JP2016067294A - コンバイン - Google Patents

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Abstract

【課題】湿田での作業時に、エンジンの出力回転体回りの装置等に泥土に起因した不具合が生じることを防止する構成を提供する。
【解決手段】エンジン17の出力軸17aに取り付けられた出力回転体26の径方向外方側を覆う泥跳ね防止用の泥除けカバー70を設けて、大径のフライホイール27の外周部に凹凸を有するリングギア72の回転に伴っての泥土を跳ね上げを防止する。また、出力回転体26が跳ね上げた泥土が排気管47に向けて飛散するのを防止する。
【選択図】図8

Description

本発明は、エンジンが搭載されているコンバインに関する。
コンバインでは、刈取作業状況を確認し易いように、機体前部に運転部が備えられ、その運転部の下側に機体フレームに支持される状態でエンジンが搭載されている。そして、エンジンの機体横外方側はラジエータ等の給気用装置によって覆われ、エンジンの上方側は運転部の床面にて覆われるが、エンジンの機体前方側や機体内方側及び機体後方側は開放される状態となっていた。又、エンジンからの排気を外方に排出するための排気管が、機体下部側に位置する状態で機体後方側に向けて延設されていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2014−97037号公報
コンバインにより刈取作業が行われる圃場は、作物を生育しているときには灌水が行われて水分が存在する湿田圃場である場合も多い。そして、湿田圃場で刈取作業を行う場合に、軟弱で深い泥土層が存在する圃場もある。このような深い泥土層が存在する圃場で作業を行うと、走行装置だけでなく、機体フレームの上方側まで泥土層に埋まる状態で刈取作業を行うことがある。
このように機体フレームの上方側まで泥土層に入り込む状態で刈取作業を行うと、エンジンの出力軸に取り付けられて高速で回転する出力回転体が泥土を跳ね上げることになる。そして、従来では、エンジンの機体前方側や機体後方側は開放される状態となっていたから、跳ね上げられた泥土が機体内方側箇所にまで跳ね飛ばされて付着堆積するおそれがあった。特に、エンジンの周囲には、排ガスを離れた箇所にまで案内する排気管や燃焼用の清浄な空気をエンジンに供給するためのエアークリーナ等が存在することから、跳ね上げられた泥土によってエンジンの作動等に悪影響を与えるおそれがあった。
さらに、従来構成では、排気管が、機体下部側の低い位置に設けられ、機体後方側に向けて開口する状態で排気口が形成されている。このような構成では、上記したように機体フレームの上方側まで泥土層に埋まる状態で刈取作業を行う場合、走行機体を後進走行させたときに、泥土が排気管の排気口に入り込んで管路が詰まってしまうおそれがあった。
そこで、湿田での作業時に泥土に起因した不具合が生じないようにすることが望まれていた。
本発明に係るコンバインの特徴構成は、エンジンの出力軸に取り付けられた出力回転体の径方向外方側を覆うカバーが備えられている点にある。
本発明によれば、例えば、軟弱で深い泥土層が存在する圃場で刈取作業を行う場合に、エンジンが作動して出力軸が高速で回転して、その出力軸に取り付けられた出力回転体が高速で回転して、泥土を跳ね上げることがあっても、出力回転体の径方向外方側を覆うカバーによって跳ね上げられた泥土が径方向外方に飛散することを防止できる。
従って、エンジンの周囲に存在する種々の装置に対して泥土が飛散してエンジンの作動等に悪影響を与えるおそれが少ないものになって、泥土による不具合が生じ難いものとなった。
本発明においては、前記カバーは、前記出力回転体の径方向外方側のうち、前記出力回転体が下側から上側に向けて回転する側を覆う状態で備えられていると好適である。
本構成によれば、出力回転体が回転すると、下側から上側に向けて回転する箇所にて泥土を径方向外方に向けて跳ね上げることになる。そこで、カバーが、出力回転体の径方向外方側のうち下側から上側に向けて回転する側を覆うようにしたから、跳ね上げられる泥土をカバーによって遮って、泥土が径方向外方に飛散することを防止できる。
本発明においては、前記カバーは、前記出力回転体の上部側部分の径方向外方側を覆う状態で備えられていると好適である。
本構成によれば、泥土を掻き上げながら出力回転体が回転すると、回転に伴って、泥土が連回りしながら上部側部分にまで持ち上げられることがある。そこで、カバーが、出力回転体の上部側部分の径方向外方側を覆うようにしたから、上部側部分に持ち上げられて上方外方に飛散しようとした泥土をカバーによって遮って、泥土が径方向外方に飛散することを防止できる。
本発明においては、前記出力回転体の外周部にセルモータが噛み合い作用するリングギアが備えられ、
前記カバーは、前記リングギアの外周回りを覆う状態で備えられていると好適である。
本構成によれば、セルモータが噛み合うリングギアは、小さい動力で回転駆動できるように大径の出力回転体の外周部に備えられる。そして、出力回転体が回転すると、凹凸のあるリングギアによって多くの泥土を跳ね上げるおそれがある。そこで、カバーにより、このようなリングギアの外周回りを覆うようにしたから、泥土が径方向外方に飛散することを有効に防止できる。
本発明においては、前記カバーは、前記エンジンの側壁に支持されていると好適である。
本構成によれば、剛性の高いエンジンの側壁を利用してカバーを安定的に支持することができる。又、側壁とは異なる別部材にてカバーを支持すると、カバーとエンジンの側壁との間に隙間ができ、その隙間を通して泥土が外方に飛散するおそれがある。しかし、カバーを側壁に支持することで、このようなカバーとエンジンの側壁との間からの泥土の飛散を防止できる利点もある。
本発明においては、前記出力回転体が、フライホイールと伝動プーリとを軸芯方向に並ぶ状態で備え、
前記カバーが、前記フライホイールと前記伝動プーリ夫々の径方向外方側を覆う状態で備えられていると好適である。
フライホイールや伝動プーリは夫々、ある程度幅を有するものである。これらによる泥土の跳ね上げは広範囲に及びおそれがある。しかし、本構成によれば、カバーは、フライホイールだけでなく、伝動ベルトが巻回される伝動プーリの径方向外方側も覆うようにしたから、フライホイール及び伝動ベルトの夫々による泥土の広範囲の跳ね上げを遮ることにより、泥土が径方向外方に飛散することを有効に防止できる。
本発明においては、前記出力回転体の径方向外方側箇所に、伝動ベルトに作用して緊張力を付与するテンションローラと、そのテンションローラを揺動自在に支持する支持アームとを備えたベルトテンション式の伝動クラッチが備えられ、
前記伝動クラッチの前記出力回転体側を覆うクラッチ用カバーが備えられていると好適である。
本構成によれば、エンジンの出力軸から被駆動装置に向けての動力伝達を入り切りするためにベルトテンション式の伝動クラッチが備えられる。ベルトテンション式の伝動クラッチは、支持アームを揺動操作してテンションローラが伝動ベルトに作用する緊張力を変更させることで、クラッチ入り切りが行われる。
出力回転体によって跳ね上げられる泥土が伝動クラッチに向けて飛散すると、跳ね上げられた泥土が伝動クラッチの近傍で付着堆積して、例えば、テンションアームの揺動操作を阻害したり、テンションローラの回動が阻害されることで、伝動クラッチの入り切り操作が良好に行えないものとなるおそれがある。
そこで、伝動クラッチの出力回転体側をクラッチ用カバーにて覆うようにしている。このことにより、出力回転体によって跳ね上げられる泥土が伝動クラッチに向けて飛散することが回避される。従って、伝動クラッチの入り切り操作を良好に行える状態を維持することが可能となる。
本発明に係るコンバインの特徴構成は、走行機体の前部側に設けられたエンジンと、前記エンジンからの排気を排出する排気管とが備えられ、
前記排気管は、機体下部側に位置する状態で機体後方側に向けて延設され、
前記排気管の機体後方側箇所のうち平面視で前記排気管に排気口の横幅範囲を含む領域に、泥除け部材が備えられ、
前記泥除け部材は、下端部が前記排気管の下端部よりも下方側に位置する状態で備えられている点にある。
本構成によれば、エンジンからの排気は、機体下部側に位置する状態で機体後方側に向けて延設された排気管を通して機体後方下方側に排出される。このような構成であれば、例えば、軟弱で深い泥土層が存在する圃場で刈取作業するとき、特に、機体を後進走行させると、後進走行に伴って、排気管の後端の排気口から泥土が侵入して排気管の内部を閉塞してしまうおそれがある。
そこで、排気管の機体後方側箇所に泥除け部材を備えている。この泥除け部材は、平面視で排気管の排気口の横幅範囲を含む横方向に幅広に設けられ、しかも、泥除け部材の下端部が排気管の下端部よりも下方側に位置している。
その結果、機体を後進走行させるときに、泥除け部材によって圃場内の泥土が、排気管の排気口の横幅よりも広い横幅にわたって、排気管の下端部よりも下方側に向けて押し退けながら進行することになる。尚、前進走行の際には、排気管の排気口が後方に向けて開口しているから、泥土が排気管の内部に侵入して排気管の内部を閉塞することはない。
従って、泥土が排気管の後端の排気口から内部に侵入することを回避させることが可能となる。
コンバインの全体側面図である。 コンバインの全体平面図である。 伝動系統図である。 出力回転体の一部切欠き平面図である。 噛み合い連動状態の噛み合い連動部を示す正面図である。 分離状態の噛み合い連動部を示す正面図である。 噛み合い連動部の縦断正面図である。 原動部の側面図である。 (a)は、泥除け部材の取り付け状態を示す側面図、(b)は、泥除け部材の取り付け状態を示す斜視図である。 泥除けカバー配設部の斜視図である。 泥除けカバー配設部の背面図である。 クラッチ用カバー配設部の側面図である。 クラッチ用カバー配設部の斜視図である。
以下、本発明の実施形態を自脱型コンバインに適用した場合について図面に基づいて説明する。
〔全体構成〕
図1,2に本発明に係る自脱型コンバインを示している。このコンバインは、クローラ式の走行装置1と、走行装置1によって支持される機体フレーム2とを備えている。機体フレーム2の前部には、植立穀稈を刈り取る昇降可能な刈取部3が備えられている。機体フレーム2の後部には、刈取穀稈を脱穀する脱穀装置4と穀粒を貯留するグレンタンク5とが、左右方向に並べて配置されている。機体フレーム2の前部であってグレンタンク5の前方には、運転者が搭乗する運転部6がキャビン7にて覆われる状態で備えられている。運転部6の下方には原動部8が備えられている。又、グレンタンク5内の穀粒を排出するアンローダ9が備えられている。
刈取部3は、左右向きの揺動軸心周りで揺動可能に機体フレーム2に支持されている。刈取部3は、植立穀稈を引き起こす引起装置10と、引き起した穀稈を刈り取る刈取装置11と、刈取穀稈を脱穀装置4に搬送する搬送装置12とを備えている。
図1に示すように、グレンタンク5の底部には貯留している穀粒を後方側外方に送り出す底スクリュー13が備えられている。底スクリュー13にてグレンタンク5の下部から外方に送り出された穀粒をアンローダ9により機体外部に排出するように構成されている。アンローダ9は、周知構造のスクリュー式搬送装置であり、グレンタンク5の下部に備えられた底スクリュー13により横向きに外方に送り出された穀粒を上方に向けて搬送する縦スクリューコンベア14と、縦スクリューコンベア14の搬送終端部から水平方向に穀粒を搬送して先端部に形成された排出口15から穀粒を外部に排出する横スクリューコンベア16とを備えている。
そして、支持構造について詳述はしないが、グレンタンク5は、機体内方に引退して穀粒を貯留する作用姿勢と、機体外方に張り出すメンテナンス姿勢とにわたり、縦スクリューコンベア14の中心軸に対応する上下軸芯Y周りで揺動自在に支持されている。又、図5,6に示すように、グレンタンク5を作用姿勢にて位置保持自在で且つ手動操作にて保持状態を解除自在な弾性係合式のロック機構Rが、機体内方上部側箇所及び下部外方側箇所に夫々備えられている。
〔伝動構造〕
原動部8には、ディーゼル式のエンジン17が備えられ、エンジン17の動力が各部に伝達されて、機体を走行させながら刈取作業を行うことができるように構成されている。すなわち、図3に示すように、エンジン17の動力が、エンジン17の出力軸17aからベルトテンション式の脱穀クラッチ18(伝動クラッチの一例)を介して脱穀装置4に伝達される。又、エンジン17の出力軸17aからベルト伝動機構19を介して静油圧式の無段変速装置(HST)20に動力が伝達される。無段変速装置20の変速後の出力が、走行ミッション21を介して左右の走行装置1に伝達される一方、ベルトテンション式の刈取クラッチ22を介して刈取部3に伝達される。さらに、エンジン17の動力は、出力軸17aからベルト伝動機構23、横向き伝動軸24及びベベルギア機構25を介して、底スクリュー13及びアンローダ9に動力が伝達される。これにより、底スクリュー13によりグレンタンク5内の穀粒をアンローダ9に向けて排出し、アンローダ9により機体外部に排出することができる。
図4に示すように、エンジン17の出力軸17aに取り付けられる出力回転体26は、フライホイール27と動力伝達用の伝動プーリ28とを軸芯方向に並ぶ状態で一体的に備えている。伝動プーリ28は、脱穀装置用の伝動ベルト29、走行駆動用の伝動ベルト30、アンローダ駆動用の伝動ベルト31の夫々を巻回する複数のベルト巻回部32が一連に連なる状態で一体的に形成されている。
伝動プーリ28は、大径フランジ部33をフライホイール27に対して複数のボルト34により軸芯方向に沿って締結して一体的に回転自在に連結されている。大径フランジ部33の軸芯方向の厚みを大にして、ボルト頭部34aが入り込む凹部35が形成されている。これにより、複数のボルト34は、そのボルト頭部34aが伝動プーリ28の側面28Aから外方に突出せず、アンローダ駆動用の伝動ベルト31にボルト頭部34aが接当して伝動ベルト31が摩耗することを回避できる。
次に、エンジン17の出力軸17aから底スクリュー13への伝動機構中に備えられる断続機構36について説明する。図3に示すように、断続機構36は、横向き伝動軸24の途中に設けられ、駆動側部分と従動側部分との間に、爪部同士が噛み合い連動して動力伝達する状態と、爪部の噛み合いが外れて動力伝達を遮断する状態とに切り換え自在な噛み合い連動部37(図5,6,7参照)が形成されている。
この噛み合い連動部37は、グレンタンク5を作用姿勢からメンテナンス姿勢に向けて外方に揺動させると、それに伴って分離して動力が遮断され、メンテナンス姿勢から作用姿勢に向けて内方側に揺動させると、それに伴って自動的に噛み合い連動する状態となるように構成されている。
すなわち、図5,6,7に示すように、噛み合い連動部37の駆動側部分は、ベルト伝動機構23における従動側プーリ38と一体回動する筒軸部39と、その筒軸部39に対して軸芯方向に沿って相対移動自在にスプライン嵌合する内側軸部40とからなり、内側軸部40の一端部に噛み合い連動部37の機体側噛み合い部37Aが備えられている。
内側軸部40は、それに外挿されたスプリング41により噛み合い連動部37の機体側噛み合い部37Aがタンク側噛み合い部37Bに噛み合う方向に弾性付勢され、他端部に備えられた保持具42により位置保持されている。図6に示すように、グレンタンク5がメンテナンス姿勢から作用姿勢に向けて内方側に姿勢変更すると、タンク側噛み合い部37Bが機体側噛み合い部37Aと接当して噛み合う状態となる。そのとき、両側噛み合い部37A,37Bの先端同士が突き合い状態となって噛み合わないときは、機体側噛み合い部37Aの回転に伴って、内側軸部40をスプリング41の付勢力に抗して押し操作することで、スプリング41の付勢力により自動で、機体側噛み合い部37Aとタンク側噛み合い部37Bとが噛み合う状態となる(図5参照)。
そして、図7に示すように、スプリング41の径方向外方側を覆う状態で蛇腹式のグリスカバー43が備えられ、このグリスカバー43の内部にグリス溜まり44が形成されている。グリスカバー43の軸芯方向両側端部には、スプリング41と受止め部材45との間に挟み込む状態で支持される支持部43aが形成されている。このようにしてスプリング41の付勢力により押圧支持してグリスが漏れないようにしている。
グリスカバー43の内部にグリスを貯留しておくことで、グリスが飛び散ることなく長持ちして、内側軸部40のスライド操作を長期にわたり円滑に行えるようにしている。グリスカバー43は、スプリング41の径方向外方側に限らず、スプリング41よりも径方向内方側に設けるようにしてもよい。
〔エンジンの排気構造〕
エンジン17の排気構造について説明する
図8に示すように、エンジン17の排気に含まれる粒子状物質を捕集するディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)にて構成される排気処理装置46が備えられている。排気処理装置46は、その長手方向が前後方向となる姿勢で、エンジン17の上部に支持されている。排気処理装置46の前端下部には、エンジン17からの排気が流入する流入口46aが設けられている。流入口46aには、エンジン17の排気を排出する排出口17bが連通接続されている。排気処理装置46の後端左側部には、排気処理装置46による処理後の排気が流出する流出口46bが設けられている。流出口46bには、排気管47が連通接続されている。
図9に示すように、排気管47は、機体横幅方向の略中央に位置し、且つ、エンジン17の後方側から機体下部側に位置する状態で機体後方側に向けて延設されている。説明を加えると、排気管47は、排気上流側(排気処理装置46側)から順に、テールパイプ48と、第一管部材49と、第二管部材50と、第三管部材51とを備えている。テールパイプ48、第一管部材49、第二管部材50、第三管部材51の順に径が大きくなるように構成されている。排気管47の外周には、排気管47内に外気を導入する第一外気導入口52、第二外気導入口53及び第三外気導入口54が形成されている。
テールパイプ48は、排気処理装置46の流出口46bから左方側へ略水平な直線状に延出されたのち、右方側及び後方側へ湾曲しながら下方側へ延出されている。第一管部材49は、テールパイプ48の排気下流側の端部から下方側へ略垂直な直線状に延出されている。第一管部材49の排気上流側の端部には、排気上流側ほど径が大きくなる拡径部49aが形成されている。この拡径部49aは、テールパイプ48の排気下流側の端部に径方向で間隔をあけて外嵌されており、その隙間によって、第一外気導入口52が構成されている。
第二管部材50は、第一管部材49の排気下流側の端部から、排気下流側ほど下方側に位置するように後方側へ湾曲しながら下方側へ延出されている。第二管部材50の排気上流側の端部は、第一管部材49の排気下流側の端部に径方向で間隔をあけて外嵌されており、それらの隙間によって第二外気導入口53が構成されている。第二管部材50は、ブラケット55を介して機体フレーム2に支持されている。
第三管部材51は、第二管部材50の排気下流側の端部から、排気下流側ほど下方側に位置するように後方側へ直線状に延出されている。第三管部材51の排気上流側の端部は、第二管部材50の排気下流側の端部に径方向で間隔をあけて外嵌されており、その隙間によって第三外気導入口54が構成されている。
第三管部材51は、下方に開口する略台形状の上部体56と、上方に開口する略矩形状の下部体57とが、接合されて断面形状が略六角形の角管によって構成されている。第三管部材51は、ブラケット58を介して機体フレーム2に支持されている。第三管部材51の排気下流側の端部のうち上部には、第三管部材51から排出される排気を下方側に案内する風向板59が取り付けられている。
〔泥除け部材〕
排気管47の機体後方側箇所のうち平面視で排気管47の排気口60の横幅範囲を含む領域に、泥除け部材61が備えられている。説明を加えると、図9(a)に示すように、排気管47は、平面視で、機体フレーム2における機体前後方向に延びる左右一対の主フレーム体2A、2Bの略左右中央位置に備えられる。又、排気管47は、側面視で機体フレーム2と略重複する状態で後方に向けて延設されている。
図9(b)に示すように、排気管47の機体後方側箇所において、左右一対の主フレーム体2A,2B同士にわたって横方向に延びる状態で泥除け部材61が備えられている。泥除け部材61は、帯板状の部材にて構成され、その左右両側部を略L字状に曲げて取り付け部61aが形成されている。左右両側の主フレーム体2A,2Bの横方向内方側の側面に略U字形のブラケット62が固定されており、泥除け部材61の左右両側の取り付け部61aが、左右のブラケット62に夫々ボルト連結することにより固定されている。
図9(a)に示すように、泥除け部材61は、下端部が排気管47の下端部よりも下方に位置する状態で備えられている。このような泥除け部材61を設けることで、泥土が多い圃場で機体を後進走行させても、排気管47の排気口60から泥土が侵入することを防止できる。尚、泥除け部材61は、側面視において、下方側ほど機体後部側に位置するように少し斜め姿勢で備えられている。このように構成することで、前進走行時に泥土が泥除け部材61の上側に堆積するおそれが少ない。
図9(a)に示すように、泥除け部材61は、排気管47の後端の風向板59の案内面の仮想延長線Lよりも上方側に位置する状態で備えられている。このように構成することで、乾いた路面を走行するような場合に、排気管47から排出される排ガスが、泥除け部材61により受止められて上方側に舞い上がることなく下方後方側に案内されて大気中に良好に放散させることができる。
〔泥跳ね防止用のカバー〕
エンジン17の出力軸17aに取り付けられた出力回転体26の径方向外方側を覆う泥跳ね防止用の泥除けカバー70が備えられている。
上述したように、エンジン17の出力軸17aに取り付けられる出力回転体26は、フライホイール27と動力伝達用の伝動プーリ28とを軸芯方向に並ぶ状態で一体的に備えている。そして、図8に示すように、この出力回転体26の後方側の近傍位置に排気管47が備えられている。
出力回転体26におけるフライホイール27の外周部には、セルモータ71が噛み合い作用するリングギア72が備えられている。このように大径のフライホイール27の外周部に凹凸を有するリングギア72が備えられるので、回転に伴って泥土を跳ね上げるおそれが大となる。
出力回転体26によって泥土を跳ね上げると、排気管47に形成された複数の外気導入口52〜54、特に、第一外気導入口52及び第二外気導入口53に向けて飛散すると、泥土によってこれらの外気導入口52,53を塞いでしまうおそれがある。
そこで、出力回転体26が跳ね上げた泥土が排気管47に向けて飛散するのを防止するための泥除けカバー70を備えている。図8に示すように、泥除けカバー70は、出力回転体26の径方向外方側のうち、出力回転体26が下側から上側に向けて回転する側、及び、出力回転体26の上部側部分の径方向外方側の夫々を覆う状態で備えられている。
図10,11に示すように、泥除けカバー70は、長尺の略帯板状の板体にて形成され、出力回転体26の外方を覆うように板面を回転軸芯方向に沿う状態で出力回転体26の周方向に沿って延びる状態で備えられている。そして、リングギア72が備えられるフライホイール27の外方側に対応する部分は、フライホイール27の下端位置よりも少し回転方向下手側の外方箇所から、フライホイール27の上端位置の外方箇所に至るまで、周方向に沿って延びる状態で備えられている。又、伝動プーリ28が備えられる箇所は、出力回転体26が下側から上側に向けて回転する側を覆う状態で幅広に形成されている。泥除けカバー70における伝動プーリ28が備えられる箇所の上部側部分には、アンローダ用の伝動ベルト31が通過するための切欠が形成されている。
図8に示すように、泥除けカバー70は、エンジン17の側壁17cに支持されている。泥除けカバー70は、上部側箇所と下部側箇所の2箇所において、エンジン17の側壁17cに沿うようにL字形に折り曲げて取り付け部70aが形成されている。その取り付け部70aをエンジン17の側壁17cにボルト連結することにより固定している。
〔クラッチ用カバー〕
図10,12,13に示すように、脱穀クラッチ18の出力回転体26側を覆うクラッチ用カバー73が備えられている。このクラッチ用カバー73は、出力回転体26によって跳ね上げられた泥土が堆積することによって、脱穀クラッチ18の切り換え操作に悪影響を与えることがないように、泥土がクラッチ操作領域に堆積することを回避させるものである。
図10,12に示すように、脱穀クラッチ18は、伝動プーリ28と機体後部側に備えられた従動プーリ74とにわたって巻回された伝動ベルト29と、その伝動ベルト29の巻回途中において外周側から押圧作用して伝動ベルト29に作用して緊張力を付与するテンションローラ75と、そのテンションローラ75を揺動自在に支持する支持アーム76とを備えて、ベルトテンション式の伝動クラッチとして構成されている。
運転部6に備えられた脱穀クラッチレバー77(図2参照)をクラッチ入り側に操作することで、テンションローラ75が緊張力を付与する側に支持アーム76を揺動操作するように、脱穀クラッチレバー77と支持アーム76とが連動連結されている。
図12に示すように、テンションローラ75は、伝動ベルト29の下側回動領域に作用する状態で、且つ、支持アーム76の揺動に伴って上下方向に移動する状態で備えられている。又、このテンションローラ75の昇降操作領域の下方側には、角筒状のエンジン支持フレーム体2Cが備えられている。図11に示すように、エンジン17は、このエンジン支持フレーム体2Cに振動吸収用のゴムマウント78を介して載置支持されている。
図12,13に示すように、エンジン支持フレーム体2Cとテンションローラ75との間に、飛散した泥土がエンジン支持フレーム体2Cの上部に堆積するのを防止するクラッチ用カバー73が備えられている。クラッチ用カバー73は、機体横方向に延びるエンジン支持フレーム体2Cの上方側に位置している。クラッチ用カバー73は、機体後方側ほど下方に位置する前後傾斜姿勢の下側案内面73aと、その下側案内面73aの前部側に連なり、下側案内面73aよりも傾斜角が大きい前後傾斜姿勢の前部側案内面73bと、下側案内面73aの右側(出力回転側が臨む側)に連なり、縦向き姿勢で前後方向に延びる横側案内面73cとを一体的に備えている。
そして、クラッチ用カバー73の前部側に固定された支持体79が、エンジン支持フレーム体2Cに連結されて前後方向に延びる前後フレーム体2Dに固定のブラケット80に連結されている。又、クラッチ用カバー73の後部側に固定された支持体81が、エンジン支持フレーム体2Cに固定のブラケット82に連結されている。
このような構成のクラッチ用カバー73は、横側案内面73cによって、出力回転体26からのエンジン支持フレーム体2C上への泥土の飛散を防ぎ、下側案内面73aと前部側案内面73bとによって、飛散してくる泥土を傾斜面に沿って下方に落下案内する。従って、クラッチ用カバー73によって、エンジン支持フレーム体2C上に泥土が堆積することを回避して、テンションローラ75の上下揺動操作を長期にわたり円滑に行うことができる。
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、泥除けカバー70が、出力回転体26の径方向外方側のうち、出力回転体26が下側から上側に向けて回転する側、及び、出力回転体26の上部側部分の径方向外方側の夫々を覆う状態で備えられるものを示したが、このような構成に代えて、泥除けカバー70が、出力回転体26の径方向外方側のうち、出力回転体26が下側から上側に向けて回転する側だけを覆う構成としてもよく、又、泥除けカバー70が、出力回転体26の径方向外方側のうち、出力回転体26の上部側部分の径方向外方側だけを覆う構成としてもよい。
(2)上記実施形態では、出力回転体26が、フライホイール27と伝動プーリ28とを軸芯方向に並ぶ状態で備える構成としたが、この構成に代えて、出力回転体26がフライホイール27だけを備える構成や、出力回転体26が伝動プーリ28だけを備える構成としてもよい。
(3)上記実施形態では、泥除けカバー70がエンジン17の側壁17cに支持される構成としたが、泥除けカバー70は、専用の支持部材によって機体フレームに支持する構成としてもよい。
(4)上記実施形態では、クラッチ用カバー73がベルトテンション式の伝動クラッチとして脱穀クラッチ18の出力回転体26側を覆う構成としたが、伝動クラッチとしては、脱穀クラッチに限らず、走行伝動系、刈取駆動系、その他の伝動機構に備えられる伝動クラッチを用いるようにしてもよい。又、このようなクラッチ用カバーを備えない構成としてもよい。クラッチ用カバーは、クラッチの揺動方向や周囲の他部材との関係により、適宜、取り付け位置や取り付け構造を変更するとよい。
(5)上記実施形態では、排気管47の機体後方側箇所に泥除け部材61が備えられる構成としたが、このような泥除け部材61を備えない構成としてもよい。
(6)上記実施形態では、自脱型コンバインに適用したものを示したが、普通型コンバインにも本発明は適用できる。
本発明は、エンジンが搭載されているコンバインに適用できる。
17 エンジン
17a 出力軸
17c 側壁
18 伝動クラッチ(脱穀クラッチ)
26 出力回転体
27 フライホイール
28 伝動プーリ
47 排気管
60 排気口
61 泥除け部材
70 カバー
71 セルモータ
72 リングギア
75 テンションローラ
76 支持アーム

Claims (8)

  1. エンジンの出力軸に取り付けられた出力回転体の径方向外方側を覆うカバーが備えられているコンバイン。
  2. 前記カバーは、前記出力回転体の径方向外方側のうち、前記出力回転体が下側から上側に向けて回転する側を覆う状態で備えられている請求項1記載のコンバイン。
  3. 前記カバーは、前記出力回転体の上部側部分の径方向外方側を覆う状態で備えられている請求項1又は2記載のコンバイン。
  4. 前記出力回転体の外周部にセルモータが噛み合い作用するリングギアが備えられ、
    前記カバーは、前記リングギアの外周回りを覆う状態で備えられている請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンバイン。
  5. 前記カバーは、前記エンジンの側壁に支持されている請求項1〜4のいずれか1項に記載のコンバイン。
  6. 前記出力回転体が、フライホイールと伝動プーリとを軸芯方向に並ぶ状態で備え、
    前記カバーが、前記フライホイールと前記伝動プーリ夫々の径方向外方側を覆う状態で備えられている請求項1〜5のいずれか1項に記載のコンバイン。
  7. 前記出力回転体の径方向外方側箇所に、伝動ベルトに作用して緊張力を付与するテンションローラと、そのテンションローラを揺動自在に支持する支持アームとを備えたベルトテンション式の伝動クラッチが備えられ、
    前記伝動クラッチの前記出力回転体側を覆うクラッチ用カバーが備えられている請求項1〜6のいずれか1項に記載のコンバイン。
  8. 走行機体の前部側に設けられたエンジンと、前記エンジンからの排気を排出する排気管とが備えられ、
    前記排気管は、機体下部側に位置する状態で機体後方側に向けて延設され、
    前記排気管の機体後方側箇所のうち平面視で前記排気管の排気口の横幅範囲を含む領域に、泥除け部材が備えられ、
    前記泥除け部材は、下端部が前記排気管の下端部よりも下方側に位置する状態で備えられているコンバイン。
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