JP2021075646A - 水性グラビアインキ - Google Patents

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泰史 植田
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Abstract

【課題】樹脂フィルム等の低吸液性印刷媒体に対しても、耐油性が高く、耐ブロッキング性に優れた水性グラビアインキ、及びそれを用いるグラビア印刷方法を提供する。【解決手段】[1]顔料を含有する架橋ポリマー粒子、水溶性有機溶剤、定着樹脂、界面活性剤、及び水を含有する水性グラビアインキであって、水溶性有機溶剤が、グリコールエーテルとグリコールを含み、グリコールエーテルの含有量が0.5〜6質量%、質量比(グリコール/グリコールエーテル)が2.5〜13である、水性グラビアインキ、[2]前記水性グラビアインキを用いて、低吸液性印刷媒体に印刷する、グラビア印刷方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、水性グラビアインキ、及びそれを用いるグラビア印刷方法に関する。
グラビア印刷は、インキを受容するセルを形成したグラビア版を用いて、インキを印刷基材に転写する印刷方法である。セルの深さやセルの間隔(線数)によって印刷の品質をコントロールすることができ、高精細な印刷が行えることから汎用されている。
グラビア印刷に用いられるグラビアインキとしては、水不溶性有機溶剤を用いる油性インキが多用されているが、労働環境上、地球環境上、防災上の問題、更には食品関連に使用する場合の残留溶剤等の問題がある。また、油性インキを用いるグラビア印刷ではインキの使用量が多いため、多品種、小ロット化の市場ニーズに応えにくいという問題がある。
このため、環境負荷の少ない安心かつ安全な水性グラビアインキが注目されている。
特許文献1には、レベリング性等の印刷適性が良好なグラビア印刷用水性インキ組成物として、溶剤、ポリウレタン系樹脂及びアセチレングリコール系化合物を含有するインキ組成物であって、溶剤が、水とプロピレングリコールエーテルとを含有し、プロピレングリコールエーテルがインキ組成物全量中10重量%以下であるインキ組成物が開示されている。
特許文献2には、環境負荷が少なく、レベリング性に優れる水性グラビアインキとして、顔料、ポリマー、水溶性有機溶剤、アセチレングリコール系界面活性剤及び水を含むインキであって、水溶性有機溶剤が沸点100〜260℃のグリコールエーテルを含み、インキ中のグリコールエーテルの含有量が1〜10質量%、水溶性有機溶剤の総量が15質量%以下、水の含有量が50〜70質量%であるインキが開示されている。
特開2016−44282号公報 特開2018−83938号公報
水性インキは、樹脂フィルムのような親油性の高い印刷媒体に印刷する場合、インキの印刷媒体への付着力が小さいため、印刷物を長時間積み重ねると、重なった印刷物同士が貼りついてしまい、貼りつきをはがす際に印刷面のインキの剥離が発生(ブロッキング)するという問題がある。また、食品包装用印刷媒体に印刷する場合、油分を多く含む内容物が接触するとインキが剥がれ易い(耐油性不足)という問題がある。
特許文献1及び2に記載の水性インキは、耐油性や耐ブロッキング性が十分に満足できるものではなかった。
そこで、樹脂フィルム等の低吸液性印刷媒体に対する印刷においても、耐油性と耐ブロッキングを両立できる、環境負荷の少ない水性グラビアインキが求められていた。
本発明は、樹脂フィルム等の低吸液性印刷媒体に対しても、耐油性が高く、耐ブロッキング性に優れた水性グラビアインキ、及びそれを用いるグラビア印刷方法を提供することを課題とする。
本発明者は、顔料を含有する架橋ポリマー粒子、水溶性有機溶剤、定着樹脂、界面活性剤、及び水を含有する水性グラビアインキにおいて、水溶性有機溶剤としてグリコールエーテルとグリコールを含み、インキ中のグリコールエーテルの含有量と、(グリコール/グリコールエーテル)の質量比を特定範囲に調整することにより、上記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、次の[1]及び[2]を提供する。
[1]顔料を含有する架橋ポリマー粒子、水溶性有機溶剤、定着樹脂、界面活性剤、及び水を含有する水性グラビアインキであって、
該水溶性有機溶剤が、グリコールエーテルとグリコールを含み、
該インキ中のグリコールエーテルの含有量が0.5質量%以上6質量%以下であり、
該インキ中のグリコールエーテルに対するグリコールの質量比(グリコール/グリコールエーテル)が2.5以上13以下である、水性グラビアインキ。
[2]前記[1]に記載の水性グラビアインキを用いて、低吸液性印刷媒体に印刷する、グラビア印刷方法。
本発明によれば、低吸液性印刷媒体に対しても、耐油性が高く、耐ブロッキング性に優れた水性グラビアインキ、及びそれを用いるグラビア印刷方法を提供することができる。
[水性グラビアインキ]
本発明の水性グラビアインキ(以下、単に「本発明インキ」ともいう)は、顔料を含有する架橋ポリマー粒子、水溶性有機溶剤、定着樹脂、界面活性剤、及び水を含有する水性グラビアインキであって、
該水溶性有機溶剤が、グリコールエーテルとグリコールを含み、
該インキ中のグリコールエーテルの含有量が0.5質量%以上6質量%以下であり、
該インキ中のグリコールエーテルに対するグリコールの質量比(グリコール/グリコールエーテル)が2.5以上13以下である。
本発明インキにおける上記の含有量は、印刷に用いる印刷機に装備されているインキタンクにおける組成を意味する。すなわち、本発明インキは、輸送時や貯蔵時には液体成分を濃縮した状態にしておいて、印刷時に水等の液体成分で希釈して、本発明インキの組成になるように調整してもよい。
本明細書において、「水性」とは、インキ媒体中で、水が最大割合を占めていることを意味する。
「低吸液性」とは、水性インキの低吸液性、非吸液性を含む概念である。低吸液性は、純水の吸水性で評価することができる。より具体的には、印刷媒体と純水との接触時間100m秒における該印刷媒体の表面積あたりの吸水量が0g/m以上10g/m以下であることを意味する。該吸水量は、自動走査吸液計を用いて測定することができる。
「印刷」とは、文字や画像を記録する印刷、印字を含む概念である。
本発明の水性グラビアインキは、低吸液性印刷媒体に対しても、耐油性が高く、耐ブロッキング性に優れる。その理由は定かではないが、以下のように考えられる。
本発明インキは、顔料を含有する架橋ポリマー粒子、水溶性有機溶剤、定着樹脂、界面活性剤、及び水を含有し、水溶性有機溶剤としてグリコールエーテルとグリコールを含み、水溶性有機溶剤の中でも親油性が高いグリコールエーテルの含有量を0.5質量%以上6質量%以下とすることで耐油性を確保することができ、そして該インキ中の質量比(グリコール/グリコールエーテル)を2.5以上13以下とすることにより、印刷媒体表面でのインキの乾燥性を最適にすることができるため、ブロッキングを抑制できると考えられる。また、顔料を、顔料を含有する架橋ポリマー粒子とすることにより、有機溶剤等の油成分と接触してもポリマーの膨潤を抑制することができるため、耐油性を高めることができると考えられる。
<顔料を含有する架橋ポリマー粒子>
本発明においては、水溶性有機溶剤であるグリコールエーテルとグリコールによる顔料粒子の膨潤を抑制し、得られる印刷物の耐油性、耐ブロッキング性を向上させる観点から、顔料は、顔料を含有する架橋ポリマー粒子(以下、「顔料含有架橋ポリマー粒子」ともいう)の形態で用いる。
本明細書において、顔料を含有する架橋ポリマー粒子とは、ポリマーが顔料を包含した形態の粒子、ポリマーと顔料からなる粒子の表面に顔料の一部が露出している形態の粒子、ポリマーが顔料の一部に吸着している形態の粒子のいずれか又はこれらの混合物を意味し、かつ、該ポリマーが架橋構造を有するものを意味する。
顔料含有架橋ポリマー粒子は、水性インキ中で350nm以下の平均粒径で分散状態を保つことができるものが好ましい。
(顔料)
本発明で用いられる顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれであってもよいが、有機顔料がより好ましい。
無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、金属酸化物等が挙げられ、黒色インキにおいては、カーボンブラックが好ましい。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、サーマルランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。白色インキにおいては、二酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム等の金属酸化物等が挙げられる。これらの無機顔料は、チタンカップリング剤、シランカップリング剤、高級脂肪酸金属塩等の公知の疎水化処理剤で表面処理されたものであってもよい。
有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、ジアゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインジゴ顔料、アントラキノン顔料、キノフタロン顔料等が挙げられる。
色相は特に限定されず、有彩色インキにおいては、イエロー、マゼンタ、シアン、レッド、ブルー、オレンジ、グリーン等の有彩色顔料をいずれも用いることができる。
前記顔料は単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
(顔料含有架橋ポリマー粒子を構成するポリマー)
顔料含有架橋ポリマー粒子とは、前記顔料、及び顔料を分散する能力を有するポリマー(以下、「ポリマーa」ともいう)由来の構成成分と、架橋構造を形成させる化合物(以下、「架橋剤a」ともいう)由来の構成成分からなるものを意味する。
ポリマーaは、水溶性ポリマーでも水不溶性ポリマーでもよいが、水不溶性ポリマーがより好ましい。
本明細書においてポリマーの「水不溶性」とは、105℃で2時間乾燥させ、恒量に達したポリマーを、25℃の水100gに溶解させたときに、その溶解量が10g未満であることを意味し、ポリマーの前記溶解量は、好ましくは5g以下、より好ましくは1g以下である。ポリマーがアニオン性ポリマーの場合、その溶解量は、ポリマーのアニオン性基を水酸化ナトリウムで100%中和した時の溶解量である。
(ポリマーa)
ポリマーaは、水を主成分とする水系媒体に顔料を分散させる顔料分散能を有するポリマーである。ポリマーaは任意の構造をとることができるが、本発明インキにおける顔料の分散安定性を向上させる観点から、ビニル化合物、ビニリデン化合物、ビニレン化合物等のビニル単量体の付加重合により得られるビニル系ポリマーが好ましい。
ビニル系ポリマーは、(a−1)イオン性モノマー(以下「(a−1)成分」ともいう)に由来する構成単位を含有することが好ましく、(a−1)成分と、(a−2)疎水性モノマー(以下「(a−2)成分」ともいう)とを含むモノマー混合物A(以下、「モノマー混合物A」ともいう)を共重合させてなるビニルポリマーがより好ましい。この場合、該ビニルポリマーは、(a−1)成分由来の構成単位と(a−2)成分由来の構成単位を有する。
〔(a−1)イオン性モノマー〕
(a−1)イオン性モノマーは、顔料の分散安定性を向上させる観点から、ポリマーaのモノマー成分として用いることが好ましい。
(a−1)イオン性モノマーとしてはアニオン性モノマーが好ましい。
アニオン性モノマーとしては、カルボン酸モノマー、スルホン酸モノマー、リン酸モノマー等が挙げられる。カルボン酸モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、2−メタクリロイルオキシメチルコハク酸等が挙げられる。
これらの中でも、上記と同様の観点から、カルボン酸モノマーがより好ましく、アクリル酸及びメタクリル酸から選ばれる1種以上が更に好ましい。
〔(a−2)疎水性モノマー〕
(a−2)疎水性モノマーは、顔料の分散安定性を向上させる観点から、(a−1)成分に加えて、更にモノマー成分として用いることが好ましい。
(a−2)成分としては、芳香族基含有モノマー、アルキル(メタ)アクリレート、マクロモノマー等が挙げられ、その具体例としては、特開2018−83938号公報の段落〔0020〕〜〔0022〕に記載のものが挙げられる。これらの中では、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマー、ベンジル(メタ)アクリレート、炭素数1以上22以下のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート、及びスチレン系マクロモノマーから選ばれる1種以上が好ましい。
〔(a−3)ノニオン性モノマー〕
(a−3)ノニオン性モノマー(以下「(a−3)成分」ともいう)は、顔料の分散安定性を向上させる観点から、用いることができる。
(a−3)成分は、水や水溶性有機溶剤との親和性が高いモノマーであり、例えば水酸基やポリアルキレングリコール鎖を含むモノマーである。
(a−3)成分の具体例としては、特開2018−83938号公報の段落〔0018〕に記載のものが挙げられる。これらの中では、メトキシポリエチレングリコール(n=1〜30)(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(n=2〜30)(メタ)アクリレートから選ばれる1種以上が好ましい。
上記(a−1)〜(a−3)成分は、それぞれ、各成分に含まれるモノマー成分を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(モノマー混合物A中の各成分又はポリマーa中の各構成単位の含有量)
ポリマーa製造時における、(a−1)〜(a−3)成分のモノマー混合物A中の含有量(未中和量としての含有量。以下同じ)又はポリマーa中における(a−1)〜(a−3)成分由来の構成単位の含有量は、顔料の分散安定性を向上させる観点から、次のとおりである。
(a−1)成分の含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上であり、そして、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。
(a−2)成分の含有量は、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは50質量%以上であり、そして、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは75質量%以下である。
(a−3)成分を含有する場合、その含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり、そして、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下である。
(a−2)成分に対する(a−1)成分の質量比[(a−1)/(a−2)]は、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.25以上であり、そして、好ましくは1.2以下、より好ましくは1.0以下、更に好ましくは0.8以下である。
本発明においてポリマーa中における(a−1)〜(a−3)成分由来の構成単位の含有量は、測定により求めることができるし、ポリマーaの製造時における(a−1)〜(a−3)成分を含む原料モノマーの仕込み比率で代用することもできる。このうち(a−1)成分の含有量は電位差滴定法で求めるのが好適であり、(a−2)成分と(a−3)成分の含有量は原料モノマーの仕込み比率を用いるのが好適である。
(ポリマーaの製造)
ポリマーaは、モノマー混合物Aを公知の重合法で共重合させることにより製造することができる。重合法としては溶液重合法が好ましい。
溶液重合法で用いる溶媒に制限はないが、水、低級脂肪族アルコール、ケトン、エーテル類、エステル類等の極性溶媒が好ましく、ポリマーの溶媒への溶解性の観点から、炭素数3以上5以下のケトンが好ましく、メチルエチルケトンがより好ましい。
重合の際には、過硫酸塩、水溶性アゾ化合物等の重合開始剤や、メルカプタン類等の重合連鎖移動剤を用いることができる。
重合温度は、使用する重合開始剤、モノマー、溶媒の種類等によって異なるが、好ましくは30℃以上、より好ましくは50℃以上であり、そして、好ましくは95℃以下、より好ましくは80℃以下である。
重合雰囲気は、好ましくは窒素ガスや不活性ガス雰囲気である。
重合反応の終了後、反応溶液から再沈澱、溶媒留去等の公知の方法により、生成したポリマーを単離することができる。
ポリマーaは、後述するように中和剤で中和することが好ましい。
ポリマーaの重量平均分子量は、顔料の分散安定性を向上させる観点から、好ましくは1万以上、より好ましくは1.5万以上であり、そして、好ましくは30万以下、より好ましくは20万以下、更に好ましくは10万以下である。
ポリマーaの酸価は、顔料の分散性及びポリマーの顔料への吸着性の観点から、好ましくは80mgKOH/g以上、より好ましくは90mgKOH/g以上、更に好ましくは100mgKOH/g以上であり、そして、好ましくは300mgKOH/g以下、より好ましくは280mgKOH/g以下、更に好ましくは260mgKOH/g以下である。
ポリマーaの重量平均分子量及び酸価は、実施例に記載の方法により測定される。
ポリマーaは、商業的に入手しうるものを用いてもよい。ポリマーaの市販品例としては、「ジョンクリル67」、「ジョンクリル611」、「ジョンクリル678」、「ジョンクリル680」、「ジョンクリル690」、「ジョンクリル819」(以上、BASFジャパン株式会社製)等のスチレン−アクリル系樹脂等が挙げられる。
(架橋剤a)
架橋剤aは、顔料分散能を有するポリマー内、又は顔料分散能を有するポリマー間で化学結合を形成させる化合物であり、ポリマーaと化学反応可能な官能基を分子内に2個以上有する。
ポリマーaと化学反応可能な官能基としては、エポキシ基、オキサゾリン基、又はイソシアネート基を有する化合物等が挙げられる。これらの中ではエポキシ基が好ましい。
架橋剤aの具体例としては、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル等が挙げられ、この中でもトリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルが好ましい。架橋剤a由来の構成成分としては、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル由来の構成成分が含まれることが好ましい。
架橋剤a由来の構成成分の存在比率は、ポリマーaのカルボキシ基のモル当量数に対する架橋剤aの架橋性官能基のモル当量数の比(架橋剤aの架橋性官能基のモル当量数/ポリマーaのカルボキシ基のモル当量数)で、好ましくは10モル%以上、より好ましくは15モル%以上、更に好ましくは20モル%以上、より更に好ましくは30モル%以上であり、そして、好ましくは80モル%以下、より好ましくは70モル%以下、更に好ましくは65モル%以下、より更に好ましくは60モル%以下である。
〔顔料含有架橋ポリマー粒子の製造〕
顔料含有架橋ポリマー粒子は、効率的に製造する観点から、顔料含有架橋ポリマー粒子を水系媒体に分散させた顔料分散体Aとして、下記の工程I及び工程IIIを有する方法により製造することが好ましい。
工程I:ポリマーaを溶媒に溶解してポリマーaの溶液を得た後、顔料、及び必要に応じて中和剤、界面活性剤等を加えて混合し、顔料混合物からなる顔料分散体Aを得る工程
工程Iにおいては、顔料を効率的にポリマー粒子に含有させるために、溶媒が有機溶剤を含むことが好ましく、その場合、工程Iに加えて、更に下記工程IIを有してもよい。
工程II:工程Iで得られた顔料混合物から有機溶剤を除去して、顔料分散体Aを得る工程
工程III:工程I又は工程IIで得られた顔料分散体Aと、架橋剤aとを混合し、顔料を含有する架橋ポリマー粒子を得る工程
本明細書において顔料分散体Aは、顔料を含有するポリマー粒子が水系媒体に分散されているものと、顔料含有架橋ポリマー粒子が水系媒体に分散されているものの両方を意味する。
(工程I)
工程Iにおいて、ポリマーaを溶解させる溶媒に制限はないが、顔料への濡れ性、ポリマーaの溶解性、及び顔料への吸着性の観点から、水、低級脂肪族アルコール、ケトン、エーテル類、エステル類等から選ばれる1種以上が好ましく、水、炭素数3以上5以下のケトンから選ばれる1種以上がより好ましく、水とケトンの併用が更に好ましい。ポリマーaを溶液重合法で合成した場合には、重合で用いた溶媒をそのまま用いてもよい。
ポリマーaがアニオン性ポリマーの場合、中和剤を用いてポリマーa中のアニオン性基を中和することが好ましい。中和剤を用いる場合、pHが7以上11以下になるように中和することが好ましい。中和剤としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、各種アミン等の塩基が挙げられる。また、ポリマーaを予め中和しておいてもよい。
ポリマーaのアニオン性基の中和度は、本発明インキの保存安定性を向上させる観点から、ポリマーaのアニオン性基のモル当量数に対する中和剤のモル当量の比で、好ましくは30モル%以上、より好ましくは40モル%以上、更に好ましくは50モル%以上であり、そして、好ましくは250モル%以下、より好ましくは200モル%以下、更に好ましくは150モル%以下である。
工程Iにおいて、得られた顔料混合物に機械力を付与して分散処理することが好ましい。機械力を付与する方法に特に制限はないが、例えば、特開2018−83938号公報の段落〔0032〕に記載の方法が挙げられる。機械力を付与する装置としては、顔料を効率よく小粒子径化する観点から、メディア式分散機が好ましい。
分散処理を行う場合、分散圧力等を制御することにより、顔料を所望の粒径になるように調整することができる。
(工程II)
工程IIは、任意の工程であるが、工程Iにおいて溶媒が有機溶剤を含む場合、工程Iで得られた顔料混合物から有機溶剤を除去して、水を含む顔料分散体Aを得る工程である。
得られた顔料分散体A中の有機溶剤は実質的に除去されていることが好ましいが、本発明の目的を損なわない限り、残存していてもよい。残留有機溶剤の量は、好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.01質量%以下である。
顔料分散体A中の顔料を含有するポリマー粒子の平均粒径は、カーボンブラックを顔料として用いる黒色インキ及び有機顔料を用いる有彩色インキの場合、保存安定性を向上させる観点、高精細な印刷を行う観点から、好ましくは100nm以上、より好ましくは150nm以上、更に好ましくは180nm以上であり、そして、好ましくは380nm以下、より好ましくは360nm以下、更に好ましくは340nm以下である。
下記の工程IIIで、架橋処理した場合も、得られる顔料分散体A中の顔料含有架橋ポリマー粒子の平均粒径は、前記顔料を含有するポリマー粒子の平均粒径と同等である。
なお、前記平均粒径は、実施例に記載の方法により測定される。
(工程III)
工程IIIは、工程I又は工程IIで得られた顔料分散体Aと、架橋剤aとを混合し、架橋処理した顔料含有架橋ポリマー粒子を得る工程である。
工程IIIで、顔料を含有するポリマー粒子を構成するポリマーaのカルボキシ基の一部を架橋し、顔料を含有するポリマー粒子の表層部の一部又は全部に架橋構造を形成させ、顔料を含有するポリマー粒子を顔料含有架橋ポリマー粒子とすることができる。この架橋処理により顔料の分散安定性に影響するポリマーaの膨潤等が抑制されて、得られるインキの保存安定性、更には得られる印刷物の耐ブロッキング性が改善されると考えられる。
工程IIIにおける顔料を含有するポリマー粒子の架橋率は、保存安定性を向上させる観点から、ポリマーaのカルボキシ基のモル当量数に対する架橋剤の架橋性官能基のモル当量数の比で、好ましくは10モル%以上、より好ましくは15モル%以上、更に好ましくは20モル%以上であり、そして、好ましくは80モル%以下、より好ましくは70モル%以下、更に好ましくは60モル%以下、より更に好ましくは50モル%以下である。
架橋処理の温度は、反応性と経済性の観点から、好ましくは40℃以上、より好ましくは55℃以上であり、そして、好ましくは95℃以下、より好ましくは80℃以下である。
顔料分散体Aの固形分濃度は、顔料分散体の分散安定性を向上させ、インキ製造を容易にする観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上であり、そして、好ましくは45質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。
固形分濃度は、実施例に記載の方法により測定される。
顔料分散体A中の顔料の含有量は、分散安定性の観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上であり、そして、好ましくは45質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは35質量%以下である。
顔料分散体A中の顔料含有架橋ポリマー粒子Aを構成する架橋ポリマーaと顔料の質量比[架橋ポリマーa/顔料]は、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.15以上、更に好ましくは0.2以上であり、そして、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.7以下、更に好ましくは0.5以下である。
<水溶性有機溶剤>
本発明の水性グラビアインキは、得られる印刷物の耐油性と耐ブロッキング性を向上させる観点から、水溶性有機溶剤を含有する。
ここで、「水溶性有機溶剤」とは、有機溶剤を25℃の水100mlに溶解させたときに、その溶解量が10ml以上である有機溶剤をいい、常温(25℃)で液体であっても固体であってもよい。
水溶性有機溶剤の沸点は、耐ブロッキング性を向上させる観点から、好ましくは110℃以上、より好ましくは120℃以上、更に好ましくは130℃以上であり、そして、好ましくは250℃以下、より好ましくは245℃以下、更に好ましく240℃以下、より更に好ましく235℃以下である。
ここで、「沸点」とは標準沸点(1気圧下での沸点)をいい、沸点の測定はJIS K2254に準じて行う。水溶性有機溶剤を2種以上用いる場合には、沸点の値は、各水溶性有機溶剤の含有量(質量%)で重み付けした加重平均値とする。
水溶性有機溶剤は、得られる印刷物の耐油性と耐ブロッキング性を向上させる観点から、グリコールエーテルとグリコールの両方を含む。
本発明インキ中のグリコールエーテルの含有量は0.5質量%以上6質量%以下であり、グリコールエーテルに対するグリコールの質量比(グリコール/グリコールエーテル)は2.5以上13以下である。それぞれの好適範囲は後述するとおりである。
(グリコールエーテル)
グリコールエーテルとしては、アルキレングリコールモノアルキルエーテル及びアルキレングリコールジアルキルエーテルから選ばれる1種以上が好ましく、アルキレングリコールモノアルキルエーテルがより好ましい。
グリコールエーテルのグリコール基を形成する炭化水素基の炭素数は2以上であり、そして、好ましくは6以下、より好ましくは4以下、更に好ましくは3以下である。
グリコールエーテルのエーテル基を形成する炭化水素基としてはアルキル基、アリール基が挙げられ、アルキル基が好ましい。アルキル基の炭素数は1以上であり、好ましくは2以上であり、そして、好ましくは6以下、より好ましくは4以下、更に好ましくは3以下である。該アルキル基は、直鎖でも分岐鎖でもよい。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルとしては、エチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル、トリプロピレングリコールモノアルキルエーテル等が挙げられる。
これらの中でも、得られる印刷物の耐油性、耐ブロッキング性を向上させる観点から、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、及びジエチレングリコールジエチルエーテルから選ばれる1種以上が好ましく、エチレングリコールモノメチルエーテル(125℃)、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル(142℃)、エチレングリコールモノブチルエーテル(171℃)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(194℃)、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル(207℃)、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル(220℃)、及びジエチレングリコールモノブチルエーテル(230℃)から選ばれる1種以上がより好ましい。なお、括弧内の数値は沸点である。
グリコールエーテルの沸点は、耐ブロッキング性を向上させる観点から、好ましくは110℃以上、より好ましくは120℃以上、更に好ましくは130℃以上、より更に好ましくは140℃以上、より更に好ましくは150℃以上であり、そして、好ましくは250℃以下、より好ましくは245℃以下、更に好ましく240℃以下、より更に好ましく235℃以下である。
(グリコール)
グリコールとしては、モノグリコール、ジグリコール、トリグリコール及びポリグリコールから選ばれる1種以上が好ましく、モノグリコールがより好ましい。
グリコールを形成する炭化水素基の炭素数は、2以上、好ましくは3以上であり、そして、好ましくは6以下、より好ましくは4以下である。グリコールを形成する炭化水素部は、直鎖でも分岐鎖でもよいが、分岐鎖を有するものが好ましい。
グリコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール(1,2−プロパンジオール)、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオールの炭素数2以上6以下の1,2−アルカンジオール;1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール等の炭素数3以上6以下の1,3−アルカンジオール;ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール等のポリアルキレングリコール等が挙げられる。これらの中でもプロピレングリコール(沸点188℃)及び1,2−ブタンジオール(沸点194℃)から選ばれる1種以上が好ましい。
グリコールの沸点は、耐ブロッキング性を向上させる観点から、好ましくは110℃以上、より好ましくは120℃以上、更に好ましくは130℃以上であり、そして、好ましくは260℃以下、より好ましくは240℃以下、更に好ましくは220℃以下である。
本発明インキにおいては、得られる印刷物の耐油性、耐ブロッキング性を向上させる観点から、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル及びジエチレングリコールモノブチルエーテルから選ばれる1種以上と、プロピレングリコール及び1,2−ブタンジオールから選ばれる1種以上の両方を含有することが好ましく、ジエチレングリコールモノブチルエーテル及びジエチレングリコールモノイソブチルエーテルから選ばれる1種と、プロピレングリコールの両方を含有することがより好ましい。
水溶性有機溶剤は、本発明の効果を阻害しない範囲において、グリコールエーテル及びグリコール以外の他の水溶性有機溶剤を含んでいてもよい。他の水溶性有機溶剤としては、1価のアルコール、3価及びそれ以上のアルコール、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン等の環状アミド化合物が挙げられる。
沸点が100℃未満の有機溶剤の含有量は、グラビア印刷時における消泡性とハジキ現象の抑制を両立させる観点から、好ましくは4質量%未満、より好ましくは3質量%未満、更に好ましくは2質量%未満、より更に好ましくは1質量%未満、最も好ましくは0質量%である。
沸点が260℃を超える有機溶剤の含有量は、上記と同様の観点から、好ましくは4質量%未満、より好ましくは3質量%未満、更に好ましくは2質量%未満、より更に好ましくは1質量%未満、最も好ましくは0質量%である。
<定着樹脂>
本発明インキは、得られる印刷物の耐油性、耐ブロッキング性を向上させる観点、及び印刷媒体への定着性を向上させる観点から、定着樹脂を含有する。
定着樹脂は粒子の形態で含有されることが好ましい。
定着樹脂は、主成分が樹脂成分であることが好ましく、樹脂のみで構成されていることがより好ましい。すなわち、定着樹脂は、顔料を含有しない樹脂粒子(以下、「樹脂粒子B」ともいう)であることが好ましい。
樹脂粒子Bは、架橋構造を有しなくてもよいが、上記と同様の観点から、架橋構造を有することが好ましい。すなわち、樹脂粒子Bは、架橋構造を有さないポリマーbからなる樹脂粒子と、後述するように、ポリマーbからなる樹脂粒子を架橋処理してなる架橋構造を有する樹脂粒子の両者を包含するが、架橋構造を有する樹脂粒子が好ましい。
樹脂粒子Bを構成するポリマーbは、架橋前において水溶性ポリマーでも水不溶性ポリマーでもよいが、架橋処理すれば該ポリマーは水不溶性ポリマーとなる。
ここで、「水不溶性」とは、前記ポリマーaにおける前記定義と同じである。
ポリマーbとしては、ビニルポリマー、ウレタンポリマー、ポリエステルポリマー等が挙げられる。これらの中では、耐ブロッキング性を向上させるから、ビニルポリマーが好ましい。
(ポリマーb)
ポリマーbがビニルポリマーの場合、(b−1)イオン性モノマー(以下、「(b−1)成分」ともいう)と、(b−2)疎水性モノマー(以下、「(b−2)成分」ともいう)とを含む「モノマー混合物B」を共重合させてなる水不溶性ビニルポリマーが好ましい。該水不溶性ビニルポリマーは、(b−1)成分由来の構成単位と(b−2)成分由来の構成単位を有する。
〔(b−1)イオン性モノマー〕
(b−1)成分としては、前記(a−1)成分と同様のものが挙げられる。
それらの中でも、樹脂粒子Bの分散安定性を向上させる観点から、アニオン性モノマーが好ましく、カルボン酸モノマーがより好ましく、アクリル酸及びメタクリル酸から選ばれる1種以上が更に好ましい。
〔(b−2)疎水性モノマー〕
(b−2)成分としては、前記(a−2)成分と同様のものが挙げられる。
それらの中では、炭素数1以上22以下のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、及びベンジル(メタ)アクリレートから選ばれる1種以上が好ましい。
上記(b−1)及び(b−2)成分は、それぞれ、各成分に含まれるモノマー成分を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
(モノマー混合物B中の各成分又はポリマーb中の各構成単位の含有量)
ポリマーb製造時における、(b−1)及び(b−2)成分のモノマー混合物B中における含有量(未中和量としての含有量。以下同じ)又はポリマーb中における(b−1)及び(b−2)成分に由来する構成単位の含有量は、樹脂粒子Bの分散安定性を向上させる観点から、次のとおりである。
(b−1)成分の含有量は、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは7質量%以上であり、そして、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下である。
(b−2)成分の含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上、より更に好ましくは80質量%以上であり、そして、好ましくは97質量%以下、より好ましくは95質量%以下、更に好ましくは93質量%以下である。
また、(b−2)成分に対する(b−1)成分の質量比〔(b−1)/(b−2)〕は、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.25以上であり、そして、好ましくは0.7以下、より好ましくは0.6以下、更に好ましくは0.5以下である。
(ポリマーbの製造)
ポリマーbは、モノマーの混合物Bを公知の重合法により共重合させることにより製造される。
ポリマーbは、モノマー混合物B及びポリマーbを溶解する溶媒の存在下で重合を行う、いわゆる溶液重合法で得ることもできる。この際の溶媒としては、アルコール、ケトン、炭化水素等、公知のものを用いることが好ましい。また、重合反応に用いた溶媒を除去せずに、水を主分散媒とする樹脂粒子Bの水分散体として用いることが好ましい。
ポリマーbは中和剤で中和することが好ましい。中和剤としては、アルカリ金属水酸化物、アンモニア、有機アミン等が挙げられるが、好ましくは水酸化ナトリウムである。
ポリマーbのアニオン性基の中和度は、樹脂粒子Bの分散安定性の観点から、ポリマーbのアニオン性基のモル当量数に対する中和剤のモル当量の比で、好ましくは10モル%以上、より好ましくは30モル%以上であり、そして、好ましくは150モル%以下、より好ましくは120モル%以下である。
架橋構造を有する樹脂粒子Bを製造する方法としては、樹脂粒子Bを構成する(b−1)成分と(b−2)成分を含み、架橋性モノマーを含まないモノマー混合物Bを共重合してビニルポリマーを得た後、該ビニルポリマーが有する官能基と反応する架橋剤bと該ビニルポリマーを反応させることで架橋構造を形成させて、架橋構造を有する樹脂粒子Bを得る方法(B1法)が挙げられる。架橋剤bとしては、(b−1)成分がカルボン酸の場合、1分子内に2つ以上のエポキシ基を有する化合物が好ましい。
またポリマーbの調製時に架橋構造を形成させてもよく、例えば、(b−1)成分と(b−2)成分に加えて、更に架橋性モノマーを含むモノマー混合物B’を共重合させて架橋構造を有する樹脂粒子Bを得る方法(B2法)も挙げられる。ここで架橋性モノマーとしては、1分子内に2つ以上のビニル基を有する化合物が好ましい。
これらの中では、製造の簡便性の観点から、前記B1法が好ましい。
樹脂粒子Bは、樹脂粒子Bの分散体、好ましくは水分散体として本発明インキに配合されることが好ましい。ポリマーbを、樹脂粒子Bの水分散体とする方法には制限はない。具体的には、ポリマーbの有機溶剤溶液を転相乳化法で水分散体とする方法、乳化重合で得たポリマーbをそのまま用いる方法、ポリマーbを一旦水溶液としたのちにポリマーbの水溶解性を低下させることで水分散体とする方法等が挙げられる。
樹脂粒子Bの水分散体における平均粒径は、本発明インキの保存安定性の観点から、好ましくは10nm以上、より好ましくは20nm以上、更に好ましくは30nm以上であり、そして、好ましくは300nm以下、より好ましくは200nm以下、更に好ましくは150nm以下、より更に好ましくは100nm以下である。
なお、樹脂粒子Bの平均粒径は、実施例に記載の方法により測定される。
樹脂粒子Bが架橋構造を有する場合、樹脂粒子Bを構成するポリマーbの重量平均分子量の測定は困難であるが、実施例に記載のGPCによる分子量測定法に示す溶媒に溶解するポリマー部分を測定した時、好ましくは20万以上、より好ましくは30万以上、更に好ましくは40万以上であり、そして、好ましくは250万以下、より好ましくは100万以下、更に好ましくは60万以下である。
樹脂粒子Bを構成する架橋後のポリマーの酸価は、本発明インキの保存安定性の観点から、好ましくは10mgKOH/g以上、より好ましくは50mgKOH/g以上、更に好ましくは100mgKOH/g以上であり、そして、好ましくは300mgKOH/g以下、より好ましくは250mgKOH/g以下、更に好ましくは200mgKOH/g以下である。
なお、ポリマーbの重量平均分子量と酸価は、実施例に記載の方法により測定される。
また、顔料を含有するポリマー粒子を構成するポリマーaと、樹脂粒子Bを構成するポリマーbは、同一でも異なっていてもよい。架橋剤aと架橋剤bも、同一でも異なっていてもよい。すなわち、ポリマーa及びbは、異なる組成であってもよく、また、組成も含めて同一のポリマーであって、顔料の有無だけが異なるものであってもよい。
ポリマーbは市販品を用いてもよい。
<界面活性剤>
本発明インキは、グラビア印刷の品質を向上させる観点から、更に界面活性剤を含有する。
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられるが、ノニオン性界面活性剤が好ましく、アセチレングリコール系界面活性剤及びシリコーン系界面活性剤から選ばれる1種以上がより好ましい。
(アセチレングリコール系界面活性剤)
アセチレングリコール系界面活性剤としては、上記と同様の観点から、炭素数8以上22以下のアセチレングリコール及びそのエチレンオキシド付加物が好ましく、炭素数8以上22以下のアセチレングリコールがより好ましい。前記アセチレングリコールの炭素数は、好ましくは10以上、より好ましく12以上であり、そして、好ましくは20以下、より好ましくは18以下、更に好ましくは16以下である。
アセチレングリコール系界面活性剤のHLB(親水性親油性バランス)値は、好ましくは0以上、より好ましくは1以上、更に好ましくは2以上、より更に好ましくは2.5以上であり、そして、好ましくは5.5以下、より好ましくは5.0以下、更に好ましくは4.5以下である。HLB値は、グリフィン法により求めることができる。
アセチレングリコール系界面活性剤の具体例としては、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオール等のアセチレン系ジオール、及びそれらのエチレンオキシド付加物が挙げられ、その市販品例としては、エアープロダクツアンドケミカルズ社製又は日信化学工業株式会社製の「サーフィノール」シリーズ、「オルフィン」シリーズ、川研ファインケミカル株式会社製の「アセチレノール」シリーズ等が挙げられる。
これらの中でも、サーフィノール104(2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、HLB:3)、同104E(サーフィノール104のエチレングリコール50%希釈品)、同104PG−50(サーフィノール104のプロピレングリコール50%希釈品)、サーフィノール420(サーフィノール104のEO平均1.3モル付加物、HLB:4.7)、アセチレノールE13T(EO平均付加モル数:1.3、HLB:4.7)等が好ましい。
(シリコーン系界面活性剤)
シリコーン系界面活性剤としては、ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン等が挙げられるが、上記と同様の観点から、ポリエーテル変性シリコーンが好ましい。
ポリエーテル変性シリコーンは、シリコーンオイルの側鎖及び/又は末端の炭化水素基を、ポリエーテル基で置換された構造を有するものである。該ポリエーテル基としては、ポリエチレンオキシ基、ポリプロピレンオキシ基、エチレンオキシ基(EO)とプロピレンオキシ基(PO)がブロック状又はランダムに付加したポリアルキレンオキシ基が好適であり、シリコーン主鎖にポリエーテル基がグラフトした化合物、シリコーンとポリエーテル基がブロック状に結合した化合物等を用いることができる。
ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤のHLB値は、上記と同様の観点から、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは4以上である。
ポリエーテル変性シリコーンの具体例としては、PEG−3ジメチコン、PEG−9ジメチコン、PEG−9PEG−9ジメチコン、PEG−9メチルエーテルジメチコン、PEG−10ジメチコン、PEG−11メチルエーテルジメチコン、PEG/PPG−20/22ブチルエーテルジメチコン、PEG−32メチルエーテルジメチコン、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン等が挙げられるが、これらの中でも、PEG−11メチルエーテルジメチコンが好ましい。
ポリエーテル変性シリコーンの市販品例としては、信越化学工業株式会社のシリコーン:KF−6011、KF−6012、KF−6013,KF−6015、KF−6016、KF−6017、KF−6028、KF−6038、KF−6043等が挙げられる。
本発明インキにおいて、シリコーン系界面活性剤とアセチレングリコール系界面活性剤とを併用すると、アセチレングリコール系界面活性剤の疎水性の強さによって、泡が効率的に気液界面に配置されることで水膜から水が速やかに排出され、また、シリコーン系界面活性剤がインクの表面張力を下げることで、印刷媒体へのインキの濡れ性を高めることができるため、より好ましい。
(カルボジイミド系硬化剤)
本発明インキは、更にカルボジイミド系硬化剤を含有することが好ましい。
カルボジイミド系硬化剤とは、分子中にカルボジイミド基を複数有するポリマーを意味する。カルボジイミド基は、顔料分散体A中の顔料含有架橋ポリマー粒子を構成するポリマーaのカルボキシル基、及び樹脂粒子Bを構成するポリマーbのカルボキシル基と反応して、本発明インキの水が印刷媒体から揮発した後の塗膜の強度を向上させる作用を有する。また、カルボジイミド系硬化剤を、顔料を含有する架橋ポリマー粒子と一般式(I)で表される化合物とシリコーン系界面活性剤とを組み合わせた本発明インキで併用することで、塗膜強度の向上と同時に、耐油性を大幅に高めることができる。
カルボジイミド系硬化剤の市販品例としては、日清紡ケミカル株式会社製のカルボジライトE−01、E−02、E−03A、E−04等が挙げられる。
[水性グラビアインキの製造]
本発明インキは、顔料含有架橋ポリマー粒子を水系媒体に分散させた顔料分散体と、水溶性有機溶剤としてグリコールエーテル及びグリコールと、定着樹脂と、界面活性剤と、必要に応じて、更にその他の有機溶剤等やカルボジイミド系硬化剤とを混合することにより、効率的に製造することができる。それらの混合方法に特に制限はない。また、本発明インキは、各成分を印刷時の含有量、濃度に調整してそのまま用いてもよく、予め調製したベースインキを水等で希釈し、印刷時の含有量、濃度に調整して用いてもよい。
本発明インキの各成分の含有量、インキ物性は以下のとおりである。なお、インキ中の各成分の含有量は、印刷時の含有量である。
(顔料の含有量)
本発明インキ中の顔料の含有量は、印字濃度の観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、更に好ましくは3質量%以上、より更に好ましくは5質量%以上であり、そして、好ましくは15質量%以下、より好ましくは13質量%以下、更に好ましく10質量%以下、より更に好ましく9質量%以下である。
(顔料を含有する架橋ポリマー粒子の含有量)
本発明インキ中の顔料を含有する架橋ポリマー粒子の含有量は、印字濃度を向上させる観点から、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは7質量%以上であり、そして、保存安定性を向上させる観点から、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下である。
本発明インキ中のポリマーaの含有量は、インキの保存安定性を向上させる観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上であり、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは3質量%以下である。
(架橋剤aの含有量)
本発明インキ中の架橋剤aの含有量は、インキの保存安定性を向上させる観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、より更に好ましくは0.2質量%以上であり、より更に好ましくは0.3質量%以上であり、そして、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下、更に好ましくは1質量%以下、より更に好ましくは0.7質量%以下である。
(定着樹脂の含有量)
本発明インキ中の定着樹脂の含有量は、得られる印刷物の耐ブロッキング性を向上させる観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、更に好ましくは3質量%以上、更に好ましくは4質量%以上であり、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは9質量%以下、より好ましくは8質量%以下である。
本発明インキ中の顔料に対するポリマーの質量比〔ポリマー/顔料〕は、インキの保存安定性の観点から、好ましくは0.2以上、より好ましくは0.4以上、更に好ましくは0.6以上、より更に好ましくは0.8以上であり、そして、好ましくは4以下、より好ましくは3以下、更に好ましくは2以下、より更に好ましくは1.5以下である。
なお、前記質量比〔ポリマー/顔料〕におけるポリマーの量は、ポリマーaと架橋剤aとポリマーbの合計量である。この時、ポリマーa、ポリマーbとも、中和されている場合は中和剤も含んだ質量で計算する。
本発明インキ中の顔料に対するポリマーaと架橋剤aの合計の質量比〔(ポリマーa+架橋剤a)/顔料〕は、インキの保存安定性を向上させる観点から、好ましくは0.06以上、より好ましくは0.1以上、更に好ましくは0.2以上であり、そして、好ましくは1以下、より好ましくは0.8以下、更に好ましくは0.6以下、より更に好ましくは0.5以下、より更に好ましくは0.4以下である。
(水溶性有機溶剤の含有量)
本発明インキ中の水溶性有機溶剤の含有量は、得られる印刷物の耐ブロッキング性を向上させる観点から、好ましくは2質量%以上であり、より好ましくは4質量%以上、更に好ましくは6質量%以上であり、そして、好ましくは35質量%以下であり、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは27質量%以下、より更に好ましくは20質量%以下、より更に好ましくは15質量%以下である。
本発明インキ中のグリコールエーテルの含有量は、耐油性を確保する観点から、0.5質量%以上であり、好ましくは1質量%以上、より好ましくは1.5質量%以上であり、そして、6質量%以下であり、好ましくは5質量%以下、より好ましくは4質量%以下、更に好ましくは3質量%以下である。
本発明インキ中のグリコールの含有量は、ブロッキング性を確保する観点から好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上、より更に好ましくは12質量%以上であり、そして、好ましくは16質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは14質量%以下である。
本発明インキ中グリコールエーテルに対するグリコールの質量比(グリコール/グリコールエーテル)は2.5以上であり、好ましくは2.7以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは5以上であり、そして、13以下であり、好ましくは12以下、より好ましくは11以下、更に好ましくは10以下、より更に好ましくは9以下、より更に好ましくは8以下である。
本発明インキは、沸点が100℃未満の有機溶剤及び沸点が260℃を超える有機溶剤を含有してもよいが、得られる印刷物の耐ブロッキング性を向上させる観点から、それぞれの含有量は、好ましくは5質量%未満、より好ましくは4質量%未満、更に好ましくは1質量%未満、より更に好ましくは0質量%である。
(界面活性剤の含有量)
本発明インキ中の界面活性剤の含有量は、グラビア印刷時における泡立ちとハジキ現象を抑制する観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上であり、そして、好ましくは5質量%以下、より好ましくは4質量%以下、更に好ましくは3質量%以下である。
本発明インキ中のアセチレングリコール系界面活性剤及びシリコーン系界面活性剤の含有量は、上記と同様の観点から、それぞれ、好ましくは0.02質量%以上、より好ましくは0.04質量%以上、更に好ましくは0.06質量%以上であり、そして、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1質量%以下である。
本発明インキ中のアセチレングリコール系界面活性剤の界面活性剤総量に対する質量比〔アセチレングリコール系界面活性剤/界面活性剤総量〕は、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.4以上であり、そして、好ましくは1以下である。
(水の含有量)
本発明インキ中の水の含有量は、得られる印刷物の耐ブロッキング性を向上させる観点から、好ましくは55質量%以上、より好ましくは58質量%以上、更に好ましくは60質量%以上であり、そして、印刷濃度を確保する観点から、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下、更に好ましくは80質量%以下である。
本発明インキは、その用途に応じて、任意成分として、pH調整剤、粘度調整剤、消泡剤、防腐剤、防錆剤等の各種添加剤を含有することができる。
(インキ物性)
20℃における本発明インキのザーンカップNo.3粘度は、グラビア印刷時における泡立ちとハジキ現象を抑制する観点から、好ましくは10秒以上、より好ましくは12秒以上、更に好ましくは14秒以上であり、そして、好ましくは25秒以下、より好ましくは24秒以下、更に好ましくは23秒以下である。
20℃における本発明インキのpHは、分散安定性を向上させる観点から、好ましくは5.5以上、より好ましくは6.5以上であり、そして、部材耐性、皮膚刺激性の観点から、好ましくは11以下、より好ましくは9以下である。
[グラビア印刷方法]
本発明のグラビア印刷方法は、本発明の水性グラビアインキを用いて、低吸液性印刷媒体に印刷する方法である。
グラビア印刷としては、凹版、平版、凸版等の印刷版を用いる印刷が挙げられる。本発明インキをグラビア印刷方式により低吸液性印刷媒体に印刷することにより、耐油性、耐ブロッキング性に優れるグラビア印刷物を得ることができる。
(印刷媒体)
印刷媒体としては、加工紙、合成紙、アート紙、低吸液性のコート紙、樹脂フィルム等の非吸液性媒体が好ましい。
コート紙としては、汎用光沢紙、多色フォームグロス紙等が挙げられる。
樹脂フィルムとしては、透明合成樹脂フィルムが挙げられ、例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド等からなる樹脂フィルムが挙げられるが、ポリエステルフィルム及びポリプロピレンフィルムが好ましい。これらの樹脂フィルムは、二軸延伸フィルム、一軸延伸フィルム、無延伸フィルムであってもよい。
これらの中では、グラビア印刷適性を向上させる観点から、コロナ放電処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、コロナ放電処理された二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルムがより好ましい。
以下の製造例、実施例及び比較例において、「部」及び「%」は特記しない限り「質量部」及び「質量%」である。なお、各物性等の測定方法は以下のとおりである。
(1)ポリマーの重量平均分子量の測定
N,N−ジメチルホルムアミドに、リン酸及びリチウムブロマイドをそれぞれ60mmol/Lと50mmol/Lの濃度となるように溶解した液を溶離液として、ゲル浸透クロマトグラフィー法〔東ソー株式会社製GPC装置(HLC−8320GPC)、東ソー株式会社製カラム(TSKgel SuperAWM−H、TSKgel SuperAW3000、TSKgel guardcolum Super AW−H)、流速:0.5mL/min〕により、標準物質として分子量既知の単分散ポリスチレンキット〔PStQuick B(F−550、F−80、F−10、F−1、A−1000)、PStQuick C(F−288、F−40、F−4、A−5000、A−500)、東ソー株式会社製〕を用いて測定した。
測定サンプルは、ガラスバイアル中にポリマー0.1gを前記溶離液10mLと混合し、25℃で10時間、マグネチックスターラーで撹拌し、シリンジフィルター(DISMIC−13HP、PTFE製、0.2μm、アドバンテック株式会社製)で濾過したものを用いた。
(2)顔料を含有する架橋ポリマー粒子、定着樹脂の平均粒径の測定
レーザー粒子解析システム「ELS−8000」(大塚電子株式会社製)を用いてキュムラント解析を行い、平均粒径を測定した。測定する粒子の濃度が5×10-3重量%(固形分濃度換算)になるよう水で希釈した分散液を用いた。測定条件は、温度25℃、入射光と検出器との角度90°、積算回数100回であり、分散溶媒の屈折率として水の屈折率(1.333)を入力し、得られたキュムラント平均粒径を、顔料を含有する架橋ポリマー粒子、定着樹脂の平均粒径とした。
(3)固形分濃度の測定
赤外線水分計「FD−230」(株式会社ケツト科学研究所製)を用いて、測定試料5gを乾燥温度150℃、測定モード96(監視時間2.5分/変動幅0.05%)の条件にて乾燥させた後、測定試料の水分(%)を測定し、下記式により固形分濃度を算出した。
固形分濃度(%)=100−測定試料の水分(%)
(4)ポリマーの酸価の測定
電位差自動滴定装置(京都電子工業株式会社製、電動ビューレット、型番:APB−610)にポリマーをトルエンとアセトン(2:1)を混合した滴定溶剤に溶かし、電位差滴定法により0.1N水酸化カリウム/エタノール溶液で滴定し、滴定曲線上の変曲点を終点とした。水酸化カリウム溶液の終点までの滴定量から酸価を算出した。
(5)水溶性有機溶剤の沸点の測定
JIS K2254に準じて測定を行い、その初留点を沸点とした。
製造例A1(顔料を含有する架橋ポリマー粒子(A−1)の製造)
(1)2Lフラスコにイオン交換水236部を計量し、スチレン−アクリル系ポリマー(BASF社製、商品名:ジョンクリル690、重量平均分子量:16500、酸価:240mgKOH/g)60部、5N水酸化ナトリウム溶液36.5部(中和度60モル%)を投入した。アンカー翼を用いて200rpmで2時間撹拌し、ポリマー水溶液332.5部(固形分濃度19.9%)を得た。
ディスパー翼を有する容積2Lの容器に前記ポリマー水溶液331.7部及びイオン交換水448.3部を入れ、0℃の水浴で冷却しながら、ディスパー(淺田鉄工株式会社製、商品名:ウルトラディスパー)を用いて1400rpmで15分間撹拌した。
(2)次いでシアン顔料(C.I.ピグメント・ブルー15:3)200部を加え、6400rpmで1時間撹拌した。得られた分散液をジルコニアビーズ(株式会社ニッカトー社製、商品名:XTZボール、0.3mmφ)を80体積%充填した湿式分散機(株式会社広島メタル&マシナリー製、商品名:ウルトラアペックスミル UAM05)に投入し、5℃の冷却水で冷却しながら周速8m/s、流量200g/分で5パス分散後、200メッシュ金網を用いて濾過を行った。
(3)上記(2)で得られた濾液500部(顔料150部、ポリマー45部)に架橋剤(ナガセケムテックス株式会社製、デナコールEX−321L、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、エポキシ当量:129、水溶率:27%)9.93部(ポリマー中のアクリル酸に含有する架橋反応点となるカルボン酸に対し40モル%相当)、防黴剤(ロンザジャパン株式会社製、プロキセルLV(S)、有効分濃度20%)1.2部を添加し、更にイオン交換水91.6部を添加し、70℃で3時間攪拌した後、200メッシュ金網で濾過し、顔料を含有(内包)する架橋ポリマー粒子(A−1)を水分散体として得た。
収量は602.7部(固形分濃度:34.0%、顔料:24.9%、ポリマーa1:9.1%)、平均粒径は280nmであった。
製造例A2(顔料を含有する架橋ポリマー粒子(A−2)の製造)
製造例A1の(3)において、架橋剤9.93部を4.97部(架橋率20モル%相当)に変えた以外は、製造例A1と同様にして、顔料を含有(内包)する架橋ポリマー粒子(A−2)の水分散体を得た。
収量は598.2部(固形分濃度:34.0%、顔料:25.5%、ポリマーa2:8.5%)、平均粒径は270nmであった。
製造例A3(顔料を含有する架橋ポリマー粒子(A−3)の製造)
(1)スチレン−アクリル系ポリマーの製造
反応容器内に、メチルエチルケトン(MEK)20部及び重合連鎖移動剤(2−メルカプトエタノール)0.03部、表1に示す各モノマーの合計200部の10%を入れて混合し、窒素ガス置換を十分に行い、混合溶液を得た。
一方、滴下ロートに、表1に示すモノマーの残りの90%を仕込み、前記重合連鎖移動剤0.27部、MEK60部及びラジカル重合開始剤(2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、富士フイルム和光純薬株式会社製、商品名:V−65)1.2部を入れて混合し、十分に窒素ガス置換を行い、混合溶液を得た。
窒素雰囲気下、反応容器内の混合溶液を撹拌しながら65℃まで昇温し、滴下ロート中の混合溶液を3時間かけて徐々に滴下した。滴下終了から65℃で2時間経過後、前記ラジカル重合開始剤0.3部をMEK5部に溶解した溶液を加え、更に65℃
で2時間、70℃で2時間熟成させ、重量平均分子量62,000、酸価104mgKOH/gのポリマー溶液を得た。
Figure 2021075646
なお、表1に示す化合物の詳細は、以下のとおりである。
(a−2)スチレンマクロマー:東亜合成株式会社製、商品名:AS−6(S)、数平均分子量:6000、重合性官能基:メタクロイルオキシ基、固形分濃度50%
(a−3)ポリエチレングリコールモノメタクリレート:新中村化学工業株式会社製、商品名:NKエステルEH−4E、エチレンオキシド平均付加モル数:4、末端:2−エチルへキシル基
(2)上記(1)で得られたポリマー溶液を減圧乾燥させて得られたポリマー60部をMEK100部に溶かし、その中に5N水酸化ナトリウム溶液18.3部(中和度60モル%)及びイオン交換水570部をディスパー翼を有する容積2Lの容器に入れ、これに更にシアン顔料(C.I.ピグメント・ブルー15:3)200部を加え、プライミクス株式会社製、商品名:TKロボミックス+TKホモディスパー2.5型を用いて回転数1400rpmで15分間混合し、得られた分散液をジルコニアビーズ(株式会社ニッカトー社製、商品名:XTZボール、0.3mmφ)を80体積%充填した湿式分散機(株式会社広島メタル&マシナリー製、商品名:ウルトラアペックスミル UAM05)に投入し、5℃の冷却水で冷却しながら周速8m/s、流量200g/分で5パス分散後、200メッシュ金網を用いて濾過を行った。
得られた分散液に、イオン交換水250部を加えて撹拌した後、減圧下、60℃でMEKを除去し、更に一部の水を除去し、顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子の形態である顔料水系分散体(固形分濃度25%)を得た。
得られた濾液780部(顔料150部、ポリマー45部)に架橋剤(ナガセケムテックス株式会社製、デナコールEX−321L)5部(ポリマー中のメタクリル酸に含有する架橋反応点となるカルボン酸に対し40モル%相当)、防黴剤(ロンザジャパン株式会社製、プロキセルLV(S))1.2部を添加し、更にイオン交換水91.6部を添加し、70℃で3時間攪拌した後、200メッシュ金網で濾過し、顔料を含有(内包)するポリマー粒子(A−3)の水分散体を得た。
収量は600.2部(固形分濃度:34.0%、顔料:25.5%、ポリマーa3:8.5%)、平均粒径は320nmであった。
製造例A4(顔料を含有する非架橋ポリマー粒子の製造)
製造例A1において、架橋剤を用いなかった以外は、製造例A1と同様にして、顔料を含有(内包)する非架橋ポリマー粒子の水分散体を得た。
収量は592.8部(固形分濃度:32.9%、顔料:25.3%、非架橋ポリマー:7.6%)、平均粒径は260nmであった。
製造例B1(水不溶性スチレン−アクリル樹脂エマルションの製造)
2Lフラスコにイオン交換水163部を計量し、製造例A1で用いたスチレン−アクリル系ポリマー(BASF社製、商品名:ジョンクリル690)60部、ジメチルアミノエタノール(中和剤)13.7部(中和度60モル%)を投入した。アンカー翼を用いて室温において200rpmで2時間撹拌したのち、架橋剤(ナガセケムテックス株式会社製、デナコールEX−321L)16.3部(ポリマー中のアクリル酸に含有する架橋反応点となるカルボン酸に対し40モル%相当)、防黴剤(ロンザジャパン株式会社製、プロキセルLV(S))を1.2部、イオン交換水37部を添加して、70℃で3時間攪拌した後、200メッシュ金網で濾過し、水不溶性スチレン−アクリル樹脂エマルションを得た。
収量は200部(固形分濃度45%、平均粒径:60nm)、水不溶性スチレン−アクリル樹脂エマルションの酸価(架橋後)は186mgKOH/gであった。
<水性インキの調製>
実施例1(水性インキ1の調製)
製造例A1で得られた顔料を含有する架橋ポリマー粒子(A−1)の水分散体29.3部(インキ中の顔料濃度7.3%に相当)、及び製造例B1で得られた水不溶性スチレン−アクリル樹脂エマルション(定着樹脂)22.2部(インキ中の定着樹脂の固形分濃度10%に相当)、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル(iBDG)4部、プロピレングリコール11.5部、シリコーン系界面活性剤(信越化学工業株式会社製、商品名:KF6011、PEG−11メチルエーテルジメチコン、HLB:12)0.5部、アセチレングリコール系界面活性剤(日信化学工業株式会社製、商品名:サーフィノール104PG−50、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、有効分50%、プロピレングリコール溶液、HLB:3)1.0部、及び増粘剤(株式会社ADEKA製、商品名:アデカノールUH−420、有効分30%水溶液)0.5部とイオン交換水の量を調整して加えることで全体が100部、かつザーンカップ粘度(No.3)が21秒±1秒になるように調整した後、ステンレス金網(200メッシュ)で濾過して水性インキ1を得た。
結果を表2に示す。なお、表2中の各成分量は有効量である。
実施例2〜13、比較例1〜5(水性インキ2〜13、21〜25の調製)
実施例1において、インキ組成を表2に示すように変えた以外は、実施例1と同様にして、水性インキ2〜13、21〜25を得た。結果を表2に示す。
表2中の水溶性有機溶剤の詳細は以下のとおりである。
・BDG:ジエチレングリコールモノブチルエーテル(沸点230℃)
・iBDG:ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル(沸点220℃)
・iPDG:ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル(沸点207℃)
・MDG:ジエチレングリコールモノメチルエーテル(沸点194℃)
・iPG:エチレングリコールモノイソプロピルエーテル(沸点142℃)
表2中の水溶性有機溶剤は、全て富士フイルム和光純薬株式会社製の試薬である。
カルボジイミド系硬化剤は、日清紡ケミカル株式会社製のカルボジライトE−02(有効分40%)である。
実施例及び比較例で得られた水性インキを用いて、以下に示す方法でグラビア印刷を行い、耐油性、耐ブロッキング性を評価した。結果を表2に示す。
<耐油性の評価>
水性インキを用いて、OPPフィルム(フタムラ化学株式会社製、商品名:FOR−AQ#20、ラミネートグレード)のコロナ放電処理面に印刷を行った。
印刷は、卓上グラビア印刷テスト機(松尾産業株式会社製、商品名:Kプリンティングプルーファー)を用いて、レーザー製版方式のグラビア250線、8μmのプレート(ナベプロセス株式会社製)で階調印刷を行った。得られた印刷物は、引続き60℃に設定した乾燥機(ヤマト科学株式会社、商品名:Drying Oven DSV402)内で10分間乾燥した。
得られた印刷物の100%階調部を切り出し、溶融した市販のマーガリン(雪印メグミルク株式会社製、商品名:ネオソフト)を厚さ1mm~5mmになるように塗布し、25℃で6時間静置した後に塗布したマーガリンをそのままにして、テスター産業株式会社製、学振型摩擦堅牢度試験機AB−301を用いて、切り出した印刷物のインキの剥離状態を目視で確認し、以下の評価基準で耐油性を評価した。
試験条件は、摩擦子にJIS L0803に規定の白色綿布金巾3号に準拠したものを取り付け、荷重条件200g、往復回数30回、振幅11cm、速度30回/分、振幅11cmとした。
(評価基準)
5:印刷面のインキの剥離が全くない。
4:インキ被膜の剥離が殆どない(面積基準で約1%以上5%未満)。
3:インキ被膜の剥離が僅かにある(面積基準で約5%以上10%未満)。
2:インキ被膜の剥離が僅かにある(面積基準で約10%以上20%未満)。
1:インキ被膜の剥離がかなりある(面積基準で約20%以上)。
評価結果が3以上であれば、実用上問題ない。
<耐ブロッキング性の評価>
上記で得られた印刷物の100%階調部を切り出し、未使用のOPPフィルムを重ね合わせ、上から1kg/cmの荷重をかけ、20℃で12時間保持後、24時間保持後、36時間保持後、48時間保持後に、それぞれOPPフィルムを剥がし、インキの剥がれ状態を確認し、以下の評価基準で耐ブロッキング性を評価した。
(評価基準)
5:48時間放置してもインキの剥がれがない。
4:48時間放置でインキの剥がれがあるが、面積比率で5%以下である。
3:36時間放置でインキの剥がれがある。
2:24時間放置でインキの剥がれがある。
1:12時間放置でインキの剥がれがある。
評価結果が3以上であれば、耐ブロッキング性は実用上問題ない。
Figure 2021075646
表1から、実施例の水性インキは、比較例の水性インキに比べて、耐油性が高く、耐ブロッキング性に優れており、高画質の印刷物を得ることができることが分かる。

Claims (8)

  1. 顔料を含有する架橋ポリマー粒子、水溶性有機溶剤、定着樹脂、界面活性剤、及び水を含有する水性グラビアインキであって、
    該水溶性有機溶剤が、グリコールエーテルとグリコールを含み、
    該インキ中のグリコールエーテルの含有量が0.5質量%以上6質量%以下であり、
    該インキ中のグリコールエーテルに対するグリコールの質量比(グリコール/グリコールエーテル)が2.5以上13以下である、水性グラビアインキ。
  2. 架橋ポリマー粒子を構成する架橋前のポリマーの酸価が、80mgKOH/g以上300mgKOH/g以下である、請求項1に記載の水性グラビアインキ。
  3. グリコールエーテルが、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、及びジエチレングリコールモノブチルエーテルから選ばれる1種以上である、請求項1又は2に記載の水性グラビアインキ。
  4. 界面活性剤が、アセチレングリコール系界面活性剤及びシリコーン系界面活性剤から選ばれる1種以上を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の水性グラビアインキ。
  5. 沸点100℃未満の水溶性有機溶剤の含有量が5質量%未満である、請求項1〜4のいずれかに記載の水性グラビアインキ。
  6. カルボジイミド系硬化剤を更に含む、請求項1〜5のいずれかに記載の水性グラビアインキ。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の水性グラビアインキを用いて、低吸液性印刷媒体に印刷する、グラビア印刷方法。
  8. 低吸液性印刷媒体が樹脂フィルムである、請求項7に記載のグラビア印刷方法。
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