JP2016067572A - 風呂蓋 - Google Patents

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Abstract

【課題】 断熱芯材の表裏面を合成樹脂製シートまたはフィルムで被覆した風呂蓋において、周縁部を被覆するエッジプロテクターの端部を超音波溶着によって接合する。【解決手段】 弾力性を有する合成樹脂発泡体からなる断熱芯材111と、その表裏面を被覆して、外力を加えると弾性変形する被覆樹脂113と、被覆樹脂113に挟まれた断熱芯材111の側面11aに形成された複数のコーナーに配設されて、コーナーから所定の範囲にわたって断熱芯材111の側面11aに沿って延びる延設板131を有する硬質樹脂製のコーナーピース13と、複数のコーナーごとに途切れるようにして、断熱芯材111および被覆樹脂113の側面を被覆してなる複数のエッジプロテクター12と、を備え、エッジプロテクター12は、その両端部を延設板131の上に重ねた状態で、コーナーピース13と超音波溶着させて一体化した風呂蓋10である。【選択図】 図3

Description

本発明は、浴槽のリムに載置して浴槽に蓋をする風呂蓋に関する。
特許文献1に示す平板状の風呂蓋は、合成樹脂発泡体の断熱芯材と、断熱芯材の表裏面を被覆するアルミ等の金属薄板からなる補強用の被覆材とを積層してなる蓋本体の周縁部に、合成樹脂製のエッジプロテクターを嵌着して構成されている。このエッジプロテクターは、内側が硬質合成樹脂、外側が軟質合成樹脂の二色押出成形により得られている。そして、エッジプロテクターの継ぎ目部分は、超音波溶着によって接合されている。
ところで、このような従来の平板状の風呂蓋は、一枚で約2kgの重量があるため、高齢者にとっては扱いにくかった。本出願人は、一枚あたりの重量を900g以下に抑えれば、高齢者が片手で手軽に取り扱えるようになるとの知見を得たが、従来の風呂蓋は、補強のために断熱芯材の表裏面を被覆していた金属薄板あるいは硬質合成樹脂製薄板からなる被覆材が軽量化の障害となっていた。
そこで、本出願人は、金属薄板あるいは硬質合成樹脂製薄板からなる被覆材を用いずに軽量な風呂蓋を得るために、鋭意検討を加えた結果、断熱芯材の表裏面を合成樹脂製シートまたはフィルムで被覆することにより、一枚あたりの重量を900g以下に抑えることができるとの知見を得た。
実登3030801号公報
ところが、断熱芯材の表裏面を合成樹脂製シートまたはフィルムで被覆した風呂蓋は、表面に金属薄板や合成樹脂板を用いていないので、全体的に弾力性があり、外力を加えると表面が弾性変形してしまう。
そのため、エッジプロテクターの端部を超音波溶着しようとしても、ホーンの圧力によって面が変形してしまい、超音波振動が良好に伝わらずに安定した溶着を得ることができない、という問題が生じた。
そこで、本発明は、断熱芯材の表裏面を合成樹脂製シートまたはフィルムで被覆した風呂蓋において、周縁部を被覆するエッジプロテクターの端部を超音波溶着によって接合することを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明の風呂蓋は、弾力性を有する合成樹脂発泡体からなる断熱芯材と、前記断熱芯材の表裏面を被覆して、外力を加えると弾性変形する合成樹脂製シートまたは合成樹脂製フィルムからなる被覆樹脂と、前記被覆樹脂に挟まれた前記断熱芯材の側面に形成された複数のコーナーに配設されて、前記コーナーから所定の範囲にわたって前記断熱芯材の側面に沿って延びる延設板を有する硬質樹脂製のコーナーピースと、前記複数のコーナーごとに途切れるようにして、前記断熱芯材および前記被覆樹脂の側面を被覆してなる複数のエッジプロテクターと、を備え、前記エッジプロテクターは、その両端部を前記延設板の上に重ねた状態で、前記コーナーピースと超音波溶着させて、前記エッジプロテクターと前記コーナーピースとを一体化したことを特徴とする。
本発明の風呂蓋は、従来の風呂蓋をさらに軽量化するために、弾力性を有する合成樹脂発泡体からなる断熱芯材の表裏を、外力を加えると弾性変形する合成樹脂製シートまたは合成樹脂製フィルムからなる被覆樹脂で被覆している。そのため、超音波溶着用のホーンによってエッジプロテクターの表面を加圧しても、エッジプロテクターの端部の裏には非発泡性の樹脂からなるコーナーピースの延設板が配設されているので、その延設板がホーンの加圧を受け止めることができる。そのため、延設板が溶着代となって、エッジプロテクターの端部とコーナーピースとを安定的に超音波溶着することができる。したがって、高齢者が片手で手軽に取り扱うことができる程度に軽量化されて、エッジプロテクターが剥れにくく、美観に優れた風呂蓋を提供することが可能となる。
また、前記コーナーピースは、外部に露出する角部材を備え、前記延設板は、硬質樹脂により成形し、前記角部材は、前記延設板よりも軟質な樹脂により成形してもよい。
この硬質樹脂としては、例えば、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)、PP(ポリプロピレン樹脂)のような素材を用いることができる。また、軟質な樹脂としては、TPO(オレフィン系エラストマー)、TPS(スチレン系エラストマー)のような素材を用いることができる。
これによれば、溶着代となる延設板を、超音波溶着用のホーンの加圧を受け止めるべく、硬質樹脂としつつも、コーナーピースの外部に露出する角部材は軟質樹脂製としているので、風呂蓋の角は軟質な樹脂で覆われる。よって、風呂蓋の角が壁にあたってもキズがつきにくい。
また、前記延設板の表面に、溶着リブを形成してもよい。
これによれば、超音波溶着によって溶解する溶着リブを硬質樹脂側に形成するので、さらに超音波溶着を安定的に行うことができる。
本発明によれば、断熱芯材の表裏面を合成樹脂製シートまたはフィルムで被覆した風呂蓋において、周縁部を被覆するエッジプロテクターの端部を超音波溶着によって接合することが可能となる。
本発明の実施の形態にかかる風呂蓋を浴槽に載せた状態を示す斜視図である。 本発明の実施の形態にかかる風呂蓋の突合せ部の端部の角部を示す斜視図である。 図2に示す風呂蓋の角部の上面図である。 図1に示す風呂蓋のX−X断面図である。 風呂蓋のエッジプロテクターを示す側面図である。 風呂蓋のコーナーピースを示す斜視図である。 図6に示すコーナーピースを裏側から示す背面斜視図である。 図6に示すコーナーピースの上面図である。 風呂蓋の本体部の角部を示す斜視図である。 風呂蓋のコーナー部を超音波溶着する状態を示す模式図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる風呂蓋を浴槽に載せた状態を示す斜視図、図2は、本発明の実施の形態にかかる風呂蓋の突合せ部の端部の角部を示す斜視図、図3は、図2に示す風呂蓋の角部の上面図、図4は、図1に示す風呂蓋のX−X断面図、図5は、風呂蓋のエッジプロテクターを示す側面図、図6は、風呂蓋のコーナーピースを示す斜視図、図7は、図6に示すコーナーピースを裏側から示す背面斜視図、図8は、図6に示すコーナーピースの上面図、図9は、風呂蓋の本体部の角部を示す斜視図である。
本実施形態の風呂蓋10は、上方から見た時の平面視において略四角形状に形成され、その周縁部に、浴槽20のリムに載せられる載置部と、もう一つの風呂蓋の端部と突き合わせることによって浴槽20を密閉状に覆う突合せ部と、を有する。この風呂蓋10は、2枚で一組となって浴槽20の長手方向に並べて配置されて浴槽20の開口を塞ぎ、浴槽内に貯留された湯の熱が外へ逃げることを防いでいる。
図2、図3に示すように、風呂蓋10は、本体部11と、本体部11の周囲を覆うエッジプロテクター12と、本体部11において突合せ部の両端となる角部において2つのエッジプロテクター12を接合するコーナーピース13と、を備えている。
図4に示すように、本体部11は、板状の断熱芯材111と、断熱芯材111の表裏面を被覆する被覆樹脂となる表面シート113と、を有する。
断熱芯材111は、外力を加えると弾性変形する発泡樹脂からなり、撓み性及び断熱性を有する。断熱芯材111は、例えば、JIS K6767で規定された測定方法によって算出された圧縮永久ひずみが20%以下であり、さらに撓み性を有する。圧縮永久ひずみは、材料に荷重を負荷した後、その荷重を除去したときに材料に残ったひずみである。
圧縮永久ひずみが20%以下、且つ、撓み性を有する断熱芯材とするために用いる発泡樹脂として、例えば、発泡ポリプロピレン、発泡ポリエチレン、軟質発泡ウレタン、発泡EVA(Ethylene-Vinyl Acetate)、ポリプロピレンやポリエチレンからなるハイブリット発泡材、発泡ポリ塩化ビニル、エラストマー発泡体、ゴム発泡体などが挙げられる。本実施形態では、例えば、厚さが20mmのビーズ発泡させた発泡ポリプロピレン(EPP)を断熱芯材111として使用している。
表面シート113は、断熱芯材111よりも薄く、例えば、厚さが0.25mmのオレフィン系樹脂のシートからなる。表面シート113は、外力を加えると弾性変形する弾性を有する。あるいは、表面シート113として、外力を加えると弾性変形する弾性を有する合成樹脂製の薄いフィルムを用いてもよい。
図5に示すように、エッジプロテクター12は、軟質樹脂製の保護部121と、保護部121よりも硬質な硬質樹脂製の補強部122とを有する。
補強部122は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのオレフィン系樹脂からなる。保護部121は、例えば、オレフィン系エラストマーからなる。
保護部121は、本体部11の表裏面11bの外縁部から側面11aにわたる領域を、本体部11の縁に沿って連続して覆っている。すなわち、保護部121は、本体部11の表裏面と側面とがなす角部を覆っている。
エッジプロテクター12は、断熱芯材111の側面11a部分においてホットメルト系接着剤によって接着されている。これは、接着時間を短縮して製造工程における待ち時間を短くするためである。
また、保護部121は、ホットメルト系接着剤で接着した際に、側面11aからはみ出た接着剤を覆い隠し、美観を保持する機能を有している。保護部121はその他にも接着部への水浸入防止や強度確保などの機能も有している。
図6〜図8に示すように、コーナーピース13は、2枚の延設板131を略直角に連設させて、角に角部材133を設けて、本体部12の角部の形状に沿う略L字状に形成されている。このコーナーピース13は、本体部12の角部の側面11aに配設される(図2,3参照)。
この延設板131は、例えば、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)、PP(ポリプロピレン樹脂)のような硬質樹脂で形成される。また、角部材133は、例えば、TPO(オレフィン系エラストマー)、TPS(スチレン系エラストマー)のような、延設板131よりも柔らかい軟質樹脂を用いることができる。
また、図9に示すように、本体11の角部の側面11aには切欠き111bが設けられている。これはコーナーピース13を本体11の角部の側面11aに配設した際に、延設板131の厚みがあってもエッジプロテクター12が波打つことなく、エッジプロテクター12とコーナーピース13の角部材133とを面一にすることができるように設けられたものである。
そして、切欠き111bには水平方向に溝111aが形成されており、コーナーピース13に設けたリブ135を挿入することができる。この溝111aへのリブ135の挿入により、風呂蓋組立時の上下方向の位置決めを容易に行うことが出来る。
なお、コーナーピース13は、断熱芯材111の側面11aおよび溝111a部分においてホットメルト系接着剤によって接着されている。これは、接着時間を短縮して製造工程における待ち時間を短くするためである。
コーナーピース13をホットメルト系接着剤で接着する際に、はみ出た接着剤を覆い、美観を保持する目的で、コーナーピース13の角部材133の上下端に、保護部133aを有している。この保護部133aを有する角部材133は、全体を前述したような軟質樹脂製としてもよいし、保護部133aのみを軟質樹脂製としてもよい。保護部133aは、エッジプロテクター12の保護部121の断面と略一致するように形成されており、本体部12の角部でエッジプロテクター12を接合した際に、エッジプロテクター12とコーナーピース13が一体的に設置されているように見えるよう配慮されている。
コーナーピース13の延設板131の表面側には溶着リブ131aが形成されており、エッジプロテクター12の硬質樹脂部製の補強部122の裏面が超音波溶着により接合される。
図10は、風呂蓋のコーナー部を超音波溶着する状態を示す模式図である。
超音波溶着は、図10に示すようにエッジプロテクター12とコーナーピース13とを重ね合わせた状態で、超音波溶着ホーン300で加圧および超音波振動を与えることによりなされる。この時溶着リブ131aが選択的に加熱・溶融されることにより、エッジプロテクター12の補強部122と延設板131とを強固に接合することが出来る。
また、延設板131はホーンの加圧に対して、断熱芯材111および表面シート113が変形しにくいようにするために、リブ幅に対して十分広い平面部を有している。そのため、弾性変形しやすい断熱芯材111および表面シート113の上からホーン300を当てても安定的に溶着を行うことが出来る。溶着リブ131aは溶着すると溶融して厚みがほぼなくなるため、コーナーピース13の角部材133とエッジプロテクター121はフラットにすることができる。そのため美観に優れた仕上がりとなる。
以上説明した風呂蓋10は、超音波溶着により溶着されたエッジプロテクター12の端部は、溶着により強固な接合力を得ることができ、使用者が端部をつかんで風呂蓋を持ち上げたり、保護部121に手を付いたりしても、剥がれることがない耐久性に優れた風呂蓋となる。
10 :風呂蓋
11 :本体部
111 :断熱芯材
113 :表面シート(被覆樹脂)
12 :エッジプロテクター
13 :コーナーピース
131 :延設板
131a :溶着リブ
20 :浴槽

Claims (3)

  1. 弾力性を有する合成樹脂発泡体からなる断熱芯材と、
    前記断熱芯材の表裏面を被覆して、外力を加えると弾性変形する合成樹脂製シートまたは合成樹脂製フィルムからなる被覆樹脂と、
    前記被覆樹脂に挟まれた前記断熱芯材の側面に形成された複数のコーナーに配設されて、前記コーナーから所定の範囲にわたって前記断熱芯材の側面に沿って延びる延設板を有する非発泡性の合成樹脂からなるコーナーピースと、
    前記断熱芯材および前記被覆樹脂の側面を被覆して、前記複数のコーナーで分断されてなる複数のエッジプロテクターと、
    を備え、
    前記エッジプロテクターは、その両端部を前記延設板の上に重ねた状態で、前記コーナーピースと超音波溶着させて、前記エッジプロテクターと前記コーナーピースとを一体化したことを特徴とする風呂蓋。
  2. 前記コーナーピースは、外部に露出する角部材を備え、
    前記延設板は、硬質樹脂により成形し、
    前記角部材は、前記延設板よりも軟質な樹脂により成形したことを特徴とする請求項1記載の風呂蓋。
  3. 前記延設板の表面に溶着リブを形成したことを特徴とする請求項2記載の風呂蓋。
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