JP2016060885A - 水性インキ用樹脂組成物及び水性インキ組成物 - Google Patents

水性インキ用樹脂組成物及び水性インキ組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】低温乾燥条件下においてもフィルム基材に対して優れた基材密着性、耐水摩擦性、耐水ブロッキング性を発現し、一方でインキの分散安定性、ポットライフにも優れる水性インキ用樹脂組成物及び水性インキ組成物の提供。
【解決手段】カルボキシル基を有する水溶性樹脂(A)を高分子乳化剤として、水性媒体中でエチレン性不飽和単量体(B)を乳化重合してなるコアシェル型樹脂微粒子分散体(C)、カルボジイミド基含有樹脂微粒子分散体(D)、非水溶性エポキシ基含有化合物(E)を含有してなる水性インキ用樹脂組成物により、本願発明の課題が解決することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、水性インキ用樹脂組成物及びそれを含む水性インキ組成物に関する。さらに詳しくは、低温乾燥条件下においてもフィルム基材に対して優れた基材密着性、耐水摩擦性、耐水ブロッキング性を発現し、一方でインキの分散安定性、ポットライフにも優れる水性インキ用樹脂組成物及び水性インキ組成物に関する。
一般的に水性インキ組成物は、顔料、顔料分散樹脂、水、親水性溶剤、およびバインダー樹脂により構成されている。このうちバインダー樹脂は、印字物の塗膜耐性を向上させる目的で添加されている。優れた印刷適性と分散安定性、塗膜物性を両立できる点から、水溶性樹脂を高分子乳化剤として、エチレン性不飽和単量体を乳化重合したコアシェル型樹脂微粒子分散体がバインダー樹脂として多く使用されている。このような水性インキ組成物は、これまで主に紙基材を中心に検討されてきたが、近年、省エネ、低コスト、環境負荷低減の観点から、ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタラートなど、フィルム基材に対しても、良好な塗膜耐性を発現することが求められている。
特許文献1ならびに特許文献2では、水溶性樹脂(シェル成分)、コア成分の組成、分子量、コア成分とシェル成分の比率、粒子径、ガラス転移温度などを規定したコアシェル型樹脂微粒子分散体のバインダー樹脂組成物が開示されている。しかしながら、この樹脂微粒子分散体では、紙基材よりも乾燥性に劣るフィルム基材において、低温乾燥下で十分な塗膜耐性を発現させるには困難である。特許文献3ならびに特許文献4では、水溶性樹脂(シェル成分)やコア成分にケト基を導入したコアシェル型樹脂微粒子分散体が開示されている。たしかにケト−ヒドラジドの架橋系は、一液の状態でも安定であり、塗膜耐性向上についても期待することができる。しかしながら、この架橋系の効果を発現させるには水分を十分に揮発させる必要があるため、高速印刷を想定した低温乾燥下では水分が残留し、塗膜耐性を飛躍的に向上させることは難しい。また、残留したヒドラジド架橋剤が溶出して、耐水性が悪化する場合もある。十分な塗膜耐性を発現するために、高反応性の水性架橋剤を併用した二液タイプの水性インキも各種検討されている。しかしながら、分散安定性が大幅に悪化する、ポットライフが極端に短い等の問題が生じてしまうため、実用レベルで物性を両立するのは困難な場合が多い。
特開1996−176486号公報 特開2012−116924号公報 特開1995−026196号公報 特開1996−113749号公報
低温乾燥条件下で、フィルム基材に対して優れた基材密着性、耐水摩擦性、耐水ブロッキング性を発現し、一方でインキの分散安定性、ポットライフにも優れる水性インキ用樹脂組成物及び水性インキ組成物の提供に関する。
すなわち、本発明は、カルボキシル基を有する水溶性樹脂(A)を高分子乳化剤として、水性媒体中でエチレン性不飽和単量体(B)を乳化重合してなるコアシェル型樹脂微粒子分散体(C)と、
カルボジイミド基含有樹脂微粒子分散体(D)と、
非水溶性エポキシ基含有化合物(E)とを含有してなる水性インキ用樹脂組成物に関する。
さらに、本発明は、非水溶性エポキシ基含有化合物(E)が脂環式エポキシ基を有している上記水性インキ用樹脂組成物に関する。
さらに、本発明は、コアシェル型樹脂微粒子分散体(C)のコア部のガラス転移温度が−30〜30℃である上記水性インキ用樹脂組成物に関する。
さらに、本発明は、コアシェル型樹脂微粒子分散体(C)の重量平均分子量が200000〜500000である上記水性インキ用樹脂組成物に関する。
さらに、本発明は、エチレン性不飽和単量体(B)の合計100重量部に対し、水溶性樹脂(A)の量が40〜150重量部である上記水性インキ用樹脂組成物に関する。
さらに、本発明は、顔料、顔料分散樹脂(F)、水、親水性溶剤ならびに、上記水性インキ用樹脂組成物を含有してなる水性インキ組成物に関する。
さらに、本発明は、分分散体(C)および樹脂(F)由来のカルボキシル基1モルに対して、分散体(D)由来のカルボジイミド基が0.1〜0.5モルの範囲であり、
分散樹脂(D)由来のカルボジイミド基1モルに対して、化合物(E)由来のエポキシ基が0.3〜2モルの範囲である上記水性インキ組成物に関する。
さらに、本発明は、フレキソ印刷またはグラビア印刷に用いられる、上記水性インキ組成物に関する。
本発明により、低温乾燥条件下、フィルム基材に対して優れた基材密着性、耐水摩擦性、耐水ブロッキング性を発現し、一方でインキの分散安定性、ポットライフにも優れる水性インキ用樹脂組成物及び水性インキ組成物を提供できた。
まず、本発明に使用するコアシェル型樹脂微粒子分散体(C)について説明する。
本発明の水性インキ用コアシェル型樹脂微粒子分散体(C)は、カルボキシル基を有する水溶性樹脂(A)の存在下、水性媒体中でエチレン性不飽和単量体(B)を、ラジカル重合開始剤で乳化重合することにより得ることができる。具体的にコアシェル型樹脂微粒子分散体の製造方法について説明する。まず、反応槽に水性媒体と塩基性化合物、水溶性樹脂(A)を仕込み、昇温して溶解させる。その後、窒素雰囲気下でエチレン性不飽和単量体(B)を滴下しながら、ラジカル重合開始剤を添加する。反応開始後、反応槽の溶液の色が青白くなるので、粒子核の形成が確認できる。エチレン性不飽和単量体の滴下完了後、更に数時間反応させることでコアシェル樹脂微粒子分散体を得ることができる。エチレン性不飽和単量体(B)はそのまま反応槽に滴下しても良いし、水性媒体中であらかじめ乳化液にしてから滴下しても構わない。水溶性樹脂(A)は水性媒体中で保護コロイド(シェル成分)として働き、析出する粒子核(コア成分)を安定化させる。この方法により得られる樹脂微粒子分散体は、ニュート二アンに近い粘性を有するため印刷適性に大変優れている。樹脂微粒子分散体を合成する際に使用する水溶性樹脂(A)はラジカル開始剤により、溶液重合もしくは塊状重合し、樹脂中のカルボキシル基を塩基性化合物で中和することで得ることができる。
水溶性樹脂(A)は、カルボキシル基を有しており、塩基性化合物で中和されたものが、水媒体中に、溶解もしくは分散し、コア成分の保護コロイドとして機能するものであれば任意のものを使用することができる。樹脂骨格としては、アクリル樹脂、スチレン・アクリル樹脂、スチレン・マレイン酸樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられるが、粒子核や顔料分散樹脂との相溶を考慮すると、水溶性樹脂(A)はアクリル樹脂、スチレン・アクリル樹脂、スチレン・マレイン酸樹脂であることが好ましい。さらに、粒子核の安定性な形成を考慮すると、水溶性樹脂(A)は芳香族骨格を有していることが更に好ましい。
水溶性樹脂(A)がアクリル樹脂、スチレン・アクリル樹脂、スチレン・マレイン酸樹脂である場合、水溶性樹脂(A)は、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体を含むエチレン性不飽和単量体(a)を、ラジカル開始剤で、溶液もしくは塊状重合することで得られる。また、芳香族骨格は、芳香族エチレン性不飽和単量体を共重合することにより導入することができる。
エチレン性不飽和単量体(a)としては、例えば、
スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシジエチレングリコールメタクリレート、フェノキシテトラエチレングリコールアクリレート、フェノキシテトラエチレングリコールメタクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコールアクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコールメタクリレート、フェニルアクリレート、フェニルメタクリレートの芳香族エチレン性不飽和単量体;
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、tーブチルメタクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート等の直鎖または分岐アルキル基含有エチレン性不飽和単量体;
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート等の脂環式アルキル基含有エチレン性不飽和単量体;
トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート等のフッ素化アルキル基含有エチレン性不飽和単量体;
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、または、これらのアルキルもしくはアルケニルモノエステル、コハク酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、けい皮酸等のカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体;
(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−プロポキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−ペントキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(メトキシメチル)アクリルアミド、N−エトキシメチル−N−メトキシメチルメタアクリルアミド、N,N−ジ(エトキシメチル)アクリルアミド、N−エトキシメチル−N−プロポキシメチルメタアクリルアミド、N,N−ジ(プロポキシメチル)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−N−(プロポキシメチル)メタアクリルアミド、N,N−ジ(ブトキシメチル)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−N−(メトキシメチル)メタアクリルアミド、N,N−ジ(ペントキシメチル)アクリルアミド、N−メトキシメチル−N−(ペントキシメチル)メタアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等のアミド基含有エチレン性不飽和単量体;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシビニルベンゼン、1−エチニル−1−シクロヘキサノール、アリルアルコール等のヒドロキシル基含有エチレン性不飽和単量体;
等が挙げられる。
水溶性樹脂(A)の合成時に使用するラジカル開始剤には公知の油溶性重合開始剤を使用でき、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)、tert−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、ジ−tert−ブチルパーオキサイドなどの有機過酸化物;
2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1'−アゾビス−シクロヘキサン−1−カルボニトリルなどのアゾビス化合物を挙げることができる。
水溶性樹脂(A)がウレタン樹脂である場合、特に限定はされないが、従来既知の方法に従い、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得ることができる。
ポリオールとしては、代表的なものとして例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオールなどが挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、ポリオール成分と二塩基酸成分とが縮合反応したポリエステルポリオールがある。ポリオールのうちジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3'−ジメチロールヘプタン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、オクタンジオール、ブチルエチルペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、ビスフェノールA等が挙げられ、3個以上の水酸基を有するポリオールとしては、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられ、二塩基酸成分としてテレフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸等の脂肪族あるいは芳香族二塩基酸、およびそれらの無水物が挙げられる。また、ε−カプロラクトン、ポリ(β−メチル−γ−バレロラクトン)、ポリバレロラクトン等のラクトン類等の環状エステル化合物の開環重合により得られるポリエステルポリオールが挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、テトラヒドロフラン、あるいはエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの重合体、共重合体あるいはグラフト共重合体、またはヘキサンジオール、メチルヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオールあるいはこれらの混合物の縮合によるポリエーテルポリオール類、プロポキシル化またはエトキシル化されたポリエーテルポリオール類等の水酸基が2個以上のものを用いることができる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、ポリオールとジアルキルカーボネート、アルキレンカーボネート、ジアリールカーボネートなどのカーボネート化合物との反応により得られるものを挙げることができる。ポリカーボネートポリオールを構成するポリオールとしては、ポリエステルポリオールの構成成分として先に例示したポリオールを用いることができる。また、ジアルキルカーボネートとしてはジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどを、アルキレンカーボネートとしてはエチレンカーボネートなどを、ジアリールカーボネートとしてはジフェニルカーボネートなどを挙げることができる。
この他、ポリブタジエンポリオール、アクリルポリオール、ポリシロキサンポリオール、ひまし油なども挙げられる。
これらのポリオールは、1種だけを用いてもよいし、あるいは、複数種を併用してもよい。
また、カルボキシル基を有するポリオールを使用することで樹脂中にカルボキシル基が導入され、塩基性化合物で中和した際に、水性媒体中に溶解もしくは分散させることができる。
カルボキシル基を有するポリオール成分としては、例えば、
ジメチロール酢酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロールペンタン酸等のジメチロールアルカン酸や、ジヒドロキシコハク酸、ジヒドロキシプロピオン酸、ジヒドロキシ安息香酸等が挙げられ、ジメチロールアルカン酸等が挙がられる。
水溶性樹脂(A)の酸価は100〜250mgKOH/gであることが好ましい。水溶性樹脂(A)の酸価が100mgKOH/g未満であると、分散安定性が悪化して、コアシェル型樹脂微粒子分散体が安定に合成できない場合や、合成できてもインキの分散安定性も悪化させてしまう場合がある。一方、250mgKOH/gを超えると、乾燥不良が発生して塗膜の耐水摩擦性や耐水ブロッキング性に悪影響を及ぼす場合がある。ここで言う酸価とは、樹脂1g中に含まれる酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数のことをいう。
さらに水溶性樹脂(A)の重量平均分子量は5000〜20000であることが好ましく、さらに好ましくは5000〜15000である。重量平均分子量が5000未満であると、樹脂微粒子分散体の分散安定性が低下するため、インキの分散安定性を悪化させる恐れがある。一方、重量平均分子量が20000を超えた場合には、インキ組成物の増粘が著しくなり、この場合も分散安定性が悪化する恐れがある。
(記載が不十分。測定機器のメーカー、溶剤、カラムの種類等記載すること)
ここで、重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定によるポリスチレン換算の値をいう。
⇒方法の詳細は実施例部分に記載しております。
中和剤として使用する塩基性化合物には、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、モルホリンなどのアミン類;
水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの水酸化物塩;
等が挙げられる。
カルボキシル基を有する水溶性樹脂(A)は、上記の組成の条件を満たすものであれば市販品を使用しても構わない。市販品としては、例えば、
星光PMC社製X−300,VS−1029,VS−1057,TS−1316,VS−1028,TS−1315,RS−1190,VS−1030,VS−1202等のアクリル樹脂;
星光PMC社製 US−1071,X−1,RS−1193,VS−1259,TS−1318,YS−1274,VS−1047,RS−1191;
BASF社製JONCRYL67、JONCRYL678、JONCRYL611、JONCRYL680、JONCRYL682、JONCRYL693、JONCRYL690、JONCRYL52J 、JONCRYL57J、JONCRYL60J、JONCRYL61J、JONCRYL62J、JONCRYL63J、JONCRYL HPD−96J
等のスチレン・アクリル樹脂;
星光PMC社製 X−228,X−220,X−200,US−1243,X−205,X−210
Cray Valley社製 SMA1000,SMA2000, SMA1440,SMA2625等のスチレン・マレイン酸樹脂;
等が挙げられる。
次に本発明で使用するエチレン性不飽和単量体(B)について説明する。水溶性樹脂(A)の保護コロイドのもと、エチレン性不飽和単量体(B)を重合することにより、コアシェル型樹脂微粒子分散体(C)の粒子核(コア成分)が形成される。
エチレン性不飽和単量体(B)には、上述したエチレン性不飽和単量体(a)を使用することができる。コア内部を架橋させて高分子量化させたい場合には、架橋性エチレン性不飽和単量体を使用することができる。
架橋性エチレン性不飽和単量体としては、例えば、
アリル(メタ)アクリレート、1−メチルアリル(メタ)アクリレート、2−メチルアリル(メタ)アクリレート、1−ブテニル(メタ)アクリレート、2−ブテニル(メタ)アクリレート、3−ブテニル(メタ)アクリレート、1,3−メチル−3−ブテニル(メタ)アクリレート、2−クロルアリル(メタ)アクリレート、3−クロルアリル(メタ)アクリレート、o−アリルフェニル(メタ)アクリレート、2−(アリルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、アリルラクチル(メタ)アクリレート、シトロネリル(メタ)アクリレート、ゲラニル(メタ)アクリレート、ロジニル(メタ)アクリレート、シンナミル(メタ)アクリレート、ジアリルマレエート、ジアリルイタコン酸、ビニル(メタ)アクリレート、クロトン酸ビニル、オレイン酸ビニル,リノレン酸ビニル、2−(2’−ビニロキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジアクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリアクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパントリアクリレート、ジビニルベンゼン、アジピン酸ジビニル、イソフタル酸ジアリル、フタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル等の2個以上のエチレン性不飽和基を有するエチレン性不飽和単量体;
グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有エチレン性不飽和単量体;
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリブトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシメチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン等のアルコキシシリル基含有エチレン性不飽和単量体;
N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチロール(メタ)アクリルアミド、アルキルエーテル化N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のメチロール基含有エチレン性不飽和単量体が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらは1種類または2種以上を併用して用いることができる。
粒子核形成時の安定性、粒子核内部への非水溶性エポキシ化合物の含浸のし易さ、低温乾燥下における優れた乾燥性の観点から、エチレン性不飽和単量体(B)は芳香族エチレン性不飽和単量体を含有していることが好ましい。芳香族骨格を有する粒子核は、インキ中での安定性に優れ、その疎水的な環境から非水溶性エポキシ化合物が内部に含浸し易い。したがってインキの状態では水相のカルボキシル基との反応が抑制され、インキの分散安定性、ポットライフが向上する。また、水分を抱きこみ難くなることから塗膜の乾燥性も向上する。
エチレン性不飽和単量体(B)100重量%中、芳香族エチレン性不飽和単量体を20〜70重量%含有することが好ましい。芳香族エチレン性不飽和単量体の含有量が20重量%未満の場合、芳香族骨格導入における効果が少なく、非水溶性エポキシ化合物が反応しやすくなり、インキの分散安定性、ポットライフが低下する場合がある。一方で、70%を超えると乾燥時のコア部分とシェル部分の相溶性が低下して、造膜が不十分となり、塗膜の耐水摩擦性が悪化する恐れがある。
さらにエチレン性不飽和単量体(B)はケト基含有不飽和単量体を含有していることが好ましい。
コアシェル型樹脂微粒子分散体(C)にケト基を導入し、インキ中に二官能以上のヒドラジド化合物を添加しておくと、乾燥時にケト基とヒドラジド基で反応する。また、非水溶性エポキシ化合物(E)由来の一部のエポキシ基もヒドラジド基と反応する。したがって、これらの官能基の組み合わせにより、強靭な塗膜形成され、耐水摩擦性が向上する。さらにフィルム基材の処理面にもケト基が存在しているため、基材に対する密着性も向上する。
コアシェル型樹脂微粒子分散体(C)において、ケト基はコア成分のみに導入することが好ましい。シェル部に導入した場合、十分に融着が進行しない間に架橋してしまい造膜が阻害され、塗膜の耐水摩擦性が低下する恐れがある。
エチレン性不飽和単量体(B)100重量%中、ケト基含有エチレン性不飽和単量体は1〜5重量%含有することが好ましい。1重量%未満であると、塗膜物性において、架橋の効果が十分に発現しない場合がある。一方で5重量%を超えた場合には、十分に融着が進行しない間に架橋してしまい、造膜性が低下して耐水摩擦性が低下する恐れがある。
ケト基含有エチレン性不飽和単量体としては、例えば、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、アセトアセトキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
コアシェル型樹脂微粒子分散体(C)のコアのガラス転移温度(Tg)は−30〜30℃の範囲であることが好ましい。コアのガラス転移温度が−30℃未満であると、塗膜強度が不足して塗膜の基材密着性、耐水摩擦性が低下する場合がある。一方でガラス転移温度が30℃を超えた場合にも、基材への濡れ性、造膜性が低下して、塗膜の基材密着性、耐水摩擦性が低下する場合がある。
上記のガラス転移温度(Tg)は、DSC(示差走査熱量計)を用いて求めた値である。コアシェル型樹脂微粒子分散体を測定した場合、コア部とシェル部のTgをそれぞれ検出することができる。
コアシェル型樹脂微粒子分散体(C)の重量平均分子量は200000〜500000の範囲であることが好ましい。重量平均分子量が200000未満であると、塗膜強度が不足して塗膜の基材密着性、耐水摩擦性が低下する場合がある。一方で500000を超える場合、低温乾燥ではコア成分とシェル成分の融着が十分に進行せず、造膜性が低下して塗膜の基材密着性、耐水摩擦性が十分に発現しない場合がある。
乳化重合時に用いられる水性媒体としては、水が挙げられる。また、親水性の有機溶剤も樹脂微粒子分散体の合成時の安定性を阻害しない範囲であれば併用することができる。
コアシェル型樹脂微粒子分散体(C)の合成時に用いられる水溶性樹脂(A)の量は、エチレン性不飽和単量体(B)の合計100重量部に対し、40〜150重量部であることが好ましい。40重量部未満であると、樹脂微粒子分散体の合成時において、粒子核形成が不安定になる。また、造膜性が低下するので、塗膜の基材密着性、耐水摩擦性が悪化する恐れがある。一方で、150重量部を越えると、乾燥不良により塗膜の耐水摩擦性、耐水ブロッキング性が悪化する場合がある。
乳化重合の際の重合開始剤としては、ラジカル重合を開始する能力を有するものであれば特に制限はなく、公知の油溶性重合開始剤や水溶性重合開始剤を使用することができる。
油溶性重合開始剤としては特に限定されず、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)、tert−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、ジ−tert−ブチルパーオキサイドなどの有機過酸化物;
2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1'−アゾビス−シクロヘキサン−1−カルボニトリルなどのアゾビス化合物を挙げることができる。これらは1種類または2種類以上を混合して使用することができる。
本発明においては水溶性重合開始剤を使用することが好ましく、例えば、過硫酸アンモニウム(APS)、過硫酸カリウム(KPS)、過酸化水素、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライドなど、従来既知のものを好適に使用することができる。
また、乳化重合を行うに際して、所望により重合開始剤とともに還元剤を併用することができる。これにより、乳化重合速度を促進したり、低温において乳化重合を行ったりすることが容易になる。
このような還元剤としては、例えば、アスコルビン酸、エルソルビン酸、酒石酸、クエン酸、ブドウ糖、ホルムアルデヒドスルホキシラートなどの金属塩等の還元性有機化合物、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウムなどの還元性無機化合物、塩化第一鉄、ロンガリット、二酸化チオ尿素などを例示できる。これら還元剤は、エチレン性不飽和単量体100重量部に対して、0.05〜5.0重量部の量を用いるのが好ましい。なお、前記した重合開始剤によらずとも、光化学反応や、放射線照射等によっても重合を行うことができる。重合温度は各重合開始剤の重合開始温度以上とする。例えば、過酸化物系重合開始剤では、通常80℃程度とすればよい。重合時間は特に制限されないが、通常2〜24時間である。
さらに必要に応じて、緩衝剤として、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムなどが、また、連鎖移動剤としてのオクチルメルカプタン、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、チオグリコール酸オクチル、ステアリルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン類が適量使用できる。
本発明で使用する樹脂微粒子分散体をラジカル重合により得る際、前記した水溶性樹脂(A)とともに、安定性を補助する目的で低分子界面活性剤を併用することができる。これらはインキ物性に悪影響を及ぼさない範囲で併用できる。
低分子界面活性剤としては例えば、
アルキルエーテル系(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製アクアロンKH−05、KH−10、KH−20、株式会社ADEKA製アデカリアソープSR−10N、SR−20N、花王株式会社製ラテムルPD−104など)、スルフォコハク酸エステル系(市販品としては、例えば、花王株式会社製ラテムルS−120、S−120A、S−180P、S−180A、三洋化成株式会社製エレミノールJS−2など)、アルキルフェニルエーテル系もしくはアルキルフェニルエステル系(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製アクアロンH−2855A、H−3855B、H−3855C、H−3856、HS−05、HS−10、HS−20、HS−30、株式会社ADEKA製アデカリアソープSDX−222、SDX−223、SDX−232、SDX−233、SDX−259、SE−10N、SE−20N、など)、(メタ)アクリレート硫酸エステル系(市販品としては、例えば、日本乳化剤株式会社製アントックスMS−60、MS−2N、三洋化成工業株式会社製エレミノールRS−30など)、リン酸エステル系(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製H−3330PL、株式会社ADEKA製アデカリアソープPP−70など)等のアニオン系反応性乳化剤;
アルキルエーテル系(市販品としては、例えば、株式会社ADEKA製アデカリアソープER−10、ER−20、ER−30、ER−40、花王株式会社製ラテムルPD−420、PD−430、PD−450など)、アルキルフェニルエーテル系もしくはアルキルフェニルエステル系(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製アクアロンRN−10、RN−20、RN−30、RN−50、株式会社ADEKA製アデカリアソープNE−10、NE−20、NE−30、NE−40など)、(メタ)アクリレート硫酸エステル系(市販品としては、例えば、日本乳化剤株式会社製RMA−564、RMA−568、RMA−1114など)等のノニオン系反応性乳化剤;
オレイン酸ナトリウムなどの高級脂肪酸塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩類、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸エステル塩類、ポリエキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩類、モノオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルスルホコハク酸ナトリウムなどのアルキルスルホコハク酸エステル塩およびその誘導体類、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル硫酸エステル塩類
等のアニオン性非反応性乳化剤;
ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエートなどのソルビタン高級脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートなどのポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレートなどのポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル類、オレイン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライドなどのグリセリン高級脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・ブロックコポリマー、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル等のノニオン性非反応性乳化剤;
等が挙げられる。
次に本発明で使用するカルボジイミド基含有樹脂微粒子分散体(D)について説明する。本発明のカルボジイミド基含有微粒子分散体は、エマルジョンタイプの架橋剤であり、ジイソシアネート骨格由来の疎水性ポリカルボジイミド樹脂にエチレンオキサイド鎖などの親水性基を変性して得ることができる。カルボジイミド基はカルボキシル基と反応して、低温乾燥下における塗膜の乾燥性を向上させる。さらにその官能基由来の適度な弾性率の高さから低温乾燥下における耐水ブロッキング向上に有効である。
カルボジイミド基含有樹脂微粒子分散体(D)におけるポリカルボジイミド骨格は、ジイソシアネート化合物の脱炭酸縮合反応により得られる。ジイソシアネート化合物については任意のものを使用できるが、化学的安定性、優れた反応性、塗膜の最適な弾性率の観点から、ジシクロヘキシルメタン4,4'-ジイソシアナートであることが好ましい。
カルボジイミド基含有樹脂微粒子分散体(D)は、疎水性のポリカルボジイミドに親水基を変性して合成することもできるが、市販品を使用しても構わない。
カルボジイミド基含有樹脂微粒子分散体(D)の市販品としては、例えば、
日清紡ケミカル社製 カルボジライトE−01、E−02、E−03A、E−04等が挙げられる。
次に本発明で使用する非水溶性エポキシ基含有化合物(E)について説明する。本発明の水性インキ用樹脂組成物は、非水溶性のエポキシ化合物を含有する。ここで言う非水溶性エポキシ化合物とは、常圧・20℃において、水への溶解性が1%未満のエポキシ化合物のことを言う。非水溶性エポキシ化合物はインキ組成物調製時に添加する。非水溶性エポキシ基含有化合物(E)は、インキ溶剤中において、コアシェル型樹脂微粒子分散体(C)の粒子核内部に含浸される。したがって、水相の水溶性樹脂(A)もしくは顔料分散樹脂由来のカルボキシル基とエポキシ基との反応が抑制され、経時でのインキの安定性とポットライフが向上する。乾燥後は、粒子核中のエポキシ化合物が塗膜中に拡散するため、カルボキシル基との反応が促進されて耐水摩擦性が向上する。また、非極性フィルム基材の表面に存在するカルボキシル基とも反応するため、基材密着性も向上する。非水溶性エポキシ化合物(E)は、単官能タイプのものでも効果はあるが、塗膜強度向上の観点から二官能以上であることが好ましい。水溶性のエポキシ化合物を用いた場合には、インキの分散安定性、ポットライフが極端に悪化する。
非水溶性エポキシ基含有化合物(E)としては、例えば、
アルキルグリシジルエーテル(アルキル炭素数C8〜20)、フェニルグリシジルエーテル、エポキシ化αオレフィン(オレフィン炭素数C8〜20)、リモネンモノオキサイド
3,4−エポキシシクロヘキサンカルボン酸アルキルエステル等の単官能のエポキシ化合物;
ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、エポキシ基含有アクリル樹脂、エポキシ基含有スチレン・アクリル樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ化植物油、シクロヘキサンカルボン酸ジグリシジル、4−シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジグリシジル、4,5−エポキシテトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物
リモネンジオキサイド、ジシクロペンタジエンジエポキシド、ヘキサン二酸ビス(7-オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−イルメチル)、4−シクロヘキサンジメタノール ビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、4―フェニレンジメタノール ビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、3’−4’−エポキシシクロヘキシルメチル 3−4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等の二官能以上のエポキシ基含有化合物が挙げられる。
さらに非水溶性エポキシ基含有化合物(E)は、脂環式エポキシ基を有していることが好ましい。より疎水的な脂環式構造により、官能基が粒子核内部に存在し易い。さらに反応性もマイルドであるため、インキの分散安定性、ポットライフの面で優れた性能を発現する。また、他のエポキシ化合物と比較して、安全性も高い。
脂環式エポキシ基を有している非水溶性エポキシ化合物(E)としては、例えば、
リモネンジオキサイド、ジシクロペンタジエンジエポキシド、ヘキサン二酸ビス(7-オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−イルメチル)、4−シクロヘキサンジメタノール ビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、4―フェニレンジメタノール ビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、3’−4’−エポキシシクロヘキシルメチル 3−4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等が挙げられる。
非水溶性エポキシ化合物(E)は市販品を使用しても構わない。
非水溶性エポキシ化合物(E)の市販品としては、例えば、
アルケマ社製 バイロコックス10、12、14、16、28等のエポキシ化αオレフィン類;
ダイセル社製 セロキサイド2021P、2081、2000、エポリードGT401、EHPE3150CE(エポキシ樹脂との混合品)等の脂環式エポキシ基含有化合物;
アルケマ社製 LMO/LDO等のテルペンオキサイド類;
日油社製 マープルーフG−017581、東亞合成社製、ALFON UG−4010等のグリシジル基含有アクリル樹脂;
ADEKA社製 アデカレジンEP−4000、EP−4005、7001などの脂環式エポキシ樹脂;
等が挙げられる。
非水溶性エポキシ化合物と、コアシェル型樹脂微粒子分散体もしくは顔料分散樹脂との反応は、塗膜の基材密着性、耐水摩擦性を向上させる一方で、反応後に生成する水酸基等の影響により、耐水ブロッキング性を低下させる傾向にある。カルボジイミド基含有樹脂微粒子とコアシェル型樹脂微粒子分散体もしくは顔料分散樹脂との反応では、耐水ブロッキング性は向上するものの、基材によっては濡れ難く、ポットライフも短いため、塗膜耐性が発現しにくい。したがってそれぞれの架橋系を単独で使用しても要求物性を満たすことは困難である。非水溶性エポキシ化合物とカルボジイミド基含有樹脂微粒子分散体を併用した場合、基材密着性、耐水摩擦性が飛躍的に向上する上、耐水ブロッキング性も大幅に改善する。また、ポットライフも長くなり、分散安定性も良好である。これらは、非水溶性エポキシ化合物とカルボジイミド基含有樹脂微粒子分散体の相乗効果によるものと考えられる。
本発明の水性インキ用樹脂組成物は、後述の水性インキ組成物での使用はもちろんのこと、顔料を含まないメジウムインキやオーバーコート剤として使用することも可能である。
次に本発明の水性インキ組成物について説明する。本発明の水性インキ組成物は、顔料、顔料分散樹脂(F)、水、親水性溶剤ならびに、上述の水性インキ用樹脂組成物を含有してなる水性インキ組成物である。
水性インキ用樹脂組成物は水性インキ組成物100重量%中、固形分換算で5〜40重量%使用するのが好ましく、10〜30重量%使用するのがより好ましい。水性インキ用樹脂組成物が固形分換算で重量5%未満であると、基材と顔料間、顔料同士間の結着が不十分となるため、塗膜物性(基材密着性、耐水摩擦性)が低下する場合がある。また、水性インキ用樹脂組成物が固形分換算で40重量%を超えると、インキ組成物の粘度が著しく上昇し、インキの保存安定性に悪影響を及ぼしたり、乾燥不良の発生し、塗膜物性(基材密着性、耐水摩擦性)が低下する場合がある。
顔料分散に使用する顔料分散樹脂(F)としては、インキの安定性を維持し、顔料分散能を有するものであれば任意の水溶性樹脂を用いることができる。
優れた顔料吸着能と分散安定性の観点から、顔料分散樹脂(F)は、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、マレイン酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体であることが好ましい。さらにこれらの樹脂は、ラジカル開始剤により溶液重合もしくは塊状重合で合成しても構わないし、市販品を使用しても構わない。また、必要に応じて先述で述べた塩基性化合物を使用することができる。
顔料分散樹脂(F)の市販品としては、水溶性樹脂(A)で例示したものを使用することができる。
顔料への効率的な吸着、コアシェル型樹脂微粒子分散体(C)との相溶性の観点から、顔料分散樹脂(F)は、芳香族骨格を有していることが好ましい。芳香族骨格は、水溶性樹脂(A)と同様に、芳香族含有エチレン性不飽和単量体を共重合するなどして導入することができる。
顔料分散樹脂(F)の酸価は70〜230mgKOH/g範囲であることが好ましい。酸価が70mgKOH/g未満であると、造膜時にインキ用樹脂組成物との相溶が低下して、融着が阻害され、塗膜の耐水摩擦性が低下する場合がある。一方で230mgKOH/gを超えると、乾燥不良が発生し、耐水摩擦性、耐水ブロッキング性が低下する場合がある。
顔料分散樹脂(F)は、顔料100重量部に対し、固形分換算で10〜60重量部の範囲で使用することが好ましい。顔料分散樹脂が顔料100重量部に対して10重量部未満であると分散安定性が低下して、インキ組成物の分散安定性、保存安定性が悪化する場合がある。一方、顔料分散樹脂が顔料100重量部に対して60重量部を超えるとインキ組成物の粘度が著しく上昇し、インキの保存安定性に悪影響を及ぼす場合がある。また、塗膜の乾燥不良の発生や水への溶出成分が増加するため、塗膜物性(基材密着性、耐水摩擦性、耐ブロッキング性)についても低下する場合がある。
本発明の水性インキ組成物は、コアシェル型樹脂微粒子分散体(C)および顔料分散樹脂(F)由来のカルボキシル基1モルに対して、カルボジイミド基含有樹脂微粒子分散体(D)由来のカルボジイミド基が0.1〜0.5モルの範囲であることが好ましい。カルボジイミド基が0.1モル未満であると、カルボジイミド基の効果が十分に発現せず、塗膜の耐水ブロッキング性が悪化する場合がある。一方で0.5モルを超えた場合、インキ組成物の分散安定性が悪化する恐れがある。また、基材への濡れ性が悪くなり、基材密着性が悪化する場合がある。さらに、カルボジイミド基1モルに対して、非水溶性エポキシ化合物(E)の由来のエポキシ基が0.3〜2モルの範囲であることが好ましい。エポキシ基が0.3モル未満であると、エポキシ基の効果が十分に発現せず、塗膜の耐水摩擦性、基材密着性が低下する場合がある。一方で2モルを超えた場合、過剰な非水溶性エポキシ化合物が塗膜の耐水ブロッキング性に悪影響を及ぼす恐れがある。
顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、炭酸カルシウム等の無彩色の顔料または有彩色の有機顔料が使用できる。有機顔料としては、トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザエロー、ベンジジンエロー、ピラゾロンレッドなどの不溶性アゾ顔料、リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット、パーマネントレッド2Bなどの溶性アゾ顔料、アリザリン、インダントロン、チオインジゴマルーンなどの建染染料からの誘導体、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどのフタロシアニン系有機顔料、キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタなどのキナクリドン系有機顔料、ペリレンレッド、ペリレンスカーレットなどのペリレン系有機顔料、イソインドリノンエロー、イソインドリノンオレンジなどのイソインドリノン系有機顔料、ピランスロンレッド、ピランスロンオレンジなどのピランスロン系有機顔料、チオインジゴ系有機顔料、縮合アゾ系有機顔料、ベンズイミダゾロン系有機顔料、キノフタロンエローなどのキノフタロン系有機顔料、イソインドリンエローなどのイソインドリン系有機顔料、その他の顔料として、フラバンスロンエロー、アシルアミドエロー、ニッケルアゾエロー、銅アゾメチンエロー、ペリノンオレンジ、アンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ジオキサジンバイオレット等が挙げられる。
有機顔料をカラーインデックス(C.I.)ナンバーで例示すると、C.I.ピグメントエロー12、13、14、17、20、24、74、83、86 93、109、110、117、120、125、128、129、137、138、139、147、148、150、151、153、154、155、166、168、180、185、C.I.ピグメントオレンジ16、36、43、51、55、59、61、C.I.ピグメントレッド9、48、49、52、53、57、97、122、123、149、168、177、180、192、202、206、215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240、C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50、C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:3、15:4、15:6、22、60、64、C.I.ピグメントグリーン7、36、C.I.ピグメントブラウン23、25、26等が挙げられる。
カーボンブラックの具体例としては、デグサ社製「Special Black350、250、100、550、5、4、4A、6」「PrintexU、V、140U、140V、95、90、85、80、75、55、45、40、P、60、L6、L、300、30、3、35、25、A、G」、キャボット社製「REGAL400R、660R、330R、250R」「MOGUL E、L」、三菱化学社製「MA7、8、11、77、100、100R、100S、220、230」「#2700、#2650、#2600、#200、#2350、#2300、#2200、#1000、#990、#980、#970、#960、#950、#900、#850、#750、#650、#52、#50、#47、#45、#45L、#44、#40、#33、#332、#30、#25、#20、#10、#5、CF9、#95、#260」等が挙げられる。
酸化チタンの具体例としては、石原産業社製「タイペークCR−50、50−2、57、80、90、93、95、953、97、60、60−2、63、67、58、58−2、85」「タイペークR−820,830、930、550、630、680、670、580、780、780−2、850、855」「タイペークA−100、220」「タイペークW−10」「タイペークPF−740、744」「TTO−55(A)、55(B)、55(C)、55(D)、55(S)、55(N)、51(A)、51(C)」「TTO−S−1、2」「TTO−M−1、2」、テイカ社製「チタニックスJR−301、403、405、600A、605、600E、603、805、806、701、800、808」「チタニックスJA−1、C、3、4、5」、デュポン社製「タイピュアR−900、902、960、706、931」などが挙げられる。イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックなどの有機顔料は、水性インキ組成物100重量%中、5〜30重量%の割合で配合することが好ましい。また、白の酸化チタンの場合は通常10〜60重量%の割合で配合することが好ましい。
さらに本発明の水性インキ組成物は、基材への濡れ性、インキの乾燥性を制御する目的で、親水性溶剤を含有している。
水性インキ組成物100重量%中、親水性溶剤は1〜10重量%含有していることが好ましく、より好ましくは2〜5重量%の範囲内である。親水性溶剤が1重量%未満であると、印刷適性が悪化して塗膜物性(基材密着性、耐水摩擦性)が低下する場合がある。一方、親水性溶剤の含有量が10重量%を超えると、塗膜の乾燥不良が発生し、塗膜物性(基材密着性、耐水摩擦性、耐ブロッキング性)が低下してしまう場合がある。
親水性溶剤としては、例えば、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、2-ブタノール、2-メチル-2-プロパノールなどの一価のアルコール溶剤;
エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンチレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等のグリコール系溶剤;
エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤;
N-メチル-2-ピロリドン、N-ヒドロキシエチル-2-ピロリドン、2-ピロリドン、ε-カプロラクタム等のラクタム系溶剤;
ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、出光製エクアミドM−100、エクアミドB−100等のアミド系溶剤
等が挙げられる。これらは1種類または2種以上を併用して用いることができる。
本発明の水性インキ組成物には、基材への密着性向上やケト−ヒドラジド架橋の形成を目的として水溶性のヒドラジド化合物を適宜使用することができる。ヒドラジド化合物は、樹脂組成物段階で添加しても構わないし、インキ組成物調製時に添加しても構わない。
水溶性のヒドラジド化合物としては、例えば、アジピン酸ジヒドラジドや、多官能のヒドラジド基が変性された水溶性樹脂などが挙げられる。
コアシェル型樹脂微粒子分散体(C)がケト基を含有している場合、ケト−ヒドラジド架橋の形成を目的として、水溶性のヒドラジド化合物を添加することが好ましい。ヒドラジド化合物の添加量は、ケト基1.0モルに対してヒドラジド基が0.5〜1.0モルになるよう添加するのが好ましい。
本発明の水性インキ組成物には、塗膜の耐摩擦性を向上させる目的で市販のワックス微粒子分散体を使用することができる。ワックス樹脂微粒子分散体としては、例えば、三井化学社製、ケミパールW100、W200、W300、W310、W306、W400、W401、W4005、W410、W500、WF640、W700、W800、W900、W950、WH201、WP100などが挙げられる。
ワックス微粒子分散体の添加量は、塗膜物性における耐摩擦性向上と色相への悪影響のバランスを考慮して、水性インキ組成物100重量%中、固形分換算で1〜5重量%程度使用するのが好ましい。
本発明の水性インキ組成物は、基材へのレベリング性を調節する目的で各種表面調整剤を使用することができる。表面調整剤としては例えば、日信化学社製、サーフィノール104E,104H、104A、104PA,104PG−50、104S、420、440、465、485、SE,SE−F、PSA−336、61、2502、ダイノール604、607、ビックケミー社製BYK−381、3441、302、307、325、331、333、342、345、346、347、348、349、378、3455等が挙げられるがこれらに限らない。
表面調整剤の添加量は、塗膜物性への悪影響のバランスを考慮して、水性インキ組成物100重量%中、固形分換算で0〜1.0重量%程度使用するのが好ましい。
本発明の水性インキ組成物は、低温乾燥下においても、ポリプロピレンやポリエチレン、ポリエステル等のフィルム基材に対して、優れた基材密着性、耐水摩擦性を発現する。また、紙などの浸透性基材と違い、水分が逃げづらく、乾燥性の悪いフィルム基材においても、優れた耐水ブロッキング性を発現する。さらにインキの分散安定性も良好であり、ポットライフも長い。従って、フィルム基材への基材拡張、高速印刷(低温乾燥)が必要とされている水性フレキソ印刷・グラビア印刷への展開が大いに期待できる。フィルム基材の中でも、特に塗膜耐性発現が難しいポリエチレンテレフタラートフィルムに対して優れた物性を発現する。フィルム基材に限らず、上質紙などの浸透性基材やアート紙、コート紙など、従来の基材に対しても塗膜物性向上の目的で使用することも可能である。
乾燥工程は、基材に悪影響を及ぼさない範囲であれば任意の温度をかけることが可能である。水性フレキソ印刷においては、40〜100℃の低温で1〜180秒の範囲で処理するのが一般的である。乾燥後の印刷物については、巻き取られた状態で保管される。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例における「部」は「重量部」、「%」は「重量%」を表す。
<水溶性樹脂(A)の製造>
[製造例1]
攪拌器、温度計、2つの滴下ロート、還流器を備えた別の反応容器に、酢酸ブチル94.0部を仕込み、攪拌しながら、窒素還流下で温度100℃まで昇温した。次に、2つの滴下ロートにおいて、一方からは、スチレン40.0部、アクリル酸28.0部、メチルメタクリレート15.0部、n−ブチルアクリレート17.0部を3時間かけて滴下した。もう一方からは、ジメチル2,2‘−アゾビスイソブチレート6.8部を酢酸ブチル12.0部に溶解させ、4時間かけてそれを滴下した。滴下完了後、更に10時間反応させた。反応完了後、乾燥させて溶剤を除去し、固形の水溶性樹脂(A)を得た。水溶性樹脂(A)の酸価は204mgKOH/g、重量平均分子量は10700であった。
[製造例2〜10]
製造例1と同様に、表1に示す組成で水溶性樹脂(A)を合成し、溶剤を除去して固形の水溶性樹脂(A)を得た。
[製造例11]
攪拌器、温度計、還流器を備えた別の反応容器にP-2011(クラレ社製 ポリエステルポリオール)174.0部、ジメチロールブタン酸47.9部、メチルエチルケトン128.6部を仕込み、窒素置換しながら、60℃まで昇温した。さらにイソホロンジイソシアネート78.1部、ジブチル錫ラウリレート0.02部を加え、80℃まで昇温し、8時間反応させた。得られた水溶性樹脂(A)の重量平均分子量は8900、酸価は60mgKOH/gであった。
[酸価]
樹脂1g中に含まれる酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数。水溶性樹脂(A)について、JIS K2501に記載の方法に従い、水酸化カリウム・エタノール溶液で電位差滴定をおこない算出した。
[重量平均分子量]
乾燥させた水溶性樹脂(A)をテトラヒドロフランに溶解させ、0.1%溶液を調製し、以下の装置ならびに測定条件により重量平均分子量を測定した。
装置:HLC−8320−GPCシステム(東ソー社製)
カラム;TSKgel-Super Multipore HZ−M0021488 4.6 mmI.D.×15cm×3本(分子量測定範囲2千〜約200万)
溶出溶媒;テトラヒドロフラン
標準物質;ポリスチレン(東ソー社製)
流速;0.6mL/分、試料溶液使用量;10μL、カラム温度;40℃
Figure 2016060885
<コアシェル型樹脂微粒子分散体(C)の製造>
[製造例12]
攪拌器、温度計、2つの滴下ロート、還流器を備えた別の反応容器に、製造例1で調製した水溶性樹脂(A)40.0部、25%アンモニア水9.9部、イオン交換水145.7部を添加し、攪拌しながら60℃に昇温して水溶性樹脂(A)を溶解させた。(アンモニア水は水溶性樹脂(A)のカルボキシル基を100%中和する量を添加した。)さらに窒素還流下で温度を80℃まで昇温した。2つの滴下ロートにおいて、一方からは、スチレン20.0部、フェノキシエチルアクリレート18.0部、n−ブチルアクリレート10.0部、2−エチルヘキシルアクリレート52.0部の混合溶液を2時間かけて滴下した。もう一方からは、過硫酸アンモニウム20%水溶液4.0部を2時間かけて滴下した。滴下完了後、更に4時間反応させてコアシェル型樹脂微粒子分散体を得た。イオン交換水により、最終固形分を45.0%に調整した。得られたコアシェル型樹脂微粒子分散体について、平均粒子径、重量平均分子量、コア部のTgを測定した。重量平均分子量は水溶性樹脂(A)と同様の方法で測定した。得られたコアシェル型樹脂微粒子分散体の平均粒子径は84nm、重量平均分子量は420000、コア部のガラス転移温度は−28℃であった。
[平均粒子径]
樹脂微粒子分散体を500倍に水希釈し、該希釈液約5mlを動的光散乱測定法(測定装置はナノトラックUPA(株)日機装製)により測定をおこなった。この時得られた体積粒子径分布データ(ヒストグラム)のピークを平均粒子径とした。
[ガラス転移温度(Tg)]
ガラス転移温度(Tg)は、DSC(示差走査熱量計 TAインスツルメント社製)により測定した。樹脂微粒子分散体を乾固したサンプル約2mgをアルミニウムパン上で秤量し、該アルミニウムパンをDSC測定ホルダーにセットし、5℃/分の昇温条件にて得られるチャートの吸熱ピークを読み取り、ガラス転移温度(Tg)を得た。
[製造例13〜31]
表2に示す配合組成で、製造例12と同様の方法で、製造例13〜31のコアシェル型樹脂微粒子分散体(C)を合成した。この時、水溶性樹脂(A)のカルボキシル基が100%中和されるように25%アンモニア水を添加した。製造例31については、高分子乳化剤がカルボキシル基を有しておらず、中和する必要が無いため、溶解時に25%アンモニア水を添加しなかった。合成完了後、イオン交換水により、コアシェル型樹脂微粒子分散体(C)の最終固形分を45.0%に調整した。製造例15、19、26については、仕込みのジアセトンアクリルアミドに対して1/2当量に相当するアジピン酸ジヒドラジドを固形分調整時に添加した。重量平均分子量など、物性の測定はアジピン酸ヒドラジドを添加する前におこなった。
Figure 2016060885
表2に記載の化合物を下記に示す。
SMA2000(CrayValley製 スチレン・無水マレイン酸樹脂、Mw7500、酸価350)
M−205(クラレ製 反応性基含有ポリビニルアルコール)
<水性インキ組成物の製造>
<顔料分散樹脂(F)の製造>
[製造例32]
攪拌器、温度計、2つの滴下ロート、還流器を備えた別の反応容器に、メチルイソブチルケトン94部を仕込み、攪拌しながら、窒素還流下で温度100℃まで昇温した。次に、2つの滴下ロートにおいて、一方からは、スチレン20.0部、α−メチルスチレン5.0部、アクリル酸15.0部、メチルメタクリレート30.0部、n-ブチルアクリレート30.0部を3時間かけて滴下した。もう一方からは、ジメチル2,2‘−アゾビスイソブチレート5部をメチルイソブチルケトン5.0部に溶解させ、4時間かけてそれを滴下した。滴下完了後、更に10時間反応させた。反応完了後、乾燥させて溶剤を除去し、固形の顔料分散樹脂(F)を得た。酸価ならびに重量平均分子量は水溶性樹脂(A)と同様の方法で測定した。得られた顔料分散樹脂(F)の酸価は111mgKOH/g、重量平均分子量は10300であった。この顔料分散樹脂(F)に、カルボキシル基が100%中和されるように25%アンモニア水を加え、更にイオン交換水を加えて、加熱、攪拌しながら顔料分散樹脂(F)の28.0%水溶液を得た。
[製造例33〜38]
表3に示す配合組成で、製造例32と同様の方法で、製造例33〜38の顔料分散樹脂(F)を合成し、28.0%水溶液を調製した。
Figure 2016060885
<濃縮顔料分散液の製造>
[製造例39]
<濃縮白顔料分散液の製造>
顔料[タイペークCR80 石原産業社製]67.5部、製造例32の顔料分散剤水溶液(固形分28%)25.0部、イオン交換水2.1部、表面調整剤[サーフィノール420 日信化学工業社製]0.4部をペイントコンディショナーにて2時間分散し、濃縮白顔料分散液を得た。
[製造例40〜45]
表4に示す配合組成で、製造例39と同様の方法で濃縮白顔料分散液を調製した。
Figure 2016060885
[製造例46]
<濃縮藍顔料分散液の製造>
顔料[リオノールブルーFG7330 トーヨーカラー社製]34.2部、製造例32の顔料分散樹脂水溶液(固形分28%)22.0部、イオン交換水26.4部、表面調整剤[サーフィノール420 日信化学工業製]0.4部をペイントコンディショナーにて2時間分散し、濃縮藍顔料分散液を得た。
[製造例47〜52]
表5に示す配合組成で、製造例46と同様の方法で濃縮藍顔料分散液を調製した。
Figure 2016060885
<水性インキ用樹脂組成物の調製>
[実施例1]
製造例12で製造したコアシェル型樹脂微粒子分散体(C)76.2部、カルボジライトE−01(日清紡ケミカル社製 カルボジイミド基含有樹脂微粒子分散体 固形分40%)11.9部、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル11.9部を添加し、攪拌・混合して目的の水性インキ用樹脂組成物を得た。
[実施例2〜29および比較例1〜12]
表6および表7に示す配合組成で、実施例1と同様の方法で、実施例2〜29ならびに比較例1〜12の水性インキ用樹脂組成物を得た。
Figure 2016060885
表6に記載の化合物を下記に示す。
カルボジライトE−01(日清紡ケミカル社製 カルボジイミド基含有エマルジョン カルボジイミド当量425)
カルボジライトE−02(日清紡ケミカル社製 カルボジイミド基含有エマルジョン カルボジイミド当量445)
カルボジライトE−03A(日清紡ケミカル社製 カルボジイミド基含有エマルジョン カルボジイミド当量365)
マープルーフG−017581(日油社製グリシジル基含有アクリル樹脂 Mw10000 エポキシ当量240)
LMO/LDO(アルケマ社製 リモネンモノオキサイドとリモネンジオキサイドの混合物 LMO/LDO=7/3)
EHPE3150CE(ダイセル社製3',4'-エポキシシクロヘキシルメチル 3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート と2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1-ブタノールの1,2-エポキシ-4-(2-オキシラニル)シクロヘキサン付加物の混合品 エポキシ当量152)
Figure 2016060885
表7に記載の化合物を下記に示す。(表6と重複しているものは除く)
デナコールEX−850(ナガセケムテックス社製 ジエチレングリコールジグリシジルエーテル エポキシ当量122)
<水性インキ組成物の調製>
[実施例30]
実施例1で得られた水性インキ用樹脂組成物42.0部に対して、製造例39の濃縮白顔料分散液47.5部、ケミパールW500(三井化学製ポリオレフィン水分散体) 5.0部、n-プロパノール部4.0部、ブチルジグリコール1.0部、イオン交換水0.5部を加えた後、混練して白色水性インキ組成物を得た。
[実施例31〜58および比較例13〜24]
表8および表9に示す配合組成で、実施例30と同様の方法で調製し、実施例31〜58および比較例13〜24の白色水性インキ組成物を得た。
Figure 2016060885
表8に記載の化合物を下記に示す。
ケミパールW−500(三井化学社製 ポリオレフィン水分散体 固形分40%)
Figure 2016060885
[実施例59]
実施例1で得られた水性インキ用樹脂組成物42.0部に対して、製造例46の濃縮藍顔料分散液41.5部、ケミパールW500(三井化学社製ポリオレフィン水分散体) 4.5部、n-プロパノール部3.0部、ブチルジグリコール1.0部、イオン交換水8.0部を加えた後、混練して藍色水性インキ組成物を得た。
[実施例60〜87および比較例25〜36]
表10および表11に示す配合組成で、実施例59と同様の方法で調製し、実施例60〜87および比較例25〜36藍色水性インキ組成物を得た。
Figure 2016060885
Figure 2016060885
<水性インキ組成物の評価>
上記で調製した水性インキ組成物について、経時で分散安定性(分離、沈殿、流動性の有無)を評価した。さらに水性インキ組成物を、フレキシプルーフ100(アニロックスローラー70線/cm)を用いて、処理PETフィルム(東洋紡製ポリエステルフィルムE-5100・厚み12μ)に2回塗工し、オーブンで60℃・1分ほど加熱処理してから、塗工面が空気にさらされないように、未処理PETフィルムを上から重ね合わせた。この評価用塗膜を恒温恒湿室で40℃、1日保管した後、基材密着性、耐水摩擦性、耐水ブロッキング性を評価した。(耐水ブロッキング性は、塗工面上に水を含んだ状態でのブロッキング試験であり、通常のブロッキング試験よりも、乾燥不良や水への溶出成分の影響を受けやすい。)評価は調製直後ならびに経時後のインキ組成物についておこなった。ポットライフは、経時後のインキ組成物の塗工の可否、塗膜物性(基材密着性、耐水摩擦性、耐水ブロッキング性)から評価した。表8〜表11にその結果を示す。
[分散安定性]
水性インキ組成物について、経時で分離、沈殿物、流動性の有無を目視で確認した。分離や沈殿物の発生が無く、流動性が有る状態を安定とした。分離または沈殿物が発生する、流動性が無い状態を不安定とした。
評価基準は以下の通りである。(実用可能レベルは○△以上)
◎:調製から24時間後まで安定である。
○;調製から16時間後まで安定である。
○△;調製から12時間後まで安定である。
△;調製から8時間後まで安定である。
×;調製から4時間後まで安定である。
[基材密着性]
評価用塗膜にセロハンテープ(ニチバン社製18mm幅)を貼り付け、垂直方向に剥離試験をおこない、インキの剥がれた面積の割合から基材密着性について評価した。
評価基準は以下の通りである。(実用可能レベルは○△以上)
◎;インキの剥がれがない
○;インキの剥がれがややある(5%未満)
○△;インキの剥がれがややある(5%以上、10%未満)
△;インキの剥がれがある(10%以上、50%未満)
×;インキの剥がれがかなりある(50%以上)
[耐水摩擦性]
評価用塗膜を水に浸漬後、摩擦子にカナキン(JIS L 0803)を用い、水をたらした塗膜表面を学振試験機(テスター産業社製)により、荷重800gで40往復させた。インキの剥がれた面積の割合から耐水摩擦性について評価した。評価基準は以下の通りである。(実用可能レベルは○△以上)
◎;インキの剥がれがない
○;インキの剥がれがややある(1%未満)
○△;インキの剥がれがややある(1%以上、5%未満)
△;インキの剥がれがある(5%以上、30%未満)
×;インキの剥がれがかなりある(30%以上)
[耐水ブロッキング性]
評価用塗膜について、塗工面に水を一滴垂らし、未処理PETフィルムを重ね合わせ、1kg/cmの荷重をかけて、恒温恒湿室で、40℃で24時間放置した。その後、評価用塗膜を取り出し、裏写りの有無を確認した。裏移りした面積の割合から耐水ブロッキング性について評価した。
評価基準は以下の通りである。(実用可能レベルは○△以上)
◎;剥離時に音がせず、裏移りもしていない
○;剥離時に音がするが、裏移りはしていない
○△;インキがやや裏面に裏写りしている(1%未満)
△; インキがやや裏面に裏写りしている(1%以上5%未満)
×;インキが裏面に裏写りしている(5%以上)
[ポットライフ]
経時の水性インキ組成物について、上述の印刷機での塗工性ならびに塗膜物性(基材密着性、耐水摩擦性、耐水ブロッキング性)からポットライフを評価した。評価基準は以下の通りである(実用可能レベルは○△以上)
◎;調製から24時間後まで塗工可能かつ調製直後のインキと同等の塗膜物性を発現する
○;調製から16時間後まで塗工可能かつ調製直後のインキと同等の塗膜物性を発現する。
○△;調製から12時間後まで塗工可能かつ調製直後のインキと同等の塗膜物性を発現する。
△;調製から8時間後まで塗工可能かつ調製直後のインキと同等の塗膜物性を発現する
×;調製から4時間後まで塗工可能かつ調製直後のインキと同等の塗膜物性を発現する
表8および表11に示すように、実施例1〜29の水性インキ用樹脂組成物を使用した白色水性インキ組成物(実施例30〜58)ならびに藍色水性インキ組成物(実施例59〜87)は分散安定性が良好であり、低温乾燥下でもフィルム基材に対して優れた基材密着性、耐水摩擦性、耐水ブロッキング性を発現することが確認された。ポットライフについても、少なくとも調製から8時間までは問題なく使用できる結果であった。これらは全ての項目において、実用上可能なレベルを満たしている。一方、比較例1〜12の水性インキ用樹脂組成物を使用した白色水性インキ組成物(比較例13〜24)ならびに藍色水性インキ組成物(比較例25〜36)は、分散安定性、塗膜物性(基材密着性、耐水摩擦性、耐水ブロッキング性)、ポットライフのいずれかに問題を有しており、実用可能なレベルを満たさない結果となった。

Claims (8)

  1. カルボキシル基を有する水溶性樹脂(A)を高分子乳化剤として、水性媒体中でエチレン性不飽和単量体(B)を乳化重合してなるコアシェル型樹脂微粒子分散体(C)と、
    カルボジイミド基含有樹脂微粒子分散体(D)と、
    非水溶性エポキシ基含有化合物(E)とを含有してなる水性インキ用樹脂組成物。
  2. 非水溶性エポキシ基含有化合物(E)が脂環式エポキシ基を有している請求項1記載の水性インキ用樹脂組成物。
  3. コアシェル型樹脂微粒子分散体(C)のコア部のガラス転移温度が−30〜30℃である請求項1又は2記載の水性インキ用樹脂組成物。
  4. コアシェル型樹脂微粒子分散体(C)の重量平均分子量が200000〜500000である請求項1〜3いずれか記載の水性インキ用樹脂組成物。
  5. エチレン性不飽和単量体(B)の合計100重量部に対し、水溶性樹脂(A)の量が40〜150重量部である請求項1〜4いずれか記載の水性インキ用樹脂組成物。
  6. 顔料、顔料分散樹脂(F)、水、親水性溶剤ならびに、請求項1〜5いずれか記載の水性インキ用樹脂組成物を含有してなる水性インキ組成物。
  7. 分散体(C)および樹脂(F)由来のカルボキシル基1モルに対して、分散体(D)由来のカルボジイミド基が0.1〜0.5モルの範囲であり、
    分散樹脂(D)由来のカルボジイミド基1モルに対して、化合物(E)由来のエポキシ基が0.3〜2モルの範囲である請求項6記載の水性インキ組成物。
  8. フレキソ印刷またはグラビア印刷に用いられる、請求項6又は7記載の水性インキ組成物。
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