その蓋体50の構造について説明する。図9に示すように、蓋体50の基端部には、1対の蓋側連結凹部51,51が形成され、各蓋側連結凹部51内の対向面には、1対の軸受孔51A,51Aが同軸上に形成されている。そして、中継部材40(図8参照)の上端部が蓋側連結凹部51に受容されて第2ヒンジ軸部42,42が軸受孔51A,51Aに受容され、これにより中継部材40の上端部に蓋体50が回動可能に連結されている。また、蓋側連結凹部51の底部は、軸受孔51Aと同心の円弧面を有した凹状底部51B(本発明に係る「上側凹状受容部」に相当する)になっている。さらに、蓋体50の基端面のうち蓋側連結凹部51,51以外の部分は、凸状の円弧面50A(本発明に係る「第1円弧面」に相当する)になっている。
なお、本実施形態では、中継部材40のうち蓋体50から突出した部分が本発明に係る「連結脚部」に相当する。
蓋体50の上面のうち基端寄り位置には、ベース部材11の帯状下面突部14(図3参照)と同一の平面形状をなした蓋外面溝53が形成されている。また、図4に示すように、蓋体50の下面のうち先端寄り位置には、蓋外面溝53と同形状の蓋内面溝54が形成されている。さらに、蓋体50の下面における両側部には、1対の嵌合溝55,55が形成されている。嵌合溝55は、蓋体50の基端寄り位置から前端寄り位置まで延びている。そして、各嵌合溝55に第1側壁20の上面突条27が嵌合する。
蓋体50の下面のうち基端寄り位置からは蓋基端突条56が突出している。蓋基端突条56は、蓋体50の横方向の一端寄り位置から他端寄り位置まで延びている。また、図6に示すように、蓋基端突条56のうち蓋側連結凹部51と対向した部分には、蓋側連結凹部51の円弧面から連続した位置決平坦面56Aが形成されている。さらには、図7に示すように、蓋基端突条56のうち蓋側連結凹部51と対向していない部分には、蓋体50の下面(内面)から垂直に起立した垂直当接面56B(本発明に係る「段差面」に相当する)が形成され、その垂直当接面56Bと蓋基端突条56の先端面との間は面取りされて傾斜面になっている。
そして、起立姿勢の第2側壁30の上端部で中継部材40が前述の傾斜姿勢になると、図6に示すように、蓋基端突条56の位置決平坦面56Aが中継部材40の内側平坦面40Nに面当接する。また、このとき、図7に示すように、蓋体50が水平姿勢になり、その蓋体50のうち基端側の円弧面50Aと水平な下面との境界部分が、第2側壁30の上端の円弧面36Aと垂直当接面56Bとの境界部分に当接する。より具体的には、蓋体50の下面が第2側壁30の蓋係止面36Bに当接すると共に、第2側壁30の円弧面36Aと蓋体50の円弧面50Aとが僅かに当接し、さらに、蓋係止面36Bから垂下した第2側壁30の内面と蓋基端突条56の垂直当接面56Bとが当接する。
図9に示すように、蓋体50の先端面は、波形形状になっている。具体的には、蓋体50の先端面は、蓋体50の横方向の半分が先方に向かって膨出した凸湾曲面60Bをなし、残り半分が凸湾曲面60Bとは点対称に基端側に向かって湾曲した凹湾曲面60Aになっている。そして、凹湾曲面60Aと凸湾曲面60Bとが合わさって1周期分の波形形状になっている。また、凹湾曲面60Aのうち蓋体50の板厚方向の下側半分からは、蓋先端突片59が先方に突出している。
蓋先端突片59の先端面は蓋体50の横方向に直線状に延びている。また、蓋先端突片59の両側面は、蓋体50の回動半径方向に延び、それらのうち一方の側面は蓋体50の横方向の中心に位置し、他方の側面は蓋体50の外側面寄り位置に配置されている。さらに、蓋先端突片59の上面は凹面59Aになっていて、その凹面59Aは、図10に示すように、蓋先端突片59の左右方向の中央に向かうに従って深くなると共に、蓋先端突片59の基端側から先端側に向かうに従って深くなるように湾曲している。
蓋体50の先端部のうち凸湾曲面60B側には、蓋体50の板厚方向の下側半分を段付き状に陥没させて、相手側の蓋体50の蓋先端突片59を受容するための突片受容部61が形成され、その突片受容部61より上側に残された部分が、蓋先端カバー片58になっている。なお、図11に示すように、蓋先端カバー片58の下面側の先端角部は、他の部分より比較的大きい面取りが施されてR面58Aが形成されている。そして、図12に示すように、1対の蓋体50,50を左右対称に閉じていくと、一方の蓋体50の蓋先端カバー片58が他方の蓋体50の蓋先端突片59に上方から重ねられた状態になる。
本実施形態のコンテナ10の構成に関する説明は以上である。次に、このコンテナ10の作用効果について説明する。図18に示すように、蓋体50は、組立状態になっているコンテナ10において、第2側壁30の外面に重ね合わた全開状態になるまで開くことができる。これにより、コンテナ本体10Hの上面開口10Kから容易に荷物を出し入れすることができる。
蓋体50の全開状態で、中継部材40は第2側壁30から外側に突出した外倒姿勢になる。詳細には、図14に示すように、第2側壁30のうち外面と係合凹部35の側壁側ストッパ面35Aとが交差する鋭角な角部が中継部材40の中間溝40Mの奥面に当接して中継部材40が外倒姿勢に位置決めされ、蓋体50の下端部は、図18に示すように、第2側壁30の下端部より下方かつベース部材11の下面より上方に位置した状態になる。また、蓋体50を全開状態にしたコンテナ10,10同士を段積みすることもできる。その場合、上段側のコンテナ10の帯状下面突部14(図3参照)が、下段側のコンテナ10の上面開口10Kに嵌合して、上下のコンテナ10,10の横ずれが規制される。
また、コンテナ10は、蓋体50,50を全開状態してから折り畳むことができる。具体的には、図4に示すように、まずは、両第1側壁20,20を内側に倒してベース部材11上に折り畳む。すると、それら第1側壁20,20は、互いに重なることなく、ベース部材11における長辺土手部12,12の間に収まる。次いで、両第2側壁30,30を内側に倒して第1側壁20,20の上に重ねるように折り畳む。すると、図15に示すように、第2側壁30,30も、互いに重なることなく、ベース部材11における長辺土手部12,12の間に収まり、第2側壁30,30の外面が長辺土手部12,12の上面と面一になる。そして、両蓋体50,50の先端部が長辺土手部12,12の上面に重ねられ、蓋体50,50の先端がベース部材11の外側面より内側に収まったコンパクトな状態で、コンテナ10全体が折畳状態になる。
図16に示すように、折畳状態のコンテナ10,10同士も段積みすることができる。その場合、上段側のコンテナ10の帯状下面突部14(図3参照)が、下段側のコンテナ10における蓋体50の蓋内面溝54に嵌合すると共に、下段側のコンテナ10から上方に突出した蓋基端突条56(図15参照)が、上段側のコンテナ10の下面溝16に受容され、これらにより、上下のコンテナ10,10の横ずれが規制される。
上記したコンテナ10を折り畳む操作と逆の手順でコンテナ10を蓋体50,50が全開した組立状態にすることができる。その状態から1対の蓋体50,50を左右対称に閉じていくと、途中から図12に示すように中継部材40が内側に傾斜し、一方の蓋体50の蓋先端カバー片58が他方の蓋体50の蓋先端突片59に上方から重なった状態になる。さらに、蓋体50,50を閉じていくと、中継部材40がより深く内側に傾斜してその分、蓋体50,50同士が互いに近づけられる。そして、図6に示すように中継部材40が、中継側ストッパ面43Bと第2側壁30の側壁側ストッパ面35Aとの面当接によって本発明に係る傾斜姿勢に位置決めされる。
さらに蓋体50を倒すと嵌合溝55に第1側壁20の上面突条27が嵌合し、やがて、蓋体50の両側部が第1側壁20の上面に重なって閉状態になる。このとき、蓋体50,50の先端部では、蓋先端突片59全体に上方から蓋先端カバー片58が重なった状態になる。このように本実施形態のコンテナ10では、蓋体50と第2側壁30とを間を連結する中継部材40が傾斜姿勢になることで1対の蓋体50,50が互いに近づけられて閉状態になるので、その近づけられた分、蓋先端カバー片58及び蓋先端突片59を含む蓋体50,50の回動半径を小さくすることができ、コンパクトな折畳状態にすることができる。また、図6に示すように、中継部材40の内側平坦面40Nに、蓋体50における蓋基端突条56の位置決平坦面56Aとの面当接し、このことによって、中継部材40の傾斜姿勢が安定する。また、傾斜姿勢の中継部材40に対してずれ規制突部35Bが第2側壁30の内側から対向することで、中継部材40が側壁側ストッパ面35Aに沿って斜め下方にずれることも防がれる。
図17に示すように、蓋体50を閉状態にした組立状態のコンテナ10,10同士も段積みすることができる。この場合、上段側のコンテナ10の帯状下面突部14(図3参照)が、下段側のコンテナ10における蓋体50の蓋外面溝53に嵌合して、上下のコンテナ10,10の横ずれが規制される。
さて、本実施形態のコンテナ10では、組立状態にしたときに、以下説明するようにコンテナ10を内外に貫通する平坦な隙間が従来に比べて少なくなり、従来より保冷・保温性が高くすることができる。
コンテナ10が組立状態になると、ベース部材11と第1側壁20との間では、図4に示したベース部材11の短辺土手部18が第1側壁20の下端段差部20Dに収まって、それらの間に仮に隙間が生じてもその隙間は屈曲した形状になる。ベース部材11と第2側壁30との間でも、図7に示した第2側壁30の段差突条37が、図2に示したベース部材11の段差部12Dに収まって、それらの間の隙間が屈曲した形状になる。第2側壁30のヒンジ脚部31とベース部材11のヒンジ軸受容部17との間においても、図2に示したヒンジ軸受容部17の縦長突壁17Eや凹状底部、及び、それらに対応したヒンジ脚部31の凹凸形状により、ヒンジ脚部31とヒンジ軸受容部17との間の隙間も屈曲又は湾曲した形状になる。
また、第1側壁20と第2側壁30との間においても、図4に示した突条25M、縦溝33M等により、隙間が屈曲又は湾曲した形状になる。さらに、蓋体50,50の先端部同士も蓋先端カバー片58と蓋先端突片59とが互いに重なり合うことで隙間が屈曲又は湾曲した形状になる。
また、第2側壁30と中継部材40との間においては、図6及び図12に示すように、本発明の「下端張出部」に相当する中継部材40の下側の円柱部40A及び係合突部43が、第2側壁30が有する連結凹部34のうち本発明の「下側凹状受容部」に相当する凹状底部34Bと係合凹部35とにそれぞれ受容される。また、これと同様に、蓋体50と中継部材40との間においては、本発明の「上端張出部」に相当する中継部材40の上側の円柱部40Bが、図6に示すように、蓋体50のうち本発明の「上側凹状受容部」に相当する凹状底部51Bに受容される。これらにより、中継部材40と第2側壁30及び蓋体50との間の隙間が湾曲又は屈曲した形状になる。
さらに、第2側壁30と蓋体50との間では、図7に示すように、蓋体50のうち基端側の円弧面50Aと水平な下面との境界部分が、第2側壁30の上面で円弧面36Aと垂直当接面56Bとの境界部分に当接し、さらに、蓋体50の蓋基端突条56における垂直当接面56Bが第2側壁30の内面に対向するので、第2側壁30と蓋体50との間の隙間が屈曲した形状になる。また、蓋体50と第1側壁20との間でも、図4に示した第1側壁20の上面の上面突条27が蓋体50の下面の嵌合溝55に凹凸嵌合することで、第1側壁20と蓋体50との間の隙間が屈曲した形状になる。
このように本実施形態のコンテナ10では、組立状態にしたときに、コンテナ10を内外に貫通する平坦な隙間が従来に比べて少なくなり、冷気や熱が漏れ難くなる。即ち、従来より保冷・保温性が高くなる。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記実施形態のコンテナ10は、折り畳み可能な構造になっていたが、折り畳み不可能なコンテナで蓋体を備えたものに、本発明を適用してもよい。
(2)前記実施形態のコンテナ10は、1対の蓋体50,50を備えていたが、蓋体を1つのみ備えたコンテナの本発明を適用してもよい。
(3)前記実施形態のコンテナ10は、中継部材40が第2側壁30と蓋体50の両方に対して回動可能であったが、中継部材の代わりに蓋体から連結脚部を突出させて第2側壁の連結凹部内に回動可能に組み付けてもよい。
10 コンテナ
10H コンテナ本体
10K 上面開口
20 第1側壁
30 第2側壁
34 連結凹部
34B 凹状底部(下側凹状受容部)
35 係合凹部(下側凹状受容部)
36A 円弧面(第2円弧面)
36B 蓋係止面(水平面)
37 段差突条
38 係止凹部
40 中継部材
40A 円柱部(下端膨出部)
40B 円柱部(上端膨出部)
43 係合突部(下端膨出部)
50 蓋体
50A 円弧面(第1円弧面)
51B 凹状底部(上側凹状受容部)
56B 垂直当接面(段差面)

Claims (5)

  1. 上面が開放した箱形のコンテナ本体と、そのコンテナ本体の上面開口を閉塞する蓋体とを有する発泡樹脂製のコンテナであって、
    前記コンテナ本体の側壁の上端部を角溝形に切除してなり、前記側壁の上面及び内外両面に開放した連結凹部と、
    前記蓋体の基端部から突出し、前記連結凹部内で前記側壁に連結されて、その連結凹部の対向面間を横切る脚部回動軸を中心に回動する連結脚部と、
    前記連結脚部のうち、前記蓋体が前記上面開口を閉塞した閉状態で、前記連結凹部の底部に対向する部分に形成され、前記脚部回動軸と直交する断面が前記連結凹部の底部に向かって膨出又は突出した形状の下端張出部と、
    前記連結凹部の底部に形成され、前記下端張出部を受容する下側凹状受容部とを備えたことを特徴とするコンテナ。
  2. 前記閉状態の前記蓋体の下面が、前記連結凹部を有する前記側壁の上面に重ねられ、
    前記蓋体には、前記連結凹部を有する前記側壁の内面に対向する段差面が備えられていることを特徴とする請求項1に記載のコンテナ。
  3. 前記蓋体の基端部を角溝形に切除してなり、前記蓋体の基端面及び内外両面に開放した蓋側連結凹部と、
    上端部が前記蓋側連結凹部内で前記蓋体に連結され、前記蓋側連結凹部の対向面間を横切る蓋回動軸を中心に回動しかつ、下端部が前記連結脚部をなした中継部材と、
    前記中継部材のうち、前記蓋体が前記閉状態で前記蓋側連結凹部の底部に対向する部分に形成され、前記蓋回動軸と直交する断面が前記蓋側連結凹部の底部に向かって膨出又は突出した形状の上端張出部と、
    前記蓋側連結凹部の底部に形成され、前記上端張出部を受容する上側凹状受容部とを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のコンテナ。
  4. 前記コンテナ本体は、各側壁が下端部を回動可能に支持されて、それら側壁を起立させた組立状態と、それら側壁のうち互いに対向した1対の第1側壁を折り畳んでから残りの1対の第2側壁を畳んだ折畳状態とに変更可能に構成され、
    前記1対の第2側壁の上端部にそれぞれ前記連結凹部が形成されて、1対の前記蓋体が前記第2側壁に連結されると共に、前記折畳状態で前記中継部材が前記第2側壁から外側に突出した外倒姿勢になって各前記蓋体が各前記第2側壁の外面に重ね合わされる一方、前記組立状態で前記中継部材が前記上面開口側に傾いた傾斜姿勢になって、前記1対の蓋体が前記上面開口を閉じるように構成されたことを特徴とする請求項3に記載のコンテナ。
  5. 前記蓋体の基端面は、前記蓋回動軸と中心とした第1円弧面をなすと共に、前記第2側壁の上面は、前記脚部回動軸を中心とした第2円弧面をなし、
    前記第2側壁には、前記第2円弧面のうち最上点より前記第2側壁の内面側にずれた位置から前記第2側壁の内面まで水平面が形成され、その水平面と前記第2円弧面との境界部分に、前記閉状態の前記蓋体の水平な下面と前記第1円弧面との境界部分が当接するように構成されたことを特徴とする請求項3又は4に記載のコンテナ。
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