JP2015196513A - パウチ容器、及びパウチ容器の製造方法 - Google Patents

パウチ容器、及びパウチ容器の製造方法 Download PDF

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慎一郎 小椋
Shinichiro Ogura
慎一郎 小椋
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Abstract

【課題】自立安定性を向上させることができるパウチ容器、及びこのパウチ容器の製造方法を提供する。
【解決手段】帯状の第1のフィルム材からなる筒状の胴部材4を備えた自立可能なパウチ容器1であって、胴部材4の一端部が折り曲げられた環状の胴側端部接合部9と、第2のフィルム材からなり、胴側端部接合部9に融着されて胴部材4の一端開口部を液密状に閉塞する閉塞部材5と、胴部材4の他端部が扁平に押し潰されたシール部4bとを備え、パウチ容器1の閉塞部材5が略平坦になるように、胴側端部接合部9の折り曲げ幅Wa,Wbが設定されているパウチ容器である。
【選択図】図1

Description

本発明は、軟質フィルムを用いて構成されるパウチ容器、及びこのパウチ容器の製造方法に関する。
一般に、シャンプやリンス、ハンドソープなどの液状物を収納する詰め替え用の容器や、ゼリーなどのようなゲル状の飲食物を収納する容器として、軟質フィルムからなる袋状の折畳可能なパウチ容器が広く実用化されている(例えば、特許文献1参照。)。
前記パウチ容器としては、内容物を充填した状態で、自立可能なものも実用化されているが、容器本体が軟質フィルムで構成されていることから、基本的には、内容物の減少に伴って容器本体が扁平な形状に変形し、自立安定性が低下するとともに外観が低下するという問題があった。特に、特許文献1記載のパウチ容器のように、筒状に形成したフィルム材からなる胴部材と、前記胴部材の下端開口部を閉塞するフィルム材からなる底板とを備え、底板の外周部から下側へ延びる接合部を胴部材の下端内面に融着した場合には、パウチ容器を設置した状態で、底板が設置面から浮いた状態となるので、内容物の自重により底板の中央部が下方へ突出状に変形して、胴部材が全体的に内側に変形しようとし、自立安定性が低下したり、外観が低下したりするという問題がある。
そこで、合成樹脂フィルムによって形成された円筒状の胴部材と、複数の合成樹脂層が積層された複層構造の合成樹脂フィルムによって形成された円盤状の底板とを有し、前記胴部材の下端部に前記底板を嵌め込んだ状態で、前記胴部材の下端部を内側に折り曲げて、前記底板の下面に折り曲げられた胴部材の下端部上面をヒートシールしたボトム付きのパウチ容器が提案されている(例えば特許文献2参照。)。
特許文献2記載のパウチ容器によれば、特許文献2の図1に記載されているように、内側に折り曲げられた円環状のヒートシール部分がパウチ容器の底部周縁部となり、かつヒートシール部分の円環内部が底板となる。このようなパウチ容器に液状物を収納して設置面に自立させると、内容物の重量により円環状のヒートシール部分と底板部分とが押し広げられて設置面に接触するので、設置面積が増大してパウチ容器の自立安定性が高くなる。
国際公開第2008/096392号公報 特開2002−19792号公報
ところで、特許文献2記載のパウチ容器は、特許文献2の段落0014に記載されているように、1枚の合成樹脂フィルムの端縁同士を相互に突き合わせ、その突き合せ部分に内面側からシーラントテープを貼り付けるといった方法、あるいはシームレスのチューブを使用することによって円筒状の胴部材を形成し、このようにして得られた円筒状の胴部材を、特許文献2の段落0013に記載されているように、二つ折りにして(押し潰して)その上縁を相互にヒートシールすることで上端側開口部を閉塞して形成される(特許文献2の図1)。
図21は、このようにして形成されたパウチ容器について説明するための説明図である。図21(a)は、左右方向に延びるヒートシール部303に対して直交する方向から見た正面図である。図21(b)は、図21(a)に示すパウチ容器を側面から見た側面図である。
図21に示す胴部材301は、上述したように1枚の合成樹脂フィルムの端縁同士を相互に突き合わせたり、シームレスのチューブを使用したりして形成された円筒状の部材であるから、胴部材301の両端間の長さは、胴部材301の外周におけるどの位置でも一定である。このような胴部材301の上縁を、特許文献2の段落0013に記載されているように押し潰して相互にヒートシールすることでヒートシール部303を形成すると、上縁のヒートシール部303の両端では、底面302とヒートシール部303の端部とを結ぶ辺304aは、図21(a)から明らかなように、下から上へ向かってわずかに外側に拡がるものの略垂直に近い角度で底面302とヒートシール部303の端部とを結ぶ。
一方、ヒートシール部303の中央では、底面302とヒートシール部303の端部とを結ぶ辺304bは、図21(b)から明らかなように、下から上へ向かって、底面302の半径に相当する長さ分、大きく傾くことになる。しかしながら、上述したように、胴部材301は、元々筒状の部材であり、辺304a,304bはいずれも筒の長さと等しいのであるから、辺304aの長さLaと辺304bの長さLbとは等しい。そのため、等しい長さの辺304a,304bに取り付けられた底面302は、傾きの大きい辺304bとの接続部分において、傾きの小さい辺304aとの接続部分に対して、図21(a),(b)に示す高さdだけ、設置面から浮き上がるようにわずかに変形することになる。そのため、このような構造のパウチ容器は、自立安定性が低下する。
本発明の目的は、自立安定性を向上させることができるパウチ容器、及びこのパウチ容器の製造方法を提供することである。
本発明に係るパウチ容器は、帯状の第1のフィルム材からなる筒状の胴部材を備えた自立可能なパウチ容器であって、前記胴部材の一端部が折り曲げられた環状の胴側端部接合部と、第2のフィルム材からなり、前記胴側端部接合部に融着されて前記胴部材の一端開口部を液密状に閉塞する閉塞部材と、前記胴部材の他端部が扁平に押し潰されたシール部とを備え、前記閉塞部材が略平坦になるように、前記胴側端部接合部、前記シール部、前記閉塞部材、及び前記胴部材のうち少なくとも一つが形成されている。
この構成によれば、底面となる閉塞部材が略平坦になるように、前記胴側端部接合部、前記シール部、前記閉塞部材、及び前記胴部材のうち少なくとも一つが形成されているので、パウチ容器の自立安定性を向上させることができる。
また、前記胴側端部接合部は、前記胴部材の一端部における周縁上の第1位置、及び前記周縁上において前記第1位置と反対側に位置する第2位置における前記一端部の折り曲げ位置が、前記周縁上において前記第1位置と前記第2位置との間の中央位置における前記一端部の折り曲げ位置よりも前記他端部側に位置し、前記シール部は、前記他端部において前記一端部の前記第1位置と対向する第3位置と、前記他端部において前記一端部の前記第2位置と対向する第4位置とが当該シール部の両端に位置するように形成されていることが好ましい。
この構成によれば、胴側端部接合部の、第1位置及び第2位置における胴部材の一端部の折り曲げ位置が、第1位置と第2位置との間の中央位置における前記一端部の折り曲げ幅よりも、シール部のある他端部側に位置するので、折り曲げられずに残った胴部材の側辺の長さが、第1位置及び第2位置よりも中央位置において長くなる結果、パウチ容器の底面を略平坦にすることが可能となる。
また、前記胴側端部接合部は、前記胴部材の一端部における周縁上の第1位置、及び前記周縁上において前記第1位置と反対側に位置する第2位置における前記一端部の折り曲げ幅が、前記周縁上において前記第1位置と前記第2位置との間の中央位置における前記一端部の折り曲げ幅より大きく、前記シール部は、前記他端部において前記一端部の前記第1位置と対向する第3位置と、前記他端部において前記一端部の前記第2位置と対向する第4位置とが当該シール部の両端に位置するように形成されていることが好ましい。
この構成によれば、胴側端部接合部の、第1位置及び第2位置における胴部材の一端部の折り曲げ幅が、第1位置と第2位置との間の中央位置における前記一端部の折り曲げ幅より大きいので、折り曲げられずに残った胴部材の側辺の長さが、第1位置及び第2位置よりも中央位置において長くなる結果、パウチ容器の底面を略平坦にすることが可能となる。
また、前記胴部材の内面に融着される融着面を有し、前記シール部の長尺方向略中央部において前記胴部材の内面間に前記融着面が融着保持されたスパウトをさらに備え、前記胴部材は、前記他端部が前記融着面の前記長尺方向の中央部において前記融着面に融着される位置が、前記他端部が前記融着面の前記長尺方向の両端部付近において前記融着面に融着される位置よりも前記一端部側に位置していることが好ましい。
この構成によれば、シール部の長尺方向略中央部と底面の閉塞部材とを結ぶ辺の長さが、スパウトの融着面を含めて実質的に延長されるので、パウチ容器の底面を略平坦にすることが可能となる。
また、前記閉塞部材は、楕円形状を有し、前記シール部は、前記楕円形状の長軸方向に沿って延びるように形成されていることが好ましい。
この構成によれば、閉塞部材が楕円形状にされ、シールが楕円形状の長軸方向に沿って延びるように形成されているので、シール部の長尺方向略中央部が楕円形状の短軸位置に接続される。これにより、シール部の長尺方向略中央部と底面の閉塞部材とを結ぶ辺の傾きが小さくなる結果、パウチ容器の底面を略平坦にすることが可能となる。
また、前記シール部の両端位置から前記胴部材の周方向と直交する方向にそれぞれ延びる各直線上の位置に、前記胴部材を屈曲させる屈曲部が形成されていることが好ましい。
この構成によれば、シール部の両端位置から胴部材の周方向と直交する方向にそれぞれ延びる各直線上の位置で、屈曲部により胴部材が屈曲され、シール部の両端位置と底面の閉塞部材とを結ぶ辺の長さが実質的に短縮される結果、パウチ容器の底面を略平坦にすることが可能となる。
また、本発明に係るパウチ容器の製造方法は、帯状の第1のフィルム材からなる筒状の胴部材と、前記胴部材の一端開口部を液密状に閉塞する第2のフィルム材からなる閉塞部材とを備える自立可能なパウチ容器の製造方法であって、前記第1のフィルム材を筒状に成形して前記胴部材を成形する胴部材成形工程と、前記胴部材の一端部を折り曲げて胴側端部接合部を形成する接合部形成工程と、前記閉塞部材の外周部を前記胴側端部接合部に融着して、前記胴部材の一端開口を液密状に閉塞するように、前記胴部材の一端部に前記閉塞部材を取り付ける端部閉塞工程と、前記胴部材の他端部を扁平に押し潰してシール部を形成するシール工程と、前記パウチ容器の前記閉塞部材が略平坦になるように調節する調節工程とを含む。
この構成によれば、調節工程によって、パウチ容器の底面となる閉塞部材が略平坦になるように調節されるので、自立安定性が向上したパウチ容器を製造することができる。
また、前記調節工程は、前記接合部形成工程において、前記胴部材の一端部における周縁上の第1位置、及び前記周縁上において前記第1位置と反対側に位置する第2位置における前記一端部の折り曲げ位置を、前記周縁上において前記第1位置と前記第2位置との間の中央位置における前記一端部の折り曲げ位置よりも前記他端部側にさせる処理を含み、前記シール工程は、前記他端部において前記一端部の前記第1位置と対向する第3位置と、前記他端部において前記一端部の前記第2位置と対向する第4位置とが前記シール部の両端に位置するように、前記シール部を形成することが好ましい。
この構成によれば、調節工程によって、胴側端部接合部の、第1位置及び第2位置における胴部材の一端部の折り曲げ位置が、第1位置と第2位置との間の中央位置における前記一端部の折り曲げ幅よりも、シール部のある他端部側にされるので、折り曲げられずに残った胴部材の側辺の長さが、第1位置及び第2位置よりも中央位置において長くなる結果、底面が略平坦なパウチ容器を製造することが可能となる。
また、前記調節工程は、前記接合部形成工程において、前記胴部材の一端部における周縁上の第1位置、及び前記周縁上において前記第1位置と反対側に位置する第2位置における前記一端部の折り曲げ量を、前記周縁上において前記第1位置と前記第2位置との間の中央位置における前記一端部の折り曲げ量より増大させる処理を含み、前記シール工程は、前記他端部において前記一端部の前記第1位置と対向する第3位置と、前記他端部において前記一端部の前記第2位置と対向する第4位置とが前記シール部の両端に位置するように、前記シール部を形成することが好ましい。
この構成によれば、調節工程によって、胴側端部接合部の、第1位置及び第2位置における胴部材の一端部の折り曲げ幅が、第1位置と第2位置との間の中央位置における前記一端部の折り曲げ幅より大きくされるので、折り曲げられずに残った胴部材の側辺の長さが、第1位置及び第2位置よりも中央位置において長くなる結果、底面が略平坦なパウチ容器を製造することが可能となる。
また、前記調節工程は、前記折り曲げ位置を設定するためのマンドリルを前記胴部材に嵌め込む処理を含み、前記マンドリルの一方の端面は、前記嵌め込まれた前記胴部材の前記第1及び第2位置に対応する位置が、前記中央位置よりも凹没し、前記接合部形成工程は、前記マンドリルに嵌め込まれた前記胴部材の前記一端部を、前記マンドリルの前記一方の端面に沿うように折り曲げることが好ましい。
この構成によれば、調節工程と接合部形成工程とによって、胴側端部接合部の、第1位置及び第2位置における胴部材の一端部の折り曲げ幅を、第1位置と第2位置との間の中央位置における前記一端部の折り曲げ幅より大きくすることができる。
また、前記調節工程は、前記シール工程において、前記シール部における前記胴部材の内面に融着される融着面を有するスパウトを、前記シール部の長尺方向略中央部において前記胴部材の内面間に位置させ、前記融着面の前記長尺方向の中央部において前記他端部が前記融着面に融着される位置を、前記融着面の前記長尺方向の両端部付近において前記他端部が前記融着面に融着される位置よりも前記一端部寄りに位置させる処理を含むことが好ましい。
この構成によれば、調節工程とシール工程とによって、シール部の長尺方向略中央部と底面の閉塞部材とを結ぶ辺の長さが、スパウトの融着面を含めて実質的に延長されるので、底面が略平坦なパウチ容器を製造することが可能となる。
また、前記調節工程は、楕円形状の前記閉塞部材を前記端部閉塞工程へ供給する処理を含み、前記シール工程は、前記楕円形状の長軸方向に沿って延びるように前記シール部を形成することが好ましい。
この構成によれば、調節工程と端部閉塞工程とによって閉塞部材が楕円形状にされ、シール工程によってシールが楕円形状の長軸方向に沿って延びるように形成されるので、シール部の長尺方向略中央部が楕円形状の短軸位置に接続される。これにより、シール部の長尺方向略中央部と底面の閉塞部材とを結ぶ辺の傾きが小さくなる結果、底面が略平坦なパウチ容器を製造することが可能となる。
また、前記調節工程は、前記シール部の両端位置から前記胴部材の周方向と直交する方向にそれぞれ延びる各直線上の位置に、前記胴部材を屈曲させる屈曲部を形成する処理を含むことが好ましい。
この構成によれば、調節工程によって、シール部の両端位置から胴部材の周方向と直交する方向にそれぞれ延びる各直線上の位置に、胴部材を屈曲させる屈曲部が形成されるので、シール部の両端位置と底面の閉塞部材とを結ぶ辺の長さが実質的に短縮される結果、底面が略平坦なパウチ容器を製造することが可能となる。
このような構成のパウチ容器、及びパウチ容器の製造方法は、パウチ容器の自立安定性を向上させることができる。
本発明の第1実施形態に係るパウチ容器を説明するための斜視図である。 図1に示すパンチ容器の(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は背面図である。 図1のIII-III線断面図である。 図1のIV-IV線断面図である。 パウチ容器の下端閉塞構造の要部縦断面図である。 パウチ容器の別の例を示す縦断面図である。 パウチ容器の別の例を示す縦断面図である。 閉塞部材の融着前における胴部材の斜視図である。 マンドレルのヘッド部材の上端面の形状を示す斜視図である。 折込工程の説明図である。 閉塞部材セット工程の説明図である。 融着工程の説明図である。 スパウト融着工程の説明図である。 上端面のより好ましい形状を理論計算により求める方法を説明するための説明図である。 位相角αが0°〜360°の範囲について、差Lxを求めたグラフである。 本発明の第2実施形態に係るパウチ容器の一例を示す斜視図である。 図16に示すパウチ容器の平面図である。(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は背面図を示している。 スパウト融着工程の説明図である。 本発明の第3実施形態に係るパウチ容器の一例を示す斜視図である。 本発明の第4実施形態に係るパウチ容器の一例を示す斜視図である。 背景技術に係るパウチ容器について説明するための説明図である。
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るパウチ容器を説明するための斜視図である。先ず、閉塞部材を外側部材と内側部材とで構成したパウチ容器について説明する。図1〜図5に示すように、このパウチ容器1は、内容物を収容可能な軟質フィルムからなる容器本体2と、容器本体2の上端部に融着したスパウト3とを備えている。容器本体2は、筒状の胴部材4と、胴部材4の下端開口を液密状に閉塞する閉塞部材5とを備え、胴部材4の下端部に内側へ折り曲げてなる環状の胴側端部接合部9を形成し、閉塞部材5として、胴側端部接合部9の容器本体2の内面側に融着した内側部材6と、前記胴側端部接合部9の容器本体2の外面側に融着した外側部材7とを設け、内側部材6として、単層フィルム又は共押出法による多層フィルムからなるものを用い、内側部材6により胴側端部接合部9の内周縁が容器本体2内に露出しないように区画したものである。このパウチ容器1は、外側部材7の下面の略全面を設置面に設置して自立可能に構成され、内容物の使用後は、胴部材4及び閉塞部材5を折り畳んだり手で潰したりして廃棄物を減容化できるように構成されている。
胴部材4及び外側部材7を構成するフィルム材は、手で減容化が可能な、単層または多層構造の軟質フィルムで構成されている。単層フィルムで構成することも可能であるが、ガスバリア性や遮光性や擦損性などの機能を付与するため、ドライラミネーションやウェットラミネーションやホットメルトラミネーションなどの接着剤ラミネーション、シングルラミネーションやタンデムラミネーションや共押出しラミネーションなどの押出しラミネーションのような接着剤によるラミネート法や、サーマルラミネーション、Tダイ法、インフレーション法などの共押出法のように接着剤を使用しないで製作した多層フィルムを採用できる。
特に、本発明では、胴部材4及び外側部材7の端部がパウチ容器1内に露出せず、フィルム材を構成する接着剤が内容物に溶け出すことを防止できるので、胴部材4及び外側部材7を構成するフィルム材として、接着剤を用いたラミネート法による多層フィルムを好適に採用できる。具体的には、胴部材4を構成するフィルム材(第1のフィルム材)は、両面にヒートシールや超音波シールなどにより相互に融着可能な、ポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性合成樹脂材料からなるシーラント層を設け、両シーラント層間に、例えばパウチ容器1に収容する内容物に応じて、ガスバリア性や遮光性や擦損性などの機能を有するアルミ箔などの機能性材料からなる単又は複数の基材層を設けた3層以上の多層フィルムを好適に採用できる。
また、外側部材7を構成するフィルム材(第2のフィルム材)としては、内面側にヒートシールや超音波シールなどにより相互に融着可能な、ポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性合成樹脂材料からなるシーラント層を設け、外面側にガスバリア性や遮光性や擦損性などの機能を有するアルミ箔などの機能性材料からなる単又は複数の基材層を設けた2層以上の多層フィルムを好適に採用できる。ただし、胴部材4と外側部材7とを構成するフィルム材としては、手で減容化が可能で且つ内側部材6を含むフィルム材やスパウト3と相互に融着可能に構成されたものであれば任意の構成のものを採用できる。
内側部材6を構成するフィルム材(第2のフィルム材)は、手で減容化が可能な、単層フィルム又は共押出法による多層フィルムで構成されている。多層フィルムで構成する場合には、サーマルラミネート法、Tダイ法、インフレーション法などの共押出法のように、接着剤を使用しないで製作した多層フィルムを用いることが好ましい。つまり、内側部材6は、パウチ容器1内に配置され、しかも外周縁がパウチ容器1内に露出するので、ドライラミネート法のように、接着剤を使用して製作した多層フィルムでは、パウチ容器1に充填した内容物に内側部材6の外周端部から接着剤が溶け出すことがあるので、接着剤を使用しない多層フィルムを用いることが好ましい。
胴部材4は、円筒状に成形したフィルム材(第1のフィルム材)からなる胴部材4A(図8参照)の上端部を扁平に押し潰してなる形状に形成したもので、下端部が略円形に形成され、下端部から上側へ行くにしたがって前後幅を狭くした扁平な横断面形状に形成され、上端部に前面側と後面側のフィルム材を融着してなるシール部4bが形成され、シール部4bの長さ方向(左右方向)の途中部略中央において前面側と後面側のフィルム材間にスパウト3を融着保持したものである。胴部材4を構成するフィルム材としては、帯状、例えば長方形状のフィルム材が用いられる。
胴部材4は、1枚のフィルム材を円筒状に丸めて両端部を重ね合わせてヒートシールや超音波シールなどにより合掌貼り或いは封筒貼りにより接合することで筒状に成形され、胴部材4の後面の左右方向の中央部の外側にはフィルム材を接合してなる胴側側部接合部4cが高さ方向の全長にわたって形成されている。なお、合掌貼りでは、フィルム材を丸めてその両端部の内面側同士を重ね合わせて融着して貼り合せることになる。しかしながら、合掌貼りは、胴側側部接合部4cの側縁において胴部材4を構成するフィルム材の端部が容器内に露出しないので、胴部材4を構成するフィルム材として、接着剤を使用する多層フィルムを用いつつ、容器に充填した内容物に対して胴側側部接合部4cの端部から接着剤が溶け出すことを確実に防止できるので好ましい。
ただし、胴側側部接合部4cを合掌貼りで構成すると、胴側側部接合部4cが胴部材4の周面から外方へ突出して容器の外観が低下したり、手で持ったときの手触りが低下したりする。そこで、胴部材4を構成するフィルム材として両面にシーラント層を形成したものを用いて、胴側側部接合部4cを胴部材4の周面に融着し、胴側側部接合部4cが胴部材4の周面に滑らかに連なるように構成して、容器の外観を向上するとともに手で持ったときの手触り感を向上することが好ましい。
また、胴側側部接合部4cを胴部材4の周面に融着すると、綺麗な円筒状の胴部材4A(図8参照)を製作でき、図10に示すように、胴部材4Aをマンドレル30にセットして、胴側端部接合部9aを内折するときに、胴側側部接合部4cを綺麗に折り曲げることができるので、胴部材4Aと閉塞部材5とのシール時間を短縮したり、融着不良を防止したりでき、胴部材4Aに閉塞部材5を精度良く取り付けることができる。
また、封筒貼りでは、フィルム材を丸めてその一端部の内面側と他端部の外面側とを重ね合わせて融着して貼り合せることになるが、胴側側部接合部が外方へ殆ど突出せず、胴部材の周面に滑らかに連なって形成されるので、容器の外観を向上できるとともに、手で持ったときの手触り感を向上でき、しかも胴部材の製作時に、胴側側部接合部を綺麗に折り曲げることができるので、胴部材と下端閉塞部材とのシール時間を短縮したり、融着不良を防止したりでき、胴部材に下端閉塞部材を精度良く取り付けることができる。
ただし、フィルム材を封筒貼りして胴側側部接合部を形成すると、胴側側部接合部の側縁において胴部材を構成するフィルム材の端部が容器内に露出するので、胴部材を単層フィルム又は共押出法による多層フィルムで構成して、容器に充填した内容物に対して胴側側部接合部の側縁から接着剤が溶け出すことを防止するように構成することも好ましい。なお、胴側側部接合部4cは、胴部材4の周方向の任意の位置に形成することができる。
なお、この第1実施形態のパウチ容器1では、胴部材4の下端部を円形に形成したが、楕円形や扁平な円形や流線型、4角形や6角形などの多角形状に形成することもできる。更にまた、胴部材を折り畳み易くするため、胴部材の周方向の途中部に上下方向に延びる複数の折目線を形成したり、ガセットを形成したりすることも可能である。また、1枚のフィルム材を筒状に丸めてその両端部を融着することで胴部材4を筒状に構成したが、2枚のフィルム材を重ね合わせてその側部を融着したり、3枚以上のフィルム材を接合したりしてなる胴部材を採用することもできる。更に、胴部材を構成するフィルム材として、インフレーション成形により成形した筒状のインフレーションフィルムを採用することも可能であり、この場合には胴側側部接合部4cのない胴部材を製作できる。
スパウト3は、図1、図2、図13に示すように、平面視において、中央部が最も幅広で、両端部側へ行くにしたがって幅狭に形成した、高さを有する舟形形状の本体部3aと、本体部3aに立設した筒状の口部3bと、口部3bに着脱自在に螺合した蓋体3cとを備えた舟形スパウトで構成されている。スパウト3の側面は、胴部材4の内面に融着される融着面3Aとされている。ただし、スパウトとしては、後述のように、パウチ容器の構成に応じて他の構成のものを採用することもできるし、省略することもできる。
次に、胴部材4の下端開口部を閉塞する下端閉塞構造8について説明する。図1及び図3〜図5に示すように、胴部材4の下端部には、内側へ折り曲げることによって、内方へ突出する無端環状の鍔状の胴側端部接合部9が設けられている。胴部材4の下端部内には胴部材4の下端部の内径と略同じ大きさの円形のフィルム材からなる内側部材6が設けられ、胴部材4の下端部外側には胴部材4の下端部の外径と略同じ大きさの円形のフィルム材からなる外側部材7が設けられ、内側部材6と外側部材7とで胴部材4の下端開口部を閉塞する閉塞部材5が構成されている。
図1、図4を参照して、胴側端部接合部9は、閉塞部材5の周縁上の第1位置P1及び第2位置P2における折り曲げ幅Waが、閉塞部材5の周縁上における第1位置P1と第2位置P2との間の中央位置P5での折り曲げ幅Wbより大きい。
第1位置P1は、シール部4bの一端に位置する第3位置P3と対向する位置、すなわち第3位置P3から閉塞部材5の周方向と直交する方向に延びる直線L1が、閉塞部材5の周縁と交わる点に位置している。第2位置P2は、シール部4bの他端に位置する第4位置P4と対向する位置、すなわち第4位置P4から閉塞部材5の周方向と直交する方向に延びる直線L2が、閉塞部材5の周縁と交わる点に位置している。
胴部材4は、幅(周方向と直交する方向の長さ)が一定の帯状のフィルム材が円筒状に丸められて構成されているのであるから、折り曲げ幅Waを折り曲げ幅Wbより大きくすれば、シール部4bの中央部と中央位置P5とを結ぶ直線L3の長さは直線L1,L2よりも長くなる。直線L3は、図21に示す背景技術の辺304bに対応するから、直線L3が長くなれば、図21(b)に示す長さLbが長くなる。その結果、容器本体2の底面となる閉塞部材5を、略平坦にすることが可能とされている。
なお、パウチ容器1は、フィルム材の折り曲げ位置である第1位置P1及び第2位置P2が、これらの中央の折り曲げ位置である中央位置P5より胴部材4の上端部側に位置していればよく、必ずしも折り曲げ幅Waが、折り曲げ幅Wbより大きい構成に限らない。上述のように、胴部材4を、幅が一定の帯状のフィルム材により構成する場合、第1位置P1及び第2位置P2が、中央位置P5より胴部材4の上端部側に位置していれば、折り曲げ幅Waが折り曲げ幅Wbより大きくなる。
しかしながら、胴部材4を、幅が一定ではない帯状のフィルム材により構成してもよい。この場合、第1位置P1及び第2位置P2が、中央位置P5より胴部材4の上端部側に位置していても、折り曲げ幅Waが折り曲げ幅Wbより大きくなるとは限らない。しかしながら、折り曲げ幅Wa,Wbに関わらず、第1位置P1及び第2位置P2が、中央位置P5より胴部材4の上端部側に位置していれば、直線L3の長さは直線L1,L2よりも長くなる。その結果、容器本体2の底面となる閉塞部材5を、略平坦にすることが可能となる。
折り曲げ幅Wa,Wb、及び胴側端部接合部9の形状等は、閉塞部材5を略平坦にするような値を、例えば実験的に求めて適宜設定することができる。これにより、パウチ容器1に内容物を収容しなくても、パウチ容器1は、空の状態で底面が略平坦になる。なお、胴側端部接合部9の形状(折り曲げ幅)については、より望ましい折り曲げ幅を理論計算により求めることも可能である。理論計算については後述する。なお、閉塞部材5(底面)が略平坦とは、パウチ容器1が安定して自立可能な程度に実質的に閉塞部材5(底面)が平坦であることを意味し、完全正確に平坦である必要はない。
なお、図21に示す背景技術に係るパウチ容器であっても、液状物を収納すれば、内容物の重量により胴部材301が変形し、底面が押し広げられてある程度平坦になる。しかしながら、内容物が減少し、あるいは空になると、本来のパウチ容器の形状に戻ろうとして、図21に示すように底面が湾曲して浮き上がる。そのため、内容物が減少し、あるいは空になると、パウチ容器の自立の不安定性が特に顕著になる。このように背景技術に係るパウチ容器の自立の不安定性が顕著になる問題は、内容物が消費されて減少した場合のみならず、空のパウチ容器に内容物を注入する製造工程においても発生する。
一方、パウチ容器1は、内容物が注入されない空の状態で、パウチ容器1の底面が略平坦になるように形成されるので、内容物の有無に関わらず、背景技術に係るパウチ容器よりも自立の安定性が向上する。
内側部材6の外周部は胴側端部接合部9の上側に重ね合わせて設けられ、外側部材7の外周部は胴側端部接合部9の下側に重ね合わせて設けられ、内側部材6の外周部及び外側部材7の外周部は胴側端部接合部9にヒートシールや超音波シールなどによりそれぞれ接合されるとともに、胴側端部接合部9の内側において内側部材6の外周部と外側部材7の外周部とはヒートシールや超音波シールなどにより接合され、内側部材6には胴側端部接合部9と外側部材7とにわたって延びる環状の内側融着部6aが形成され、外側部材7には胴側端部接合部9と内側部材6とにわたって延びる環状の外側融着部7aが形成されている。
このように内側融着部6aと外側融着部7aを設けることで、パウチ容器1の下端部を2重にシールすることが可能となり、内側融着部6aに万一融着不良が発生した場合でも、外側融着部7aによりシール性能を確保することができる。ただし、胴側端部接合部9の内側における内側部材6と外側部材7とは、全面にわたって融着することもできるし、融着しないように構成することもできる。また、内側部材6と外側部材7との融着部分と、内側部材6と胴側端部接合部9の融着部分及び/又は外側部材7と胴側端部接合部9との融着部分間に、融着されていない部分を設けることも可能である。
内側部材6のフィルム材の厚さは、外側部材7のフィルム材の厚さと同じに構成してもよいが、合成樹脂材料の使用量を極力少なくするため、外側部材7のフィルム材の厚さよりも薄肉に構成することが好ましい。ただし、この場合には、少なくとも外側部材7で胴部材4の下端開口部を閉塞できるように構成することになる。
また、内側部材6及び外側部材7の外形は、胴部材4の下端部に適合する形状に形成することになり、胴部材4の下端部を楕円形や扁平な円形や流線型、4角形や6角形などの多角形状に形成する場合には、それに適合する形状に形成することになる。また、胴部材4を折り畳むときに、閉塞部材5が折畳み易くなるように、内側部材6や外側部材7に対して折畳用の折目線を形成することも好ましい。
このパウチ容器1では、閉塞部材5、すなわちパウチ容器1の底面が略平坦になるので、パウチ容器1の底面全体を設置面に接地させてパウチ容器1を縦向きに自立できる。その結果、パウチ容器1の自立安定性及び保形性を高めることができる。また、容器本体2の下端部には胴側端部接合部9と外側部材7と内側部材6とが設けられ、パウチ容器1の底面が補強されているので、パウチ容器1の自立安定性及び保形性が一層高くなる。更に、胴部材4及び閉塞部材5がフィルム材で構成されるので、内容物の使用後は、胴部材4及び閉塞部材5を扁平に押し潰してパウチ容器1の減容化が可能となる。更に、胴側端部接合部9に内側部材6及び外側部材7の外周部を融着してなる下端閉塞構造8は、胴部材4の本体部4dから外方へ突出しないので、内側部材6及び外側部材7の外周部や胴側端部接合部9が胴部材4の本体部4dから外方へ突出することによる、パウチ容器1の意匠性の低下を防止できる。
なお、スパウト3を有さないパウチ容器に対しても本発明を適用できる。例えば、図6に示すパウチ容器1Bのように、胴部材4の下端部を前述と同様の下端閉塞構造8で閉塞し、胴部材4の上端部に注出部15を一体的に形成して、胴部材4の上縁を重ね合わせて融着することでシール部4Baを形成し、注出部15の先端部を切り取ることで、内容物を取り出せるように構成することも可能である。
また、パウチ容器1の下端開口部は、例えば図7(a)のパウチ容器1Cのように、胴部材4の下端部に外方へ延びる環状鍔状の胴側端部接合部9を形成し、この胴側端部接合部9の下面に閉塞部材5(外側部材7)の外周部を融着させた構成としてもよい。また、例えば図7(b)のパウチ容器1Dのように、図7(a)に示すパウチ容器1Cの内外を反転させてもよい。
<パウチ容器の製造方法>
次に、パウチ容器1の製造方法の一例について説明する。このパウチ容器1の製造方法は、フィルム材からなる円筒状の胴部材4Aを成形する胴部材成形工程と、前記胴部材の一端部を折り曲げて胴側端部接合部を形成する接合部形成工程と、胴部材4Aの下端部に内側部材6及び外側部材7からなる閉塞部材5を融着する端部閉塞工程と、端部閉塞工程において胴部材4Aの一端部を折り曲げて胴側端部接合部を形成する接合部形成工程と、胴部材4Aの上端部にスパウト3を取り付けると共に胴部材4Aの上端部を扁平に押し潰してシール部4bを形成するシール工程とを備えている。また、接合部形成工程は、パウチ容器1が空の状態で閉塞部材5が略平坦になるように接合部形成工程での折り曲げ量を調節する調節工程を含んでいる。
(胴部材成形工程)
胴部材成形工程では、図8に示すように、フィルム材を円筒状に丸めて両端部を重ね合わせてヒートシールや超音波シールなどにより接合することで、円筒状の胴部材4Aを成形する。成形された胴部材4Aには、フィルム材の両端部を合掌貼り又は封筒貼りにより接合してなる胴側側部接合部4cが高さ方向の全長にわたって形成される。ただし、インフレーション成形により成形した筒状のインフレーションフィルムを、胴部材4Aを構成するフィルム材として採用することも可能である。また、2枚のフィルム材を重ね合わせてその側部を融着したり、3枚以上のフィルム材を接合したりしてなる筒状の胴部材を採用することもできる。更に、パウチ容器1の胴部材4を多角形状に形成する場合には、円筒状の胴部材4Aを多角形状に折曲させることになる。
(接合部形成工程、端部閉塞工程、及び調節工程)
先ず接合部形成工程における調節工程で、図10に示すように、胴部材4Aをマンドレル30に外嵌状にセットし、マンドレル30の上面に内側部材6をセットする。このとき、図9に示すように、マンドレル30のヘッド部材32の上端面32bは、胴部材4Aの第1位置P1及び第2位置P2にそれぞれ対応する位置P1’,P2’が、中央位置P5に対応する位置P5’よりも凹没した形状にされている。折り曲げ幅Wa,Wb、及び胴側端部接合部9の形状等は、上端面32bの形状に対応する。従って、閉塞部材5を略平坦にするような折り曲げ幅Wa,Wb、及び胴側端部接合部9の形状等が得られる上端面32bの形状を、例えば実験的に求めて適宜設定することができる。上端面32bの形状については、より望ましい形状を理論計算により求めることも可能である。理論計算については後述する。
このような形状のマンドレル30(ヘッド部材32)を用いることによって、その後の接合部形成工程において、ヘッド部材32の上端面32bの外縁角部である折曲用角部32aに沿って胴部材4Aを折り曲げることにより、第1位置P1及び第2位置P2を、中央位置P5より胴部材4の上端部側(シール部4bが形成される側)に位置させることができる。その結果、パウチ容器1が空の状態で閉塞部材5が略平坦になるように折り曲げ量が調節される。なお、図10〜図12においては、図示を簡略化して折曲用角部32aを直線状に記載している。
その後接合部形成工程において胴部材4Aの筒状の胴側端部接合部9aを、折曲用角部32aに沿って内側に折り込んで仮固定し、胴側端部接合部9を形成する。次に端部閉塞工程の外側部材セット工程において、図11に示すように、折り込んだ胴側端部接合部9上の適正位置に外側部材7をセットし、次に端部閉塞工程の融着工程において、図12に示すように、内側部材6及び外側部材7の外周部を胴側端部接合部9に融着するとともに、胴側端部接合部9の内側において内側部材6と外側部材7とを融着して、内側融着部6aと外側融着部7aとを形成して、胴部材4の端部に閉塞部材5を形成することになる。
以下、端部閉塞工程及び接合部形成工程について具体的に説明するが、その前に接合部形成工程で用いるマンドレル30について説明する。
図9〜図12に示すように、マンドレル30は、柱状の本体部材31と、本体部材31の上端部に設けたヘッド部材32とを備えている。ヘッド部材32の外周縁は本体部材31の外周縁よりも外側に配置され、ヘッド部材32は胴部材4Aの内面に略隙間なく内嵌されるように構成されている。ヘッド部材32は、製作するパウチ容器1の胴部材4Aの形状に適合する形状のものと交換できるように、本体部材31の上端部に着脱自在に取り付けられている。
ヘッド部材32の外周部には、上下1組の外周吸着孔33が周方向に間隔をあけて複数組形成されるとともに、ヘッド部材32の上端近傍部に斜め上側へ向けて開口するエア吹出孔34が周方向に間隔をあけて形成され、ヘッド部材32の上面には複数の上面吸着孔35が形成されている。本体部材31には、複数組の外周吸着孔33にそれぞれ連通する複数のエア吸引路36と、各エア吹出孔34に連通する複数のエア供給路37と、上面吸着孔35に連通する1本のエア吸引路38とが形成されている。
そして、セット工程では、図10(a)に示すように、胴側端部接合部9aが上側に配置されるように、マンドレル30に対して胴部材4Aを倒立状に外嵌状に装填して、胴部材4Aの本体部4dとそれに連なる胴側端部接合部9aとの境界部Lを、マンドレル30のヘッド部材32の上端外周縁の折曲用角部32aに位置させ、胴部材4Aのマンドレル30への挿入を補助すべく、エア吹出孔34からエアを吹き出しながら、胴部材4Aを挿入し、胴部材4Aをマンドレル30に装填する。次に、胴部材4Aの内側に内側部材6を装填してマンドレル30上に載置する。その後、エア吸引路36、38を負圧にして外周吸着孔33に胴部材4Aを吸着保持するとともに、上面吸着孔35に内側部材6を吸着保持して、胴部材4A及び内側部材6をマンドレル30に固定保持する。なお、胴部材4A及び内側部材6の吸着保持は、胴部材4Aに対して外側部材7が融着固定されて、マンドレル30から胴部材4Aを取り外すまで行われることになる。
接合部形成工程では、図10(b)に示すように、胴部材4Aの境界部Lを挟んで、マンドレル30の折曲用角部32aに、折込部材40のテーパ面41を圧接させて、胴側端部接合部9aを内側へ折込む。テーパ面41は、折曲用角部32aの凹凸と嵌合する形状とされており、胴側端部接合部9aは、折曲用角部32aに沿って折り込まれる。さらに、該折込み状態が維持されるように、図10(c)に示すように、折込部材40に融着ヘッド42を内嵌させて、融着ヘッド42とマンドレル30間に胴側端部接合部9及び内側部材6を加熱挟持して、胴側端部接合部9と内側部材6とを仮融着して、胴側端部接合部9を折込み状態に仮固定した胴部材4Bを製作する。
折込部材40は、図10に示すように、リング状の部材からなり、下端内周面には下側へ行くにしたがって拡径するテーパ面41が形成されている。テーパ面41は、その幅方向の途中部がマンドレル30の折曲用角部32aと対面するように、折曲用角部32aと同じ形状に且つ連続的な環状に形成されている。水平面に対するテーパ面41の傾斜角度θは、大きすぎると胴側端部接合部9aの折り込み角度が浅くなり、小さすぎると胴側端部接合部9aの端部がテーパ面41により内周側へ円滑に案内されず、折込み不良が発生することがあるので、傾斜角度θは15°〜75°に設定することが好ましい。
融着ヘッド42は、図10(c)に示すように、折込部材40に略隙間無く内嵌可能に構成されている。融着ヘッド42の下面となる当接面42aは、ヘッド部材32の上端面32bと嵌合する形状にされている。これにより、内側へ折込んだ胴側端部接合部9の内周部に融着ヘッド42を圧接させることで、胴側端部接合部9のシワ同士を融着させて、胴側端部接合部9を内側へ折込んで、図4に示すように胴側端部接合部9の折り曲げ幅Waが折り曲げ幅Wbより大きい状態に癖付けするとともに、胴側端部接合部9を内側部材6に融着して、胴側端部接合部9を内側へ折込んだ状態に仮固定できるように構成されている。
外側部材セット工程では、図11に示すように、胴部材4Bに外嵌可能な筒状のガイド部材43であって、上部の内周面に上側へ行くにしたがって拡径する案内面43aを形成したガイド部材43を用い、このガイド部材43をマンドレル30にセットされた胴部材4Bの上部に外嵌した状態で、外側部材7を案内面43aで案内しながらガイド部材43内に装填して、外側部材7を胴部材4B上に位置決めセットし、この状態で、外側部材7を内側部材6又は胴側端部接合部9に仮融着して、外側部材7を胴部材4Bの適正位置に位置決め固定する。
融着工程では、図12に示すように、胴側端部接合部9と内側部材6及び外側部材7の外周部とを、マンドレル30の上端面32bと融着板45の下面である当接面45a間に挟持して、胴側端部接合部9に内側部材6及び外側部材7を融着するとともに、胴側端部接合部9の内側において内側部材6の外周部と外側部材7の外周部とを融着して、胴部材4Cの下端部に閉塞部材5を融着してなる有底の容器本体2Aを得ることになる。
当接面45aは、上端面32bの凹凸と嵌合する形状にされている。これにより、図4に示すように胴側端部接合部9の折り曲げ幅Waが折り曲げ幅Wbより大きくなるように、胴側端部接合部9が形成される。
こうして、融着が完了してから、各エア吹出孔34に加圧エアを供給して、マンドレル30に保持された容器本体2Aを抜き取って、次のシール工程へ移送することになる。
(シール工程)
シール工程では、図13に示すように、容器本体2Aの胴部材4Cの上端部の内側にスパウト3の本体部3aを配置した状態で、パウチ容器1の胴部材4のシール部4bに適合する形状の1対の融着部46aを有する融着板46を用い、該融着部46aで胴部材4Cの上端部を挟持する。これにより、胴部材4Cの上端部が扁平に押し潰されて、胴部材4Cの上端開口を閉塞するシール部4bが形成される。また、胴部材4Cのシール部4bの左右方向の中央部にスパウト3の本体部3aを挟持して、スパウト3の本体部3aを胴部材4Cの上端部に融着し、胴部材4Cに対してスパウト3を取付けて、パウチ容器1を得ることになる。
この製造方法では、マンドレル30にセットした胴部材4Aの本体部4dと、本体部4dの下端部に連設される胴側端部接合部9aとの境界部Lを、マンドレル30の折曲用角部32aと折込部材40のテーパ面41間に挟持して、テーパ面41により胴側端部接合部9aを内側へ折込むので、容易に且つ綺麗に胴側端部接合部9aを折曲用角部32aの形状に合わせて内側へ折込むことができる。これにより、折り曲げ幅Waが折り曲げ幅Wbより大きくなるように、胴側端部接合部9が形成されるので、パウチ容器1が空の状態で、パウチ容器1の底面が略平坦になるようにパウチ容器1を製造することが可能となる。
また、内側へ折込んだ胴側端部接合部9の折込み状態が維持されるように、胴側端部接合部9を仮固定するので、融着工程における、胴側端部接合部9と外側部材7の外周部との融着作業を安定性良く効率的に行うことが可能となり、胴部材4Aの一端部に対する閉塞部材5の融着作業を容易に自動化することが可能となる。
図14(a),(b)は、上端面32bのより好ましい形状を理論計算により求める方法を説明するための説明図である。図14(a),(b)は、閉塞部材5Xが円形、かつ平坦であって、スパウトを設けずに胴部材4Xの上端部を扁平にシールしてシール部4bを形成した理想的な形状のパウチ容器1Xのモデルを模式的な上面図と正面図とで簡略化して示している。図14においては、胴側端部接合部9は形成されていない(折り返し幅がゼロ)。
図14では、閉塞部材5Xの中心をO、閉塞部材5Xの半径をr、第1位置P1と第3位置P3の間及び第2位置P2と第4位置P4の間の長さをSとする。また、中心Oと第2位置P2とを結ぶ線を基準線R0とし、第2位置P2を位相角0度とし、閉塞部材5Xの外周状の点A(A’)の位置を、点A’と中心Oとを結ぶ直線と基準線R0とが為す位相角αによって表している。ここで、長さSは、胴部材4Xを幅一定の帯状のフィルム材を筒状に丸めて形成する場合におけるそのフィルム材の幅に相当している。
閉塞部材5Xの外周を表す円周5r上の点A(A’)と、シール部4b上の点B(B’)とは、互いに対応する位置を示している。点A’が点Aから位相角αだけ移動したときの円周5r上の移動距離Laは、その位相角αに対応する点B’がシール部4bの端部の第4位置P4からシール部4b上を移動した移動距離Lbと等しい。この場合、位相角αの位置における点A’から点B’までの三次元空間上の距離Lcは、0°〜180°の範囲について、下記の式(1)によって示される。
Lc=[{(πr/2)−2πr×(α/360)−rcosα}2+(−rsinα)2+[S2−{(πr/2)−r}2]]1/2 ・・・(1)
ここで、パウチ容器1(及び後述のパウチ容器1a,1b,1c)では、幅が一定の帯状のフィルム材を筒状に丸めて胴部材4を形成するので、フィルム材の幅Sと、距離Lcとの差Lxを吸収するように、マンドレル30(ヘッド部材32)の上端面32bの形状が形成され、胴側端部接合部9の折り返し幅が設定されることによって、パウチ容器1の底部(閉塞部材5)が平坦となる。
図15は、位相角αが0°〜180°の範囲について差Lxを算出し、180°〜360°の範囲については0°〜180°の範囲と対称形状となることから、差Lxを求めたグラフである。図15に示す例では、半径r=38.2mm、幅S=160mmとしている。横軸は位相角αを示し、縦軸は差Lx(mm)を示している。差Lxは、閉塞部材5を平坦にするために必要となる、胴側端部接合部9の折り曲げ幅Wの増減量、又は上端面32bの凹凸の高さ(深さ)を示している。
差Lxは、プラスが折り曲げ幅Wの増大を示し、マイナスが折り曲げ幅Wの減少を示している。同様に、差Lxは、プラスが上端面32bの凹没方向を示しており、マイナスが上端面32bの突出方向を示している。図15に示すように、第1位置P1(180°)及び第2位置P2(0°)における折り曲げ幅Wが0mm、中央位置P5(90°,270°)における折り曲げ幅Wが3mmとなるから、第1位置P1及び第2位置P2における折り曲げ幅Waが、閉塞部材5の周縁上における第1位置P1と第2位置P2との間の中央位置P5での折り曲げ幅Wbより大きくなる。
同様に、第1位置P1(180°)及び第2位置P2(0°)に対応する位置での上端面32bの周縁部の突出高さは0mm、中央位置P5に対応する位置での上端面32bの周縁部の突出高さは3mmであるから、マンドレル30のヘッド部材32の上端面32bは、胴部材4Aの第1位置P1及び第2位置P2にそれぞれ対応する位置P1’,P2’が、中央位置P5に対応する位置P5’よりも凹没した形状となる。
なお、上端面32b周縁部の突出高さは、図9に示す上端面32bと同様、中央位置P5に対応する位置P5’においてピークとなっている。一方、第1位置P1(180°)及び第2位置P2(0°)では、図9に示す上端面32bの位置P1’,P2’とは異なり、凹没の底ではない。図15から得られる理想的な上端面32bの周縁部の形状としては、第1位置P1(180°)及び第2位置P2(0°)から少しずれた15°、165°、195°、及び345°に凹没の底がある。
しかしながら、第1位置P1(180°)及び第2位置P2(0°)の凹没深さと15°、165°、195°、及び345°における凹没深さとの間には、図15から明らかなように、0.6mm程度のわずかな差しか生じない。そこで、ヘッド部材32の加工の容易性を考慮して、上端面32bの形状を、図9に示すように、位置P1’,P2’に凹没の底が生じる形状で近似することができる。同様に、胴側端部接合部9における折り曲げ幅Wを、図4に示すように、第1位置P1(180°)及び第2位置P2(0°)の折り曲げ幅Waがピーク(最大)になる形状で近似することができる。このような近似は、後述する第2〜第4実施形態においても同様に適用可能である。
マンドレル30の上端面32bの形状は、式(1)を用いて、半径rを0〜rの範囲で変化させつつ距離Lc及び差Lxを算出することにより、上端面32bの外周から中心に至る内側部分の平面形状を算出することができる。
なお、パウチ容器1として、楕円形状や多角形状の胴部材を有するパウチ容器を製作する場合には、マンドレル30のヘッド部材32と、折込部材40及びテーパ面41と、融着ヘッド42とは、胴部材の下端形状に適合した楕円形状や多角形状に形成したものを採用することで、前述と同様にパウチ容器を製作できる。
また、図6に示すパウチ容器1Bを製作する場合には、前記シール工程において、胴部材成形工程と端部閉塞工程とを経て製作した容器本体2Aの胴部材4Cの上端部を融着するとともに注出部を形成することになる。
なお、閉塞部材5は、内側部材6と外側部材7とで構成される例に限らない。例えば、外側部材7のみで閉塞部材5が構成されていてもよく、内側部材6のみで閉塞部材5が構成されていてもよい。
例えば、外側部材7のみで閉塞部材5を構成する場合、端部閉塞工程において、胴部材4Aの下端部に外側部材7のみを融着して閉塞部材5を成形すればよい。具体的には、端部閉塞工程では、先ずセット工程において、図10(a)に示すように、胴部材4Aをマンドレル30に外嵌状にセットするが、マンドレル30の上面に内側部材6をセットしないようにし、その後接合部形成工程において、図10(b)に示すように、胴部材4Aの筒状の胴側端部接合部9aを内側に折り込んで仮固定し、次に外側部材セット工程において、図11に示すように、折り込んだ胴側端部接合部9上の適正位置に外側部材7をセットし、次に融着工程において、図12に示すように、外側部材7の外周部を胴側端部接合部9に融着して、胴部材4の下端部に閉塞部材5を形成することになる。
また、内側部材6のみで閉塞部材5を構成する場合、端部閉塞工程において、胴部材4Aの下端部に内側部材6のみを融着して閉塞部材5を成形すればよい。具体的には、端部閉塞工程では、先ずセット工程において、図10(a)に示すように、胴部材4Aをマンドレル30に外嵌状にセットするとともに、マンドレル30の上面に内側部材6をセットし、その後接合部形成工程において、図10(b)に示すように、胴部材4Aの筒状の胴側端部接合部9aを内側に折り込んで仮固定し、図11の外側部材セット工程を省略して、次の融着工程において、図12に示すように、内側部材6の外周部を胴側端部接合部9に融着して、胴部材4の下端部に閉塞部材5を形成することになる。
なお、外側部材7(閉塞部材5)を胴側端部接合部9に融着する前に、例えば胴側端部接合部9の外周よりも大きな形状のフィルム材を、胴側端部接合部9全体を覆うように押し当て、不要部分をトリミングして取り除くことにより、閉塞部材5を形成してもよい。あるいは、このようなフィルム材を胴側端部接合部9に融着した後に不要部分をトリミングして取り除くことにより、閉塞部材5を形成してもよい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るパウチ容器1a、及びパウチ容器1aの製造方法について説明する。図16は、本発明の第2実施形態に係るパウチ容器1aの一例を示す斜視図である。図17は、図16に示すパウチ容器1aの平面図である。(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は背面図を示している。
図16、図17に示すパウチ容器1aは、図1、図2に示すパウチ容器1とは、下記の点で異なる。すなわち、図16、図17に示すパウチ容器1aは、胴側端部接合部9bの折り返し幅が、全周に渡って略同一である。また、シール部4bの長尺方向の中央部には、調節部4b1が形成されている。調節部4b1は、シール部4bの長尺方向の中央部に、胴部材4の上端部がスパウト3の融着面3Aに融着される位置P6が、その上端部が融着面3Aの長尺方向の両端部付近において融着面3Aに融着される位置P7よりも、胴部材4の下端部寄りにずれ量d1だけずれて位置付けられることにより構成されている。
その他の構成は図1、図2に示すパウチ容器1と同様であるのでその説明を省略し、パウチ容器1aの製造方法について説明する。パウチ容器1aの製造方法は、調節工程が接合部形成工程に含まれず、シール工程に含まれる点で、パウチ容器1の製造方法と異なる。その他の工程はパウチ容器1の製造方法と同様であるのでその説明を省略し、以下本実施形態の特徴的な点について説明する。
パウチ容器1aの製造方法においては、マンドレル30のヘッド部材32の上端面が平坦にされている。これにより、接合部形成工程において、胴側端部接合部9bの折り返し幅が、全周に渡って略同一となるように加工される。
また、シール工程では、図18に示すように、胴部材4Cの上端縁を、スパウト3の長手方向中央部において閉塞部材5寄りの方向へずれ量d1だけずらしてスパウト3の融着面3Aに融着する。これにより、調節部4b1を形成することが可能となる。
このようにして形成されたパウチ容器1aでは、図16に示す直線L3の長さは、直線L1又はL2にずれ量d1を加算した長さになる。直線L3は、図21に示す背景技術の辺304bに対応するから、直線L3が長くなれば、図21(b)に示す長さLbが長くなる。その結果、容器本体2の底面となる閉塞部材5を、略平坦にすることが可能とされている。
ずれ量d1は、閉塞部材5を略平坦にするような値を、例えば実験的に求めて適宜設定することができる。これにより、パウチ容器1aに内容物を収容しなくても、パウチ容器1aは、空の状態で底面が略平坦になる。また、ずれ量d1は、上述のフィルム材の幅Sと距離Lcとの差Lxを吸収するように、理論計算により適宜設定されてもよい。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係るパウチ容器1b、及びパウチ容器1bの製造方法について説明する。図19は、本発明の第3実施形態に係るパウチ容器1bの一例を示す斜視図である。図19に示すパウチ容器1bは、閉塞部材5b(内側部材6b、外側部材7b)の形状が楕円形である点で、図1に示すパウチ容器1とは異なる。その他の構成は図1、図2に示すパウチ容器1と同様であるのでその説明を省略し、以下、パウチ容器1bの特徴的な点について説明する。
パウチ容器1bの閉塞部材5bは、楕円形状にされており、その長軸の両端位置が、第1位置P1及び第2位置P2とされている。シール部4bは、楕円形状の長軸と平行に、すなわち楕円形状の長軸方向に沿って延びるように形成されている。これにより、直線L3の傾きが小さくなる。その結果、閉塞部材5bを略平坦な形状にするために必要となる直線L1,L2と直線L3との差が、円形の閉塞部材5を用いた場合よりも小さくなる。
従って、閉塞部材5bにおける折り曲げ幅Waと折り曲げ幅Wbとの差は、閉塞部材5における折り曲げ幅Waと折り曲げ幅Wbとの差よりも小さくされている。
次に、パウチ容器1bの製造方法について説明する。パウチ容器1bの製造方法においては、マンドレル30の周方向に沿う断面形状が、閉塞部材5bの形状と対応するように楕円形にされている。これにより、接合部形成工程において、楕円形状の閉塞部材5bの周縁部に胴側端部接合部9を形成可能にされている。
このとき、上述したように、閉塞部材5bにおける折り曲げ幅Waと折り曲げ幅Wbとの差は、閉塞部材5における折り曲げ幅Waと折り曲げ幅Wbとの差よりも小さくても閉塞部材5bを略平坦にすることができる。従って、マンドレル30(ヘッド部材32)の端面を、パウチ容器1の製造方法に係るマンドレル30の端面よりも平坦に近い(凹没が浅い)形状にすることができる。その結果、胴部材4を折り込むことにより胴側端部接合部9に生じる皺の程度を低減することが可能となる。
閉塞部材5bを用いた場合の胴側端部接合部9の形状(折り曲げ幅W)、及び上端面32bの形状は、例えば実験的に求めて適宜設定されてもよく、上述のフィルム材の幅Sと距離Lcとの差Lxを吸収するように、理論計算により適宜設定されてもよい。
なお、パウチ容器1bは、閉塞部材5bの形状が楕円形であればよく、必ずしも折り曲げ幅Waと折り曲げ幅Wbとの間に差を設ける必要はない。折り返し幅が、全周に渡って略同一となる胴側端部接合部9bを備える構成としてもよい。胴側端部接合部9bの折り返し幅が全周に渡って略同一である場合であっても、閉塞部材5bを楕円形状とすることで、パウチ容器1bが空の状態で閉塞部材5bを平坦に近づけて、略平坦な形状にすることが可能となる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係るパウチ容器1c、及びパウチ容器1cの製造方法について説明する。図20は、本発明の第4実施形態に係るパウチ容器1cの一例を示す斜視図である。図20に示すパウチ容器1cは、図1、図2に示すパウチ容器1とは、下記の点で異なる。すなわち、図20に示すパウチ容器1cは、胴側端部接合部9bの折り返し幅が、全周に渡って略同一である。また、直線L1,L2上の位置に、胴部材4を屈曲させ、例えば窪ませる屈曲部10が形成されている。
その他の構成は図1、図2に示すパウチ容器1と同様であるのでその説明を省略し、パウチ容器1cの製造方法について説明する。パウチ容器1cの製造方法は、調節工程が接合部形成工程に含まれない点、及び調節工程が屈曲部10を形成する工程である点で、パウチ容器1の製造方法と異なる。その他の工程はパウチ容器1の製造方法と同様であるのでその説明を省略し、以下本実施形態の特徴的な点について説明する。
パウチ容器1cの製造方法においては、マンドレル30のヘッド部材32の上端面が平坦にされている。これにより、接合部形成工程において、胴側端部接合部9bの折り返し幅が、全周に渡って略同一となるように加工される。また、胴部材成形工程の実行後、いずれかのタイミングで、調節工程が実行され、屈曲部10が形成される。屈曲部10は、例えば直線L1,L2上の位置で、胴部材4の表面の一部分を加熱収縮させることによって、形成することができる。
これにより、直線L1,L2を実質的に短くしたのと同等の効果が得られる。その結果、直線L1,L2と直線L3との差が減少するので、パウチ容器1cが空の状態で閉塞部材5を平坦に近づけて、略平坦な形状にすることが可能となる。
屈曲部10における屈曲の程度、例えば調節工程での加熱の程度は、閉塞部材5を略平坦にするような屈曲の程度(加熱の程度)値を、例えば実験的に求めて適宜設定することができる。これにより、パウチ容器1cに内容物を収容しなくても、パウチ容器1cは、空の状態で底面が略平坦になる。
屈曲部10の屈曲量は、パウチ容器1cが空の状態で閉塞部材5が略平坦になるように、例えば実験的に求めて適宜設定されてもよく、上述のフィルム材の幅Sと距離Lcとの差Lxを吸収するように、理論計算により適宜設定されてもよい。
なお、第1〜第4実施形態は、単独で実施される例に限らない。第1〜第4実施形態に係る構成を、適宜組み合わせてパウチ容器の底部となる閉塞部材を略平坦にすることが可能となる。
1,1a,1b,1c,1B,1C,1D,1X パウチ容器
2,2A 容器本体
3 スパウト
3A 融着面
3a 本体部
3b 口部
3c 蓋体
4,4A,4B,4C,4X 胴部材
4b,4Ba シール部
4b1 調節部
4c 胴側側部接合部
4d 本体部
5,5b,5X 閉塞部材
5r 円周
6,6b 内側部材
6a 内側融着部
7,7b 外側部材
7a 外側融着部
8 下端閉塞構造
9,9a,9b 胴側端部接合部
10 屈曲部
15 注出部
30 マンドレル
31 本体部材
32 ヘッド部材
32a 折曲用角部
32b 上端面
33 外周吸着孔
42 融着ヘッド
42a,45a 当接面
L1,L2,L3 直線
P1 第1位置
P2 第2位置
P3 第3位置
P4 第4位置
P5 中央位置
W,Wa,Wb 折り曲げ幅
d1 ずれ量
r 半径

Claims (13)

  1. 帯状の第1のフィルム材からなる筒状の胴部材を備えた自立可能なパウチ容器であって、
    前記胴部材の一端部が折り曲げられた環状の胴側端部接合部と、
    第2のフィルム材からなり、前記胴側端部接合部に融着されて前記胴部材の一端開口部を液密状に閉塞する閉塞部材と、
    前記胴部材の他端部が扁平に押し潰されたシール部とを備え、
    前記閉塞部材が略平坦になるように、前記胴側端部接合部、前記シール部、前記閉塞部材、及び前記胴部材のうち少なくとも一つが形成されているパウチ容器。
  2. 前記胴側端部接合部は、前記胴部材の一端部における周縁上の第1位置、及び前記周縁上において前記第1位置と反対側に位置する第2位置における前記一端部の折り曲げ位置が、前記周縁上において前記第1位置と前記第2位置との間の中央位置における前記一端部の折り曲げ位置よりも前記他端部側に位置し、
    前記シール部は、前記他端部において前記一端部の前記第1位置と対向する第3位置と、前記他端部において前記一端部の前記第2位置と対向する第4位置とが当該シール部の両端に位置するように形成されている請求項1記載のパウチ容器。
  3. 前記胴側端部接合部は、前記胴部材の一端部における周縁上の第1位置、及び前記周縁上において前記第1位置と反対側に位置する第2位置における前記一端部の折り曲げ幅が、前記周縁上において前記第1位置と前記第2位置との間の中央位置における前記一端部の折り曲げ幅より大きく、
    前記シール部は、前記他端部において前記一端部の前記第1位置と対向する第3位置と、前記他端部において前記一端部の前記第2位置と対向する第4位置とが当該シール部の両端に位置するように形成されている請求項1又は2記載のパウチ容器。
  4. 前記胴部材の内面に融着される融着面を有し、前記シール部の長尺方向略中央部において前記胴部材の内面間に前記融着面が融着保持されたスパウトをさらに備え、
    前記胴部材は、前記他端部が前記融着面の前記長尺方向の中央部において前記融着面に融着される位置が、前記他端部が前記融着面の前記長尺方向の両端部付近において前記融着面に融着される位置よりも前記一端部側に位置している請求項1〜3のいずれか1項に記載のパウチ容器。
  5. 前記閉塞部材は、楕円形状を有し、
    前記シール部は、前記楕円形状の長軸方向に沿って延びるように形成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載のパウチ容器。
  6. 前記シール部の両端位置から前記胴部材の周方向と直交する方向にそれぞれ延びる各直線上の位置に、前記胴部材を屈曲させる屈曲部が形成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載のパウチ容器。
  7. 帯状の第1のフィルム材からなる筒状の胴部材と、前記胴部材の一端開口部を液密状に閉塞する第2のフィルム材からなる閉塞部材とを備える自立可能なパウチ容器の製造方法であって、
    前記第1のフィルム材を筒状に成形して前記胴部材を成形する胴部材成形工程と、
    前記胴部材の一端部を折り曲げて胴側端部接合部を形成する接合部形成工程と、
    前記閉塞部材の外周部を前記胴側端部接合部に融着して、前記胴部材の一端開口を液密状に閉塞するように、前記胴部材の一端部に前記閉塞部材を取り付ける端部閉塞工程と、
    前記胴部材の他端部を扁平に押し潰してシール部を形成するシール工程と、
    前記閉塞部材が略平坦になるように調節する調節工程とを含むパウチ容器の製造方法。
  8. 前記調節工程は、前記接合部形成工程において、前記胴部材の一端部における周縁上の第1位置、及び前記周縁上において前記第1位置と反対側に位置する第2位置における前記一端部の折り曲げ位置を、前記周縁上において前記第1位置と前記第2位置との間の中央位置における前記一端部の折り曲げ位置よりも前記他端部側にさせる処理を含み、
    前記シール工程は、前記他端部において前記一端部の前記第1位置と対向する第3位置と、前記他端部において前記一端部の前記第2位置と対向する第4位置とが前記シール部の両端に位置するように、前記シール部を形成する請求項7記載のパウチ容器の製造方法。
  9. 前記調節工程は、前記接合部形成工程において、前記胴部材の一端部における周縁上の第1位置、及び前記周縁上において前記第1位置と反対側に位置する第2位置における前記一端部の折り曲げ量を、前記周縁上において前記第1位置と前記第2位置との間の中央位置における前記一端部の折り曲げ量より増大させる処理を含み、
    前記シール工程は、前記他端部において前記一端部の前記第1位置と対向する第3位置と、前記他端部において前記一端部の前記第2位置と対向する第4位置とが前記シール部の両端に位置するように、前記シール部を形成する請求項7又は8記載のパウチ容器の製造方法。
  10. 前記調節工程は、前記折り曲げ位置を設定するためのマンドリルを前記胴部材に嵌め込む処理を含み、
    前記マンドリルの一方の端面は、前記嵌め込まれた前記胴部材の前記第1及び第2位置に対応する位置が、前記中央位置よりも凹没し、
    前記接合部形成工程は、前記マンドリルに嵌め込まれた前記胴部材の前記一端部を、前記マンドリルの前記一方の端面に沿うように折り曲げる請求項8又は9記載のパウチ容器の製造方法。
  11. 前記調節工程は、前記シール工程において、前記シール部における前記胴部材の内面に融着される融着面を有するスパウトを、前記シール部の長尺方向略中央部において前記胴部材の内面間に位置させ、前記融着面の前記長尺方向の中央部において前記他端部が前記融着面に融着される位置を、前記融着面の前記長尺方向の両端部付近において前記他端部が前記融着面に融着される位置よりも前記一端部寄りに位置させる処理を含む請求項7〜10のいずれか1項に記載のパウチ容器の製造方法。
  12. 前記調節工程は、楕円形状の前記閉塞部材を前記端部閉塞工程へ供給する処理を含み、
    前記シール工程は、前記楕円形状の長軸方向に沿って延びるように前記シール部を形成する請求項7〜11のいずれか1項に記載のパウチ容器の製造方法。
  13. 前記調節工程は、前記シール部の両端位置から前記胴部材の周方向と直交する方向にそれぞれ延びる各直線上の位置に、前記胴部材を屈曲させる屈曲部を形成する処理を含む請求項7〜12のいずれか1項に記載のパウチ容器の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7393507B1 (ja) * 2022-11-24 2023-12-06 株式会社生産日本社 自立袋及びその製造方法

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