JP4908705B2 - コンバイン - Google Patents

コンバイン Download PDF

Info

Publication number
JP4908705B2
JP4908705B2 JP2001300855A JP2001300855A JP4908705B2 JP 4908705 B2 JP4908705 B2 JP 4908705B2 JP 2001300855 A JP2001300855 A JP 2001300855A JP 2001300855 A JP2001300855 A JP 2001300855A JP 4908705 B2 JP4908705 B2 JP 4908705B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cutting
shaft
power
input
gear
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2001300855A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003102241A (ja
Inventor
茂實 日高
浩二 森山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yanmar Co Ltd
Original Assignee
Yanmar Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yanmar Co Ltd filed Critical Yanmar Co Ltd
Priority to JP2001300855A priority Critical patent/JP4908705B2/ja
Publication of JP2003102241A publication Critical patent/JP2003102241A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4908705B2 publication Critical patent/JP4908705B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Harvester Elements (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、刈取部の脱着やサイドオープンが容易なコンバイン、特に、そのための刈取部への動力伝達構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、コンバインでは、クローラ式走行装置上には機体フレームが載置され、該機体フレーム前端には刈取部が配設され、該刈取部は前端に分草板を突出して穀稈を分草し、その後部に引起しケースを立設して該引起しケースより突出したタインの回転により穀稈を引き起こし、前記分草板後部に配設した刈刃にて株元を刈り取るようにしている。この切り取られた穀稈は、上部搬送装置、下部搬送装置、縦搬送装置にて後部へ搬送され、該縦搬送装置の上端から株元が本機側のフィードチェーンに受け継がれ、脱穀部内に穀稈が搬送される。そして、これらタイン、刈刃及び各穀稈搬送装置などを駆動する動力は、機体の左右幅略中央から、ベルトやチェーンなどから成る動力の伝達経路(以下「伝達ライン」とする)を介して刈取入力軸に入力するようにしている。一方、機体フレーム前部に回動支点部を設け、該回動支点部に枢支された刈取フレーム上に刈取部を載置支持するようにしており、ミッションケース廻りや刈取部などの点検・整備を行う際に、容易に刈取部を脱着、あるいは左右いずれか一側に回動してサイドオープンできるようにしている。また、走行用と旋回用から成るHST式無段変速装置を付設したミッションケースと、該ミッションケースやエンジンからの動力を変速・制御して各処理系に伝達するカウンターケースを配設し、該カウンターケースを介して前記刈取入力軸に動力を入力するようにしている。そして、該刈取入力軸への動力の回転方向については、前記タイン、刈刃及び各穀稈搬送装置などの逆転駆動によるトラブルを回避するため一方向に規制する必要があり、ワンウェイクラッチを設けている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記刈取入力軸への動力の入力が機体の左右幅略中央で行われる状態では、刈取部が回動中にベルトやチェーンによる干渉を受けるため、刈取部の脱着やサイドオープンが難しくなり、また、伝達ライン自体にも近づき難くメンテナンス性が悪い、という問題があった。また、エンジンやミッションケースからカウンターケースまでの伝達ラインについても、該伝達ラインを回動支点部内に設けると、刈取部の脱着やサイドオープンが難しくなったり、ベルトやチェーン自体も着脱しにくくなる、という問題があった。そして、前記ワンウェイクラッチは、伝達ライン前後のプーリや歯車などの動力伝達具に内蔵されていたため、機体後進時の動力切断状態でクラッチ爪同士が激しく摺動・衝突を繰り返した場合、動力伝達具に破損や嵌合不良などの不具合を引き起こし、耐久性を低下させる、という問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
請求項1においては、機体前方に刈取部(22)を配置し、該刈取部(22)を左右いずれか一側に回動可能な回動支点部(70)を設けたコンバインにおいて、前記刈取部(22)を駆動する刈取入力軸(72)への動力は、中間伝達機構(77)を介して、前記回動する側の左右一側と同じ側から入力し、前記回動支点部(70)を挟んで、走行用HST(37)と旋回用HST(38)から成るHST式無段変速装置を付設したミッションケース(36)と、該ミッションケース(36)やエンジン(35)からの動力を変速・制御して各処理系に伝達するカウンターケース(64)とを前後に配設し、該カウンターケース(64)内へ走行速度に同調した動力を入力する車速同調入力軸(75)と、前記走行用HST(37)のモータ軸とを連結連動する同調動力伝達経路(157)を設け、該同調動力伝達経路(157)は、前記回動支点部(70)に対し、前記一側と反対側に設けるものである。
請求項2においては、請求項1記載のコンバインにおいて、前記カウンターケース(64)内には、前記刈取入力軸(72)へ伝達する動力の回転を一方向に規制するワンウェイクラッチ(159)を設けるものである。
請求項3においては、請求項1記載のコンバインにおいて、前記中間伝達機構(77)の回動支点部(70)の後下方に、前記カウンターケース(64)から突出する刈取出力軸(92)を配置し、該刈取出力軸(92)から回動支点部(70)までの刈取動力伝達経路(217)は、前記回動支点部(70)に対して、前記回動する側の左右一側と同じ側に設けたものである。
請求項4においては、請求項記載のコンバインにおいて、前記回動支点部(70)に枢支される回動体(158)には、中間ギア(207)を固設した入力軸(205)を枢設し、該入力軸(205)の前記一側への延出端には、入力プーリ(204)を固設し、該入力プーリ(204)は、前記刈取出力軸(92)上の出力プーリ(96)とベルト(206)により連結連動すると共に、前記中間ギア(207)には、刈取入力軸(72)上の入力ギア(208)を着脱可能に噛合するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
図1はコンバインの全体左側面図、図2は同じく平面図、図3は同じく右側面図、図4は同じく正面図、図5は動力伝達構成概要を示すスケルトン図、図6は機体前部の正面図、図7は同じく側面図、図8は同じく平面図、図9はカウンターケースの左側面図、図10は同じく右側面図、図11は同じく正面図、図12は同じく平面断面図、図13はカウンターケースの各クラッチ機構を示す平面断面図、図14は爪クラッチの側面断面図、図15は同じく平面図、図16はクラッチギアの側面断面図、図17は同じく平面図、図18はエンジンから各処理系への動力伝達構成を示すスケルトン図、図19は通常の直進刈取作業時の動力伝達経路を示す模式図、図20は切り返し時の動力伝達経路を示す模式図、図21は高速走行時の動力伝達経路を示す模式図、図22はHST補助時の動力伝達経路を示す模式図、図23は中間伝達機構を示す平面図、図24は回動体の側面図、図25は同じく背面断面図、図26は同じく刈取入力ギアの背面断面図である。
【0006】
初めに、本発明に係わるコンバインの全体構成について、図1乃至図4により説明する。コンバインは、トラックフレーム1の左右にクローラ式走行装置18L・18Rを支持した構成であり、19L・19Rは、前記トラックフレーム1に架設する左右の機体フレーム、20は、フィードチェーン23等を左側に張架して扱胴21及び処理胴を内蔵する脱穀部、71は、該脱穀部20の下方に位置し、脱穀された穀粒を選別する選別装置、29は、該選別装置71により選別された穀粒を揚穀筒30を介して搬入する穀粒タンク、17は、該穀粒タンク29の穀粒を機外に搬出する排出オーガであり、27は、排藁チェーン28の終端を臨ませる排藁処理部である。
【0007】
22は、刈刃24や穀稈搬送機構等を備える刈取部、34は、該刈取部22後方で、丸型の操向ハンドル32や運転席33を配置したキャビン、70は、該キャビン34側方の左機体フレーム19L前部上で、前記刈取部22を上下又は左右に回動自在に支持する回動支持部、25は、該回動支持部70上の刈取部22を、刈取フレーム26を介して昇降させる油圧シリンダである。
【0008】
前記キャビン34の下方で前記右機体フレーム19Rの前部には、エンジン35、該エンジン35冷却用のラジエータ102などからなる空冷装置2、及びミッションケース36が配置され、エンジン35からの動力により、クローラ式走行装置18L・18Rを駆動して走行すると共に、穀稈をコンバインの前方から連続的に刈取って脱穀するように構成している。
【0009】
次に、前記エンジン35から各処理系への動力伝達構成の概要について、図5乃至図7により説明する。エンジン35には、図示せぬピストンの往復運動を回転運動に換えるクランク軸51が機体前後方向に延設され、該クランク軸51前端を出力軸82として該出力軸82には自在継手付きドライブシャフト63の後端が固設されている。そして、該自在継手付きドライブシャフト63の前端には、入力軸78が連結され、該入力軸78は、前記ミッションケース36上部に付設された入力ケース79より突出されている。
【0010】
該入力ケース79の左側面には、静油圧式無段変速装置(以下「HST」とする)を収納するHSTケース118が設けられ、該HSTケース118内には、前方から順に旋回用HST38、直進用HST37が配設され、該直進用HST37からは、直進用HST37の出力軸である直進モータ軸114に連結した直進駆動軸81が、左側方に突設されており、入力軸78に伝達された回転力を、直進用HST37内で正逆の回転方向と回転数増減の制御を行った後、ミッションケース36内に伝達する一方、直進駆動軸81からも出力できるようにしている。
【0011】
また、前記エンジン35の左側方には、各処理系へ適正速度を分配可能なカウンターケース64が配設され、該カウンターケース64からは、入力軸75・76や出力軸91・92・93・94が突設されている。
【0012】
このうちの車速同調入力軸75には、車速同調用入力プーリ66が固設され、該車速同調用入力プーリ66は、ベルト61を介して、前記直進駆動軸81上の直進駆動プーリ80に連結されて、直進用HST37からの走行回転を、カウンターケース64内に伝達することができる。
【0013】
前記直接入力軸76には、直接入力プーリ67が固設され、該直接入力プーリ67には、前記クランク軸51後端に形成した出力軸83上のプーリ65がベルト73を介して連結されると共に、該ベルト73には脱穀クラッチ52が設けられている。前記出力軸83上にはプーリ68も固設され、該プーリ68は、ベルト69を介して、前記穀粒タンク29下部に軸装された下部コンベア85のコンベア軸85aに連結連動されると共に、ベルト69には穀粒排出クラッチ84を設けており、該穀粒排出クラッチ84の入切で、穀粒排出操作を行えるようにしている。
【0014】
前記脱穀出力軸91については、出力プーリ95→ベルト103→プーリ104・105・106→変速ギア107・108・109を介して、扱胴軸21aに連結されており、このうちのベルト103に当接させたテンションプーリ110により、脱穀出力軸91から扱胴21への動力を断接可能としている。
【0015】
前記刈取出力軸92には、出力プーリ96が固設され、該出力プーリ96は、回動支点部70に設けた中間伝達機構77を介して、刈取入力軸72に連結連動されており、該刈取入力軸72から前記刈取部22に動力を入力することができるのである
【0016】
前記選別出力軸93には、出力プーリ97が固設され、該出力プーリ97には、ベルト98を介してプーリ100・111が連結され、このうちのプーリ100は、前記選別装置71に風選別のための風を送る唐箕99の唐箕軸99a上に固設され、プーリ111は、選別装置71で選別した穀粒を穀粒タンク29に送る一番コンベア101のコンベア軸101aに固設されており、選別出力軸93から選別装置71各部へ動力を出力できるようにしている。前記フィードチェーン出力軸94については、フィードチェーン23に連動可能に連結されている。
【0017】
このようにして、エンジン35からの動力は各処理系へ伝達される。以下には、動力制御に係わる各装置、及び各装置間の伝達経路構成について、伝達上流側から順に説明していく。
【0018】
まず、エンジン35の各種構成について、図8により説明する。前記左右の機体フレーム19L・19Rの前部には、前後に横フレーム42・43が横架され、該横フレーム42・43には、機体フレーム19L・19Rに平行に左右の縦フレーム44・45が略等間隔で橋設されている。そして、該縦フレーム44・45上には、ゴムなどの弾性体を内蔵した防振部材87乃至90が固設され、該防振部材87乃至90上に、エンジン35が載置固定されている。
【0019】
該エンジン35の後方には、前記出力軸83が突出され、該出力軸83上には、発生トルクの変動を吸収して回転をなめらかにするフライホイール59以外に、前記プーリ65・68が固設されている。このうちのプーリ68は、穀粒タンク29下部の下部コンベア85に、右方に延設したベルト69を介して連結連動され、該ベルト69によって、常に右横引き荷重49が負荷されており、逆に、プーリ65は、エンジン35左方のカウンターケース64後方に突設した直接入力プーリ67に、ベルト73を介して連結連動され、該ベルト73によって、常に左横引き荷重48が負荷されている。
【0020】
一方、エンジン35の前方には、前記出力軸82が突出され、該出力軸82は、自在継手付きドライブシャフト63を介して、ミッションケース36上部の入力ケース79から突出した入力軸78に連結連動されているだけであり、前記出力軸83とは異なり、横引き荷重を受けない。そして、この出力軸82側に配置した前記防振部材87・88の弾性定数は、前記出力軸83側に配置した前記防振部材89・90の弾性定数よりも小さくなるように設定している。
【0021】
このような構成において、フライホイール59側では、防振部材89・90の弾性定数が高いため、横引き荷重48・49による反力に十分対抗することができ、一方、横引き荷重を受けないドライブシャフト63側では、防振部材87・88の弾性定数は低いため、防振効果を一層高めることができる。
【0022】
すなわち、エンジン35のクランク軸51の一端側の出力軸82にはドライブシャフト63を連結し、他端側の出力軸83にはフライホイール59とベルト駆動部を設けると共に、エンジン35を弾性体から成る防振部材87乃至90を介して車台に固設したコンバインにおいて、前記他端側の防振部材89・90の弾性定数は、前記一端側の防振部材87・88よりも高く構成したので、エンジンの出力軸にかかる外部からの荷重に的確に対応できるため、エンジンの振動や騒音を大きく低減でき、エンジン出力部の耐久性を向上させることができる。
【0023】
また、フライホイール59が取り付けてある出力軸83上に、穀粒タンク29下部の下部コンベア85に連結したプーリ68も、脱穀部20の扱胴21にカウンターケース64を介して連結したプーリ65も固設されているが、エンジン35からプーリ65・68までの距離は短いため、出力軸83にかかるトルクは小さくて済む。
【0024】
すなわち、他端側から、脱穀部20や穀粒タンク29などのピークトルクの高い高トルク処理系への動力を出力するので、エンジン35からの突出長さが短くて済み、出力部にかかる負担が小さくなり、耐久性が大幅に向上するのである。
【0025】
次に、ミッションケース36からカウンターケース64までの伝達構成について、図5乃至図8により説明する。前記横フレーム42・43の左部において、左機体フレーム19Lと、該機体フレーム19Lに平行に橋設された縦フレーム152との間には、支持プレート153が左右方向に橋設され、該支持プレート153と横フレーム42・43との上に、前記回動支持部70が載置固定されている。
【0026】
該回動支持部70は、前記横フレーム42左部と支持プレート153左部上に跨り立設された側面視台形の左支持台154と、横フレーム42から支持プレート153右部を越えて横フレーム43に架けて立設された側面視台形の右支持台155と、該右支持台155と前記左支持台154の上部間に左右方向に橋架された支持体156とから構成されており、該支持体156の左部には、前記刈取フレーム26後端を嵌装支持するための支持孔156aが開口され、該支持孔156aを中心に、前記刈取部22を機体左方に回動してサイドオープンできるようにしている。
【0027】
このような構成よりなる回動支持部70を挟んで、前後にミッションケース36とカウンターケース64が配設されると共に、ミッションケース36左側面から突出した直進モータ軸114先部の直進駆動軸81上の直進駆動プーリ80と、カウンターケース右側面から突出した前記車速同調入力軸75上の車速同調用入力プーリ66との間には、ベルト61が巻回されている。そして、これら直進駆動プーリ80・ベルト61・車速同調用入力プーリ66から成る同調伝達ライン157は、回動支点部70の右支持台155右側とエンジン35左側との間に配置されている。このため、刈取部22を前記支持孔156aを中心に機体左方に回動しても、同調伝達ライン157による干渉を受けることがない。
【0028】
すなわち、回動支点部70を挟んで、走行用HST37と旋回用HST38から成るHST式無段変速装置を付設したミッションケース36と、該ミッションケース36やエンジン35からの動力を変速・制御して各処理系に伝達するカウンターケース64とを前後に配設し、該カウンターケース64内へ走行速度に同調した動力を入力する車速同調入力軸75と、前記走行用HST37のモータ軸である直進モータ軸114とを連結連動する同調伝達ライン157を設け、該同調伝達ライン157は、回動支点部70に対し、前記一側である左側と反対側の右側に設けるので、同調伝達ライン157に干渉されることなく、刈取部22の脱着やサイドオープンを容易にし、同調伝達ライン157のベルトやチェーン自体も着脱しやすくできるのである。
【0029】
次に、カウンターケース64内の動力伝達構成について、図9乃至図22により説明する。図9乃至図17に示すように、カウンターケース64内には、前から順に第1軸161・第2軸162・第3軸163・第4軸164が略等間隔に横架されると共に、前記第1軸161上方でカウンターケース64右部には、前後方向に直接伝達軸160が軸支されている。該直接伝達軸160の前後端には、前記脱穀出力軸91と直接入力軸76が固設されると共に、該直接入力軸76近傍の直接伝達軸160上には、ベベルギア167が固設されている。
【0030】
このうちの第1軸161の右端には、前記車速同調入力軸75が固設され、左端には、ワンウェイクラッチ159が形成されており、これら車速同調入力軸75、第1軸161、及びワンウェイクラッチ159から車速同調入力軸部62が形成されている。該ワンウェイクラッチ159においては、第1軸161上に爪クラッチ165がスプライン嵌合され、該爪クラッチ165は、固定リング169で右端を固定されたクラッチバネ166によって、左方に付勢されると共に、爪クラッチ165の左側面には、複数の噛合歯165aが同一円周方向に傾斜して形成されている。さらに、該ワンウェイクラッチ159の左方で第1軸161と同心軸上には、二連のクラッチギア170が枢支され、該クラッチギア170は、大径ギア170bと小径ギア170cとから構成され、このうち大径ギア170bの右側面には、前記噛合歯165aと嵌合可能な噛合歯170aが形成されている。
【0031】
これにより、前記クラッチバネ166の弾性力によって、噛合歯165aは噛合歯170aに常時押圧されており、機体が前進する場合は、噛合歯165aと噛合歯170aが係合する方向に第1軸161が回転(以下「正転」とする)し、クラッチギア170に動力が伝達されるが、機体が後進する場合は、正転とは反対方向に回転(以下「逆転」とする)し、噛合歯165aと噛合歯170aの係合が外れて、クラッチギア170への動力が切断されるようにしている。
【0032】
このように、ワンウェイクラッチ159をカウンターケース64内の車速同調入力軸部62に配置したので、たとえ、爪クラッチ165の噛合歯165aとクラッチギア170の噛合歯170aとが機体後進時の動力切断状態で激しく摺動・衝突を繰り返しても、爪クラッチ165は、確実に枢支された第1軸161上を左右方向に摺動するだけであり、従来のプーリや歯車などの動力伝達具に内蔵した場合とは異なり、動力伝達具に破損や嵌合不良などの不具合が生じることなく、ワンウェイクラッチ159自体の破損も軽減される。さらに、ワンウェイクラッチ159は、後述する動力の断切のある爪式クラッチ172・173よりも上流側にあるため、配置箇所が一カ所で済み、動力伝達ロスを最小限に抑えることができるのである。
【0033】
すなわち、エンジン35やミッションケース36からの動力を変速・制御して刈取部22などの各処理系に伝達するカウンターケース64を具備し、該カウンターケース64には走行速度に同調した動力を入力する車速同調入力軸部62を設けたコンバインにおいて、該車速同調入力軸部62に爪式のワンウェイクラッチ159を設けると共に、該ワンウェイクラッチ159は、車速同調入力軸部62からの動力を刈取変速部である爪式クラッチ172・173で変速して刈取部22に出力するまでの伝達系において、該爪式クラッチ172・173よりも上流側に配置したので、動力伝達具やワンウェイクラッチ159の耐久性や動力伝達効率の向上を図ることができる。
【0034】
さらに、図10に示すように、前記ワンウェイクラッチ159は、カウンターケース64内に貯溜された潤滑油218の油面200よりも下方に浸漬されており、たとえ爪クラッチ165の噛合歯165aとクラッチギア170の噛合歯170aとが激しく摺動・衝突を繰り返した場合でも、潤滑油218により、その時の衝撃が緩和されると共に、騒音も吸収される。
【0035】
すなわち、ワンウェイクラッチ159は、カウンターケース内の油溜まり内に埋設するので、ワンウェイクラッチ159の振動や騒音が抑制され、作業環境の改善を図ることができるのである。
【0036】
また、前記第2軸162上には、右から順に第1爪式クラッチ172、第2爪式クラッチ173、二連の固定ギア174が配置されている。このうちの第1爪式クラッチ172においては、内側面に噛合歯を固設した高速クラッチギア175と低速クラッチギア176とが遊嵌され、このうちの高速クラッチギア175は前記大径ギア170bに、低速クラッチギア176は前記小径ギア170cに常時噛合されている。さらに、この高速クラッチギア175と低速クラッチギア176との間には、左右両側面に噛合歯を固設した摺動クラッチ爪177がスプライン嵌合されると共に、該摺動クラッチ爪177には、シフトフォーク178が嵌合され、該シフトフォーク178は、フォーク軸179上を移動可能に外嵌され、図示せぬ刈取変速レバーなどの操作手段に連結連動されている。
【0037】
そして、第2爪式クラッチ173においても、内側面に噛合歯を固設した刈取維持クラッチギア180と刈取減速クラッチギア181とが遊嵌され、該刈取維持クラッチギア180と刈取減速クラッチギア181との間にも、左右両側面に噛合歯を固設した摺動クラッチ爪182がスプライン嵌合されると共に、該摺動クラッチ爪182には、シフトフォーク183が嵌合され、該シフトフォーク183も、前記フォーク軸179上を移動可能に外嵌されており、図示せぬ刈取駆動切替ペダルなどの操作手段に連結連動されている。
【0038】
さらに、固定ギア174は、チェーン同調ギア174aと刈取同調ギア174bとから成り、該刈取同調ギア174bは、前記刈取出力軸92上に固設された伝達ギア184に噛合されており、前記第1爪式クラッチ172や第2爪式クラッチ173から伝達されてきた動力が、刈取出力軸92から刈取部22に出力されるようにしている。
【0039】
また、前記第3軸163上には、右から順にベベルギア168、二連の固定ギア185、車速同調入力機構186が配置されると共に、第3軸163の左端には前記選別出力軸93が固設されている。このうちのベベルギア168は、前記直接伝達軸160上のベベルギア167に噛合されており、直接入力軸76からの動力が、脱穀出力軸91から脱穀部20に出力されると同時に、第3軸163にも伝達されるようにしている。
【0040】
そして、固定ギア185は、小径ギア185aと大径ギア185bとから成り、このうちの小径ギア185aは前記刈取維持クラッチギア180に、大径ギア185bは前記刈取減速クラッチギア181に常時噛合されている。
【0041】
さらに、車速同調入力機構186は、一個の遊星ギア機構を有しており、該遊星ギア機構は、第3軸163の外周面上に刻設されたサンギア187と、該サンギア187の外周で噛合する複数のプラネタリギア188と、リングギア189に一体構成されプラネタリギア188に噛合するインターナルギア189aと、第3軸163上に遊嵌されプラネタリギア188を枢支するキャリア191等から構成されている。このうちのプラネタリギア188は、第3軸163から放射状に均等配置されてキャリア191にそれぞれ回転自在に軸支されると共に、サンギア187を設けた第3軸163上に回転自在に軸支されている。そして、リングギア189は前記チェーン同調ギア174aに常時噛合されており、第2軸162に伝達されてきた車速同調動力が、リングギア189を介して車速同調入力機構186に入力されるようにしている。
【0042】
これにより、エンジン35からの一定回転の出力は、直接入力軸76からベベルギア167・168を介して第3軸163に伝達された後、選別出力軸93から選別装置71に出力される一方、サンギア187にも伝達される。そして、このサンギア187に伝達された一定回転の動力は、前記リングギア189を介して第2軸162から入力されてきた車速同調動力と合成され、前記キャリア191に伝達される。
【0043】
また、前記第4軸164上には、右から順にフィードチェーンクラッチ192、スプロケット197が配置されている。このうちのフィードチェーンクラッチ192においては、第4軸164上に摺動クラッチ爪193がスプライン嵌合され、該摺動クラッチ爪193は、カウンターケース64内壁で右端を固定されたクラッチバネ194によって、左方に付勢されると共に、摺動クラッチ爪193には、カウンターケース64に軸止されたフォーク軸195の半割形状の先部が嵌合され、該フォーク軸195は図示せぬ操作手段に回動可能に連結されている。さらに、該摺動クラッチ爪193の左方には、右側面に噛合歯を固設したクラッチギア196が遊嵌され、該クラッチギア196は、前記車速同調入力機構186内のキャリア191に形成した出力ギア191aに常時噛合されている。
【0044】
そして、スプロケット197は、第4軸164上に外嵌固定されると共に、前記フィードチェーン出力軸94上に外嵌固設されたスプロケット198に、チェーン199を介して連結連動されている。
【0045】
これにより、前記クラッチバネ194の弾性力によって、摺動クラッチ爪193は常時左方に押圧されており、この状態でフォーク軸195を回転させると、該摺動クラッチ爪193がフォーク軸195先部の切り欠き部に嵌合して左方に摺動し、摺動クラッチ爪193とクラッチギア196の噛合歯が係合し、クラッチギア196→摺動クラッチ爪193→第4軸164→スプロケット197→チェーン199→スプロケット198と動力が伝達され、フィードチェーン出力軸94からフィードチェーン23に出力される。逆に、フォーク軸195を回転させて先部の半円筒部で摺動クラッチ爪193を右方に摺動させると、摺動クラッチ爪193とクラッチギア196の噛合歯の係合が外れて、フィードチェーン23への動力が切断される。
【0046】
以上のような構成において、通常の直進刈取作業時には、図12、図13、図18、図19に示すように、エンジン35の出力軸83からの動力201は、直接入力軸76からカウンターケース64内に入力され、ベベルギア167・168により、動力201aと動力201bに分岐され、このうちの動力201aは、直接伝達軸160を通り、脱穀出力軸91から脱穀部20に一定動力として出力される。動力201bは、ベベルギア167・168から第3軸163に入力されると、車速同調入力機構186内のサンギア187において、動力201cと動力201dに分岐され、そのうちの動力201cは、選別出力軸93から選別装置71に一定動力として出力される。
【0047】
ミッションケース36の直進駆動軸81からの動力202は、車速同調入力軸75からカウンターケース64内に入力され、第1軸161上のワンウェイクラッチ159からクラッチギア170を通って、第1爪式クラッチ172に入力される。該第1爪式クラッチ172においては、図示せぬ刈取変速レバーを操作してシフトフォーク178を左右に移動させ、摺動クラッチ爪177を左右に摺動させて高速クラッチギア175又は低速クラッチギア176に係合させることにより、高低速2段に変速可能としている。そして、この動力202は、第1軸161上のチェーン同調ギア174aにおいて、動力202aと動力202bに分岐され、そのうちの動力202aは、刈取同調ギア174b→伝達ギア184を通り、刈取出力軸92から刈取部22に車速同調動力として出力される。
【0048】
さらに動力202bは、チェーン同調ギア174aからリングギア189を介してプラネタリギア188に伝達され、該プラネタリギア188において、前記サンギア187から伝達されてきた動力201dと合成されて動力203となる。該動力203は、キャリア191→フィードチェーンクラッチ192→スプロケット197→チェーン199→スプロケット198のようにして伝達され、フィードチェーン出力軸94からフィードチェーン23に車速同調動力として出力される。
【0049】
このように、エンジン35から一定の動力201dを確保した上で、ミッションケース36からの車速に同調した動力202bを加算することにより、刈取作業初期における搬送速度の立ち上がりを早めることができ、搬送不良により穀桿つまりの発生を防止することができるのである。
【0050】
また、切り返しの際には、図12、図13、図18、図30に示すように、図示せぬ刈取変速レバーを操作して摺動クラッチ爪177を中立位置にして、ミッションケース36の直進駆動軸81からの動力を切断した上で、刈取駆動切替ペダルを操作して、シフトフォーク183を右方に移動させ、摺動クラッチ爪182を右方に摺動させて刈取維持クラッチギア180に係合させる。これにより、エンジン35の出力軸83からの動力201bは、小径ギア185aにおいて、動力201cと動力210eに分岐される。
【0051】
該動力201eは、刈取維持クラッチギア180→摺動クラッチ爪182→第2軸162と伝達され、更に、チェーン同調ギア174aにおいて、動力201fと動力201gに分岐され、このうち動力201fは、刈取同調ギア174b→伝達ギア184を通り、刈取出力軸92から刈取部22に一定動力として出力される。動力201gは、前記動力202bと同様にして動力201dと合成され、フィードチェーン出力軸94からフィードチェーン23に一定動力として出力される。
【0052】
このように、刈取駆動切替ペダルを操作し、エンジン35からの動力201fを一定動力として刈取部22に出力可能な構成とすることにより、切り返し時のように機体が低速又は後進する場合でも、刈取部22に十分な動力を伝達することができ、低速時に、刈刃24が低速でしか駆動せずに確実に切断できなかったり、後進時に、ワンウェイクラッチ159が作動して刈取部22が全く駆動せず刈り取った穀桿が搬送中に落下したりする、といった問題を確実に解消することができる。
【0053】
また、高速走行の際には、図12、図13、図18、図21に示すように、図示せぬ刈取変速レバーを操作して摺動クラッチ爪177を中立位置にして、ミッションケース36の直進駆動軸81からの動力を切断した上で、刈取駆動切替ペダルを操作して、シフトフォーク183を左方に移動させ、摺動クラッチ爪182を左方に摺動させて刈取減速クラッチギア181に係合させる。これにより、エンジン35の出力軸83からの動力201bは、大径ギア185bにおいて、動力201cと動力210hに分岐される。
【0054】
該動力201hは、刈取減速クラッチギア181→摺動クラッチ爪182→第2軸162と伝達され、更に、チェーン同調ギア174aにおいて、動力201iと動力201jに分岐され、このうち動力201iは、刈取同調ギア174b→伝達ギア184を通り、刈取出力軸92から刈取部22に一定動力として出力される。動力201jは、前記動力202bと同様にして動力201dと合成され、フィードチェーン出力軸94からフィードチェーン23に一定動力として出力される。
【0055】
このように、刈取駆動切替ペダルを操作し、エンジン35からの動力201iを一定動力として刈取部22に出力可能な構成とすることにより、高速走行時のように速すぎる車速同調動力が刈取部22に出力されるような場合でも、刈取部22に適正な動力を伝達することができ、速すぎる刈取りや穀桿搬送によるトラブルを回避することができる。
【0056】
また、最高速度走行のようにHSTに最大負荷がかかる際には、図12、図13、図18、図22に示すように、摺動クラッチ爪182を左方に摺動させて刈取減速クラッチギア181に係合させた上で、シフトフォーク202を右方に移動させ、前記クラッチギア170の左方に設けた強制連結クラッチ171の係合バー103をクラッチギア170に押し込み、該クラッチギア170を第1軸161に係合連結させる。これにより、エンジン35の出力軸83からの動力201bは、大径ギア185bにおいて、動力201cと動力210hに分岐され、このうち動力210hは、刈取減速クラッチギア181において動力201kと動力201lに分岐される。
【0057】
このうち動力201lは、摺動クラッチ爪182→第2軸162と伝達され、更に、チェーン同調ギア174aにおいて、動力201mと動力201nに分岐され、このうち動力201mは、刈取同調ギア174b→伝達ギア184を通り、刈取出力軸92から刈取部22に一定動力として出力される。動力201nは、動力201dと合成され、フィードチェーン出力軸94からフィードチェーン23に一定動力として出力される。
【0058】
そして、動力201kは、摺動クラッチ爪182→第2軸162→第1爪式クラッチ172→クラッチギア170→第1軸161のように伝達され、車速同調入力軸75から、直進駆動軸81を介して走行用HST37に入力される。なお、第1爪式クラッチ172により、動力201kを高低側2段に切り換えることが可能である。
【0059】
このように、強制連結クラッチ171を操作し、エンジン35からの動力201kを一定動力として走行用HST37に出力可能な構成とすることにより、高速走行時のようにHSTの伝達効率が悪い場合には、エンジン35からの一定動力201kによりHSTを補助して走行性能を大きく向上させるようにしている。
【0060】
次に、カウンターケース64から刈取入力軸72までの伝達構成について、図6、図7、図23乃至図26により説明する。前述したように、カウンターケース64の刈取出力軸92には出力プーリ96が固設され、該出力プーリ96は、回動支点部70に設けた中間伝達機構77を介して、刈取入力軸72に連結連動されている。
【0061】
該中間伝達機構77においては、前記支持孔156aに回動体158の基部158aが水平回動可能に枢支され、該基部158aには、入力軸205の右部が上下回動可能に軸支されると共に、該入力軸205右部上には中間ギア207が固設されている。一方、入力軸205の左端には、刈取入力プーリ204が固設され、該刈取入力プーリ204は前記出力プーリ96とベルト206により連結連動され、該ベルト206の途中部には、テンションプーリ214が配置されている。なお、該テンションプーリ214は、回動支持部70の左支持台154に設けられた取付けフレーム215上の牽引バネ216によって、上から前斜め下方に向かって常時付勢されている。
【0062】
さらに、前記中間ギア207には刈取入力ギア208が噛合され、該刈取入力ギア208の前斜め上方からは、固定カバー158bが、ボルトなどの固定具211・212によって基部158aに着脱自在に固定されている。そして、この刈取入力ギア208には前記刈取入力軸72の左端が連結されている。
【0063】
このような構成においては、刈取部22を機体左方に向かってサイドオープンした場合でも、中間伝達機構77がサイドオープン側と同じ側にあるため、刈取部22が中間伝達機構77から干渉されることがなく、さらには、機体外から中間伝達機構77までの間に障害物がない。
【0064】
すなわち、機体前方に刈取部22を配置し、該刈取部22を左右いずれか一側に回動可能な回動支点部70を設けたコンバインにおいて、前記刈取部22を駆動する刈取入力軸72への動力は、中間伝達機構77を介して前記一側と同じ側から入力するので、ミッションケース36廻りや刈取部22などの点検・整備を行う際にも、容易に刈取部22を一側に回動してサイドオープンすることができ、しかも、中間伝達機構77までのアクセスも容易なため、メンテナンス性が大幅に向上する。
【0065】
また、図23に示すように、出力プーリ96・入力ベルト206・刈取入力プーリ204から成る刈取伝達ライン217は回動支点部70の左側に配置されているため、刈取部22をサイドオープンした場合でも(位置209→位置210)、入力ベルト206は緩んで位置206aに移動するだけで済み、しかも、前記テンションプーリ214などを用い、この入力ベルト206を常に下方に張設する構成としておくことで、入力ベルト206が出力プーリ96・刈取入力プーリ204から脱落することを防止することができる。
【0066】
すなわち、中間伝達機構77において、回動支点部70の後下方に刈取出力軸92を配置し、該刈取出力軸92から回動支点部70までの刈取伝達ライン217は、回動支点部70に対して、前記一側と同じ側に設けるので、刈取部22のサイドオープン時には、刈取伝達ライン217内のベルト206が緩む方向に刈取部22が回動されるため、ベルト206が破断することがなく、しかも、適正位置にテンションプーリ214などを配置してベルト206を張設しておくことで、ベルト206の脱落を確実に防止することも可能である。
【0067】
また、図24に示すように、刈取部22の刈取入力軸72に連結された刈取入力ギア208は、ボルトなどの固定具211・212によって基部158aから容易に着脱可能としており、刈取部22を機体から取り外す際でも、基部158aより上流にある入力ベルト206などの取り外しは不要である。
【0068】
すなわち、回動支点部70に枢支される回動体158には、中間ギア207を固設した入力軸205を枢設し、該入力軸205の前記一側への延出端には入力プーリ204を固設し、該入力プーリ204は、前記刈取出力軸92上の出力プーリ96とベルト206により連結連動すると共に、前記中間ギア207には、刈取入力軸72上の入力ギア208を着脱可能に噛合するので、刈取部22の着脱をベルトなどを取り外すことなく容易に行うことができる。
【0069】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、次のような効果を奏するものである。
請求項1のように、機体前方に刈取部を配置し、該刈取部を左右いずれか一側に回動可能な回動支点部を設けたコンバインにおいて、前記刈取部を駆動する刈取入力軸への動力は、中間伝達機構を介して前記一側と同じ側から入力するので、ミッションケース廻りや刈取部などの点検・整備を行う際にも、容易に刈取部を一側に回動してサイドオープンすることができ、しかも、中間伝達機構までのアクセスも容易なため、メンテナンス性が大幅に向上する。
【0070】
また、前記回動支点部を挟んで、走行用HSTと旋回用HSTから成るHST式無段変速装置を付設したミッションケースと、該ミッションケースやエンジンからの動力を変速・制御して各処理系に伝達するカウンターケースとを前後に配設し、該カウンターケース内へ走行速度に同調した動力を入力する車速同調入力軸と、前記走行用HSTのモータ軸とを連結連動する同調伝達ラインを設け、該同調伝達ラインは、回動支点部に対し、前記一側と反対側に設けるので、同調伝達ラインに干渉されることなく、刈取部の脱着やサイドオープンを容易にし、同調伝達ラインのベルトやチェーン自体も着脱しやすくできるのである。
【0071】
請求項2のように、請求項1記載のコンバインにおいて、前記カウンターケース内には、前記刈取入力軸へ伝達する動力の回転を一方向に規制するワンウェイクラッチを設けるので、従来のプーリや歯車などの動力伝達具に内蔵した場合とは異なり、動力伝達具に破損や嵌合不良などの不具合が生じることなく、ワンウェイクラッチ自体の破損も軽減される。
【0072】
請求項3のように、請求項1記載のコンバインにおいて、前記中間伝達機構の回動支点部の後下方に刈取出力軸を配置し、該刈取出力軸から回動支点部までの刈取伝達ラインは、回動支点部に対して、前記一側と同じ側に設けるので、刈取部のサイドオープン時には、刈取伝達ライン内のベルトが緩む方向に刈取部が回動されるため、ベルトが破断することがなく、しかも、適正位置にテンションプーリなどを配置してベルトを張設しておくことで、ベルトの脱落を確実に防止することも可能である。
【0073】
請求項4のように、請求項記載のコンバインにおいて、前記回動支点部に枢支される回動体には、中間ギアを固設した入力軸を枢設し、該入力軸の前記一側への延出端には入力プーリを固設し、該入力プーリは、前記刈取出力軸上の出力プーリとベルトにより連結連動すると共に、前記中間ギアには、刈取入力軸上の入力ギアを着脱可能に噛合するので、刈取部の着脱をベルトなどを取り外すことなく容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 コンバインの全体左側面図である。
【図2】 同じく平面図である。
【図3】 同じく右側面図である。
【図4】 同じく正面図である。
【図5】 動力伝達構成概要を示すスケルトン図である。
【図6】 機体前部の正面図である。
【図7】 同じく側面図である。
【図8】 同じく平面図である。
【図9】 カウンターケースの左側面図である。
【図10】 同じく右側面図である。
【図11】 同じく正面図である。
【図12】 同じく平面断面図である。
【図13】 カウンターケースの各クラッチ機構を示す平面断面図である。
【図14】 爪クラッチの側面断面図である。
【図15】 同じく平面図である。
【図16】 クラッチギアの側面断面図である。
【図17】 同じく平面図である。
【図18】 エンジンから各処理系への動力伝達構成を示すスケルトン図である。
【図19】 通常の直進刈取作業時の動力伝達経路を示す模式図である。
【図20】 切り返し時の動力伝達経路を示す模式図である。
【図21】 高速走行時の動力伝達経路を示す模式図である。
【図22】 HST補助時の動力伝達経路を示す模式図である。
【図23】 中間伝達機構を示す平面図である。
【図24】 回動体の側面図である。
【図25】 同じく背面断面図である。
【図26】 同じく刈取入力ギアの背面断面図である。
【符号の説明】
22 刈取部
35 エンジン
36 ミッションケース
37 走行用HST
38 旋回用HST
64 カウンターケース
70 回動支点部
72 刈取入力軸
75 車速同調入力軸
77 中間伝達機構
92 刈取出力軸
96 出力プーリ
114 モータ軸
157 同調伝達ライン
158 回動体
159 ワンウェイクラッチ
204 入力プーリ
205 入力軸
206 ベルト
207 中間ギア
208 入力ギア
217 刈取伝達ライン

Claims (4)

  1. 機体前方に刈取部(22)を配置し、該刈取部(22)を左右いずれか一側に回動可能な回動支点部(70)を設けたコンバインにおいて、前記刈取部(22)を駆動する刈取入力軸(72)への動力は、中間伝達機構(77)を介して、前記回動する側の左右一側と同じ側から入力し、前記回動支点部(70)を挟んで、走行用HST(37)と旋回用HST(38)から成るHST式無段変速装置を付設したミッションケース(36)と、該ミッションケース(36)やエンジン(35)からの動力を変速・制御して各処理系に伝達するカウンターケース(64)とを前後に配設し、該カウンターケース(64)内へ走行速度に同調した動力を入力する車速同調入力軸(75)と、前記走行用HST(37)のモータ軸とを連結連動する同調動力伝達経路(157)を設け、該同調動力伝達経路(157)は、前記回動支点部(70)に対し、前記一側と反対側に設けることを特徴とするコンバイン
  2. 請求項1記載のコンバインにおいて、前記カウンターケース(64)内には、前記刈取入力軸(72)へ伝達する動力の回転を一方向に規制するワンウェイクラッチ(159)を設けることを特徴とするコンバイン。
  3. 請求項1記載のコンバインにおいて、前記中間伝達機構(77)の回動支点部(70)の後下方に、前記カウンターケース(64)から突出する刈取出力軸(92)を配置し、該刈取出力軸(92)から回動支点部(70)までの刈取動力伝達経路(217)は、前記回動支点部(70)に対して、前記回動する側の左右一側と同じ側に設けたことを特徴とするコンバイン。
  4. 請求項記載のコンバインにおいて、前記回動支点部(70)に枢支される回動体(158)には、中間ギア(207)を固設した入力軸(205)を枢設し、該入力軸(205)の前記一側への延出端には、入力プーリ(204)を固設し、該入力プーリ(204)は、前記刈取出力軸(92)上の出力プーリ(96)とベルト(206)により連結連動すると共に、前記中間ギア(207)には、刈取入力軸(72)上の入力ギア(208)を着脱可能に噛合することを特徴とするコンバイン。
JP2001300855A 2001-09-28 2001-09-28 コンバイン Expired - Lifetime JP4908705B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001300855A JP4908705B2 (ja) 2001-09-28 2001-09-28 コンバイン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001300855A JP4908705B2 (ja) 2001-09-28 2001-09-28 コンバイン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003102241A JP2003102241A (ja) 2003-04-08
JP4908705B2 true JP4908705B2 (ja) 2012-04-04

Family

ID=19121360

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001300855A Expired - Lifetime JP4908705B2 (ja) 2001-09-28 2001-09-28 コンバイン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4908705B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4519453B2 (ja) * 2003-12-02 2010-08-04 三菱農機株式会社 コンバインの伝動装置
JP5764022B2 (ja) * 2011-09-27 2015-08-12 株式会社クボタ コンバイン

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5983316A (ja) * 1982-11-04 1984-05-14 松下電器産業株式会社 空気調和機の温度調節装置
JPS59203430A (ja) * 1983-05-02 1984-11-17 ヤンマー農機株式会社 コンバインの刈取支持装置
JP2965253B2 (ja) * 1988-08-19 1999-10-18 東京電力株式会社 電力系統監視制御システム
JPH02100421A (ja) * 1988-10-07 1990-04-12 Hitachi Ltd Vcoスイッチングスイープ方式
JP2883682B2 (ja) * 1990-05-23 1999-04-19 セイレイ工業株式会社 コンバインの動力伝達機構
JP2721105B2 (ja) * 1993-02-01 1998-03-04 株式会社クボタ コンバインの駆動構造
JPH09275749A (ja) * 1996-04-19 1997-10-28 Yanmar Agricult Equip Co Ltd コンバインの操作装置
JP3824794B2 (ja) * 1998-11-11 2006-09-20 株式会社 神崎高級工機製作所 コンバインの刈取部駆動装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003102241A (ja) 2003-04-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2012085598A (ja) コンバイン
KR101701945B1 (ko) 작업 차량 및 그 예로서의 콤바인
US4967863A (en) Compact combine drive system
JP6666086B2 (ja) コンバイン
EP0291336A1 (en) Drive system e.g. for combine harvester
JP5754599B2 (ja) コンバイン
JP4973183B2 (ja) コンバイン
JP4865173B2 (ja) コンバイン
JP4908705B2 (ja) コンバイン
JP5437865B2 (ja) 作業車両及びその例としてのコンバイン
JP5437866B2 (ja) 作業車両
JP5443450B2 (ja) コンバイン
US4843803A (en) Compact combine drive system
JP2011179642A (ja) 作業車両
JP2010273608A (ja) コンバイン
JP6538517B2 (ja) 車両用駆動装置及びコンバイン
JP5928641B2 (ja) コンバイン
JP3863440B2 (ja) コンバイン
JP3549058B2 (ja) コンバイン
JP4884618B2 (ja) コンバイン
JPH10274317A (ja) Hst式ミッション装置
JP4837205B2 (ja) コンバイン
JP2905969B2 (ja) コンバイン
JP4453265B2 (ja) コンバイン
JP3831520B2 (ja) コンバイン

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080729

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20090717

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100730

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110621

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110811

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111108

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111130

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120110

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150120

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350