JP2001279151A - 水性印刷インキと、これを用いた印刷物及びその製造方法 - Google Patents

水性印刷インキと、これを用いた印刷物及びその製造方法

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JP2001279151A JP2000093239A JP2000093239A JP2001279151A JP 2001279151 A JP2001279151 A JP 2001279151A JP 2000093239 A JP2000093239 A JP 2000093239A JP 2000093239 A JP2000093239 A JP 2000093239A JP 2001279151 A JP2001279151 A JP 2001279151A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水性印刷インキにおいて、インキ粘度にほと
んど影響を与えず、紙等の吸収性基材及びプラスチック
等の非吸収基材へのインキ転移性の低下をまねくことな
く、良好で、且つ、安定な印刷適性を保ち、常温、又
は、加熱乾燥で高光沢の印刷物が得られる、水性印刷イ
ンキと、これを用いた印刷物及びその製造方法を提供す
る。 【解決の手段】 ワニス成分としてカルボキシル基又は
水酸基のいずれか又は双方を含むアクリル系樹脂を揮発
性塩基で中和し、顔料を含有する水性印刷インキにおい
て、ワニス成分としてカルボキシル基、又は、水酸基の
いずれか又は双方を含むアクリル系樹脂100重量部に
対して、ポリカルボジイミド系樹脂1〜150重量部を
含有した水性印刷インキを使用し、印刷後に、常温、或
いは、加熱乾燥で印刷物を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カルボキシル基又
は水酸基のいずれか又は双方を含むアクリル系樹脂を有
するワニスに顔料を含有した水性印刷インキに、ワニス
成分としてポリカルボジイミド系樹脂を含有したインキ
を用いることにより、常温、又は、加熱乾燥で高光沢の
印刷物が得られる、水性印刷インキと、これを用いた印
刷物及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】グラビア印刷は、低粘度系のインキを用
い、多くの基材に多色印刷するのに使われてきたが、低
粘度化するために有機溶剤を多く使用する必要があり、
作業環境や大気汚染などの問題から、脱溶剤化が求めら
れ、インキの水性化の開発が行われてきている。しか
し、まだ残された問題点も多く、その一つが水性印刷イ
ンキの堅牢性が劣る点と、印刷物の光沢が溶剤型インキ
に劣るという問題があった。堅牢性の改善のために、ワ
ニス成分としてのカルボキシル基に架橋するものとし
て、アジリジン化合物、ポリイソシアネート化合物、エ
ポキシ化合物等により印刷物の品質向上を図る提案がさ
れてきた。
【0003】一般的にアジリジン化合物、エポキシ化合
物等の架橋剤をインキ中に添加すると、インキが増粘す
ることで混合後のインキの保存安定性が非常に短く、且
つ、印刷機上での安定性、作業環境の問題が生じてい
た。また、オキサゾリン化合物は、印刷後に熱処理を必
要とするため常温では架橋効果がなかった。しかも、一
般的にアクリル系樹脂と架橋剤における反応は、常温で
は反応効率が劣る傾向であったことから、後処理として
加熱を必要とするものが多く、更に反応段階で二酸化炭
素といった副生成物が生じることで、インキ皮膜の中に
気泡やピンホールを生じることから、印刷物品質へ悪影
響を及ぼす問題があった。
【0004】その中で、特開平06−16988公報に
は、ポリカルボジイミド化合物を含有した印刷インキを
用いることで、各種プラスチックフィルムなどの非吸収
性基材に対して優れた接着性を示し、印刷物の耐ブロッ
キング性及び耐酢酸エチル性が優れ、更にラミネートフ
ィルムの耐熱性に優れる印刷インキとして提案されてい
る。しかしながら、紙等の吸収性基材に対する印刷適
性、また、印刷物の光沢の問題があった。
【0005】更に、特開平10−315615公報に
は、水溶性又は水分散性カルボジイミド化合物を主成分
とする架橋剤は、常温でも化学反応性がよく、しかも、
反応に伴う副生成物がなく、耐熱性、接着性及び耐水性
が良好で、極めて毒性の低いものとして提案されてい
る。その中でも、PVA樹脂に水溶性又は水分散性カル
ボジイミド化合物を主成分とする架橋剤を配合してなる
組成物をシート基材の表面にコーティングすることによ
り、インク吸収速度、耐水性、高鮮明な記録、印刷を可
能としたインクジェット記録用等の印刷記録用シートと
して提案されている。しかしながら、これらのいずれも
が、印刷物の耐水性の向上のために、架橋剤の検討がな
されたもので、印刷物の光沢の改善を目的としたもので
はなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述した問
題点を解決することを目的としたもので、水性印刷イン
キにおいて、アクリル系樹脂中のカルボキシル基又は水
酸基のいずれか又は双方に適した架橋剤として、カルボ
ジイミド基を有するポリカルボジイミド系樹脂が、水性
印刷インキに適し、インキ粘度にほどんど影響を与え
ず、紙等の吸収性基材及びプラスチック等の非吸収基材
へのインキ転移性の低下をまねくことなく、良好で、且
つ、安定な印刷適性を保ち、印刷後に、常温、又は、加
熱乾燥で高光沢の印刷物が得られる架橋剤であることを
見いだし、ワニス成分としてアクリル系樹脂中のカルボ
キシル基又は水酸基のいずれか又は双方を含むアクリル
系樹脂に対して、ポリカルボジイミド系樹脂を含有した
水性印刷インキと、これを用いた印刷物及びその製造方
法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、このような
現状を鑑み、アクリル系樹脂中のカルボキシル基又は水
酸基のいずれか又は双方に適した架橋剤、つまり、ポリ
カルボジイミド系樹脂を用いることで上記記載の目的を
達成することを見いだした。
【0008】本発明は、ワニス成分としてカルボキシ
ル基又は水酸基のいずれか又は双方を含むアクリル系樹
脂を揮発性塩基で中和し、顔料を含有する水性印刷イン
キにおいて、ワニス成分としてアクリル系樹脂中のカル
ボキシル基又は水酸基のいずれか又は双方を含むアクリ
ル系樹脂100重量部に対して、ポリカルボジイミド系
樹脂1〜150重量部を含有したことを特徴とする水性
印刷インキである。
【0009】また、本発明は、の水性印刷インキを
用い、グラビア印刷機又はフレキソ印刷機により、基材
に印刷後、赤外線乾燥装置又は熱風乾燥装置により、加
熱乾燥を行い、印刷物を得ることを特徴とする印刷物の
製造方法である。
【0010】また、本発明は、の水性印刷インキを
用いて、グラビア印刷機又はフレキソ印刷機により、基
材に印刷して作成してなることを特徴とする印刷物であ
る。
【0011】また、本発明は、の水性印刷インキを
用い、グラビア印刷機又はフレキソ印刷機により、基材
に印刷後、赤外線乾燥装置又は熱風乾燥装置により、加
熱乾燥を行い得られた印刷物である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、水性印刷インキのバイ
ンダーの一部としてポリカルボジイミド系樹脂を添加剤
的に加えたものである。これによってインキ皮膜は多く
の基材に対して、インキ転移性の低下をまねくことな
く、良好で、且つ、安定な印刷適性を維持しつつ、水性
インキを利用した印刷物の光沢の向上を図ることが可能
となり、大気汚染防止対策、労働安全衛生法に基づく作
業環境測定や特殊健康診断の義務の軽減、消防法上の緩
和、及び、火災の危険が大幅に改善されると共に、品質
の向上を同時に達成することが可能となる。
【0013】本発明のワニス成分としてカルボキシル基
又は水酸基のいずれか又は双方を含むアクリル系樹脂を
揮発性塩基で中和し、顔料を含有する水性印刷インキに
おいて、カルボキシル基又は水酸基のいずれか又は双方
を含むアクリル系樹脂100重量部に対して、カルボキ
シル基を有するポリカルボジイミド系樹脂1〜150重
量部を配合し分散する水性インキであり、更に好ましく
は、本発明の配合割合は、カルボキシル基又は水酸基の
いずれか又は双方を含むアクリル系樹脂100重量部に
対して、カルボキシル基を有するポリカルボジイミド系
樹脂50〜100重量部が良い。また、前記各成分の他
にアルコール等が添加され、また、必要に応じて顔料、
分散剤、消泡剤、ワックス、潤滑剤等を添加し、ボール
ミル、アトライタ、サンドミル等の分散機により水に溶
解分散させることにより調整される。
【0014】カルボキシル基又は水酸基のいずれか又は
双方を含むアクリル系樹脂100重量部に対して、カル
ボキシル基を有するポリカルボジイミド系樹脂1重量よ
り少ない場合、水性印刷インキにおいては、インキの貯
蔵安定性や機上安定性は良好であるが、印刷光沢が向上
する傾向が少なくなり、また、カルボキシル基又は水酸
基のいずれか又は双方を含むアクリル系樹脂100重量
部に対して、カルボキシル基を有するポリカルボジイミ
ド系樹脂150重量より多い場合、印刷光沢が向上する
傾向にあるが、インキの貯蔵安定性、印刷機上での印刷
品質の安定性が劣ることから、配合設計上の余裕がなく
なる傾向にあるので、好ましくない。
【0015】本発明に係る水性印刷インキのバインダー
成分においては、印刷インキのバインダー成分として知
られているものが使用され、水溶性樹脂、水分散性樹
脂、その中間的なハイドロゾル型樹脂が使用される。具
体的には、シェラック、ロジン変性マレイン酸樹脂、ス
チレン−アクリル酸樹脂、アクリル酸エステル−アクリ
ル酸樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂、ヒドロキシエチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ウレタ
ン変性アクリル酸樹脂、水溶性ウレタン、水溶性ポリエ
ステル樹脂の単独、又は、これらの混合物からなる樹
脂、水溶性樹脂を保護コロイドとするコロイド状水性樹
脂等が挙げられる。このうち、特に印刷物品質の点か
ら、水性印刷インキにはカルボキシル基又は水酸基のい
ずれか又は双方を持ったアクリル系樹脂が適している
が、混合系樹脂からなるカルボキシル基又は水酸基のい
ずれか又は双方を有するものでも良い。
【0016】本発明に係る印刷インキ組成物として使用
するカルボキシル基を有するアクリル系樹脂の酸価にお
いては、3〜300のもので、及び、重量平均分子量に
おいては、3000〜50000の範囲のポリマーであ
るものが好ましい。
【0017】本発明に係るバインダーに使用されるアク
リル系樹脂のカルボキシル基を塩基性化合物を用いて中
和し、樹脂を親水性化して水に分散させる際に使用する
揮発性の塩基性化合物においては、例えば、アンモニ
ア、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルエ
タノールアミン、ジイソプロパノールアミンの如き有機
アミン等が挙げられる。
【0018】本発明に係る架橋剤のカルボジイミド基を
有するポリカルボジイミド系樹脂においては、ジイソシ
アネートとして高分子ジオールと有機ジイソシアネート
の反応によって得られる末端イソシアネート基を有する
ウレタンプレポリマーからなり、また、末端イソシアネ
ート基を親水基で封止してなる、少なくとも1個の−N
CN−基を有する水溶性又は水分散性カルボジイミド化
合物である。
【0019】本発明に係る顔料とカルボキシル基を有す
る樹脂との割合においては、顔料100重量部に対し
て、樹脂の固形分で1〜200重量部の範囲が好まし
い。樹脂の使用量が1重量部よりも少ない場合、顔料を
充分微細に分散しにくくなる傾向にあり、また、200
重量部よりも多い場合、分散体中の顔料の割合が少なく
なり、水性顔料分散体を印刷インキ等に用いた時、配合
設計上の余裕がなくなる傾向にあるので、好ましくな
い。
【0020】本発明に係る水性印刷インキとして使用す
る顔料においては、有機顔料、無機顔料や体質顔料が使
用できる。一般的にグラビア印刷で使用される顔料は、
例えば、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、フ
タロシアニングリーン、パーマネントレッド、ジオキサ
ジン系、キナクリドン系、アゾ系金属錯体、スレンブル
ー等が挙げられる。また、粉末、水性スラリー、プレス
ケーキといった水に分散した状態の顔料であっても良
い。
【0021】本発明に係る有機溶剤においては、一般的
に使用されるものはすべて使用できるが、樹脂に対する
溶解性が良く、樹脂の合成上も問題がないもの、蒸気圧
が水より高く、脱溶剤し易いもの、更に、水と混和性の
あるものが好ましい。具体的には、メタノール、エタノ
ール、n−プロパノール、イソプロパノール、グリコー
ルエーテル類等が特に好ましい。
【0022】本発明の係るインキ転移性の低下をまねく
ことなく、良好で、且つ、安定的な印刷適性が得られる
インキ粘度とは、B型粘度計(No.3、60rpm、
25℃)で0.1〜10Pの範囲が好ましい。インキ粘
度が10Pより高い場合、インキの流動性が低下するこ
とで、インキ転移率が減少する傾向にあるので、好まし
くない。
【0023】本発明に係る印刷方式は、フレキソ印刷、
グラビア印刷方式が好ましい。本発明に係るグラビア印
刷は、機械的彫刻、又は、化学的腐食法等を用いて製造
した版面に、ドブ付けあるいはファニッシャーロール等
を用いて、版面全体に印刷インキをつけ、ドクターによ
り余分なインキを掻き落とした後、多くの基材に印刷を
行うものである。
【0024】本発明に係る水性印刷インキを使用した印
刷物の乾燥においては、加熱乾燥としては熱風乾燥、遠
赤外線乾燥等の強制的な加熱乾燥はもちろん常温でも架
橋効果があるので特に制限はない。なお、印刷物の光沢
の向上を図るならば、熱風乾燥、遠赤外線乾燥等の強制
的な乾燥方法を行うことが特に好ましい。
【0025】本発明に係る多くの基材においては、上質
紙、コート紙などの用紙、プラスチックフィルムなどで
あり、切手用紙、収入印紙用紙等も含まれる。
【0026】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例により、具
体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定される
ものではない。
【0027】なお、本実施例及び比較例では、カルボジ
イミドを有するポリカルボジイミド系樹脂としては、商
品名として、カルボジライトV−02−L2(日清紡
(株)製)を用い、また、アクリル系樹脂としては、ア
ンモニア、アミン等で中和されたJONCRYL 61
J(ジョンソンポリマー(株)製)を用いた。
【0028】(実施例1)水性印刷インキA−1の製造 表1に示した配合割合に基づき、カルボキシル基を含む
アクリル系樹脂(JONCRYL 61J:ジョンソン
ポリマー(株)製)を水及びイソプロピルアルコールか
らなる助剤で希釈し、適性粘度としたワニスと顔料を混
合し、ボールミルで顔料分散して得られる水性印刷イン
キに、ポリカルボジイミド系樹脂(カルボジライトV−
02−L2:日清紡(株)製)を常温で撹拌混合して水
性印刷インキA−1の作製をした。
【0029】(実施例2)水性印刷インキB−1の製造 実施例1と同様の方法で表1に示した配合割合に基づ
き、水性印刷インキB−1を作製した。
【0030】(比較例1)水性印刷インキC−1の製造 表1に示した配合割合に基づき、カルボキシル基を含む
アクリル系樹脂(JONCRYL 61J:ジョンソン
ポリマー(株)製)を水及びイソプロピルアルコールか
らなる助剤で希釈し、適性粘度としたワニスと顔料を混
合し、ボールミルで顔料分散して得られる水性印刷イン
キC−1を作製した。
【0031】
【表1】
【0032】水性印刷インキA−1、B−1は表1の配
合割合でポリカルボジイミド系樹脂(カルボジライトV
−02−L2:日清紡(株)製)がそれぞれに含有され
た水性印刷インキであり、水性印刷インキC−1はポリ
カルボジイミド系樹脂(カルボジライトV−02−L
2:日清紡(株)製)が含有されていない水性印刷イン
キである。
【0033】水性印刷インキA−1、B−1、C−1の
インキ粘度を、B型粘度計(No.3、60rpm、2
5℃)を用いて測定した。
【0034】
【表2】
【0035】水性印刷インキA−1、B−1、C−1の
インキ粘度は、表2に示すとおりであった。ポリカルボ
ジイミド系樹脂(カルボジライトV−02−L2:日清
紡(株)製)/カルボキシル基を含むアクリル系樹脂
(JONCRYL 61J:ジョンソンポリマー(株)
製)=50重量部/100重量部の割合でポリカルボジ
イミド系樹脂(カルボジライトV−02−L2:日清紡
(株)製)を加えてもインキ粘度変化はなく、更に、ポ
リカルボジイミド系樹脂(カルボジライトV−02−L
2:日清紡(株)製)/カルボキシル基を含むアクリル
系樹脂(JONCRYL 61J:ジョンソンポリマー
(株)製)=100重量部/100重量部の割合でポリ
カルボジイミド系樹脂(カルボジライトV−02−L
2:日清紡(株)製)を加えても、インキ粘度が大きく
変化することはなかった。
【0036】常温乾燥による印刷物の作製 水性印刷インキA−1、B−1、C−1を、線数250
線、版深20μmからなるグラビア版面の画線部に充填
し、490N/cmの印刷圧力を加え、コート紙に印刷
し、印刷物を常温(25℃、RH50%)で放置乾燥さ
せ、それぞれのA−1−1、B−1−1、C−1−1の
印刷物を作製した。
【0037】強制乾燥による印刷物の作製1 水性印刷インキA−1、B−1、C−1を、線数250
線、版深20μmからなるグラビア版面の画線部に充填
し、490N/cmの印刷圧力を加え、コート紙に印刷
し、印刷後ただちに、熱風乾燥機(PH-200 TABAI製)を
用い、印刷インキ中に含有する中和剤を揮発させ、ワニ
ス成分としてアクリル系樹脂中のカルボキシル基、水酸
基の活性水素基とカルボジイミド基を有するポリカルボ
ジイミド系樹脂(カルボジライトV−02−L2:日清
紡(株)製)との反応を促進させるため、乾燥温度60
℃で15分加熱乾燥させ、それぞれのA−1−2、B−
1−2、C−1−2の印刷物を作製した。
【0038】強制乾燥による印刷物の作製2 実施例1、実施例2、比較例1の水性印刷インキA−
1、B−1、C−1を強制乾燥による印刷物の作製1と
同様の方法で、乾燥温度80℃で15分加熱乾燥させ、
それぞれのA−1−3、B−1−3、C−1−3の印刷
物を作製した。
【0039】常温乾燥による印刷物の作製、強制乾燥に
よる印刷物の作製1及び強制乾燥による印刷物の作製2
で得られたそれぞれの印刷物について印刷光沢、印刷濃
度、耐薬品性、耐摩擦性の品質評価を下記の方法により
実施した。
【0040】印刷物の品質評価例1(印刷光沢) 印刷物の品質評価は、数日経過した状態のものを比較す
ることとし、印刷物の光沢はGLOSS METER(GM-3D 村上
色彩技術研究所株 )を使用し、鏡面反射60度で測定
した。
【0041】印刷物の品質評価例2(印刷濃度) 印刷物の濃度としては、濃度計(D-196 グレタグ社製)
を使用し印刷物のシャドー部における反射濃度をフィル
ターなしで測定した。
【0042】印刷物の堅牢性評価例1(耐薬品性) 印刷物の堅牢性試験としての耐薬品性試験は、水酸化ナ
トリウム1%溶液、塩酸3%溶液及びエタノール(試薬
1級99.5%)等に24時間浸漬することとし、印刷
物の図柄表面における溶出状態を評価した。 評価基準 ◎:印刷物の図柄表面における溶出がなく、浸漬前の水
準と同等の外観。 ○:印刷物の図柄表面が若干溶出する傾向。 △:印刷物の図柄表面における溶出が顕著。
【0043】印刷物の堅牢性評価例2(耐摩擦性) 印刷物の耐摩擦性については、学振型摩擦堅牢性試験機
(テスター産業株製)を使用し、摩擦布は絹2−2(J
IS染色堅牢度試験用)を用いて、摩擦回数200回ま
で印刷表面を擦り、その印刷物の図柄の脱落状態で評価
した。 評価基準 ◎:印刷物の図柄表面における脱落がなく、浸漬前の水
準と同等の外観。 ○:印刷物の図柄表面が脱落する傾向。 △:印刷物の図柄表面における脱落が顕著。
【0044】常温乾燥によるA−1−1、B−1−1、
C−1−1の印刷物の品質評価を表3に、60℃で15
分加熱乾燥させたA−1−2、B−1−2、C−1−2
の印刷物の品質評価を表4に、80℃で15分加熱乾燥
させたA−1−3、B−1−3、C−1−3の印刷物の
品質評価を表5に示す。
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】印刷物の総合品質評価結果1(常温乾燥) 表3に示すとおり、ポリカルボジイミド系樹脂(カルボ
ジライトV−02−L2:日清紡(株)製)を添加する
ことにより、印刷物の光沢がカルボジライトの添加量の
増加と共に増大し、2倍以上の光沢値を示した。
【0049】印刷物の総合品質評価結果2(加熱乾燥6
0℃) 表4に示すとおり、常温乾燥と同じように、ポリカルボ
ジイミド系樹脂(カルボジライトV−02−L2:日清
紡(株)製)の添加量の増大と共に、光沢値が増加し
た。
【0050】印刷物の総合品質評価結果3(加熱乾燥8
0℃) 表5に示すとおり、60℃と同じように、ポリカルボジ
イミド系樹脂(カルボジライトV−02−L2:日清紡
(株)製)の添加量の増大と共に、光沢値が増加した。
【0051】以上の結果から、表2〜5に示すように、
水性印刷インキにポリカルボジイミド系樹脂(カルボジ
ライトV−02−L2:日清紡(株)製)を添加しても
インキ粘度にほとんど影響を与えず、インキの流動性は
あまり変化しないために、印刷作業性、印刷物品質にほ
とんど影響を与えず、また、印刷物の濃度、耐薬品性へ
の悪影響もみられず、印刷物の光沢値を向上させること
ができた。
【0052】
【発明の効果】本発明により、カルボキシル基又は水酸
基のいずれか又は双方を含むアクリル系樹脂を付与した
水性印刷インキにポリカルボジイミド系樹脂を添加して
もインキ粘度にほとんど影響を与えず、紙等の吸収性基
材及びプラスチック等の非吸収基材へのインキ転移性の
低下をまねくことなく、印刷作業性、印刷物品質に影響
を与えず、また、印刷物の濃度、耐薬品性への悪影響も
みられず、印刷後に、常温、又は、加熱乾燥で高光沢の
印刷物が得られることが可能となり、グラビア印刷等の
低粘度系のインキを用いた印刷方式の環境改善と品質向
上を同時に達成することが可能となった。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワニス成分としてカルボキシル基又は水
    酸基のいずれか又は双方を含むアクリル系樹脂を揮発性
    塩基で中和し、顔料を含有する水性印刷インキにおい
    て、ワニス成分としてアクリル系樹脂中のカルボキシル
    基又は水酸基のいずれか又は双方を含むアクリル系樹脂
    100重量部に対して、ポリカルボジイミド系樹脂1〜
    150重量部を含有したことを特徴とする水性印刷イン
    キ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の水性印刷インキを用い、
    グラビア印刷機又はフレキソ印刷機により、基材に印刷
    後、赤外線乾燥装置又は熱風乾燥装置により、加熱乾燥
    を行い、印刷物を得ることを特徴とする印刷物の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の水性印刷インキを用い
    て、グラビア印刷機又はフレキソ印刷機により、基材に
    印刷して作成してなることを特徴とする印刷物。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の水性印刷インキを用い、
    グラビア印刷機又はフレキソ印刷機により、基材に印刷
    後、赤外線乾燥装置又は熱風乾燥装置により、加熱乾燥
    を行い得られた印刷物。
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