JP5488756B1 - パウチ容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】自立安定性及び保形性に優れるとともに意匠性に優れ、減容化が可能で、接着剤を使用した多層フィルム材を用いた場合でも接着剤が内容物に溶け出すことを防止でき、しかも胴側端部接合部と閉塞部材間におけるシール性を十分に確保可能なパウチ容器を提供する。
【解決手段】フィルム材からなる胴部材4と、胴部材4の一端開口部を液密状に閉塞するフィルム材からなる下端閉塞部材5を備えた自立可能なパウチ容器1であって、胴部材4の一端部に内側へ折り曲げてなる環状の胴側端部接合部4aを形成し、下端閉塞部材5として、胴側端部接合部4aの容器内面側に融着した内側部材6と、容器外面側に融着した外側部材7とからなるものを設けた。
【選択図】図3

Description

本発明は、軟質フィルムからなるパウチ容器に関する。
一般に、シャンプやリンス、ハンドソープなどの液状物を収納する詰め替え用の容器や、ゼリーなどのようなゲル状の飲食物を収納する容器として、軟質フィルムからなる袋状の折畳可能なパウチ容器が広く実用化されている(例えば、特許文献1参照。)。
前記パウチ容器としては、内容物を充填した状態で、自立可能なものも実用化されているが、容器本体が軟質フィルムで構成されていることから、基本的には、内容物の減少に伴って容器本体が扁平な形状に変形し、自立安定性が低下するとともに外観が低下するという問題があった。特に、特許文献1記載のパウチ容器のように、筒状に形成したフィルム材からなる胴部材と、前記胴部材の下端開口部を閉塞するフィルム材からなる底板とを備え、底板の外周部から下側へ延びる接合部を胴部材の下端内面に融着した場合には、パウチ容器を設置した状態で、底板が設置面から浮いた状態となるので、内容物の自重により底板の中央部が下方へ突出状に変形して、胴部材が全体的に内側に変形しようとし、自立安定性が低下したり、外観が低下したりするという問題がある。
また、パウチ容器の底部構造として、胴部材の下端部を内側へ折り曲げて環状の胴側端部接合部を形成し、胴部材の内側に底板を挿入し、底板の外周部を胴側端部接合部に融着して、胴部材の下端開口部を閉塞するように構成したものも提案されている(例えば特許文献2参照。)。この特許文献2記載のパウチ容器では、底面の略全面が設置面に設置されるので、パンチ容器の自立安定性が高くなり、しかも内容物の自重による容器の変形を少なくして、容器の外観を向上できるという利点がある。
しかも、この特許文献2記載のパウチ容器では、容器の強度を高めたり、ガスバリア性を高めたりするため、胴部材及び底板を例えばドライラミネート法により積層した多層フィルムで構成しつつ、多層フィルムを用いることによる問題、即ち、底板の外周端が容器内に露出して、多層フィルムの成形時に使用した接着剤が、容器に充填した内容物に溶け出して、内容物が劣化したり、内容物が接着剤層に浸透して、フィルムが層間において剥離したりするという問題を防止するため、次のように構成している。即ち、底板として、底板の外周縁を覆うように最上層と最下層の合成樹脂層を融着させたものを用いたり、底板の最上層の合成樹脂層を他の層の合成樹脂層よりも一回り大きくなるように構成し、他の層の外縁から外側に張り出している最上層の下面を全周にわたって胴側端部接合部に融着したりして、接着剤層が容器内に露出しないように構成している。
一方、コンテナやドラム缶等の外装容器に収容して用いられる内袋として、筒状に形成したフィルム材からなる胴部材と、前記胴部材の下端開口部を閉塞する底板とを備え、前記胴部材の下端部を内側へ折り曲げて環状の胴側端部接合部を形成し、前記底板を2枚用いて、該2枚の底板の外周部間に胴側端部接合部を挟み込んで融着することで、前記胴部材の下端開口部を閉塞したものも提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
国際公開第2008/096392号公報 特開2002−19792号公報 特許第5178140号公報
特許文献2記載のパウチ容器においては、ガスバリア性や遮光性などの機能性を高めるため、アルミニウム薄膜を積層してなるドライラミネート法による多層フィルムを用いた場合でも、胴側端部接合部の内周縁や底板の外周縁が容器内に露出しないので、多層フィルムを構成する接着剤が内容物に溶け出して、内容物が劣化したり、内容物が接着剤層に浸透して、フィルムが層間において剥離したりするという不具合を防止できる。しかし、底板の構成が複雑になり、底板の製作コストが高くなるとともに、胴部材の下端部を内側へ折り曲げてなる胴側端部接合部がシワだらけになるので、胴側端部接合部と底板間のシール性が低下するとともに、底面の美感が悪くなり、自立性も悪くなるという問題がある。
また、特許文献3記載の内袋は、コンテナやドラム缶等の外装容器に収容して用いられるものであり、内袋自体は自立性を備えていないものである。しかも、インフレーション成形にて製作したフィルム材を使用しているので、アルミの多層フィルムを使うことができず、バリア性が高くないという問題もある。しかも、この特許文献3記載の内袋は、特許文献2記載の発明と同様に、胴部材の下端部を内側へ折り曲げてなる胴側端部接合部がシワだらけになるので、胴側端部接合部と底板間のシール性が低下するという問題がある。
本発明の目的は、自立安定性及び保形性に優れるとともに意匠性に優れ、減容化が可能で、接着剤を使用した多層フィルム材を用いた場合でも接着剤が内容物に溶け出すことを防止でき、しかも胴側端部接合部と閉塞部材間におけるシール性を十分に確保可能なパウチ容器を提供することである。
本発明に係る第1のパウチ容器は、フィルム材からなる胴部材と、前記胴部材の一端開口部を液密状に閉塞するフィルム材からなる閉塞部材とを備えた自立可能なパウチ容器であって、前記胴部材の一端部に内側へ折り曲げてなる環状の胴側端部接合部を形成し、前記閉塞部材として、前記胴側端部接合部の容器外面側に融着した外側部材を設けたものである。なお、本明細書においてフィルム材とは、厚みに関して厳密な意味を有するものではなく、シート材を含む総称として用いるものとする。
このパウチ容器では、パウチ容器の胴部材及び閉塞部材がフィルム材で構成されているので、内容物の使用後は、胴部材及び閉塞部材を扁平に押し潰してパウチ容器の減容化が可能となる。また、胴部材の一端開口部を内側へ折り曲げて環状の胴側端部接合部を形成し、胴側端部接合部の容器外面側に外側部材を融着しているので、胴側端部接合部の折り曲げ時にシワが発生した場合でも、該シワを外側部材で覆うことができるので、シワが外部に露出することによる意匠性の低下を防止できる。更に、外側部材でパウチ容器の底面を構成した場合には、パウチ容器の底面が平坦な外側部材で構成されることになるので、外側部材の下面の略全体を隙間なく設置面に設置させて、パウチ容器を自立させることができ、パウチ容器の自立安定性及び保形性を向上できる。更にまた、胴側端部接合部とそれに融着される外側部材の外周部とが胴部材から外方へ突出しないので、パウチ容器の意匠性を向上できる。
ここで、前記胴部材が接着剤によるラミネート法、又は共押出法による多層フィルムからなることが好ましい実施の形態である。このように構成することで、胴部材に対して、ガスバリア性や遮光性や耐擦損性などの機能を付与することができ、パウチ容器に収容可能な内容物の選択自由度を拡大したり、パウチ容器の耐久性を向上したりすることが可能となる。なお、本明細書において、「接着剤によるラミネート法」とは、ドライラミネート、ウェットラミネート、ホットラミネート、シングルラミネート、タンデムラミネート、共押出しラミネートを含むラミネート法を意味する。また、本明細書において「共押出法」とは、サーマルラミネート法、Tダイ法、インフレーション法などのように、接着剤を使用しない多層フィルムの製造方法を意味する。なお、前記接着剤には、接着剤ラミネーションで使用される接着剤以外に、押出しラミネーションで使用されるAC剤(アンカーコート剤)も含まれるものとする。
また、前記外側部材が接着剤によるラミネート法、又は共押出法による多層フィルムからなることが好ましい実施の形態である。このように構成することで、外側部材に対して、ガスバリア性や耐擦損性などの機能を付与することができ、パウチ容器に収容可能な内容物の選択自由度を拡大したり、パウチ容器の耐久性を向上したりすることが可能となる。
前記閉塞部材が、前記外側部材と、前記胴側端部接合部の容器内面側に融着した内側部材とを備え、前記内側部材が単層フィルム又は共押出法による多層フィルムからなり、前記内側部材により胴側端部接合部の内周縁を容器内に露出しないように区画していることが好ましい実施の形態である。
このパウチ容器では、内側部材と外側部材とで閉塞部材を構成しているので、閉塞部材でパウチ容器の底面を構成した場合には、パウチ容器の底面の剛性が高くなり、パウチ容器の自立安定性及び保形性を向上でき、また閉塞部材でパウチ容器の上面を構成した場合でも、パウチ容器の保形性を向上できる。更に、内側部材として、単層フィルム又は共押出法による多層フィルムからなるものを用いているので、内側部材の外周縁は容器内に露出するものの、ドライラミネート法により製作した多層フィルムを用いた場合のように、容器に充填した内容物に対して内側部材の外周縁から接着剤が溶け出すことを確実に防止できる。また、内側部材により胴側端部接合部の内周縁が容器内に露出しないように区画されるので、胴部材として、ドライラミネート法により製作した多層フィルムを用いた場合であっても、容器に充填した内容物に対して胴側端部接合部の内周縁から接着剤が溶け出すことを確実に防止できる。
前記パウチ容器のように、閉塞部材を外側部材と内側部材とで構成する場合には、下記(1)〜(5)のように構成することが好ましい実施の形態である。
(1) 前記内側部材を胴側端部接合部と外側部材とにわたって環状に融着し、該融着部分の幅を、胴側端部接合部の内周縁を含み、少なくとも3mm〜20mmに設定することが好ましい。つまり、胴側端部接合部と外側部材とにわたる内側部材の融着部分の幅は、小さすぎると十分なシール性能を確保できず、また大きすぎると融着作業の作業時間が長くなるので、3mm〜20mmに設定することが好ましい。なお、前記融着部分は、内側部材と胴側端部接合部との融着幅と、内側部材と外側部材との融着幅とが異なる大きさになるように構成することも可能であるが、同じ大きさになるように、該融着部分の幅方向の中心を胴側端部接合部の内周縁に対応する位置に配置することが好ましい。
(2) 前記内側部材のフィルム材の厚さを、前記外側部材のフィルム材の厚さよりも薄く設定し、前記外側部材で胴部材の一端開口部を閉塞することが好ましい実施の形態である。つまり、外側部材で胴部材の一端開口部を閉塞する場合には、内側部材に対してガスバリア性や遮光性などの機能を付与する必要がないので、内側部材を外側部材よりも薄肉に構成することで、ガスバリア性や遮光性などの機能を低下させたり、シール性を低下させたりすることなく、内側部材を薄肉に構成して、パウチ容器を構成する合成樹脂材料の使用量を極力少なくすることができる。
(3) 前記外側部材と内側部材の一方が、前記胴部材の一端開口部を閉塞可能なフィルム材からなり、前記外側部材と内側部材の他方が、前記胴側端部接合部と、前記外側部材と内側部材の一方とに融着した環状のフィルム材からなることが好ましい実施の形態である。この場合には、外側部材と内側部材の他方が環状のフィルム材で構成されるので、パウチ容器を構成する合成樹脂材料の使用量を極力少なくすることができる。
(4) 前記胴側端部接合部は、前記胴部材の一端部を外側へ折り返した後、該折り返しにより内外が反転した部分と、その内側に配置される部分とを内側へ折り曲げることによって環状に形成してなることが好ましい実施の形態である。この場合には、内側部材及び外側部材が胴部材の内面側の合成樹脂層に融着されることになるので、胴部材の最外面の合成樹脂層の素材に対する設計自由度を高めることが可能となり、例えば胴部材の最外面の合成樹脂層として、耐擦損性に優れた素材からなるものを採用することができる。
(5) 前記胴側端部接合部の幅を2mm〜20mmに設定することが好ましい実施の形態である。胴側端部接合部の幅は、小さすぎると外側部材及び内側部材に対する融着面積を十分に確保できず、大きすぎると胴側端部接合部の内周縁に大きなシワが形成されるので、胴側端部接合部の幅は、2mm〜20mmに設定することが好ましい。
本発明に係るパウチ容器は、次のように構成することもできる。
前記胴部材は、それを構成するフィルム材を筒状に丸めてその両端を合掌貼りしてなる胴側側部接合部を備えていることが好ましい実施の形態である。このように、フィルム材を合掌貼りして胴側側部接合部を形成すると、胴側側部接合部の側縁において胴部材を構成するフィルム材の端部が容器内に露出しないので、胴部材を構成するフィルム材として、接着剤を使用する多層フィルムを用いつつ、容器に充填した内容物に対して胴側側部接合部の端部から接着剤が溶け出すことを確実に防止できるので好ましい。ただし、胴側側部接合部を合掌貼りで構成すると、胴側側部接合部が胴部材の周面から外方へ突出して容器の外観が低下したり、手で持ったときの手触りが低下したりするので、胴部材を構成するフィルム材として、両面にシーラント層を形成したものを用いて、胴側側部接合部を胴部材の周面に融着し、胴側側部接合部が胴部材の周面に滑らかに連なるように構成して、容器の外観を向上するとともに手で持ったときの手触り感を向上することが好ましい。また、胴側側部接合部を胴部材の周面に融着すると、胴部材の製作時に、フィルム材を丸めて綺麗な円筒状の胴部材を製作でき、該胴部材の一端部を内側へ折り曲げて胴側端部接合部を形成するときに、胴側側部接合部を綺麗に折り曲げることができるので、胴側端部接合部と閉塞部材とのシール時間を短縮したり、胴部材と閉塞部材との融着不良を防止したりでき、胴部材に閉塞部材を精度良く取り付けることができる。なお、本明細書において、合掌貼りとは、フィルム材を丸めてその両端部の内面側同士を重ね合わせて融着して貼り合せる接合方法を意味する。
前記胴部材として、それを構成するフィルム材を丸めて両端を封筒貼りしてなる胴側側部接合部を備えていることも好ましい実施の形態である。この場合には、胴側側部接合部が外方へ殆ど突出せず、胴部材の周面に滑らかに連なって形成されるので、容器の外観を向上できるとともに、手で持ったときの手触り感を向上でき、しかも胴部材の製作時に、胴側側部接合部を綺麗に折り曲げることができるので、胴部材と閉塞部材とのシール時間を短縮したり、融着不良を防止したりでき、胴部材に閉塞部材を精度良く取り付けることができる。ただし、フィルム材を封筒貼りして胴側側部接合部を形成すると、胴側側部接合部の側縁において胴部材を構成するフィルム材の端部が容器内に露出するので、胴部材を単層フィルム又は共押出法による多層フィルムで構成して、容器に充填した内容物に対して胴側側部接合部の側縁から接着剤が溶け出すことを防止するように構成することも好ましい。なお、本明細書において、封筒貼りとは、フィルム材を丸めてその一方の端部の内面側と他方の端部の外面側とを重ね合わせて融着して貼り合せる接合方法を意味する。
前記胴部材を構成するフィルム材が、両面に設けたシーラント層と、両シーラント層間に設けた1乃至複数の基材層とを有する複層構造のフィルム材からなり、前記閉塞部材を構成するフィルム材が、少なくとも一方の外側面に設けたシーラント層と、該シーラント層に積層状に設けた基材層とを有する複層構造のフィルム材からなることが好ましい実施の形態である。このように構成することで、胴部材の一端部に形成した内側へ突出する胴側端部接合部の外面側に閉塞部材として外側部材や内側部材を融着でき、また胴部材の他端部を融着により閉鎖したり、胴部材の他端部にスパウトを配置させた状態で、他端部を融着により閉鎖したりすることができる。
前記胴部材と閉塞部材との融着面側におけるシーラント層の厚さを10〜200μmに設定することが好ましい実施の形態である。つまり、本発明では胴部材の一端部に内方へ突出する無端環状の胴側端部接合部を形成するため、容器本体の成形時には、胴部材の一端部を内側や外側へ折り返すことになるが、この時、胴側端部接合部に半径方向に延びるシワがどうしても形成され、胴側端部接合部に閉塞部材の外周部を融着したときに、シワに沿ってシール欠陥が形成されることが懸念される。そこで、シーラント層の厚さを10〜200μmに設定することで、胴側端部接合部と閉塞部材の外周部とを接合するときに、接合部間に十分な量のシーラントを確保して、折り返し部に発生したシワによる隙間にシーラントを確実に充填し、胴部材と閉塞部材間におけるシール性を十分に確保できるので好ましい。
前記胴側端部接合部と閉塞部材との融着部分の幅を1〜10mmに設定することも好ましい実施の形態である。つまり、胴側端部接合部と閉塞部材との融着部分の幅は、1mm未満の場合には、胴側端部接合部と閉塞部材との接合強度を十分に確保できず、10mmを超えると、胴部材の一端部を折り曲げて胴側端部接合部を形成するときの作業性が低下するとともに、パウチ容器の外観が低下するので、1〜10mmに設定することが好ましい。
前記胴部材の内面間に本体部を融着保持したスパウトを設けることが好ましい実施の形態である。本発明のパウチ容器では、パウチ容器にスパウトを設ける場合には、胴部材の一端部に対して閉塞部材を取り付けた後、胴部材の他端部にスパウトを取り付けることになるので、スパウトの取付時に、胴部材内に治具を挿入して、スパウトを受け止めることができない。このため、スパウトとして、胴部材の他端開口部にスパウトの本体部を配置させた状態で、本体部を胴部材の内面間に融着保持可能なスパウトを設けることが好ましい。例えば、スパウトとして、中央部が最も幅広で、両端部側へ行くにしたがって幅狭となる舟形形状の本体部と、該本体部に立設した筒状の口部とを有する舟形スパウトを採用できる。
前記胴側端部接合部と閉塞部材間におけるシール性を改善するシール性改善構造を設けることが好ましい実施の形態である。
本発明に係る第2のパウチ容器は、フィルム材からなる胴部材と、前記胴部材の一端開口部を液密状に閉塞するフィルム材からなる閉塞部材とを備えた自立可能なパウチ容器であって、前記胴部材の一端部に内側へ折り曲げてなる環状の胴側端部接合部を形成し、前記閉塞部材として、前記胴側端部接合部の容器外面側に融着される外側部材及び/又は前記胴側端部接合部の容器内面側に融着される内側部材を備え、前記胴側端部接合部と閉塞部材間におけるシール性を改善するシール性改善構造を設けたものである。
本発明に係るパウチ容器では、胴部材の一端部を内側へ折り曲げて胴側端部接合部を形成しているので、胴側端部接合部にどうしても半径方向へ延びるシワが形成され、該シワにより胴側端部接合部と閉塞部材との融着部分におけるシール性が低下する可能性がある。このため、第2のパウチ容器のように、シール性改善構造を設けて、胴側端部接合部と融着部材間におけるシール性を向上することが好ましい。
前記シール性改善構造として、前記胴側端部接合部と閉塞部材との融着部分に環状の突部からなるシール部を形成したり、前記胴側端部接合部と閉塞部材との融着部分に格子状にシール部を形成したりすることも好ましい実施の形態である。この場合には、胴側端部接合部と閉塞部材間のシール性をシール部により一層向上できる。このようなシール部は、胴側端部接合部と閉塞部材の外周部とを挟持して両者を加熱融着する1対の加熱型として、一方の加熱型の加熱面に環状や格子状の嵌合溝を形成し、他方の加熱型の加熱面に嵌合溝に凹凸嵌合する環状や格子状の嵌合突部を形成したものを用いることで、容易に形成できる。
前記シール性改善構造により、前記胴側端部接合部におけるフィルム材のシワによる重なり枚数を2枚以下にコントロールすることが好ましい。シワにおけるフィルム材の重なり枚数が、3枚以上になるとシワ部分とその両側間における厚さ方向の段差が大きくなり、シワに沿って隙間が形成され易くなるので、フィルム材のシワによる重なり枚数は2枚以下に設定することが好ましい。ただし、胴部材として、フィルム材を筒状に丸めて両端部を合掌貼り又は封筒貼りしたものを用いる場合には、胴側端部接合部における前記合掌貼りや封筒貼り部分は、2枚以上のフィルム材が重ね合された状態となるので、この合掌貼り部分や封筒貼り部分にはシワが形成されないようにコントロールし、合掌貼り部分や封筒貼り部分以外の重なり枚数を2枚以下にコントロールすることが好ましい。
前記シール性改善構造として、前記胴側端部接合部の幅方向の途中部に貫通孔からなる複数のシワ取り部を周方向に間隔をあけて形成することも好ましい実施の形態である。このように構成すると、胴部材の端部を内側へ折り曲げて胴側端部接合部を形成するときに、貫通孔が変形することで、胴側端部接合部におけるシワの発生が抑制され、胴側端部接合部と閉塞部材とのシール性を向上できるとともに、胴側端部接合部が外部に露出する場合においても、シワによるパウチ容器の外観低下を防止できる。
また、このように貫通孔を形成する場合には、前記貫通孔からなるシワ取り部の中心を、前記胴側端部接合部の幅方向の中央部よりも内周側に配置することが好ましい。シワの大きさは胴側端部接合部の内周側程大きくなるので、貫通孔からなるシワ取り部の中心を、前記胴側端部接合部の幅方向の中央部よりも内周側に配置して、胴側端部接合部の内周側における大きなシワを貫通孔の変形により小さくし、また胴側端部接合部の外周側部分に貫通孔を形成しないように構成することで、胴側端部接合部の外周側部分を閉塞部材に隙間なく融着して、胴側端部接合部と閉塞部材とのシール性を一層向上できる。
前記シール性改善構造として、前記胴側端部接合部の幅方向の途中部から内周縁にわたって延びる切込みからなる複数のシワ取り部を周方向に間隔をあけて形成することが好ましい実施の形態である。このように構成することで、胴側端部接合部の内周部が切込みにより複数の接合片に分割され、隣接する接合片が重なり合うことで、胴側端部接合部におけるシワの発生を防止でき、胴側端部接合部と閉塞部材とのシール性を向上できるとともに、胴側端部接合部が外部に露出する場合においても、シワによるパウチ容器の外観低下を防止できる。
このような切込みを形成する場合には、前記切込みからなるシワ取り部を胴側端部接合部の内周縁の接線方向と直交する方向に対して一方向に角度をつけて形成することが好ましい。このように構成すると、隣接する接合片の重ねり枚数が極力少なくなるようにコントロールして、胴側端部接合部におけるシワの発生を防止でき、胴側端部接合部と閉塞部材とのシール性を向上できるとともに、胴側端部接合部が外部に露出する場合においても、シワによるパウチ容器の外観低下を防止でき、しかも一方向への規則的な切込みにより、パウチ容器の意匠性を向上できる。
前記シール性改善構造として、前記胴側端部接合部の内周部に切欠きからなる複数のシワ取り部を周方向に間隔をあけて形成することもできる。このように構成すると、胴側端部接合部の内周部が切欠きにより複数の接合片に分割され、胴部材の一端部を内側へ折り曲げて胴側端部接合部を形成したときに、切欠きが狭くなる方向へ隣接する接合片が接近することで、胴側端部接合部におけるシワの発生が防止され、胴側端部接合部と閉塞部材間におけるシール性を向上できるとともに、胴側端部接合部が外部に露出する場合においても、シワによるパウチ容器の外観低下を防止できる。なお、切欠きとしては、V字状の切欠きやU字状の切欠きや等脚台形状の切欠きなどを形成することができる。
前記胴側端部接合部が曲率半径の異なる複数の円弧の組み合わせから環状に形成され、曲率半径の小さい部分におけるシワ取り部の配設ピッチを曲率半径の大きい部分におけるシワ取り部の配設ピッチよりも小さく設定することが好ましい。胴側端部接合部の曲率半径の小さい部分においては、胴部材の一端を折り曲げて胴側端部接合部を形成する際に、曲率半径の大きい部分よりも大きなシワが形成されたり、多数のシワが形成されたりするので、曲率半径の小さい部分におけるシワ取り部の配設ピッチを小さく設定して、できるだけ多くのシワを除去できるように構成することが好ましい。
前記シール性改善構造として、前記胴側端部接合部と閉塞部材との融着部分の内周側部分の融着部を外周側部分の融着部よりも高温高圧で融着してなる融着部で構成することも好ましい実施の形態である。胴側端部接合部と閉塞部材とは、高温高圧で融着すると、シール性は高くなるが、胴側端部接合部と閉塞部材とを構成するフィルム材がどうしても熱で劣化し易くなるので、本発明のように、大きなシワが形成される内周側部分を外周側部分よりも高温高圧で融着することで、融着時におけるフィルム材の熱劣化を極力防止しつつ、シール性を十分に確保できる。
前記胴部材の横断面を楕円形に構成するとともに閉塞部材を楕円形に構成し、前記シール性改善構造として、前記胴側端部接合部と閉塞部材との楕円環状の融着部分における、楕円の長径の両端側部分に、胴側端部接合部とは反対側の胴部材の他端部側へ斜めに傾斜する傾斜面を形成することも好ましい実施の形態である。つまり、胴側端部接合部における楕円の長径の両端部は、楕円の長径の中央部(短径の両端部)よりも曲率半径が小さくなるので、胴部材の一端部を内側へ折り曲げて胴側端部接合部を形成する際に、該部分に多数のシワが形成される。そこで、本発明では、前記胴側端部接合部と閉塞部材との楕円環状の融着部分における、楕円の長径の両端側部分に、胴側端部接合部とは反対側の胴部材の他端部側へ斜めに傾斜する傾斜面を形成することで、胴部材の一端部を内側へ折り曲げて胴側端部接合部を形成するときに、該傾斜面の内外両縁において2段階に胴側端部接合部が折り曲げられることになるので、一度に折り曲げる場合と比較して胴側端部接合部の折り曲げ角度を少なくして、シワの発生を抑制し、シール性を向上できる。
本発明に係るパウチ容器の製造方法は、フィルム材からなる胴部材を成形する胴部材成形工程と、胴部材の一端部を内側へ折り返して胴側端部接合部を形成し、フィルム材からなる閉塞部材の外周部を胴側端部接合部に融着して、前記胴部材の一端開口を液密状に閉塞するように、前記胴部材の一端部に閉塞部材を取り付ける端部閉塞工程とを備えたものである。
この製造方法では、パウチ容器の胴部材及び閉塞部材がフィルム材で構成されるので、内容物の使用後は、胴部材及び閉塞部材を扁平に押し潰して減容化が可能なパウチ容器を製作できる。また、容器本体の一端部に閉塞部材が配置され、しかも閉塞部材の外周部に、胴側端部接合部と閉塞部材の外周部とを融着してなる、胴部材や閉塞部材よりも硬質な環状の接合部分が形成されるので、自立安定性に優れたパウチ容器を製作できる。更に、胴側端部接合部とそれに融着される閉塞部材の外周部とが胴部材から外方へ突出しないので、パウチ容器の意匠性を向上できる。更にまた、胴部材成形工程、端部閉塞工程でなされる作業は、比較的簡単な作業なので、製袋作業の自動化が可能となる。
ここで、前記端部閉塞工程は、前記胴部材に取付用治具を内嵌させる装填工程と、前記取付用治具の一端部から外方へ突出する胴部材の一端部を、取付用治具の一端縁を中心に内側へ折り返して、前記取付用治具の一端側において胴部材に無端環状の折り返し部からなる胴側端部接合部を形成する折り返し工程と、前記胴側端部接合部に閉塞部材を構成するフィルム材を融着して、前記胴部材の一端開口部を閉塞部材で液密状に閉塞する融着工程とを備えることが好ましい実施の形態である。
このように端部閉塞工程を構成すると、取付用治具に外嵌した胴部材の一端部を、取付用治具の一端縁を中心に内外が反転するように内側へ折り返して、取付用治具の一端側において胴部材に無端環状の折り返し部からなる胴側端部接合部を形成できるので、胴部材の一端部に効率的に胴側端部接合部を形成することが可能となる。また、このような胴部材の折り返し作業は比較的容易に自動化することができ、装填工程や融着工程に関しても比較的容易に自動化できるので、取付工程全体を自動化することが可能となる。更に、胴側端部接合部の幅は、取付用治具の一端面の幅に応じた大きさになるので、胴側端部接合部と閉塞部材の外周部とを融着接合してなる接合部分の幅を全周にわたって十分に確保でき、融着面積が部分的に少なくなることによる接合強度の低下や液密性の低下を防止できる。
本発明に係るパウチ容器によれば、パウチ容器の胴部材及び閉塞部材がフィルム材で構成されているので、内容物の使用後は、胴部材及び閉塞部材を扁平に押し潰してパウチ容器の減容化が可能となる。また、胴部材の一端開口部を内側へ折り曲げて環状の胴側端部接合部を形成し、胴側端部接合部の容器外面側に外側部材を融着しているので、胴側端部接合部の折り曲げ時にシワが発生した場合でも、該シワを外側部材で覆うことができるので、シワが外部に露出することによる意匠性の低下を防止できる。更に、外側部材でパウチ容器の底面を構成した場合には、パウチ容器の底面が平坦な外側部材で構成されることになるので、外側部材の下面の略全体を隙間なく設置面に設置させて、パウチ容器を自立させることができ、パウチ容器の自立安定性及び保形性を向上できる。更にまた、胴側端部接合部並びにそれに融着される外側部材の外周部が胴部材から外方へ突出しないので、パウチ容器の意匠性を向上できる。
特に、前記閉塞部材が、前記外側部材と、前記胴側端部接合部の容器内面側に融着した内側部材とを備え、前記内側部材が単層フィルム又は共押出法による多層フィルムからなり、前記内側部材により胴側端部接合部の内周縁を容器内に露出しないように区画すると、内側部材と外側部材とで閉塞部材を構成しているので、閉塞部材でパウチ容器の底面を構成した場合には、パウチ容器の底面の剛性が高くなり、パウチ容器の自立安定性及び保形性を向上でき、また閉塞部材でパウチ容器の上面を構成した場合でも、パウチ容器の保形性を向上できる。更に、内側部材として、単層フィルム又は共押出法による多層フィルムからなるものを用いているので、内側部材の外周縁は容器内に露出するものの、ドライラミネート法により製作した多層フィルムを用いた場合のように、容器に充填した内容物に対して内側部材の外周縁から接着剤が溶け出すことを確実に防止できる。また、内側部材により胴側端部接合部の内周縁が容器内に露出しないように区画されるので、胴部材として、ドライラミネート法により製作した多層フィルムを用いた場合であっても、容器に充填した内容物に対して胴側端部接合部の内周縁から接着剤が溶け出すことを確実に防止できる。
また、前記胴側端部接合部と閉塞部材との融着部分に、シール性を改善するシール性改善構造として、環状の突部からなるシール部や格子状のシール部などを形成したり、融着部分の内側部分を外周側部分よりも高温高圧で融着したり、融着部分の内周側部分を外周側部分よりも容器の外方側へ突出させたり、胴側端部接合部にシール性を改善するシール性改善構造として、貫通孔や切込や切欠きなどからなるシワ取り部や切込を設けたり、これらを任意に組み合わせることで、胴側端部接合部と閉塞部材間におけるシール性能を向上できる。また、シワ取り部を形成する場合には、胴側端部接合部のシワを少なくできるので、胴側端部接合部に融着される外側部材の平滑性を高めて、パウチ容器の外観を向上できる。
本発明に係るパウチ容器の製造方法では、パウチ容器の胴部材及び閉塞部材がフィルム材で構成されるので、内容物の使用後は、胴部材及び閉塞部材を扁平に押し潰して減容化が可能なパウチ容器を製作できる。また、容器本体の一端部に閉塞部材が配置され、しかも閉塞部材の外周部に、胴側端部接合部と閉塞部材の外周部とを融着してなる、胴部材や閉塞部材よりも硬質な環状の接合部分が形成されるので、自立安定性に優れたパウチ容器を製作できる。更に、胴側端部接合部と閉塞部材の外周部との接合部分は、胴部材から外方へ突出しないので、該接合部分によりパウチ容器の意匠性が低下することもない。更にまた、胴部材成形工程、端部閉塞工程でなされる作業は、比較的簡単な作業なので、製袋作業の自動化が可能となる。
第1実施形態のパウチ容器の斜視図 パンチ容器の(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は背面図 図1のIII-III線断面図 図1のIV-IV線断面図 パウチ容器の下端閉塞構造の要部縦断面図 (a)(b)はパウチ容器の他の下端閉塞構造の図5相当図 他の構成の下端閉塞構造の(a)は縦断面図、(b)(c)は製造方法の説明図 (a)(b)は他の構成のパウチ容器の縦断面図 (a)(b)は他の構成のパウチ容器の縦断面図 閉塞部材の融着前における胴部材の斜視図 (a)〜(c)は折込工程の説明図 閉塞部材セット工程の説明図 融着工程の説明図 スパウト融着工程の説明図 第2実施形態のパウチ容器の斜視図 同パンチ容器の(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は背面図 図15XVII-XVII線断面図 図15のXVIII-XVIII線断面図 (a)、(b)はパウチ容器の他の下端閉塞構造の図17相当図 (a)(b)は他の構成のパウチ容器の縦断面図 (a)(b)は他の構成のパウチ容器の縦断面図 他の構成のパウチ容器の図17相当図 同パウチ容器の図18相当図 胴部成形工程の説明図 (a)〜(e)は下端閉塞工程の説明図 スパウト取付工程の説明図 他の構成のパウチ容器の図17相当図 同パウチ容器の図18相当図 (a)〜(d)は同パウチ容器の下端閉塞工程の説明図 (a)(b)は同パウチ容器の反転工程の説明図 (a)は貫通孔を形成した円環状の胴側端部接合部の底面図、(b)は貫通孔を形成した楕円環状の胴側端部接合部の底面図 (a)は切込みを形成した円環状の胴側端部接合部の底面図、(b)は切込みを形成した楕円環状の胴側端部接合部の底面図 (a)は切込みに角度を付けた円環状の胴側端部接合部の底面図、(b)は切込みに角度を付けた楕円環状の胴側端部接合部の底面図 (a)は切欠きを形成した円環状の胴側端部接合部の底面図、(b)は切欠きを形成した楕円環状の胴側端部接合部の底面図 (a)は切込み及び切欠きを形成した楕円環状の胴側端部接合部の底面図、(b)は切込み及び貫通孔を形成した楕円環状の胴側端部接合部の底面図 (a)はシワ取り構造を備えた容器本体の底面図、(b)は図36(a)のb−b線断面図 (a)は高温高圧による融着部が形成されるように閉塞部材を融着した状態での容器本体の底面図、(b)は該閉塞部材の融着方法の説明図 (a)はシール部が形成されるように閉塞部材を融着した状態での容器本体の底面図、(b)は該閉塞部材の融着方法の説明図
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
先ず、閉塞部材を外側部材と内側部材とで構成したパウチ容器について説明する。
図1〜図5に示すように、このパウチ容器1は、内容物を収容可能な軟質フィルムからなる容器本体2と、容器本体2の上端部に融着したスパウト3とを備えている。容器本体2は、筒状の胴部材4と、胴部材4の下端開口を液密状に閉塞する下端閉塞部材5とを備え、胴部材4の下端部に内側へ折り曲げてなる環状の胴側端部接合部としての胴側下端接合部4aを形成し、下端閉塞部材5として、胴側下端接合部4aの容器本体2の内面側に融着した内側部材6と、前記胴側下端接合部4aの容器本体2の外面側に融着した外側部材7とを設け、内側部材6として、単層フィルム又は共押出法による多層フィルムからなるものを用い、内側部材6により胴側下端接合部4aの内周縁が容器本体2内に露出しないように区画したものである。このパウチ容器1は、外側部材7の下面の略全面を設置面に設置して自立可能に構成され、内容物の使用後は、胴部材4及び下端閉塞部材5を折り畳んだり手で潰したりして廃棄物を減容化できるように構成されている。
胴部材4及び外側部材7を構成するフィルム材は、手で減容化が可能な、単層または多層構造の軟質フィルムで構成されている。単層フィルムで構成することも可能であるが、ガスバリア性や遮光性や擦損性などの機能を付与するため、ドライラミネーションやウェットラミネーションやホットメルトラミネーションなどの接着剤ラミネーション、シングルラミネーションやタンデムラミネーションや共押出しラミネーションなどの押出しラミネーションのような接着剤によるラミネート法や、サーマルラミネーション、Tダイ法、インフレーション法などの共押出法のように接着剤を使用しないで製作した多層フィルムを採用できる。特に、本発明では、胴部材4及び外側部材7の端部がパウチ容器1内に露出せず、フィルム材を構成する接着剤が内容物に溶け出すことを防止できるので、胴部材4及び外側部材7を構成するフィルム材として、接着剤を用いたラミネート法による多層フィルムを好適に採用できる。具体的には、胴部材4を構成するフィルム材は、両面にヒートシールや超音波シールなどにより相互に融着可能な、ポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性合成樹脂材料からなるシーラント層を設け、両シーラント層間に、例えばパウチ容器1に収容する内容物に応じて、ガスバリア性や遮光性や擦損性などの機能を有するアルミ箔などの機能性材料からなる単又は複数の基材層を設けた3層以上の多層フィルムを好適に採用できる。また、外側部材7を構成するフィルム材としては、内面側にヒートシールや超音波シールなどにより相互に融着可能な、ポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性合成樹脂材料からなるシーラント層を設け、外面側にガスバリア性や遮光性や擦損性などの機能を有するアルミ箔などの機能性材料からなる単又は複数の基材層を設けた2層以上の多層フィルムを好適に採用できる。ただし、胴部材4と外側部材7とを構成するフィルム材としては、手で減容化が可能で且つ内側部材6を含むフィルム材やスパウト3と相互に融着可能に構成されたものであれば任意の構成のものを採用できる。
内側部材6を構成するフィルム材は、手で減容化が可能な、単層フィルム又は共押出法による多層フィルムで構成されている。多層フィルムで構成する場合には、サーマルラミネート法、Tダイ法、インフレーション法などの共押出法のように、接着剤を使用しないで製作した多層フィルムを用いることが好ましい。つまり、内側部材6は、パウチ容器1内に配置され、しかも外周縁がパウチ容器1内に露出するので、ドライラミネート法のように、接着剤を使用して製作した多層フィルムでは、パウチ容器1に充填した内容物に内側部材6の外周端部から接着剤が溶け出すことがあるので、接着剤を使用しない多層フィルムを用いることが好ましい。
胴部材4は、円筒状に成形したフィルム材からなる胴部材4A(図10参照)の上端部を扁平に押し潰してなる形状に形成したもので、下端部が略円形に形成され、下端部から上側へ行くにしたがって前後幅を狭くした扁平な横断面形状に形成され、上端部に前面側と後面側のフィルム材を融着してなる胴側上端接合部4bが形成され、胴側上端接合部4bの長さ方向(左右方向)の途中部において前面側と後面側のフィルム材間にスパウト3を融着保持したものである。胴部材4は、1枚のフィルム材を円筒状に丸めて両端部を重ね合わせてヒートシールや超音波シールなどにより合掌貼り或いは封筒貼りにより接合することで筒状に成形され、胴部材4の後面の左右方向の中央部の外側にはフィルム材を接合してなる胴側側部接合部4cが高さ方向の全長にわたって形成されている。なお、合掌貼りでは、フィルム材を丸めてその両端部の内面側同士を重ね合わせて融着して貼り合せることになるが、胴側側部接合部4cの側縁において胴部材4を構成するフィルム材の端部が容器内に露出しないので、胴部材4を構成するフィルム材として、接着剤を使用する多層フィルムを用いつつ、容器に充填した内容物に対して胴側側部接合部4cの端部から接着剤が溶け出すことを確実に防止できるので好ましい。ただし、胴側側部接合部4cを合掌貼りで構成すると、胴側側部接合部4cが胴部材4の周面から外方へ突出して容器の外観が低下したり、手で持ったときの手触りが低下したりするので、胴部材4を構成するフィルム材として両面にシーラント層を形成したものを用いて、胴側側部接合部4cを胴部材4の周面に融着し、胴側側部接合部4cが胴部材4の周面に滑らかに連なるように構成して、容器の外観を向上するとともに手で持ったときの手触り感を向上することが好ましい。また、胴側側部接合部4cを胴部材4の周面に融着すると、綺麗な円筒状の胴部材4A(図10参照)を製作でき、図11に示すように、胴部材4Aをマンドレル30にセットして、胴側下端接合部4Aaを内折するときに、胴側側部接合部4cを綺麗に折り曲げることができるので、胴部材4Aと下端閉塞部材5とのシール時間を短縮したり、融着不良を防止したりでき、胴部材4Aに下端閉塞部材5を精度良く取り付けることができる。また、封筒貼りでは、フィルム材を丸めてその一端部の内面側と他端部の外面側とを重ね合わせて融着して貼り合せることになるが、胴側側部接合部が外方へ殆ど突出せず、胴部材の周面に滑らかに連なって形成されるので、容器の外観を向上できるとともに、手で持ったときの手触り感を向上でき、しかも胴部材の製作時に、胴側側部接合部を綺麗に折り曲げることができるので、胴部材と下端閉塞部材とのシール時間を短縮したり、融着不良を防止したりでき、胴部材に下端閉塞部材を精度良く取り付けることができる。ただし、フィルム材を封筒貼りして胴側側部接合部を形成すると、胴側側部接合部の側縁において胴部材を構成するフィルム材の端部が容器内に露出するので、胴部材を単層フィルム又は共押出法による多層フィルムで構成して、容器に充填した内容物に対して胴側側部接合部の側縁から接着剤が溶け出すことを防止するように構成することも好ましい。なお、胴側側部接合部4cは、胴部材4の周方向の任意の位置に形成することができる。
なお、この第1実施形態のパウチ容器1では、胴部材4の下端部を円形に形成したが、楕円形や扁平な円形や流線型、4角形や6角形などの多角形状に形成することもできる。また、胴部材4を下端部から上側へ行くにしたがって前後幅を狭くした扁平な断面形状に形成したが、胴部材の上端開口部を閉塞するフィルム材からなる上端閉塞部材を設けて、胴部材の下端部から上端部までを胴部材の下端部と同一断面形状の筒状に構成したり、胴部材の下端部から上部までを、胴部材の下端部と同一断面形状の筒状に構成し、胴部材の上端部のみを緩やかに縮径させるように構成したりすることもできる。更に、胴部材を円錐台状や角錐台状に構成したり、胴部材の途中部にクビレ部を形成したりして、パウチ容器を持ち易く構成したり、パウチ容器の自立安定性や機能性や意匠性を高めたりすることもできる。更にまた、胴部材を折り畳み易くするため、胴部材の周方向の途中部に上下方向に延びる複数の折目線を形成したり、ガセットを形成したりすることも可能である。また、1枚のフィルム材を筒状に丸めてその両端部を融着することで胴部材4を筒状に構成したが、2枚のフィルム材を重ね合わせてその側部を融着したり、3枚以上のフィルム材を接合したりしてなる胴部材を採用することもできる。更に、胴部材を構成するフィルム材として、インフレーション成形により成形した筒状のインフレーションフィルムを採用することも可能であり、この場合には胴側側部接合部4cのない胴部材を製作できる。
スパウト3は、図1、図2、図14に示すように、平面視において、中央部が最も幅広で、両端部側へ行くにしたがって幅狭に形成した、高さを有する舟形形状の本体部3aと、本体部3aに立設した筒状の口部3bと、口部3bに着脱自在に螺合した蓋体3cとを備えた舟形スパウトで構成されている。ただし、スパウトとしては、後述のように、パウチ容器の構成に応じて他の構成のものを採用することもできるし、省略することもできる。
次に、胴部材4の下端開口部を閉塞する下端閉塞構造8について説明する。
図3〜図5に示すように、胴部材4の下端部には、内側へ折り曲げることによって、内方へ突出する無端環状の鍔状の胴側下端接合部4aが設けられている。胴部材4の下端部内には胴部材4の下端部の内径と略同じ大きさの円形のフィルム材からなる内側部材6が設けられ、胴部材4の下端部には胴部材4の下端部の外径と略同じ大きさの円形のフィルム材からなる外側部材7が設けられ、内側部材6と外側部材7とで胴部材4の下端開口部を閉塞する下端閉塞部材5が構成されている。
内側部材6の外周部は胴側下端接合部4aの上側に重ね合わせて設けられ、外側部材7の外周部は胴側下端接合部4aの下側に重ね合わせて設けられ、内側部材6の外周部及び外側部材7の外周部は胴側下端接合部4aにヒートシールや超音波シールなどによりそれぞれ接合されるとともに、胴側下端接合部4aの内側において内側部材6の外周部と外側部材7の外周部とはヒートシールや超音波シールなどにより接合され、内側部材6には胴側下端接合部4aと外側部材7とにわたって延びる環状の内側融着部6aが形成され、外側部材7には胴側下端接合部4aと内側部材6とにわたって延びる環状の外側融着部7aが形成されている。このように内側融着部6aと外側融着部7aを設けることで、パウチ容器1の下端部を2重にシールすることが可能となり、内側融着部6aに万一融着不良が発生した場合でも、外側融着部7aによりシール性能を確保することができる。ただし、胴側下端接合部4aの内側における内側部材6と外側部材7とは、全面にわたって融着することもできるし、融着しないように構成することもできる。また、内側部材6と外側部材7との融着部分と、内側部材6と胴側下端接合部4aの融着部分及び/又は外側部材7と胴側下端接合部4aとの融着部分間に、融着されていない部分を設けることも可能である。
胴側下端接合部4aの幅W1は、小さすぎると外側部材7及び内側部材6に対する融着面積を十分に確保できず、大きすぎると胴側下端接合部4aの内周縁に大きなシワが形成され、シール不良が発生し易くなるので、胴側下端接合部4aの幅W1は、2mm〜20mmに設定することが好ましい。また、胴部材4と内側部材6及び外側部材7とを構成する軟質フィルムのシーラント層の厚さは、フィルム同士がシール不良なく確実に融着されるように、10μm〜200μmに設定することが好ましい。
外側融着部7a及び内側融着部6aの幅W2は、小さすぎると十分なシール性能を確保できず、また大きすぎると融着作業の作業時間が長くなるので、3mm〜20mmに設定することが好ましい。ただし、外側融着部7aと内側融着部6aの幅は、異なる幅に設定することも可能である。また、外側融着部7a及び内側融着部6aは、胴側下端接合部4aとの融着幅と、内側部材6又は外側部材7との融着幅とが異なる大きさになるように構成することも可能であるが、同じ大きさになるように、該融着部6a、7aの幅方向の中心を胴側下端接合部4aの内周縁に対応する位置に配置することが好ましい。更に、外側融着部7a及び内側融着部6aの幅方向の途中部に、全周にわたる環状の凹部や突部からなるシール部を1乃至複数本形成して、シール性を高めることも好ましい実施の形態である。
内側部材6のフィルム材の厚さは、外側部材7のフィルム材の厚さと同じに構成してもよいが、合成樹脂材料の使用量を極力少なくするため、外側部材7のフィルム材の厚さよりも薄肉に構成することが好ましい。ただし、この場合には、少なくとも外側部材7で胴部材4の下端開口部を閉塞できるように構成することになる。
なお、第1実施形態のパウチ容器1では、内側部材6及び外側部材7を円板状に形成したが、図6(a)に示す下端閉塞構造8Aのように、内側部材6に代えて、胴側下端接合部4aの内周縁を被覆可能な幅の環状のフィルム材からなる内側部材6Aを設け、胴側下端接合部4aの内周縁を覆うように、胴側下端接合部4aと外側部材7とにわたって内側部材6Aを融着したり、図6(b)に示す下端閉塞構造8Bのように、外側部材7に代えて、胴側下端接合部4aの内周縁を被覆可能な幅の環状のフィルム材からなる外側部材7Bを設け、胴側下端接合部4aの内周縁を覆うように、胴側下端接合部4aと内側部材6とにわたって外側部材7Bを融着したりすることも可能である。また、図7(a)に示す下端閉塞構造8Cのように、胴部材4の下端部に、胴側下端接合部4aに代えて、内側へ折り曲げた環状の内折部4Cbと、内折部4Cbの外周縁を外側へ折り返した環状の外折部4Ccとからなる胴側下端接合部4Caを形成し、内側部材6の外周部を内折部4Cbの上側に融着し、外側部材7の外周部を外折部4Ccの下側に融着し、胴側下端接合部4Caの内側において内側部材6の外周部と外側部材7の外周部とを融着することもできる。このような下端閉塞構造8Cを形成するには、先ず図10に示すような円筒状の胴部材4Aの下端部を外側へ折り返して、図7(b)に示すように、外折部4Ccを有する胴部材4を製作し、その後図7(c)に示すように、外折部4Ccとその内側に配置される内折部4Cbとを内側へ折り曲げることによって、外折部4Ccと内折部4Cbとからなる環状の胴側下端接合部4Caを形成した胴部材4を製作し、次にこの胴側下端接合部4Caに対して、内側部材6及び外側部材7の外周部を重ね合わせて融着し、図7(a)に示すような下端閉塞構造8Cを形成することになる。この下端閉塞構造8Cでは、内側部材6及び外側部材7は胴部材4の内面側の合成樹脂層に融着されることになるので、胴部材4を構成するフィルム材として、外面側のシーラント層を省略した2層構造のフィルム材を用いることが可能となる。
また、内側部材6及び外側部材7の外形は、胴部材4の下端部に適合する形状に形成することになり、胴部材4の下端部を楕円形や扁平な円形や流線型、4角形や6角形などの多角形状に形成する場合には、それに適合する形状に形成することになる。また、胴部材4を折り畳むときに、下端閉塞部材5が折畳み易くなるように、内側部材6や外側部材7に対して折畳用の折目線を形成することも好ましい。
このパウチ容器1では、外側部材7の下面の全体を設置面に設置させて、パウチ容器1を縦向きに自立できるので、パウチ容器1の自立安定性及び保形性を高めることができる。また、容器本体2の下端部には胴側下端接合部4aと外側部材7と内側部材6とが設けられ、パウチ容器1の底面が補強されているので、パウチ容器1の自立安定性及び保形性が一層高くなる。更に、胴部材4及び下端閉塞部材5がフィルム材で構成されるので、内容物の使用後は、胴部材4及び下端閉塞部材5を扁平に押し潰してパウチ容器1の減容化が可能となる。更に、胴側下端接合部4aに内側部材6及び外側部材7の外周部を融着してなる下端閉塞構造8は、胴部材4の本体部4dから外方へ突出しないので、内側部材6及び外側部材7の外周部や胴側下端接合部4aが胴部材4の本体部4dから外方へ突出することによる、パウチ容器1の意匠性の低下を防止できる。
次に、パウチ容器1の構成を部分的に変更した他の実施の形態について説明する。ただし、前記第1実施形態と同一部材には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
図8(a)に示すパウチ容器1Aのように、胴部材4の下端部を前述と同様の下端閉塞構造8で閉塞し、胴部材4の上端部を次のような構成の閉塞構造10で閉塞することができる。即ち、胴部材4の上端部に外方へ延びる環状の鍔部4eを形成し、外側部材7と同様の軟質フィルムからなる上端閉塞部材11を設け、上端閉塞部材11の外周接合部11aを鍔部4eの上面に融着して、胴部材4の上端開口を上端閉塞部材11で閉塞することができる。この場合には、スパウト3に代えて、円筒状の口部12aと、口部12aから外方へ突出する環状のフランジ部12bと、口部12aに取付けた蓋部材12cとを有するスパウト12を用い、上端閉塞部材11の中央部に形成した貫通孔11bに対して口部12aを下側から挿入して、フランジ部12bを上端閉塞部材11の下面に融着することで、スパウト12を取り付けることになる。
また、スパウト3を有さないパウチ容器に対しても本発明を適用できる。例えば、図8(b)に示すパウチ容器1Bのように、胴部材4の下端部を前述と同様の下端閉塞構造8で閉塞し、胴部材4の上端部に注出部15を一体的に形成して、胴部材4の上縁を重ね合わせて融着することで胴側上端接合部4Baを形成し、注出部15の先端部を切り取ることで、内容物を取り出せるように構成することも可能である。
更に、図9(a)(b)のパウチ容器1C、1Dのように、胴部材4の上端部を下端閉塞構造8と同様の構成の上端閉塞構造20で閉塞することができる。具体的には、図9(a)(b)に示す上端閉塞構造20のように、胴部材4の上端部に内側へ折り曲げることによって、内方へ突出する無端環状の鍔状の胴側上端接合部4fを形成し、胴部材4の上端開口部を液密状に閉塞する上端閉塞部材21を設け、上端閉塞部材21として、胴側上端接合部4fの内面側に融着した内側部材22と、胴側上端接合部4fの外面側に融着した外側部材23とを設け、内側部材22と外側部材23とを前記内側部材6と外側部材7と同様のフィルム材で構成し、内側部材22により胴側下端接合部4aの内周縁がパウチ容器1C内に露出しないように区画し、上端閉塞部材21の中央部に貫通孔21aを形成し、図8(a)のパウチ容器1Aと同様にして、貫通孔21aにスパウト12の口部12aを下側から挿通させて、スパウト12を上端閉塞部材21に取り付けることができる。また、パウチ容器1の下端開口部は、図9(a)のパウチ容器1Cのように、胴部材4の下端部に外方へ延びる環状の鍔部25を形成し、この環状の鍔部25の下面に外周部を融着させて、下端閉塞部材5と同様の軟質フィルムからなる下端閉塞部材26を設けたり、図9(b)のパウチ容器1Dのように、胴部材4の下端部の内側に軟質フィルム材からなる周知の構成の底部材27を融着することができる。
<パウチ容器の製造方法>
次に、パウチ容器1の製造方法の一例について説明する。
このパウチ容器1の製造方法は、フィルム材からなる円筒状の胴部材4Aを成形する胴部材成形工程と、胴部材4Aの下端部に内側部材6及び外側部材7からなる下端閉塞部材5を融着する下端閉塞工程と、胴部材4Aの上端部にスパウト3を取り付けるスパウト取付工程とを備えている。
(胴部材成形工程)
胴部材成形工程では、図10に示すように、フィルム材を円筒状に丸めて両端部を重ね合わせてヒートシールや超音波シールなどにより接合することで、円筒状の胴部材4Aを成形する。成形された胴部材4Aには、フィルム材の両端部を合掌貼り又は封筒貼りにより接合してなる胴側側部接合部4cが高さ方向の全長にわたって形成される。ただし、インフレーション成形により成形した筒状のインフレーションフィルムを、胴部材4Aを構成するフィルム材として採用することも可能である。また、2枚のフィルム材を重ね合わせてその側部を融着したり、3枚以上のフィルム材を接合したりしてなる筒状の胴部材を採用することもできる。更に、パウチ容器1の胴部材4を多角形状に形成する場合には、円筒状の胴部材4Aを多角形状に折曲させることになる。
(下端閉塞工程)
下端閉塞工程では、先ずセット工程において、図11に示すように、胴部材4Aをマンドレル30に外嵌状にセットするとともに、マンドレル30の上面に内側部材6をセットし、その後折込工程において胴部材4Aの筒状の胴側下端接合部4Aaを内側に折り込んで仮固定し、次に外側部材セット工程において、図12に示すように、折り込んだ胴側下端接合部4a上の適正位置に外側部材7をセットし、次に融着工程において、図13に示すように、内側部材6及び外側部材7の外周部を胴側下端接合部4aに融着するとともに、胴側下端接合部4aの内側において内側部材6と外側部材7とを融着して、内側融着部6aと外側融着部7aとを形成して、胴部材4の下端部に下端閉塞部材5を形成することになる。
以下、下端閉塞工程について具体的に説明するが、その前に下端閉塞工程で用いるマンドレル30について説明する。
図11〜図13に示すように、マンドレル30は、柱状の本体部材31と、本体部材31の上端部に設けたヘッド部材32とを備えている。ヘッド部材32の外周縁は本体部材31の外周縁よりも外側に配置され、ヘッド部材32は胴部材4Aの内面に略隙間なく内嵌されるように構成されている。ヘッド部材32は、製作するパウチ容器1の胴部材4Aの形状に適合する形状のものと交換できるように、本体部材31の上端部に着脱自在に取り付けられている。
ヘッド部材32の外周部には、上下1組の外周吸着孔33が周方向に間隔をあけて複数組形成されるとともに、ヘッド部材32の上端近傍部に斜め上側へ向けて開口するエア吹出孔34が周方向に間隔をあけて形成され、ヘッド部材32の上面には複数の上面吸着孔35が形成されている。本体部材31には、複数組の外周吸着孔33にそれぞれ連通する複数のエア吸引路36と、各エア吹出孔34に連通する複数のエア供給路37と、上面吸着孔35に連通する1本のエア吸引路38とが形成されている。
そして、セット工程では、図11(a)に示すように、胴側下端接合部4Aaが上側に配置されるように、マンドレル30に対して胴部材4Aを倒立状に外嵌状に装填して、胴部材4Aの本体部4dとそれに連なる胴側下端接合部4Aaとの境界部Lを、マンドレル30のヘッド部材32の上端外周縁の折曲用角部32aに位置させ、胴部材4Aのマンドレル30への挿入を補助すべく、エア吹出孔34からエアを吹き出しながら、胴部材4Aを挿入し、胴部材4Aをマンドレル30に装填する。次に、胴部材4Aの内側に内側部材6を装填してマンドレル30上に載置する。その後、エア吸引路36、38を負圧にして外周吸着孔33に胴部材4Aを吸着保持するとともに、上面吸着孔35に内側部材6を吸着保持して、胴部材4A及び内側部材6をマンドレル30に固定保持する。なお、胴部材4A及び内側部材6の吸着保持は、胴部材4Aに対して外側部材7が融着固定されて、マンドレル30から胴部材4Aを取り外すまで行われることになる。
折込工程では、図11(b)に示すように、胴部材4Aの境界部Lを挟んで、マンドレル30の折曲用角部32aに、折込部材40のテーパ面41を圧接させて、胴側下端接合部4Aaを内側へ折込んで、該折込み状態が維持されるように、図11(c)に示すように、折込部材40に融着ヘッド42を内嵌させて、融着ヘッド42とマンドレル30間に胴側下端接合部4a及び内側部材6を加熱挟持して、胴側下端接合部4aと内側部材6とを仮融着して、胴側下端接合部4aを折込み状態に仮固定した胴部材4Bを製作する。
折込部材40は、図11に示すように、リング状の部材からなり、下端内周面には下側へ行くにしたがって拡径するテーパ面41が形成されている。テーパ面41は、その幅方向の途中部がマンドレル30の折曲用角部32aと対面するように、折曲用角部32aと同じ形状に且つ連続的な環状に形成されている。水平面に対するテーパ面41の傾斜角度θは、大きすぎると胴側下端接合部4Aaの折り込み角度が浅くなり、小さすぎると胴側下端接合部4Aaの端部がテーパ面41により内周側へ円滑に案内されず、折込み不良が発生することがあるので、傾斜角度θは15°〜75°に設定することが好ましい。
融着ヘッド42は、図11(c)に示すように、折込部材40に略隙間無く内嵌可能に構成され、内側へ折込んだ胴側下端接合部4aの内周部に融着ヘッド42を圧接させることで、胴側下端接合部4aのシワ同士を融着させて、胴側下端接合部4aを内側へ折込んだ状態に癖付けするとともに、胴側下端接合部4aを内側部材6に融着して、胴側下端接合部4aを内側へ折込んだ状態に仮固定できるように構成されている。なお、この図11(c)に示す工程は、胴部材4Aを構成するフィルム材が腰の弱いフィルム材の場合には、図11(b)に示す工程において、折込部材40にて一定の仮固定を行うことができるため省くことができる。
外側部材セット工程では、図12に示すように、胴部材4Bに外嵌可能な筒状のガイド部材43であって、上部の内周面に上側へ行くにしたがって拡径する案内面43aを形成したガイド部材43を用い、このガイド部材43をマンドレル30にセットされた胴部材4Bの上部に外嵌した状態で、外側部材7を案内面43aで案内しながらガイド部材43内に装填して、外側部材7を胴部材4B上に位置決めセットし、この状態で、外側部材7を内側部材6又は胴側下端接合部4aに仮融着して、外側部材7を胴部材4Bの適正位置に位置決め固定する。ただし、内側部材6として、図6(a)に示すような環状の内側部材6Aを用いる場合には、外周部の上面吸着孔35で内側部材6Aを吸着保持し、胴側下端接合部4a上の適正位置に送給された外側部材7を中央部の上面吸着孔35で吸着保持することも可能である。
融着工程では、図13に示すように、胴側下端接合部4aと内側部材6及び外側部材7の外周部とを、マンドレル30の上端面と融着板45間に挟持して、胴側下端接合部4aに内側部材6及び外側部材7を融着するとともに、胴側下端接合部4aの内側において内側部材6の外周部と外側部材7の外周部とを融着して、胴部材4Cの下端部に下端閉塞部材5を融着してなる有底の容器本体2Aを得ることになる。なお、エア吸引路36、38は、融着を開始してから例えば1秒後に大気圧に戻して、胴部材4A、4B、4C及び下端閉塞部材5の吸着を終了することになる。ただし、融着を開始してから吸着を終了するまでの時間は任意に設定することが可能であり、融着の完了後に吸着を終了することも可能である。
こうして、融着が完了してから、各エア吹出孔34に加圧エアを供給して、マンドレル30に保持された容器本体2Aを抜き取って、次のスパウト取付工程へ移送することになる。
(スパウト取付工程)
スパウト取付工程では、図14に示すように、容器本体2Aの胴部材4Cの上端部の内側にスパウト3の本体部3aを配置した状態で、パウチ容器1の胴部材4の胴側上端接合部4bに適合する形状の1対の融着部46aを有する融着板46を用い、該融着部46aで胴部材4Cの上端部を挟持して、胴部材4Cの上端開口を閉塞する胴側上端接合部4bを形成するとともに、胴部材4Cの胴側上端接合部4bの左右方向の中央部にスパウト3の本体部3aを挟持して、スパウト3の本体部3aを胴部材4Cの上端部に融着し、胴部材4Cに対してスパウト3を取付けて、パウチ容器1を得ることになる。
この製造方法では、マンドレル30にセットした胴部材4Aの本体部4dと、本体部4dの下端部に連設される胴側下端接合部4Aaとの境界部Lを、マンドレル30の折曲用角部32aと折込部材40のテーパ面41間に挟持して、テーパ面41により胴側下端接合部4Aaを内側へ折込むので、容易に且つ綺麗に胴側下端接合部4Aaを内側へ折込むことができる。また、内側へ折込んだ胴側下端接合部4aの折込み状態が維持されるように、胴側下端接合部4aを仮固定するので、融着工程における、胴側下端接合部4aと外側部材7の外周部との融着作業を安定性良く効率的に行うことが可能となり、胴部材4Aの一端部に対する下端閉塞部材5の融着作業を容易に自動化することが可能となる。
なお、パウチ容器1として、楕円形状や多角形状の胴部材を有するパウチ容器を製作する場合には、マンドレル30のヘッド部材32と、折込部材40及びテーパ面41と、融着ヘッド42とは、胴部材の下端形状に適合した楕円形状や多角形状に形成したものを採用することで、前述と同様にパウチ容器を製作できる。
図8(a)に示すようなパウチ容器1Aを製作する場合には、前記スパウト取付工程に代えて、胴部材成形工程と下端閉塞工程とを経て製作した容器本体2Aの胴部材4Cの上端部を外側へ折り返す工程と、予めスパウト12を取付けた上端閉塞部材11の外周部を胴部材4の折り返し部分に融着する工程とを設けることになる。また、図8(b)に示すパウチ容器1Bを製作する場合には、前記スパウト取付工程に代えて、胴部材成形工程と下端閉塞工程とを経て製作した容器本体2Aの胴部材4Cの上端部を融着するとともに注出部を形成する工程を設けることになる。更に、図9(a)(b)に示すパウチ容器1C、1Dを製作する際には、前記胴部材成形工程及び下端閉塞工程と同様の手順で、下端閉塞部材5に代えて上端閉塞部材21を胴部材4に融着した容器本体2を製作し、この容器本体2の上端閉塞部材21の中央部に貫通孔21aを形成し、貫通孔21aに口部12aを下側から挿通させて、上端閉塞部材21にスパウト12を取り付け、その後、パウチ容器1Cを製作する場合には、胴部材4の下端部を外側へ折り返してから、折り返し部の下面に下端閉塞部材26を融着することになり、パウチ容器1Dを製作する場合には、胴部材4の下端部内に底部材27を装填して胴部材4の下端部に底部材27を融着することになる。
(第2実施形態)
次に、閉塞部材を1枚のフィルム材で構成したパウチ容器について説明する。
図15〜図18に示すように、パウチ容器51は、筒状の胴部材52と、胴部材52の下端開口を閉塞する下端閉塞部材53(これが外側部材に相当する。)とを有する軟質フィルムからなる容器本体54と、胴部材52の上端部に融着固定したスパウト55とから構成され、内容物の使用後は、胴部材52及び下端閉塞部材53を折り畳んだり手で潰したりして廃棄物を減容化できるように構成されている。
胴部材52を構成するフィルム材は、手で減容化が可能な、単層または複層構造の軟質フィルムで構成されている。例えば、フィルム材の両面に、ヒートシールや超音波シールなどにより相互に融着可能な、ポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性合成樹脂材料からなるシーラント層を設け、両シーラント層間に、例えばパウチ容器51に収容する内容物に応じて、ガスバリア性や遮光性などの機能を有する機能性材料からなる単又は複数の基材層を設けた、少なくとも3層構造のラミネートフィルムを好適に採用できる。
下端閉塞部材53を構成するフィルム材は、単層または複層構造の軟質フィルムで構成されている。例えば、フィルム材の一方の外面に、ヒートシールや超音波シールなどにより相互に融着可能な、ポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性合成樹脂材料からなるシーラント層を設け、他方の外面に、耐擦損性やガスバリア性や遮光性などの機能を有する機能性材料からなる単又は複数の基材層を設けた、少なくとも2層構造のラミネートフィルムを好適に採用できる。ただし、下端閉塞部材53を構成するフィルム材としては、胴部材52を構成するフィルム材と同様に、基材層として、ガスバリア性や遮光性などの機能を有する機能性材料からなる単又は複数の基材層を設け、該基材層の両面にシーラント層を形成したりしたものを用いることもできる。なお、胴部材52と下端閉塞部材53とを構成するフィルム材としては、手で減容化が可能で且つフィルム材同士或いはフィルム材とスパウト55との接合面側が、相互に融着可能に構成されたものであれば任意の構成のものを採用できる。また、胴部材52は前記第1実施形態の胴部材4と、また下端閉塞部材53は前記第1実施形態の外側部材7とそれぞれ同様の構成のフィルム材で構成することもできる。
胴部材52は、円筒状に成形したフィルム材からなる胴部材の上端部を扁平に押し潰してなる形状に形成したもので、下端部が略円形に形成され、下端部から上側へ行くにしたがって前後幅を狭くした扁平な横断面形状に形成され、上端部に前面側と後面側のフィルム材を融着してなる胴側上端接合部52aが形成され、胴側上端接合部52aの長さ方向(左右方向)の途中部において前面側と後面側のフィルム材間にスパウト55を融着保持したものである。胴部材52は、1枚のフィルム材を円筒状に丸めて両端部を重ね合わせてヒートシールや超音波シールなどにより接合することで筒状に成形され、胴部材52の後面の左右方向の中央部の外側にはフィルム材を接合してなる合掌貼りされた胴側側部接合部52bが高さ方向の全長にわたって形成されている。ただし、胴部材52を構成するフィルム材として、インフレーション成形により成形した筒状のインフレーションフィルムを採用することも可能であり、この場合には胴側側部接合部52bのない胴部材52を製作できる。また、胴側側部接合部52bは封筒貼りによる接合でもよい。胴側側部接合部52bを合掌貼りや封筒貼りにより形成する場合には、前記第1実施形態の胴側側部接合部4cを合掌貼りや封筒貼りにより形成する場合と同様の作用効果がそれぞれ得られる。また、胴側側部接合部52bは、胴部材52の周方向の任意の位置に形成することができる。
下端閉塞部材53は、胴部材52の下端部に適合する円形のフィルム材で構成されている。下端閉塞部材53を用いた胴部材52の下端閉塞構造56について説明すると、胴部材52の下端部には、内側へ折り曲げることによって、内方へ突出する無端環状の鍔状の胴側下端接合部52cが設けられている。下端閉塞部材53の外周部には外周接合部53aが形成され、下端閉塞部材53は、外周接合部53aを胴側下端接合部52cの下側に重ね合わせて、両接合部をヒートシールや超音波シールなどにより接合することで、胴部材52の下端開口部を液密状に閉塞するように、胴部材52の下端部に取付けられている。
容器本体54は、下端閉塞部材53の下面の全体を設置面に設置させて縦向きに自立できるように構成されている。また、容器本体54の下端部には胴側下端接合部52cと外周接合部53aとを融着してなる無端環状の厚肉の下端接合部54aが設けられ、下端接合部54aにより容器本体54の底面の外周部が補強されて、容器本体54の自立安定性が高められている。下端接合部54aは、胴側下端接合部52cと外周接合部53aとを1対の加熱型間に挟持して、両者のシーラント層を加熱融着することで形成されている。
胴部材52及び下端閉塞部材53を構成する軟質フィルムのシーラント層の厚さは、胴側下端接合部52cと外周接合部53aとの融着が、シール不良なく確実になされるように、10〜200μmに設定されている。また、下端接合部54aの幅は、1mm未満の場合には、下端接合部54aの接合強度を十分に確保できず、10mmを超えると、胴部材52の下端部を内側へ折り曲げて胴側下端接合部52cを形成するときの作業性が低下するので、1〜10mmに設定されている。
スパウト55は、図15、図16、図26に示すように、平面視において、中央部が最も幅広で、両端部側へ行くにしたがって幅狭に形成された、高さを有する舟形形状の本体部55aと、本体部55aに立設した筒状の口部55bと、口部55bに着脱自在に螺合した蓋体55cとを備えた舟形スパウトで構成されている。容器本体54に対してスパウト55を取付ける際には、図26に示すように、スパウト55の取付け前における容器本体54Aの胴部材52Bに下端閉塞部材53を取付けてから、胴部材52Bの上端部の内側にスパウト55の本体部55aを配置させ、胴部材52Bの上端部をヒートシールや超音波シールなどにより融着して胴側上端接合部52aを形成するときに、胴部材52Bの上端部を本体部55aに圧接させて融着し、容器本体54Aに液密状に取り付けることになる。スパウト55の素材としては、胴部材52Bに対して融着可能で且つスパウト55としての強度剛性を有する合成樹脂材料であれば、任意の熱可塑性合成樹脂材料を採用でき、例えば高密度ポリエチレン等の熱可塑性合成樹脂を採用できる。ただし、スパウト55に代えて、胴部材52Bの上端開口部に略隙間なく内嵌する筒状の側壁部、または下端部が胴部材52Bの上端開口部に略隙間なく嵌合し上側へ行くにしたがって縮径する側壁部を有する本体部と、本体部に立設状に設けた口部とを有するスパウトを用いてもよい。この場合には、胴部材52Bの上部に前記スパウトの本体部を内嵌して、胴部材52Bの上部と前記スパウトの側壁部とを融着することで、円柱状などの柱状のパウチ容器を製作できる。
胴部材52との融着前において本体部55aの外周面の高さ方向の途中部には1乃至複数の環状突部55d(図26参照)が形成され、本体部55aの外周面に対して胴部材52を融着するときに、この環状突部55dが溶融して胴部材52に融着することで、本体部55aの外周面と胴部材52間におけるシール性を良好に確保できるように構成されている。ただし、胴部材52の上端開口部にスパウト55の本体部55aを配置させた状態で、本体部55aに対して側方より胴部材52の上端部を圧接させて融着可能なものであれば、平面視が菱形や十文字形の本体部を有する、舟形スパウト以外のスパウトを採用することも可能である。
このパウチ容器51では、胴部材52及び下端閉塞部材53がフィルム材で構成されるので、内容物の使用後は、胴部材52及び下端閉塞部材53を扁平に押し潰してパウチ容器51の減容化が可能となる。また、胴部材52の下端部に内方へ突出する無端環状の胴側下端接合部52cを設け、この胴側下端接合部52cに下端閉塞部材53の外周部を融着して、胴部材52の一端開口を閉塞するように下端閉塞部材53を取り付けているので、胴部材52の下端部に下端閉塞部材53を設けたときには、下端閉塞部材53の全面を設置面に設置させて、容器本体54を安定性良く設置でき、パウチ容器51の自立安定性を向上できる。更に、胴側下端接合部52cに下端閉塞部材53の外周部を融着してなる下端接合部54aは、容器本体54から外方へ突出しないので、下端接合部54aによりパウチ容器51の意匠性が低下することを防止できる。
次に、前記パウチ容器51の構成を部分的に変更した他の実施形態について説明する。なお、前記パウチ容器51と同一部材には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
胴部材52の下端部は、円形に形成したが、楕円形や扁平な円形や流線型、4角形や6角形などの多角形状に形成することもできる。また、胴部材52を下端部から上側へ行くにしたがって前後幅を狭くした扁平な断面形状に形成したが、胴部材52の下端部から上端部までを胴部材52の下端部と同一断面形状の筒状に構成したり、胴部材52の下端部から上部までを、胴部材52の下端部と同一断面形状の筒状に構成し、胴部材52の上端部のみを緩やかに縮径させるように構成したりすることもできる。更に、胴部材52を円錐台状や角錐台状に構成したり、胴部材52の途中部にクビレ部を形成したりして、パウチ容器51を持ち易く構成したり、パウチ容器51の自立安定性や機能性や意匠性を高めたりすることもできる。更にまた、胴部材52を折り畳み易くするため、胴部材52の周方向の途中部に上下方向に延びる複数の折目線を形成したり、ガセットを形成したりすることも可能である。また、1枚のフィルム材を筒状に丸めてその両端部を融着することで胴部材52を筒状に構成したが、2枚のフィルム材を重ね合わせてその側部を融着したり、3枚以上のフィルム材を接合したりしてなる胴部材52を採用することもできる。
下端閉塞部材53は、胴部材52の下端部に適合する形状に形成することになり、胴部材52の下端部を楕円形や扁平な円形や流線型、4角形や6角形などの多角形状に形成する場合には、下端閉塞部材53はそれに適合する形状に形成することになる。また、胴部材52を折り畳むときに、下端閉塞部材53が折畳み易くなるように、下端閉塞部材53に対して折目線を形成することも好ましい。
また、下端閉塞部材53の下端閉塞構造56に関しては、図19(a)に示す下端閉塞構造56Aのように、下端接合部54aの幅方向の途中部に、下端接合部54aの全周にわたる環状の突部からなるシール部54bを1乃至複数本形成することもできる。また、図19(b)に示す下端閉塞構造56Bのように、胴側下端接合部52cよりも容器本体54の内部側に配置される軟質フィルムからなる下端閉塞部材53B(これが内側部材に相当する。)を設け、下端閉塞部材53Bの外周部の外周接合部53Baを胴側下端接合部52cの内面側に融着させて、下端閉塞部材53Bにより胴部材52の下端開口を液密状に閉塞することも可能である。なお、下端閉塞部材53Bとしては、胴部材52の下端部内に適合する大きさの円板状のものを採用することもできる。また、下端閉塞部材53Bとしては、下端閉塞部材53や胴側下端接合部52cのシーラント層との相溶性を有する、例えばポリエチレン(PE)などの単層フィルムで構成することもできる。また、この下端閉塞部材53Bは、前記第1実施形態における内側部材6と同様のフィルム材で構成することもできる。
更にまた、スパウト55としては舟形形状以外のスパウトを採用することも可能であるし、その取付構造も、スパウト55の形状などに応じた適宜の構成の取付構造を採用できる。例えば、図20(a)に示すパウチ容器51Aのように、胴部材52の下端部を前述と同様の下端閉塞構造56で閉塞し、胴部材52の上端部を次のような構成の閉塞構造60で閉塞することができる。即ち、胴部材52の上端部に外方へ延びる環状の鍔部52eを形成し、下端閉塞部材53と同様の軟質フィルムからなる上端閉塞部材61を設け、上端閉塞部材61の外周接合部61aを鍔部52eの上面に融着して、胴部材52の上端開口を上端閉塞部材61で閉塞することができる。そして、スパウトとして、円筒状の口部62aと、口部62aから外方へ突出する環状のフランジ部62bと、口部62aに取付けた蓋部材62cとを有するスパウト62を用い、上端閉塞部材61の中央部に形成した貫通孔61bに対して口部62aを下側から挿入して、フランジ部62bを上端閉塞部材61の下面に融着することで、スパウト62を取り付けることができる。
また、スパウト55を有さない容器に対しても本発明を適用できる。例えば、図20(b)に示すパウチ容器51Bのように、胴部材52の下端部を前述と同様の下端閉塞構造56で閉塞し、胴部材52の上端部に注出部65を一体的に形成して、胴部材52の上縁を重ね合わせて融着することで胴側上端接合部52Baを形成し、注出部65の先端部を切り取ることで、内容物を取り出せるように構成することも可能である。
更に、図21(a)、(b)のパウチ容器51C、51Dのように、胴部材52の上端部を下端閉塞構造56と同様の構成の上端閉塞構造70で閉塞することができる。具体的には、図21(a)、(b)に示す上端閉塞構造70のように、胴部材52の上端部に内側へ折り曲げることによって、内方へ突出する無端環状の鍔状の胴側上端接合部52fを形成し、下端閉塞部材53と同様の軟質フィルムからなる上端閉塞部材71を設け、胴側上端接合部52fの上側に上端閉塞部材71の外周接合部71aを重ね合わせて、両接合部52f、71aをヒートシールや超音波シールなどにより接合することで、胴部材52の上端開口部を液密状に閉塞し、図20(a)のパウチ容器51Aと同様にして、上端閉塞部材71の中央部に形成した貫通孔71bに下側からスパウト62の口部62aを挿通させて、スパウト62を取り付けることができる。また、パウチ容器51の下端開口部は、図21(a)のパウチ容器51Cのように、胴部材52の下端部に外方へ延びる環状の鍔部75を形成し、この環状の鍔部75の下面に外周部を融着させて、下端閉塞部材53と同様の軟質フィルムからなる下端閉塞部材76を設けたり、図21(b)のパウチ容器51Dのように、胴部材52の下端部の内側に周知の構成の底部材77を融着したりすることができる。
パウチ容器51は、前記第1実施形態のパウチ容器1の製造方法を次のように一部変更することで製作することができる。
即ち、下端閉塞部材53を備えた(外側部材のみ備えた)図17、図18に示すパウチ容器51を製作する場合には、前記第1実施形態と同様に、胴部材成形工程において、フィルム材からなる円筒状の胴部材4Aを成形することになるが、下端閉塞工程において、胴部材4Aの下端部に外側部材7のみを融着して下端閉塞部材53を成形し、その後、スパウト取付工程において、前記第1実施形態と同様に、胴部材4Aの上端部にスパウト55を取り付けることになる。
このため、下端閉塞工程では、先ずセット工程において、図11(a)に示すように、胴部材4Aをマンドレル30に外嵌状にセットするが、マンドレル30の上面に内側部材6をセットしないようにし、その後折込工程において、図11(b)に示すように、胴部材4Aの筒状の胴側下端接合部4Aaを内側に折り込んで仮固定し、次に外側部材セット工程において、図12に示すように、折り込んだ胴側下端接合部4a上の適正位置に外側部材7をセットし、次に融着工程において、図13に示すように、外側部材7の外周部を胴側下端接合部4aに融着して、胴部材4の下端部に下端閉塞部材53を形成することになる。
また、下端閉塞部材53Bを備えた(内側部材のみ備えた)図19(b)に示すパウチ容器51を製作する場合には、第1実施の形態と同様に、胴部材成形工程において、フィルム材からなる円筒状の胴部材4Aを成形することになるが、下端閉塞工程において、胴部材4Aの下端部に内側部材6のみを融着して下端閉塞部材53Bを成形し、その後、スパウト取付工程において、第1実施の形態と同様に、胴部材4Aの上端部にスパウト55を取り付けることになる。
このため、下端閉塞工程では、先ずセット工程において、図11(a)に示すように、胴部材4Aをマンドレル30に外嵌状にセットするとともに、マンドレル30の上面に内側部材6をセットし、その後折込工程において、図11(b)に示すように、胴部材4Aの筒状の胴側下端接合部4Aaを内側に折り込んで仮固定し、外側部材セット工程を省略して、次の融着工程において、図13に示すように、内側部材6の外周部を胴側下端接合部4aに融着して、胴部材4の下端部に下端閉塞部材53Bを形成することになる。
次に、図22、図23に示す下端閉塞構造を備えたパウチ容器51の他の製造方法について説明する。なお、このパウチ容器51は、胴側下端接合部52aの内周端部が容器本体54内において上側へ突出している以外は、図15、図16、図19に図示のパウチ容器51と同じ構成のものなので、同一部材には同一符号を付してその説明を省略する。
このパウチ容器51の製造方法は、胴部成形工程と下端閉塞工程とスパウト取付工程とを備えている。胴部成形工程では、1枚の胴部フィルムを用いて円筒状の胴部材52Aを製作し、下端閉塞工程では、胴部材52Aの下端に対して下端閉塞部材53を取付けて、下端閉塞部材53と胴部材52Aとからなる有底の筒状部材を製作し、スパウト取付工程では、容器本体54に対してスパウト55を取付けて、パウチ容器51を得ることになる。ただし、スパウト55を備えさせない場合には、スパウト取付工程は省略することになる。
<胴部成形工程>
胴部成形工程では、図24に示すように、1枚の胴部フィルムを円筒状に丸めて、両端部を重ね合わせ、重合部分をヒートシールや超音波シールなどにより接合して、胴側側部接合部52bを形成することで円筒状の胴部材52Aを製作する。
<下端閉塞工程>
下端閉塞工程は、図25に示すように、装填工程と折り返し工程と融着工程とトリミング工程とを備え、胴部材52Aが略隙間なく外嵌可能な筒状の取付用治具110を用い、該取付用治具110を搬送しながら、装填工程において、取付用治具110に胴部材52Aを外嵌状に装填し、折り返し工程において、胴部材52Aの下部52Acを内側へ折り返して胴側下端接合部52cを形成し、融着工程において胴部材52Bの胴側下端接合部52cに底部フィルム53Aを融着し、トリミング工程において、下端接合部54aの外側の底部フィルム53Aの不要部分をトリミングして、有底円筒状の容器本体54Aを得ることになる。以下、具体的に説明する。
先ず、装填工程では、図25(a)に示すように、円筒状の胴部材52Aを筒状の取付用治具110に外嵌状に装填する。取付用治具110の厚さは、下端接合部54aの幅と略同じ或いはそれよりもやや大きくなるように設定することになる。また、取付用治具110の高さは、取付用治具110に胴部材52Aを外嵌状に装填した状態で、下端接合部54aを構成する胴部材52Aの下部52Acが、取付用治具110から上方へ突出する高さに設定することになる。取付用治具110は、胴部材52Aの横断面形状に適合する横断面形状に形成することになる。
次に、折り返し工程では、図25(b)に示すように、取付用治具110から上側へ突出する胴部材52Aの下部52Acを、取付用治具110の上端縁を中心に内外が反転するように内側へ折り返して、取付用治具110の上側に折り返し部からなる無端環状の胴側下端接合部52cを形成した胴部材52Bを製作する。このように、胴部材52Aの下端部を折り返すことで、無端環状の胴側下端接合部52cを有する胴部材52Bを容易に且つ効率的に形成することができる。なお、胴部材52Aを複数枚の胴部フィルムで構成する場合には、下部52Acは、下側へ行くにしたがって縮径するように構成することが好ましく、このように構成すると、下部52Acの折り返し作業が容易になる。
次に、融着工程において、図25(c)に示すように、胴部材52Bの胴側下端接合部52cの上側に底部フィルム53Aを送給し、取付用治具110の上面よりもやや幅広の円環状の加熱部111aを有する加熱板111を用い、該加熱板111の加熱部111aと取付用治具110間に胴側下端接合部52cと底部フィルム53Aとを挟持し、底部フィルム53Aを胴側下端接合部52cに融着する。なお、底部フィルム53Aは、1枚ずつ胴側下端接合部122cの上側に供給することも可能であるが、長尺な帯状の底部フィルムを胴側下端接合部52cの上側へ順次供給することが好ましい。また、シール部54bは、取付用治具110及び加熱板111として、取付用治具110の上面に環状の嵌合溝又は嵌合突部を形成し、加熱板111の加熱面に、取付用治具110の嵌合溝又は嵌合突部に凹凸嵌合する嵌合突部又は嵌合溝を形成したものを用い、取付用治具110の上面と加熱板111間に胴側下端接合部52cと底部フィルム53Aとを加熱挟持することで形成することになる。
次に、トリミング工程では、図25(d)に示すように、トリミング刃112の刃部112aで、取付用治具110から外側へ突出する底部フィルム53Aの不要部分を切除し、下端部に胴部材52Bの胴側下端接合部52cと下端閉塞部材53の外周部の外周接合部53aとを融着してなる下端接合部54aを有する有底円筒状の容器本体54Aを得ることになる。
なお、前記融着工程において、底部フィルム53Aとして、下端閉塞部材53の形状に形成した底部フィルムを、1枚ずつ胴側下端接合部52cの上側に供給することも好ましい。この場合には、前記トリミング工程を省略できる。
<スパウト取付工程>
次に、スパウト取付工程では、図26に示すように、容器本体54Aの胴部材52Bの上端部の内側にスパウト55の本体部55aを配置した状態で、パウチ容器51の胴部材52Bの胴側上端接合部52aに適合する形状の1対の加熱部113aを有する加熱板113を用い、該加熱部113aで胴部材52Bの上端部を挟持して、胴部材52Bの上端開口を閉塞する胴側上端接合部52aを形成するとともに、胴部材52Bの胴側上端接合部52aの左右方向の中央部にスパウト55の本体部55aを挟持して、スパウト55の本体部55aを胴部材52Bの上端部に融着し、胴部材52Bに対してスパウト55を取付け、パウチ容器51を得ることになる。
このパウチ容器51の製造方法では、取付用治具110に胴部材52Aを外嵌状に装填し、取付用治具110から上方へ突出する胴部材52Aの筒状の下部52Acを、取付用治具110の上端縁を中心に内外が反転するように内側へ折り返して、取付用治具110の上側において胴部材52Aに無端環状の折り返し部からなる胴側下端接合部52cを形成するので、胴部材52の下端部に効率的に胴側下端接合部52cを形成することが可能となる。また、このような胴部材52Aの折り返し作業は比較的容易に自動化することができ、装填工程や融着工程やトリミング工程に関しても比較的容易に自動化できるので、下端閉塞工程全体を自動化することが可能となる。更に、胴部材52の胴側下端接合部52cの幅は、取付用治具110の上端面の幅に応じた大きさになるので、胴部材52の胴側下端接合部52cと下端閉塞部材53の外周部の外周接合部53aとを融着接合してなる下端接合部54aの幅を全周にわたって十分に確保でき、融着面積が部分的に少なくなることによる接合強度の低下や液密性の低下を防止できる。更にまた、下端接合部54aが容器本体54の内側に配置され、外部に突出しないので、パウチ容器51の意匠性を向上できる。
次に、前記パウチ容器の構成を部分的に変更したパウチ容器121と、その製造方法の他の実施形態について説明する。ただし、図22、図23に示すパウチ容器51と同一部材には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
図27、図28に示すように、このパウチ容器121は、図22、図23に示す前記パウチ容器51の胴部材52に代えて、胴側側部接合部52bを内側に配置した胴部材122を用い、パウチ容器51の下端閉塞部材53に代えて、外周部を内側へ折り返して外周接合部123aを形成した下端閉塞部材123を用い、下端接合部54aに代えて、外周接合部123aを胴側下端接合部52cの下面に接合して、容器本体124の下端外周部に容器本体124内へ突出する下端接合部124aを形成したものであり、その他の構成は、図22、図23に示す前記パウチ容器51と同様に構成されている。
このパウチ容器121においても、前記パウチ容器51と同様に、胴部材122及び下端閉塞部材123を扁平に押し潰してパウチ容器121の減容化が可能となること、下端閉塞部材123の全面を設置面に安定性良く設置できるとともに、下端接合部124aによりパウチ容器121を安定性良く設置できるので、容器本体124の胴部材122や下端閉塞部材123を構成するフィルム材として薄肉なものを採用しつつ、パウチ容器121の自立安定性を向上できること、下端接合部124aが容器本体124の内側に配置されるので、下端接合部124aによりパウチ容器121の意匠性が低下することを防止できることなどの作用効果が得られる。
次に、パウチ容器121の製造方法について説明する。
このパウチ容器121の製造方法は、胴部成形工程と下端閉塞工程と反転工程とスパウト取付工程とを備えている。胴部成形工程では、前記パウチ容器51の製造方法と同様に、1枚の胴部フィルムを用いて円筒状の胴部材52Aを製作する。下端閉塞工程では、図24、図25に示すように、胴部材52Aの下端に対して下端閉塞部材123を取付けて、下端閉塞部材123と胴部材122とからなる有底円筒状の筒状部材124Aを製作し、反転工程では、筒状部材124Aの内外を反転させて有底円筒状の容器本体124Bを製作し、スパウト取付工程では、前記パウチ容器51の製造方法と同様に、容器本体124Bに対してスパウト55を取付けて、パウチ容器121を得ることになる。ただし、スパウト55を備えさせない場合には、スパウト取付工程は省略することになる。
<胴部成形工程>
胴部成形工程では、前記パウチ容器51と同様に、図24に示すように、1枚の胴部フィルムを円筒状に丸めて、両端部を重ね合わせ、重合部分をヒートシールや超音波シールなどにより接合することで円筒状の胴部材52Aを製作する。
<下端閉塞工程>
下端閉塞工程は、図29に示すように、装填工程と折り返し工程と融着工程とトリミング工程とを備え、胴部材52Aに略隙間なく外嵌可能な筒状の取付用治具130を用い、該取付用治具130を搬送しながら、装填工程において、取付用治具130内に胴部材52Aを装填し、折り返し工程において、胴部材52Aの下部52Acを外側へ折り返して胴側下端接合部122cを形成し、融着工程において胴側下端接合部122cに底部フィルム123Aを融着し、トリミング工程において、下端接合部124aを残して胴部材52Aの下部52Acと底部フィルム123Aの不要部分をトリミングして、有底な筒状部材124Aを得ることになる。以下、具体的に説明する。
先ず、装填工程では、図29(a)に示すように、円筒状の胴部材52Aを筒状の取付用治具130内に装填する。取付用治具130の厚さは、下端接合部124aの幅と略同じ或いはそれよりもやや大きくなるように設定することになる。また、取付用治具130の高さは、取付用治具130内に胴部材52Aを装填した状態で、胴部材52Aの上端部が取付用治具130から上方へ突出する高さに設定することになる。取付用治具130としては、胴部材52Aの横断面形状に適合する横断面形状の筒状に形成したものを採用できる。
次に、折り返し工程では、図29(b)に示すように、取付用治具130から上側へ突出する胴部材52Aの下部52Acを、取付用治具130の上端縁を中心に内外が反転するように外側へ折り返して、取付用治具130の上側において胴部材52Aに無端環状の折り返し部からなる胴側下端接合部122cを形成した胴部材52Cを製作する。このように、胴部材52Aの下部52Acを折り返すことで、無端環状の胴側下端接合部122cを容易に且つ効率的に形成することができる。なお、下部52Acは下側へ行くにしたがって拡径するように構成することが好ましく、このように構成すると、下部52Acの折り返し作業が容易になる。
次に、融着工程において、図29(c)に示すように、胴部材52Cの胴側下端接合部122cの上側に底部フィルム123Aを送給し、取付用治具130の上面よりもやや幅広の円環状の加熱部131aを有する加熱板131を用い、該加熱板131の加熱部131aと取付用治具130間に胴側下端接合部122cと底部フィルム123Aとを挟持し、底部フィルム123Aを胴側下端接合部122cに融着する。なお、底部フィルム123Aは、1枚ずつ胴側下端接合部122cの上側に供給することも可能であるが、長尺な帯状の底部フィルム123Aを胴側下端接合部122cの上側へ順次供給することが好ましい。また、下端接合部124aに突部からなるシール部54bを形成する場合には、取付用治具130の上面に環状の嵌合溝又は嵌合突部を形成し、融着工程で用いる加熱板131の加熱面に、取付用治具130の嵌合溝又は嵌合突部に凹凸嵌合する嵌合突部又は嵌合溝を形成することになる。
次に、トリミング工程では、図29(d)に示すように、トリミング刃132の刃部132aを取付用治具130の上面に押し当てて、取付用治具130から外側へ突出する底部フィルム123A及び胴部材52Cの下端部を切除し、下端部に胴部材51Cの胴側下端接合部122cと下端閉塞部材123の外周部の外周接合部123aとを融着してなる下端接合部124aを有する筒状部材124Aを得ることになる。なお、底部フィルム123Aと胴部材52Cとの融着部分の一部が不要部分側に残るように構成することで、底部フィルム123Aの不要部分とともに胴部材52Cの不要部分をライン外へ排出できるので好ましい。
<反転工程>
次に、反転工程では、図30に示すように、例えば筒状部材124Aの内側に円筒状の反転治具を挿入し、筒状部材124Aお下端閉塞部材123の中央部を反転治具内に押し込んで、筒状部材124Aの内外を反転させ、容器本体124Bを得ることになる。なお、筒状部材124Aとして、下端側を上端側よりも横断面形状の小さい円錐状や角錐状に形成したものを用いると、筒状部材124Aの反転作業が円滑に行えるので好ましい。
<スパウト取付工程>
次に、スパウト取付工程では、図26に示す胴部材52Bと同様に、容器本体124Bの胴部材52Cの上端部の内側にスパウト55の本体部55aを配置した状態で、加熱部113aで胴部材52Cの上端部を挟持して、胴部材52Cの上端部の上端開口を閉塞する胴側上端接合部52aを形成するとともに、胴部材52Cの胴側上端接合部52aの左右方向の中央部にスパウト55の本体部55aを挟持して、スパウト55の本体部55aを胴部材52Cの上端部に融着し、胴部材52Cに対してスパウト55を取付けて、パウチ容器121を得ることになる。
このパウチ容器121の製造方法では、取付用治具130内に胴部材52Aを装填し、取付用治具110から上方へ突出する胴部材52Aの筒状の下部52Acを、取付用治具130の上端縁を中心に内外が反転するように外側へ折り返して、取付用治具130の上側において胴部材52Aに無端環状の折り返し部からなる胴側下端接合部122cを形成するので、胴部材52Aの下端部に効率的に胴側下端接合部122cを形成することが可能となる。また、このような胴部材52Aの折り返し作業は比較的容易に自動化することができ、装填工程や融着工程やトリミング工程に関しても比較的容易に自動化できるので、下端閉塞工程全体を自動化することが可能となる。更に、胴側下端接合部122cの幅は、取付用治具130の上端面の幅に応じた大きさになるので、パウチ容器121の胴部材122の胴側下端接合部122cと下端閉塞部材123の外周部とを融着接合してなる下端接合部124aの幅を全周にわたって十分に確保でき、融着面積が部分的に少なくなることによる接合強度の低下や液密性の低下を防止できる。更にまた、筒状部材124Aの内外を反転させるので、胴側側部接合部122b及び下端接合部124aが容器本体124の内側に配置され、外部に突出しないので、パウチ容器121の意匠性を向上できる。
次に、胴側端部接合部と閉塞部材間におけるシール性を改善するシール性改善構造、即ちパウチ容器1、1A、1Bにおける胴側下端接合部4aと下端閉塞部材5間や、胴側下端接合部4Caと下端閉塞部材5間や、パウチ容器1C、1Dにおける胴側上端接合部4fと上端閉塞部材21間や、パウチ容器51、51A、51Bにおける胴側下端接合部52cと下端閉塞部材53、53B間や、パウチ容器51C〜51Eの胴側上端接合部52fと上端閉塞部材71間などにおけるシール性改善構造について説明する。なお、以下に説明する実施の形態では、胴部材4、52を含む胴部材は一括して胴部材150で表し、胴側下端接合部4a、4Ca、52c及び胴側上端接合部4f、52fを含む胴部材の接合部は一括して胴側端部接合部151で表し、下端閉塞部材5、53、53B及び上端閉塞部材21、71を含む閉塞部材は一括して閉塞部材152で表すものとする。また、横断面楕円形の胴部材は胴部材150Aで表し、楕円環状の胴側端部接合部は端部接合部151Aで表し、楕円形の閉塞部材は閉塞部材152Aで表すものとする。
シール性改善構造としては、胴側端部接合部151に発生するシワによるフィルム材の重なり枚数を3枚以下、好ましくは2枚以下にコントロールすることによりシール性を向上する構造と、胴側端部接合部151と閉塞部材152とを部分的に強く融着することによりシール性を向上する構造と、両者を組み合わせた構造を採用できる。
シワによるフィルム材の重なり枚数をコントロールするシール性改善構造としては、胴部材150の一端部を内側へ折り曲げる前の胴側端部接合部151に対して、予め、貫通孔161からなるシワ取り部や、切込み162からなるシワ取り部や、切欠き163からなるシワ取り部や、これらのシワ取り部を任意に組み合わせて形成することになる。なお、胴部材151として、フィルム材を筒状に丸めて両端部を合掌貼り又は封筒貼りしてなる胴側側部接合部153を形成したものを用いる場合には、胴側端部接合部151における胴側側部接合部153は、シワのない状態においても2枚のフィルム材が重ね合された状態となり、他の部分よりもシワが形成され難く、また胴側側部接合部153に更にシワが形成されると3枚以上のフィルム材が重なることになって、シール性が低下するので、胴側端部接合部151における胴側側部接合部153にはシワが発生しないように、例えばシワ取り部を形成しないように構成することが好ましい。
(貫通孔からなるシワ取り部)
具体的には、図31(a)に示すように、胴側端部接合部151の幅方向の途中部に貫通孔161からなるシワ取り部を周方向に間隔をあけて複数形成することができる。このように貫通孔161を形成すると、胴部材150の一端部を折り曲げて胴側端部接合部151を形成するときに、貫通孔161が変形して、胴側端部接合部151に発生するシワの個数を少なくしたり、シワの大きさを小さくしたりでき、胴側端部接合部151と閉塞部材152間におけるシール性を向上できる。
なお、貫通孔161としては、丸孔や楕円孔や角孔など任意の形状の貫通孔を形成することができる。また、胴側端部接合部151の幅方向に対する貫通孔161の大きさは、大きすぎると閉塞部材152との融着面積が少なくなってシール性が低下し、小さすぎるとシワの発生を十分にコントロールできないので、胴側端部接合部151の幅の10〜50%に設定することが好ましい。更に、胴側端部接合部151の幅方向に対する貫通孔161の中心位置は、シワの発生し易い胴側端部接合部151の内周側部分におけるシワを効果的に防止するため、胴側端部接合部151の幅方向の中心位置よりも内周側に配置することが好ましく、胴側端部接合部151の内周縁から幅方向に胴側端部接合部151の全幅の5〜50%外側に配置することが好ましい。また、このように構成すると、胴側端部接合部151の外周側部分には貫通孔161が形成されないので、胴側端部接合部151の外周側部分と閉塞部材152とを、貫通孔161により途切れることなく確実に融着することができる。
また、貫通孔161は、周方向に一定間隔おきに形成することもできるし、異なる間隔をあけて形成することもできる。例えば、図31(b)に示すように、楕円環状の胴側端部接合部151Aにおいては、胴側端部接合部151Aにおける長径方向の両端部の曲率半径が、長径方向の途中部の曲率半径よりも小さくなり、胴部材150Aの一端部を折り曲げて胴側端部接合部151Aを形成した際に、長径の両端部に多数のシワが発生する。このため、楕円環状の胴側端部接合部151Aのように、曲率半径の異なる部分を有する胴側端部接合部においては、曲率半径の小さい部分に形成する貫通孔161の配設ピッチを、曲率半径の大きな部分に形成する貫通孔161の配設ピッチよりも小さく設定して、シワの個数を少なくするように構成することが好ましい。
(切込みからなるシワ取り部)
図32(a)に示すように、胴側端部接合部151の内周部に切込み162からなるシワ取り部を周方向に一定間隔おきに複数形成することができる。このように構成すると、胴側端部接合部151の内周部が切込み162により複数の接合片151aに分割され、胴部材150の一端部を折り曲げて胴側端部接合部151を形成するときに、隣接する接合片151aが重なり合うことで、胴側端部接合部151におけるシワの発生を防止でき、胴側端部接合部151と閉塞部材152とのシール性を向上できるとともに、胴側端部接合部151が外部に露出する場合においても、シワによる外観低下を防止できる。
また、図31(b)に示すように、楕円環状の胴側端部接合部151Aにおいては、前記貫通孔161からなるシワ取り部と同様に、曲率半径の小さい部分に形成する切込み162の配設ピッチを、曲率半径の大きな部分に形成する切込み162の配設ピッチよりも小さく設定して、シワの個数を少なくするように構成することが好ましい。
切込み162の長さは、短すぎると十分にシワを除去できず、長すぎるとシール性が低下するので、胴側端部接合部151Aの幅の10〜70%に設定することが好ましい。また、このように構成すると、胴側端部接合部151の外周側部分には切込み162が形成されないので、胴側端部接合部151の外周側部分と閉塞部材152とを、切込み162により途切れることなく確実に融着することができる。
切込み162は、胴側端部接合部151の内周縁の接線方向と直交する方向に形成することもできるが、図33(a)(b)に示すように、胴側端部接合部151の内周縁の接線方向と直交する方向に対して一方向に角度θ1を付けて形成することも好ましい。このように構成すると、隣接する接合片151aの重ねり枚数が極力少なくなるようにコントロールして、胴側端部接合部151におけるシワの発生を防止でき、胴側端部接合部151と閉塞部材152とのシール性を向上できるとともに、胴側端部接合部151が外部に露出する場合においても、シワによるパウチ容器の外観低下を防止でき、しかも一方向への規則的な切込み162により、パウチ容器の意匠性を向上できる。また、切込み162の基端部(外周側端部)に小穴を形成して、切込み162の基端部に応力集中が発生することを防止するように構成することもできる。なお、角度θ1は、大きすぎるとフィルムの重なり枚数が多くなるので、0°〜70°に設定することが好ましい。
(切欠きからなるシワ取り部)
図34(a)に示すように、胴側端部接合部151の内周部にV字状の切欠き163からなるシワ取り部を周方向に一定間隔おきに複数形成することができる。このように構成すると、胴側端部接合部151の内周部が切欠き163により複数の接合片151bに分割され、胴部材150の一端部を内側へ折り曲げて胴側端部接合部151を形成したときに、切欠き163が狭くなる方向へ隣接する接合片151bが接近することで、胴側端部接合部151におけるシワの発生が防止され、胴側端部接合部151と閉塞部材152間におけるシール性を向上できるとともに、胴側端部接合部151が外部に露出する場合においても、シワによるパウチ容器の外観低下を防止できる。なお、隣接する切欠き163を連続的に形成したが、間隔をあけて形成することも可能である。
また、図31(b)に示すように、楕円環状の胴側端部接合部151Aにおいては、前記貫通孔161からなるシワ取り部と同様に、曲率半径の小さい部分に形成する切欠き163の配設ピッチを、曲率半径の大きな部分に形成する切欠き163の配設ピッチよりも小さく設定して、シワの個数を少なくするように構成することが好ましい。また、曲率半径の小さい部分に形成する切欠き163における、胴側端部接合部151Aの内周縁側の切欠幅を、曲率半径の大きな部分に形成する切欠き163の切欠幅よりも大きく設定して、シワの個数を少なくするように構成することも可能である。
切欠き163としては、V字状やU字状や方形状や等脚台形状の切欠きなどを形成することができる。切欠き163の深さは、浅すぎると十分にシワを除去できず、深すぎるとシール性が低下するので、胴側端部接合部151Aの幅の10〜70%に設定することが好ましい。また、このように構成すると、胴側端部接合部151の外周側部分には切欠き163が形成されないので、胴側端部接合部151の外周側部分と閉塞部材152とを、切欠き163により途切れることなく確実に融着することができる。また、切欠き163の基端部(外周側端部)に小穴を形成して、切欠き163の基端部に応力集中が発生することを防止するように構成することもできる。
なお、図35(a)に示すように、胴側端部接合部151に対して切欠き163と切込み162とを形成したり、図35(b)に示すように、切込み162と貫通孔161とを形成したりするなど、貫通孔161と切欠き163と切込み162とは任意に組み合わせて形成することができる。特に、貫通孔161と切込み162と切欠き163とでは、切込み162及び切欠き163が貫通孔161よりもシワの低減作用が優れているので、シワの発生し易い曲率半径の小さい部分には切込み162又は切欠き163を形成することが好ましい。
また、図36に示すように、横断面楕円形の胴部材150Aと楕円形の閉塞部材152Aを用いる場合には、胴側端部接合部151Aと閉塞部材152Aとの楕円環状の融着部分における、楕円の長径の両端側部分に、胴側端部接合部151Aとは反対側の胴部材150Aの他端部側へ斜めに傾斜する傾斜部164を形成することも好ましい実施の形態である。この場合には、シワの発生し易い楕円の長径の両端側部分における胴側端部接合部151Aの内側への折り曲げを、傾斜部164の両端部において段階的に行うことで、シワの発生を抑制し、シール性を向上できる。なお、この傾斜部164によるシワ取り構造は、貫通孔161や切込み162や切欠き163によるシワ取り部とは併用しないで設けることも可能であるが、併用して設けることが好ましい。
前記実施の形態では、胴側端部接合部151、151Aに発生するシワを少なくしたり小さくしたりして、シール性を向上するように構成したが、胴側端部接合部151、151Aと閉塞部材152、152Aとを部分的に強く融着することによりシール性を向上するシール性改善構造を設けることもできる。なお、このシール性改善構造は、シワ取り部やシワ取り構造を備えた前記シール性改善構造と併用することも可能である。以下、円環状の胴側端部接合部151に円板状の閉塞部材152の外周部を融着する場合について説明するが、楕円環状の胴側端部接合部151Aに楕円状の閉塞部材152Aの外周部を融着する場合においても同様に構成できる。
具体的には、図37に示すように、胴側端部接合部151と閉塞部材152の外周部との融着部分の内周側部分の融着部165を外周側部分の融着部166よりも高温高圧で融着することになる。この場合には、胴側端部接合部151と閉塞部材152とを加熱融着するときに、例えば図37(b)に示すように、加熱板として、内外1対のリング状の加熱板168A、168Bからなるものを用い、マンドレル167に胴部材150を外嵌させて胴部材150の一端部を内側へ折り曲げ、マンドレル167の上面に胴側端部接合部151と閉塞部材152とを配置させた状態で、内周側の加熱板168Aを外周側の加熱板168Bよりも高温高圧でマンドレル167側へ押圧して、加熱板168A、168Bとマンドレル167間に胴側端部接合部151と閉塞部材152の外周部を挟持して両者を融着することができる。胴側端部接合部151と閉塞部材152とは、高温高圧で融着すると、シール性は高くなるが、これらを構成するフィルム材がどうしても熱で劣化し易くなるので、このように大きなシワが形成される胴側端部接合部151の内周側部分を外周側部分よりも高温高圧で閉塞部材152に融着することで、融着時におけるフィルム材の熱劣化を極力防止しつつ、シール性を十分に確保できる。
また、胴側端部接合部151と閉塞部材152とを部分的に強く融着することによりシール性を向上するシール性改善構造の他の構造として、図19(a)に示すように、胴側端部接合部151と閉塞部材152の外周部との融着部分の幅方向の途中部に1乃至複数の突部からなる環状のシール部54bを形成したり、図37に示すように、胴側端部接合部151と閉塞部材152の外周部との融着部分に突部からなる格子状のシール部169を形成したりすることも好ましい実施の形態である。この場合には、図38(b)に示すように、胴側端部接合部151と閉塞部材152とを加熱融着する加熱板170の下面とそれに対面するマンドレル171の上面に、シール部54bやシール部169に対応させて凹凸嵌合する突部172と溝部173を形成することになる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲においてその構成を変更し得ることは勿論である。
1:パウチ容器
2:容器本体
3:スパウト
3a:本体部
3b:口部
3c:蓋体
4:胴部材
4a:胴側下端接合部
4b:胴側上端接合部
4c:胴側側部接合部
4d:本体部
5:下端閉塞部材
6:内側部材
6a:内側融着部
7:外側部材
7a:外側融着部
8:下端閉塞構造

8A:下端閉塞構造
6A:内側部材
8B:下端閉塞構造
7B:外側部材
8C:下端閉塞構造
4Ca:胴側下端接合部
4Cb:内折部
4Cc:外折部

1A:パウチ容器
4e:鍔部
10:閉塞構造
11:上端閉塞部材
11a:外周接合部
11b:貫通孔
12:スパウト
12a:口部
12b:フランジ部
12c:蓋部材

1B:パウチ容器
4Ba:胴側上端接合部
15:注出部

1C:パウチ容器
4f:胴側上端接合部
20:上端閉塞構造
21:上端閉塞部材
21a:貫通孔
22:内側部材
23:外側部材
25:鍔部
26:下端閉塞部材

1D:パウチ容器
27:底部材

4A:胴部材
4Aa:胴側下端接合部
4B:胴部材
30:マンドレル
31:本体部材
32:ヘッド部材
32a:折曲用角部
33:外周吸着孔
34:エア吹出孔
35:上面吸着孔
36:エア吸引路
37:エア供給路
38:エア吸引路
40:折込部材
41:テーパ面
42:融着ヘッド
43:ガイド部材
43a:案内面
45:融着板

2A:容器本体
4C:胴部材
46:融着板
46a:融着部

51:パウチ容器
52:胴部材
52a:胴側上端接合部
52b:胴側側部接合部
52c:胴側下端接合部
52d:本体部
52e:鍔部
52f:胴側上端接合部
53:下端閉塞部材
53a:外周接合部
54:容器本体
54a:下端接合部
54b:シール部
55:スパウト
55a:本体部
55b:口部
55c:蓋体
55d:環状突部

56:下端閉塞構造
56A:下端閉塞構造
53B:下端閉塞部材
53Ba:外周接合部
56B:下端閉塞構造

51A:パウチ容器
60:閉塞構造
61:上端閉塞部材
61a:外周接合部
61b:貫通孔
62:スパウト
62a:口部
62b:フランジ部
62c:蓋部材

51B:パウチ容器
52Ba:胴側上端接合部
65:注出部

51C:パウチ容器
70:上端閉塞構造
71:上端閉塞部材
71a:外周接合部
71b:貫通孔
75:鍔部
76:下端閉塞部材

51D:パウチ容器
77:底部材

52A:胴部材
52Ac:下部
52B:胴部材
53A:底部フィルム
54A:容器本体
110:取付用治具
111:加熱板
111a:加熱部
112:トリミング刃
112a:刃部
113:加熱板
113a:加熱部

121:パウチ容器
122:胴部材
122b:胴側側部接合部
122c:胴側下端接合部
123:下端閉塞部材
123a:外周接合部
124:容器本体
124a:下端接合部

52C:胴部材
123A:底部フィルム
124A:筒状部材
124B:容器本体
130:取付用治具
131:加熱板
131a:加熱部
132:トリミング刃

150:胴部材
151:胴側端部接合部
152:閉塞部材
153:胴側側部接合部
151a:接合片
151b:接合片
150A:胴部材
151A:胴側端部接合部
152A:閉塞部材

161:貫通孔
162:切込み
163:切欠き
164:傾斜部
165:融着部
166:融着部
167:マンドレル
168A:加熱板
168B:加熱板
169:シール部
170:加熱板
171:マンドレル
172:突部
173:溝部
L:境界部
W1:幅
W2:幅
θ:傾斜角度
θ1:角度




Claims (22)

  1. フィルム材からなる胴部材と、前記胴部材の一端開口部を液密状に閉塞するフィルム材からなる閉塞部材とを備えた自立可能なパウチ容器であって、
    前記胴部材の一端部に内側へ折り曲げてなる環状の胴側端部接合部を形成し、
    前記閉塞部材として、前記胴側端部接合部の容器外面側に融着した外側部材を設けた、
    ことを特徴とするパウチ容器。
  2. 前記胴部材が接着剤によるラミネート法、又は共押出法による多層フィルムからなる請求項1記載のパウチ容器。
  3. 前記外側部材が接着剤によるラミネート法、又は共押出法による多層フィルムからなる請求項1又は2記載のパウチ容器。
  4. 前記閉塞部材が、前記外側部材と、前記胴側端部接合部の容器内面側に融着した内側部材とを備え、前記内側部材が単層フィルム又は共押出法による多層フィルムからなり、前記内側部材により胴側端部接合部の内周縁を容器内に露出しないように区画した請求項1〜3のいずれか1項記載のパウチ容器。
  5. 前記内側部材のフィルム材の厚さを、前記外側部材のフィルム材の厚さよりも薄く設定し、前記外側部材で胴部材の一端開口部を閉塞した請求項4記載のパウチ容器。
  6. 前記外側部材と内側部材の一方が、前記胴部材の一端開口部を閉塞可能なフィルム材からなり、前記外側部材と内側部材の他方が、前記胴側端部接合部と、前記外側部材と内側部材の一方とに融着した環状のフィルム材からなる請求項4又は5記載のパウチ容器。
  7. 前記胴側端部接合部は、前記胴部材の一端部を外側へ折り返した後、該折り返しにより内外が反転した部分と、その内側に配置される部分とを内側へ折り曲げることによって環状に形成してなる請求項4〜6のいずれか1項記載のパウチ容器。
  8. 前記胴部材は、それを構成するフィルム材を筒状に丸めてその両端を合掌貼りしてなる胴側側部接合部を備えた請求項1〜7のいずれか1項記載のパウチ容器。
  9. 前記胴部材として、それを構成するフィルム材を丸めて両端を封筒貼りしてなる胴側側部接合部を備えた請求項1〜7のいずれか1項記載のパウチ容器。
  10. 前記胴部材を構成するフィルム材が、両面に設けたシーラント層と、両シーラント層間に設けた1乃至複数の基材層とを有する複層構造のフィルム材からなり、前記閉塞部材を構成するフィルム材が、少なくとも一方の外側面に設けたシーラント層と、該シーラント層に積層状に設けた基材層とを有する複層構造のフィルム材からなる請求項1〜9のいずれか1項記載のパウチ容器。
  11. 前記胴部材と閉塞部材との融着面側におけるシーラント層の厚さを10〜200μmに設定した請求項10記載のパウチ容器。
  12. 前記胴部材の内面間に本体部を融着保持したスパウトを設けた請求項1〜11のいずれか1項記載のパウチ容器。
  13. 前記胴側端部接合部と閉塞部材間におけるシール性を改善するシール性改善構造を設けた請求項1〜12のいずれか1項記載のパウチ容器。
  14. フィルム材からなる胴部材と、前記胴部材の一端開口部を液密状に閉塞するフィルム材からなる閉塞部材とを備えた自立可能なパウチ容器であって、
    前記胴部材の一端部に内側へ折り曲げてなる環状の胴側端部接合部を形成し、
    前記閉塞部材として、前記胴側端部接合部の容器外面側に融着される外側部材及び/又は前記胴側端部接合部の容器内面側に融着される内側部材を備え、
    前記胴側端部接合部と閉塞部材間におけるシール性を改善するシール性改善構造を設けた、
    ことを特徴とするパウチ容器。
  15. 前記シール性改善構造として、前記胴側端部接合部と閉塞部材との融着部分に環状の突部からなるシール部を形成した請求項13又は14記載のパウチ容器。
  16. 前記シール性改善構造として、前記胴側端部接合部と閉塞部材との融着部分に格子状にシール部を形成した請求項13〜15のいずれか1項記載のパウチ容器。
  17. 前記シール性改善構造として、前記胴側端部接合部の幅方向の途中部に貫通孔からなる複数のシワ取り部を周方向に間隔をあけて形成した請求項13〜16のいずれか1項記載のパウチ容器。
  18. 前記貫通孔からなるシワ取り部の中心を、前記胴側端部接合部の幅方向の中央部よりも内周側に配置した請求項17記載のパウチ容器。
  19. 前記シール性改善構造として、前記胴側端部接合部の幅方向の途中部から内周縁にわたって延びる切込みからなる複数のシワ取り部を周方向に間隔をあけて形成した請求項13〜18のいずれか1項記載のパウチ容器。
  20. 前記胴側端部接合部が曲率半径の異なる複数の円弧の組み合わせから環状に形成され、曲率半径の小さい部分におけるシワ取り部の配設ピッチを曲率半径の大きい部分におけるシワ取り部の配設ピッチよりも小さく設定した請求項17〜19のいずれか1項記載のパウチ容器。
  21. 前記シール性改善構造として、前記胴側端部接合部と閉塞部材との融着部分の内周側部分の融着部を外周側部分の融着部よりも高温高圧で融着してなる融着部で構成した請求項13〜20のいずれか1項記載のパウチ容器。
  22. フィルム材からなる胴部材を成形する胴部材成形工程と、胴部材の一端部を内側へ折り返して胴側端部接合部を形成し、フィルム材からなる閉塞部材の外周部を胴側端部接合部に融着して、前記胴部材の一端開口を液密状に閉塞するように、前記胴部材の一端部に閉塞部材を取り付ける端部閉塞工程とを備えたことを特徴とするパウチ容器の製造方法。
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