JP6171472B2 - 暖房便座装置 - Google Patents

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Description

本発明は、暖房便座とそれを覆う便蓋を有する暖房便座装置に関する。
加熱手段が内蔵された暖房便座においては、便座を覆う便蓋に断熱層が設けられ、便座からの放熱を抑制することが図られる。例えば特許文献1においては、便蓋の内面に断熱材層が形成された便器が開示されており、断熱材層は便蓋の内側に露出した構成となっている。また、特許文献2、3においては、蓋本体と便蓋底板とで形成される中空空間に断熱材を配設した構成が示されている。
特開平10−257998号公報 特開2010−178923号公報 特開2010−178925号公報
特許文献1のように、断熱材が便蓋の便座側の面に露出した構成である場合、断熱材の破損や汚染が発生しやすい。一方、特許文献2、3のように、底板を有する場合には、それらの問題は回避されるものの、蓋本体および断熱材とは別体であるポリプロピレン等よりなる底板を有するために、便蓋の重量が大きくなってしまう。
本発明が解決しようとする課題は、便蓋に断熱材を有する暖房便座装置において、断熱材の破損や汚染が防止されるとともに、便蓋の重量が低減された暖房便座装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明にかかる暖房便座装置は、暖房可能な便座と、開閉可能に前記便座を被蓋する便蓋とを有し、前記便蓋は、蓋本体と、前記蓋本体の前記便座側の面に固定されて露出した断熱部とを有し、前記断熱部は、断熱性材料よりなる断熱層と、前記断熱層の前記便座と対向する表面を被覆して前記断熱層と一体に成形された樹脂被覆層とを有すること要旨とする。
ここで、前記樹脂被覆層は、前記断熱層を被覆するラミネート膜であるとよい。
あるいは、前記樹脂被覆層は、前記断熱層よりも低い硬度と高い熱伝導率を有する断熱性材料よりなるスキン層であるとよい。
そして、前記蓋本体の表面に固定された取付部材と、前記取付部材に固定された弾性材料よりなる緩衝部材とをさらに有し、前記断熱部は、前記取付部材に押圧されることで前記蓋本体に固定されていることが好ましい。
また、前記便蓋を閉じて前記便座を被蓋した状態において、前記断熱部の表面全域と前記便座の間に空隙が形成されているとよい。
前記樹脂被覆層が、前記断熱層よりも低い硬度と高い熱伝導率を有する断熱性材料よりなるスキン層である場合には、前記断熱部は、前記蓋本体に形成された断面鉤型のリブ部に外縁を係止されていることが好適である。
さらに、前記スキン層の表面に、突起が形成されていることが好ましい。
そして、前記便蓋を閉じて前記便座を被蓋した状態において、前記断熱部の前記突起を除く表面と、前記便座との間に空隙が形成されているとよい。
また、前記暖房便座装置は、前記便座に着座した使用者を検知する光学式の着座センサを有し、前記断熱部は、前記便蓋を開けて前記便座に着座した使用者の背中に接触せず、かつ前記便蓋を閉じて前記便座を被蓋した状態で前記着座センサに検知されない形状を有することが好適である。
上記本発明にかかる暖房便座装置においては、便蓋を構成する断熱部が、断熱層と、断熱層と一体に成形された樹脂被覆層とを有しており、断熱層の表面が露出されずに樹脂被覆層に保護されているため、断熱層の破損や汚染が防止される。そして、断熱部が便蓋の便座に対向する表面に露出しており、断熱部の表面を覆う底板のような別体の部材を必要としないため、便蓋全体の重量が抑制されている。
ここで、樹脂被覆層が、断熱層を被覆するラミネート膜である場合、あるいは、樹脂被覆層が、断熱層よりも低い硬度と高い熱伝導率を有する断熱性材料よりなるスキン層である場合には、断熱層の重量を効果的に抑制することができる。また、簡素な構成で、樹脂被覆層と断熱層を一体に成形することができる。
そして、暖房便座装置が、蓋本体の表面に固定された取付部材と、取付部材に固定された弾性材料よりなる緩衝部材とをさらに有し、断熱部が取付部材に押圧されることで蓋本体に固定されている場合には、取付部材が、断熱層を蓋本体に対して位置決めして固定する機能と、便座と便蓋の間に緩衝作用を与える緩衝部材を取り付けるための機能とを兼ね備えるので、便蓋全体の構成が簡素化される。また、一旦取り付けられた断熱部を蓋本体から取り外すこともできるので、便蓋の清掃性が高くなる。
また、便蓋を閉じて便座を被蓋した状態において、断熱部の表面全域と便座の間に空隙が形成されている場合には、便座表面からの放熱条件を便座表面全域で均一にすることができるため、便座表面の温度分布が小さくなる。
樹脂被覆層が、断熱層よりも低い硬度と高い熱伝導率を有する断熱性材料よりなるスキン層である場合に、断熱部が、蓋本体に形成された断面鉤型のリブ部に外縁を係止されている構成によると、断熱部の便蓋への取り付け構造が簡素になるとともに、断熱部が蓋本体に対して容易に着脱可能となるので、便蓋の清掃性が高くなる。
さらに、スキン層の表面に、突起が形成されていると、突起が便蓋と便座との間の緩衝部材として機能するので、別途緩衝部材を設ける必要がなくなる。
そして、便蓋を閉じて便座を被蓋した状態において、断熱部の突起を除く表面と、便座との間に空隙が形成されている場合には、便座表面からの放熱条件を突起部と接触する箇所を除く便座表面全域で均一にすることができるため、便座表面の温度分布が小さくなる。
また、暖房便座装置が、便座に着座した使用者を検知する光学式の着座センサを有し、断熱部が、便蓋を開けて便座に着座した使用者の背中に接触せず、かつ便蓋を閉じて便座を被蓋した状態で着座センサに検知されない形状を有する場合には、便蓋が背中に接触することによる不快感を使用者に与えることが防止されるとともに、便蓋が光学センサによって検知されることによる誤検知の発生が防止される。
本発明の第一の実施形態にかかる暖房便座装置を示す斜視図である。 上記第一の実施形態における便蓋の構成を示す分解斜視図である。 上記第一の実施形態における便蓋を示す断面図である。 上記第一の実施形態にかかる暖房便座装置の便蓋を閉めた状態での断面図であり、(a)は全体図、(b)は前方部の拡大図である。 上記第一の実施形態にかかる暖房便座装置の便蓋を開けた状態での断面図である。 便蓋と着座センサの検知範囲の関係を示す断面模式図である。 本発明の第二の実施形態にかかる暖房便座装置を示す図であり、(a)は全体の斜視図、(b)は便蓋の分解斜視図、(c)は蓋本体の斜視図である。 第二の実施形態にかかる暖房便座装置の蓋を閉めた状態における断面図である。 図8の前方部分の拡大断面図である。
以下、本発明の実施形態にかかる暖房便座装置1について、図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、本発明の第一の実施形態にかかる暖房便座装置1は、便座12と、便蓋13とを有する。便座12は、加熱手段(不図示)を内蔵し、暖房可能である。便座12は、ケーシングの内部に加熱手段の制御装置等を備える暖房便座本体11から前方に突出して設けられている。便蓋13は、便座12の後方に、ヒンジ部18を軸として、回動可能に取り付けられている。便座12に使用者が着座する時には、便蓋13は上方に回動されて開状態とされ、便座12が使用されない時には、便蓋13は前方に回動されて便蓋13を被蓋した閉状態とされる。
図1〜3に示すように、便蓋13は、閉状態において中空部12aも含めて便座12全体を覆う蓋本体14と、蓋本体14の内側(便座12と対向する側)に設けられた断熱部15よりなる。蓋本体14は、ポリプロピレン等の樹脂よりなる。なお、以降で説明する断面図は、図3を除き、便蓋13の中心線Cに沿う断面を示すものである。図3は、後述する取付部材16を通る断面を示すものである。
断熱部15は、図3に示すように、断熱層15aと、樹脂フィルムよりなるラミネート膜(樹脂被覆層)15bの2層よりなる。ラミネート膜15bは、断熱層15aの少なくとも便座12と対向する表面を被覆して形成されている。断熱層15aとラミネート膜15bは一体に成形されている。つまり、断熱層15aとラミネート膜15bは、相互の材料が密着して強固に接合され、材料の破壊を伴わずには分離されない状態となっている。ラミネート膜15bは、表面を他の部材で被覆されることなく、便蓋13の便座12側の表面に露出している。
断熱層15aは、熱伝導率が低く、断熱性を有する材料よりなる。高い断熱性を得つつ、便蓋13全体を軽量化する観点から、断熱層15aは、発泡ポリウレタン等、発泡樹脂よりなることが好ましく、断熱部15の断熱性を高めることを考えると、硬質発泡ポリウレンタン等、硬質発泡樹脂よりなることが好ましい。ラミネート膜15bを構成する樹脂フィルムは、断熱層15aに密着して一体成形可能ないかなる樹脂より構成されてもよい。断熱層15aを破損や汚染から効果的に保護する観点から、ラミネート膜15bは、少なくとも断熱層15aよりも緻密性と平滑性が高い材料よりなる樹脂フィルムであることが好ましく、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等よりなる樹脂フィルムを例示することができる。なお、ラミネート膜15bは、断熱層15aの便座12と対向する側の面のみを被覆していてもよいし、蓋本体14と接する側の面や側面を併せて被覆していてもよい。
断熱部15は、図2、3に示すように、取付部材16を利用して、蓋本体14に取り付けられている。取付部材16は、緩衝部材17を蓋本体14に取り付けるための部材を兼ねるものである。取付部材16は、嵌合孔16aが形成された略皿状の嵌合部16bと、嵌合部16bよりも幅(取り付けた断熱部15の外縁15cに沿う方向の長さ)の狭い略柱状の固定部16cよりなる。蓋本体14には、壁状に突出して、取付部材16の固定部16cを圧入可能な受容部(ボス)14aが形成され、取付部材16の固定部16cが受容部14aに圧入されることで、蓋本体14の内側表面に取付部材16が固定される。緩衝部材17は、弾性材料よりなり、一方面に取付部材16の嵌合孔16aに嵌合可能な突起状の嵌合片17aを有する。断熱部15の外縁15cは、蓋本体14の内周縁14aよりもわずかに小さく形成されている、また、断熱部15には、取付部材16の固定部16cの側面と密着可能な凹部15dと、取付部材16の固定部16cと嵌合部16bの間の段差形状に沿う段差部15eとが形成されている。
断熱部15の蓋本体14への取り付けに際し、図2に示すように、まず蓋本体14の内周縁の内側に断熱部15を嵌め込む。この際、断熱部15の凹部15dが蓋本体の受容部14aの位置となるように、断熱部15が配置される。そして、断熱部15の凹部15dの位置に取付部材16を配置し、取付部材16の固定部16cを、蓋本体14の受容部14aに圧入することで、蓋本体14に取付部材16を固定する。この時、断熱部15の段差部15eが、取付部材16の固定部16cと嵌合部16bの間の段差に係合し、断熱部15が取付部材16によって段差部15e近傍で蓋本体14に向かって押圧され、取付部材16と蓋本体14の間で位置決めされるとともに、蓋本体14に対して固定される。さらに、取付部材16の嵌合孔16aに緩衝部材17の嵌合片17aが嵌合されることで、緩衝部材17が取付部材16を介して蓋本体14に固定される。
この状態で、緩衝部材17の表面は、断熱部15のラミネート膜15bの表面よりも、便座12の側に突出しており、便蓋13を閉じた際、緩衝部材17によって便蓋13と便座12が接触することになる。そして、図4に示すように、便座12表面と断熱部15のラミネート膜15bの表面の間には、全域にわたり、空隙Gが形成される。なお、図4、5では、断熱層15aとラミネート層15bの境界を省略して断熱部15を示してある。
また、断熱部15は、閉状態において便座12を覆う部分に、断熱層15aを相対的に厚くした厚肉部15fが形成され、それ以外の部分、つまり中空部12aを覆う部分は、断熱層15aを相対的に薄くした薄肉部15fが形成されている(図1参照)。厚肉部15fの厚さと形状は、緩衝部材17の突出高さとの関係において、断熱部15と便座12との間に、略均一な所望の大きさの空隙Gを形成できるように規定されている。また、便座12の後方には、便座12への着座者の有無を検出する光学式の着座センサ2が備えられるが、図6に示すように、断熱部15、特に薄肉部15fの形状は、閉状態において、着座センサ2の検知範囲Sに含まれないようなものとされている。同時に、図5に示すように、断熱部15、特に薄肉部15fの形状は、開状態において使用者が便座12に着座した際に、使用者の背中の位置Bが断熱部15に接触しない形状とされている。
以上のように、本実施形態にかかる暖房便座装置1においては、断熱層15aの表面がラミネート膜15bによって被覆された断熱部15が便蓋13の便座12と対向する側の表面に露出して設けられている。断熱層15aの効果により、便蓋13を閉状態とした時に、便座12から大気への放熱が抑制され、便座暖房の消費電力を低減することができる。断熱層は、特に発泡樹脂よりなる場合に、周囲の物体や人体との接触による破損や、汚水等の付着による汚染が起こりやすいが、本暖房便座装置1においては、断熱層15aの表面に樹脂フィルムよりなるラミネート膜15bが一体的に密着していることで、断熱層15aが外部の物体や人体に接触することがなく、断熱層15aの破損や汚染が防止される。
このように、断熱層15aをラミネート膜15bで被覆することで、重量増加を抑制しながら、断熱層15aの保護を図ることができる。板状材料よりなる底板のような別体の部材を設けて断熱層15aを保護する場合には、便蓋13全体の重量が大きくなってしまう。また、底板のような部材を使用しながら重量低減を図ろうとすると、便蓋13の形状が便座12の形状に大きく支配されてしまうため、便蓋13の意匠性に関する自由度が低くなってしまうが、本実施形態にかかる便蓋13においては、断熱層15aを保護する部材の重量にとらわれずに、意匠性について高い自由度をもって便蓋13を設計することができる。断熱層15aを効果的に保護し、便蓋13の重量を十分に抑制する観点から、ラミネート膜15bの厚さとしては、0.1〜1mmを例示することができる。
このような断熱層15aとラミネート層よりなる断熱部15は、例えば、金型による成形を用いて製造することができる。まず、樹脂フィルムを所望される便蓋13の内側表面の形になるように成形し、ラミネート膜15bを形成する。このラミネート膜15bを、所望される断熱部15の形状を有する金型に設置し、溶融等によって流動化させた断熱層15aの材料となる樹脂を、設置したラミネート膜15bの上から金型に流し込む。この後、適宜発泡等させてから、流し込んだ樹脂を固化させることで、断熱層15aを形成すればよい。すると、ラミネート膜15bと断熱層15aの間に、融着等によって強固な接合が達成される。ラミネート膜15bと断熱層15aの間の密着性を高めるため、断熱層15aとなる樹脂を金型に流し込む前に、ラミネート膜15bの表面に、適宜接着プライマー等を塗布しておいてもよい。
断熱部15は、どのようにして蓋本体14に固定されてもかまわないが、上記のように、緩衝部材17を固定可能な取付部材16を用いて固定される場合には、断熱層15aの蓋本体14に対する位置決めおよび固定と、緩衝部材17の蓋本体14に対する固定の両方の機能を、共通の取付部材16が果たす。これにより、便蓋13の構成部品点数を抑制し、便蓋13全体の構成を簡素化できる。緩衝部材17は、便蓋13を閉状態とした時に便座12と接触し、便蓋13を勢いよく閉めた際の衝撃を吸収するなど、便蓋13と便座12との間に緩衝作用を与えるものである。取付部材16の数および位置は、断熱層15aを蓋本体14に安定に固定でき、かつ緩衝作用に必要な緩衝部材17の数と位置に合致するように適宜定めればよく、便蓋13の中心線Cを挟んだ両側に複数個ずつ、対称な位置に形成することが好適である。
断熱部15は、緩衝部材17を取付部材16から外し、さらに取付部材16を蓋本体14の受容部14aから外すことで、容易に蓋本体14から取り外すことができる。これにより、断熱部15と蓋本体14の間の部位などを簡単に清掃することができ、暖房便座装置1の清掃性が高められる。断熱層15aの表面が、平滑な表面を有するラミネート膜15bによって被覆されていることも、暖房便座装置1の清掃性を高めるのに寄与する。
上記のように、断熱部15の形状と緩衝部材17の突出高さを適切に選択することで、便蓋13が緩衝部材17のみで便座12と接触し、断熱部15のラミネート膜15bに被覆された表面は全域にわたって便座12と接触しない構成とすることができる。断熱部15が便座12と接触すると、かえって便座12から断熱部15への熱伝導によって便座12の熱が奪われてしまうが、間に空隙Gが存在することで、このような熱伝導を阻止して、高い断熱性を得ることができる。さらに、断熱部15の表面と便座12との間に形成される空隙Gを略均一とすると、便座12からの放熱の条件が便座12の着座面内で略均一となるので、便座12表面の温度分布を小さくすることができる。これにより、節電効率をさらに高めるとともに、着座した使用者に温度分布による不快感を与えることを防止することができる。空隙Gが小さい方が断熱層15aによる放熱抑制の効果が高められるが、空隙Gが小さすぎると、放熱効率が均一になりにくくなる。そこで、空隙Gは、0.5〜5mmであることが好適であり、1mmであることがさらに好適である。
さらに、断熱部15の形状を、便蓋13を閉状態としたときに着座センサ2の検知範囲Sに入らないように設計することで、着座センサ2が断熱部15を検出して着座者が存在すると認識する誤検知を防止することができる。また、便蓋13を開状態とした時に、断熱部15が着座した使用者の背中に当たらないようにすることで、使用者が快適に暖房便座装置1を使用することができる。使用者の背中の位置Bは、想定される使用者の体格の統計等に基づいて規定すればよい。
断熱部の構成および蓋本体への固定方法としては、上記第一の実施形態として説明したもの以外にも考えられる。例として、本発明の第二の実施形態にかかる暖房便座装置1’の構成を次に示す。なお、以下では、上記第一の実施形態にかかる暖房便座装置1と共通の構成については説明を省略し、構成が異なる点を中心に説明する。
本発明の第二の実施形態にかかる暖房便座装置1’は、図8に示すように、蓋本体24の便座12と対向する側の面に取り付けられる断熱部25が、コア層(断熱層)25aと、コア層25aの少なくとも便座12と対向する側の面を被覆するスキン層(樹脂被覆層)25bの2層構造を有する。コア層25aは、相対的に高い硬度(高い弾性率)と低い熱伝導率を有する断熱性材料よりなり、スキン層25bは、コア層25aよりも低い硬度(低い弾性率)と高い熱伝導率を有する断熱性材料よりなる。断熱部25の便座12と対向する側の面には、スキン層25bが露出している。コア層25aとスキン層25bは、一体に成形され、相互に対して強固に接合している。
コア層25aを形成する断熱性材料としては、硬質発泡樹脂を挙げることができる。発泡倍率は20〜50倍であることが好ましく、熱伝導率は0.03W/m/K以下であることが好ましい。具体的な材料としては、硬質発泡ポリウレタンを挙げることができる。あるいは、コア層25aは、硬質発泡樹脂とスキン層25bを構成する半硬質発泡樹脂が混合された材料よりなってもよい。
スキン層25bを構成する断熱性材料としては、半硬質発泡樹脂を挙げることができる。発泡倍率は1〜30倍、熱伝導率は0.1W/m/K以下であることが好ましい。具体的な材料としては、発泡ポリエチレンや、半硬質発泡ポリウレタンを挙げることができる。
断熱部25を蓋本体24に固定するため、図7(c)に示すように、蓋本体24の内周縁24aには、断面鉤型に内側に突出したリブ部26が複数形成されている。断熱部25は、蓋本体24の内周縁24aと同じかそれよりもわずかに大きい形状に形成されており、図7(a)、(b)に示すように、低硬度のスキン層25bを弾性変形させてリブ部26の内側に嵌め込まれ、蓋本体24に固定されている。
さらに、断熱部25には、便座12と対向する側にスキン層25bを形成する断熱性材料が突出して形成された突起部25cを有する。便蓋13’を閉状態としたときに、断熱部25は突起部25cにおいて便座12表面と接触する。突起部25c以外の断熱部25の表面は、便座12と接触せず、便座12表面との間に空隙Gが形成された状態となる。
本実施形態にかかる暖房便座装置1’においては、上記のように、高い硬度を有するコア層25aの表面が、低い硬度を有するスキン層25bに被覆されている。一般に、高い硬度を有する発泡樹脂の方が、低い硬度を有する発泡樹脂よりも低い熱伝導率を有し、断熱性に優れる。しかし、高い硬度を有する発泡樹脂の方が、他の物体等との接触により、欠け等の損傷を受けやすい。上記断熱部25においては、高い断熱性を有しながらも損傷を受けやすいコア層25aの表面が、断熱性は比較的低いながらも損傷を受けにくいスキン層25bによって被覆されているため、便蓋13’の重量を増加させる底板のような別部材を用いることなく、高い断熱性と、損傷に対する高い耐性を達成することができる。例えば、コア層25aを0.03W/m/Kの熱伝導率を有する硬質発泡ポリウレタンより形成し、スキン層25bを0.04W/m/Kの熱伝導率を有する発泡ポリエチレンより形成すれば、高い耐熱性と損傷に対する耐性を両立することができる。
このように、コア層25aとスキン層25bの2層構造よりなる断熱部25は、以下のようにして形成することができる。具体的には、ウレタンボード等、コア層25aとなる樹脂材料を別成形して、発泡成形機内にセットした後、ウレタン樹脂等、スキン層25aとなる樹脂を流し込み、発泡成形すればよい。あるいは、ウレタンボード等、コア層25aとなる樹脂材料を別成形したものを、発泡ポリエチレンボード等、スキン層25bとなる樹脂層でサンドイッチ状に挟み込み、熱圧コールドプレスで成形すればよい。
硬度が低く、弾性変形させやすいスキン層25bが断熱部25の表面に形成されていることは、スキン層25bを弾性変形させてリブ部26に嵌め込むだけで、断熱部25を蓋本体24に固定することができるという効果ももたらす。本実施形態にかかる断熱部25も、第一の実施形態における断熱部15のように、取付部材16を用いて押圧することで取り付けることも可能ではあるが、このように弾性変形による嵌め込みを利用することで、便蓋13’の構成部材の点数が一層削減されるとともに、断熱部25の蓋本体24への着脱が一層容易となる。これにより、便蓋13’の清掃性が一層向上する。なお、便蓋13’の清掃性は、スキン層25bを構成する低硬度の発泡樹脂が平滑な表面を有することによっても、高められている。
さらに、このように高い弾性を有するスキン層25bによって突起部25cを形成することで、この突起部25cが便蓋13’と便座12との間の緩衝部材として機能する。つまり、第一の実施形態における緩衝部材17のような、緩衝作用を得るための別部材を便蓋13’に取り付ける必要がなくなる。これによって、便蓋13’の構成が一層簡素化される。また、断熱部25がこの突起部25cのみによって便座12と接触し、他の部位と便座12との間に略均一な空隙Gが存在することで、第一の実施形態の場合と同様に、便座12の放熱条件が着座面内で略均一となり、便座12の温度分布が小さくなる。
リブ部26は、断熱部25を安定に蓋本体24に固定できるように、図7(c)のように蓋本体24の中心線C上と、中心線Cを挟んで対称な位置に形成されるのが好ましい。また、突起部25cは、緩衝作用を効果的に発揮し、空隙Gの均一性を高めるために、便蓋13’の前端近傍の中心線C上に形成されるとよい。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
1、1’ 暖房便座装置
2 着座センサ
12 便座
13、13’ 便蓋
14 蓋本体
15 断熱部
15a 断熱層
15b ラミネート層(樹脂被覆層)
15d 凹部
15e 段差部
16 取付部材
17 緩衝部材
24 蓋本体
25 断熱部
25a コア層(断熱層)
25b スキン層(樹脂被覆層)
25c 突起部
26 リブ部
G 空隙

Claims (10)

  1. 暖房可能な便座と、開閉可能に前記便座を被蓋する便蓋とを有し、
    前記便蓋は、蓋本体と、前記蓋本体の前記便座側の面に固定されて露出した断熱部とを有し、
    前記断熱部は、断熱性材料よりなる断熱層と、前記断熱層の前記便座と対向する表面を被覆して前記断熱層と一体的に成形された樹脂被覆層とを有し、
    前記樹脂被覆層は、前記断熱層よりも低い硬度と高い熱伝導率を有する断熱性材料よりなるスキン層であることを特徴とする暖房便座装置。
  2. 前記断熱部は、前記蓋本体に形成された断面鉤型のリブ部に外縁を係止されていることを特徴とする請求項に記載の暖房便座装置。
  3. 前記スキン層の表面に、突起が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の暖房便座装置。
  4. 前記便蓋を閉じて前記便座を被蓋した状態において、前記断熱部の前記突起を除く表面と、前記便座との間に空隙が形成されていることを特徴とする請求項に記載の暖房便座装置。
  5. 前記蓋本体の表面に固定された取付部材と、前記取付部材に固定された弾性材料よりなる緩衝部材とをさらに有し、
    前記断熱部は、前記取付部材に押圧されることで前記蓋本体に固定されていること特徴とする請求項に記載の暖房便座装置。
  6. 前記便蓋を閉じて前記便座を被蓋した状態において、前記断熱部の表面全域と前記便座の間に空隙が形成されていることを特徴とする請求項1または5に記載の暖房便座装置。
  7. 暖房可能な便座と、開閉可能に前記便座を被蓋する便蓋とを有し、
    前記便蓋は、蓋本体と、前記蓋本体の前記便座側の面に固定されて露出した断熱部とを有し、
    前記断熱部は、断熱性材料よりなる断熱層と、前記断熱層の前記便座と対向する表面を被覆して前記断熱層と一体的に成形された樹脂被覆層とを有し、
    前記便蓋を閉じて前記便座を被蓋した状態において、前記断熱部の表面全域と前記便座の間に空隙が形成されていることを特徴とする暖房便座装置。
  8. 前記樹脂被覆層は、前記断熱層を被覆するラミネート膜であることを特徴とする請求項に記載の暖房便座装置。
  9. 前記蓋本体の表面に固定された取付部材と、前記取付部材に固定された弾性材料よりなる緩衝部材とをさらに有し、
    前記断熱部は、前記取付部材に押圧されることで前記蓋本体に固定されていること特徴とする請求項7または8に記載の暖房便座装置。
  10. 前記暖房便座装置は、前記便座に着座した使用者を検知する光学式の着座センサを有し、
    前記断熱部は、前記便蓋を閉じて前記便座を被蓋した状態で前記着座センサに検知されない形状を有することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の暖房便座装置。
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