JP3030801U - 浴槽蓋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 蓋本体の周縁部からエッジプロテクターが容
易に脱離しないようにして耐久性を向上した浴槽蓋を提
供する。 【構成】 合成樹脂発泡体からなる断熱芯板の表裏両面
にアルミ等の金属薄板からなる被覆材を積層して蓋本体
１を構成する。当該蓋本体１の周縁部に、二色押出成形
により内側が硬質合成樹脂６、外側が軟質合成樹脂７の
二層構造からなるエッジプロテクター４を嵌着する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は浴槽の上面を覆って浴槽内の湯温の低下や湯気の放散を防ぐ浴槽蓋の 改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

浴槽の上面を覆う浴槽蓋に関しては、これまでに様々なタイプのものが開発さ れてきているが、その中の一つに平板状をなす蓋本体の周縁部にエッジプロテク ターを嵌め付けて構成した組合せ式の浴槽蓋が知られている。

【０００３】 この組合せ式の浴槽蓋は２枚以上の平板状をなす蓋部材を浴槽上で組み合わせ て使用するものであり、１枚当たりの重量が余りないので、取扱い操作が楽であ ると共に、浴槽の上面に当接するエッジプロテクターが一種の滑り止めの作用を 果たすので比較的安全である等の利点を有する。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

このように、組合せ式の浴槽蓋には幾多の利点があるため現在では盛んに使用 されるようになってきている。 しかしながら、このような利点がある反面、この組合せ式の浴槽蓋によった場 合、蓋本体の周縁部に嵌着したエッジプロテクターが経時的に外れてきて使用に 耐えなくなるという欠点がある。特に、前記したようにエッジプロテクターには 浴槽上面での滑り抵抗を発揮させるという大きな目的があるため、エッジプロテ クターが蓋本体の周縁部から外れてしまっては最早浴槽蓋として機能しなくなる という問題点があるのである。

【０００５】 蓋本体の周縁部からエッジプロテクターが外れる原因については、種々考えら れるが、その内で最も大きな要因と考えられるのは、従来のエッジプロテクター は滑り抵抗を考慮して全体が軟質合成樹脂によってコ字状に一体成形されたもの であるため、経時的に延伸してきて終には蓋本体の周縁部から脱離するものと思 われる。

【０００６】 本考案者らは前記した従来の組合せ式浴槽蓋の欠点を解消すべく鋭意検討した 結果、蓋本体の周縁部に嵌着するエッジプロテクターを二色押出成形によって内 側部分を蓋本体の周縁部に緊着し得る硬質合成樹脂となし、且つ外側を滑り抵抗 を発揮する軟質合成樹脂とすることによって蓋本体の周縁部から容易には脱離し ない構造の浴槽蓋を得るに到り本考案を完成したものである。

【０００７】 したがって、本考案は従来の組合せ式浴槽蓋に伴う不具合点を解消し、蓋本体 の周縁部からエッジプロテクターが容易に脱離しない構造の浴槽蓋を提供するこ とを目的とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するための本考案の構成を詳述すれば、請求項１に係る考案は 、合成樹脂発泡体からなる断熱芯板の表裏両面にアルミ等の金属薄板からなる被 覆材を積層してなる蓋本体の周縁部に、合成樹脂製のエッジプロテクターを嵌着 して構成した浴槽蓋において、前記エッジプロテクターは二色押出成形により蓋 本体の周縁部に当接する内側が硬質合成樹脂、外側が軟質合成樹脂の二層構造か らなっていることを特徴とする浴槽蓋である。

【０００９】 請求項２に係る考案は、合成樹脂発泡体からなる断熱芯板の表裏両面にアルミ 等の金属薄板からなる被覆材を積層してなる蓋本体の周縁部に、合成樹脂製のエ ッジプロテクターを嵌着して構成した浴槽蓋において、蓋本体の周縁部近くの表 裏両面にＶ溝を形成すると共に、このＶ溝に対応する突条を前記エッジプロテク ターの内側に形成した硬質合成樹脂部分に突設し、Ｖ溝内に当該突条を嵌め込ん で相互の嵌着強度を向上させるようにしたことを特徴とする浴槽蓋である。

【００１０】 また、請求項３に係る考案は、合成樹脂発泡体からなる断熱芯板の表裏両面に アルミ等の金属薄板からなる被覆材を積層してなる蓋本体の周縁部に、合成樹脂 製のエッジプロテクターを嵌着して構成した浴槽蓋において、前記エッジプロテ クターは二色押出成形により蓋本体の周縁部に当接する内側が硬質合成樹脂、外 側が軟質合成樹脂の二層構造からなっており、蓋本体の端面に露出している合成 樹脂発泡体からなる断熱芯板と、エッジプロテクターの内側の硬質合成樹脂部分 を当接させ、当該当接箇所を超音波溶着にて接合してなることを特徴とする浴槽 蓋である。

【００１１】 さらに、請求項４に係る考案は、合成樹脂発泡体からなる断熱芯板の表裏両面 にアルミ等の金属薄板からなる被覆材を積層してなる蓋本体の周縁部に、合成樹 脂製のエッジプロテクターを嵌着して構成した浴槽蓋において、前記エッジプロ テクターは二色押出成形により蓋本体の周縁部に当接する内側が硬質合成樹脂、 外側が軟質合成樹脂の二層構造からなっており、当該エッジプロテクターの継ぎ 目部分を超音波溶着にて接合してなることを特徴とする浴槽蓋である。

【００１２】 本考案はこのように、エッジプロテクターの構造が、二色押出成形により内側 が蓋本体の周縁部に緊着し得る硬質合成樹脂、外側が良好な滑り抵抗を発揮する 軟質合成樹脂の二層構造となっているので、蓋本体の周縁部に一旦嵌着すれば、 蓋本体の周縁部にエッジプロテクターの硬質合成樹脂部分が堅固に当接して経時 的にエッジプロテクターが蓋本体の周縁部から脱離してくるという不具合を解消 することができるものである。

【００１３】 また、蓋本体の周縁部近くの表裏両面にＶ溝を形成し、このＶ溝内にエッジプ ロテクターの硬質合成樹脂部分に突設した突条を嵌め込むようにした場合は、エ ッジプロテクターの嵌着強度が向上し、一層脱離し難い構造の浴槽蓋となるもの である。

【００１４】 さらに、蓋本体の端面に露出している合成樹脂発泡体からなる断熱芯板と、エ ッジプロテクターの硬質合成樹脂部分を当接させ、この当接部分を超音波溶着に て接合することもできると共に、エッジプロテクターに硬質合成樹脂部分を含ん でいるため、エッジプロテクターの継ぎ目部分を超音波溶着にて接合することも 可能となるものである。なお、エッジプロテクターを成形する原料樹脂コンパウ ンド中には充填材の一種として比較的高価な防カビ剤を配合するものであるが、 本考案によった場合、外側をなす軟質合成樹脂部分にのみ防カビ剤を配合すれば よいので、その分経済的にも有利となるものである。

【００１５】

【考案の実施の形態】

以下、本考案に係る浴槽蓋の具体的構成を図示の実施例に基づき詳細に説明す る。 図１は蓋本体の周縁部にエッジプロテクターを嵌着した本考案浴槽蓋の一実施 例を示す斜視図、図２は図１のＡ−Ａ線に沿った拡大断面図である。

【００１６】 図中１は蓋本体を示し、当該蓋本体１は合成樹脂発泡体からなる断熱芯板２の 表裏両面にアルミ等の金属薄板からなる被覆材３を積層一体化してなるものであ る。４は蓋本体１の周縁部に嵌着したエッジプロテクターであり、５は当該エッ ジプロテクター４の継ぎ目を示す。

【００１７】 本考案に係るエッジプロテクター４は図２に示すように、二色押出成形によっ て二層構造となっており、蓋本体１の周縁部に当接する内側部分は硬質合成樹脂 ６によって作成されていると共に、浴槽の上面に当接する外側部分は軟質合成樹 脂７によって作成されている。

【００１８】 したがって、エッジプロテクター４をなす内側の硬質合成樹脂６部分が蓋本体 １の周縁部に緊着して従来よりは堅固な取付構造となり、エッジプロテクター４ が蓋本体１の周縁部から脱離し難い構造の浴槽蓋となるものであると共に、浴槽 の上面にはエッジプロテクター４の軟質合成樹脂７部分が当接するので、浴槽上 面において良好な滑り抵抗を示現し、浴槽蓋に横方向の負荷が掛かっても浴槽上 面において滑動するのを防止することができるものである。 なお、防カビ剤は外側の軟質合成樹脂７部分にのみ配合すれば足りるので、そ の分防カビ剤の使用量を節約することができるものである。

【００１９】 また、蓋本体１の周縁部近くの表裏両面にＶ溝８，８を形成し、このＶ溝８， ８に対応する突状９，９を前記エッジプロテクター４の内側に形成した硬質合成 樹脂６部分に突成して、Ｖ溝８，８内に当該突条９，９を嵌め込むことにより相 互の嵌着強度を向上させることもでき、このような構造を採用することによって 一層エッジプロテクター４が脱離し難い浴槽蓋を得ることができるものである。

【００２０】 また、蓋本体１の端面１０に露出している合成樹脂発泡体からなる断熱芯板２ に、エッジプロテクター４の内側に形成した硬質合成樹脂６よりなる突出部１１ を当接させ、当該当接箇所を超音波溶着にて接合することにより、蓋本体１とエ ッジプロテクター４とが一体となった浴槽蓋を得ることができる。

【００２１】 さらに、本考案に係るエッジプロテクター４の内側には硬質合成樹脂６部分を 含んでいるので、エッジプロテクター４の継ぎ目５に振動伝達金具としてのホー ンを押し当て、当該ホーンを介して継ぎ目５に超音波振動を与え、突き合わせ部 を溶着することができ、こうすることによりエッジプロテクター４が継ぎ目５部 分から脱離するのを有効に防止することができるものである。

【００２２】

【考案の効果】

本考案浴槽蓋は以上のように、エッジプロテクターを二色押出成形によって内 側が硬質合成樹脂、外側が軟質合成樹脂の二層構造としたことを最大の特徴とす るものであり、従来の浴槽蓋によっては得られない特有の効果を奏することがで きるものである。すなわち、従来はエッジプロテクターの全体が軟質合成樹脂に よって一体成形されていたため、経時的に蓋本体の周縁部より脱離し易かったが 、本考案によれば、蓋本体の周縁部には硬質合成樹脂部分が当接するので、蓋本 体の周縁部に緊着でき、従来より脱離し難い構造の浴槽蓋を得ることができるも のである。

【００２３】 また、蓋本体の周縁部近くにＶ溝を形成し、このＶ溝内にエッジプロテクター の硬質合成樹脂部分に突成した突条を嵌め込む構造を採用した場合には、エッジ プロテクターは蓋本体の周縁部に緊着でき、一層脱離し難い構造の浴槽蓋となる ものである。

【００２４】 さらに、本考案に係るエッジプロテクターには硬質合成樹脂部分を含んでいる ので、超音波による溶着が可能となり、継ぎ目部分のみならず、蓋本体の断熱芯 板と硬質合成樹脂を溶着することが可能となって蓋本体とエッジプロテクターが 一体となった堅固な構造の浴槽蓋を提供することができるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】蓋本体の周縁部にエッジプロテクターを嵌着し
た本考案浴槽蓋の一実施例を示す斜視図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線に沿った拡大断面図である。

【符号の説明】

１：蓋本体 ２：断熱芯板 ３：被覆材 ４：エッジプロテク
ター ５：継ぎ目 ６：硬質合成樹脂 ７：軟質合成樹脂 ８：Ｖ溝 ９：突条 １０：端面 １１：突出部

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 合成樹脂発泡体からなる断熱芯板の表裏
   両面にアルミ等の金属薄板からなる被覆材を積層してな
   る蓋本体の周縁部に、合成樹脂製のエッジプロテクター
   を嵌着して構成した浴槽蓋において、前記エッジプロテ
   クターは二色押出成形により蓋本体の周縁部に当接する
   内側が硬質合成樹脂、外側が軟質合成樹脂の二層構造か
   らなっていることを特徴とする浴槽蓋。
2. 【請求項２】 合成樹脂発泡体からなる断熱芯板の表裏
   両面にアルミ等の金属薄板からなる被覆材を積層してな
   る蓋本体の周縁部に、合成樹脂製のエッジプロテクター
   を嵌着して構成した浴槽蓋において、蓋本体の周縁部近
   くの表裏両面にＶ溝を形成すると共に、このＶ溝に対応
   する突条を前記エッジプロテクターの内側に形成した硬
   質合成樹脂部分に突設し、Ｖ溝内に当該突条を嵌め込ん
   で相互の嵌着強度を向上させるようにしたことを特徴と
   する浴槽蓋。
3. 【請求項３】 合成樹脂発泡体からなる断熱芯板の表裏
   両面にアルミ等の金属薄板からなる被覆材を積層してな
   る蓋本体の周縁部に、合成樹脂製のエッジプロテクター
   を嵌着して構成した浴槽蓋において、前記エッジプロテ
   クターは二色押出成形により蓋本体の周縁部に当接する
   内側が硬質合成樹脂、外側が軟質合成樹脂の二層構造か
   らなっており、蓋本体の端面に露出している合成樹脂発
   泡体からなる断熱芯板と、エッジプロテクターの内側の
   硬質合成樹脂部分を当接させ、当該当接箇所を超音波溶
   着にて接合してなることを特徴とする浴槽蓋。
4. 【請求項４】 合成樹脂発泡体からなる断熱芯板の表裏
   両面にアルミ等の金属薄板からなる被覆材を積層してな
   る蓋本体の周縁部に、合成樹脂製のエッジプロテクター
   を嵌着して構成した浴槽蓋において、前記エッジプロテ
   クターは二色押出成形により蓋本体の周縁部に当接する
   内側が硬質合成樹脂、外側が軟質合成樹脂の二層構造か
   らなっており、当該エッジプロテクターの継ぎ目部分を
   超音波溶着にて接合してなることを特徴とする浴槽蓋。